JPH10237177A - ネットワークポリシランの製造方法 - Google Patents

ネットワークポリシランの製造方法

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JPH10237177A
JPH10237177A JP9054297A JP5429797A JPH10237177A JP H10237177 A JPH10237177 A JP H10237177A JP 9054297 A JP9054297 A JP 9054297A JP 5429797 A JP5429797 A JP 5429797A JP H10237177 A JPH10237177 A JP H10237177A
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JP
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reaction
alkali metal
polysilane
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amount
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JP9054297A
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Takatoshi Toyama
貴敏 外山
Kenichi Hino
賢一 日野
Yasuo Nomura
泰生 野村
Eiji Ando
英治 安藤
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NUC Corp
Original Assignee
Nippon Unicar Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 保存安定性に優れるネットワークポリシラン
の製造方法を提供する。 【解決手段】 オルガノクロロシランとアルカリ金属と
の反応からネットワークポリシランを合成するにあた
り、反応工程を2段階に分け、第1段階でテトラクロロ
シラン及び(又は)オルガノトリクロロシラン及びジオ
ルガノジクロロシランとアルカリ金属とを反応させ、第
2段階で第1段階での反応混合物にトリオルガノクロロ
シランを導入して反応させ、引き続き、反応の後処理工
程において有機酸とアルコールを添加してアルカリ金属
を死活させ、生成したアルカリ金属塩等をろ過した反応
液を得ることからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ネットワークポ
リシラン、特に保存安定性に優れるネットワークポリシ
ランの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、ポリシランの合成法には、オ
ルガノクロロシラン類を有機溶媒中でアルカリ金属に接
触反応させるウルツカップリング法が一般に用いられて
きた。しかしこの方法により得られるポリシランは、安
定性が不十分で有機溶剤に不溶な成分が生成しやすく、
特に4官能及び(又は)3官能のクロロシランを使用す
るネットワークポリシランでは不溶な成分の生成が著し
いという問題があった。
【0003】不溶化の原因は十分解明されていないが、
ポリシラン中の−Si−H、−Si−OR及び−Si−
OH等の不安定な分子末端や側鎖の存在により、シロキ
サン結合(−Si−O−Si−)が形成されるためであ
ると推測される。
【0004】一般に、アルカリ金属とオルガノクロロシ
ラン類との接触反応によるポリシラン合成反応の後処理
は、残存アルカリ金属をアルコール(R−OH)によっ
て死活させ、その後、接触反応によって生じたアルカリ
金属塩、死活したアルカリ金属、さらに未反応モノマー
を反応液中から除去するため反応器内に水を加えてこれ
らを水溶化させ、ポリシランを含む有機溶媒層を分液
し、精製することにより行われる。反応停止前、ポリシ
ランの未反応末端部分は、−Si−Cl及び−Si−M
(Mはアルカリ金属)等の活性な状態になっていると推
測され、R−OH添加で大部分は−Si−OR及び−S
i−Hになって反応が停止すると考えられる。ここで、
R−OHによるアルカリ金属の死活反応により強塩基性
のアルカリ金属アルコキシド(R−OM)が生成し、水
洗によって反応液は強アルカリ性となることから、−S
