JP2001122972A - ポリシラン類の製造方法 - Google Patents

ポリシラン類の製造方法

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JP2001122972A
JP2001122972A JP30242499A JP30242499A JP2001122972A JP 2001122972 A JP2001122972 A JP 2001122972A JP 30242499 A JP30242499 A JP 30242499A JP 30242499 A JP30242499 A JP 30242499A JP 2001122972 A JP2001122972 A JP 2001122972A
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JP30242499A
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English (en)
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Hiroaki Murase
裕明 村瀬
Hironori Sakamoto
浩規 阪本
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Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Osaka Gas Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 煩雑な操作を必要とすることなく、安全性に
優れ、しかも安価に所望のポリシランを製造しうる方法
を提供する。 【解決手段】 ポリシラン類の製造方法であって、一般
式 【化1】 (式中、mは、1〜3である:Rは、水素原子、アルキ
ル基、アリール基、アルコキシ基、アミノ基またはシリ
ル基を示す。m=1の場合には2つのRが、m=2の場
合には4つのRが、m=3の場合は6つのRが、それぞ
れ同一でもあるいは2つ以上が相異なっていてもよい:
Xは、ハロゲン原子を示す)で表されるジハロシランに
ハロゲン化サマリウム(II)およびサマリウムを作用させ
ることにより、一般式 【化2】 (式中、Rは、出発原料に対応して上記に同じ:nは、
2〜1000である)で表されるポリシランを形成させ
ることを特徴とする方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリシラン類の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリシラン類は、セラミックス前駆体;
フォトレジスト、有機感光体、光導波路、光メモリなど
の光・電子材料などとして注目されている。
【0003】従来、ポリシランの製造方法としては、金
属ナトリウムなどのアルカリ金属を用いて、トルエン溶
媒中のジアルキルジハロシランあるいはジハロテトラア
ルキルジシランを100℃以上の温度で強力に撹拌し、
還元的にカップリングさせる方法が知られている{J.A
m.Chem.Soc.,103(1981)7352}。しかしながら、この方
法は、空気中で発火するアルカリ金属を加熱し、強力に
攪拌・分散させる必要があるため、工業的規模での生産
に際しては安全性に大きな問題があり、また、分子量分
布が多峰性になるなど品質に関しても問題がある。
【0004】これらの諸欠点を克服すべく、例えば、下
記の様な幾つかの新しいポリシラン類の製造方法が提案
されている。 (a)ビフェニルなどでマスクしたジシレンをアニオン
重合させる方法(特開平1-23063号公報)。 (b)環状シラン類を開環重合させる方法(特開平5-17
0913号公報)。 (c)ヒドロシラン類を遷移金属錯体触媒により脱水素
縮重合させる方法(特公平7-17753号公報)。 (d)ジハロシラン類を室温以下の温度で電極還元して
ポリシランを製造する方法(特開平7-309953号公報)。
【0005】しかしながら、(a)および(b)の方法
は、複雑なモノマーを合成する必要があるなど煩雑な操
作を伴う、モノマー合成からのトータルの収率が低い、
重合にアルキルリチウム試薬が必要なので、安全性に問
題があるなどの難点がある。(c)の方法は、その反応
機構上、分子量および得られたポリシランの構造(例え
ば、架橋構造が形成されるなど)に関して、未だ多くの
改良すべき点がある。
【0006】一方、(d)の方法は、高分子量で高品質
のポリシランが安全に且つ高収率で得られる優れた技術
であるが、特殊な反応装置である電解槽を必要とする。
従って、高付加価値用途向けのポリシランの製造には適
しているが、付加価値のあまり高くない用途向けのポリ
シランの製造には適した方法であるとはいい難い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の主な
目的は、煩雑な操作を必要とすることなく、安全性に優
