JP2006223209A - チーズ様食品およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】チーズを主原料とすることなく、チーズに似た風味、食感を有し、火通りや食感を損なわないことなどの製菓・製パン性を有し、風味も良く、作業性が良く、また発酵工程や、ホエーオフ工程などの設備を必要とせず、加えて乳化が安定であるチーズ様食品とその製造法を提供すること。
【解決手段】カゼイン蛋白質/ホエー蛋白質の重量比が3.3〜15である蛋白質、油脂、酸性原料を使用し、加熱溶融することでチーズ様食品を得る製造方法であって、カゼイン蛋白質がレンネットカゼイン及び/又は脱脂乳のpHを2〜4に下げて分画した蛋白質を中性に調整して得られる乳蛋白濃縮物に含有されるカゼイン蛋白質であることを特徴とするチーズ様食品の製造方法に従ってチーズ様食品を製造すること。
【選択図】なし

Description

本発明はチーズを主原料とすることなく、製菓製パン用に好適なチーズに似た風味、食感を有するチーズ様食品を簡便に製造する方法、及び、その製法による製品に関する。
昨今、製菓製パン用などに様々なチーズ類が利用されるようになっているが、チーズは比較的高価であるため、チーズに似た風味、食感を有する安価なチーズ様食品が求められるようになっている。また、チーズ様食品には、いわゆるチーズプリンと呼ばれるデザート類や、チーズケーキ、チーズ蒸しケーキ等の菓子など、若しくはパン類に用いるために、他の材料と混合した後、蒸されたり、焼かれたりする際に、いわゆる「火通り」がいいことや、食感を損なわないことなどの製菓製パン性も要求されている。これらの要求に応えるため、従来より様々なチーズ様食品が開発されてきた。
例えば、発酵やレンネットによるカード形成を経ていないものとして、ナトリウムカゼイネート、カルシウムカゼイネート等の各種カゼイネートを使用するもの(特開昭52−28971号公報など)、酸カゼイン、レンネットカゼイン等の各種カゼインを使うもの(特開昭62−83846号公報など)などが提案されているが、レンネットカゼインを利用したものが風味の点ですぐれているとはいえ、その他のカゼイン類はいわゆる膠臭があり風味が悪い。カゼイネートを利用したものはとくに独特の石鹸のような薬品臭さがある。
原料乳をUF濃縮し、pHを1以上変化させずに分離した乳蛋白高含有粉末を使用するもの(特開平9−172965号公報など)も提案されている。これは風味の点では良いが、乳蛋白高含有粉末が舞い上がりやすい軽い粉末であるため計量や混合作業の際扱いにくく、また、溶解性も、カゼイン蛋白がNa化していないため悪く、扱いにくいという問題がある。これらの特許にはWPCなどのホエー蛋白質と併用するものもあるが、特にカゼイン蛋白/ホエー蛋白質の比率に言及していない。大豆タンパク等の植物蛋白質を使うもの(特開昭55−88653号公報など)も提案されているが、これらは大豆臭さや青臭さがあり、風味が悪い。また、上述の原料などを用いて発酵やレンネット等によるカード形成を経るものがある。この方法によれば発酵によりある程度風味は改善されるが、発酵やホエーオフが必要であるため、工程、装置が複雑であり簡便ではない。
蛋白質として脱脂粉乳やミルクパウダー等を主原料として使うもの(特開平3−87140号公報など)がある。これらは風味の点では優れているが、乳糖が比較的多く含まれるため甘味があるので、各種製品に対応できるわけではない。また、共沈カゼインを使用したものもあるが、これは水に溶けにくく膠臭が強いため適さない。
また、筆者らは、カゼイン/ホエーの比率に言及した発明をおこなったが、(特開2002−125589)これは、風味に優れ、発酵などの複雑な生産工程も必要なく簡便に生産でき、主にフィリング・トッピング材として使用した際に、良好な焼き残り製を有するものであるが、製菓製パンの練り込み用に用いた場合、いわゆる火通りが悪くなり、生焼けのような好ましくない状態になったり、ネチャネチャした好ましくない食感を与える場合がある。
