JP3410401B2 - プロセスチーズ - Google Patents
プロセスチーズInfo
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Description
好なチーズに関する。本発明のチーズは、加熱調理時に
耐熱保形性を有し、加熱調理後も剥離性が良好であると
いう特徴を有する。
ム、ビタミン、ミネラル等の各種栄養素をバランス良く
含んでおり、近年、良質のカルシウム源として特に注目
され、その需要は年々増加している。
保形性等の機能性を有するチーズが提供されている。例
えば、加熱により溶融し、好ましい焼成風味と糸曵き性
を発現するグラタンやピザのトッピングに利用されるチ
ーズとして、ナチュラルチーズを低速で加熱乳化する
ことを特徴とする糸曵き性を有するチーズ(特開昭62
−285755号公報)、モザレラチーズ、ステッペ
ンチーズ又は熟成3カ月以内のゴーダチーズ及びこれら
2種以上の混合物に、油脂及び溶融塩を添加して水の存
在下で加熱乳化し、冷却することを特徴とし、加熱によ
って容易にかつ適度に溶融し、溶融したときの糸曵き性
が良好な即時溶融性チーズ(特許第2801392号)
が開示されている。また、フライ、ハンバーグ、カマボ
コ、おでん等の調理に利用することのできる耐熱保形性
を有するチーズとして、原料チーズに溶融塩及びアル
ブミンを添加し、加熱乳化して最終製品の水分を40〜
50重量%に調整することにより得られるフライ用チー
ズ(特開昭52−7465号公報)、原料チーズにキ
トサンを添加し、酸性下で加熱乳化することにより得ら
れる油ちょう食品及び煮沸食品用チーズ食品素材(特開
平3−19649号公報)、原料チーズに溶融塩と酸
化澱粉、エステル化澱粉及びエーテル化澱粉から選ばれ
た1種以上の澱粉を添加することにより得られる冷凍耐
性及び油ちょう性の良好なチーズ(特開平6−1537
91号公報)、αsカゼイン比率が25重量%以上の
チーズを原料チーズ当たり、20重量%以上用い、これ
に安定剤及び溶融塩を添加し、加熱乳化することにより
得られる油ちょう性及び耐熱保形性の良好なチーズ(特
開平10−262558号公報)、αsカゼイン比率が
25重量%以上のチーズを原料チーズ当たり、20重量
%以上用い、これに安定剤、溶融塩及び油脂を脂肪率が
50重量%以上となるように添加し、加熱乳化すること
により得られる展延性及び耐熱保形性の良好なチーズ
(特開平11−103773号公報)が開示されてい
る。
よれば、加熱溶融性、糸曵き性、耐熱保形性等の機能性
を有するチーズを得ることはできる。ところが、これら
のチーズはいずれもオーブントースターを用いた高温
(150℃以上)での加熱により部分的に溶融するもの
であり、溶融時、及び溶融後の固化の段階、更には固化
した際に鉄板、容器、アルミホイル等に付着し、剥離し
づらい場合が多いといった問題がある。
加熱調理後における剥離性の良好なチーズが求められて
いるが、そのようなチーズは未だ提供されていない。そ
こで、本発明は、耐熱保形性を有し、加熱調理後も剥離
性の良好な加熱調理適性を有するチーズを提供すること
を課題とする。
は、加熱調理時に耐熱保形性を有し、加熱調理後の剥離
性が良好であり、加熱調理に適している性状をいう。本
発明において、耐熱保形性とは、チーズを、オーブン、
電子レンジ、ホットプレート等の加熱調理器具で調理し
た際に、溶解による形状の崩れがなく、加熱調理前の形
状を実質的に維持している状態をいう。本発明におい
て、加熱調理後の剥離性とは、チーズを、オーブン、電
子レンジ、ホットプレート等の加熱調理器具で調理した
後に、チーズが容器、鉄板、アルミホイル等に付着する
ことなく、容易に剥がれる状態をいう。
課題に鑑み鋭意研究を重ねた結果、タンパク質中のαs
