JP2854832B2 - 立体障害をもつケイ素化合物の製造方法 - Google Patents

立体障害をもつケイ素化合物の製造方法

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JP2854832B2 JP5160596A JP5160596A JP2854832B2 JP 2854832 B2 JP2854832 B2 JP 2854832B2 JP 5160596 A JP5160596 A JP 5160596A JP 5160596 A JP5160596 A JP 5160596A JP 2854832 B2 JP2854832 B2 JP 2854832B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、立体障害をもつケ
イ素化合物の工業的生産に適した製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アルキル基、アリール基等の有機基をケ
イ素化合物に導入する方法としては、例えばグリニャー
ル試薬とクロロシラン化合物を反応させる方法が知られ
ている(特開昭60−222492号公報)。しかし、
この方法を用いても立体障害を生じ易い第三級炭化水素
基を持つグリニャール試薬をクロロシラン化合物とカッ
プリング反応させることは容易でなく、殊に炭素−ケイ
素原子間の結合数が増加すればするほど、第三級炭化水
素基をケイ素化合物に導入することが著しく困難となっ
てくる。
【0003】第三級炭化水素基を効率よくケイ素化合物
に導入する方法として、シアノ化合物やチオシアン酸化
合物等の触媒の存在下で、テトラヒドロフラン(TH
F)等の溶媒中で調製したグリニャール試薬とクロロシ
ラン化合物を反応させる方法が提案されている(特開平
3−31290号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この方
法でもグリニャール試薬とクロロシラン化合物のカップ
リング反応に際し、副生する塩化マグネシウム錯体を固
形物として除去しなければならず、この固形物の後処理
が工業的に困難であることから、この方法も立体障害を
もつケイ素化合物の工業的生産には適さない。
【0005】一方、THF、ジエチルエーテル等の溶媒
中で調製したグリニャール試薬を用いてカップリング反
応を行った後、反応混合液をそのまま蒸留することによ
り、生成物を単離する方法もあるが、蒸留中に塩化マグ
ネシウム錯体が固化してくる為、蒸留操作が困難とな
り、到底工業的生産に耐えられない。
【0006】さらに、この副生物が水溶性であることに
着眼して水に溶解させて分離する方法も考えられるが、
ケイ素化合物にハロゲンが結合する生成物では、とりわ
け水で加水分解され易く、水に溶解させて副生物を除去
する方法も採用し得ない。
【0007】したがって、当業界では、立体障害をもつ
ケイ素化合物を簡易に、かつ、安全に高収率で工業的に
生産する方法が待たれている。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者等は、立
体障害を持つケイ素化合物の工業的な生産方法を鋭意研
究したところ、特定のポリアルキレングリコールジアル
キルエーテルを溶媒とする第三級炭化水素基、第二級炭
化水素基又は芳香族炭化水素基をもつグリニャール試薬
とケイ素化合物をカップリング反応すれば、反応混合液
が均一な溶液となり、そのまま反応混合液から第三級炭
化水素基、第二級炭化水素基又は芳香族炭化水素基をも
つケイ素化合物を蒸留することにより、塩化マグネシウ
ム錯体等の副生物を除去する操作階段を経ることなく簡
易に、かつ、安全に高収率で立体障害をもつケイ素化合
物を工業的に生産する方法を見出した。
【0009】本発明は、(1)一般式(I):
【0010】
【化4】
【0011】(式中、R1、R2は炭素数1〜8のアルキ
ル基で同一であっても異なっていてもよく、R3は水素
原子又はメチル基を、nは1〜6の整数をそれぞれ示
す)で表されるポリアルキレングリコールジアルキルエ
ーテルを溶媒とする一般式(II):
【0012】
【化5】
【0013】(式中、R4は第三級炭化水素基、第二級
炭化水素基または芳香族炭化水素基を、Xはハロゲン原
子をそれぞれ示す)で表されるグリニャール試薬と、一
般式(III):
【0014】
【化6】
【0015】(式中、R5は炭化水素基を、Xはハロゲ
ン原子を、mは0〜2の整数をそれぞれ示す)で表され
るケイ素化合物を、シアノ化合物、チオシアン酸化合物
又はアセチルアセトネート化合物の存在下でカップリン
グ反応させた後、そのまま反応混合液から第三級炭化水
素基、第二級炭化水素基又は芳香族炭化水素基をもつケ
イ素化合物を蒸留することによって分離、精製すること
を特徴とする立体障害をもつケイ素化合物の製造方法に
関する。
【0016】さらに本発明は、(2)前記(1)項記載
の製造方法であって、グリニャール試薬を調製する際
に、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン、n
−オクタン、n−デカン、n−ウンデカン、n−ドデカ
ン、ベンゼン、トルエンおよびキシレンよりなる群から
選ばれる炭化水素系溶媒、又は、テトラヒドロフラン、
t−ブチルメチルエーテル、ジエトキシメタンおよびジ
ブチルエーテルよりなる群から選ばれるエーテル系溶媒
を添加することを特徴とする立体障害をもつケイ素化合
物の製造方法に関する。
【0017】さらに本発明は、(3)前記(1)項記載
の製造方法であって、グリニャール試薬を調製した後
に、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン、n