れ、しかも安価に所望のポリシランを製造しうる新たな
ポリシラン類の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の如き
従来技術の現状に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、2価の
ハロゲン化サマリウム(II)およびサマリウムを作用させ
る場合には、従来技術の問題点が実質的に解消されるか
乃至は大幅に軽減されることを見出した。
【0009】すなわち、本発明は、下記のポリシラン類
の製造方法を提供するものである。 項1. ポリシラン類の製造方法であって、一般式
【0010】
【化3】
【0011】(式中、mは、1〜3である:Rは、水素
原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アミノ
基またはシリル基を示す。m=1の場合には2つのR
が、m=2の場合には4つのRが、m=3の場合は6つ
のRが、それぞれ同一でもあるいは2つ以上が相異なっ
ていてもよい:Xは、ハロゲン原子を示す)で表される
ジハロシランにハロゲン化サマリウム(II)およびサマリ
ウムを作用させることにより、一般式
【0012】
【化4】
【0013】(式中、Rは、出発原料に対応して上記に
同じ:nは、2〜1000である)で表されるポリシラ
ンを形成させることを特徴とする方法。 項2. ハロゲン化サマリウム(II)およびサマリウムと
共に、マグネシウムまたはマグネシウム合金を同時に作
用させる項1に記載の方法。 項3. ハロゲン化サマリウム(II)が、臭化サマリウム
(II)およびヨウ化サマリウム(II)からなる群から選択さ
れる少なくとも1種である項1または2に記載の方法。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明において、出発原料として
使用するジハロシランは、一般式
【0015】
【化5】
【0016】(式中、mは、1〜3である:Rは、水素
原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アミノ
基またはシリル基を示す。m=1の場合には2つのR
が、m=2の場合には4つのRが、m=3の場合は6つ
のRが、それぞれ同一でもあるいは2つ以上が相異なっ
ていてもよい:Xはハロゲン原子を示す)で表されるジ
ハロシランである。
【0017】また、本発明における反応生成物は、一般
【0018】
【化6】
【0019】(式中、Rは、出発原料に対応して、上記
に同じ:nは、2〜1000である)で表されるポリシ
ランである。
【0020】一般式(1)で表されるジハロシランにお
いて、mは、1〜3であり、Rで示される水素原子、有
機置換基(アルキル基、アリール基、アルコキシ基)、
アミノ基およびシリル基は、それぞれが同一であっても
よく、2つ以上が相異なっていてもよい。より具体的に
は、m=1の場合には2つのRが、m=2の場合には4
つのRが、m=3の場合には6つのRが、それぞれ同一
であっても或いは2つ以上が相異なっていてもよい。
【0021】一般式(1)で表される化合物としては、
mが1または2であることが、好ましい。アルキル基と
しては、炭素数1〜10程度のものが挙げられ、これら
の中でも炭素数1〜6のものが好ましい。アリール基と
しては、フェニル基、炭素数1〜10のアルキル基を1
つ以上置換基として有するフェニル基、p−アルコキシ
フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。アルコキシ
基としては、炭素数1〜10程度のものが挙げられ、こ
れらの中でも炭素数1〜6のものが好ましい。シリル基
としては、ケイ素数1〜10程度のものが挙げられ、こ
れらの中でもケイ素数1〜6のものが好ましい。Rが上
記のアミノ基、有機置換基またはシリル基である場合に
は、その水素原子の少なくとも1つが、他のアルキル
基、アリール基、アルコキシ基などの官能基により置換
されていてもよい。この様な官能基としては、上記と同
様なものが挙げられる。
【0022】また、一般式(1)において、Xは、ハロ
ゲン原子(Cl、F、Br、I)を示す。ハロゲン原子
としては、Clが好ましい。
【0023】本発明においては、一般式(1)で表され
るジハロシランの1種を単独で使用してもよく、或いは
2種を混合使用してもよい。ジハロシランは、できるだ
け高純度のものであることが好ましく、例えば、液体の
ジハロシランについては、水素化カルシウムにより乾燥
し、蒸留して使用することが好ましく、また、固体のジ
ハロシランについては、再結晶法により精製し、使用す
ることが好ましい。
【0024】反応に際しては、ジハロシランを溶媒に溶
解して使用する。溶媒としては、活性水素を有さない溶
媒が使用でき、より具体的には、1,2−ジメトキシエ
タン、1,2−ジエトキシエタン等のジアルキルセロソ
ルブ系の溶剤、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラ
ヒドロフラン、2,5−ジメチルテトラヒドロフラン、
1,4−ジオキサン等の環状エーテル系溶媒、ジエチル
エーテル、ビス(2−メトキシエチル)エーテル等のエ
ーテル系溶剤等の他、プロピレンカーボネート、アセト
ニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシ
ド、塩化メチレン、トルエン、キシレン、ベンゼン、n
−ペンタン、n−ヘキサン、n−オクタン、n−デカ
ン、シクロヘキサンなどが例示される。これらの溶媒
は、単独でも、或いは2種以上の混合物としても使用で
きる。これらの中で1,2−ジメトキシエタン、1,2
−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチル
テトラヒドロフラン、2,5−ジメチルテトラヒドロフ
ランが好ましく、1,2−ジメトキシエタンがより好ま
しい。
【0025】溶媒中のジハロシランの濃度は、低すぎる
場合には、重合が効率よく行われないのに対し、高すぎ
る場合には、反応に使用する還元剤金属(サマリウム、
必要に応じて使用するマグネシウム、マグネシウム合
金)が多くなりすぎて攪拌が困難になることがある。従
って、溶媒中のジハロシランの濃度は、通常0.05〜
20mol/l程度であり、好ましくは0.05〜15
mol/l程度であり、より好ましくは0.1〜13m
ol/l程度である。
【0026】本発明において使用する2価(酸化数2)
のハロゲン化サマリウム(II)は、市販品を使用してもよ
いし、金属サマリウム(サマリウム単体)と1,2−ジ
ハロエタンなどを反応させたものをそのまま使用しても
よい。
【0027】1,2−ジハロエタンとしては、1,2−
ジブロモエタン、1,2−ジヨードエタンまたはそれら
の混合物が使用でき、好ましくは1,2−ジヨードエタ
ンまたは1,2−ジヨードエタンと1,2−ジブロモエ
タンの混合物である。
【0028】2価のハロゲン化サマリウム(II)は、一般
式(1)で表されるジハロシランを還元して、一般式
(2)で表されるポリシランを形成させるとともに、そ
れ自身は酸化されて、3価のハロゲン化サマリウム(II
I)を形成する。
【0029】ハロゲン化サマリウム(II)の使用量は、ジ
ハロシラン1molに対して通常0.01〜20mol
であり、好ましくは0.05〜10molであり、より
好ましくは0.1〜3molである。
【0030】本発明において使用するサマリウム(金属
サマリウム)の形状は、反応を行いうる限り特に限定さ
れないが、粉体、粒状体、リボン状体、切削片状体、塊
状体、棒状体、平板などが例示され、これらの中でも、
表面積の大きい粉体、粒状体、リボン状体、切削片状体
などが好ましい。サマリウムの使用量は、ジハロシラン
1molに対して通常0.1〜10molであり、好ま
しくは1〜7molである。
【0031】サマリウムは、ジハロシランを還元してポ
リシランを形成させる際に生成する3価のハロゲン化サ
マリウム(III)を還元して、2価のハロゲン化サマリウ
ム(II)を再生させると同時に、それ自身は酸化されて、
2価のハロゲン化サマリウム(II)を形成する。また、サ
マリウムは、2価のハロゲン化サマリウム(II)を還元し
て、より還元力の強い1価のハロゲン化サマリウム(I)
を形成させると同時に、それ自身は酸化されて、1価の
ハロゲン化サマリウム(I)を形成する。
【0032】本発明においては、ハロゲン化サマリウム
(II)およびサマリウムと共に、必要に応じて、マグネシ
ウムまたはマグネシウム合金を同時に作用させてもよ
い。
【0033】本発明において必要に応じて使用するマグ
ネシウム(金属マグネシウム)またはマグネシウム合金
の形状は、反応を行いうる限り特に限定されないが、粉
体、粒状体、リボン状体、切削片状体、塊状体、棒状
体、平板などが例示され、これらの中でも、表面積の大
きい粉体、粒状体、リボン状体、切削片状体などが好ま
しい。マグネシウムまたはマグネシウム合金の使用量
は、ジハロシラン1molに対して通常0.1〜30m
ol(Mgとして)であり、好ましくは2〜20mol
であり、より好ましくは5〜15molである。
【0034】マグネシウムまたはマグネシウム合金は、
ジハロシランを還元してポリシランを形成させる際に生
成する3価のハロゲン化サマリウム(III)を還元して、
2価のハロゲン化サマリウム(II)を再生させるととも
に、それ自身は酸化されて、ハロゲン化マグネシウムを
形成する。
【0035】本発明は、例えば、密閉可能な反応容器
に、一般式(1)で表されるジハロシラン、2価のハロ
ゲン化サマリウム(II)、サマリウム、必要に応じてマグ
ネシウム(またはマグネシウム合金)を溶媒とともに収
容し、好ましくは機械的もしくは磁気的に撹拌しつつ、
反応を行わせる方法により行うことができる。反応容器
は、密閉できる限り、形状および構造についての制限は
特にない。
【0036】反応容器内は、乾燥した窒素雰囲気または
不活性ガス雰囲気であることが好ましい。
【0037】攪拌を行う場合には、一般の反応の場合と
同様に、攪拌速度が大きいほど、重合に必要な反応時間
