JPH0647668B2 - 防曇剤組成物 - Google Patents

防曇剤組成物

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JPH0647668B2
JPH0647668B2 JP61223712A JP22371286A JPH0647668B2 JP H0647668 B2 JPH0647668 B2 JP H0647668B2 JP 61223712 A JP61223712 A JP 61223712A JP 22371286 A JP22371286 A JP 22371286A JP H0647668 B2 JPH0647668 B2 JP H0647668B2
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厚 大林
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は防曇剤組成物に関するものである。特に、ガラ
ス、合成樹脂材料よりなる各種製品の表面に防曇性を付
与し、併せてこの防曇性を長期間にわたって持続しうる
防曇剤組成物に関するものである。
(従来の技術及びその問題点) 近年、種々の熱可塑性樹脂が工業的に製造され、広い分
野に使用されている。これら熱可塑性樹脂より製造され
た成形品の多くは、その表面が疎水性であるため、成形
品を使用する温度、湿度等の条件によっては、成形品の
表面に曇りを生じ、種々の不都合をきたしている。例え
ば、合成樹脂製レンズを使用しているゴーグル、安全眼
鏡等では、曇りのため視界がきかくなったり、食品包装
用フィルムでは、曇りのために内容物が見えにくくな
る。また、温室に用いられる農業用フィルムでは、曇り
のために太陽光線の透過が悪くなり、植物の生育を遅く
したり、曇りの微細水滴が集合して生じた水滴が栽培植
物に落下することにより、幼芽が害をうけたり、病害の
発生の原因となったりする。
このような不都合を解消するためには、熱可塑性樹脂成
形品の表面に、防曇性を付与すればよいことが知られて
いる。熱可塑性樹脂成形品の表面に防曇性を付与するに
は、熱可塑性樹脂に界面活性剤のような親水性物質を練
り込んで成形品とする方法、又は成形品とした後に、そ
の表面に、親水性物質もしくは水溶性高分子物質を塗布
する方法が採用されている。
しかしながら、前者の方法では、熱可塑性樹脂に練りこ
まれた親水性物質は、成形品表面にふき出し配位して、
成形品に防曇性を付与するが、水によって流出しやすく
短期間のうちに防曇性が消失するという欠点がある。他
方、後者の方法では例えば、特公昭46−13252号
公報、特開昭49−70885号公報、特開昭50−7
1770号公報にはポリビニルアルコールなどの水可溶
性親水性物質を塗布する方法、更に特公昭50−643
7号公報、特公昭53−37075号公報にはアクリル
酸ヒドロキシアルキルエステルを主成分とする親水性ポ
リマーと界面活性剤等からなる組成物を塗布する方法が
提案されている。
しかしながら、これら親水性物質は加水分解を受けやす
いので耐水性に乏しく、また疎水性の熱可塑性樹脂との
密着性に劣るため、特に多湿条件下ではこれら親水性物
質に由来する塗膜は、樹脂成形品表面から剥離しやす
く、防曇性能を充分発揮し得ない。
これらの欠点を改良するために、例えば特公昭56−3
4219号公報には、ヒドロキシ基を含有する親水性ア
クリル酸エステル系重合体を架橋剤にて水不溶化する方
法が提案されている。しかしながら、この方法によると
防曇性そのものも同時に低下するので、満足すべき改良
法とはいえない。
一方、親水性を付与するものとして、無機質水性ゾルと
界面活性剤の混合物を塗布する方法が提案されている。
例えば特公昭50−11348号公報には、界面活性剤
お主体とし、これに少量のシリカゾルを加えたもの、特
公昭49−32668号公報には、アルミナゾルに界面
活性剤を加えたもの、特開昭58−29831号公報に
は、コロイド状シリカに少量の水溶性アルミニウム塩を
加えたもの等が開示されている。しかし、これら混合物
は有機質である熱可塑性樹脂との密着性に乏しいため
に、形成塗膜は時間の経過とともに脱落して、長期にわ
たって防曇効果を接続することができないという欠点が
ある。
上記欠点を改良するために、例えば特開昭51−818
77号公報にはアルミナゾルに界面活性剤と親水性ポリ
マーを加えたもの、特開昭57−119974号公報、
特開昭57−187347号公報、特開昭59−154
