JP2003277507A - ポリシラン系コポリマーの製造方法 - Google Patents

ポリシラン系コポリマーの製造方法

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JP2003277507A
JP2003277507A JP2002079376A JP2002079376A JP2003277507A JP 2003277507 A JP2003277507 A JP 2003277507A JP 2002079376 A JP2002079376 A JP 2002079376A JP 2002079376 A JP2002079376 A JP 2002079376A JP 2003277507 A JP2003277507 A JP 2003277507A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機溶媒に対する溶解性や透明性などの種々
の特性が改善されたポリシラン系コポリマーを簡便に製
造できる方法を提供する。 【解決手段】 不活性溶媒中、マグネシウム金属成分の
存在下、(a)ジハロシラン類、トリハロシラン類、テ
トラハロシラン類及びモノハロシラン類から選択された
複数のハロシラン、又は(b)アルキル−アリールジハ
ロシランとジアリールジハロシランとを含む複数のジハ
ロシランを重合させ、ポリシラン系コポリマーを得る。
ジハロシラン、トリハロシラン及びテトラハロシランか
ら選択された第1のハロシラン成分を重合させた後、ジ
ハロシラン、トリハロシラン、テトラハロシラン及びモ
ノハロシランなどの第2のハロシラン成分を添加して反
応させることにより、ポリシラン系ブロックコポリマー
を製造できる。重合系には、リチウム化合物、金属ハロ
ゲン化物のうち少なくとも一つを触媒として共存させて
もよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリシランの特性
がさらに改善され、かつ複数の種類のポリシランの特性
を併有するポリシラン系コポリマーの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ポリシランは、その多様で特殊な物性を
活かして、セラミックス前駆体、光電子材料(例えば、
フォトレジスト、有機感光体などの光電子写真材料、光
導波路などの光伝送材料、光メモリなどの光記録材料、
エレクトロルミネッセンス素子用材料など)などの用途
で注目されている。
【0003】ポリシラン類の製造方法としては、金属ナ
トリウムなどのアルカリ金属を用いて、トルエン溶媒中
のジアルキルジハロシランあるいはジハロテトラアルキ
ルジシランを100℃以上の温度で強力に撹拌し、還元的
にカップリングさせる方法が知られている[J.Am.Chem.
Soc.,l03(1981)7352]。しかし、この方法は、空気中で
発火するアルカリ金属を加熱し、強力に攪拌・分散させ
る必要があるため、工業的規模での生産での安全性が懸
念され、また、分子量分布が多峰性となり品質的にも十
分でない。これらの諸欠点を克服すべく、例えば、下記
の様な幾つかの新しいポリシラン類の製造方法が提案さ
れている。
【0004】(a)ビフェニルなどでマスクしたジシレ
ンをアニオン重合させる方法(特開平1-23063号公報) (b)環状シラン類を開環重合させる方法(特開平5-17
0913号公報) (c)ヒドロシラン類を遷移金属錯体触媒により脱水素
縮重合させる方法(特公平7-17753号公報) (d)ジハロシラン類を室温以下の温度で電極還元して
ポリシランを製造する方法(特開平7-309953号公報)。
【0005】しかし、前記アニオン重合法(a)および
開環重合法(b)は、複雑なモノマーを合成する必要が
あるなど煩雑な操作を伴い、モノマー合成からのトータ
ルの収率が低いだけでなく、重合にアルキルリチウム試
薬を必要とし安全性に難点がある。縮重合法(c)は、
その反応機構上、分子量および得られたポリシランの構
造(例えば、架橋構造が形成されるなど)に関して、未
だ多くの改良すべき点がある。 一方、電極還元法
(d)は、高分子量で高品質のポリシランが安全に且つ
高収率で得られ、優れた技術であるが、特殊な反応装置
である電解槽を必要とする。従って、高付加価値の用途
向けのポリシランの製造には適しているが、付加価値の
あまり高くない用途向けのポリシラン製造には適した方
法であるとはいい難い。
【0006】ポリシランを製造する方法として、WO9
8/29476号には、非プロトン性溶媒中、リチウム
塩及び金属ハロゲン化物の存在下で、ジハロシランにマ
グネシウム又はマグネシウム合金を作用させることによ
り、ポリシランを形成させる方法が開示されている。こ
の文献には、メチルフェニルジクロロシランと、ジメチ
ルジクロロシランやn−ヘキシルメチルジクロロシラン
とを反応させた例も記載されている。この方法では、煩
雑な操作を必要とすることなく、ポリシランを安全性か
つ安価に製造できる。しかし、この方法で得られたポリ
シランを薄膜の形態で使用すると、主鎖がケイ素である
ため、硬くてもろく、機械的強度が小さいので、クラッ
クなどの欠陥を生じやすい。また、屈折率を向上させる
にも限度があるとともに、さらに屈折率をコントロール
したり高めることが困難である。さらに、屈折率の高い
ポリシランは、溶媒に対する溶解性が十分でないため、
溶媒に溶解すると溶液に濁りが生じたり、可視光の透過
率が低下する場合が多い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、特殊な装置を用いることなく、種々の特性を付与で
きるポリシラン系コポリマーを簡便に製造できる方法を
提供することにある。
【0008】本発明の他の目的は、有機溶媒に対する溶
解性や透明性に優れたポリシラン系コポリマーを製造で
きる方法を提供することにある。
【0009】本発明のさらに他の目的は、ポリシランの
構造や分子量を簡便に制御できる方法を提供することに
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を達成するため鋭意検討した結果、異なる複数のハロシ
ラン化合物を、不活性溶媒(非プロトン性溶媒)中、必
要によりリチウム化合物及び金属ハロゲン化物の共存
下、マグネシウム金属成分を作用させることにより、反
応を容易かつ精度よく制御でき、しかも種々の特性を有
するポリシランを効率よく得ることができることを見出
し、本発明を完成した。
【0011】すなわち、本発明の製造方法では、不活性
溶媒中、(a)ジハロシラン類、トリハロシラン類、テ
トラハロシラン類及びモノハロシラン類から選択され、
かつ異なる類に属する複数のハロシランで構成されたハ
ロシラン成分に、マグネシウム金属成分を作用させて反
応させ、ポリシラン系コポリマーを製造する。前記ジハ
ロシラン類、トリハロシラン類、テトラハロシラン類及
びモノハロシラン類は、それぞれ下記式(1)〜(4)
で表すことができる。
【0012】
【化2】
【0013】(式中、R1〜R3は、同一又は異なって、
水素原子、有機基又はシリル基を示し、X1〜X4は、同
一又は異なって、ハロゲン原子を示し、mは1以上の整
数を示す) 前記反応において、ハロシラン成分は、通常、ジハロシ
ラン類及びトリハロシラン類から選択された少なくとも
一種のハロシランで構成されている。例えば、ハロシラ
ン成分は、ジハロシラン類及びトリハロシラン類で構成
できる。この場合、ジハロシラン類とトリハロシラン類
との割合は、前者/後者=99/1〜10/90(モル
比)程度であってもよい。ジハロシラン類及びトリハロ
シラン類の総使用量は、ハロシラン成分中50モル%以
上であってもよい。さらに、ハロシラン成分は、少なく
ともトリハロシラン類(例えば、フェニルトリクロロシ
ランなどのアリールトリハロシランなど)を含んでいて
もよい。ハロシラン成分中のトリハロシラン類の割合
は、2〜90モル%程度であってもよい。
【0014】本発明は、不活性溶媒(非プロトン性溶媒
中)中、(b)少なくともジハロシラン類で構成された
ハロシラン成分に、マグネシウム金属成分を作用させて
反応させ、ポリシラン系コポリマーを製造する方法であ
って、前記ジハロシラン類として、アルキル−アリール
ジハロシランと、ジアリールジハロシランとを組み合わ
せて使用するポリシラン系コポリマーの製造方法も包含
する。この方法において、ジアリールジハロシランは、
例えば、アルキル−アリールジハロシラン1モルに対し
て0.3〜5モル程度の割合で用いてもよい。
【0015】前記反応は、金属塩(又は触媒としての金
