JP3270390B2 - チーズスナック - Google Patents

チーズスナック

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チーズスナックの
製造用として好適なチーズ及び該チーズを用いて得られ
るチーズスナックに関する。さらに詳しくは、所定のα
sカゼイン含有量を有するチーズ原料に、溶融塩、安定
剤及び油脂を添加して加熱乳化するチーズスナックの製
造用として好適なチーズ、更には、該チーズを、電子レ
ンジ又はオーブントースター等により加熱して膨化、乾
燥させることにより得られ、風味が良好で、サクサクと
した軽い食感を有し、歯触りの良好なチーズスナックに
関する。
【0002】
【従来の技術】チーズは、タンパク質、脂質、カルシウ
ム等の各種栄養素をバランス良く含んでおり、近年、良
質のカルシウム源として特に注目され、その需要は年々
増加している。チーズの製品形態としては、ブロックタ
イプ、スライスタイプ、ポーションタイプ、スプレッド
タイプ等がある。これらのチーズは、食した際に重量感
があり、おつまみやおやつとして手軽に食するのには適
していない場合がある。
【0003】そこで、チーズを手軽に食することができ
るようにチーズを膨化させてチーズの食感を軽くする方
法が考えられている。チーズを膨化させる手段として
は、加熱により乾燥させる方法が考えられるが、通常の
チーズを油で揚げたり、電子レンジ、オーブントースタ
ー等で加熱した場合、チーズが溶融するだけで、全体に
空気を含有した軽い食感のチーズを得ることは困難であ
る。
【0004】一方、特開平4−320644号公報に
は、耐熱性を有するチーズをマイクロ波で加熱乾燥する
ことによって乾燥チーズを製造する方法が開示されてい
る。しかしながら、この方法で得られた乾燥チーズは、
比較的硬く、噛んだ際における歯触りにきしみ感があ
り、より軽い食感を得ようとする場合には必ずしも十分
なものではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、チーズスナ
ックの製造用として好適なチーズ、更には該チーズを用
いた風味が良好で、かつサクサクとした非常に軽い食感
を有し、歯触りの良好なチーズスナックを提供すること
を主たる目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に鑑み鋭意研究を重ねた結果、タンパク質中のαsカゼ
イン比率が5〜50重量%(以下、単に「%」と表記す
る)である原料チーズ又はαsカゼイン比率を5〜50
%に調整した原料チーズに、溶融塩、安定剤、さらに固
形分中脂肪が50〜70%となるように油脂を添加し
て、加熱乳化することにより得られるチーズが、風味が
良好で、かつサクサクとした非常に軽い食感を有し、歯
触りの良好なチーズスナックを製造する際の中間材料と
して好適であること、更に、この中間材料を、厚さ5m
m以下の形状とし、電子レンジ又はオーブントースター
等で加熱して、チーズを膨化、乾燥させることにより、
風味が良好で、サクサクとした軽い食感を有するチーズ
スナックが得られることを見い出し、本発明を完成させ
るに至った。
【0007】本発明におけるチーズスナックの製造用の
チーズは、タンパク質中のαsカゼイン比率が5〜50
%であり、溶融塩を0.5〜5%、安定剤を0.3〜2
0重量%の割合で含み、固形分中の脂肪が50〜70%
であることを特徴とする。
【0008】本発明におけるチーズスナックは、上記チ
ーズを、5mm以下の厚さとして成形し、乾燥すること
により得られる。本発明にかかるチーズスナック製造用
チーズの製造方法は、タンパク質中のαsカゼイン比率
が5〜50重量%であり、溶融塩を0.5〜5重量%、
安定剤を0.3〜20重量%の割合で含み、固形分中の
脂肪が50〜70重量%、水分含量30〜60重量%で
あるチーズを、切断、スライス、削り取りまたは溶融成
形により5mm以下の厚さの所定形状に成形してチーズ
スナック製造用のチーズを得ることを特徴とするもので
ある。 本発明にかかるチーズスナックの製造方法は、上
記の方法で得られたチーズスナック製造用のチーズを乾
燥してチーズスナックを得る工程を有するものである。
この製造方法におけるチーズの乾燥には加熱処理が利用
できる。
【0009】本発明によれば、所定のαsカゼイン比率
を有する原料チーズに、所定量の油脂を、安定剤及び溶
融塩とともに添加して、加熱乳化して得られるチーズ
を、5mm以下の形状に成形して加熱し、これを膨化、