以上のように、チーズ様食品として、良好な風味を有し、簡便に生産でき、且つ製菓製パン用の練り込み用途に用いたときに、火通り、食感を損なわないというチーズ様食品は得られていないのが現状である。
特開昭52−28971号公報 特開昭62−83486号公報 特開平9−172965号公報 特開昭55−88653号公報 特開平3−87140号公報 特開2002−125589号公報
本発明は、チーズを主原料とすることなく、チーズに似た風味、食感を有し、火通りや食感を損なわないことなどの製菓・製パン性を有し、風味も良く、作業性が良く、また発酵工程や、ホエーオフ工程などの設備を必要とせず、加えて乳化が安定であるチーズ様食品とその製造法を提供すること。
様々な方法を検討した結果、酸性原料を用いるチーズ様食品中のカゼイン蛋白質とホエー蛋白質を特定の割合で配合することにより、これまでのチーズ様食品の、風味の悪さ、複雑な生産工程、製菓製パン性の欠点を克服出来ることがわかった。加えて、望ましくは使用する乳蛋白質を選択することによって、それらの欠点を改善したチーズ様食品が簡便に得られることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明の第1は、カゼイン蛋白質/ホエー蛋白質の重量比が3.3〜15である蛋白質、油脂、酸性原料を使用し、加熱溶融することでチーズ様食品を得る製造方法であって、カゼイン蛋白質がレンネットカゼイン及び/又は脱脂乳のpHを2〜4に下げて分画した蛋白質を中性に調整して得られる乳蛋白濃縮物に含有されるカゼイン蛋白質であることを特徴とするチーズ様食品の製造方法に関する。好ましい実施態様は、使用するホエー蛋白質が、ホエー蛋白濃縮物であることを特徴とする上記記載の製造方法に関する。本発明の第2は、上記記載の製造法によるチーズ様食品に関する。
本発明で得られるチーズ様食品は、風味、食感が良く、加えて乳化安定であるため、安価に製菓・製パン用に提供できる。また、その簡便なチーズ様食品の製造方法を提供できる。
以下、本発明につき、さらに詳細に説明する。本発明で使用するカゼイン蛋白質、及び、ホエー蛋白質は乳中に存在する天然の蛋白質である。一般的な乳製品で、カゼイン蛋白質やホエー蛋白質の供給源となるものとして、牛乳、脱脂乳、脱脂濃縮乳、クリーム、チーズ、ヨーグルト、練乳、加糖練乳、チーズ類、脱脂粉乳、全脂粉乳、バターミルクパウダー等が挙げられる。これらの少なくとも1種をそのまま或いは必要に応じて、濃縮等の加工を行い、カゼイン蛋白質/ホエー蛋白質の重量比が、3.3〜15になるように調整して用いることが好ましい。前記比率が3.3未満であると、菓子などの火通りが悪くなり、いわゆる生焼けのような、好ましくない食感になるなど充分な効果が得られない場合がある。また前記比率が15を超えると菓子などの食感が硬くなる場合がある。
本発明においては、カゼイン蛋白質/ホエー蛋白質の重量比が、3.3以上になることが必要であり、そのために前記のように別個に用意したカゼイン蛋白質とホエー蛋白質を上記比率になるように配合して使用してもよいが、一定の比率で既に混合されている乳蛋白濃縮物粉末を用いることがコストや工程の観点から好ましい。一定の比率の乳蛋白濃縮物粉末については、既に、カゼイン蛋白質とホエー蛋白質の重量比が3.3以上になるように製造された乳蛋白質を用いてもよいし、一定比率が上記範囲に満たない乳蛋白濃縮物粉末を用いることもできる。但しカゼイン蛋白質/ホエー蛋白質の重量比が3.3未満の場合には、カゼイン蛋白質の不足分を補い、カゼイン蛋白質とホエー蛋白質の重量比を、3.3以上にする必要がある。