が短縮される。攪拌状態は、重合装置により異なるが、
例えば、100mlナスフラスコを使用する場合には、
長さ10mm以上の攪拌子を使用し、攪拌子の回転数を
20回/分以上とすることにより、反応が円滑に進行す
る。
【0038】反応時間は、原料ジハロシラン、2価のハ
ロゲン化サマリウム(II)、サマリウム[および必要に応
じて使用するマグネシウム(および/またはマグネシウ
ム合金)]の量などによって異なるが、30分程度以上
であり、通常1〜100時間程度である。反応時間を調
整することにより、ポリシランの分子量制御が可能とな
る。
【0039】反応時の温度は、通常、室温程度から使用
する溶媒の沸点程度までの温度範囲内にあり、好ましく
は10〜150℃程度の範囲内にあり、より好ましくは
20〜100℃程度の範囲内にある。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、下記のような顕著な効
果が達成される。 (a)市販の原料を用い、20〜100℃程度の温度で
攪拌操作を行うだけの簡便な方法で、分子量の揃ったポ
リシラン類を高収率で製造できる。 (b)危険な試薬を使用せず、また過酷な反応条件を必
要としないので、安全でかつ環境汚染などの危険性な
く、ポリシラン類が製造できる。 (c)高価な試薬、電解槽などの特殊な反応装置を用い
ないので、安価にポリシラン類が製造できる。
【0041】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明の特徴とすると
ころをより一層明確にする。
【0042】実施例1 冷却管を接続した20ml二口フラスコに、粉体の金属サマ
リウム601.4mg(4mmol)および1,2−ジヨードエタン11
2.7mg(0.4mmol)を加え、攪拌しながら真空乾燥した。ア
ルゴン置換した後、蒸留した1,2−ジメトキシエタン
4mlを加えて1時間攪拌した。この間、反応液は青紫色の
懸濁液になった。この懸濁液中には、サマリウムおよび
ヨウ化サマリウム(II)が含まれていた。このフラスコの
中に、メチルフェニルジクロロシラン126.1mg(0.66mmo
l)をアルゴン雰囲気で加え、24時間攪拌しながら85℃で
還流した。
【0043】エタノール5mlを加えて反応を終了させた
後、1.0mol/l塩酸水溶液30mlを加えて未反応のサマリウ
ムを溶解させた。これを酢酸エチル30mlで3回抽出し、
これらの有機層を合わせて、飽和炭酸水素ナトリウム水
溶液30ml、飽和塩化ナトリウム水溶液30ml、次いで水30
mlで洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を
除去した後、テトラヒドロフラン2mlに溶かし、エタノ
ール30mlの中に滴下した。生成した沈殿を濾過した後、
エタノール50mlで洗浄した。
【0044】得られた白色粉末を真空乾燥することによ
り、重量平均分子量4800(平均重合度40程度)のメチル
フェニルポリシランが収率20.5%で得られた。
【0045】実施例2 冷却管を接続した20ml二口フラスコに、粉体の金属サマ
リウム1336.4mg(8.89mmol)および1,2−ジヨードエタ
ン281.75mg(1mmol)を加え、攪拌しながら真空乾燥し
た。アルゴン置換した後、蒸留した1,2−ジメトキシ
エタン4mlを加えて1時間攪拌した。この間、反応液は青
紫色の懸濁液になった。この懸濁液中には、サマリウム
およびヨウ化サマリウム(II)が含まれていた。このフラ
スコの中に、メチルフェニルジクロロシラン254.1mg(1.
33mmol)をアルゴン雰囲気で加え、36時間攪拌しながら8
5℃で還流した。
【0046】エタノール5mlを加えて反応を終了させた
後、1.0mol/l塩酸水溶液30mlを加えて未反応のサマリウ
ムを溶解させた。これを酢酸エチル30mlで3回抽出し、
これらの有機層を合わせて、飽和炭酸水素ナトリウム水
溶液30ml、飽和塩化ナトリウム水溶液30ml、次いで水30
mlで洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を
除去した後、テトラヒドロフラン2mlに溶かし、エタノ
ール30mlの中に滴下した。生成した沈殿を濾過した後、
エタノール50mlで洗浄した。
【0047】得られた白色粉末を真空乾燥することによ
り、重量平均分子量3300(平均重合度27程度)のメチル
フェニルポリシランが収率10.8%で得られた。
【0048】実施例3 冷却管を接続した20ml二口フラスコに、粉体の金属サマ
リウム668.22mg(4.44mmol)および1,2−ジヨードエタ
ン281.75mg(1mmol)を加え、攪拌しながら真空乾燥し
た。アルゴン置換した後、蒸留した1,2−ジメトキシ
エタン4mlを加えて1時間攪拌した。この間、反応液は青
紫色の懸濁液になった。この懸濁液中には、サマリウム
およびヨウ化サマリウム(II)が含まれていた。このフラ
スコの中に、メチルフェニルジクロロシラン126.1mg(0.