−オクタン、n−デカン、n−ウンデカン、n−ドデカ
ン、ベンゼン、トルエンおよびキシレンよりなる群から
選ばれる炭化水素系溶媒、又は、テトラヒドロフラン、
t−ブチルメチルエーテル、ジエトキシメタンおよびジ
ブチルエーテルよりなる群から選ばれるエーテル系溶媒
を添加することを特徴とする立体障害をもつケイ素化合
物の製造方法に関する。
【0018】さらに本発明は、(4)前記(1)項記載
の製造方法であって、カップリング反応を行った後に、
n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン、n−オ
クタン、n−デカン、n−ウンデカン、n−ドデカン、
ベンゼン、トルエンおよびキシレンよりなる群から選ば
れる炭化水素系溶媒、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、
酢酸アリル、酢酸アミル、酢酸ブチルおよび酢酸メトキ
シブチルよりなる群から選ばれる酢酸エステル系溶媒、
テトラヒドロフラン、t−ブチルメチルエーテル、ジエ
トキシメタンおよびジブチルエーテルよりなる群から選
ばれるエーテル系溶媒、又は、メチルイソブチルケトン
もしくはメチルエチルケトンよりなるケトン系溶媒を添
加することを特徴とする立体障害をもつケイ素化合物の
製造方法に関する。
【0019】前記(1)項記載の製造方法によれば、カ
ップリング反応後の反応混合液が均一な溶液となり、そ
のまま反応混合液から第三級炭化水素基、第二級炭化水
素基又は芳香族炭化水素基をもつケイ素化合物を蒸留す
ることにより、塩化マグネシウム錯体等の副生物を除去
する操作段階を経ることなく簡易に、かつ、安全に高収
率で立体障害をもつケイ素化合物を工業的に生産するこ
とができる。
【0020】前記(2)、(3)または(4)項記載の
製造方法によれば、反応混合液を蒸留する前に前記特定
の有機溶媒をあらかじめ加えるか、又は蒸留の際にこれ
らの有機溶媒を少しづつ加えることにより、とくに蒸留
時の温度で固体の生成物の場合は生成物を有機溶媒で液
状化(溶液)することができることから、蒸留時におけ
る生成物の器壁への固化による付着を有効に防止でき
る。また、生成物をこれら有機溶媒と共沸させて蒸留す
れば、一層の収率の向上を果たすことができることか
ら、これら有機系溶媒の沸点は共沸が可能な程度に生成
物の沸点に近いことが望ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明で用いるグリニャール試薬
は、一般式(I)で表されるポリアルキレングリコール
ジアルキルエーテルを溶媒として調製される。ポリアル
キレングリコールジアルキルエーテルを溶媒として用い
るのは、一般式(II)で表されるグリニャール試薬と
一般式(III)で表されるケイ素化合物をカップリン
グ反応させた後に、反応混合液を蒸留する際に、副生す
る塩化マグネシウム錯体等が蒸留中も固化することなく
均一な溶液状態を保ち蒸留をスムーズにする為である。
【0022】一般式(I)において、R1またはR2で表
される炭素数1〜8のアルキル基としては、例えばメチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、ブ
チル基、オクチル基等があげられる。
【0023】一般式(I)で表されるポリアルキレング
リコールジアルキルエーテルとしては、例えばジエチレ
ングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコール
ジブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチル
エーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、
ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレ
ングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコー
ルイソプロピルメチルエーテル、ジプロピレングリコー
ルイソプロピルエチルエーテル、トリエチレングリコー
ルジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチ
ルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテ
ル、ペンタエチレングリコールジメチルエーテル、ヘキ
サエチレングリコールジメチルエーテル等を挙げること
ができる。これら溶媒は単独で、または2種以上併用で
きる。
【0024】なお、テトラヒドロフラン(THF)、ジ
エチルエーテル等の溶媒でグリニャール試薬を調製した
後、これらの溶媒を本発明に係るポリアルキレングリコ
ールジアルキルエーテル溶媒と交換しても、当初からポ
リアルキレングリコールジアルキルエーテルを溶媒とす
るグリニャール試薬を用いた場合と同様の効果がある。
【0025】本発明の製造方法で使用される一般式(I
I)で表されるグリニャール試薬(R4MgX)におい
て、R4で表される第三級炭化水素基または第二級炭化
水素基としては、一般式(IV):
【0026】
【化7】
【0027】[式中、R6、R7およびR8は、同一また
は異なって、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭
素数6〜12のアリール基または炭素数7〜11のアラ
ルキル基を示す(ただし、R6、R7およびR8のうちの
少なくとも2つは同時に水素原子でない)]で表される
基等があげられる。R6、R7またはR8で表される炭素
数1〜5のアルキル基は直鎖状、分岐鎖状または環状で
