JP2980010B2 - 防曇剤組成物 - Google Patents

防曇剤組成物

Info

Publication number
JP2980010B2
JP2980010B2 JP7243067A JP24306795A JP2980010B2 JP 2980010 B2 JP2980010 B2 JP 2980010B2 JP 7243067 A JP7243067 A JP 7243067A JP 24306795 A JP24306795 A JP 24306795A JP 2980010 B2 JP2980010 B2 JP 2980010B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
component
antifogging
composition according
agent composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP7243067A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0987615A (ja
Inventor
俊一 大西
覚 桃平
一也 木下
厚 大林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical MKV Co
Original Assignee
Mitsubishi Chemical MKV Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical MKV Co filed Critical Mitsubishi Chemical MKV Co
Priority to JP7243067A priority Critical patent/JP2980010B2/ja
Publication of JPH0987615A publication Critical patent/JPH0987615A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2980010B2 publication Critical patent/JP2980010B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Materials Applied To Surfaces To Minimize Adherence Of Mist Or Water (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガラス、合成樹脂
材料よりなる各種製品の表面に防曇性を付与し、特に防
曇性の発現速さ、及び防曇性を長期間にわたって持続し
うる防曇剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、種々の熱可塑性樹脂が工業的に製
造され、広い分野に使用されている。これら熱可塑性樹
脂より製造された成形品の多くは、その表面が疎水性で
あるため、成形品を使用する温度、湿度等の条件によっ
ては、成形品の表面に曇りを生じ、種々の不都合をきた
している。例えば、合成樹脂製レンズを使用しているゴ
ーグル、安全眼鏡等では、曇りのため視界がきかなくな
ったり、食品包装用フィルムでは、曇りのために内容物
が見えにくくなる。また、温室に用いられる農業用フィ
ルムでは、曇りのために太陽光線の透過が悪くなり、植
物の生育を遅くしたり、曇りの微細水滴が集合して生じ
た水滴が栽培植物に落下することにより、幼芽が害をう
けたり、病害の発生の原因となったりする。
【0003】このような不都合を解消するためには、熱
可塑性樹脂成形品の表面に、防曇性を付与すればよいこ
とが知られている。熱可塑性樹脂成形品の表面に防曇性
を付与するには、熱可塑性樹脂に界面活性剤のような親
水性物質を練り込んで成形品とする方法、又は成形品と
した後に、その表面に、例えば、シリカまたはアルミナ
と界面活性剤との混合物を塗布する方法が各種提案され
ている。しかしながら、前者の方法では、熱可塑性樹脂
に練り込んだ親水性物質が成形品の表面にふきだして配
位し、成形品に防曇性を付与し、防曇性を発現する迄の
時間は短かいものの、水によって流出し易く、短期間の
うちに防曇性が消失する。他方、後者の方法においても
熱可塑性樹脂との密着性に乏しいため、形成塗膜は、時