カゼイン比率が5〜50重量%であるチーズ、又はαs
カゼイン比率を5〜50重量%に調整したチーズを原料
チーズとし、これに、溶融塩、乳化剤及び増粘性多糖類
を添加し、加熱乳化することにより得られるプロセスチ
ーズが加熱調理適性が良好であることを見出し、本発明
を完成させるに至った。
中に含有されるカゼインの構造に依存する。チーズ中に
は、αsカゼイン、βカゼイン、κカゼインといわれる
3種類のカゼインが存在し、それぞれのカゼインがチー
ズの製造過程で分解されている。αsカゼインは熟成過
程で主にチーズ中に残存するレンネットにより分解され
る。βカゼインは、牛乳中に含有されるプラスミンによ
り分解される。また、κカゼインは凝乳過程でレンネッ
トにより分解され、パラκカゼインとなる。このうち、
αsカゼインが熟成中に酵素により分解される程度によ
って、チーズの熟成に伴う物性の形成に差が生じる場合
が多く、αsカゼインがチーズの物性に最も大きく寄与
しているものと考えられている[R.C.Lawrence、Dairy
Sci.70、1748-1760(1987) ]。一方、パラκカゼイン
は熟成中に酵素によって分解されにくく、熟成に伴う物
性への寄与は小さい。
のαsカゼインとチーズの物性との関係について検討
し、油ちょうすることができ、耐熱保形性の良好なチー
ズ(特開平10−2624558号公報)、展延性が良
好で加熱保形性を有するチーズ(特開平11−1037
73号公報)に関する出願を行った。さらに、これらの
知見をもとに本発明者らは、加熱調理適性の良好なチー
ズを得るために検討を進めたところ、タンパク質中のα
sカゼイン比率が5〜50重量%であるチーズ、又はタ
ンパク質中のαsカゼイン比率を5〜50重量%に調整
したチーズを原料チーズとし、これにチーズの乳化に通
常使用されている溶融塩の他に、乳化剤及び増粘性多糖
類を添加し、加熱乳化することにより、加熱調理適性の
良好なプロセスチーズが得られた。
質中のαsカゼイン比率が5〜50重量%であるチーズ
は、カゼインのネットワーク構造が緻密であり、強固な
チーズであるため、このようなチーズを用いて調製され
るプロセスチーズは耐熱保形性が良好となる。また、本
発明では、乳化剤を用いることにより、チーズを加熱調
理した際にチーズ表面に油膜が形成されるため、チーズ
表面が焦げすぎたりすることがなく、加熱調理後の剥離
性が良好となり、さらに、増粘性多糖類を用いることに
より、チーズの保形性が強化され、加熱調理時の耐熱保
形性が向上する、と推測される。
ーズとしては、タンパク質中のαsカゼイン比率が5〜
50重量%であるチーズ、又はタンパク質中のαsカゼ
イン比率を5〜50重量%に調整したチーズを用いるこ
とができる。αsカゼイン比率がこの範囲を満たすもの
であれば、プロセスチーズ又はチーズフードの製造に通
常使用されているいずれのものも使用することができ
る。このようなチーズとしては、例えば、チェダーチー
ズ、ゴーダチーズ等を挙げることができる。原料チーズ
のαsカゼイン比率が5重量%未満の場合は、得られる
プロセスチーズに加熱調理時の耐熱保形性を付与するこ
とができないため好ましくない。また、乳中のタンパク
質組成からαsカゼイン比率が50%を超えるものを調
製するのは現実的でない。
及び増粘性多糖類の添加量は、所望とする加熱調理適性
(耐熱保形性、剥離性)が得られるように設定される。
的で添加する溶融塩としては、プロセスチーズやチーズ
フードの製造に通常使用されているものであればいずれ
のものも使用することができる。この溶融塩としては、
例えば、モノリン酸ナトリウム、ジリン酸ナトリウム、
ポリリン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム等を挙げる
