JP3349657B2 - アシルオキシシランの調製 - Google Patents

アシルオキシシランの調製

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JP3349657B2
JP3349657B2 JP28569197A JP28569197A JP3349657B2 JP 3349657 B2 JP3349657 B2 JP 3349657B2 JP 28569197 A JP28569197 A JP 28569197A JP 28569197 A JP28569197 A JP 28569197A JP 3349657 B2 JP3349657 B2 JP 3349657B2
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carbon atoms
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    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F7/00Compounds containing elements of Groups 4 or 14 of the Periodic System
    • C07F7/02Silicon compounds
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    • C07F7/1896Compounds having one or more Si-O-acyl linkages

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アシルオキシシラ
ンの調製プロセスに関する。アシルオキシシランは、1
パートの室温で加硫可能なシリコーンゴム組成物の周知
の架橋剤である。このようなアシルオキシシラン架橋剤
の1つに、メチルトリアセトキシシランがある。
【0002】
【従来の技術】アシルオキシシランは、アルキルクロロ
シランとカルボン酸との反応により調製されている。こ
の反応は可逆性であり、そしてプロトン受容体の添加ま
たは高温蒸留のいずれかにより、副生成物のHClを除去
することによって完了される。反応機構は、以下のよう
に表され得る: RnSiCl4-n+(4-n)CH3COOH---->RnSi(OCOCH3)4-n+(4-n)HCl (I) ここで、Rはアルキル基であり、そしてnは0〜3の整
数である。
【0003】(I)の反応スキームは、所望の最終生成物
を得るために改良された種々の方法の主部である。これ
は、鉄錯体形成剤を添加する工程(米国特許第3,974,19
8号);溶媒としてペンタンを用いる還流条件下で反応
を行う工程(米国特許第4,028,391号);向流カラムに
おいて蒸気相で反応を行う工程(米国特許第4,329,484
号および同第4,332,956号);そして溶媒としての四塩
化炭素中で反応剤を還流する工程(特開昭55-154983号
(80,154,983号)(1980))を包含する。
【0004】これらの反応スキームは、(1)中和するか
またはその他の方法でHClを除去するためのさらなる反
応剤、あるいは(2)反応を行い、そして反応を完了させ
るために反応容器からHClを除去するためのさらなるユ
ーティリティーおよび装置、のいずれかを必要とする欠
点がある。
【0005】アルキルアシルオキシランはまた、無水カ
ルボン酸とアルキルクロロシランとの反応により得られ
ている: RnSiCl4-n+(4-n)(CH3CO)2O---->RnSi(OCOCH3)4-n+(4-n)CH3COCl (II) ここで、Rはアルキル基であり、そしてnは0〜3の整
数である。
【0006】この反応(II)は、形成された塩化アセチル
を蒸留除去することにより完了される。塩化アセチル
は、腐食性、毒性、強い刺激性であり、そして深刻な火
災の危険がある。これは注意深く取り扱い、そして適切
に処理しなければならない。このプロセスの改変は、欧
州特許第509,213号に開示される。
【0007】技術文献はまた、特定のアシルオキシシラ
ンに関する他のプロセスを開示する。例えば、Hengge,
E.およびStarz,E.(Montash.Chem. 102(3) 741-6 1971;C