73号公報には、コロイド状シリカに親水性ポリマーと
界面活性剤を加えたものが開示されている。しかしなが
ら、これら組成物には無機質水性ゾルとの混和性をだす
目的からポリビニルアルコールや水酸基含有アクリル系
樹脂等の親水性ポリマーが配合されているため、形成塗
膜は本質的に耐水性に劣る傾向がある。したがって、多
湿条件下に常時さらされると、無機質水性ゾルが親水性
ポリマーと共に流失したり分散不良を起こし、短期間で
防曇性の効力が損われ、実用的に満足できるものではな
い。
さらに上記欠点を改良するために、例えは特開昭55−
99976号公報、特開昭55−99987号公報には
シリカ/親水性ポリマー/有機ケイ素化合物からなる無
機−有機複合体反応物による防曇性付与の方法が提案さ
れている。しかし、これらの方法も耐水性が充分でな
く、また防曇性能も満足するまでに至っておらず、充分
に所期の目的を達成することができない。
本発明者は、上述のような、従来の欠点を解決し、耐水
性に優れ、成形品の表面に長期間持続する防曇性を付与
しうる防曇剤組成物を提供すべく鋭意検討した結果、本
発明を完成するに至ったものである。
(問題点を解決するための手段) 上記の問題点は本発明に係る防曇剤組成物を使用するこ
とにより解決される。すなわち、本発明の要旨とすると
ころは、(a)ガラス転移温度が35〜80℃の範囲にあ
る疎水性アクリル系樹脂の水系エマルジョン及び(b)無
機質コロイドゾルの二成分を有効成分として含有し、上
記無機質コロイドゾルの配合量が固形分重量比で、上記
疎水性アクリル系樹脂に対して0.5以上である防曇剤
組成物に存する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において疎水性アクリル系樹脂とは、少なくとも
合計60重量%のアクリル酸の或いはメタクリル酸のア
ルキルエステル類[以下これを(メタ)アクリル酸アル
キルエステル類と記す。]、又は(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステル類とアルケニルベンゼン類との単量体か
らなる混合物及び0〜40重量%の共重合しうるα、β
−エチレン性不飽和単量体とを通常の重合条件に従っ
て、例えば界面活性剤の存在下に、水系媒質中で乳化重
合させて得られる重合体又は共重合体である。
本発明で用いられる(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ル類としては、例えばアクリル酸メチルエステル、アク
リル酸エチルエステル、アクリル酸−n−プロピルエス
テル、アクリル酸イソプロピルエステル、アクリル酸−
n−ブチルエステル、アクリル酸−2−エチルヘキシル
エステル、アクリル酸デシルエステル、メタクリル酸メ
チルエステル、メタクリル酸エチルエステル、メタクリ
ル酸−n−プロピルエステル、メタクリル酸イソプロピ
ルエステル、メタクリル酸−n−ブチルエステル、メタ
クリル酸−2−エチルヘキシルエステル、メタクリル酸
デシルエステル等が挙げられ、一般には、アルキル基の
炭素数が1〜20個のアクリル酸アルキルエステル及び
/又はアルキル基の炭素数が1〜20個のメタクリル酸
のアルキルエステルが使用される。
本発明で用いられるアケニルベンゼン類としては、例え
ばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等が
挙げられる。
このようなアルケニルベンゼン類と、(メタ)アクリル
酸アルキルエステル類との混合物からなる単量体を用い
る場合には、α、β−エチレン性不飽和単量体の使用量
によっても異なるが、通常(メタ)アクリル酸アルキル
エステル類の使用割合を10重量%以上とするのがよ
い。
そして、疎水性アクリル系樹脂は、その中にアルケニル
ベンゼン類を70重量%以下の範囲で含有されているも
のが望ましい。
本発明の疎水性アクリル系樹脂は上記のような(メタ)
アクリル酸アルキルエステル類、又は(メタ)アクリル
酸アルキルエステル類及びアルケニルベンゼン類の混合
物からなる単量体が、少なくとも計60重量%含有する
ものであって、60重量%に満たないときは形成塗膜の
耐水性が充分でなく、防曇持続性能を発揮し得ない。
本発明のアクリル系樹脂を得るために用いる共重合しう
るその他のα、β−エチレン性不飽和単量体としては、
例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マ
レイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸等のα、
β−エチレン性不飽和カルボン酸類,エチレンスルホン
酸のようなα、β−エチレン性不飽和スルホン酸類;2
−アクリルアミド−2−メチルプロパン酸;α、β−エ
チレン性不飽和ホスホン酸類;アクリル酸又はメタクリ
ル酸のヒドロキシエチル等の水酸基含有ビニル単量体;
アクリロニトリル類;アクリルアマイド類;アクリル酸
又はメタクリル酸のグリシジルエステル類等がある。こ
れら単量体は、単独で用いても、又は2種以上の併用で
もよく、0〜40重量%の範囲で使用できる。40重量
%を超えると、防曇性能を低下させるので好ましくな
い。
疎水性アクリル系樹脂の水系エマルジョンは、従来から
知られている乳化重合法により製造することができる。
例えば上記単量体を界面活性剤の存在下、水系媒質中
で、乳化重合させて得られる。
本発明の疎水性アクリル系樹脂を製造する際に用いる界
面活性剤としては、陰イオン系界面活性剤、陽イオン系
界面活性剤、非イオン系界面活性剤のいずれであっても
よい。
陰イオン系界面活性剤としては、例えばオレイン酸ナト
リウム、オレイン酸カリウム等の脂肪酸塩;ラウリル硫
酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム等の高級アル
コール硫酸エステル類;ドデシルベンゼンスルホン酸ナ
トリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム等
のアルキルベンゼンスルホン酸塩及びアルキルナフタレ
ンスルホン酸塩;ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合
物;ジアルキルスルホコハク酸塩;ジアルキルホスフェ
ート塩;ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナト
リウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル
硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンサルフェート塩
等がある。
陽イオン系界面活性剤としては、例えばエタノールアミ
ン類;ラウリルアミンアセテート、トリエタノールアミ
ンモノステアレートギ酸塩;ステアラミドエチルジエチ
ルアミン酢酸塩等のアミン塩;ラウリルトリメチルアン
モニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウ
ムクロライド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロラ
イド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、
ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ス
テアリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド等の
第4級アンモニウム塩等がある。
非イオン系界面活性剤としては、例えばポリオキシエチ
レンラウリルアルコール、ポリオキシエチレンラウリル
エーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポ
リオキシエチレン高級アルコールエーテル類;ポリオキ
シエチレンオクチルフェノール、ポリオキシエチレンノ
ニルフェノール等のポリオキシエチレンアルキルアリー
ルエーテル類;ポリエチレングリコールモノステアレー
ト等のポリオキシエチレンアシルエステル類;ポリプロ
ピレングリコールエチレンオキサイド付加物;ポリオキ
シエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチ
レンソルビタンモノステアレート等のポリオキシエチレ
ンソルビタン脂肪酸エステル類;シュガーエステル類;
セルロースエーテル類等がある。
これらは単独で用いても併用してもよいが、配合する無
機物の種類によって制限をうける。すなわち、水溶液中
で一般に陰電荷に帯電するシリカゾルと陽イオン系界面
活性剤、水溶液中で一般に陽電荷に帯電するアルミナゾ
ルと陰イオン系界面活性剤との組合せは避けるべきであ
る。これらの組合せは、ゾルのゾル化や防曇剤組成物の
凝集・分離を起こしやすく、塗布を困難にする。
これら界面活性剤は、単量体の仕込み合計量に対し0.