ことができ、これらの2種以上を組み合わせて用いても
よい。溶融塩の添加率は、原料チーズに対して0.5〜
5重量%添加することが好ましく、0.5〜3重量%添
加することが特に好ましい。添加率が0.5重量%未満
では、十分に乳化を行えないことがあり、また得られる
プロセスチーズの組織が不均一で脆くなることがある。
添加率が5重量%を超えると、得られるプロセスチーズ
の組織が脆くなり、風味も悪くなることがある。
好にする目的で添加する乳化剤としては、通常、食品添
加物として食品に添加することが認められている乳化剤
であれば、いずれのものも使用することができる。この
乳化剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、
ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪
酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン等を挙げ
ることができ、これらの2種以上を組み合わせて用いて
もよい。また、本発明においては乳化剤の親和性の指標
であるHLB値が8〜18のものを用いることが特に好
ましく、例えば、このHLB値を満たすものとしては、
レシチン、ジアセチル酒石酸モノグリセリドを挙げるこ
とができる。乳化剤の添加率は、原料チーズに対して
0.05〜3重量%添加することが好ましく、0.1〜
1.0重量%添加することが特に好ましい。添加率が
0.05重量%未満では、加熱調理時の油膜形成が不十
分となり、加熱調理時にチーズが焦げすぎたり、加熱調
理後の剥離性が悪くなることがある。また、添加率が3
重量%を超えると、加熱乳化時にオイルオフを起こすこ
とがあり、加熱調理時の耐熱保形性が十分に発現されな
いことがある。
を向上させる目的で添加する増粘性多糖類としては、通
常、食品添加物として食品に添加することが認められて
いる増粘性多糖類であれば、いずれのものも使用するこ
とがでる。この増粘性多糖類としては、例えば、キサン
タンガム、グアガム、ジェランガム、ローカストビーン
ガム、カードラン、プルラン、タラガム、カラギーナン
等を挙げることができ、必要に応じてこれらの2種以上
を組み合わせて用いることができる。なお、これら増粘
性多糖類は、チーズ製造において、加熱乳化後のチーズ
の成形性及び充填適性を良好にするために通常用いられ
ているものである。また、これら増粘性多糖類の分子量
は1万〜500万と広範囲であるが、本発明において
は、分子量が1万〜100万の増粘性多糖類、例えば、
プルラン、ジェランガム、グアガムを好ましいものとし
て挙げることができる。増粘性多糖類の添加率は、原料
チーズに対して0.1〜10重量%添加することが好ま
しく、1〜5重量%添加することが特に好ましい。添加
率が0.1重量%未満では、加熱調理時に耐熱保形性が
十分に発現されないことがある。添加率が10重量%を
超えると、脆く硬い物性のチーズとなり、さらに加熱調
理時にチーズが焦げすぎたり、加熱調理後の剥離性が悪
くなることがある。
合わせ、風味等を付与する目的で調味料、着色剤等を適
量添加してもよい。
αsカゼイン比率が5〜50重量%であるチーズ、又は
タンパク質中のαsカゼイン比率を5〜50重量%に調
整したチーズを原料チーズとし、これに溶融塩、乳化剤
及び増粘性多糖類を添加し、加熱乳化することにより、
加熱調理適性の良好なプロセスチーズを得ることができ
る。加熱乳化は常法に従って行えばよい。例えば、直接
蒸気吹き込み式乳化機、間接加熱式乳化機等の乳化機を
用い、70〜100℃で加熱しながら、50〜3,00
0rpmで混練する方法等が利用できる。このようにして