A 75,88066)は、ペンタン中、室温にてトリクロロシラ
ンを酢酸ナトリウムで処理することによるトリアセトキ
シシラン(収率11.8%)の調製を報告した。Kohma S.お
よびMatsumoto,S.(Kagaku To Kogyo (Osaka) 48(8) 308
-10 1974;CA 82 57798)は、ベンゼン中、クロロシラン
を酢酸マグネシウムと共に還流することによりアルキル
アセトキシシランの調製の収率(48-64%)を改善した。こ
れらのプロセスにおいて、酸の金属塩の使用は、塩化金
属(NaClまたはMgCl2のいずれか)の生成をもたらし、こ
れにより生成物を回収するためのさらなる洗浄工程が必
要となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ゆえに、本発明の主要
な目的は、ハロシランを他の比較的安価な反応剤と反応
させることによりアシルオキシシランを生成する、改善
された1工程プロセスを提供することである。
【0009】本発明の別の目的は、中程度の温度(約-5
℃〜約50℃の範囲)でアシルオキシシランを生成する、
改善されたプロセスを提供することである。
【0010】本発明の別の目的は、触媒を必要としない
アシルオキシシランの生成プロセスを提供することであ
る。
【0011】本発明のさらなる目的は、高温蒸留プロセ
スを必要とせず、そして従来の反応容器で実施できるア
シルオキシシランの生成プロセスを提供することであ
る。
【0012】本発明の重要な目的はまた、アシルオキシ
シランを少なくとも75%以上95%までの収率で得るプロセ
スを提供することである。
【0013】本発明のさらなる目的は、副生成物が無害
であり、そして現在の環境規定に従って容易に処理でき
る、アシルオキシシランのための改善された生成プロセ
スを提供することである。
【0014】本発明のなおさらなる目的は、溶媒がリサ
イクルでき、そして溶媒を除去した後、反応容器中に残
ったアシルオキシシランが充分純粋であり、その結果、
さらに精製することなく使用できるアシルオキシシラン
の生成プロセスを提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明のプロセスは、以
下の反応(III)に従って、アシルオキシシランを生成す
るプロセスであって、ここでRおよびR’が、1個〜2
0個の炭素原子を有するアルキルまたはアリールであ
り、Xがハロゲンであり、nが〜3の整数であ: [RnSi][(NH)(4-n)][SiRn]+RnSiX(4-n)+3(4-n)R'COOH----> 3RnSi(OCOR')(4-n)+(4-n)NH4X (III)。
【0016】1つの実施態様においては、前記反応は、
非プロトン性溶媒中で行われる。
【0017】1つの実施態様においては、前記溶媒は、
テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、トルエン、ま
たはジメチルホルムアミドである。
【0018】1つの実施態様においては、前記溶媒は、
ジエチルエーテルである。
【0019】1つの実施態様においては、前記反応は、
バッチ式で行われ、そして前記溶媒は、次のバッチに使
用されるために回収される。
【0020】1つの実施態様においては、前記アシルオ
キシシラン最終生成物は、前記溶媒の蒸留後に回収され
る。
【0021】1つの実施態様においては、Xは塩素であ
る。
【0022】1つの実施態様においては、前記反応は、
約−5℃〜約50℃の範囲の温度で行われる。
【0023】1つの実施態様においては、前記反応は、
少なくとも部分的に酸素の非存在下で行われる。
【0024】1つの実施態様においては、前記反応は、
少なくとも部分的に窒素雰囲気下で行われる。
【0025】1つの実施態様においては、アンモニアが
気体形態で、約−5℃〜約60℃の範囲の温度にてハロ
シランに添加され、インサイチュでシラザンを形成す
る。
【0026】1つの実施態様においては、前記酸の添加
の後に、前記反応混合物が約40℃〜約45℃の範囲の
温度で維持される。
【0027】本発明のプロセスは、式RnSi(OCOR')(4-n)
のアシルオキシシランを生成するプロセスであって、こ
こで、RおよびR’が1個〜20個の炭素原子を有する
アルキル基またはアリール基であり、nが1〜3の整数