間の経過とともに脱落し、いずれの方法を採用しても防
曇性の発現速さと防曇効果の持続性の両立ができなかっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、従来の上
述のような欠点を解消するために、ガラス転移温度35
〜80℃の範囲にある疎水性アクリル系樹脂と無機質コ
ロイドゾルとからなる防曇剤組成物に関する発明を、特
開昭62−246984号として提案したが、今回、疎
水性アクリル系樹脂の水分散液と無機質コロイドゾルを
混合するときに、別途水溶性の無機塩素化合物を添加す
ることにより、熱可塑性樹脂成形品表面への密着性も優
れ、防曇性を発現する迄の時間が短かく、かつ長期にわ
たって成形品の防曇性を持続しうることを見い出し、本
発明を完成するに到った。
【0005】
【課題を解決するための手段】しかして本発明の要旨と
するところは、(a)ガラス転移温度が35〜80℃の
範囲にある疎水性アクリル系樹脂の水分散液、(b)無
機質コロイドゾル、(c)水溶性無機塩素化合物を必須
成分とし、且つ、成分(b)の固形分100重量部に対
して成分(c)を0.01〜30重量部含有してなる防
曇剤組成物に存する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の防曇剤組成物の成分(a)である疎水性アクリ
ル系樹脂は、ガラス転移温度が35〜80℃の範囲にあ
ればいずれでもよいが、(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステル類または(メタ)アクリル酸アルキルエステル類
とアルケニルベンゼン類との混合物を少なくとも60重
量%、及びこれらと共重合可能なα,β−エチレン性不
飽和単量体0〜40重量%を重合して得られた単独重合
体または共重合体が好ましい。
【0007】(メタ)アクリル酸アルキルエステル類と
は、アクリル酸のまたはメタクリル酸のアルキルエステ
ル類であり、具体的には例えば、アクリル酸メチルエス
テル、アクリル酸エチルエステル、アクリル酸−n−プ
ロピルエステル、アクリル酸イソプロピルエステル、ア
クリル酸−n−ブチルエステル、アクリル酸−2−エチ
ルヘキシルエステル、アクリル酸デシルエステル、メタ
クリル酸メチルエステル、メタクリル酸エチルエステ
ル、メタクリル酸−n−プロピルエステル、メタクリル
酸イソプロピルエステル、メタクリル酸−n−ブチルエ
ステル、メタクリル酸−2−エチルヘキシルエステル、
メタクリル酸デシルエステル等が挙げられ、一般には、
アルキル基の炭素数が1〜20個のアクリル酸アルキル
エステル及び/又はアルキル基の炭素数が1〜20個の
メタクリル酸アルキルエステルが使用される。
【0008】アルケニルベンゼン類としては、例えばス
チレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等が挙げ
られる。アルケニルベンゼン類と、(メタ)アクリル酸
アルキルエステル類との混合物を用いる場合には、α,
β−エチレン性不飽和単量体の使用量によっても異なる
が、通常(メタ)アクリル酸アルキルエステル類の使用
割合を10重量%以上とするのがよく、また、疎水性ア
クリル系樹脂中に占めるアルケニルベンゼン類を70重
量%以下の範囲で含有するものがよい。
【0009】本発明で用いる疎水性アクリル系樹脂は、
(メタ)アクリル酸アルキルエステル類、またはこれと
アルケニルベンゼン類との混合物を、少なくとも60重
量%含有するものが好ましく、60重量%に満たないと
きは形成塗膜の耐水性が充分でなく、防曇持続性能を発
揮し得ない。前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル
類、またはこれとアルケニルベンゼン類との混合物と共
重合可能なα、β−エチレン性不飽和単量体としては、
例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マ
レイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸等のα,
β−エチレン性不飽和カルボン酸類;エチレンスルホン
酸のようなα,β−エチレン性不飽和スルホン酸類;2
−アクリルアミド−2−メチルプロパン酸;α,β−エ
チレン性不飽和ホスホン酸類;アクリル酸又はメタクリ
ル酸のヒドロキシエチル等の水酸基含有ビニル単量体;
アクリロニトリル類;アクリルアマイド類;アクリル酸