本発明で使用するカゼイン蛋白質は、レンネットカゼイン及び/又は脱脂乳のpHを2〜4に下げて分画した蛋白質を中性に調整して得られる乳蛋白濃縮物に含有されるカゼイン蛋白質を用いることが好ましい。レンネットカゼインとは、未殺菌の脱脂乳にレンネットを加え、カードを形成させたあと、ホエーを排除してから乾燥したもので風味が良好である。脱脂乳のpHを2〜4に下げて分画した蛋白質を中性に調整して得られる乳蛋白濃縮物に含有されるカゼイン蛋白質とは、例えば、脱脂乳のpHを硫酸などで2〜4に下げ、カゼイン蛋白質及びホエー蛋白質の双方を含んだカードを形成させ、蛋白質を分画したのち、水酸化ナトリウムなどでpH7程度にしたものを噴霧乾燥して得られる高蛋白質粉末に含まれるカゼイン蛋白質であり、前記乳蛋白濃縮物である高蛋白質粉末としては、一般にトータルミルクプロテイン、あるいは共沈によるトータルミルクプロテインと呼ばれ、市販されているものが挙げられる。乳蛋白濃縮物全体中の蛋白質が60重量%以上、乳糖は25重量%以下であることが好ましい。前記乳蛋白濃縮物は他のカゼイン蛋白質含有粉末に比較して風味が良く、かつ溶解性が良いため本発明に好適である。前記乳蛋白濃縮物は、組成的には共沈カゼインと呼ばれるもの及び前述の原料乳をUF濃縮し、pHを1以上変化させずに分離した乳蛋白高含有粉末と似ている。また共沈カゼインは、酸及び加熱によって蛋白質を沈殿させるために、蛋白質の変性が進んでいるのに対し、噴霧乾燥することによって得られた乳蛋白濃縮物粉末は、酸や熱で処理する時間が少ないため蛋白質の変性が少ない点が良いと考えられる。噴霧乾燥することによって得られた乳蛋白濃縮物粉末は、カゼイン蛋白質、及びホエー蛋白質の双方を含んだ状態で速やかにpH調整され、しかもナトリウムと結合しているため、風味及び溶解性が良い上に、作業性が良好である。
本発明で使用するホエー蛋白質とは、乳を20℃でpHを4.6にした際の乳清中に存在する蛋白画分であり、例えば、チーズホエー、カゼインホエー等が例示できるが、使用しやすくホエー含量が高い為、中でも噴霧乾燥されたホエー蛋白濃縮物を用いることが好ましい。ホエー蛋白質濃縮物とは、牛乳から、クリーム、カゼインが分画された残り、またはチーズカードを絞った残りを脱塩、濃縮、乾燥した粉末で、具体的には、一般にWPC、WPIと呼ばれるもの等が挙げられる。
本発明のチーズ様食品に、風味付けの目的で、牛乳、脱脂乳、脱脂濃縮乳、クリーム、チーズ、ヨーグルト、練乳、加糖練乳、チーズ類、脱脂粉乳、全脂粉乳、バターミルクパウダー等の乳製品を少なくとも1種使用することができる。これらを用いるときも、チーズ様食品中のカゼイン蛋白質/ホエー蛋白質の重量比が3.3以上になるように調整する。以上挙げたこれらの乳製品には、カゼイン蛋白質/ホエー蛋白質の重量比以外には、特に使用量の制限はなく、目的とするチーズ様食品の物性や食感に合わせて任意に調整すればよい。
本発明において用いられる油脂の種類は、食品用途に用いられるものであれば特に限定されず、コーン油、菜種油、大豆油、ヤシ油、パーム油等の植物油、乳脂、ラード、牛脂、魚油等の動物油、及びそれらの硬化・分別・エステル交換油等を、少なくとも1種用いることができる。使用する油脂の上昇融点にもとくに制限はない。油脂の添加量は特に制限はなく、目的に応じて適宜決めることが出来るが、チーズ様食品全体中5〜45重量%の範囲とするのが好ましい。添加量が5重量%より少ないと、チーズ様の食感が出ない場合があり、添加量が45重量%より多いと乳化が不安定になる場合がある。
本発明において使用する酸性原料の種類と添加量に制限は無く、目的とする食品に応じて調整することができる。ただし、最終製品のチーズ様食品のpHは、4.0〜6.8に調整するのが好ましい。pHが4.0より低いと酸味が強すぎ風味が悪くなる場合があり、pHが6.8より高いとチーズ特有の風味に欠ける場合がある。酸性原料としては、有機酸、無機酸、乳酸菌発酵物から選ばれる少なくとも1種が使用される。具体的には、乳酸、アジピン酸、クエン酸、グルコノデルタラクトン、グルコン酸、コハク酸、酒石酸、酢酸、フィチン酸、リンゴ酸、リン酸等の酸や乳酸発酵物としては、ヨーグルト、サワークリーム等を用いることができる。また、クリームチーズ、クアルク、カッテージチーズ等のチーズも酸性原料として使用することができる。