乾燥することにより、風味が良好でサクサクとした軽い
食感を有する歯触りの良好なチーズスナックを得ること
ができる。なお、本発明でいうチーズスナックとは、煎
餅やクッキーのように多数の気泡部を有する食品に類似
の性状を有し、噛んだ際にサクサクとした食感が得られ
る膨化チーズ製品である。
【0010】一般に、チーズの物性や機能性は、チーズ
中に含有されるカゼインの構造に依存する。チーズ中に
はαsカゼイン、βカゼイン、κカゼインといわれる3
種類のカゼインが存在し、それぞれのカゼインがチーズ
製造過程で分解されている。αsカゼインは熟成過程で
主にチーズ中に残存するレンネットにより分解される。
βカゼインは、牛乳中に含有されるプラスミンにより分
解される。また、κカゼインは凝乳過程でレンネットに
より分解され、パラκカゼインとなる。このうち、αs
カゼインが熟成中に酵素により分解される程度によっ
て、チーズの熟成に伴う物性の形成に差が生じる場合が
多く、αsカゼインがチーズの物性に最も大きく寄与し
ているものと考えられている[R.C.Lawrence、J. Dairy
Sci. 70、1748−1760(1987)]。一
方、パラκカゼインは熟成中においても酵素によって分
解されにくく、熟成に伴う物性の形成への寄与は小さ
い。そこで、本発明ではチーズの物性に大きく影響を与
えるカゼインであるαsカゼインに着目し、チーズのタ
ンパク質中のαsカゼインとチーズの膨化について検討
した結果、膨化チーズ製品の調製に好適な原料チーズに
おけるαsカゼイン含量を解明するに至った。すなわ
ち、タンパク質中のαsカゼイン比率が比較的高いチー
ズ、すなわちαsカゼインの分解が進んでいないチーズ
を原料チーズとしてチーズを製造し、さらにこのチーズ
を加熱して膨化、乾燥して、従来にないサクサクとした
軽い食感を有する歯触りの良好な膨化チーズ製品として
のチーズスナックを得ることが可能となった。
【0011】通常のチーズを電子レンジ等により、加熱
した場合、加熱中にチーズは溶融し、一定の形状を保持
できず、多数の気泡部を有する膨化チーズ製品とはなら
ない。これに対して、本発明のチーズは、前述のよう
に、αsカゼイン比率の比較的高い原料チーズを用いて
調製されたもので、タンパク質のネットワークが強固な
構造を有している。このため、加熱した際に溶融するこ
とがなく、チーズ中に含有される空気の膨張と水分の蒸
発によりチーズが膨化し、また、水分の蒸発によりチー
ズが乾燥し、サクサクとした軽い食感を有するチーズス
ナックが得られる。またこのように加熱により、膨化、
乾燥したチーズスナックは、冷却してもタンパク質のネ
ットワークが強固なために膨化したままの状態を保持で
きる。
【0012】さらに本発明では、得られるチーズスナッ
クのサクサク感を更に軽くすることを目的として、種々
の検討を行った。その結果、特定のαsカゼイン比率を
有するチーズを原料チーズとし、これに固形分中の脂肪
率が50〜70%となるように油脂を添加することで、
食べた時にきしみの感じない、サクサクとした非常に軽
い食感の、歯触り良好なチーズスナックが得られること
が判明した。これは、脂肪がタンパク質間に入り込み、
タンパク質のネットワーク構造の間に脂肪の層が形成さ
れ、チーズがタンパク質と脂肪から成る多層構造の組織
を有するものとなり、これを加熱した場合、タンパク質
と脂肪の層の間に存在する水分の蒸発と空気の膨張によ
り空気層(気泡)が形成され、食感が大変軽いものとな
り、きしみの感じないサクサクとした軽い食感を有する
歯触りの良好なチーズスナックが得られるためである。
【0013】本発明のチーズスナックは、上記した特定
の方法で形成されたチーズを、厚さ5mm以下の形状に
成形した状態で加熱乾燥処理することにより得られる。
このようにチーズを厚さ5mm以下とすることにより、
サクサクとした食感と良好な歯触りを効果的に引き出す
ことが可能となり、更に加熱乾燥処理を効率良く行うこ
とが可能となる。すなわち、チーズの厚さを5mm以下
とすると、チーズを加熱した際の温度上昇が速くなり、
チーズ中に含有される空気の量が多くなり、より薄い層
が形成され、サクサクとした軽い食感を有する歯触りの
良好なチーズスナックが得られる。
【0014】
【発明の実施形態】本発明のチーズスナックの製造用と
してのチーズを得るための原料チーズとしては、タンパ
ク質中のαsカゼイン比率が5〜50%である原料チー
ズ、又はタンパク質中のαsカゼイン比率を5〜50%
に調整した原料チーズを用いることができる。αsカゼ