属塩)の存在下で反応させてもよい。例えば、マグネシ
ウム金属成分と共に、さらに、リチウム化合物及び金属
ハロゲン化物から選択された少なくとも一種を触媒とし
て用いてもよく、リチウム化合物及び金属ハロゲン化物
の双方の成分(又は触媒)の存在下で反応させてもよ
い。
【0016】このような方法により、ポリシラン系コポ
リマーとしてランダム又はブロックコポリマーを得るこ
とができる。なお、ブロックコポリマーは、例えば、不
活性溶媒中、ジハロシラン類、トリハロシラン類及びテ
トラハロシラン類から選択された少なくとも1つのハロ
シランで構成された第1のハロシラン成分にマグネシウ
ム金属成分を作用させて、ポリシラン又はポリシラン系
オリゴマーを生成した後、ジハロシラン類、トリハロシ
ラン類、テトラハロシラン類及びモノハロシラン類から
選択され、かつ前記第1のハロシラン成分と種類の異な
るハロシランで構成された第2のハロシラン成分を添加
して反応させることにより製造することもできる。
【0017】本発明では、複数のハロシランで構成され
たハロシラン成分を重合するため、ポリシランに種々の
特性を付与でき、コポリマーの溶解性、透明性などを改
善できる。そのため、本発明は、不活性溶媒中、マグネ
シウム金属成分の存在下、ハロシラン成分を重合する方
法であって、前記ハロシラン成分として、(a)ジハロ
シラン類、トリハロシラン類、テトラハロシラン類及び
モノハロシラン類から選択され、かつ異なる類に属する
複数のハロシラン、又は(b)少なくともジハロシラン
類で構成され、かつジハロシラン類としてアルキル−ア
リールジハロシランとジアリールジハロシランとを含む
複数のハロシランを用い、ポリシラン系コポリマーの溶
媒に対する溶解性又は透明性を改善する方法も包含す
る。
【0018】なお、本明細書において、ハロシラン
「類」とはハロゲン原子の置換数が共通するハロシラン
化合物群を意味し、特に言及しない限り、単にハロシラ
ン(モノハロシラン、ジハロシラン、トリハロシラン、
テトラハロシラン)やハロシラン化合物(ジハロシラン
化合物、トリハロシラン化合物など)という場合があ
る。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の製造方法では、出発原料
として、異なるハロシラン類に属する複数のハロシラン
を組み合わせて用いたり、ジハロシラン類の中で特定の
ハロシランを組み合わせて用いる。
【0020】[ハロシラン化合物]ハロシラン化合物と
しては、前記式(1)で表されるジハロシラン類、式
(2)で表されるトリハロシラン類、式(3)で表され
るテトラハロシラン類及び式(4)で表されるモノハロ
シラン類が例示できる。
【0021】R1〜R3で表される有機基としては、アル
キル基[メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブ
チル及びt−ブチル基などのC1-10アルキル基(好まし
くはC1-6アルキル基、特にC1-4アルキル基など)]、
シクロアルキル基(シクロヘキシル基などのC5-8シク
ロアルキル基、特にC5-6シクロアルキル基)、アリー
ル基(フェニル、ナフチル基などのC6-10アリール
基)、アラルキル基[ベンジル、フェネチル基などのC
6-10アリール−C1-6アルキル基(C6-10アリール−C
1-4アルキル基など)]、アルコキシ基[メトキシ、エ
トキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ及びt
−ブトキシ基などのC1-10アルコキシ基(好ましくはC
1-6アルコキシ基、特にC1-4アルコキシ基)など]、ア
ミノ基、N−置換アミノ基(前記アルキル基、シクロア
ルキル基、アリール基、アラルキル基、アシル基などで
置換されたN−モノ又はジ置換アミノ基など)などが挙
げられる。
【0022】前記アルキル基、シクロアルキル基、アリ
ール基又はアラルキル基を構成するアリール基などは、
1又は複数の置換基を有していてもよい。このような置
換基としては、前記例示のアルキル基(特にC1-6アル
キル基など)、前記例示のアルコキシ基などが挙げられ
る。このような置換基を有する有機基としては、例え
ば、トリル、キシレニル、エチルフェニル、メチルナフ
チル基などのC1-6アルキル置換C6-10アリール基(好
ましくはモノ乃至トリC1-4アルキル置換C6-10アリー
ル基、特にモノ又はジC1-4アルキル置換フェニル基な
ど);メトキシフェニル、エトキシフェニル、メトキシ
ナフチル基などのC1-10アルコキシ置換C 6-10アリール
基(好ましくはC1-6アルコキシ置換C6-10アリール
基、特にC1-4アルコキシ置換フェニル基など)などが
挙げられる。
【0023】シリル基は、前記アルキル基、シクロアル
キル基、アリール基、アラルキル基及びアルコキシ基な
どで置換された置換シリル基であってもよい。
【0024】X1〜X4で表されるハロゲン原子には、フ
ッ素原子F、塩素原子Cl、臭素原子Br、ヨウ素原子
Iが含まれ、Cl及びBr(特にCl)が好ましい。
【0025】代表的なジハロシラン類としては、ジC
1-10アルキルジハロシラン(ジメチルジクロロシラン、
エチルメチルジクロロシラン、ジブチルジクロロシラ
ン、ジt−ブチルジクロロシラン、ヘキシル−メチルジ
クロロシランなど)、C1-10アルキル−C6-10アリール
ジハロシラン(メチルフェニルジクロロシラン、エチル
フェニルジクロロシラン、ブチルフェニルジクロロシラ
ン、t−ブチルフェニルジクロロシラン、メチルトリル
ジクロロシラン、ブチルトリルジクロロシラン、メチル
キシリルジクロロシランなど)、ジC6-10アリールジハ
ロシラン(ジフェニルジクロロシラン、ジトリルジクロ
ロシラン、フェニルトリルジクロロシラン、フェニルキ
シリルジクロロシラン、ジキシリルジクロロシラン、ジ
ナフチルジクロロシランなど)などが例示できる。トリ
ハロシラン類としては、C1-10アルキルトリハロシラン
(メチルトリクロロシラン、ブチルトリクロロシラン、
t−ブチルトリクロロシラン、ヘキシルトリクロロシラ
ンなど)、C6-10アリールトリハロシラン(フェニルト
リクロロシラン、トリルジクロロシラン、キシリルトリ
クロロシランなど)などが例示できる。また、モノハロ
シラン類としては、例えば、トリC1-10アルキルハロシ
ラン(トリメチルクロロシラン、トリブチルクロロシラ
ンなど)、ジC1-10アルキルC6-10アリールハロシラン
(ジメチルフェニルクロロシランなど)、モノC1-10
ルキルジC6-10アリールハロシラン(メチルジフェニル
クロロシランなど)、トリC6-10アリールハロシラン
(トリフェニルクロロシラン、トリトリルクロロシラ
ン、トリキシリルクロロシランなど)などが例示でき
る。これらのハロシラン類は、それぞれ、単独で又は二
種以上組み合わせて使用できる。
【0026】なお、ジハロシラン類において、mは1以
上の整数、例えば、1〜1000、好ましくは1〜50
0、さらに好ましくは1〜100(例えば、1〜75、
特に1〜10)程度である。ジハロシラン類としては、
単量体(m=1)を用いてもよく、重合体(m=2〜1
000程度のオリゴマーやポリマー)を用いてもよい。
ジハロシラン類を用いるコポリマーの製造において、m
の値が大きいオリゴマーを用いると、ブロックコポリマ
ーが得られ、mの値が小さいモノマーを用いると、ラン
ダムコポリマーが得られる。コポリマーの生成効率の点
からは、mが1〜2程度のジハロシランを使用するのが
好ましい。また、トリハロシラン類、テトラハロシラン
類やモノハロシラン類は、通常、単量体として使用され
る。
【0027】ハロシラン化合物は、できるだけ高純度で
あるのが好ましい。例えば、液体のハロシラン化合物に
ついては、水素化カルシウムなどの乾燥剤を用いて乾燥
し、蒸留して使用するのが好ましく、固体のハロシラン
化合物については、再結晶法などにより、精製して使用
するのが好ましい。
【0028】本発明では、これらのハロシラン類を組み
合わせて使用することにより、ポリシランに種々の特性
を付与する。ハロシラン類の組み合わせは、(a)異な
るハロシラン類から選択された複数のハロシランの組合
せ、(b)同じハロシラン類から選択された複数のハロ
シランの組合せに大別できる。すなわち、(a)ジハロ
シラン類、トリハロシラン類、テトラハロシラン類及び
モノハロシラン類から選択された複数のハロシランで構
成されたハロシラン成分において、異なる類から選択さ
れた複数のハロシランの組み合わせと、(b)少なくと
もジハロシラン類で構成されたハロシラン成分におい
て、アルキル−アリールジハロシランとジアリールジハ