得られた乳化物を成形又は適当な容器に充填した状態で
冷却することにより、本発明のプロセスチーズを得るこ
とができる。
ゴーダチーズをそれぞれ原料チーズとして使用し、これ
らの原料チーズ1kgに対して、重曹7g、溶融塩とし
てポリリン酸ナトリウム30g、増粘性多糖類としてグ
アガム10g、乳化剤として大豆レシチン1gを添加
し、直接蒸気吹き込み式チーズ乳化機に投入し、100
rpmで撹拌しながら、約5分間で90℃に到達させるよ
うに加熱乳化を行い、均質で流動性のある乳化物を得
た。これをカートンに充填し、5℃の冷蔵庫で冷却し、
保存した。5℃で1週間保存後のプロセスチーズについ
て加熱調理適性及び官能評価を以下に示す方法で行っ
た。 (1)加熱調理適性 加熱調理適性は、以下のとおり加熱調理時の耐熱保形
性及び加熱調理後の剥離性を評価することにより行っ
た。 加熱調理時の耐熱保形性の評価 加熱調理時の耐熱保形性の評価は、チーズを15×15
×15mmの立方体に切り出し、アルミホイル上にの
せ、オーブントースター(620W、東芝社製;熱源ヒ
ーター上下とも使用)を用いて4分間加熱し、加熱直後
のチーズの高さを測定し、これを耐熱保形性の指標とし
た。なお、加熱調理後のチーズの高さが10.5mm以
上であるとき、耐熱保形性が良好であるとした。 加熱調理後の剥離性の評価 加熱調理後の剥離性の評価は、チーズを15×15×1
5mmの立方体に切り出し、アルミホイル上にのせ、オ
ーブントースター(620W、東芝社製;熱源ヒーター
上下とも使用)を用いて4分間加熱し、加熱後、直ちに
チーズをアルミホイルから剥がし、チーズの剥離性を評
価した。試料チーズ5個をアルミホイルから剥がした時
に、アルミホイルに付着せずに剥がれる試料チーズ数が
4個以上(80%以上)であるとき、剥離性が良好であ
るとした。 (2)官能評価 官能評価は、チーズを15×15×15mmの立方体に
切り出し、アルミホイル上にのせ、オーブントースター
(620W、東芝社製;熱源ヒーター上下ともに使用)
を用いて4分間加熱し、加熱終了2分後のチーズを20
人の熟練パネラーに食してもらい、チーズの風味(焼成
フレーバー)、食感(外側の皮膜がパリッとし、内側が
トロッとしている状態)について次に示す5段階の評価
基準にて評価し、その平均点(小数点第2位を四捨五
入)で示した。5点:大変好ましい、4点:好ましい、
3点:どちらともいえない、2点:好ましくない、1
点:全く好ましくない。
は、加熱調理時にチーズが溶け出すことなく保形性を維
持し、加熱調理後もアルミホイルから剥がれやすく剥離
性も良好であった。また、加熱調理後のチーズは適度に
焦げて焼成風味も良好であり、外側の皮膜はパリッと
し、内側はトロッとしており、食感も好ましいとの評価
を得た。一方で、αsカゼイン比率が3重量%では、乳
化時にオイルオフを起こし、加熱調理時にチーズが溶け
出し、加熱調理後の剥離性も悪く、風味及び食感ともに
好ましくないとの評価であった。
チーズとして使用し、原料チーズ1kgに対して、溶融
塩としてポリリン酸ナトリウムをそれぞれ3g、5g、
20g、50g、60g添加し、更に、重曹7g、増粘
性多糖類としてカードラン10g、乳化剤としてクエン
酸モノステアリン酸グリセリン2gを添加し、直接蒸気
吹き込み式チーズ乳化機に投入し、100rpmで撹拌し
ながら、約5分間で90℃に到達させるように加熱乳化
を行い、均質で流動性のある乳化物を得た。これをカー
トンに充填し、5℃の冷蔵庫で冷却し、保存した。5℃
で1週間保存後のプロセスチーズについて加熱調理適性
及び官能評価を実施例1と同様の方法で行った。
は、加熱調理時にチーズが溶け出すことなく保形性を維
持し、加熱調理後もアルミホイルから剥がれやすく剥離
性も良好であった。また、加熱調理後のチーズは適度に