又はメタクリル酸のグリシジルエステル類等がある。こ
れら単量体は、単独で用いても、又は2種以上の併用で
もよく、0〜40重量%の範囲で使用できる。40重量
%を超えると、防曇性能を低下させるので好ましくな
い。
【0010】これら単量体から疎水性アクリル系樹脂を
重合する方法としては、従来から知られている種々な乳
化剤、例えば陰イオン系界面活性剤、陽イオン系界面活
性剤、非イオン系界面活性剤の中から選ばれる1種もし
くは2種以上の存在下、水系媒質中で、乳化重合させる
方法、反応性乳化剤を用いて重合させる方法、乳化剤を
含有せずオリゴソープ理論に基づいて重合させる方法等
によって得られる。乳化剤の存在下による重合方法の場
合、これら乳化剤は、単量体の仕込み合計量に対し0.
1〜10重量%の範囲で使用される。この範囲外である
と、重合速度の調整が難しく、また合成される樹脂の分
散安定性が劣るので好ましくない。
【0011】疎水性アクリル系樹脂の製造に当って用い
られる重合開始剤としては、例えば過硫酸アンモニウ
ム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩、アセチルパーオキサ
イド、過酸化ベンゾイル等の有機過酸化物等が挙げられ
る。これらは、単量体の仕込み合計量に対して0.1〜
10重量%の範囲で使用される。本発明における疎水性
アクリル系樹脂は、そのガラス転移温度(Tg)が35
〜80℃の範囲内のものでなければならない。このよう
なTgのものは、使用する単量体の種類及び使用量(配
合量)の選択によって得られる。しかして、使用するア
クリル系樹脂のTgが80℃を超えると透明性のある均
一な塗膜が得られにくい。また、Tgが35℃に満たな
いときは、無機質コロイド粒子が数次凝集して不均一な
分散状態をとりやすく、又無機質コロイド粒子の塗布基
材に対する固着が充分でないので、時間の経過とともに
無機質コロイド粒子が基材表面から脱落・流失するなど
して防曇性能を損ねる。
【0012】本発明の組成物の成分(a)である疎水性
アクリル系樹脂の水系エマルジョンは、各単量体を水系
媒質中での重合によって得られた水系エマルジョンをそ
のまま使用しても、更にこのものに液状分散媒を加えて
稀釈したものでもよく、また上記のような重合によって
生じた重合体を分別採取し、これを液状分散媒に再分散
させて水系エマルジョンとしたものでもよい。
【0013】本発明の組成物の成分(b)である無機質
コロイドゾルは、疎水性の成形品表面に塗布することに
より、成形品表面に親水性を付与する機能を果すもので
ある。無機質コロイドゾルとしては、例えばシリカ、ア
ルミナ、水不溶性リチウムシリケート、水酸化鉄、水酸
化スズ、酸化チタン、硫酸バリウム等の無機質水性コロ
イド粒子を、種々の方法で、水又は親水性媒体中に分散
させた、水性ゾルが挙げられる。中でも好ましいのは、
シリカゾルとアルミナゾルである。これらは、単独で用
いても併用してもよい。使用する無機質コロイドゾルと
しては、その固体平均粒子径が5〜100mμの範囲の
ものが好ましい。この範囲内にあれば、平均粒子径の異
なる2種以上のコロイドゾルを組合せて用いてもよい。
平均粒子径が100mμを超えると、塗膜が白く失透す
る傾向がでてくるのみならず、防曇持続性が低下するた
め好ましくない。また、5mμに満たないときは、無機
質コロイドゾルの安定性に欠ける恐れがある。
【0014】無機質コロイドゾルは、その配合量を固形
分重量比でアクリル系樹脂に対して0.5以上4以下に
することが好ましい。即ち0.5に満たないときは、充
分な防曇効果が発揮できない。また、4を超えるとき
は、防曇効果が配合量に比例して向上しないばかりでな
く、成形品が透明な場合は、塗布後に形成される塗膜が
白濁化し光線透過率を低下させ、また、塗膜が粗雑でぜ
い弱になり易くなるので好ましくない。
【0015】本発明の組成物の成分(c)である水溶性
無機塩素化合物としては、塩化水素、塩化アンモニウ
ム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、
塩化マグネシウム、塩化バリウム、塩化亜鉛、塩化リチ
ウム、塩化アルミニウム、塩化第1鉄、塩化第2鉄、塩
化第2錫、塩化第2水銀、次亜塩素酸ナトリウム、次亜
塩素酸カリウム、次亜塩素酸カルシウム、等が挙げられ
る。これら水溶性無機塩素化合物の中で、特に1価の塩
素化合物が好ましい。また、これらは2種以上併用して
も差支えない。