イン比率が上記の範囲を満たすものであれば、チェダー
チーズ、ゴーダチーズ等のナチュラルチーズ、またはプ
ロセスチーズやチーズフードの製造に通常使用されてい
るいずれのチーズを用いてもよい。なお、αsカゼイン
比率が5%未満の場合は、チーズを加熱した際に、チー
ズが溶出してしまい膨化しない。50%を超えると、チ
ーズ風味が付与されないため、好ましくない。
【0015】一方、本発明においては、チーズスナック
のサクサクした軽い食感を向上させるために、チーズス
ナックの製造用のチーズにおける固形分中の脂肪が50
〜70%となるように原料チーズに油脂を添加する。こ
の油脂の種類には制約はなく、食品に添加することがで
きる油脂であればいずれでも良い。例えば、クリーム、
牛脂、バター等の動物性油脂、大豆油、コーン油等の植
物性油脂を例示することができる。また、添加率は製品
(チーズスナックの製造用チーズ)の固形分中の脂肪が
50〜70%となるように添加され、その結果、サクサ
クした歯切れの良い非常に軽い食感のチーズスナックが
得られる。一方、固形分中の脂肪が50%未満の場合に
は、得られるチーズはきしみが強く感じられ食感の悪い
ものとなるので好ましくなく、70%を越えると、製造
工程における乳化時にオイルオフが生じ、加熱した際に
油脂が溶融する傾向を示すので好ましくない。
【0016】本発明では、上記した原料チーズに油脂、
溶融塩及び安定剤を、更に必要に応じて、副原料を添加
し、常法に従って加熱乳化することにより乳化物を得、
この乳化物を適宜容器に充填して冷却することによりチ
ーズスナックの製造用のチーズを得ることができる。
【0017】乳化を良好にする目的で添加される溶融塩
としては、リン酸ナトリウム、またはクエン酸ナトリウ
ム等、通常プロセスチーズやチーズフードの製造に用い
られているものであれば、いずれのものも使用すること
ができる。その添加量は、原料チーズに対して、例えば
0.5〜5%添加することができる。また、チーズスナ
ックの食感を改良するために添加される安定剤は、キサ
ンタンガム、グアガム、ジェランガム、またはローカス
トビーンガム等の食品添加物として一般に使用されるも
のであれば特に制限はない。その添加量は、例えば0.
3〜20%とすることができる。この他、得られる最終
製品の目的にあわせて、副原料として澱粉などを添加す
ることもできる。これらの副原料の添加率は原料チーズ
に対し、0. 5〜5. 0%となるように添加することが
好ましい。
【0018】また、チーズの水分またはpHには特に限
定はなく、通常のチーズ及びチーズフードの範囲に設定
することにより、風味が良くサクサクした軽い食感のチ
ーズスナックを得ることができる。チーズの乳化には、
通常使用されるケトル、ステファン、サーモシリンダー
等の乳化機のいずれをも用いることができる。乳化条件
も通常のプロセスチーズ製造の際の条件と同様でよく、
例えば、1000回転/分で到達温度が約85℃で加熱
し、乳化すればよい。得られた乳化物は適宜容器に充填
して、冷却する。
【0019】以上の操作で得られるチーズスナックの製
造用のチーズにおける水分、タンパク質及び脂肪の含量
は、目的とするチーズスナックが得られるように設定す
ることができ、好ましくは、水分含量30〜60%、タ
ンパク質含量5〜30%、脂肪含量10〜65%のもの
を用いることができる。
【0020】さらに、本発明ではこのようにして得られ
たチーズスナックの製造用のチーズを厚さ5mm以下の
所望する製品形状に成形して膨化処理を行なう。厚さ5
mmを超えると、チーズの膨化率が低下して食感が悪く
なるため、好ましくない。厚さ5mm以下のチーズ片を
得るには、スライサーでのスライスや、カッターでのシ
ュレッド等を利用することができ、またカンナで鰹節状
としてもよい。更に、溶融成形しても良い。成形された
チーズ片の形状としては、帯状、シート状、短冊状、多
角形、星型、ハート型などの種々の形状とすることがで
きる。成形片の加熱は、加熱によりチーズを膨化、乾燥
させて所望する食感が得られる条件での加熱処理が採用
され、例えば電子レンジ、オーブン、フライ、熱風等の
手段を用いて行なうことができる。例えば、2mm厚に
スライスしたチーズを電子レンジ(500〜700W)
で2〜3分、オーブントースター(600〜700W)
で3〜5分程度の加熱条件、あるいはこれと同等の加熱
状態が得られる条件を採用することができる。なお、サ
クサク感を得る上での好ましい膨化率は150%以上で
ある。
【0021】