1〜10重量%の範囲で使用される。
10重量%を超えると乾燥塗膜の耐水性を低下させるの
で好ましくない。
本発明の疎水性アクリル系樹脂の製造に当って用いられ
る重合開始剤としては、例えば過硫酸アンモニウム、過
硫酸カリウム等の過硫酸塩;アセチルパーオキサイド、
過酸化ベンゾイル等の有機過酸化物等が挙げられる。
これらは、単量体の仕込み合計量に対して0.1〜10
重量%の範囲で使用される。
本発明の疎水性アクリル系樹脂を得るための重合方法
は、単量体の仕込方法が回分方式でも、連続送入方式で
もよい。また一部を先に重合したのち、残部を連続的に
送入する方式でもよい。
連続的に送入する単量体は、そのままでもよいが、水と
界面活性剤を用いて単量体分散液として送入する方式
が、きわめて好適である。
本発明組成物の構成分である疎水性アクリル系樹脂の水
系エマルジョンは上記のような界面活性剤の存在下、乳
化重合によって得られた水系エマルジョンをそのまま使
用することもでき、又はこのものに更に、液状分散媒を
加えて稀釈したものでもよく、また上記のような重合に
よって生じた重合体を分別採取し、これを液状分散媒に
再分散させて水系エマルジョンとしたものでもよい。
本発明における疎水性アクリル系樹脂は、そのガラス転
移温度(Tg)が35〜80℃の範囲内のものでなければ
ならない。このようなTgのものは、使用する単量体の
種類及び使用量(配合量)の選択によって得られる。しか
して使用するアクリル系樹脂のTgが80℃を越えると
透明性のある均一な塗膜が得られにくい。またTgが3
5℃に満たないときは、無機質コロイド粒子が数次凝集
して不均一な分散状態をとりやすく、無機質コロイド粒
子の塗布基材に対する固着が充分でないので、時間の経
過とともに無機質コロイド粒子が基材表面から脱落する
などして防壜性能を損ねる。
本発明の有効成分である無機質コロイドゾルは、疎水性
の成形品表面に塗布することにより、成形品表面に親水
性を付与する機能を果すものである。
無機質コロイドゾルとしては、例えばシリカ、アルミ
ナ、水不溶性リチウムシリケート、水酸化鉄、水酸化ス
ズ、酸化チタン、硫酸バリウム等の無機質水性コロイド
粒子を、種々の方法で、水又は親水性媒体中に分散させ
た、水性ゾルが挙げられる。中でも好ましいのは、シリ
カゾルとアルミナゾルである。これらは、単独で用いて
も併用してもよい。
使用する無機質コロイドゾルとしては、その平均粒子径
が5〜100mμの範囲のものが好ましい。この範囲内
にあれば、平均粒子型の異なる2種以上のコロイドゾル
を組合せて用いてもよい。平均粒子径が100mμを越
えると、塗膜が白く失透する傾向がでてくるので好まし
くない。また、5mμに満たないときは、無機質コロイ
ドゾルの安定性に欠ける恐れがある。
無機質コロイドゾルは、その配合量を固形分重量比でア
クリル系樹脂に対して0.5以上にすることが肝要であ
る。即ち0.5に満たないときは、充分な防曇効果が発
揮できない。そしてこの固形分重量比の上限は4程度に
するのが好ましい。4を越えるときは、防曇効果が配合
量に比例して向上しないばかりでなく、成形品が透明な
場合は、塗布後に形成される塗膜が白濁化し光線透過率
を低下させるので好ましくない。また、塗膜が粗雑でぜ
い弱になり易くなるので不適である。
本発明の防曇剤組成物には、架橋剤を配合するのが好ま
しい。即ちこの架橋剤によってアクリル系樹脂同志が架
橋し、耐水性を向上させることができる。
本発明の組成物に配合させる架橋剤としては、フェノー
ル樹脂類、アミノ樹脂類、アミン化合物類、アジリジン
化合物類、アゾ化合物類、イソシアネート化合物類、エ
ポキシ化合物類、シラン化合物類等が挙げられるが、特
にアミン化合物類、アジリジン化合物類、エポキシ化合
物類が好適である。
アミン化合物類としては、ジエチレントリアミン、トリ
エチレンペンタミン、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪
族ポリアミン;3,3′−ジメチル−4,4′−ジアミ
ノジシクロヘキシルメタン、イソホロンジアミン等の脂
環式アミン;4,4′−ジアミノジフェニルメタン、m
−フェニレンジアミン等の芳香族アミンが使用される。
アジリジン化合物類としては、トリス−2,4,6−