であり、そしてXがハロゲンであり、そして以下の工程
を包含すること、を特徴とする: (a)式RnSiX(4-n)を有するハロシランと式[RnSi]a[(NH)
(4-n)]a[SiRn]aのシラザンとの化学量論的な量の混合物
を形成する工程; (b)化学量論的な量の式R'COOHのモノカルボン酸を、工
程(a)の該混合物に添加する工程; (c)非プロトン性溶媒中で該反応混合物を、所望のRnSi
(OCOR')(4-n)およびNH4Xを生成するのに充分な時間撹拌
する工程; (d)該NH4Xから該アシルオキシシランを分離する工程;
および (e)該溶媒から該アシルオキシシランを回収する工程。
【0028】1つの実施態様によれば、上記プロセス
は、気体アンモニアを工程(a)の前記ハロシランに添加
してインサイチュでシラザンを形成する工程をさらに包
含する。
【0029】1つの実施態様によれば、前記反応は、窒
素雰囲気中で行われる。
【0030】1つの実施態様によれば、前記アシルオキ
シシランは蒸留によって前記溶媒から分離される。
【0031】1つの実施態様によれば、RおよびR’ま
たはこれら両方が、1〜20個の炭素原子を有する直鎖
または分枝鎖アルキル基、6〜20個の炭素原子を有す
るアリール基、および20個までの炭素原子を有するア
ラルキル基からなる群から選択される。
【0032】1つの実施態様によれば、Xは塩素であ
る。
【0033】
【発明の実施の形態】本発明の方法によれば、アシルオ
キシシランはカルボン酸と、ハロシランおよびシラザン
の混合物との反応により調製される。反応は、以下の反
応スキームに基づく化学量論的な量の各反応剤を用いて
行われ得る: [RnSi]a[(NH)(4-n)]a[SiRn]a+aRnSiX(4-n)+3a(4-n)R'COOH----> 3aRnSi(OCOR')(4-n)+a(4-n)NH4X (III) ここで、RおよびR’は、1〜20個の炭素原子を有する
アルキルまたはアリールであり、Xはハロゲンであり、
nは〜3の整数であり、そしてaは1〜20である。
【0034】本発明のプロセスを実施する場合、ハロシ
ラン化合物のSi-Cl置換体とシラザンのSi-NH置換体との
比は、1:2の比であるべきである。好ましい化合物は、
aが1、3または4である化合物である。
【0035】反応に利用され得るシラザンとしては、以
下が挙げられるがこれらに限定されない:ヘキサメチル
ジシラザン、1,3-ジフェニルテトラメチルジシラザン、
1,3-ジビニルテトラメチルジシラザン、ヘキサメチルシ
クロトリシラザン、およびオクタメチルシクロテトラシ
ラザン。
【0036】好ましい実施態様において、シラザンは、
無水アンモニアと対応するハロシランとの反応によりイ
ンサイチュで調製される。後者の反応は、以下のように
表され得る: 2aRnSiX4-n+3a(4-n)NH3---->[RnSi] a [(NH)4-n]a[SiRn]a+2a(4-n)NH4X (IV) ここで、RおよびR’は、1〜20個の炭素原子を有する
アルキル基またはアリール基であり、nは0〜3の整数
であり、aは1〜20であり、そしてXはハロゲンであ
る。
【0037】好ましいアルキル骨格は、メチル、エチ
ル、n-プロピル、およびビニルである。好ましいアリー
ルはフェニルである。
【0038】所望のアシルオキシシランの収率を最大に
し、そして副生成物を最小にするために、反応は非プロ
トン性溶媒中で行われる。非プロトン性溶媒を選択する
基準としては、コスト、溶媒の取り扱いの相対的な容易
さ、および(所望の生成物が溶媒を蒸留除去することに
より好ましく回収されるために)その沸点が挙げられ
る。適切な溶媒は、トルエン、ジエチルエーテル、テト
ラヒドロフラン、およびアセトニトリルを含み、ジエチ
ルエーテルおよびトルエンが好ましい。
【0039】反応(IV)によって示される本発明を行う場
合、溶媒中の気体のアンモニアの吸収および保持を促進
するために、容器中の反応剤の初温度は低められる。反
応媒体に溶解したアンモニア濃度が高くなると、反応が
より効果的に進む。さらに、反応を比較的低い温度で行
うと、副反応が比較的に少なくなる。
【0040】
【実施例】
(実施例1)メチルトリアセトキシシランの調製 260g(1.7mol)のメチルトリクロロシランおよび750mlの
ジエチルエーテルを、温度計およびガス注入管を備えた