【0016】水溶性無機塩素化合物の添加量は、無機質
コロイドゾルの固形分100重量部に対し0.01〜3
0重量部であり、特に0.01〜20重量部、中でも
0.01〜10重量部が好ましい。塩素化合物が液体の
場合は、100%有効成分の重量をいう。添加量が0.
01重量部よりも少ないときは、防曇性を発現するまで
に時間がかかり、30重量部よりも過剰になると、塗布
液中の無機質コロイドゾルが凝集し、塗膜の透明性が低
下するとともにまた防曇性の発現速さが遅くなるので好
ましくない。
【0017】本発明により調製された防曇剤組成物に
は、架橋剤を配合するのが好ましい。架橋剤によってア
クリル系樹脂同士が架橋し、耐水性を向上させることが
できる。架橋剤としては、フェノール樹脂類、アミノ樹
脂類、アミン化合物類、アジリジン化合物類、アゾ化合
物類、イソシアネート化合物類、エポキシ化合物類、シ
ラン化合物類等が挙げられるが、特にアミン化合物類、
アジリジン化合物類、エポキシ化合物類が好適である。
【0018】アミン化合物類としては、ジエチレントリ
アミン、トリエチレンペンタミン、ヘキサメチレンジア
ミン等の脂肪族ポリアミン;3,3′−ジメチル−4,
4′−ジアミノジシクロヘキシルメタン、イソホロンジ
アミン等の脂環式アミン;4,4′−ジアミノジフェニ
ルメタン、m−フェニレンジアミン等の芳香族アミンが
使用される。
【0019】アジリジン化合物類としては、トリス−
2,4,6−(1−アジリジニル)−1,3,5−トリ
アジン、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジ
ニルプロピオネート、トリス[1−(2−メチル)アジ
リジニル]ホスフィンオキシド、ヘキサ[1−(2−メ
チル)−アジリジニル]トリホスファトリアジン等が使
用される。
【0020】エポキシ化合物類としては、ビスフェノー
ルA又はフェノールFとエピクロルヒドリンとの反応生
成物、フェノール(又は置換フェノール)とホルムアル
デヒドとの樹脂反応生成物とエピクロルヒドリンの反応
により生成されるエポキシ化ノボラック樹脂、エピクロ
ルヒドリン及び脂肪族多価アルコール例えばグリセロー
ル、1,4−ブタンジオール、ポリ(オキシプロピレ
ン)グリコール又は類似の多価アルコール成分から生成
される樹脂状反応生成物及び過酢酸を用いるエポキシ化
により得られる樹脂等が使用される。エポキシ化合物類
では、さらに三級アミン類や四級アンモニウム塩類を触
媒として併用すると好ましい。これら架橋剤は、その添
加量がアクリル系樹脂固形分に対して0.1〜30重量
%の範囲で使用できる。特に、0.5〜10重量%の範
囲が好ましい。
【0021】しかして、防曇剤組成物は、通常液状で使
用される。液状分散媒としては、水を含む親和性ないし
水混合性溶媒が含まれ、水:メチルアルコール、エチル
アルコール、イソプロピルアルコール等の一価アルコー
ル類:エチレングリコール、ジエチレングリコール、グ
リセリン等の多価アルコール類:ベンジルアルコール等
の環式アルコール類:セロソルブアセテート類:ケトン
類等が挙げられる。これらは単独で用いても併用しても
よいが、用いる防曇剤組成物の分散安定性、フィルム表
面に塗布した後の濡れ性、液状分散媒除去の難易及び経
済性を勘案して決めるのが好ましい。
【0022】防曇剤組成物は、疎水性アクリル系樹脂、
無機質コロイドの固形分として一般に0.5〜50重量
%の濃度で調製され、普通1〜20重量%の濃度で調製
し、これを稀釈して使用することが多い。本発明で調製
される防曇剤組成物には更に必要に応じて、消泡剤、可
塑剤、造膜助剤、増粘剤、顔料、顔料分散剤等の慣用の
添加剤を混合することができる。
【0023】本発明に係る防曇剤組成物は、成形品の表
面に塗布し、強制乾燥又は自然乾燥し、液状分散媒を揮
散させることで塗膜を形成することによって、成形品表
面の防曇性を発現させるものである。強制乾燥する方法
としては、熱風乾燥法、赤外線輻射法等が採用できる。
強制乾燥するときの加熱温度は、塗布された防曇剤組成
物によって決定されるが、50〜250℃、好ましくは
70〜200℃の範囲である。
【0024】本発明の防曇剤組成物を塗布することによ
り、その特徴が顕著に認められる成形品としては、プラ
スチック、無機ガラス、透明セラミック、金属、鏡面材
料等が挙げられる。これらの中で特に実用価値の大きい
例としては、プラスチック成形品、プラスチックフィル