(1−アジリジニル)−1,3,5−トリアジン、トリメ
チロールブロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネ
ート、トリス[1−(2−メチル)アジリジニリル]ホスフ
ィンオキシド、ヘキサ[−(2−メチル)−ジアリジニル]
トリホスファトリアジン等が使用される。
エポキシ化合物類としては、ビスフェノールA又はビス
フェノールFとエピクロルヒドリンとの反応生成物、フ
ェノール(又は置換フェノール)とホルムアルデヒドとの
樹脂反応生成物とエピクロルヒドリンの反応により生成
されるエポキシ化ノボラック樹脂、エピクロルヒドリン
及び脂肪族多価アルコール例えばグリセロール、1,4
−ブタンジオール、ポリ(オキシプロピレン)グリコール
又は類似の多価アルコール成分から生成される樹脂状反
応生成物及び過酢酸を用いるエポキシ化により得られる
樹脂等が使用される。エポキシ化合物類では、さらに三
級アミン類や四級アンモニウム塩類を触媒として併用す
ると好ましい。
これらは架橋剤は、その添加量がアクリル系樹脂固形分
に対して0.1〜30重量%の範囲で使用できる。特
に、0.5〜10重量%の範囲が好ましい。
本発明の組成物には必要に応じて更に液状分散媒が配合
される。かゝる液状分散媒としては、水を含む親水性な
いし水混合性溶媒が含まれ、水;メチルアルコール、エ
チルアルコール、イソプロピルアルコール等の一価アル
コール類;エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、グリセリン等の多価アルコール類;ベンジルアルコ
ール等の環式アルコール類;セロソルブアセテート類;
ケトン類等が挙げられる。
これら液状分散媒は単独で用いても併用してもよいが、
本発明に係る防曇剤組成物の分散安定性、成形品表面に
塗布した後の濡れ性、液状分散媒除去の難易、経済性を
勘案して決めるのが好ましい。
本発明組成物には更に必要に応じて、消泡剤、界面活性
剤、可塑剤、造膜助剤、増粘剤、顔料、顔料分散剤等の
慣用の添加剤を混合することができる。
本発明に係る防曇剤組成物は、成形品の表面に塗布し、
強制乾燥又は自然乾燥により、液状分散媒を揮散させる
ことができる。
強制乾燥する方法としては、熱風乾燥法、赤外線輻射法
等が採用できる。強制乾燥するときの加熱温度は、塗布
された防曇剤組成物によって決定されるが、50〜25
0℃、好ましくは70〜200℃の範囲である。
本発明に係る防曇剤組成物を塗布することができる成形
品としては、本発明の特性を損わないものであれば格別
に制限はない。一般的にその特徴が顕著に認められる成
形品としては、プラスチック、無機ガラス、透明セラミ
ック、金属、鏡面材料等が挙げられる。これらの中で特
に実用価値の大きい例としては、プラスチック成形品、
プラスチックフィルム、無機ガラスレンズ、建造物の
窓、浴室の窓、自動車又は列車、航空機、船舶などのよ
うな乗物の窓等が挙げられる。
本発明に係る防曇剤組成物を成形品表面に塗布するに
は、ロールコート法、ディップコート法、ハケ塗り法、
スプレーコート法、バーコート法、ナイフコート法等そ
れ自体公知の如何なる方法によってもよい。
成形品の表面に防曇剤組成物を塗布し、液状分散媒を乾
燥、揮散させた後の固形物の付着量は、0.01〜10
g/m2、好ましくは0.1〜5g/m2の範囲である。
成形品表面と、本発明に係る防曇剤組成物に由来する塗
膜との接着性が充分でない場合には、防曇剤組成物を塗
布する前に、成形品表面にプラズマ処理を施すとか、又
はコロナ放電処理を施こす等によって成形品表面を改質
するのがよい。
(発明の効果) 本発明は、次のような顕著な効果を奏し、産業上の利用
価値は極めて大である。
(1) 本発明に係る防曇剤組成物は、疎水性アクリル系
樹脂を含有しているので、形成塗膜は極めて耐水性に優
れ、また疎水性の成形品表面に対して良好な密着性を有
する。
(2) 本発明に係る防曇剤組成物は、含有する疎水性ア
クリル系樹脂のガラス転移温度が35〜80℃の範囲に
あるので、使用時の雰囲気温度に影響され難く特に高温
多湿条件下においても安定した塗膜性能を発揮する。
(3) 本発明に係る防曇剤組成物の有効成分である疎水