あってもよく、例えばメチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、ペンチル基等があげられる。R6、R7
たはR8で表される炭素数6〜12のアリール基として
は、例えばフェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチ
ル基、アニシル基、メシチル基などがあげられる。
6、R7またはR8で表される炭素数7〜11のアラル
キル基としては、例えばベンジル基、4−t−ブチルベ
ンジル基等があげられる。
【0028】R4で表される第三級炭化水素基または第
二級炭化水素基の具体例としては、例えばt−ブチル
基、sec−ブチル基、イソプロピル基、1,1−ジメ
チルプロピル基、1,1−ジエチルプロピル基、1,1
−ジメチルベンジル基等があげられる。R4で表される
芳香族炭化水素基としては、例えばフェニル基、2−メ
チルフェニル基等の置換フェニル基等があげられる。
【0029】前記一般式(II)において、Xで表され
るハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素
原子等があげられる。
【0030】一般式(II)で表されるグリニャール試
薬としは、例えばt−ブチルマグネシウムクロライド、
t−ブチルマグネシウムブロマイド、sec−ブチルマ
グネシウムクロライド、sec−ブチルマグネシウムブ
ロマイド、イソプロピルマグネシウムクロライド、イソ
プロピルマグネシウムブロマイド、1,1−ジメチルプ
ロピルマグネシウムクロライド、1,1−ジエチルプロ
ピルマグネシウムクロライド、1,1−ジメチルベンジ
ルマグネシウムクロライド、フェニルマグネシウムクロ
ライド等を挙げることができる。
【0031】本発明で用いるグリニャール試薬の調製
は、溶媒として一般式(I)で表されるポリアルキレン
グリコールジアルキルエーテルを用いる以外は常法によ
って行なうことができる。たとえばマグネシウムと一般
式(I)で表されるポリアルキレングリコールジアルキ
ルエーテルの混合物中に、不活性雰囲気下で、一般式
(V):
【0032】
【化8】
【0033】(式中、R4およびXは一般式(II)と
同じものを意味する)で表される化合物を一般式(I)
で表される溶媒中に溶解した溶液を30〜150℃で徐
々に添加し、添加後さらに30〜150℃で1〜10時
間反応させることによって調製できる。一般式(I)で
表される溶媒の全使用量はマグネシウムの1〜4倍モル
量が好ましい。溶媒の使用量が前記範囲未満では、グリ
ニャール試薬とケイ素化合物のカップリング反応による
反応混合物に塩化マグネシウム錯体等の副生物が析出す
るばあいがあり、一方前記範囲より多いと目的物を蒸留
して単離する上で効率が悪く、また経済的に不利であ
る。
【0034】本発明においては、グリニャール試薬を調
製する際またはグリニャール試薬を調製後に、n−ヘキ
サン、シクロヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、
n−デカン、n−ウンデカン、n−ドデカン、ベンゼ
ン、トルエンおよびキシレンよりなる群から選ばれる炭
化水素系溶媒、又は、テトラヒドロフラン、t−ブチル
メチルエーテル、ジエトキシメタンおよびジブチルエー
テルよりなる群から選ばれるエーテル系溶媒を添加する
ことができる。
【0035】このような他の溶媒を併用することによっ
て、一般式(II)で表されるグリニャール試薬と一般
式(III)で表されるケイ素化合物をカップリング反
応させた後、反応混合物を蒸留する際に、生成物の器壁
への固化による付着などを有効に防止でき、また生成物
をこの有機溶媒と共沸させて蒸留することによって一層
の収率向上を果すことができる。前記他の溶媒の使用量
は特に特定するものではなく、蒸留単離される目的物の
濃度の目標値に合うように、適宜その使用量を決めるこ
とができる。
【0036】本発明の製造方法で使用される一般式(I
II)で表されるケイ素化合物[R5 mSiX4-m]にお
いて、R5はアルキル基、アルケニル基、アリール基、
アラルキル基等の炭化水素基であり、mが2のときは、
5で表される炭化水素基は同一であってもよく、異な
っていてもよい。またXは塩素原子、臭素原子、ヨウ素
原子等のハロゲン原子である。
【0037】R5で表されるアルキル基としては炭素数
1〜5のアルキル基が好ましく、例えばメチル基、エチ
ル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、イソプロピ
ル基、イソブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、
ネオペンチル基等があげられる。R5で表されるアルケ
ニル基としては炭素数2〜6のアルケニル基が好まし
く、例えばビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニ
ル基、ヘキセニル基等があげられる。R5で表されるア
リール基としては炭素数6〜12のアリール基が好まし
く、例えばフェニル基、o−、m−またはp−トリル
基、o−、m−またはp−キシリル基、ナフチル基、ア
ニシル基等があげられる。R5で表されるアラルキル基
としては炭素数7〜11のアラルキル基が好ましく、例
えばベンジル基、ネオフィル基、フェネチル基等があげ
られる。
【0038】一般式(III)で表されるケイ素化合物
としては、例えばテトラクロロシラン、メチルトリクロ
ロシラン、エチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロ
シラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロ
ロシラン、ビニルトリクロロシラン、アリルトリクロロ
シラン、メチルビニルジクロロシラン等が挙げられる。
【0039】一般式(II)で表されるグリニャール試
薬と一般式(III)で表されるケイ素化合物とのカッ
プリング反応は、シアノ化合物、チオシアン酸化合物又
はアセチルアセトネート化合物等の触媒の存在下で行わ
れる。このカップリング反応に有効な触媒としては、例
えばシアン化銅、シアン化銀、シアン化水銀、トリブチ
ル錫シアニド、トリメチルシリルシアニド、チオシアン
酸銅、チオシアン酸銀、チオシアン酸ナトリウム、チオ
シアン酸カルシウム、チオシアン酸テトラブチルアンモ
ニウム、銅アセチルアセトネート、ニッケルアセチルア
セトネート、コバルトアセチルアセトネート、マグネシ
ウムアセチルアセトネート、亜鉛アセチルアセトネー
ト、鉄アセチルアセトネート、マンガンアセチルアセト
ネート、カルシウムアセチルアセトネート等が挙げられ
る。これらの触媒は、一般式(II)で表されるグリニ
ャール試薬に対して0.01〜10モル%の範囲で使用
される。
【0040】前記カップリング反応は常法によって行な
えばよく、たとえば不活性雰囲気中で、前記一般式(I
I)で表されるグリニャール試薬に前記触媒を添加した
のち、一般式(III)で表されるケイ素化合物を、0
〜120℃で徐々に添加し、さらに30〜120℃で1
〜15時間反応させて行なうことができる。
【0041】一般式(II)で表されるグリニャール試
薬と一般式(III)で表されるケイ素化合物の使用割
合は、ケイ素化合物(III)中にグリニャール試薬
(II)中のR4で表される基を何個導入するか等によ
り異なるが、一個導入するばあいはケイ素化合物(II
I)の1モルに対して、グリニャール試薬(II)を1
〜2モル使用するのが好ましい。
【0042】本発明の製造方法によって合成される目的
のケイ素化合物は、一般式(VI):
【0043】
【化9】
【0044】(式中、yは1〜3の整数を表し、mは0
〜2の整数を表し、m+yは1〜3の整数を表し、
4、R5およびXは前記と同じものを意味する)で表さ
れ、出発物質のケイ素化合物(III)の種類、グリニ
ャール試薬(II)の使用割合等によって異なる。
【0045】以下に本発明の製造方法によって合成され
る主なケイ素化合物を列挙するが、これらに限定される
ものではない。例えばt−ブチルジメチルクロロシラ
ン、sec−ブチルジメチルクロロシラン、イソプロピ
ルジメチルクロロシラン、t−ブチルジフェニルクロロ
シラン、sec−ブチルジフェニルクロロシラン、イソ
プロピルジフェニルクロロシラン、t−ブチルメチルジ
クロロシラン、sec−ブチルメチルジクロロシラン、
イソプロピルメチルジクロロシラン、t−ブチルメチル
フェニルクロロシラン、sec−ブチルメチルフェニル
クロロシラン、イソプロピルメチルフェニルクロロシラ
ン、t−ブチルビニルジクロロシラン、sec−ブチル
ビニルジクロロシラン、イソプロピルビニルジクロロシ
ラン、t−ブチルトリクロロシラン、sec−ブチルト
リクロロシラン、イソプロピルトリクロロシラン、1,
1−ジメチルプロピルジメチルクロロシラン、1,1−
ジメチルプロピルメチルジクロロシラン、1,1−ジメ
チルプロピルトリクロロシラン、1,1−ジエチルプロ
ピルジメチルクロロシラン、1,1−ジエチルプロピル
メチルジクロロシラン、1,1−ジエチルプロピルトリ
クロロシラン、1,1−ジメチルベンジルジメチルクロ
ロシラン、1,1−ジメチルベンジルメチルジクロロシ
ラン、t−ブチルエチルジクロロシラン等が挙げられ
る。
【0046】本発明においては、カップリング反応後、
反応混合物をそのまま蒸留することによって目的のケイ
素化合物をうることができる。蒸留は目的のケイ素化合
物の沸点に応じ常圧または減圧下で行なえばよい。本発
明においてグリニャール試薬(II)の溶媒としてポリ
アルキレングリコールジアルキルエーテル(I)を使用
することにより、前記蒸留操作の際に塩化マグネシウム
錯体等が析出することがなく、蒸留操作を安全かつスム
ーズに行なうことができる。
【0047】さらに本発明においては、カップリング反
応を行なったのち、反応混合物を蒸留する前または蒸留
中に、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン、
n−オクタン、n−デカン、n−ウンデカン、n−ドデ
カン、ベンゼン、トルエンおよびキシレンよりなる群か
ら選ばれる炭化水素系溶媒、酢酸エチル、酢酸イソプロ
ピル、酢酸アリル、酢酸アミル、酢酸ブチルおよび酢酸
メトキシブチルよりなる群から選ばれる酢酸エステル系
溶媒、テトラヒドロフラン、t−ブチルメチルエーテ
ル、ジエトキシメタンおよびジブチルエーテルよりなる
群から選ばれるエーテル系溶媒、又は、メチルイソブチ
ルケトンもしくはメチルエチルケトンよりなるケトン系
溶媒を添加することができる。
【0048】前記他の溶媒を併用することによって、反
応混合物を蒸留する際に、生成物の器壁への固化による
付着などを有効に防止でき、また生成物をこの有機溶媒
と共沸させて蒸留することによって一層の収率向上を果
たすことができる。前記他の溶媒の使用量は特に特定す
るものではなく、蒸留単離される目的物の濃度の目標値
に合うように、適宜その使用量を決めることができる。
【0049】
【実施例】つぎに、実施例を挙げて本発明を説明する。
実施例でえられた生成物等は、NMR及びガスクロマト
グラフィーで同定し、既知サンプルと同一であることを
確認した。
【0050】実施例1 温度計、還流冷却器、攪拌機及び滴下ロートを備えた5
00mlのフラスコに、マグネシウム12.2g(0.