ム、無機ガラスレンズ、建造物の窓、浴室の窓、自動車
又は列車、航空機、船舶などのような乗物の窓等が挙げ
られる。本発明の防曇剤組成物を成形品表面に塗布する
には、ロールコート法、ディップコート法、ハケ塗り
法、スプレーコート法、バーコート法、ナイフコート法
等それ自体公知の如何なる方法によってもよい。
【0025】成形品の表面に防曇剤組成物を塗布し、液
状分散媒を乾燥、揮散させた後の固形物の付着量は、
0.01〜10g/m2 、好ましくは0.1〜5g/m
2 の範囲である。成形品表面と、本発明に係る防曇剤組
成物に由来する塗膜との接着性が充分でない場合には、
防曇剤組成物を塗布する前に、成形品表面にプラズマ処
理を施すとか、又はコロナ放電処理を施こす等によって
成形品表面を改質するのがよい。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例にもとづいて詳細に説
明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の例
に限定されるものではない。 (1)アクリル系樹脂の調製 樹脂A〜I 四ツ口フラスコにポリオキシエチレンラウリルエーテル
2重量部及び水80重量部を仕込んで窒素ガス気流下に
60℃まで加熱し、ここに過硫酸アンモニウム0.5重
量部を添加し、さらに表−1に示した各単量体の混合物
100重量部を3時間にわたって滴下した。この際の反
応温度は60〜70℃の範囲に保持するが、滴下終了後
も同温度範囲に2時間保持してから冷却し、アクリル系
樹脂の水分散液を製造した。各樹脂のガラス転移温度
は、表−1に示すとおりであり、次式により算出した値
である。
【0027】
【数1】 〔Tg; 疎水性アクリル系樹脂のガラス転移温度(K
°) Tg1 ,Tg2 ,・・・Tgn ; 各成分1,2・・・
nのホモポリマーのガラス転移温度(K°) W1 ,W2 ,・・・Wn ; 各成分1,2・・・nの重
量分率をそれぞれ示す〕
【0028】
【表1】
【0029】(2)防曇剤組成物の調製 上記製造例において得られたアクリル系樹脂水分散液A
〜Iに、表−2に示した種類及び量の無機コロイドゾ
ル、水溶性の無機塩素化合物及びその他の成分を配合
し、各種の防曇剤組成物を調製した。
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】
【0032】(3)塗膜の形成及び塗膜の評価 得られた防曇剤組成物を、表−3に示した成形品表面に
バーコート法によって、乾燥後の塗布量(固形分とし
て)が0.5g/m2 となるように塗布し、90℃の熱
風中に1分間滞留させ、溶媒を飛散させた。得られた成
形品に形成された塗膜の性質について、次に記載した方
法で各種性質を評価した。
【0033】 密着性 成形品の塗膜を形成した面にセロハンテープを接着し、
このセロハンテープを剥した時に、塗膜の剥離状況を肉
眼で観察した。この評価基準は、次のとおりである。 ○ ・・・塗膜が全く剥離せず、完全に残ったもの。 ○x ・・・塗膜の2/3以上が剥離せず残ったもの。 △ ・・・塗膜の2/3以上が剥離したもの。 × ・・・塗膜が完全に剥離したもの。
【0034】 透明性 成形品の外観を肉眼で観察した。この評価基準は、次の
とおりである。 ○ ・・・防曇性組成物を塗布しない成形品と較べて、透明性がほぼ同等の もの。 ○X ・・・透明性の低下がやや認められるもの。 △ ・・・透明性の低下がかなり認められるもの。 × ・・・透明性の低下が非常に激しく、実用に耐えないもの。
【0035】 耐ブロッキング性 成形品の塗膜を形成した面と未処理面とを重ね合わせ、
50℃ギアーオーブン内で2kgの荷重下1日間放置し
た後、試験片を取り出し、重ね合わせ部分の剥離状態を
肉眼で観察した。この評価基準は、次のとおりである。 ○ ・・・ほとんど抵抗なく剥すことができ、塗膜の破
壊が発生していないもの。 ○x ・・・剥すのにやや抵抗があり、塗膜の一部が破壊
しているもの。 △ ・・・剥すのに抵抗があり、塗膜の半分が破壊して
いるもの。 × ・・・剥すのに著しく抵抗があり、塗膜のほとんど
が破壊しているもの。
【0036】 防曇性 i)条件1 水をいれた水槽の上部に、成形品の塗膜を形成した表面
を水槽内部に向けて配置し、外気温を20℃、水槽内気
温を50℃に保持し、水槽の上部に成形品を配置してか
ら5分後、及び10分後それぞれの時点で、防曇性の発
現速さを肉眼で観察判定した。この評価基準は、次のと