性アクリル系樹脂を乳化重合法によって製造するとき
は、その乳化重合によって、生成樹脂は微細な粒子とな
って水相に懸濁し、界面活性剤の作用によって安定化さ
れているので、これをそのまゝ無機質コロイドゾルと混
合使用すれば両者の粒子同士は良好な分散状態を維持
し、均一な塗膜を形成する。
(4) 本発明に係る防曇剤組成物において、特定の平均
粒子径の無機質コロイドゾル使用するときは、形成塗膜
は極めて優れた防曇性を示し、かつその防曇性を長期に
わたって持続できる。
(5) 本発明に係る防曇剤組成物において、特定の平均
粒子径の無機質コロイドゾルを使用するときは、形成塗
膜は透明性に優れている。
(6) 本発明に係る防曇剤組成物は、無機質コロイドゾ
ルを含有しているので、形成塗膜は非粘着性、強度、表
面硬度及び耐水性において優れている。
(実施例) 以下、本発明を実施例にもとづいて詳細に説明するが、
本発明はその要旨を越えない限り、以下の例に限定され
るものではない。
実施例1〜15、比較例1〜7 (1) アクリル系樹脂の調整 製造例1〜10 四ッ口フラスコにポリオキシエチレンラウリルエーテル
2重量部及び水80重量部を仕込んで窒素ガス気流下に
60℃まで加熱し、ここに過硫酸アンモニウム0.5重
量部を添加し、さらに後記第1表に示した各単量体の混
合物100重量部を3時間にわたって滴下した。このさ
いの反応温度は60〜70℃の範囲に保持するが、滴下
終了後も同温度範囲に2時間保持してから冷却し、アン
モニア水で中和し、アクリル系樹脂エマルジョンを得
た。各樹脂のガラス転移温度は、第1表に示すとおりで
あった。
(2) 防曇剤組成物の調製 上記製造例において得られた生成物(アクリル系樹脂A
〜Jエマルジョン)に、第2表に示した種類及び量の無
機質コロイドゾル、その多を配合し、各種の防曇剤組成
物を調整した。ただし、比較例1,2にあっては、無機
質コロイドゾルを配合しなかった。また、比較例7につ
いては、アクリル系樹脂を配合しなかった。
(3) 塗膜の形成及び塗膜の評価 得られた防曇剤組成物を、第3表に示したように成形品
表面にバーコート法によって、乾燥後の塗布量(固形分
として)が0.5g/m2となるように塗布し、90℃の
熱風中に1分間滞留させ、溶媒を飛散させた。得られた
成形品に形成された塗膜の性質について、次に記載した
方法で各種性質を評価した。
密着性 成形品の塗膜を形成した面にセロハンテープを接着し、
このセロハンテープを剥した時に、塗膜の剥離状況を肉
眼で観察した。
結果を、第3表に示す。この評価基準は、次のとおりで
ある。
○・・・塗膜が全く剥離せず、完全に残ったもの。
・・・塗膜の2/3以上が剥離せず残ったもの。
△・・・塗膜の2/3以上が剥離したもの。
×・・・塗膜が完全に剥離したもの。
透明性 成形品の外観を肉眼で観察した。結果を第3表に示す。
この評価基準は、次のとおりである。
○・・・防曇性組成物を塗布しない成形品と較べて、透
明性がほぼ同等のもの。
・・・透明性の低下がやや認められるもの。
△・・・透明性の低下がかなり認められるもの。
×・・・透明性の低下が非常に激しく、実用に耐えない
もの。
防曇性 i 条件1 水をいれた水槽の上部に、成形品の塗膜を形成した表面
を水槽内部に向けて配置し、外気温を20℃、水槽内気
温を50℃に保持し、水槽の上部に成形品を配置してか
ら30分後、及び120分後それぞれの時点で、肉眼で
観察判定した。結果を第3表に示す。この評価基準は、
次のとおりである。
◎・・・水が薄膜状に付着し、水滴が認められない状
態。
○・・・水が薄膜状に付着しているが、わずかに大粒の
水滴が認められる状態。
・・・水が薄膜状に付着しているが、部分的に大粒
の水滴の付着が認められる状態。
△・・・部分的に細かい水滴の付着が認められる状態。
×・・・成形品内表面全体に、細かい水滴の付着が認め
られる状態。
ii 条件2 成形品を、戸外を試験圃場に設置した片屋根式ハウス
(間口2m、奥行き20m、棟高2m、屋根勾配30度)
に、塗膜を設けた面をハウス内側にして被覆を行ない、
9月から翌年の8月までの1年間展張試験を行った。
展張試験中に、経時的に、各成形品の防曇性を肉眼で観
察した。結果を第3表に示す。この評価基準は、上記条
件1における場合と同じである。