5mol)及びジエチレングリコールジエチルエーテル
50gを仕込み、窒素雰囲気下で85℃に昇温し、t−
ブチルクロライド46.23g(0.5mol)とジエ
チレングリコールジエチルエーテル60gの混合溶液を
80〜90℃に保ちながら2時間かけて滴下した。滴下
終了後、80〜90℃で2時間攪拌してt−ブチルマグ
ネシウムクロライドのジエチレングリコールジエチルエ
ーテル溶液(グリニャール試薬)を得た。このグリニャ
ール試薬にシアン化銅0.35gを加えて攪拌しなが
ら、ジメチルジクロロシラン50.3g(0.39mo
l)を50〜60℃に保つように2時間かけて滴下し
た。滴下終了後、60℃で3時間攪拌した(フラスコ内
は、暗赤色透明でMgCl2の結晶の析出は認められな
かった)。つぎに、還流冷却器及び滴下ロートを取り除
き、蒸留装置を取り付けて蒸留した。はじめ低沸点留分
であるブタン、t−ブチルクロライド等の前留約5gを
取り除き、120〜126℃/760mmHgの留分と
106〜118℃/400〜600mmHgの留分(留
出量が減少した時点で減圧した)を併せて目的物である
t−ブチルジメチルクロロシラン47.0g(収率80
%)を得た。なお、目的物の留出が終了するまでフラス
コ内は均一な透明溶液であり、目的物の蒸留に何らの支
障も生じなかった。
【0051】実施例2 温度計、還流冷却器、攪拌機及び滴下ロートを備えた5
00mlのフラスコに、マグネシウム12.2g(0.
5mol)及びジエチレングリコールジブチルエーテル
140gを仕込み、窒素雰囲気下で85℃に昇温し、イ
ソプロピルクロライド39.25g(0.5mol)を
60〜70℃に保ちながら2時間かけて滴下した。滴下
終了後、60〜70℃で2時間攪拌してイソプロピルマ
グネシウムクロライドのジエチレングリコールジブチル
エーテル溶液(グリニャール試薬)を得た。このグリニ
ャール試薬にチオシアン酸ナトリウム0.5gを加えて
攪拌しながら、ジメチルジクロロシラン50.3g
(0.39mol)を50〜60℃に保つように2時間
かけて滴下した。滴下終了後、60℃で3時間攪拌した
(フラスコ内は、暗赤色透明でMgCl2の結晶の析出
は認められなかった)。つぎに、還流冷却器及び滴下ロ
ートを取り除き、蒸留装置を取り付けて減圧蒸留した。
はじめ低沸点留分であるイソプロピルクロライド等の前
留約2gを取り除き、60〜70℃/160〜170m
mHgの留分であるイソプロピルジメチルクロロルシラ
ン45.3g(収率85%)を得た。なお、目的物の留
出が終了するまでフラスコ内は均一な透明溶液であり、
目的物の蒸留に何らの支障も生じなかった。
【0052】実施例3 温度計、還流冷却器、攪拌機及び滴下ロートを備えた5
00mlのフラスコに、マグネシウム12.2g(0.