おりである。 ◎ ・・・水が薄膜状に付着し、水滴が認められない状
態。 ○ ・・・水が薄膜状に付着しているが、わずかに大粒
の水滴が認められる状態。 ○x ・・・水が薄膜状に付着しているが、部分的に大粒
の水滴の付着が認められる状態。 △ ・・・部分的に細かい水滴の付着が認められる状
態。 × ・・・成形品内表面全体に、細かい水滴の付着が認
められる状態。
【0037】ii)条件2 成形品を、戸外の試験圃場に設置した片屋根式ハウス
(間口2m、奥行き20m、棟高2m、屋根勾配30
度)に、塗膜を設けた面をハウス内側にして被覆を行な
い、4月から翌年の9月までの18か月間展張試験を行
った。展張試験中に、経時的に、各成形品の防曇性を肉
眼で観察した。この評価基準は、上記条件1における場
合と同じである。これらの評価結果を表−3に示した。
【0038】
【表4】
【0039】
【発明の効果】本発明の防曇剤組成物は、成形品に適用
することにより、防曇性を早く発現し併せて防曇性が長
期間にわたって持続することから、防曇剤としての利用
価値は極めて大きい。
フロントページの続き (72)発明者 木下 一也 愛知県名古屋市中村区岩塚町大池2番地 三菱化学エムケーブイ株式会社名古屋 事業所内 (72)発明者 大林 厚 愛知県名古屋市中村区岩塚町大池2番地 三菱化学エムケーブイ株式会社名古屋 事業所内 (56)参考文献 特開 昭63−150369(JP,A) 特開 平3−50288(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09K 3/18 C08K 3/00 C08L 33/06 CA(STN)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)ガラス転移温度が35〜80℃の
    範囲にある疎水性アクリル系樹脂の水分散液 (b)無機質コロイドゾル (c)水溶性無機塩素化合物 を必須成分とし、且つ、成分(b)の固形分100重量
    部に対して成分(c)を0.01〜30重量部含有して
    なる防曇剤組成物。
  2. 【請求項2】 成分(a)の疎水性アクリル系樹脂が、
    (メタ)アクリル酸アルキルエステル類または(メタ)
    アクリル酸アルキルエステル類とアルケニルベンゼン類
    との混合物を少なくとも60重量%、及びこれらと共重
    合可能なα,β−エチレン性不飽和単量体0〜40重量
    %を重合して得られた単独重合体または共重合体である
    請求項1記載の防曇剤組成物。
  3. 【請求項3】 成分(b)の固形分100重量部に対し
    て成分(c)の割合が、0.01〜10重量部である請
    求項2記載の防曇剤組成物。
  4. 【請求項4】 成分(b)の配合量が固形分重量比で成
    分(a)に対して、0.5以上、4以下である請求項1
    ないし3のいずれかの項に記載の防曇剤組成物。
  5. 【請求項5】 成分(b)の固体平均粒子径が、5〜1
    00mμである請求項1ないし4のいずれかの項に記載
    の防曇剤組成物。
  6. 【請求項6】 成分(b)が、シリカゾルまたはアルミ
    ナゾルである請求項1ないし5のいずれかの項に記載の
    防曇剤組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれかの項に記載
    の防曇剤組成物に、更に成分(a)の疎水性アクリル系
    樹脂の架橋剤を配合した防曇剤組成物。
JP7243067A 1995-09-21 1995-09-21 防曇剤組成物 Expired - Lifetime JP2980010B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7243067A JP2980010B2 (ja) 1995-09-21 1995-09-21 防曇剤組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7243067A JP2980010B2 (ja) 1995-09-21 1995-09-21 防曇剤組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0987615A JPH0987615A (ja) 1997-03-31
JP2980010B2 true JP2980010B2 (ja) 1999-11-22