焦げて焼成風味も良好であり、外側の皮膜はパリッと
し、内側はトロッとしており、食感も好ましいとの評価
を得た。一方で、溶融塩の添加率が0.3重量%では、
乳化を良好に行うことができず、得られたチーズも加熱
調理時に溶け出し、食感も好ましくないとの評価であっ
た。また、溶融塩の添加率が6.0重量%では、乳化は
良好に行うことができ、得られたチーズの耐熱保形性も
良好であったが、溶融塩の風味が強く感じられ、硬く脆
いチーズとなり食感も好ましくないとの評価であった。 実施例3 αsカゼイン比率が20重量%のモザレラチーズを原料
チーズとして使用し、原料チーズ1kgに対して、溶融
塩としてモノリン酸ナトリウム20g、重曹6g、増粘
性多糖類としてプルラン0.5g、1g、10g、50
g、100g、150g、乳化剤として大豆レシチン2
gを添加し、直接蒸気吹き込み式チーズ乳化機に投入
し、100rpmで撹拌しながら、約5分間で90℃に到
達させるように加熱乳化を行い、均質で流動性のある乳
化物を得た。これをカートンに充填し、5℃の冷蔵庫で
冷却し、保存した。5℃で1週間保存後のプロセスチー
ズについて加熱調理適性及び官能評価を実施例1と同様
の方法で行った。
重量%では、加熱調理時にチーズが溶け出すことなく保
形性を維持し、加熱調理後もアルミホイルから剥がれや
すく剥離性も良好であった。また、加熱調理後のチーズ
は適度に焦げて焼成風味も良好であり、外側の皮膜はパ
リッとし、内側はトロッとしており、食感も好ましいと
の評価を得た。一方で、増粘性多糖類の添加率が0.0
5重量%では、加熱調理時にチーズが溶け出し、耐熱保
形性がなく、加熱調理後の剥離性も悪かった。また、増
粘性多糖類の添加率が15重量%では、加熱調理時の耐
熱保形性は良好なものの、加熱調理後の剥離性が低下
し、硬く脆いチーズとなり、風味、食感ともに好ましく
ないとの評価であった。これらの結果を総合すると、増
粘性多糖類の添加率は、0.1〜10重量%が好ましい
ことがわかる。 実施例4 αsカゼイン比率が15重量%のモザレラチーズを原料
チーズとして使用し、原料チーズ1kgに対して、重曹
6g、溶融塩としてジリン酸ナトリウム20g、増粘性
多糖類としてジェランガム5g、乳化剤としてショ糖ス
テアリン酸エステル(HLB16)0.1g、0.5
g、1g、5g、10g、30g、40gを添加し、直
接蒸気吹き込み式チーズ乳化機に投入し、100rpmで
撹拌しながら、約5分間で90℃に到達させるように加
熱乳化を行い、均質で流動性のある乳化物を得た。これ
をカートンに充填し、5℃の冷蔵庫で冷却し、保存し
た。5℃で1週間保存後のプロセスチーズについて加熱
調理適性及び官能評価を実施例1と同様の方法で行っ
た。
量%では、加熱調理時にチーズが溶け出すことなく保形
性を維持しており、乳化剤の添加率が0.05〜3.0
重量%では、加熱調理後もアルミホイルから剥がれやす
く剥離性も良好であった。また、加熱調理後のチーズは
適度に焦げて焼成風味も良好であり、外側の皮膜はパリ
ッとし、内側はトロッとしており、食感も好ましいとの
評価を得た。一方で、乳化剤の添加率が0.01重量%
では、加熱調理後の剥離性が悪く、また、乳化剤の添加
率が4重量%では、乳化時にオイルオフが生じ、加熱調
理時にチーズが溶け出し、耐熱保形性を示さず、加熱調
理後の剥離性も悪かった。これらの結果を総合すると、
乳化剤の添加率は、0.05〜3重量%が好ましいこと
がわかる。 実施例5 αsカゼイン比率が20重量%のモザレラチーズを原料
チーズとして使用し、原料チーズ1kgに対して、重曹
7g、溶融塩としてポリリン酸ナトリウム30g、増粘
性多糖類としてグアガム10g、乳化剤として大豆レシ
チン1gを添加し、直接蒸気吹き込み式チーズ乳化機に