5mol)及びテトラエチレングリコールジメチルエー
テル145gを仕込み、窒素雰囲気下で85℃に昇温
し、フェニルクロライド56.28g(0.5mol)
を80〜90℃に保ちながら2時間かけて滴下した。滴
下終了後、80〜90℃で2時間攪拌してフェニルマグ
ネシウムクロライドのテトラエチレングリコールジメチ
ルエーテル溶液(グリニャール試薬)を得た。このグリ
ニャール試薬にチオシアン酸銅0.4gを加えて攪拌し
ながら、ジメチルジクロロシラン50.3g(0.39
mol)を50〜60℃に保つように2時間かけて滴下
した。滴下終了後、60℃で3時間攪拌した(フラスコ
内は、暗赤色透明でMgCl2の結晶の析出は認められ
なかった)。つぎに、還流冷却器及び滴下ロートを取り
除き、蒸留装置を取り付けて蒸留した。はじめ低沸点留
分であるフェニルクロライド等の前留約3gを取り除
き、80〜84℃/16mmHgの留分であるフェニル
ジメチルクロロシラン64.0g(収率75%)を得
た。なお、目的物の留出が終了するまでフラスコ内は均
一な透明溶液であり、目的物の蒸留に何らの支障も生じ
なかった。
【0053】実施例4 温度計、還流冷却器、攪拌機及び滴下ロートを備えた5
00mlのフラスコに、マグネシウム12.2g(0.
5mol)、ジエチレングリコールジブチルエーテル1
20g及びトルエン62gを仕込み、窒素雰囲気下で8
0℃に昇温し、t−ブチルクロライド46.23g
(0.5mol)を80〜90℃に保ちながら2時間か
けて滴下した。滴下終了後、80〜90℃で2時間攪拌
してt−ブチルマグネシウムクロライド(グリニャール
試薬:ジエチレングリコールジブチルエーテルとトルエ
ンの混合溶液)を得た。このグリニャール試薬にシアン
化銅0.35gを加えて攪拌しながら、ジメチルジクロ
ロシラン50.3g(0.39mol)を50〜60℃
に保つように2時間かけて滴下した。滴下終了後、60
℃で3時間攪拌した(フラスコ内は、暗赤色透明でMg
Cl2の結晶の析出は認められなかった)。つぎに、還
流冷却器及び滴下ロートを取り除き、蒸留装置を取り付
けて減圧蒸留した。はじめ低沸点留分であるブタン、t
−ブチルクロライド等の前留約7gを取り除き、69〜
74℃/165mmHgの留分101.4gを得た。こ
れをガスクロマトグラフィー分析すると、目的物である
t−ブチルジメチルクロロシラン49.4g(収率84
%)とトルエン52.0gの混合物であった。実施例1
の場合と同様に、目的物の留出が終了するまでフラスコ
内は均一な透明溶液であり、目的物の蒸留に何らの支障
も生じなかった。
【0054】実施例5 温度計、還流冷却器、攪拌機及び滴下ロートを備えた5
00mlのフラスコに、マグネシウム12.2g(0.
5mol)、ジエチレングリコールジブチルエーテル1
20g及びトルエン45gを仕込み、窒素雰囲気下で8
0℃に昇温し、イソプロピルクロライド39.25g
(0.5mol)を80〜90℃に保ちながら2時間か
けて滴下した。滴下終了後、80〜90℃で2時間攪拌
してイソプロピルマグネシウムクロライド(グリニャー
ル試薬:ジエチレングリコールジブチルエーテルとトル
エンの混合溶液)を得た。このグリニャール試薬に銅ア
セチルアセトネート0.5gを加えて攪拌しながら、ジ
メチルジクロロシラン50.3g(0.39mol)を
50〜60℃に保つように2時間かけて滴下した。滴下
終了後、60℃で3時間攪拌した(フラスコ内は、暗赤
色透明でMgCl2の結晶の析出は認められなかっ
た)。つぎに、還流冷却器及び滴下ロートを取り除き、
蒸留装置を取り付けて蒸留した。はじめ低沸点留分であ
るプロパン、イソプロピルクロライド等の前留約8gを
取り除き、113〜120℃/760mmHgの留分8
8.2gを得た。これをガスクロマトグラフィー分析す
ると、目的物であるイソプロピルジメチルクロロシラン
44.2g(収率83%)とトルエン44.0gの混合
物であった。実施例1の場合と同様に、目的物の留出が
終了するまでフラスコ内は均一な透明溶液であり、目的
物の蒸留に何らの支障も生じなかった。
【0055】実施例6 温度計、還流冷却器、攪拌機及び滴下ロートを備えた5
00mlのフラスコに、マグネシウム12.2g(0.
5mol)、ジエチレングリコールジブチルエーテル1
20g及びn−ジブチルエーテル45gを仕込み、窒素
雰囲気下で80℃に昇温し、イソプロピルクロライド3
9.25g(0.5mol)を80〜90℃に保ちなが
ら2時間かけて滴下した。滴下終了後、80〜90℃で
2時間攪拌してイソプロピルマグネシウムクロライド
(グリニャール試薬:ジエチレングリコールジブチルエ
ーテルとn−ジブチルエーテルの混合溶液)を得た。こ
のグリニャール試薬に銅アセチルアセトネート0.5g
を加えて攪拌しながら、ジメチルジクロロシラン50.