本発明においては、蛋白質の溶解や乳化の調整のために、溶融塩を使用することもできる。種類や添加率に特に制限はなく、目的や用途に応じて、クエン酸塩、各種リン酸塩等を少なくとも1種用いることができる。
また、本発明によるチーズ様食品にはテクスチュア調整や、離水防止等の目的で、必要に応じて安定剤を用いることができる。具体的には、カラギナン、ファーセレラン、アルギン酸等の海草抽出物、ローカストビーンガム、タラガム、グアーガム、タマリンドシードガム、アラビアガム、トラガントガム、カラヤガム、ペクチン、澱粉、化工澱粉、デキストリン、大豆多糖類等の植物系天然高分子物質、キサンタンガム、デキストラン、プルラン、カードラン、ジェランガム等の微生物産生天然高分子物質、ゼラチン、卵白アルブミン、ホエー蛋白等の動物系天然高分子物質、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース等のセルロース誘導体、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等の海草抽出物加工品、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレングリコール等の合成高分子物質等が挙げられ、これらの少なくとも1種を用いることができる。
さらに、必要に応じてレシチン、グリセリン脂肪酸エステル等の乳化剤、着色料、香料、糖質、香辛料、牛乳、粉乳、クリーム等の風味素材、食塩、日持ち向上剤等を少なくとも1種加えることも可能である。
本発明のチーズ様食品の製造は、例えば以下のようにできる。前記カゼイン蛋白質/ホエー蛋白質の重量比が3.3〜15である蛋白質、油脂、酸性原料、必要に応じて各種安定剤、乳化剤、溶融塩等の添加剤を、加熱溶融することによって行う。加熱溶融の条件は、特に限定はなく、定法に従って行うことができる。その際、本発明において使用する装置には特に制限はなく、ケトル型チーズ乳化釜、高速剪断乳化釜、乳化機付きの連続加熱殺菌機などが使用できる。ケトル型チーズ乳化釜、高速剪断乳化釜のようなものを使用する場合は、概ね60℃〜95℃に加熱、(2〜20分間攪拌)することが好ましい。60℃に満たないと、原料の溶融と殺菌が不十分であるため好ましくない場合があり、95℃を超えての加熱は蛋白質のコゲが発生する場合があるため好ましくない場合がある。乳化機付きの連続加熱殺菌機のようなものを使用する場合は、あらかじめ乳化機で概ね50℃〜65℃に加熱、(2〜20分間攪拌)した後、熱交換機などで90〜125℃に加熱することが好ましい。90℃に満たないと、原料の溶融と殺菌が不十分であるため好ましくない場合があり、125℃を超えての加熱は蛋白質のコゲが発生する場合があるため好ましくない場合がある。高速剪断乳化釜を使用する場合は、高速剪断乳化釜にすべての原料を投入し、真空下にて約1500〜3000rpmで撹拌しながら80〜90℃まで加温する。この際、望ましくは酸性原料は最初に加えず、撹拌乳化後に加えることで、よりざらつきが減り、乳化安定性等が向上する。
この様にして本発明の製造方法によりチーズ様食品を得ることができる。本発明によるチーズ様食品とは非熟成チーズ、熟成チーズ、プロセスチーズ、チーズスプレッドなど、各種のチーズやその加工品に類似した食品を指す。非熟成チーズとは、一般に熟成工程を経ないで製造されるナチュラルチーズであり、クアルク、マスカルポーネ、クリーム、ヌシャーテル、リコッタ、モザレラ等が挙げられる。熟成チーズとは、一般に熟成工程を経て製造されるナチュラルチーズであり、チェダー、ゴーダ、エダム、エメンタール、カマンベール等が挙げられる。プロセスチーズとは、一般に一種又はそれ以上のナチュラルチーズに溶融塩などの添加物、香辛料、調味料、食品を添加するか又は添加せずに混合、加熱、溶解、混合して製造され、日本では一般的に食されてきたものである。チーズスプレッドとは、一般に一種又はそれ以上のナチュラルチーズに、水、油脂、味付け素材、溶融塩などの添加物を添加するか又は添加せずに混合、加熱、溶解、混合して製造されるものであり、パン、菓子などに練り込み易いような硬さに調整されたものである。本発明のチーズ様食品は、これらのチーズに類似した風味・食感を有するものである。