ロシランとの組み合わせに大別される。ハロシラン化合
物を二種以上組み合わせて使用すると、単独では反応性
が低いハロシランであっても容易に重合でき、容易にそ
の構造をポリシラン系コポリマー構造中に取りこむこと
ができる。また、トリハロシランなどの多官能ハロシラ
ンであっても、ポリシラン系コポリマー中に多官能ハロ
シランの構造を導入でき、コポリマーの特性を容易にコ
ントロールできる。異なる構造のハロシラン化合物の組
み合わせとその割合は、所望のポリシランの構造、分子
量、物性などに応じて自由に選択できる。
【0029】前記態様(a)では、重合成分としてのハ
ロシラン成分を、ジハロシラン類、トリハロシラン類、
テトラハロシラン類及びモノハロシラン類から選択され
た複数のハロシラン(類の異なる複数のハロシラン)で
構成する。複数のハロシランは、前記ジハロシラン類、
トリハロシラン類、テトラハロシラン類及びモノハロシ
ラン類から適当に選択して組み合わせることができる。
ハロシラン成分は、通常、下記式(1)で表されるジハ
ロシラン及び下記式(2)で表されるトリハロシランか
ら選択された少なくとも一種のハロシラン(特に少なく
ともジハロシラン類又はトリハロシラン類)で構成でき
る。
【0030】
【化3】
【0031】(式中、R1〜R2、X1〜X3及びmは前記
に同じ) より具体的には、ハロシラン成分は、例えば、(a1)ジ
ハロシランとトリハロシランとの組み合わせ、(a2)ジ
ハロシランとトリハロシランとテトラハロシランとの組
み合わせ、(a3)ジハロシランとトリハロシランとモノ
ハロシランとの組み合わせ、(a4)ジハロシランとトリ
ハロシランとテトラハロシランとモノハロシランとの組
み合わせ、(a5)ジハロシランとテトラハロシランとの
組み合わせ、(a6)ジハロシランとテトラハロシランと
モノハロシランとの組み合わせ、(a7)トリハロシラン
とモノハロシランとの組み合わせ、(a8)トリハロシラ
ンとテトラハロシランとモノハロシランとの組み合わせ
などが例示できる。なお、ハロシランの組合せにおい
て、各ハロシランは、同じ類のハロシラン類から単独で
又は複数のハロシランを選択して組み合わせて使用でき
る。
【0032】好ましいハロシラン成分は、通常、ジハロ
シランをベースとして構成されており、特に、少なくと
も(a1)ジハロシラン及びトリハロシランで構成されて
いる。ジハロシランの使用量は、ハロシラン成分全体に
対して、例えば、10〜99.9モル%、好ましくは1
5〜99.5モル%(例えば、15〜85モル%)、さ
らに20〜99モル%(例えば、20〜70モル%)程
度である。
【0033】ジハロシランとトリハロシランとの割合
は、不溶物などが生成せず均一なポリマーが得られる範
囲で選択でき、通常、前者/後者=99.9/0.1〜
10/90(モル比)、好ましくは99.5/0.5〜
15/85(モル比)(例えば、99/1〜15/85
(モル比))、さらに好ましくは95/5〜20/80
(モル比)程度である。ジハロシラン及びトリハロシラ
ンの総使用量は、ハロシラン成分全体に対して50モル
%以上、好ましくは60〜100モル%、さらに好まし
くは70〜100モル%程度である。
【0034】本発明では、複数のハロシランを重合させ
るため、単独重合では利用できないハロシラン(トリハ
ロシラン類やテトラハロシラン類)も使用できる。特
に、単独重合では重合度を高めることが困難なトリハロ
シラン類(例えば、メチルトリクロロシランなど)を用
いても均質なポリマーを得ることができる。そのため、
本発明の好ましい態様では、ハロシラン成分が、少なく
ともトリハロシランを含む。ハロシラン成分中のトリハ
ロシランの割合は、円滑な重合反応を損なわない限り特
に制限されず、例えば、0.1〜90モル%(例えば、
1〜90モル%)、好ましくは0.5〜70モル%(例
えば、3〜70モル%)、さらに好ましくは1〜60モ
ル%(例えば、4〜60モル%)、特に5〜60モル%
程度である。
【0035】なお、ハロシラン成分中、使用量が最も多
い主たるハロシランの使用量は、通常、50〜98モル
%、好ましくは65〜95モル%程度である。テトラハ
ロシラン類及びモノハロシラン類の使用量は、ハロシラ
ン成分の残余を構成し、ジハロシラン類やジハロシラン
類及びトリハロシラン類を主たるハロシラン成分として
用いる場合には、0〜50モル%程度の範囲から適当に
選択でき、トリハロシラン類を主たるハロシラン成分と
して用いる場合には0〜30モル%程度の範囲から適当
に選択できる。なお、テトラハロシラン類の使用量は、
通常、ハロシラン成分全体に対して、0〜30モル%、
好ましくは0〜20モル%程度である。また、モノハロ
シラン類の使用量は、通常、ハロシラン成分全体に対し
て、0〜50モル%、好ましくは0〜40モル%(例え
ば、0〜20モル%)程度である。
【0036】前記態様(b)では、重合に供するハロシ
ラン成分を少なくともジハロシラン類で構成する。この
ジハロシラン類は、アルキル−アリールジハロシラン
と、ジアリールジハロシランとを組み合わせて構成でき
る。アルキル−アリールジハロシランとしては、C1-10
アルキル−C6-10アリールジハロシラン、例えば、メチ
ルフェニルジクロロシラン、エチルフェニルジクロロシ
ラン、ブチルフェニルジクロロシラン、t−ブチルフェ
ニルジクロロシラン、メチルトリルジクロロシラン、ブ
チルトリルジクロロシラン、メチルキシリルジクロロシ
ランなどのC1-6アルキル−C6-10アリールジハロシラ
ンが例示できる。ジアリールジハロシランとしては、ジ
6-10アリールジハロシラン、例えば、ジフェニルジク
ロロシラン、ジトリルジクロロシラン、フェニルトリル
ジクロロシラン、フェニルキシリルジクロロシラン、ジ
キシリルジクロロシラン、ジナフチルジクロロシランな
どが例示できる。これらのハロシランは単独で又は二種
以上組み合わせて使用できる。ジアリールジハロシラン
の使用量は、特に制限されず所望する特性に応じて選択
でき、例えば、アルキル−アリールジハロシラン1モル
に対して、ジアリールジハロシラン0.1〜10モル、
好ましくは0.3〜5モル、さらに好ましくは0.5〜
2モル程度である。
【0037】なお、前記態様(b)では、ジハロシラン
類を前記複数の特定のジハロシランで構成すればよく、
モノハロシラン類、トリハロシラン類及び/又はテトラ
ハロシラン類を併用してもよい。アルキル−アリールジ
ハロシラン及びジアリールジハロシランの使用量は、ハ
ロシラン成分全体に対して、25〜100モル%(例え
ば、30〜100モル%)、好ましくは50〜100モ
ル%、さらに好ましくは75〜100モル%程度であ
る。
【0038】このような態様(a)及び(b)でハロシ
ラン成分を重合すると、ポリシラン系コポリマーの溶媒
に対する溶解性又は透明性を向上できる。そのため、本
発明は、前記態様(a)及び(b)でハロシラン成分を
重合し、ポリシラン系コポリマーの溶解性また透明性を
改善する方法も提供する。
【0039】[不活性溶媒又は非プロトン性溶媒]反応
に際しては、反応に不活性な溶媒を使用できる。溶媒と
しては、不活性溶媒(非プロトン性溶媒)が広く使用で
き、例えば、エーテル類(1,4−ジオキサン、テトラ
ヒドロフラン,テトラヒドロピランなどの環状C4-6
ーテル,ジエチルエーテル,ジイソプロピルエーテル,
1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチ
ル)エーテルなどの鎖状C4-6エーテル)、カーボネー
ト類(プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート
など)、ニトリル類(アセトニトリル、プロピオニトリ
ル、ベンゾニトリルなど)、アミド類(ジメチルホルム
アミド、ジメチルアセトアミドなど)、スルホキシド類
(ジメチルスルホキシドなど)、ハロゲン含有化合物
(塩化メチレン、クロロホルム、ブロモホルム、クロロ
ベンゼン、ブロモベンゼンなどのハロゲン化炭化水素な
ど)、芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエン、キシレ
ンなど)、脂肪族炭化水素類(ヘキサン,シクロヘキサ
ン,オクタン,シクロオクタンなど鎖状又は環状炭化水
素類)などが挙げられ、混合溶媒として使用してもよ
い。溶媒としては、極性溶媒単独(テトラヒドロフラ
ン、1,2−ジメトキシエタンなど)、2種以上の極性
溶媒の混合物、極性溶媒と非極性溶媒との混合物などが
好ましい。極性溶媒と非極性溶媒との混合物を使用する
場合、両者の割合は、前者/後者(重量比)=1/0.