i−OR及び−Si−H等のポリシラン末端の一部は−
Si−OHになると推測される。−Si−OHになった
ポリシラン末端は不安定でシロキサン結合を形成するた
め、高度に架橋した−Si−O−Si−を含む不溶性ネ
ットワークポリシランが生成する。また、−Si−OH
はアルカリ雰囲気によって−Si−OM等になり、これ
は水洗時にエマルジョン状になるため分液に長時間を要
すことになる。さらに、種々の不安定末端の存在は、初
期には溶剤に可溶であっても経時で加水分解等により不
溶成分が生成するという問題を引き起こす。
【0005】このような問題点を解決するため、様々な
発明がなされているが、未だ不十分であるところが多
い。例えば、水洗前に反応容器内に塩酸等の酸を過剰に
加え、反応系内の液性を酸性にすることにより、水洗時
の−Si−OHの生成の抑制が提案されている(特開平
5−65345号)が、反応の副生成物である塩の中に
含まれるアルカリ金属アルコキシド等の塩基性物質のた
め、水層が一時、アルカリ性になり、不溶成分の生成が
進み分液に長時間を要すという問題がある。また、−S
i−H、−Si−Clが分子内に残留し、経時による不
溶化は完全には解決されない。反応の後期に過剰量のト
リオルガノハロシランを加え、末端の封止と反応系内の
液性の調製をする方法(特開平5−86199号)で
は、水洗時の分液の作業性や経時による不溶化は改善さ
れる。しかし、アルカリ金属を死活させるためにアルコ
ールを添加する際に、系内に残留した過剰のトリオルガ
ノハロシランからのアルコキシシランの生成反応が起こ
り、同時にハロゲン化水素が多く発生し、反応液が非常
に強い酸性を示すため精製作業の支障になる。この方法
においてトリオルガノハロシランの使用量を単に減らし
た場合、作業性は改善されるものの反応混合物中の固体
の塩基性物質を十分に中和することができなくなるとい
う問題が生じる。ネットワークポリシランの製造方法と
しては特開平7−113010号に例が挙げられ、この
中では末端封止剤としてオルガノリチウム化合物等を用
いるとしている。しかし、ここで用いるオルガノリチウ
ム化合物は非常に高価であるため、末端封止剤を多量に
使用するネットワークポリシランでは経済的に不利にな
るばかりでなく、末端封止効果は必ずしも十分ではな
く、得られるポリシランの安定性はあまり改善されな
い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題点
を解決するためになされたもので、製造作業面、経済面
において効率的で、さらに有機溶媒に可溶で十分な経時
安定性を持つネットワークポリシランの製造方法を提供
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】発明の概要 即ち、本発明は、オルガノクロロシランとアルカリ金属
との反応からネットワークポリシランを合成するにあた
り、反応工程を2段階に分け、第1段階でテトラクロロ
シラン及び(又は)オルガノトリクロロシラン及びジオ
ルガノジクロロシランとアルカリ金属とを反応させ、第
2段階で第1段階での反応混合物にトリオルガノクロロ
シランを導入して反応させ、引き続き、反応の後処理工
程において有機酸とアルコールを添加してアルカリ金属
を死活させることを特徴とするネットワークポリシラン
の製造方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】発明の具体的な説明 以下に本発明の詳細を示す。本発明では、オルガノクロ
ロシランとアルカリ金属との反応からネットワークポリ
シランを合成するにあたり、反応工程を2段階に分け、
第1段階でテトラクロロシラン及び(又は)オルガノト
リクロロシラン及びジオルガノジクロロシランとアルカ
リ金属とを反応させ、第2段階で第1段階での反応混合
物にトリオルガノクロロシランを導入し反応させる。こ
れにより、反応の第1段階終了時に存在したポリシラン
の活性末端である−Si−M等は不活性なトリオルガノ
シリル基になると考えられる。次に、有機酸とアルコー
ルを用いて反応器中の過剰アルカリ金属を死活させる。
アルカリ金属の死活に有機酸とアルコールを用いること
で反応の第2段階で用いるトリオルガノクロロシランの
量を減らしても反応液を酸性に保つことができるため、
−Si−OHの生成を抑制することができると同時に、
塩化水素の発生量を削減することができる。また、有機
酸で液性を調製するため、反応液の弱酸性化が容易にな
り、精製工程の作業性が向上する。次に、有機酸とアル