3g(0.39mol)を50〜60℃に保つように2
時間かけて滴下した。滴下終了後、60℃で3時間攪拌
した(フラスコ内は、暗赤色透明でMgCl2の結晶の
析出は認められなかった)。つぎに、還流冷却器及び滴
下ロートを取り除き、蒸留装置を取り付けて蒸留した。
はじめ低沸点留分であるプロパン、イソプロピルクロラ
イド等の前留約8gを取り除き、113〜120℃/7
60mmHgの留分84.7gを得た。これをガスクロ
マトグラフィー分析すると、目的物であるイソプロピル
ジメチルクロロシラン44.2g(収率83%)とn−
ジブチルエーテル40.5gの混合物であった。実施例
1の場合と同様に、目的物の留出が終了するまでフラス
コ内は均一な透明溶液であり、目的物の蒸留に何らの支
障も生じなかった。
【0056】実施例7 温度計、還流冷却器、攪拌機及び滴下ロートを備えた5
00mlのフラスコに、マグネシウム12.2g(0.
5mol)及びジエチレングリコールジブチルエーテル
140gを仕込み、窒素雰囲気下で85℃に昇温し、t
−ブチルクロライド46.23g(0.5mol)を8
0〜90℃に保ちながら2時間かけて滴下した。滴下終
了後、80〜90℃で2時間攪拌してt−ブチルマグネ
シウムクロライドのジエチレングリコールジブチルエー
テル溶液(グリニャール試薬)を得た。このグリニャー
ル試薬にシアン化銅0.3gを加えて攪拌しながら、ジ
メチルジクロロシラン50.3g(0.39mol)を
50〜60℃に保つように2時間かけて滴下した。滴下
終了後、60℃で3時間攪拌した(フラスコ内は、暗赤
色透明でMgCl2の結晶の析出は認められなかっ
た)。つぎに、還流冷却器を取り除き、蒸留装置を取り
付けて減圧にして、低沸点留分であるブタン、t−ブチ
ルクロライド等を取り除いた。つづいてt−ブチルジメ
チルクロロシランが留出し始めると、滴下ロートより酢
酸エチル100gを少しづつ滴下しながら減圧蒸留して
60〜80℃/200mmHgの留分130.5gを得
た。これをガスクロマトグラフィー分析すると、目的物
であるt−ブチルジメチルクロロシラン48g(収率8
1.7%)と酢酸エチル82.5gの混合物であった。
実施例1の場合と同様に、目的物の留出が終了するまで
フラスコ内は均一な透明溶液であり、目的物の蒸留に何
らの支障も生じなかった。
【0057】尚、滴下ロートの先端をフラスコの溶液中
に差し入れて、滴下した酢酸エチルを溶液中に少しづつ
導入しながら減圧蒸留するとt−ブチルジメチルクロロ
シランの収量は50.5g(収率86%)となった。
【0058】実施例8 温度計、還流冷却器、攪拌機及び滴下ロートを備えた5
00mlのフラスコに、マグネシウム12.2g(0.
5mol)及びジエチレングリコールジブチルエーテル
140gを仕込み、窒素雰囲気下で85℃に昇温し、t
−ブチルクロライド46.23g(0.5mol)を8
0〜90℃に保ちながら2時間かけて滴下した。滴下終
了後、80〜90℃で2時間攪拌してt−ブチルマグネ
シウムクロライドのジエチレングリコールジブチルエー
テル溶液(グリニャール試薬)を得た。このグリニャー
ル試薬にシアン化銅0.3gを加えて攪拌しながら、ジ
メチルジクロロシラン50.3g(0.39mol)を
50〜60℃に保つように2時間かけて滴下した。滴下
終了後、60℃で3時間攪拌した(フラスコ内は、暗赤
色透明でMgCl2の結晶の析出は認められなかっ
た)。つぎに、還流冷却器及び滴下ロートを取り除き、
蒸留装置を取り付けて、メチルイソブチルケトン70g
を加えて減圧蒸留した。はじめ低沸点留分であるブタ
ン、t−ブチルクロライド等の前留を取り除いて、70
〜90℃/200mmHgの留分113.5gを得た。
これをガスクロマトグラフィー分析すると、目的物であ
るt−ブチルジメチルクロロシラン51.5g(収率8
7.6%)とメチルイソブチルケトン62gの混合物で
あった。蒸留時のフラスコ内の状態は実施例7までと同
じであった。
【0059】参考例 温度計、還流冷却器、攪拌機及び滴下ロートを備えた5
00mlのフラスコに、マグネシウム12.2g(0.