01〜1/20程度である。
【0040】溶媒(又は反応混合液)中のハロシラン化
合物の濃度が低すぎると、重合効率が低下する虞がある
とともに、高すぎると反応に使用する金属ハロゲン化物
の溶解性が低下する虞がある。従って、溶媒(反応混合
液)中のハロシラン化合物の濃度は、通常0.05〜2
0モル/L、好ましくは0.2〜15モル/L、特に
0.3〜13モル/L程度である。
【0041】[マグネシウム金属成分]マグネシウム金
属成分は、少なくともマグネシウムを含んでいればよ
く、マグネシウム金属単体又はマグネシウム系合金、あ
るいは前記マグネシウム金属又は合金を含む混合物など
であってもよい。マグネシウム合金の種類は特に制限さ
れず、慣用のマグネシウム合金、例えば、アルミニウ
ム、亜鉛、希土類元素(スカンジウム、イットリウムな
ど)などの成分を含むマグネシウム合金が例示できる。
これらのマグネシウム金属成分は、単独で又は二種以上
組み合わせて使用できる。好ましいマグネシウム金属成
分は、マグネシウム単体である。
【0042】マグネシウム金属成分の形状は、ハロシラ
ン化合物の反応を損なわない限り特に限定されないが、
粉粒状体(粉体、粒状体など)、リボン状体、切削片状
体、塊状体、棒状体、平板などが例示され、特に表面積
の大きい形状(粉体、粒状体、リボン状体、切削片状体
など)であるのが好ましい。マグネシウム金属成分が粉
粒状の場合、平均粒径は、1〜10000μm、好まし
くは10〜5000μm、さらに好ましくは20〜10
00μm程度である。
【0043】なお、マグネシウム金属成分の保存状況な
どによっては、金属表面に被膜(酸化被膜など)が形成
されることがある。この被膜は反応に悪影響を及ぼすこ
とがあるので、必要に応じて、切削、酸洗浄(塩酸洗浄
など)などによって除去してもよい。
【0044】マグネシウム金属成分の使用量は、通常、
ハロシラン化合物のハロゲン原子に対して、マグネシウ
ム換算で、1〜10当量、好ましくは1〜5当量、さら
に好ましくは1〜3当量程度である。また、マグネシウ
ム金属成分の使用量は、通常、ハロシラン化合物に対し
て、マグネシウムとして、1〜10倍モル、好ましくは
1.2〜5倍モル、より好ましくは1.5〜3倍モル程
度である。
【0045】マグネシウム金属成分は、ハロシラン化合
物に作用(還元)して、ポリシランを生成させるととも
に、マグネシウム自身は酸化されてハロゲン化物を形成
する。
【0046】反応は、少なくとも前記マグネシウム金属
成分の存在下で行えばよいが、ハロシランの重合を促進
するため、金属塩又は金属触媒(例えば、塩化リチウ
ム、過塩素酸リチウム、塩化亜鉛、塩化鉄など)の共存
下で行ってもよい。このような反応系において、少なく
とも一種の金属塩が利用できる。反応は、リチウム化合
物及び金属ハロゲン化物から選択された少なくとも一種
(促進剤又は触媒)の共存下で行うのが有利である。特
に、リチウム化合物及び金属ハロゲン化物の双方の共存
下でハロシランを重合すると、効率よくポリシランコポ
リマーを生成させることができる。
【0047】[リチウム化合物]リチウム化合物はハロ
シランの重合を促進する触媒として機能する。リチウム
化合物としては、ハロゲン化リチウム(塩化リチウム、
臭化リチウム、ヨウ化リチウムなど)、無機酸塩(硝酸
リチウム、炭酸リチウム、炭酸水素リチウム、硫酸リチ
ウム、過塩素酸リチウム、リン酸リチウムなど)などが
使用できる。これらのリチウム化合物は、単独で又は2
種以上組み合わせて使用できる。好ましいリチウム化合
物は、ハロゲン化リチウム(特に塩化リチウム)や過塩
素酸リチウムである。
【0048】溶媒(又は反応混合液)反応液中のリチウ
ム化合物の濃度が低すぎると重合効率が低下しやすく、
高すぎるとSi−Si主鎖結合が開裂してポリマーの分
子量が低下する虞がある。従って、溶媒(又は反応混合
液)中のリチウム化合物の濃度は、通常、0.05〜5
モル/L、好ましくは0.1〜4モル/L、特に0.1
5〜3モル/L程度である。
【0049】リチウム化合物の割合は、ハロシラン化合
物の総量100重量部に対して、0.1〜30重量部、
好ましくは1〜20重量部、さらに好ましくは5〜15
重量部程度である。
【0050】[金属ハロゲン化合物]リチウム化合物と
同じく金属ハロゲン化物もハロシランの重合を促進する
触媒として機能する。金属ハロゲン化物としては、通
常、多価金属ハロゲン化物が使用される。多価金属ハロ
ゲン化物としては、例えば、遷移金属(例えば、サマリ
ウムなどの周期表3A族元素、チタンなどの周期表4A
族元素、バナジウムなどの周期表5A族元素、鉄、コバ
ルト、パラジウムなどの周期表8族元素、亜鉛などの周
期表2B族元素など)、周期表3B族金属(アルミニウ
ムなど)、周期表4B族金属(スズなど)などの金属の
ハロゲン化物(塩化物、臭化物又はヨウ化物など)が挙
げられる。金属ハロゲン化物を構成する前記金属の価数
は、特に制限されないが、好ましくは2〜4価、特に2
又は3価である。これらの金属ハロゲン化物は、単独で
又は二種以上組み合わせて使用できる。
【0051】金属ハロゲン化物としては、鉄、アルミニ
ウム、亜鉛、スズ、コバルト、バナジウム、チタン、パ
ラジウム及びサマリウムから選択された少なくとも一種
の金属塩化物又は金属臭化物が好ましい。このような金
属ハロゲン化物としては、例えば、塩化物(FeC
2、FeCl3などの塩化鉄;AlCl3、ZnCl2
SnCl2、CoCl2、VCl2、TiCl4、PdCl
2、SmCl2など)、臭化物(FeBr2、FeBr3
どの臭化鉄など)、ヨウ化物(SmI2など)などが例
示できる。これらの金属ハロゲン化物のうち、塩化物
(塩化鉄、塩化亜鉛など)及び臭化物が好ましく、通
常、塩化鉄及び/又は塩化亜鉛などが使用される。
【0052】溶媒(反応混合液)中の金属ハロゲン化物
の濃度が低すぎると、反応が十分に進行しない虞がある
とともに、高すぎると反応に関与しない虞がある。溶媒
中の金属ハロゲン化物の濃度は、通常0.001〜6モ
ル/L程度であり、より好ましくは0.005〜4モル
/L程度であり、特に好ましくは0.01〜3モル/L
程度である。
【0053】金属ハロゲン化物の割合は、前記ハロシラ
ン化合物の総量100重量部に対して、0.1〜30重
量部、好ましくは1〜20重量部、さらに好ましくは3
〜15重量部程度である。
【0054】[製造方法]本発明の製造方法では、例え
ば、密閉可能な反応容器に、ハロシラン成分、マグネシ
ウム金属成分、及び必要に応じてリチウム化合物及び/