66mmol)をアルゴン雰囲気で加え、36時間攪拌しながら8
5℃で還流した。
【0049】エタノール5mlを加えて反応を終了させた
後、1.0mol/l塩酸水溶液30mlを加えて未反応のサマリウ
ムを溶解させた。これを酢酸エチル30mlで3回抽出し、
これらの有機層を合わせて、飽和炭酸水素ナトリウム水
溶液30ml、飽和塩化ナトリウム水溶液30ml、次いで水30
mlで洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を
除去した後、テトラヒドロフラン2mlに溶かし、エタノ
ール30mlの中に滴下した。生成した沈殿を濾過した後、
エタノール50mlで洗浄した。
【0050】得られた白色粉末を真空乾燥することによ
り、重量平均分子量3630(平均重合度30程度)のメチル
フェニルポリシランが収率15.3%で得られた。
【0051】実施例4 冷却管を接続した20ml二口フラスコに、切削片状体の金
属マグネシウム485mg(20mmol)、粉体の金属サマリウム6
01.4mg(4mmol)および1,2−ジヨードエタン112.7mg
(0.4mmol)を加え、攪拌しながら真空乾燥した。アルゴ
ン置換した後、蒸留した1,2−ジメトキシエタン4ml
を加えて1時間攪拌した。この間、反応液は青紫色の懸
濁液になった。この懸濁液中には、マグネシウム、サマ
リウムおよびヨウ化サマリウム(II)が含まれていた。こ
のフラスコの中に、メチルフェニルジクロロシラン382.
2mg(2mmol)をアルゴン雰囲気で加え、36時間攪拌しなが
ら85℃で還流した。
【0052】エタノール5mlを加えて反応を終了させた
後、3.0mol/l塩酸水溶液30mlを加えて未反応のマグネシ
ウムとサマリウムを溶解させた。これを酢酸エチル30ml
で3回抽出し、これらの有機層を合わせて、飽和炭酸水
素ナトリウム水溶液30ml、飽和塩化ナトリウム水溶液30
ml、次いで水30mlで洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾
燥した。溶媒を除去した後、テトラヒドロフラン2mlに
溶かし、エタノール30mlの中に滴下した。生成した沈殿
を濾過した後、エタノール50mlで洗浄した。
【0053】得られた白色粉末を真空乾燥することによ
り、重量平均分子量4650(平均重合度39程度)のメチル
フェニルポリシランが収率31.3%で得られた。
【0054】実施例5 冷却管を接続した20ml二口フラスコに、切削片状体の金
属マグネシウム323mg(13.3mmol)、粉体の金属サマリウ
ム490.9mg(3.265mmol)および1,2−ジヨードエタン18
7.4mg(0.665mmol)を加え、攪拌しながら真空乾燥した。
アルゴン置換した後、蒸留した1,2−ジメトキシエタ
ン4mlを加えて1時間攪拌した。この間、反応液は青紫色
の懸濁液になった。この懸濁液中には、マグネシウム、
サマリウムおよびヨウ化サマリウム(II)が含まれてい
た。このフラスコの中に、メチルフェニルジクロロシラ
ン254.1mg(1.33mmol)をアルゴン雰囲気で加え、36時間
攪拌しながら85℃で還流した。
【0055】エタノール5mlを加えて反応を終了させた
後、3.0mol/l塩酸水溶液30mlを加えて未反応のマグネシ
ウムとサマリウムを溶解させた。これを酢酸エチル30ml
で3回抽出し、これらの有機層を合わせて、飽和炭酸水
素ナトリウム水溶液30ml、飽和塩化ナトリウム水溶液30
ml、次いで水30mlで洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾
燥した。溶媒を除去した後、テトラヒドロフラン2mlに
溶かし、エタノール30mlの中に滴下した。生成した沈殿
を濾過した後、エタノール50mlで洗浄した。
【0056】得られた白色粉末を真空乾燥することによ
り、重量平均分子量3640(平均重合度30程度)のメチル
フェニルポリシランが収率22.1%で得られた。
【0057】実施例6 冷却管を接続した20ml二口フラスコに、切削片状体の金
属マグネシウム485mg(20mmol)、粉体の金属サマリウム1
202.8mg(8mmol)および1,2−ジヨードエタン112.7mg
(0.4mmol)を加え、攪拌しながら真空乾燥した。アルゴ
ン置換した後、蒸留した1,2−ジメトキシエタン4ml
を加えて1時間攪拌した。この間、反応液は青紫色の懸
濁液になった。この懸濁液中には、マグネシウム、サマ
リウムおよびヨウ化サマリウム(II)が含まれていた。こ
のフラスコの中に、メチルフェニルジクロロシラン764.