コールにより死活したアルカリ金属、接触反応により副
生したアルカリ金属塩等をろ過により取り除くことで、
これらの固体中に残存する塩基性物質を容易に取り除く
ことができる。これにより水洗時にポリシランを含む有
機溶媒の液性を常に酸性に保つことができ、−Si−O
Hの生成を防ぐことができる。その後、水洗した反応液
を通常の方法で再沈殿により精製し乾燥することで保存
安定性に優れるポリシランを得ることができる。
【0009】本発明の方法に従う反応の第1段階で用い
るオルガノクロロシラン類としては、下式(1)、
(2)、(3)で示されるオルガノクロロシラン類を用
いることができる。
【化1】 (ここで、R1 〜R3 は水素原子又は同一若しくは異な
る1価炭化水素基であり、1価炭素水素基としては炭素
数1〜12の置換又は未置換のアルキル基及びアリール
基などである。)
【0010】式(1)のオルガノクロロシラン類はテト
ラクロロシランである。式(2)のものはオルガノトリ
クロロシランで、具体例としてはアリルトリクロロシラ
ン、アミルトリクロロシラン、ベンジルトリクロロシラ
ン、t−ブチルトリクロロシラン、シクロヘキシルトリ
クロロシラン、n−ドデシルトリクロロシラン、エチル
トリクロロシラン、n−ヘプチルトリクロロシラン、n
−ヘキシルトリクロロシラン、5−ヘキセニルトリクロ
ロシラン、イソブチルトリクロロシラン、メチルトリク
ロロシラン、n−プロピルトリクロロシラン、フェネチ
ルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、p−
トリルトリクロロシラン、ビニルトリクロロシラン等が
挙げられ、また式(3)のものはジオルガノジクロロシ
ランであり、具体例としてはアリルメチルジクロロシラ
ン、ジエチルジクロロシラン、ジイソプロピルジクロロ
シラン、ジ−n−プロピルジクロロシラン、ジ−n−ヘ
キシルジクロロシラン、エチルメチルジクロロシラン、
n−ヘキシルメチルジクロロシラン、メチルシクロヘキ
シルジクロロシラン、メチルイソプロピルジクロロシラ
ン、メチル−n−プロピルジクロロシラン、ジメチルジ
クロロシラン、フェニルアリルジクロロシラン、メチル
フェニルジクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、
p−トリルメチルジクロロシラン、ビニルエチルジクロ
ロシラン等が挙げられるが、これらに限定されるもので
はない。
【0011】これらのオルガノクロロシラン類は(1)
+(2)、及び(3)からそれぞれ1種類以上を用いる
ことができる。オルガノクロロシラン類の使用モル比
は、((1)+(2))/(3)=0.05/0.95
〜1/1で、好ましくは1/9〜3/7である。
【0012】本発明に使用するアルカリ金属としては、
リチウム、ナトリウム、カリウム、またそれらの合金が
挙げられる。特に好ましくはナトリウムを使用する。ア
ルカリ金属の使用量は、反応の第1段階で用いるオルガ
ノクロロシランに含まれる塩素量の合計に対し、1.0
5〜1.20当量となることが好ましい。アルカリ金属
量の使用量が1.05当量より少ない場合には、反応の
第1段階でのオルガノクロロシランとの反応が不十分
で、ポリシランの安定性を低下させる要因になったり、
反応に必要な時間が増大する。また、アルカリ金属の使
用量が1.20当量より多い場合には、反応の第2段階
で使用するトリオルガノクロロシランの量が増え、経済
的に不利になる。
【0013】また、オルガノクロロシラン類とアルカリ
金属の接触反応は、有機溶媒中で行う。この有機溶媒と
しては、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼ
ン、ジエチルベンゼン等の芳香族系炭化水素、オクタ
ン、ドデカン、デカン、シクロヘキサン等のアルカン
類、ジブチルエーテル、メチルフェニルエーテル、テト
ラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のエーテル類、
及びそれらの混合溶媒を用いることができる。
【0014】一般的な第1段階の反応としては、前述の
有機溶媒中にアルカリ金属類を分散させ、これにオルガ
ノクロロシラン類を滴下することによって行うのが好ま
しい。反応温度は60℃〜110℃が好ましいが、溶媒
の沸点以下で反応を行うのが容易である。反応を完結さ
せるためにオルガノクロロシラン滴下後、反応温度で撹
拌しながら1〜7時間程度熟成させることが好ましい。