又は金属ハロゲン化物を溶媒とともに収容し、機械的又
は磁気的に攪拌しつつ、反応を行うことにより、ポリシ
ラン系コポリマーを生成できる。ポリシラン系コポリマ
ーは、ランダムコポリマーであってもよく、ブロックコ
ポリマーであってもよい。ランダムコポリマーは、不活
性溶媒中、少なくともマグネシウム金属成分の存在下、
前記複数のハロシランで構成されたハロシラン成分を混
合物として用いて重合することにより得ることができ
る。ハロシラン成分の重合においては、各ハロシランを
並行又は間欠的に添加してもよく、時系列的に添加(例
えば、ハロシラン成分を添加して、ある程度反応を進行
させた後、反応系に他のハロシラン成分を添加する方法
など)してもよい。ハロシラン成分の反応途中又は反応
後に他のハロシラン成分を添加する方法は、ブロックコ
ポリマーを得るのに好適である。すなわち、ブロックコ
ポリマーは、不活性溶媒中、第1のハロシラン成分にマ
グネシウム金属成分を作用させて重合した後、生成した
ポリシラン又はポリシラン系オリゴマー(これらのポリ
シランやオリゴマーはコポリマーであってもよい)と前
記マグネシウム金属成分の存在下、反応系に第2のハロ
シラン成分を添加し、重合することにより生成できる。
第1のハロシラン成分は、ジハロシラン、トリハロシラ
ン及びテトラハロシランから選択された少なくとも1つ
のハロシランで構成できる。第1のハロシラン成分は、
前記態様(a)及び(b)と同様に、通常、ジハロシラ
ン及びトリハロシランから選択された少なくとも一種の
ハロシラン(特に、ジハロシラン又はトリハロシラン単
独、ジハロシラン及びトリハロシランの双方、中でも少
なくともジハロシラン)で構成される。第1のハロシラ
ン成分を構成する複数のハロシランの割合も、前記態様
(a)及び(b)と同様の範囲から選択できる。第1の
ハロシラン成分の重合度は、3〜500、好ましくは5
〜300、さらに好ましくは5〜100(例えば、10
〜100)程度である。
【0055】第2のハロシラン成分は、ジハロシラン、
トリハロシラン、テトラハロシラン及びモノハロシラン
から選択され、かつ前記第1のハロシラン成分と種類の
異なるハロシランで構成できる。第2のハロシラン成分
は、通常、少なくともジハロシラン及びトリハロシラン
から選択された少なくとも1つのハロシラン(特に少な
くともトリハロシラン)を含んでいる場合が多い。
【0056】第1のハロシラン成分と第2のハロシラン
成分との割合は、例えば、前者/後者=10/90(モ
ル比)、20/80〜80/20(モル比)、40/6
0〜70/30(モル比)程度の範囲から選択できる。
なお、ジハロシランとしてオリゴマー又はポリマーを用
いる場合、上記モル比は、単量体換算での値である。
【0057】反応容器は、密閉できる限り、形状や構造
についての制限は特にない。反応容器内は、乾燥雰囲気
であればよいが、乾燥した不活性ガス(例えば、窒素ガ
ス、ヘリウムガス、アルゴンガスなど)の雰囲気、特
に、脱酸素し、乾燥したアルゴンガス雰囲気が好まし
い。
【0058】反応時間は、ハロシラン化合物、マグネシ
ウム金属成分の量、リチウム化合物、金属ハロゲン化物
の有無やその量などに異なるが、5分以上であり、通
常、30分〜100時間程度である。反応時間やマグネ
シウム金属成分量、触媒量を調整することにより、ポリ
シランの分子量制御、構造制御が可能となる。
【0059】反応温度は、通常、−20℃から使用する
溶媒の沸点までの温度範囲内から選択され、好ましくは
0〜70℃、さらに好ましくは10〜50℃程度であ
る。生成したコポリマーは慣用の方法、例えば、良溶媒
と貧溶媒を用いる再沈法、抽出法などの方法で精製して
もよい。
【0060】[ポリシランの構造]前記製造方法によっ
て得られるポリシラン系コポリマーは、下記式(5)〜
(8)で表される構成単位から選択された少なくとも2
種の構成単位で構成される。
【0061】
【化4】
【0062】(式中、R1〜R3は前記に同じ。r、s及
びtは各構成単位数を示し、r、s及びtの合計は2〜
1000の整数である)。
【0063】具体的には、ジハロシランとトリハロシラ
ンとをハロシラン成分とするコポリマーは、下記式
(5)で表される構成単位と下記式(6)で現される構
成単位とで構成される。
【0064】
【化5】
【0065】(式中、R1、R2は前記に同じ。r及びs
は各構成単位数を示し、rは2〜1000の整数、sは
2〜1000の整数である)。
【0066】また、ジハロシランとテトラハロシランと
をハロシラン成分とするコポリマーは、下記式(5)で
表される構成単位及び下記式(7)で表される構成単位
で構成される。
【0067】
【化6】
【0068】(式中、R1〜R2は前記に同じ。r及びt
は各構成単位数を示し、rは2〜1000の整数、tは
2〜1000の整数である)。
【0069】また、ジハロシラン(1)とモノハロシラ
ン(4)とを出発原料として得られるコポリマーは、下
記式(7)で表される構成単位と下記式(8)で表され
る構成単位とで構成される。このようなコポリマーにお
いて、構成単位(8)は必然的にコポリマーの末端を構
成する。
【0070】
【化7】
【0071】(式中、R1〜R3は前記に同じ。tは各構
成単位数を示し、tは2〜1000の整数である)。
【0072】さらに、前記式(1)〜(4)で表される
ハロシラン化合物から選択された三種以上のハロシラン
を重合して得られたコポリマーは、前記式(1)〜
(4)に対応する前記式(5)〜(8)から選択された
三種以上の構成単位で構成される。
【0073】ポリシラン系コポリマーの形態は、ランダ
ム、ブロック、グラフトなどのいずれの形態でもよい
が、通常、ランダム又はブロック重合体である。前記の
ように、コポリマーの形態は、ハロシラン成分の添加方
法や種類などにより制御できる。
【0074】ポリシラン系コポリマーの重量平均分子量
は、500〜100000、好ましくは1000〜50
000、さらに好ましくは1500〜30000程度で
ある。平均重合度は、5〜1000、好ましくは10〜
500、さらに好ましくは15〜300程度である。重
量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比
は、Mw/Mn=1〜2、好ましくは1.1〜1.5程
度である。
【0075】本発明では、ハロシランの種類とその量及
び重合方法などにより、ポリシラン系コポリマーの分子
量と構造をコントロールできる。また、溶解性や透明性
