JP6800517B2 - チーズ含有食品 - Google Patents
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Description
このような背景から、プロセスチーズやナチュラルチーズ等のチーズに類似した保形性や食感を有するチーズ類を製造するための方法が提案されている。
(1)5重量%以上21重量%以下の乳タンパク質と、20重量%以上45重量%以下の脂質と、1重量%以上15重量%以下のデンプン類と、0.5重量%以上2重量%以下の寒天類及び/又はゼラチン類と、0.1重量%以上1.5重量%以下の多糖類と、を含むことを特徴とするチーズ類。
(2)水分が50重量%以下であることを特徴とする(1)に記載のチーズ類。
(3)硬度が0.12J以上0.17J以下であることを特徴とする(1)又は(2)のいずれか1つに記載のチーズ類。
(4)割れ性が20mm未満であることを特徴とする(1)から(3)のいずれか1つに記載のチーズ類。
(5)耐熱保形性が70%以上であることを特徴とする(1)から(4)のいずれか1つに記載のチーズ類。
(6)乳タンパク質と、脂質と、デンプン類と、寒天類及び/又はゼラチン類と、多糖類と、を65℃以上で加熱乳化する工程を含むことを特徴とするチーズ類の製造方法。
本発明のチーズ類の原材料について説明する。
本発明のチーズ類に用いる乳タンパク質は、ナチュラルチーズ、生乳、牛乳、脱脂粉乳、バターミルク粉、全脂粉乳等の乳原料に含まれる乳タンパク質や、乳タンパク質濃縮物、カゼインNa、ホエイタンパク質濃縮物、ホエイタンパク質分離物等の乳タンパク質素材を用いることができ、これらの1種類又は複数を用いることができる。
なお、上記したナチュラルチーズは、チェダーチーズ、ゴーダチーズ、エダムチーズ、エメンタールチーズ、パルメザンチーズ、カマンベールチーズ、ブルーチーズ、クリームチーズ、クワルクチーズ、カッテージチーズ、グリーンチーズ、スキムチーズ、モザレラチーズ、エグモントなどが例示され、熟度や種類に限定はなく、これらの1種類又は複数を用いることができる。
上記デンプン類の原料はコーンスターチ、小麦粉デンプン、ライススターチ、マイロスターチ、ワキシーコーンスターチ、ばれいしょデンプン、かんしょデンプン、タピオカデンプン、サゴデンプン、葛デンプン、ワラビデンプン、レンコンデンプン、緑豆デンプン等を例示できる。
本発明のチーズ類に用いるゼラチンは、食品に用いられるものであればどのようなものでもよく、ウシ、ブタ、魚類から抽出されるものが例示され、これらの1種類又は複数を用いることができる。
上記した本発明のチーズ類に用いる多糖類は、クィンスシードガム、カラギーナン、キサンタンガム、アルギン酸ナトリウム、メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、タラガム、カラヤガム、グァーガム、ローカストビーンガム、トラガントガム等が例示され、これらの1種類又は複数を用いることができる。
本発明のチーズ類に用いる原料チーズは、チーズ類中の乳タンパク質量が5重量%以上21重量%以下となるように添加すればよく、乳タンパク質含量は、5重量%以上12重量%以下が好ましく、5.5重量%以上9重量%以下がさらに好ましい。
本発明のチーズ類の製造は、一般的なプロセスチーズ類の製法に従えばよい。すなわち、原料チーズ、油脂、デンプン類、寒天類及び/又はゼラチン類、多糖類、溶融塩、水およびその他の原材料を秤量し、これらを加熱乳化し、所望の容器に充填すればよい。
加熱乳化に用いる乳化機は、ケトル型乳化釜、チーズクッカー、サーモシリンダー、高速せん断式乳化機、ジュール加熱装置等の通常プロセスチーズ類の製造に用いられるものであればどのようなものでも使用可能であり、通常のプロセスチーズ類の製造と同様の操作で製造することができる。
なお、得られるチーズ類中の水分が50重量%以下となるように、原料として添加する水、及び加熱の際に供給される蒸気量を調整する。
以下、本発明の実施例を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
表1に示す配合の実施例品1から実施例品8と比較例品1から比較例品8、及び表2に示す実施例品9、実施例品10を調製した。
なお、チーズ類の調製に用いた原料チーズは、表1はチェダーチーズ(脂肪分36重量%、タンパク質23重量%)、表2はゴーダチーズ(脂肪分26重量%、タンパク質30重量%)を用いた。寒天は天草由来、ゼラチンはブタ由来、溶融塩はポリリン酸であった。
チーズ類は以下の条件で調製した。すなわち、原材料を縦型せん断式乳化機(ニチラク機械社製)に投入し、ジャケット内に蒸気を吹き込みながら1500rpmで攪拌し、85℃達温後1分間保持することで加熱乳化をおこない、加熱乳化後に塩化ビニル製の袋に500gを充填し、ヘッドスペースがないように包装した後、5℃で24時間冷却し、チーズ類を得た。