投入し、100rpmで撹拌しながら、約5分間で90℃
に到達させるように加熱乳化を行い、均質で流動性のあ
る乳化物を得た。これをカートンに充填し、5℃の冷蔵
庫で冷却し、保存した。5℃で1週間保存後のプロセス
チーズについて加熱調理適性及び官能評価を実施例1と
同様の方法で行った。
ブントースターでの加熱の他に、鉄板加熱及び電子レン
ジ加熱についても評価した。評価方法を以下に示す。
15×15×15mmの立方体に切り出し、これを20
0℃に加熱した鉄板上にのせて5分間加熱し、加熱直後
のチーズの高さを測定した。また、鉄板加熱後の剥離性
の評価は、上記の条件にて加熱後、直ちにチーズを鉄板
から剥がして評価した。
ーズを15×15×15mmの立方体に切り出し、これ
を陶器製皿にのせて電子レンジ(日立製作所製)を用
い、500Wにて4分間加熱し、加熱直後のチーズの高
さを測定した。また、電子レンジ加熱後の剥離性の評価
は、上記条件にて加熱後、直ちにチーズを皿から剥がし
て評価した。
時にチーズが溶け出すことなく保形性を維持し、加熱調
理後もアルミホイルから剥がれやすく剥離性も良好であ
った。また、加熱調理後のチーズは適度に焦げて焼成風
味も良好であり、外側の皮膜はパリッとし、内側はトロ
ッとしており、食感も好ましいとの評価を得た。 実施例6 実施例5で得られたプロセスチーズを8×8×2mmの
スライス状とし、アルミホイルにのせオーブントースタ
ーで2分30秒間または鉄板で3分間、あるいは適当な
大きさの皿にのせて電子レンジで2分間加熱した。
ル、鉄板及び皿からの剥離性はいずれも良好であった。
また、香ばしい焼成風味を有するサクサクした食感のチ
ーズスナックが得られた。
みじん切りとしたもの、及び実施例5で得られたプロセ
スチーズ50gを10mm角のサイコロ状としたものを
用い、常法に従い炒飯を作ったところ、チーズは加熱に
より溶融することなく、耐熱保形性を有しており、フラ
イパンに付着することもなかった。 (2)チーズ入りご飯 米1kgを洗米し、これに実施例5で得られたプロセス
チーズ60gを10mm角のサイコロ状としたものを加
え、さらに水を加えて炊飯したところ、チーズは耐熱保
形性を有しており、米に付着していなかった。 (3)揚げチーズ 実施例5で得られたプロセスチーズを10mm角のサイ
コロ状とし、180℃に熱した油で油ちょうしたとこ
ろ、チーズは溶融することなく、耐熱保形性を有してい
た。
ジ、ホットプレート等の加熱調理器具で加熱調理した際
に耐熱保形性を有し、加熱調理後も容器、鉄板、アルミ
ホイル等に付着することなく、容易に剥がれるような剥
離性の良好なプロセスチーズを提供することができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 αsカゼイン比率が5〜50重量%であ
るチーズ、溶融塩、乳化剤及び増粘性多糖類を含有し、
加熱調理時の耐熱保形性と加熱調理後の加熱調理器具に
対する剥離性を有することを特徴とするプロセスチー
ズ。 - 【請求項2】 前記増粘性多糖類が、水溶性で、分子量
が1万〜100万の範囲にある請求項1記載のプロセス
チーズ。 - 【請求項3】 タンパク質中のαsカゼイン比率が5〜
50重量%であるチーズ、又はタンパク質中のαsカゼ
イン比率を5〜50重量%に調整したチーズを原料チー
ズとし、この原料チーズに対して、溶融塩を0.5〜5
重量%、乳化剤を0.05〜3重量%、増粘性多糖類を
0.1〜10重量%添加し、加熱乳化後に冷却する工程
を有することを特徴とする加熱調理時の耐熱保形性と加
熱調理後の加熱調理器具に対する剥離性を有するプロセ
スチーズの製造方法。
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