が高く、屈折率を大きくできる。そのため、本発明で得
られたポリシラン系コポリマーは、種々の分野、例え
ば、光学材料(レンズ、光伝送のための光導波路な
ど)、フォトレジスト材料、感光体などの感光又は電子
写真材料、光メモリなどの光記録材料、エレクトロルミ
ネッセンスEL用材料、セラミックス前駆体などとして
利用できる。
【0076】
【発明の効果】本発明によれば、複数のハロシランを用
いるので、ポリシラン系コポリマーの構造を制御しつつ
種々の特性を付与できる。特に、特殊な装置(光照射
器、超音波照射装置、電極反応装置など)を用いること
なく、前記コポリマーを簡便に製造できる。また、複数
のハロシランで構成されたハロシラン成分を用いるの
で、ポリシラン系コポリマーの有機溶媒に対する溶解性
や透明性、成膜性、有機ポリマーとの相溶性を向上でき
る。そのため、薄膜などとして有利に利用でき、用途を
大きく拡大できる。さらに、ポリシランの構造や分子量
を簡便に制御できる。例えば、反応時間を調整するだけ
で、所望の分子量のポリシラン系コポリマーを製造でき
る。特に、室温近傍の温度で撹拌操作を行うだけの簡便
な方法で、分子量の揃った高分子量のポリシラン系コポ
リマーを高収率で製造できる。
【0077】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定さ
れるものではない。
【0078】実施例1 三方コックを装着した内容積1000mlの丸型フラス
コに、粒状(粒径20〜1000μm)のマグネシウム
30.0gを仕込み、50℃で1mmHg(=133k
Pa)に加熱減圧して乾燥した後、乾燥アルゴンガスを
反応器内に導入し、予めナトリウム−ベンゾフェノンケ
チルで乾燥したテトラヒドロフラン500mlを加え、
室温で約30分間撹拌した。この混合液に、予め蒸留に
より精製したメチルフェニルジクロロシラン23.0g
(120ミリモル)と、予め蒸留により精製したフェニ
ルトリクロロシラン105.8g(500ミリモル)の
混合物をシリンジで加え、室温で約8時間撹拌した。反
応終了後、反応混合物に1N(=1モル/L)の塩酸2
50mlを投入し、さらにトルエン300mlで抽出し
た。トルエン層を純水200mlで7回洗浄し、トルエ
ン層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、トルエンを
留去することにより、ポリメチルフェニルシラン−ポリ
フェニルシランコポリマーを得た。ポリメチルフェニル
シラン−ポリフェニルシランコポリマーを、良溶媒テト
ラヒドロフラン(THF)150ml、貧溶媒2−プロ
パノール1000mlを用いて再沈殿させ、重量平均分
子量2230のポリメチルフェニルシラン−ポリフェニ
ルシランコポリマー(ランダムコポリマー)を得た(収
率60%)。
【0079】実施例2 三方コックを装着した内容積1000mlの丸型フラス
コに、粒状(粒径20〜1000μm)のマグネシウム
47.1g、無水塩化リチウム(LiCl)12.5
g、無水塩化鉄(III)(FeCl3)10.0gを収容
し、50℃で1mmHg(=133kPa)に加熱減圧
して、混合液を乾燥した後、乾燥アルゴンガスを反応器
内に導入し、予めナトリウム−ベンゾフェノンケチルで
乾燥したテトラヒドロフラン500mlを加え、室温で
約30分間撹拌した。この混合液に、予め蒸留により精
製したメチルフェニルジクロロシラン115g(600
ミリモル)を加えた後、続けてメチルトリクロロシラン
4.5g(30ミリモル)を加え、室温で約18時間撹
拌した。反応終了後、反応混合物に1N(=1モル/
L)の塩酸250mlを投入し、さらにトルエン350
mlで抽出した。トルエン層を純水200mlで5回洗
浄し、トルエン層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した
後、トルエンを留去することにより、ポリメチルフェニ
ルシラン−ポリメチルシランコポリマーを得た。ポリメ
チルフェニルシラン−ポリメチルシランコポリマーを、
良溶媒トルエン200ml、貧溶媒メタノール1000
mlを用いて再沈殿させ、重量平均分子量12300の
ポリメチルフェニルシラン−ポリメチルシランコポリマ
ーを得た(収率50%)。
【0080】実施例3 三方コックを装着した内容積1000mlの丸型フラス
コに、粒状(粒径20〜1000μm)のマグネシウム
65.9g、無水塩化リチウム(LiCl)17.5
g、無水塩化亜鉛(ZnCl2)11.3gを収容し、
50℃で1mmHg(=133kPa)に加熱減圧し
て、混合液を乾燥した後、乾燥アルゴンガスを反応器内
に導入し、予めナトリウム−ベンゾフェノンケチルで乾
燥したテトラヒドロフラン500mlを加え、室温で約
30分間撹拌した。この混合液に、予め蒸留により精製
したメチルフェニルジクロロシラン115g(600ミ
リモル)を加え、室温で4時間撹拌することにより重量
平均分子量6000(重合度50程度)のポリシランを
生成させた後、予め蒸留により精製したフェニルトリク
ロロシラン63.5g(300ミリモル)をシリンジで
加え、さらに室温で約16時間撹拌した。反応終了後、
反応混合物に蒸留水250mlを投入し、さらにトルエ
ン500mlで抽出した。トルエン層を純水200ml
で7回洗浄し、トルエン層を無水硫酸マグネシウムで乾
燥した後、トルエンを留去することにより、メチルフェ
ニルポリシラン−ポリフェニルシランコポリマー(ブロ
ックコポリマー)を得た。メチルフェニルポリシラン−
ポリフェニルシランコポリマー(ブロックコポリマー)
を、良溶媒トルエン200ml、貧溶媒2−プロパノー
ル800mlを用いて再沈殿させ、重量平均分子量10
500のポリメチルフェニルシラン−ポリフェニルシラ
ンコポリマー(ブロックコポリマー)を得た(収率47
%)。
【0081】実施例4 三方コックを装着した内容積1000mlの丸型フラス
コに、粒状(粒径20〜1000μm)のマグネシウム
66.0g、無水塩化リチウム(LiCl)30g、無
水塩化亜鉛(ZnCl2)17.5gを収容し、50℃
で1mmHg(=133kPa)に加熱減圧して、混合
液を乾燥した後、乾燥アルゴンガスを反応器内に導入
し、予めナトリウム−ベンゾフェノンケチルで乾燥した
テトラヒドロフラン500mlを加え、室温で約30分
間撹拌した。この混合液に、予め蒸留により精製したメ
チルフェニルジクロロシラン115g(600ミリモ
ル)を加えた後、続けてトリメチルクロロシラン13.