5mol)、テトラヒドロフラン(THF)144g及
びトルエン62gを仕込み、窒素雰囲気下で50℃に昇
温し、t−ブチルクロライド46.23g(0.5mo
l)を50〜60℃に保ちながら2時間かけて滴下し
た。滴下終了後、50〜60℃で2時間攪拌してt−ブ
チルマグネシウムクロライド(グリニャール試薬:TH
Fとトルエンの混合溶液)を得た。このグリニャール試
薬にシアン化銅0.35gを加えて攪拌しながら、ジメ
チルジクロロシラン50.3g(0.39mol)を5
0〜60℃に保つように2時間かけて滴下した。ジメチ
ルジクロロシランの滴下と同時にMgCl2の結晶が析
出し、滴下終了時にはこの結晶で一杯となったが、滴下
終了後、60℃で3時間攪拌した。実施例4と同様の反
応混合物からの蒸溜は不可能であった。つぎに、室温に
冷却後、析出した固形物を濾過して除去したが、濾過に
際してはテトラヒドロフラン(THF)の臭気が強く、
工業的に生産するためにはこの臭気を取り除く為の安全
衛生上の配慮が新たに必要となる。ついで濾液を精留装
置を用いて約12時間かけて蒸溜した。蒸留により低沸
点留分である前留約111gを取り除き、114〜12
2℃/760mmHgの留分99.0gを得た。これを
ガスクロマトグラフィー分析すると、目的物であるt−
ブチルジメチルクロロシラン44.0g(収率75%)
とトルエン55.0gの混合物であった。
【0060】
【発明の効果】実施例1〜8及び参考例の記載から明ら
かなように、特定のポリアルキレングリコールジアルキ
ルエーテルを溶媒とする第三級若しくは第二級炭化水素
基または芳香族炭化水素基をもつグリニャール試薬とケ
イ素化合物をカップリング反応すれば、反応混合液が均
一な溶液となり、塩化マグネシウム錯体等の副生物を除
去する操作段階を経ることなく、そのまま反応混合液か
ら簡易に、かつ、安全に高収率で立体障害をもつケイ素
化合物を工業的に生産することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤川 正澄 大阪府大阪市東淀川区西淡路3丁目17番 14号 日東化成株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−31290(JP,A) 特開 昭63−63683(JP,A) 特開 昭62−263187(JP,A) 特開 昭56−63927(JP,A) 米国特許5358670(US,A) Organometallics,8 (1989)1121−1122. (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07F 7/12 BEILISTEIN(STN) CA(STN) REGISTRY(STN) WPIDS(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I): 【化1】 (式中、R1、R2は炭素数1〜8のアルキル基で同一で
    あっても異なっていてもよく、R3は水素原子又はメチ
    ル基を、nは1〜6の整数をそれぞれ示す)で表される
    ポリアルキレングリコールジアルキルエーテルを溶媒と
    する一般式(II): 【化2】 (式中、R4は第三級炭化水素基、第二級炭化水素基ま
    たは芳香族炭化水素基を、Xはハロゲン原子をそれぞれ
    示す)で表されるグリニャール試薬と、一般式(II
    I): 【化3】 (式中、R5は炭化水素基を、Xはハロゲン原子を、m
    は0〜2の整数をそれぞれ示す)で表されるケイ素化合
    物を、シアノ化合物、チオシアン酸化合物又はアセチル
    アセトネート化合物の存在下でカップリング反応させた
    後、そのまま反応混合液から第三級炭化水素基、第二級
    炭化水素基又は芳香族炭化水素基をもつケイ素化合物を
    蒸留することによって分離、精製することを特徴とする
    立体障害をもつケイ素化合物の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の製造方法であって、グリ
    ニャール試薬を調製する際に、n−ヘキサン、シクロヘ
    キサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−デカン、n
    −ウンデカン、n−ドデカン、ベンゼン、トルエンおよ
    びキシレンよりなる群から選ばれる炭化水素系溶媒、又
    は、テトラヒドロフラン、t−ブチルメチルエーテル、
    ジエトキシメタンおよびジブチルエーテルよりなる群か
    ら選ばれるエーテル系溶媒を添加することを特徴とする
    立体障害をもつケイ素化合物の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の製造方法であって、グリ
    ニャール試薬を調製した後に、n−ヘキサン、シクロヘ
    キサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−デカン、n
    −ウンデカン、n−ドデカン、ベンゼン、トルエンおよ
    びキシレンよりなる群から選ばれる炭化水素系溶媒、又
    は、テトラヒドロフラン、t−ブチルメチルエーテル、
    ジエトキシメタンおよびジブチルエーテルよりなる群か
    ら選ばれるエーテル系溶媒を添加することを特徴とする
    立体障害をもつケイ素化合物の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の製造方法であって、カッ
    プリング反応を行った後に、n−ヘキサン、シクロヘキ
    サン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−デカン、n−
    ウンデカン、n−ドデカン、ベンゼン、トルエンおよび
    キシレンよりなる群から選ばれる炭化水素系溶媒、酢酸
    エチル、酢酸イソプロピル、酢酸アリル、酢酸アミル、
    酢酸ブチルおよび酢酸メトキシブチルよりなる群から選
    ばれる酢酸エステル系溶媒、テトラヒドロフラン、t−
    ブチルメチルエーテル、ジエトキシメタンおよびジブチ
    ルエーテルよりなる群から選ばれるエーテル系溶媒、又
    は、メチルイソブチルケトンもしくはメチルエチルケト
    ンよりなるケトン系溶媒を添加することを特徴とする立
    体障害をもつケイ素化合物の製造方法。
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