【0015】反応の第2段階で用いるトリオルガノクロ
ロシラン類としては、下式(4)で示されるトリオルガ
ノクロロシラン類を用いることができる。
【化2】 (ここで、R4 〜R6 は水素原子又は同一若しくは異な
る1価炭化水素基であり、1価炭化水素基としては炭素
数1〜12の置換又は未置換のアルキル基及びアリール
基などである。)
【0016】トリオルガノクロロシラン類の具体例とし
ては、n−ブチルジメチルクロロシラン、t−ブチルジ
メチルクロロシラン、t−ブチルジフェニルクロロシラ
ン、シクロヘキシルジメチルクロロシラン、エチルジメ
チルクロロシラン、ジフェニルメチルクロロシラン、n
−プロピルジメチルクロロシラン、トリ−n−ブチルク
ロロシラン、トリエチルクロロシラン、トリイソプロピ
ルクロロシラン、トリメチルクロロシラン、ジメチルフ
ェニルクロロシラン、トリフェニルクロロシラン、ビニ
ルジメチルクロロシラン等が挙げられるが、経済的に特
に好ましいのはトリメチルクロロシランである。
【0017】使用するトリオルガノクロロシラン類の量
は、アルカリ金属量に対して0.005〜0.3当量
で、好ましくは第1段階の反応におけるアルカリ金属過
剰量に対し0.1〜1.5当量で、特に0.6〜0.9
当量が好ましい。トリオルガノクロロシラン量が少なす
ぎる場合には、反応の第1段階で生成したポリシランの
不安定末端の封止が不十分でポリシランの経時安定性は
あまり改善されず、逆に多すぎるとアルコール添加時に
発熱を伴って塩化水素が激しく発生し、反応液が強い酸
性となるため精製工程に支障をきたして作業性が悪くな
るばかりでなく、経済的にも不利になる。
【0018】一般的な第2段階の反応としては、第1段
階での反応混合物にトリオルガノクロロシランを滴下し
て行うのが好ましい。反応温度は25〜110℃が好ま
しいが、溶媒の沸点以下で反応を行うのが容易である。
反応を完結させるためにトリオルガノクロロシラン滴下
後、反応温度で撹拌しながら0.5〜5時間程度熟成さ
せることが好ましい。
【0019】反応終了後、従来はアルコールにより有機
溶媒中に残存するアルカリ金属を死活させていたが、本
発明では有機酸とアルコールによって反応液の液性を酸
性に調節しながらアルカリ金属を死活させる。このため
に、後の水洗工程でのエマルジョン化を抑制でき、さら
に反応容器内の液性は弱酸性になるので精製作業性が効
率的になる。ここで、アルコールとしては1価アルコー
ルを用いる。その具体例はメタノール、エタノール、イ
ソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、2−
メチルプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t
−ブチルアルコール等であり、好ましくはイソプロピル
アルコールを用いる。アルコール中に加える有機酸は、
好ましくは蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、シュウ
酸、マレイン酸、フタル酸、マロン酸、テレフタル酸等
のカルボン酸で、特に好ましくは酢酸、蟻酸である。
【0020】アルコール中に加える有機酸の量は、アル
カリ金属量に対して0.005〜0.3当量で、好まし
くは第1段階の反応におけるアルカリ金属過剰量に対し
0.1〜1.5当量で、特に、0.2〜0.4当量が好
ましい。また、反応の第2段階で用いるトリオルガノク
ロロシランと有機酸の総量は、アルカリ金属量に対して
0.05〜0.3当量で、好ましくは第1段階の反応に
おけるアルカリ金属過剰量に対し1〜1.5当量となる
ことが好ましい。トリオルガノクロロシランと有機酸の
総量が少ない場合には、反応液の液性がアルカリ性とな
るため、水洗時にエマルジョンが生成し、分液に時間が
かかる原因となるばかりでなく、ポリシランの経時安定
性の低下の原因となる。
【0021】従来のポリシランの精製工程では、接触反
応によって副生したアルカリ金属塩等を含む反応液に水
を加え、塩等を水溶化させ、洗い流していたが、本発明
ではアルカリ金属塩を一旦ろ過し、その後、ポリシラン
の溶け込んだ有機溶媒層を水洗する。アルカリ金属塩に
含まれる強い塩基性を示すアルカリ金属アルコキシドを
取り除くことで、反応液の液性を容易に酸性に保つこと
が可能となり、ポリシラン末端のシラノール化を抑制で
きるので、経時による不溶性分の生成の抑制と分液時間
の短縮ができる。水洗は水単独を使用して行ってもよい
が、食塩を10重量%〜飽和状態で溶解し、比重を大き