4mg(4mmol)をアルゴン雰囲気で加え、36時間攪拌しなが
ら85℃で還流した。
【0058】エタノール5mlを加えて反応を終了させた
後、3.0mol/l塩酸水溶液30mlを加えて未反応のマグネシ
ウムとサマリウムを溶解させた。これを酢酸エチル30ml
で3回抽出し、これらの有機層を合わせて、飽和炭酸水
素ナトリウム水溶液30ml、飽和塩化ナトリウム水溶液30
ml、次いで水30mlで洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾
燥した。溶媒を除去した後、テトラヒドロフラン2mlに
溶かし、エタノール30mlの中に滴下した。生成した沈殿
を濾過した後、エタノール50mlで洗浄した。
【0059】得られた白色粉末を真空乾燥することによ
り、重量平均分子量4080(平均重合度34程度)のメチル
フェニルポリシランが収率31.5%で得られた。
【0060】実施例7 冷却管を接続した20ml二口フラスコに、切削片状体の金
属マグネシウム970mg(40mmol)、粉体の金属サマリウム2
405.6mg(16mmol)および1,2−ジヨードエタン112.7mg
(0.4mmol)を加え、攪拌しながら真空乾燥した。アルゴ
ン置換した後、蒸留した1,2−ジメトキシエタン4ml
を加えて1時間攪拌した。この間、反応液は青紫色の懸
濁液になった。この懸濁液中には、マグネシウム、サマ
リウムおよびヨウ化サマリウム(II)が含まれていた。こ
のフラスコの中に、メチルフェニルジクロロシラン764.
4mg(4mmol)をアルゴン雰囲気で加え、36時間攪拌しなが
ら85℃で還流した。
【0061】エタノール5mlを加えて反応を終了させた
後、3.0mol/l塩酸水溶液30mlを加えて未反応のマグネシ
ウムとサマリウムを溶解させた。これを酢酸エチル30ml
で3回抽出し、これらの有機層を合わせて、飽和炭酸水
素ナトリウム水溶液30ml、飽和塩化ナトリウム水溶液30
ml、次いで水30mlで洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾
燥した。溶媒を除去した後、テトラヒドロフラン2mlに
溶かし、エタノール30mlの中に滴下した。生成した沈殿
を濾過した後、エタノール50mlで洗浄した。
【0062】得られた白色粉末を真空乾燥することによ
り、重量平均分子量4830(平均重合度40程度)のメチル
フェニルポリシランが収率38.7%で得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4H049 VN01 VP10 VQ07 VQ76 VR22 VS12 VT05 VT07 VT25 VU24 VU29 VU36 VW02 4J035 JA01 JB03 LB12 LB16 LB20

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリシラン類の製造方法であって、一般
    式 【化1】 (式中、mは、1〜3である:Rは、水素原子、アルキ
    ル基、アリール基、アルコキシ基、アミノ基またはシリ
    ル基を示す。m=1の場合には2つのRが、m=2の場
    合には4つのRが、m=3の場合は6つのRが、それぞ
    れ同一でもあるいは2つ以上が相異なっていてもよい:
    Xは、ハロゲン原子を示す)で表されるジハロシランに
    ハロゲン化サマリウム(II)およびサマリウムを作用させ
    ることにより、一般式 【化2】 (式中、Rは、出発原料に対応して上記に同じ:nは、
    2〜1000である)で表されるポリシランを形成させ
    ることを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 ハロゲン化サマリウム(II)およびサマリ
    ウムと共に、マグネシウムまたはマグネシウム合金を同
    時に作用させる請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 ハロゲン化サマリウム(II)が、臭化サマ
    リウム(II)およびヨウ化サマリウム(II)からなる群から
    選択される少なくとも1種である請求項1または2に記
    載の方法。
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