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、実施例において「部」や「%」は重量基準である。
<チーズ様食品の評価>
実施例及び比較例で作製したチーズ様食品を用いてチーズ蒸しケーキを作製し、その風味と食感を10名のパネラーにより評価し、評価の平均点を求めた。その際の評価基準は以下の通りであった。5点:大変良い、4点:良い、3点:対照例並、2点:悪い、1点:大変悪い。また、その平均点により総合評価を行った。その際の評価基準は以下の通りであった。○:両方の評価項目が3点以上、×:評価項目の1項目以上が3点未満。
(実施例1)
表1の配合に従って、レンネットカゼイン(カゼイン蛋白質80%)600g、WPC(ホエー蛋白質80%)50g、菜種油3000g、脱脂粉乳(カゼイン蛋白質28%、ホエー蛋白質7%)200g、ポリリン酸Na50g、ローカストビーンガム30g、HMペクチン50g、クアルク香料4g、できあがりの試作品が10Kgになるように調整した水を、高速剪断乳化釜に投入し、1500rpmで攪拌しながら90℃まで加熱した。その後、第一乳酸(濃度50%)を70g加え、加熱せずに1500rpmで1分間攪拌し、容器に充填し冷却固化させた。試作品のカゼイン蛋白質/ホエー蛋白質の重量比は9.8であった。冷却して得られたチーズ様食品はクアルクに似た良好な風味、食感であった。
Figure 2006223209
(実施例2)
表1の配合に従って、トータルミルクプロテイン(カゼイン蛋白質75%、ホエー蛋白質19%)1000g、WPC30g、パーム油2800g、食塩40g、ポリリン酸Na50g、HMペクチン30g、グアーガム20g、クリームチーズ風味香料50gできあがりの試作品が10Kgになるように調整した水を高速剪断乳化釜に投入し、1500rpmで攪拌しながら90℃まで加熱した。その後、第一乳酸を100g加え、加熱せずに1500rpmで1分間攪拌し、容器に充填し冷却固化させた。製品のカゼイン蛋白質/ホエー蛋白質の重量比は3.5であった。冷却して得られたチーズ様食品はクリームチーズに似た良好な風味、食感であった。
(実施例3)
表1の配合に従って、レンネットカゼイン500g、WPC500g、パーム油1500g、菜種油1500g、食塩50g、ヘキサメタリン酸Na50g、ローカストビーンガム20g、HMペクチン30g、チェダーチーズ香料3g、β−カロチン製剤1g、できあがりの試作品が10Kgになるように調整した水からクエン酸溶解用に200g除いたものを高速剪断乳化釜に投入し、1500rpmで攪拌しながら90℃まで加熱した。その後、クエン酸(結晶)25gを200gの水で溶解させたもの加え、加熱せずに1500rpmで1分攪拌し、容器に充填し冷却固化させた。試作品のカゼイン蛋白質/ホエー蛋白質の重量比は1.0であった。冷却して得られたチーズ様食品はプロセスチーズに似た良好な風味、食感であった。
(実施例4)
表1の配合に従って、トータルミルクプロテイン300g、パーム油3200g、クリーム(カゼイン蛋白質1.4%、ホエー蛋白質0.3%)500g、HMペクチン50g、グアガム20g、マスカルポーネ香料5g、できあがりの試作品が10Kgになるように調整した水を高速剪断乳化釜に投入し、1500rpmで攪拌しながら90℃まで加熱し、その後、第一乳酸20gを加え、加熱せずに1500rpmで1分攪拌し、容器に充填し冷却固化させた。試作品のカゼイン蛋白質/ホエー蛋白質の重量比は4.0であった。冷却して得られたチーズ様食品はマスカルポーネに似た良好な風味、食感であった。