乾燥反応容器に、乾燥窒素雰囲気下で添加し、そして撹
拌した。次いで、反応容器を0℃に冷却し、そして1時
間かけて89g(5.23mol)の無水アンモニアを充填した。ア
ンモニアの添加中、反応混合物を5℃まで加温した。ア
ンモニアの添加後、反応混合物を約25℃で30分間撹拌し
た。ガス注入管を添加漏斗に変え、そして酢酸314g(5.2
3mol)を1時間かけて反応混合物に添加した。酢酸の添
加中、反応混合物を41℃のポット温度で還流した。酢酸
の添加完了後、反応混合物を30分間還流し、次いで室温
まで冷却した。メチルトリアセトキシシランを、窒素雰
囲気下で塩化アンモニウムから濾過した。塩化アンモニ
ウムをエーテル(2×200ml)で洗浄して残渣のメチルトリ
アセトキシシランを得た。この段階において、生成物の
分析は、ジエチルエーテル(4.7%)、メチルトリアセトキ
シシラン(73.6%)、および高沸点成分(15.8%)を示した。
【0041】溶媒を70℃までのポット温度で蒸留するこ
とにより最初に除去した。残渣を真空下で蒸留して、無
色のオイルとして290gのメチルトリアセトキシシラン
(沸点87℃/3mm)(98%より大きい純度を有する)を得
た。収量は理論値の77%であった。
【0042】(実施例2)メチルトリアセトキシシラン
の調製 溶媒としてジエチルエーテルをトルエンに変えたこと以
外は、実施例1の手順に従った。反応混合物を60℃に30
分間加熱して反応を完了させた。濾過および溶媒の除去
後に残った残渣を減圧下で蒸留して、98.5%の純度を有
するメチルトリアセトキシシランを生成した。収量は理
論値の78%であった。
【0043】(実施例3)エチルトリアセトキシシラン
の調製 198g(1.21mol)のエチルトリクロロシランおよび1リッ
トルのジエチルエーテルを、温度計およびガス注入管を
備えた乾燥反応容器中に、乾燥窒素雰囲気下で添加し、
そして撹拌した。次いで容器を5℃に冷却し、そして1
時間かけて93g(5.47mol)の無水アンモニアを充填した。
アンモニアの添加中、反応混合物を15℃に加温した。ア
ンモニアの添加後、反応混合物を約25℃で30分間撹拌し
た。ガス注入管を添加漏斗に変え、そして99g(0.605mo
l)のエチルトリクロロシランを、撹拌反応混合物中に添
加した。その後、329g(5.47mol)の酢酸を1時間かけて
添加した。酢酸の添加中、反応混合物を41℃のポット温
度で還流した。酢酸の添加後、反応混合物を30分間還流
し、次いで室温まで冷却した。エチルトリアセトキシシ
ランを、窒素雰囲気下で塩化アンモニウムから濾過し
た。塩化アンモニウムをジエチルエーテル(2×200ml)で
洗浄して残渣のエチルトリアセトキシシランを得た。溶
媒を、70℃までのポット温度で蒸留することにより除去
した。残渣を減圧下で蒸留して、無色のオイルとして33
4gのエチルトリアセトキシシラン(沸点:8mmで107℃)
を得た。収量は理論値の81%であった。
【0044】以下の実施例において、アシルオキシシラ
ンを、アルキルハロシランとシラザンとを反応させるこ
とにより調製する。
【0045】(実施例4)トリメチルシリルアセテート
の調製 スターラーを備えた1リットル4ツ口フラスコに、温度
計、添加漏斗、およびコンデンサーを取り付けた。フラ
スコを109g(1mol)のトリメチルクロロシラン(trimethyc
hlorosilane)および161.5g(1mol)のヘキサメチルジシラ
ザンで充填し、そして撹拌した。容器を20℃まで冷却
し、そして30分間かけて180g(3mol)の酢酸を充填した。
酢酸の添加中、反応混合物を45℃に加温した。酢酸の添
加後、反応混合物を約25℃で30分間撹拌した。トリメチ
ルシリルアセテートを、窒素雰囲気下で塩化アンモニウ
ムから濾過した。
【0046】塩化アンモニウムをエーテル(2×100ml)で
洗浄して、残渣のトリメチルシリルアセテートを得た。
溶媒を蒸留により除去して、無色のオイルとして365gの
トリメチルシリルアセテート(98%の純度を有する)を
得た。収量は理論値の92%であった。
【0047】(実施例5)ジメチルジアセトキシシラン
の調製 スターラーを備えた1リットル4ツ口フラスコに、温度
計、添加漏斗、およびコンデンサーを取り付けた。フラ
スコを55g(0.251mol)のヘキサメチルシクロトリシラザ