くすることで有機溶媒層、水層の分離を容易にすること
ができる。以上の発明によって、ネットワークポリシラ
ン末端の分解と縮合によるポリシランの不溶化を防ぐこ
とが可能となった。
【0022】
【実施例】以下に実施例を示して本発明を具体的に説明
するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではな
い。
【0023】実施例1 1リットルの四つ口フラスコに撹拌機、還流冷却管、温
度計、200ml容量の側管付き滴下ロートを備え、容
器内に窒素を流通させ、10時間放置した。フラスコ内
に乾燥トルエン480gと金属ナトリウム26.2g
(1.15mol)を仕込み、油浴によって110℃に
加熱し、撹拌によって金属ナトリウムのディスパージョ
ンを作った。反応の第1段階として滴下ロートにメチル
フェニルジクロロシラン68.8g(0.36mol)
とフェニルトリクロロシラン19.0g(0.09mo
l)からなる混合液を仕込み、フラスコ内を110℃で
撹拌しながら45分間かけてクロロシラン混合液を滴下
した。滴下終了後、110℃で4時間撹拌しながら熟成
した後、反応の第2段階として滴下ロート中にジメチル
フェニルクロロシラン22.5g(0.13mol)を
仕込み、フラスコ内を撹拌しながら20分間かけて滴下
し、その後、110℃で1時間撹拌しながら熟成させ
た。室温まで冷却後、フラスコ内を撹拌しながらイソプ
ロピルアルコール100gと酢酸3.0g(0.05m
ol)の混合液を滴下して反応を終了させた後、反応液
をろ過して塩類を分離し、濾液を15重量%食塩水溶液
で水洗し有機層をイソプロピルアルコールに滴下しネッ
トワークポリシランを結晶化させた。この結晶をろ過し
真空乾燥させることで黄色粉体を得た。
【0024】実施例2 反応の第1段階でフェニルトリクロロシランの代わりに
ビニルトリクロロシラン14.5g(0.09mol)
を使用し、クロロシラン混合液を滴下して110℃で4
時間熟成させた後、50℃まで冷却した。反応の第2段
階でジメチルフェニルクロロシランの代わりにトリメチ
ルクロロシラン14.3g(0.13mol)を滴下し
て50℃で1時間熟成させた。以上のことを除いて実施
例1と同様に反応を行い黄色粉体を得た。
【0025】実施例3 反応の第1段階でメチルフェニルジクロロシラン68.
8g(0.36mol)の量を81.0g(0.42m
ol)とし、フェニルトリクロロシラン19.0g
(0.09mol)の量を9.9g(0.047mo
l)としたことを除いて実施例1と同様に反応を行い黄
色粉体を得た。
【0026】実施例4 反応の第1段階でフェニルトリクロロシランは使用せ
ず、メチルフェニルジクロロシラン68.8g(0.3
6mol)の量を34.4g(0.18mol)とし、
さらにジフェニルジクロロシラン45.6g(0.18
mol)とテトラクロロシラン11.6g(0.068
mol)を使用し、この混合液を滴下して110℃で4
時間熟成させた後、50℃まで冷却した。反応第2段階
でジメチルフェニルクロロシランの代わりにトリメチル
クロロシラン14.3g(0.13mol)を滴下して
50℃で1時間熟成させ、その後室温まで冷却し、イソ
プロピルアルコールと酢酸の代わりにエタノール80g
と蟻酸2.3g(0.05mol)の混合液を加え、反
応を終了した。以上のことを除いて実施例1と同様に反
応を行い黄色粉体を得た。
【0027】比較例1 反応終了時にイソプロピルアルコールと酢酸の混合液の
代わりにイソプロピルアルコール100gを用い、塩類
をろ過分離せずに反応液に水100gを加え分液した有
機溶媒層を精製したことを除いて実施例1と同様に合成
を行い、黄色粉末を得た。
【0028】比較例2 反応の第1段階の熟成後、50℃まで冷却し、反応の第
2段階でジメチルフェニルクロロシラン99.3g
(0.52mol)を滴下して50℃で1時間熟成させ
た。これを室温まで冷却してイソプロピルアルコールと
酢酸の混合液の代わりにイソプロピルアルコール100
gを加えて反応を終了させ、塩類をろ過分離せずに反応
液に水100gを加え、分液した有機溶媒層を精製し
た。以上のことを除いて実施例1と同様に反応を行い黄
色粉末を得た。
【0029】比較例3 反応の第2段階は行わず、反応停止時にイソプロピルア
ルコールと酢酸の混合液の代わりにイソプロピルアルコ
ール100gを用い、塩類をろ過分離せずに反応液に1
Nの塩酸90g、水100gを順に加え、分液した有機
溶媒層を精製したことを除いて実施例1と同様に合成を