0g(120ミリモル)を加え、室温で約24時間撹拌
した。反応終了後、反応混合物に蒸留水250mlを投
入し、さらにトルエン500mlで抽出した。トルエン
層を純水200mlで5回洗浄し、トルエン層を無水硫
酸マグネシウムで乾燥した後、トルエンを留去すること
により、低分子量体を含むポリメチルフェニルシラン−
トリメチルシランコポリマーを得た。ポリメチルフェニ
ルシラン−ポリメチルシランコポリマーを、良溶媒トル
エン300ml、貧溶媒メタノール1000mlを用い
て再沈殿させ、重量平均分子量7500のポリメチルフ
ェニルシラン−トリメチルシランコポリマーを得た(収
率50%)。
【0082】実施例5 三方コックを装着した内容積1000mlの丸型フラス
コに、粒状(粒径20〜1000μm)のマグネシウム
50.0g、無水塩化リチウム(LiCl)12.0
g、無水塩化鉄(ZnCl2)6.0gを収容し、50
℃で1mmHg(=133kPa)に加熱減圧して、混
合液を乾燥した後、乾燥アルゴンガスを反応器内に導入
し、予めナトリウム−ベンゾフェノンケチルで乾燥した
テトラヒドロフラン500mlを加え、室温で約30分
間撹拌した。この混合物に、予め蒸留により精製したジ
フェニルジクロロシラン126.6g(500ミリモ
ル)と、予め蒸留により精製したフェニルトリクロロシ
ラン21.2g(100ミリモル)の混合物を加え、さ
らに40℃で約24時間撹拌した。反応終了後、反応混
合物に1N(=1モル/L)の塩酸250mlを投入
し、さらにトルエン400mlで抽出した。トルエン層
を純水200mlで5回洗浄し、トルエン層を無水硫酸
マグネシウムで乾燥した後、トルエンを留去することに
より、ジフェニルポリシラン−ポリフェニルシランコポ
リマー(ランダムコポリマー)を得た。メチルフェニル
ポリシラン−ポリフェニルシランコポリマー(ランダム
コポリマー)を、良溶媒THF200ml、貧溶媒2−
プロパノール1200mlを用いて再沈殿させ、重量平
均分子量2500のポリジフェニルシラン−ポリフェニ
ルシランコポリマー(ランダムコポリマー)を得た(収
率60%)。
【0083】実施例6 マグネシウム30.0gとともに無水過塩素酸リチウム
40.0g、無水塩化亜鉛(ZnCl2)11.6gを
触媒として用いる以外は、実施例1と同様にして反応を
行い、重量平均分子量4500のポリメチルフェニルシ
ラン−ポリフェニルシランコポリマーを得た(収率55
%)。
【0084】実施例7 反応時間を8時間に代えて24時間とする以外は、実施
例1と同様にして反応を行い、重量平均分子量3020
のポリメチルフェニルシラン−ポリフェニルシランコポ
リマーを得た(収率65%)。
【0085】実施例8 マグネシウム量を30.0gに代えて60.0gとする
以外は、実施例1と同様にして反応を行い、重量平均分
子量2450のポリメチルフェニルシラン−ポリフェニ
ルシランコポリマーを得た(収率63%)。
【0086】実施例9 ハロシランとして予め蒸留により精製したメチルフェニ
ルジクロロシラン23.0g(120ミリモル)とフェ
ニルトリクロロシラン84.6g(400ミリモル)と
メチルトリクロロシラン15.0g(100ミリモル)
の混合物を用いる以外は、実施例1と同様にして反応を
行い、重量平均分子量2050のポリメチルフェニルシ
ラン−ポリフェニルシラン−ポリメチルシランコポリマ
ーを得た(収率54%)。
【0087】実施例10 メチルトリクロロシランの量を18.0g(120ミリ
モル)とする以外は、実施例2と同様にして反応を行い
重量平均分子量7800のポリメチルフェニルシラン−
ポリメチルシランコポリマーを得た(収率36%)。 実施例11 無水塩化鉄(III)(FeCl3)の代わりに無水塩化亜
鉛(ZnCl2)7.5gを用いる以外は実施例2と同
様にして反応を行い、重量平均分子量11200のポリ
メチルフェニルシラン−ポリメチルシランコポリマーを
得た(収率55%)。
【0088】実施例12 メチルフェニルジクロロシラン115g(600ミリモ
ル)を加え、室温で2時間撹拌することにより低分子量
のポリシランを生成させた後、予め蒸留により精製した
フェニルトリクロロシラン63.5g(300ミリモ
ル)を加える以外は実施例3と同様にして反応を行い、
重量平均分子量6500のポリメチルフェニルシラン−
ポリフェニルシランコポリマー(ブロックコポリマー)
を得た(収率55%)。
【0089】実施例13 トリメチルクロロシランの量を39.1g(360ミリ
モル)とすることと、再沈殿を行わないこと以外は実施
例4と同様にして反応を行い、重量平均分子量1450
のポリメチルフェニルシラン−トリメチルシランコポリ
マーを得た(収率79%)。
【0090】実施例14 三方コックを装着した内容積1000mlの丸型フラス
コに、粒状(粒径20〜1000μm)のマグネシウム
30.4gを仕込み、50℃で1mmHg(=133k
Pa)に加熱減圧して乾燥した後、乾燥アルゴンガスを
反応器内に導入し、予めナトリウム−ベンゾフェノンケ
チルで乾燥したテトラヒドロフラン500mlを加え、
室温で約30分間撹拌した。この混合液に、予め蒸留に
より精製したトリメチルクロロシラン5.6g(52ミ
リモル)を加え10分間撹拌した後、予め蒸留により精
製したフェニルトリクロロシラン110.0g(520
ミリモル)をシリンジで加え、50℃で約8時間撹拌し
た。反応終了後、反応混合物に1N(=1モル/L)の
塩酸250mlを投入し、さらにトルエン300mlで
抽出した。トルエン層を純水200mlで7回洗浄し、
トルエン層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、トル
エンを留去することにより、フェニルシラン−トリメチ
ルシランコポリマーを得た。フェニルトリクロロシラン
−トリメチルシランコポリマーを500mlのメタノー
ルを用いて洗浄することにより、重量平均分子量250
0のフェニルシラン−トリメチルシランコポリマーを得
た(収率87%)。
【0091】実施例15 三方コックを装着した内容積1000mlの丸型フラス
コに、粒状(粒径20〜1000μm)のマグネシウム
50.0gと塩化リチウム17.5g、塩化亜鉛11.
3gを仕込み、50℃で1mmHg(=133kPa)
に加熱減圧して乾燥した後、乾燥アルゴンガスを反応器
内に導入し、予めナトリウム−ベンゾフェノンケチルで
乾燥したテトラヒドロフラン500mlを加え、室温で
約30分間撹拌した。この混合液に、予め蒸留により精
製したジメチルフェニルクロロシラン17.1g(10
0ミリモル)とフェニルトリクロロシラン105.8g
(500ミリモル)の混合物をシリンジで加え、室温で
約24時間撹拌した。反応終了後、反応混合物に1N
(=1モル/L)の塩酸250mlを投入し、さらにト
ルエン300mlで抽出した。トルエン層を純水200
mlで7回洗浄し、トルエン層を無水硫酸マグネシウム
で乾燥した後、トルエンを留去することにより、フェニ
ルシラン−ジメチルフェニルシランコポリマーを得た。
フェニルシラン−ジメチルフェニルシランコポリマー
を、500mlのメタノールを用いて洗浄することによ
り、重量平均分子量5600のフェニルシラン−ジメチ
ルフェニルシランコポリマーを得た(収率90%)。
【0092】実施例16 三方コックを装着した内容積1000mlの丸型フラス
コに、粒状(粒径20〜1000μm)のマグネシウム
50.0gと塩化リチウム12.5g、塩化亜鉛7.5
gを仕込み、50℃で1mmHg(=133kPa)に
加熱減圧して乾燥した後、乾燥アルゴンガスを反応器内
に導入し、予めナトリウム−ベンゾフェノンケチルで乾
燥したテトラヒドロフラン500mlを加え、室温で約
30分間撹拌した。この混合液に、予め蒸留により精製
したメチルフェニルジクロロシラン114.7g(60
0ミリモル)とトリメチルクロロシラン6.5g(60
ミリモル)の混合物をシリンジで加え、室温で約24時
間撹拌した。反応終了後、反応混合物に1N(=1モル
/L)の塩酸250mlを投入し、さらにトルエン30
0mlで抽出した。トルエン層を純水200mlで7回
洗浄し、トルエン層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した
後、トルエンを留去することにより、メチルフェニルポ
リシラン−トリメチルシランコポリマーを得た。メチル
フェニルポリシラン−トリメチルシランコポリマーを、
100mlの良溶媒THFと500mlの貧溶媒メタノ
ールを用いて再沈殿することにより、重量平均分子量6
600のポリメチルフェニルシラン−トリメチルシラン
コポリマーを得た(収率70%)。
【0093】実施例17 三方コックを装着した内容積1000mlの丸型フラス
コに、粒状(粒径20〜1000μm)のマグネシウム
50.0gと塩化リチウム15.0g、塩化亜鉛10.