ン、48.5g(0.376mol)のジメチルジクロロシラン、およ
び250mLのジエチルエーテルを乾燥窒素雰囲気下で充填
し、そして撹拌した。この充填物に135.5g(2.26mol)の
酢酸を1時間かけて添加した。酢酸の添加中、反応混合
物を42℃のポット温度で還流した。酢酸の添加後、反応
混合物を約25℃で30分間撹拌した。
【0048】ジメチルジアセトキシシランを、窒素雰囲
気下で塩化アンモニウム結晶から濾過した。固体の塩化
アンモニウムをエーテル(2×50mL)で洗浄して、残渣の
ジメチルジアセトキシシランを得た。溶媒を蒸留により
除去した。残渣(約95%の純度を有する)を真空下で蒸
留して、無色のオイルとして181gのジメチルジアセトキ
シシランを得た(沸点:72℃/36mm)。生成物の純度は98
%以上であった。収量は理論値の91%であった。
【0049】(実施例6)トリメチルシリルシアノアセ
テートの調製 スターラーを備えた500mLの4ツ口フラスコに、温度
計、添加漏斗、およびコンデンサーを取り付けた。フラ
スコを、テトラヒドロフラン(50mL)中の無水シアノ酢酸
58.6g(0.69mol)で乾燥窒素雰囲気下にて充填し、そして
撹拌した。これに、25.0g(0.23mol)のトリメチルクロロ
シランおよび37.2g(0.23mol)のヘキサメチルジシラザン
の混合物を、30分間かけて添加した。後者混合物の添加
中、反応混合物を45℃に加温し、その後反応混合物を冷
却し、そして約35℃で約30分間撹拌した。
【0050】トリメチルシリルシアノアセテートを、窒
素雰囲気下で塩化アンモニウムから濾過した。結晶性塩
化アンモニウムをテトラヒドロフラン(2×15mL)で洗浄
して、残渣のトリメチルシリルシアノアセテートを得
た。溶媒を蒸留により除去し、そして無色のオイル形態
で98.0gのトリメチルシリルシアノアセテート(98.7%の
純度を有する)(沸点:0.25mmで51℃)を減圧下で蒸留
して単離した。収量は理論値の、90%であった。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、アシルオキシシラン
が、不活性ガス雰囲気下、非プロトン性の溶媒(例え
ば、ジエチルエーテル、アセトニトリル、テトラヒドロ
フラン、またはトルエン)中で定量比のカルボン酸と、
ハロシランおよびシラザンの混合物との無水反応により
調製される。好ましい実施態様において、シラザンは、
対応するハロシランとアンモニアとの反応によりインサ
イチュで調製される。触媒を必要とせず、そして好まし
くは、反応は-5℃から45℃の温度で行われる。
【0052】本発明によれば、ハロシランを他の比較的
安価な反応剤と反応させることによりアシルオキシシラ
ンを生成する、改善された1工程プロセスが提供され
る。
【0053】本発明によれば、中程度の温度(約-5℃〜
50℃の範囲)でアシルオキシシランを生成する、改善さ
れたプロセスが提供される。
【0054】本発明によれば、触媒を必要としないアシ
ルオキシシランの生成プロセスが提供される。
【0055】本発明によれば、高温蒸留プロセスを必要
とせず、そして従来の反応容器で実施できるアシルオキ
シシランの生成プロセスが提供される。
【0056】本発明によれば、アシルオキシシランを少
なくとも75%以上95%までの収率で得るプロセスが提供さ
れる。
【0057】本発明によれば、副生成物が無害であり、
そして現在の環境規定に従って容易に処理できる、改善
されたアシルオキシシランの生成プロセスが提供され
る。
【0058】本発明によれば、溶媒がリサイクルでき、
そして溶媒を除去した後、反応容器中に残ったアシルオ
キシシランが充分純粋であり、その結果、さらに精製す
ることなく使用できるアシルオキシシランの生成プロセ
スが提供される。
フロントページの続き (72)発明者 ラム エル. チャウラ アメリカ合衆国 ペンシルバニア 19020, ベンサレム, ワシントン レーン 6218 (56)参考文献 特開 平5−32410(JP,A) 特公 昭35−8227(JP,B1) 熊田誠、大河原六郎編「有機ケイ素化 学」1959年10月30日 1版1刷 槇書店 発行 p.235〜236 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07F 7/18 CAPLUS(STN) REGISTRY(STN) WPIDS(STN)