行い、黄色粉末を得た。
【0030】比較例4 反応の第2段階は行わず、反応停止時にイソプロピルア
ルコールと酢酸の混合液の代わりにイソプロピルアルコ
ール100gを用いたことを除いて実施例1と同様に合
成を行い黄色粉末を得た。
【0031】比較例5 反応の第2段階は行わず、反応の第1段階の熟成の後、
80℃まで冷却し、1.6mol/lブチルリチウムヘ
キサン溶液100ml(ブチルリチウム0.16mo
l)を加え、80℃で1時間熟成後、室温まで冷却し、
イソプロピルアルコールと酢酸の混合液の代わりにエタ
ノール80gを加えた。塩類をろ過せずに反応液に水1
00gを加え、分液した有機溶媒層を精製した。以上の
ことを除いて実施例1と同様に反応を行い黄色粉末を得
た。
【0032】実施例と比較例で得られた各ネットワーク
ポリシランの15重量%トルエン溶液の透明性と精製工
程の作業性(アルコール滴下時の発泡量、水洗時の反応
液の液性(pH)と分液に要する時間)の結果を表1に
示す。
【0033】
【表1】
【0034】ここから、比較例1、3、4、5によるも
のは経時で不溶性分が生成するが、実施例によって得ら
れたポリシランは不溶性分には生成しないことがわか
る。また、比較例2では経時による不溶性分の生成を抑
えるためにトリオルガノクロロシランを大過剰に使用し
たため、アルコール滴下時の塩化水素の発生による発泡
が著しく、アルコール滴下に長時間かかるが、実施例で
はトリオルガノクロロシランの使用量が少ないためアル
コール滴下時の発泡量が少なく、アルコール滴下を迅速
に行うことができる。また、実施例では、水洗時の反応
液の液性が酸性であるためエマルジョンの生成が抑えら
れ、分液時間も比較例1、3、4、5に対して著しく短
く、作業時間の短縮ができる。
【0035】以上、本発明によって、ネットワークポリ
シランの長期安定性が向上し、溶液状態での保存も可能
となるため、従来ポリシランの適用が困難であった様々
の用途に有用である。また、精製工程の作業性が向上
し、作業時間の短縮が可能となった。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オルガノクロロシランとアルカリ金属と
    の反応からネットワークポリシランを合成するにあた
    り、反応工程を2段階に分け、第1段階でテトラクロロ
    シラン及び(又は)オルガノトリクロロシラン及びジオ
    ルガノジクロロシランとアルカリ金属とを反応させ、第
    2段階で第1段階での反応混合物にトリオルガノクロロ
    シランを導入して反応させ、引き続き、反応の後処理工
    程において有機酸とアルコールを添加してアルカリ金属
    を死活させることを特徴とするネットワークポリシラン
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 アルカリ金属を死活させた後に、反応の
    副生成物であるアルカリ金属塩等の固体物質をろ過分液
    した反応液を水洗し精製することを特徴とする請求項1
    に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 反応に用いるアルカリ金属の量が反応の
    第1段階で用いるオルガノクロロシランの塩素の合計量
    に対し1.05〜1.20当量に相当することを特徴と
    する請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 反応の第2段階で使用するトリオルガノ
    クロロシランの量が使用するアルカリ金属の0.005
    〜0.3当量に相当することを特徴とする請求項1〜3
    のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 後処理工程で使用する有機酸の量が使用
    するアルカリ金属の0.005〜0.3当量に相当する
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 反応の第2段階で使用するトリオルガノ
    クロロシランと後処理工程で使用する有機酸の総量が使
    用するアルカリ金属の0.05〜0.3当量に相当する
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の製造
    方法。
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