実施例品1から実施例品10と比較例品1から比較例品8を対象に以下について評価した。
(1)硬度の測定試験
硬度はテクスチャーアナライザ(英弘精機(株);TA−X2)を用いて測定した。すなわち、ピアノ線で10mm角にカットしたチーズ類を10℃に温調し、この上面から75mm平板プレートを0.5mm/sの速度で降下させ、80%(2mm)まで圧縮した際の仕事量を硬度とした。
(2)割れ性の測定試験
割れ性はテクスチャーアナライザ(英弘精機(株);TA−X2)のThreeBendRigを用いて測定した。すなわち、ピアノ線で高さ10mm ×横12 mm×奥行き40 mmに切り出したチーズ類を10℃に温度調整し、この上面から真ん中を0.5mm/sでサンプルに触れてから20mmまで圧縮し、割れるまでの治具の移動距離を測定した。20mm未満を割れ性あり、20mm圧縮しても割れないものを割れ性なしとした。
(3)耐熱保形性
10mm角に切り出したチーズ類を160℃に加熱したデッキオーブン(フジマック社製)に入れ、5分間加熱した。加熱後、室温としたプロセスチーズ類の高さを測定し、加温前のプロセスチーズ類の高さに対する比率(%)を求めた。70%以上を耐熱保形性有りとした。
(4)官能評価
実施例品1から実施例品8と比較例品1から比較例品8について、官能評価により、食感のもろさ及びかたさを評価した。評価は訓練をつんだ専門パネラー15人によって行なった。評価は(◎:非常にかたい、非常にもろい、○:かたい、もろい、×:やわらかい、もろくない)の3段階尺度の絶対評価とした。
比較例品1から比較例品7は、原料チーズ含量が25重量%から40重量%であるため乳タンパク質含量は5.75重量%から9.2重量%と比較例よりも低く、脂肪/乳タンパク質は4.7から6.8と比較例8よりも高い値であった。すなわち、比較例品1から比較例品7は乳タンパク質が少なく、また乳タンパク質に比して脂質が多くなっている。比較例1から比較例7は、表1に示した種類と添加量のデンプン類、寒天あるいはゼラチン、多糖類を含むが、かたさ、もろさ、硬度、割れ性、耐熱保形性のうちのひとつ又は複数で良好ではなかった。
これに対して、実施例品1から実施例品8は乳タンパク質と脂肪含量は比較例1から比較例7と同様であるが、表1に例示されるデンプン類、寒天あるいはゼラチン類、多糖類について、デンプン類の添加量を1重量%以上15重量%以下、寒天及び/又はゼラチンの添加量を0.5重量%以上2重量%以下、多糖類の添加量を0.1重量%以上1.5重量%以下とすることで、5重量%以上11.5重量%以下の乳タンパク質と20重量以上45重量%以下の脂質を含む場合においても、硬さ、割れ性、耐熱保形性を兼ね備えたチーズ類を得ることができた。
Claims (6)
- 5重量%以上21重量%以下の乳タンパク質と、30重量%以上45重量%以下の脂質と、1重量%以上15重量%以下のデンプン類と、0.5重量%以上2重量%以下の寒天類及び/又はゼラチン類と、0.1重量%以上0.75重量%以下の前記デンプン類及び前記寒天類以外の多糖類と、を含み、前記多糖類が、クィンスシードガム、カラギーナン、キサンタンガム、アルギン酸ナトリウム、メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、タラガム、カラヤガム、グァーガム、ローカストビーンガム、及びトラガントガムからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とするチーズ類。
- 水分が50重量%以下であることを特徴とする請求項1に記載のチーズ類。
- 硬度が0.12J以上0.17J以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載のチーズ類。
- 割れ性が20mm未満であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のチーズ類。
- 耐熱保形性が70%以上であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のチーズ類。
- 5重量%以上21重量%以下の乳タンパク質と、30重量%以上45重量%以下の脂質と、1重量%以上15重量%以下のデンプン類と、0.5重量%以上2重量%以下の寒天類及び/又はゼラチン類と、0.1重量%以上0.75重量%以下の前記デンプン類及び前記寒天類以外の多糖類であって、クィンスシードガム、カラギーナン、キサンタンガム、アルギン酸ナトリウム、メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、タラガム、カラヤガム、グァーガム、ローカストビーンガム、及びトラガントガムからなる群から選択される少なくとも1種である多糖類と、を含む原材料を65℃以上で加熱乳化する工程を含むことを特徴とするチーズ類の製造方法。
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