第1表、第2表、第3表より、次のことが明らかであ
る。
(1) 本発明に係る防曇剤組成物は、成形品に塗布した
場合に密着性に優れた塗膜が得られる。
(2) 本発明に係る防曇剤組成物は、成形品に塗布した
場合に透明性に優れた塗膜が得られる。
(3) 本発明に係る防曇剤組成物に由来する塗膜は、そ
れがおかれる雰囲気が変わっても、例えば、高温、多湿
になっても、優れた防曇効果は変わらず、かつ長期間に
わたっ安定した防曇効果を示す。
(4) これに対して、親水性アクリル系樹脂もしくは無
機質コロイドゾルそれぞれ単独からなる組成物(比較例
2,7)に由来する塗膜は、成形品表面との密着性に劣
り、長期にわたる防曇効果を持続することができない。
(5) 親水性アクリル系樹脂と無機質コロイドゾルの併
用からなるもの(比較例5)も、満足できる防曇効果は得
られない。
(6) ガラス転移温度が35℃に満たないアクリル系樹
脂と無機質コロイドゾルからなる組成物(比較例3)に由
来する塗膜は、雰囲気温度に影響されやすく、安定した
防曇効果を示さない。
(7) ガラス転移温度が80℃を超えるアクリル系樹脂
と無機質コロイドゾルからなる組成物(比較例4)由来す
る塗膜は、成形品表面との密着性及び透明性に劣り、長
期にわたる防曇効果を持続することができない。
(8) ガラス転移温度が35〜80℃の範囲にある疎水
性アクリル系樹脂水系エマルジョン一成分からなる組成
物(比較例1)に由来する塗膜は、成形品方面に全く防曇
効果を付与しない。
(9)無機質コロイドゾルの配合量が固形分重量比でアク
リル系樹脂に対して4.0を超えるものからなる組成物
(実施例12)に由来する塗膜は、透明性に若干問題があ
るが、防曇性は良好である。
(10) 無機質コロイドゾルの配合量が固形分重量比でア
クリル系樹脂に対して0.5に満たないものからなる組
成物(比較例6)に由来する塗膜は、満足できる防曇効果
を示さない。
(11) 無機質コロイドゾルの平均粒子径が100mμを
超えるものからなる組成物(実施例13)に由来する塗膜
は、光線透過性に問題はあるが、防曇性は良好である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)ガラス転移温度が35〜80℃の範囲
    にある疎水性アクリル系樹脂の水系エマルジョン及び
    (b)無機質コロイドゾルの二成分を有効成分として含有
    し、上記無機質コロイドゾルの配合量が固形分重量比
    で、上記疎水性アクリル系樹脂に対して0.5以上であ
    る防曇剤組成物
  2. 【請求項2】疎水性アクリル系樹脂の水系エマルジョン
    は、少くとも計60重量%のアクリル酸の或いはメタク
    リル酸のアルキルエステル類からなる単量体又はアクリ
    ル酸の或いはメタクリル酸のアルキルエステル類とアル
    ケニルベンゼン類との単量体混合物及び0〜40重量%
    の共重合し得る、その他のα、β−エチレン性不飽和単
    量体とを界面活性剤の存在下、水系媒質中で乳化重合さ
    せて得られるものである特許請求の範囲第(1)項記載の
    防曇剤組成物
  3. 【請求項3】無機質コロイドゾルがシリカゾル又はアル
    ミナゾルである特許請求の範囲第(1)または(2)項に記
    載の防曇剤組成物
  4. 【請求項4】無機質コロイドゾルの平均粒子径が5〜1
    00mμの範囲にある特許請求の範囲第(1)〜(3)項の
    いずれかの項に記載の防曇剤組成物
  5. 【請求項5】無機質コロイドゾルの配合量が固形分重量
    比で、疎水性アクリル系樹脂に対して0.5〜4.0の
    範囲にある特許請求の範囲第(1)〜(4)項のいずれかの
    項に記載される防曇剤組成物
  6. 【請求項6】(a)ガラス転移温度が35〜80℃の範囲
    にある疎水性アクリル系樹脂の水系エマルジョン(b)無
    機質コロイドゾル及び(c)上記疎水性アクリル系樹脂の
    架橋剤を含有し、上記無機質コロイドゾルの配合量が固
    形分重量比で、上記疎水性アクリル系樹脂に対して0.
    5以上である防曇剤組成物
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