Family

ID=17098309

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7243067A Expired - Lifetime JP2980010B2 (ja) 1995-09-21 1995-09-21 防曇剤組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2980010B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3778619B2 (ja) * 1996-07-11 2006-05-24 三井化学株式会社 防曇剤組成物
AU7550598A (en) * 1997-06-04 1998-12-21 Toto Ltd. Method for surface pretreatment before formation of photocatalytic hydrophilic film, and detergent and undercoat composition for use in the same
JP4517384B2 (ja) * 2003-05-22 2010-08-04 Toto株式会社 水性塗料組成物、抗菌性部材及び塗膜形成方法
JP5436480B2 (ja) * 2011-03-11 2014-03-05 三菱電機株式会社 撥水膜形成用コーティング組成物及びその製造方法、並びに撥水性部材
CN106675851A (zh) * 2015-11-05 2017-05-17 南通恒成化工有限公司 一种玻璃去污剂
JP2018065990A (ja) * 2016-10-18 2018-04-26 積水フィルム株式会社 防曇性組成物及び防曇性フィルム

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0987615A (ja) 1997-03-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2980010B2 (ja) 防曇剤組成物
JP3778619B2 (ja) 防曇剤組成物
KR20200013587A (ko) 농업용 필름용 도포형 방담제 및 농업용 필름
JP5948482B1 (ja) 防曇組成物および防曇性フィルム
EP1217037A1 (en) Fine polymer particles for plastisol, process for producing the same, and halogen-free plastisol composition and article made with the same
JPH0647668B2 (ja) 防曇剤組成物
JP2874614B2 (ja) 防曇剤組成物
JPS5915473A (ja) 防曇剤組成物
JP3120713B2 (ja) 農業用ポリエチレンテレフタレートフィルム
JPH0455616B2 (ja)
JP2964932B2 (ja) 農業用ポリエチレンテレフタレートフィルム
JP6619696B2 (ja) 防曇組成物および防曇性フィルム
JP3134739B2 (ja) 農業用ポリエチレンテレフタレートフィルム
JP3988335B2 (ja) 防曇剤組成物及び農業用樹脂フィルム
JP3898771B2 (ja) 農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム
JPH11146732A (ja) 農業用フッ素樹脂フィルム
JPH0478670B2 (ja)
JP2998604B2 (ja) 防曇性組成物
JPS59179684A (ja) 防曇性組成物
JP3204135B2 (ja) 農業用ポリエチレンテレフタレートフイルム
JPH0457192B2 (ja)
JP2001200245A (ja) 塗布型防滴剤組成物
JPH10180956A (ja) 農業用フッ素樹脂フィルム
JPH1134250A (ja) 農業用フッ素樹脂フィルム
JPH11193375A (ja) 防曇剤組成物

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070917

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080917

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080917

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090917

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100917

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110917

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120917

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120917

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130917

Year of fee payment: 14

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

EXPY Cancellation because of completion of term