【実施例】以下、実施例を示して本発明を詳細に説明す
るが、本発明は実施例に限定されるものではない。な
お、原料チーズにおけるαsカゼイン比率は以下の方法
によって測定した。 タンパク質中のαsカゼイン比率の測定:原料チーズ1
0gに5%クエン酸ナトリウム溶液30ml(70℃)を
加え、ホモゲナイザー(マキシムホモゲナイザー、日本
精機製)を用いて10000rpmで10分ホモゲナイズ
した溶液を、10000Gで20分間高速遠心し、脱脂
した。脱脂した溶液を分画分子量3500の透析チュー
ブ(スペクトラボア、スペクトラム製)に入れ、脱イオ
ン水に対して4℃で3日間透析した。脱イオン水は、1
2時間ごとに交換した。透析終了後、透析内液を凍結乾
燥し原料チーズ中のタンパク質成分を得た。単離したチ
ーズ中のタンパク質成分を水に溶解し、1%溶液とし
た。このサンプル溶液をサンプル緩衝液(0. 5MTris
-HCl(pH6.8):グリセロール:10%SDS:0. 5%
ブロモフェノールブルー(5:4:1:1) で10倍希釈し、5
0μl/mlのメルカプトエタノールを加え、沸騰水中で5
分間加熱した。この溶液10μlを4. 5Mウレアを含
むアクリルアミド濃度12%のSDSゲル(厚さ1mm)
(SDSーPAGEmini、TEFCO製)にアプラ
イし、0. 01%SDSを含むTri−グリシン緩衝液
により、18mA/gelの電流を流し、泳動を行っ
た。標準品として、αs、β、κカゼイン(いずれもシ
グマ製)ホエータンパク質濃縮物(WPC;サンラクト
N2、太陽化学製)を、分子量マーカーとしてはSee
Blue(Nove Experimental T
echnology製)を用いた。泳動終了後、ゲルを
固定液(メタノール50%、酢酸10%、脱イオン水4
0%)に20分間浸し固定、続いてクマシーブリリアン
トブルー(クイックCBB、和光純薬製)で染色した。
各レーンは、デンシトメーター(クロマトスキャナーC
S9000、島津製作所製)でスキャンし、各バンドの
エリアから原料チーズ中のカゼイン含量を定量した。得
られた数値から以下の式を用いてαsカゼイン比率を算
出した。
【0022】
【数1】αsカゼイン比率(%)=(αsカゼイン量/
総カゼイン量)×100実施例1 αsカゼイン比率が1、3、5、50%のゴーダチーズ
をそれぞれ原料チーズとして使用し、これらの原料チー
ズ1000gに対して、溶融塩としてポリリン酸ナトリ
ウム20g、重曹8g、無塩バター150g、安定剤と
してキサンタンガム15gを添加し、ケトル釜に投入
し、120回転/分で攪拌ながら、85℃で加熱乳化を
行い、均質で流動性のある乳化物を得た。これをカート
ンに充填し5℃の冷蔵庫で冷却した。得られたチーズの
水分、タンパク質及び脂肪の含有量を常法により測定し
たところ、水分46%、タンパク質17%及び脂肪30
%であった。このチーズを35×50mmの形状とし、
スライサーで厚さ2mmにスライスし、電子レンジ(5
00W)で1分間加熱してチーズスナックを得た。
【0023】得られたチーズスナックについて、膨化率
を測定し、風味、食感(歯触り)について官能評価を行
なった。測定及び評価の方法は以下に示す。 (1)膨化率の測定:加熱後、得られたチーズスナック
の厚さを測定し、加熱前のチーズの厚さに対する割合で
示した。結果を表1に示す。なお、膨化率は以下の計算
式により算出した。
【0024】
【数2】膨化率(%)=(加熱後のチーズの厚さ/加熱
前のチーズの厚さ)×100 (2)官能評価:20人の熟練パネラーに得られたチー
ズスナックを食してもらい、風味及び食感を評価しても
らった。その際の評価基準は以下に示す5段階であり、
その平均点(小数点第2位を四捨五入)を評価として表
2に示す。 風味 5点:香ばしくチーズ風味が強く、非常に良好 4点:香ばしくチーズ風味が現れ、良好 3点:香ばしいチーズ風味、良好 2点:焦げ、酸化臭のあるチーズ風味 1点:焦げ、酸化臭の強い風味 食感 5点:サクサクし極めて軽い食感、非常に良好 4点:サクサクし軽い食感、良好 3点:軽い食感 2点:きしみ感のあるやや硬い食感、不良 1点:きしみ感が強く、硬い食感、不良
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】 実施例2 αsカゼイン比率が10%のゴーダチーズを原料チーズ
として使用し、原料チーズ1000gに対して、溶融塩
としてポリリン酸ナトリウム20g、重曹8g、無塩バ
ターを、0、50、150、250または400g、安