(比較例1)
表1の配合に従って、WPCを200gとして、全体が10Kgになるように水で調整したものを、実施例1と同様の方法で作成した。試作品のカゼイン蛋白質/ホエー蛋白質の重量比は3.0であった。冷却して得られたチーズ様食品はクアルクに似た良好な風味、食感であった。
(比較例2)
表1の配合に従って、WPCを1000gとして、全体が10Kgになるように水で調整したものを、実施例2と同様の方法で作成した。試作品のカゼイン蛋白質/ホエー蛋白質の重量比は2.8であった。冷却して得られたチーズ様食品はクリームチーズに似た良好な風味、食感であった。
(比較例3)
表1の配合に従って、実施例1の配合からのレンネットカゼインを除き、カゼインナトリウム(カゼイン蛋白質90%)を600gとし、WPCを285gとし、全体が10Kgになるように水で調整して、カゼイン蛋白質/ホエー蛋白質の比率を実施例1に近い9.6に調整したものを、実施例1と同様の方法で作成した。冷却した試作品は膠臭のある、風味の悪いものであった。冷却して得られたチーズ様食品はプロセスチーズに似た良好な風味、食感であった。
(実施例5)
表2の配合に従って、全卵、砂糖、実施例1で得たチーズ様食品、食用乳化油脂、流動状マーガリン、重曹、チーズ香料を加え、比重0.4までホイップした。そこへ薄力粉、ベーキングパウダー、α化澱粉を加え、生地比重0.5にした。それを蒸し器にて10分間蒸して、チーズ蒸しケーキを得た。その風味と食感を評価し、結果を表3にまとめた。
Figure 2006223209
Figure 2006223209
(実施例6)
チーズ様食品を実施例2で得たものに変更した以外は、実施例5と同様にしてチーズ蒸しケーキを得た。その風味と食感を評価し、結果を表3にまとめた。
(実施例7)
チーズ様食品を実施例3で得たものに変更した以外は、実施例5と同様にしてチーズ蒸しケーキを得た。その風味と食感を評価し、結果を表3にまとめた。
(実施例8)
チーズ様食品を実施例4で得たものに変更した以外は、実施例5と同様にしてチーズ蒸しケーキを得た。その風味と食感を評価し、結果を表3にまとめた。
(比較例4)
チーズ様食品を比較例1で得たものに変更した以外は、実施例5と同様にしてチーズ蒸しケーキを得た。その風味と食感を評価し、結果を表3にまとめた。
(比較例5)
チーズ様食品を比較例2で得たものに変更した以外は、実施例5と同様にしてチーズ蒸しケーキを得た。その風味と食感を評価し、結果を表3にまとめた。
(比較例6)
チーズ様食品を比較例3で得たものに変更した以外は、実施例5と同様にしてチーズ蒸しケーキを得た。その風味と食感を評価し、結果を表3にまとめた。
(対照例)
チーズ様食品を市販のクリームチーズに変更した以外は、実施例5と同様にしてチーズ蒸しケーキを得た。その風味と食感を評価し、その評価点をそれぞれ3点とした。

Claims (3)

  1. カゼイン蛋白質/ホエー蛋白質の重量比が3.3〜15である蛋白質、油脂、酸性原料を使用し、加熱溶融することでチーズ様食品を得る製造方法であって、カゼイン蛋白質がレンネットカゼイン及び/又は脱脂乳のpHを2〜4に下げて分画した蛋白質を中性に調整して得られる乳蛋白濃縮物に含有されるカゼイン蛋白質であることを特徴とするチーズ様食品の製造方法。
  2. 使用するホエー蛋白質が、ホエー蛋白濃縮物であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. 請求項1又は2何れかに記載の製造法によるチーズ様食品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN112165863A (zh) * 2018-06-04 2021-01-01 森永乳业株式会社 干酪状食品、其制造方法

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