0gを仕込み、50℃で1mmHg(=133kPa)
に加熱減圧して乾燥した後、乾燥アルゴンガスを反応器
内に導入し、予めナトリウム−ベンゾフェノンケチルで
乾燥したテトラヒドロフラン500mlを加え、室温で
約30分間撹拌した。この混合液に、予め蒸留により精
製したメチルフェニルジクロロシラン95.6g(50
0ミリモル)とテトラクロロシラン17.0g(100
ミリモル)の混合物をシリンジで加え、室温で約24時
間撹拌した。反応終了後、反応混合物に1N(=1モル
/L)の塩酸250mlを投入し、さらにトルエン30
0mlで抽出した。トルエン層を純水200mlで7回
洗浄し、トルエン層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した
後、トルエンを留去することにより、コポリマーを得
た。このコポリマーを、100mlの良溶媒THFと5
00mlの貧溶媒2−プロパノールを用いて再沈殿する
ことにより、重量平均分子量9800のコポリマーを得
た(収率40%)。
【0094】実施例18 ハロシランとして予め蒸留により精製したメチルフェニ
ルジクロロシラン(MePhSiCl2)114.7g
(600ミリモル)とフェニルトリクロロシラン(Ph
SiCl3)6.35g(30ミリモル)の混合物を用
いる以外は、実施例2と同様にして反応を行い、ポリメ
チルフェニルシラン−ポリフェニルシランコポリマーを
得た(収率54%)。
【0095】実施例19 ハロシランとして予め蒸留により精製したメチルフェニ
ルジクロロシラン57.3g(300ミリモル)とフェ
ニルトリクロロシラン63.5g(300ミリモル)の
混合物を用いる以外は、実施例2と同様にして反応を行
い、メチルフェニルポリシラン−ポリフェニルシランコ
ポリマーを得た(収率44%)。
【0096】実施例20 ハロシランとして予め蒸留により精製したジフェニルジ
クロロシラン(Ph2SiCl2)75.9g(300ミ
リモル)と、予め蒸留により精製したメチルフェニルジ
クロロシラン57.3g(300ミリモル)を用いる以
外は実施例5と同様にして反応を行い、重量平均分子量
2560のポリジフェニルシラン−ポリメチルフェニル
シランコポリマーを得た(収率73%)。
【0097】比較例1 ハロシランとして予め蒸留により精製したメチルフェニ
ルジクロロシラン114.7g(600ミリモル)を用
いる以外は、実施例2と同様にして反応を行い、ポリメ
チルフェニルシランを得た(収率60%)。
【0098】比較例2 ハロシランとして予め蒸留により精製したフェニルトリ
クロロシラン127.0g(600ミリモル)を用いる
以外は、実施例2と同様にして反応を行い、ポリフェニ
ルシランを得た(収率82%)。
【0099】比較例3 ハロシランとして予め蒸留により精製したジフェニルジ
クロロシラン151.9g(600ミリモル)を用いる
以外は実施例5と同様にして反応を行い、ポリジフェニ
ルシランを得た(収率85%)。
【0100】比較例4 J.Am.Chem.Soc.,l03(1981)7352に記載の方法に準じて、
メチルフェニルジクロロシラン(MePhSiCl2
114.7g(600ミリモル)とフェニルトリクロロ
シラン(PhSiCl3)6.35g(30ミリモル)
とを、金属ナトリウムを用いて反応させ、ポリメチルフ
ェニルシラン−ポリフェニルシランコポリマーを得た
(収率25%)。
【0101】比較例5 特開平7-309953号公報に記載の電極還元法に準じて、メ
チルフェニルジクロロシラン(MePhSiCl2)1
14.7g(600ミリモル)とフェニルトリクロロシ
ラン(PhSiCl3)6.35g(30ミリモル)と
を反応させ、ポリメチルフェニルシラン−ポリフェニル
シランコポリマーを得た(収率40%)。
【0102】実施例18〜20で得られたポリシラン系
コポリマーと、比較例1〜5で得られたポリシランをそ
れぞれ等倍量のトルエンに溶解し、50%トルエン溶液の
可視光(600nm)の透過率を測定した。結果を以下
に示す。
【0103】
【表1】
【0104】ポリシラン系コポリマーはポリシランホモ
ポリマーと比較して、有機溶媒に対する溶解性及び溶媒
溶液の透明性が高い。そのため、より広い用途に利用で
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤木 剛 大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪 瓦斯株式会社内 Fターム(参考) 4J035 JA01 JB01 JB02 JB03 LA03 LB12 LB16 LB17

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不活性溶媒中、(a)ジハロシラン類、
    トリハロシラン類、テトラハロシラン類及びモノハロシ
    ラン類から選択され、かつ異なる類に属する複数のハロ
    シランで構成されたハロシラン成分に、マグネシウム金
    属成分を作用させて反応させ、ポリシラン系コポリマー
    を製造する方法。
  2. 【請求項2】 ジハロシラン類、トリハロシラン類、テ
    トラハロシラン類及びモノハロシラン類が、それぞれ下
    記式(1)〜(4) 【化1】 (式中、R1〜R3は、同一又は異なって、水素原子、有
    機基又はシリル基を示し、X1〜X4は、同一又は異なっ
    て、ハロゲン原子を示し、mは1以上の整数を示す)で
    表される化合物である請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 ハロシラン成分が、ジハロシラン類及び
    トリハロシラン類から選択された少なくとも一種のハロ
    シランで構成されている請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 ハロシラン成分が、ジハロシラン類及び
    トリハロシラン類で構成されている請求項1又は2記載
    の方法。
  5. 【請求項5】 ジハロシラン類とトリハロシラン類との
    割合が、前者/後者=99/1〜10/90(モル比)
    である請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】 ジハロシラン類及びトリハロシラン類の
    総使用量が、ハロシラン成分中50モル%以上である請
    求項4記載の方法。
  7. 【請求項7】 ハロシラン成分が、少なくともトリハロ
    シラン類を含む請求項1〜3のいずれかの項に記載の方
    法。
  8. 【請求項8】 ハロシラン成分中のトリハロシラン類の
    割合が2〜90モル%である請求項7記載の方法。
  9. 【請求項9】 不活性溶媒中、(b)少なくともジハロ
    シラン類で構成されたハロシラン成分に、マグネシウム
    金属成分を作用させて反応させ、ポリシラン系コポリマ
    ーを製造する方法であって、前記ジハロシラン類とし
    て、アルキル−アリールジハロシランと、ジアリールジ
    ハロシランとを組み合わせて使用するポリシラン系コポ
    リマーの製造方法。
  10. 【請求項10】 アルキル−アリールジハロシラン1モ
    ルに対して、ジアリールジハロシラン0.3〜5モルを
    用いる請求項9記載の方法。
  11. 【請求項11】 金属塩の存在下で反応させる請求項1
    又は9記載の方法。
  12. 【請求項12】 マグネシウム金属成分と共に、さら
    に、リチウム化合物及び金属ハロゲン化物から選択され
    た少なくとも一種を触媒として用いる請求項1又は9記
    載の方法。
  13. 【請求項13】 リチウム化合物及び金属ハロゲン化物
    の双方の存在下で反応させる請求項1又は9記載の方
    法。
  14. 【請求項14】 ポリシラン系コポリマーがランダム又
    はブロックコポリマーである請求項1又は9記載の方
    法。
  15. 【請求項15】 不活性溶媒中、ジハロシラン類、トリ
    ハロシラン類及びテトラハロシラン類から選択された少
    なくとも1つのハロシランで構成された第1のハロシラ
    ン成分にマグネシウム金属成分を作用させて、ポリシラ
    ン又はポリシラン系オリゴマーを生成した後、ジハロシ
    ラン類、トリハロシラン類、テトラハロシラン類及びモ
    ノハロシラン類から選択され、かつ前記第1のハロシラ
    ン成分と種類の異なるハロシランで構成された第2のハ
    ロシラン成分を添加して反応させ、ポリシラン系ブロッ
    クコポリマーを製造する請求項1記載の方法。
  16. 【請求項16】 不活性溶媒中、マグネシウム金属成分
    の存在下、ハロシラン成分を重合する方法であって、前
    記ハロシラン成分として、(a)ジハロシラン類、トリ
    ハロシラン類、テトラハロシラン類及びモノハロシラン
    類から選択され、かつ異なる類に属する複数のハロシラ
    ン、又は(b)少なくともジハロシラン類で構成され、
    かつジハロシラン類としてアルキル−アリールジハロシ
    ランとジアリールジハロシランとを含む複数のハロシラ
    ンを用い、ポリシラン系コポリマーの溶媒に対する溶解
    性又は透明性を改善する方法。
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