定剤としてキサンタンガム15gを添加し、ケトル釜に
投入し、120回転/分で攪拌ながら、85℃で加熱乳
化を行い、均質で流動性のある乳化物を得た。これをカ
ートンに充填し、5℃の冷蔵庫で冷却した。得られたチ
ーズについて、固形分中脂肪率、水分含量、タンパク質
含量及び脂肪含量について常法により測定した。
【0027】次に、得られたチーズを35×50mmの
形状とし、スライサーで厚さ2mmにスライスし、電子
レンジ(500W)で1分間加熱してチーズスナックを
得た。得られたチーズスナックについて、膨化率を測定
し、風味、食感(歯触り)について官能評価を行なっ
た。測定及び評価の方法は実施例1と同様の方法で行な
った。結果を表3及び表4に示す。
【0028】
【表3】
【0029】
【表4】 実施例3 ゴーダチーズ600gとチェダーチーズ400gを混合
して、αsカゼイン比率が7%の原料チーズ1000g
を調製した。この原料チーズ1000gに対して、溶融
塩としてポリリン酸ナトリウム20g、重曹8g、無塩
バター150g、安定剤としてキサンタンガム15gを
添加し、ケトル釜に投入し、120回転/分で攪拌なが
ら、85℃で加熱乳化を行い、均質で流動性のある乳化
物を得た。これをカートンに充填し、5℃の冷蔵庫で冷
却した。得られたチーズの水分、タンパク質及び脂肪の
含有量を常法により測定したところ、水分43%、タン
パク質19%及び脂肪31%であった。このチーズを3
5×50mmの大きさにカットし、スライサーで1、
2、5、7mmの厚さにスライスした。これを電子レン
ジ(500W)で1分間加熱してチーズスナックを得
た。
【0030】得られたチーズスナックについて、膨化率
を測定し、風味、食感について官能評価を行なった。測
定及び評価の方法は実施例1と同様の方法で行なった。
結果を表5及び表6に示す。
【0031】
【表5】
【0032】
【表6】
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、良好な風味及びサクサ
クした軽い食感の優れたチーズを得ることができる。本
発明のチーズは、おつまみに、また栄養価が高いので、
軽食としても有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐野 雅治 埼玉県狭山市新狭山3−1−2 レジデ ンス新狭山402 (56)参考文献 特開 平11−103773(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23C 19/00 - 19/09 A23G 3/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タンパク質中のαsカゼイン比率が5〜
    50重量%であり、溶融塩を0.5〜5重量%、安定剤
    を0.3〜20重量%の割合で含み、固形分中の脂肪が
    50〜70重量%、水分含量30〜60重量%であるチ
    ーズを、切断、スライス、削り取りまたは溶融成形によ
    り5mm以下の厚さの所定形状に成形して得られること
    を特徴とするチーズスナック製造用のチーズ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のチーズスナック製造用
    チーズを乾燥することにより得られるチーズスナッ
    ク。
  3. 【請求項3】 タンパク質中のαsカゼイン比率が5〜
    50重量%であり、溶融塩を0.5〜5重量%、安定剤
    を0.3〜20重量%の割合で含み、固形分中の脂肪が
    50〜70重量%、水分含量30〜60重量%であるチ
    ーズを、切断、スライス、削り取りまたは溶融成形によ
    り5mm以下の厚さの所定形状に成形してチーズスナッ
    ク製造用のチーズを得ることを特徴とするチーズスナッ
    ク製造用のチーズの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の製造方法で得られたチ
    ーズスナック製造用のチーズを乾燥してチーズスナック
    を得る工程を有するチーズスナックの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記チーズスナック製造用のチーズの乾
    燥が加熱処理により行われる請求項4に記載の製造方
    法。
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