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応(III)に従って、アシルオキシシラ
    ンを生成するプロセスであって、ここでRおよびR’
    が、1個〜20個の炭素原子を有するアルキルまたはア
    リールであり、Xがハロゲンであり、そしてnが1〜3
    の整数であ: [RnSi][(NH)(4-n)][SiRn]+RnSiX(4-n)+3(4-n)R'COOH----> 3RnSi(OCOR')(4-n)+(4-n)NH4X (III) ここで、該反応が非プロトン性溶媒中で行われ、そして
    該溶媒がジエチルエーテルであり、 そしてここで、該シラザンは、対応するハロシランとア
    ンモニアとの反応によりインサイチュで調製され る、プ
    ロセス。
  2. 【請求項2】 前記反応がバッチ式で行われ、そして前
    記溶媒が次のバッチに使用されるために回収される、請
    求項1に記載のプロセス。
  3. 【請求項3】 前記アシルオキシシラン最終生成物が、
    前記溶媒の蒸留後に回収される、請求項1に記載のプロ
    セス。
  4. 【請求項4】 Xが塩素である、請求項1に記載のプロ
    セス。
  5. 【請求項5】 前記反応が約−5℃〜約50℃の範囲の
    温度で行われる、請求項1に記載のプロセス。
  6. 【請求項6】 前記反応が少なくとも部分的に酸素の非
    存在下で行われる、請求項1に記載のプロセス。
  7. 【請求項7】 前記反応が少なくとも部分的に窒素雰囲
    気下で行われる、請求項6に記載のプロセス。
  8. 【請求項8】 アンモニアが気体形態で、約−5℃〜約
    60℃の範囲の温度にてハロシランに添加され、インサ
    イチュでシラザンを形成する、請求項1に記載のプロセ
    ス。
  9. 【請求項9】 前記酸の添加の後に、前記反応混合物が
    約40℃〜約45℃の範囲の温度で維持される、請求項
    1に記載のプロセス。
  10. 【請求項10】 式RnSi(OCOR')(4-n)のアシルオキシシ
    ランを生成するプロセスであって、ここで、Rおよび
    R’が1個〜20個の炭素原子を有するアルキル基また
    はアリール基であり、nが1〜3の整数であり、そして
    Xがハロゲンであり、ここで、該プロセスが以下の工程
    を包含; (a)式RnSiX(4-n)を有するハロシランと式[RnSi][(NH)
    (4-n)][SiRn]のシラザンとの化学量論的な量の混合物を
    形成する工程; (b)化学量論的な量の式R'COOHのモノカルボン酸を、工
    程(a)の該混合物に添加する工程; (c)非プロトン性溶媒中で該反応混合物を、所望のRnSi
    (OCOR')(4-n)およびNH4Xを生成するのに充分な時間撹拌
    する工程; (d)該NH4Xから該アシルオキシシランを分離する工程;
    および (e)該溶媒から該アシルオキシシランを回収する工程 ここで、該シラザンは、対応するハロシランとアンモニ
    アとの反応によりインサイチュで調製される、プロセ
  11. 【請求項11】 気体アンモニアを工程(a)の前記ハロ
    シランに添加してインサイチュでシラザンを形成する工
    程をさらに包含する、請求項10に記載のプロセス。
  12. 【請求項12】 前記反応が窒素雰囲気中で行われる、
    請求項11に記載のプロセス。
  13. 【請求項13】 前記アシルオキシシランが蒸留によっ
    て前記溶媒から分離される、請求項10に記載のプロセ
    ス。
  14. 【請求項14】 RおよびR’またはこれら両方が、1
    〜20個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルキル
    基、6〜20個の炭素原子を有するアリール基、および
    20個までの炭素原子を有するアラルキル基からなる群
    から選択される、請求項10に記載のプロセス。
  15. 【請求項15】 Xが塩素である、請求項10に記載の
    プロセス。
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