JP3312222B2 - 有機ケイ素化合物とその製造方法 - Google Patents

有機ケイ素化合物とその製造方法

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JP3312222B2
JP3312222B2 JP04691493A JP4691493A JP3312222B2 JP 3312222 B2 JP3312222 B2 JP 3312222B2 JP 04691493 A JP04691493 A JP 04691493A JP 4691493 A JP4691493 A JP 4691493A JP 3312222 B2 JP3312222 B2 JP 3312222B2
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達哉 庄野
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規有機ケイ素化合物
とその製造方法に関する。
【0002】
【従来技術とその課題】本発明の有機ケイ素化合物は、
新規な化合物であり、ケイ素化学工業の出発原料とし
て、或いは電子写真感光体材料、フォトレジスト材料な
どとして、有用である。
【0003】課題−1 従来、アルカリ水溶液などの種々の溶媒に可溶なフェノ
ール基を有するケイ素系化合物の出発原料であるジハロ
シランとしては、水酸基をシリルエーテルで保護したジ
クロロシラン類が知られている(特開昭63−1130
21号公報)。しかしながら、これらのジクロロシラン
化合物は、アルカリ性条件下で保護基が脱離しやすいた
め、脱塩素縮合などの反応を行なう場合の安定性が不十
分であり、またコスト面でも高価である。従って、これ
らの問題点を解消乃至軽減し得る新規なジハロシラン類
およびその製造法が求められていた。
【0004】課題−2 また、従来、ケイ素化学の出発原料であるトリシランと
しては、アルキル基、アリール基などを有するものが知
られているが、これらは、トルエン、THFなどの限ら
れた有機溶媒にしか溶解しないという問題点を有してい
る。従って、アルカリ水溶液やアルコールなど種々の溶
媒に可溶なトリシランおよびその製造法の開発が望まれ
ていた。
【0005】また、フェノール基を有するSi−Si結
合含有化合物としては、フェノール基を側鎖中に有する
ポリシランが知られている(特開昭63−113021
号公報など)が、これらは、重合度の高い高分子量体
で、重合度の分布も大きく、ケイ素の数を制御したSi
−Si結合含有化合物であって、フェノール基を側鎖と
するものは、全く合成されておらず、その合成について
考慮さえもされていなかった。
【0006】課題−3 Si−Si結合を有する高分子化合物は、そのSi−S
i結合に由来する種々の光・電子機能と、溶媒への可溶
性などの有機材料としての特異な特徴とを併せ持つ新し
いタイプの光・電子材料として大きな注目を集めてい
る。しかしながら、その代表例である主鎖骨格がケイ素
のみからなるポリシランは、その薄膜が光導電性、3次
の非線形光学特性、光電変換特性、フォトレジスト用途
における光分解性など種々の光・電子機能を示すもの
の、その機械的強度は低く、また基板との密着性が低い
ので、その応用分野が制限されている。そこで、Si−
Si結合に基く光・電子機能を示し、しかも機械的強度
が高く、基板との密着性も良好な新たな高分子化合物お
よびその製造方法が求められていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の如き
従来技術の現状に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、アルコ
キシアルキル基で水酸基を保護したフェノール置換ジハ
ロシランおよびグリニャール試薬を用いたその製造法を
開発することに成功した。その結果、従来の水酸基を保
護したフェノール置換ジクロロシランの問題点を実質的
に解消し乃至大幅に軽減するに至った(課題−1の解
決)。
【0008】また、上記のジハロシランまたは水酸基を
シリルエーテル基或いはベンジル基で保護したジハロシ
ランとモノハロシランとを混合し、この混合物を特定の
金属を電極として用いる電極反応に供した後、その保護
基をはずすことにより、従来のトリシランおよびその製
造方法の問題点を実質的に解消し乃至大幅に軽減するこ
とに成功するに至った(課題−2の解決)。
【0009】さらにまた、フェノール置換基を有するト
リシランを原料として、その水酸基をエステル化し、こ
れをラジカル重合剤を用いて重合させ、高分子材料を得
ることにより、機械的強度にすぐれ、かつ基板との密着
性に優れた含ケイ素高分子化合物を得ることに成功する
に至った(課題−3の解決)。
【0010】即ち、本発明は、下記の有機ケイ素化合物
およびその製造方法を提供するものである。
【0011】1.一般式
【0012】
【化14】
【0013】(式中、R1 は、水素原子、アルキル基、
アリール基、アルコキシ基またはアミノ基を表す。R
は、飽和炭化水素基を表す。Xは、同一または相異なる
ハロゲン原子を表す。アルコキシアルコキシ基の位置
は、メタ位あるいはパラ位である。mは、1〜6であ
る。)で表されるジハロシラン。
【0014】2.一般式
【0015】
【化15】
【0016】(式中、Rは、飽和炭化水素基を表す。X
1 は、ハロゲン原子を表す。アルコキシアルコキシ基の
位置は、メタ位あるいはパラ位である。mは、1〜6で
ある。)で表される水酸基をアルコキシアルキル基で保
護したハロゲン化フェノールにMgを作用させて作製し
たグリニャール試薬に、一般式
【0017】
【化16】
【0018】(式中、R1 は、水素原子、アルキル基、
アリール基、アルコキシ基またはアミノ基を表す。X
は、同一或いは2個以上が異なるハロゲン原子を表
す。)で表されるトリハロシランとを反応させて、一般
【0019】
【化17】
【0020】で表されるジハロシランを製造する方法。
【0021】3.一般式
【0022】
【化18】
【0023】(式中、R1 およびR3 は、水素原子、ア
ルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアミノ基を
表す。R1 および6個のR3 は、それぞれが同一であっ
ても良く、或いは2個以上が異なっていても良い。水酸
基の位置は、メタ位或いはパラ位を表す。)で表される
トリシラン。
【0024】4.一般式
【0025】
【化19】
【0026】(式中、R1 は、水素原子、アルキル基、
アリール基、アルコキシ基またはアミノ基を表す。R2
は、アルコキシアルキル基、トリアルキルシリル基また
はベンジル基を表す。Xは、同一或いは相異なるハロゲ
ン原子を表す。アルコキシアルコキシ基、トリアルキル
シロキシ基またはベンジロキシ基の位置は、メタ位ある
いはパラ位である。)で表されるジハロシランと一般式
【0027】
【化20】
【0028】(式中、R3 は、水素原子、アルキル基、
アリール基、アルコキシ基またはアミノ基を表す。3個
のR3 は、同一であっても良く、或いは2個以上が異な
っていても良い。Xは、ハロゲン原子を表す。)で表さ
れるモノハロシランを混合したものを電極還元すること
により、一般式
【0029】
【化21】
【0030】(式中、R1 およびR3 は、水素原子、ア
ルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアミノ基を
表す。R2 は、アルコキシアルキル基、トリアルキルシ
リル基またはベンジル基を表す。R1 および6個のR3
は、それぞれが同一であっても良く、或いは2個以上が
異なっていても良い。アルコキシアルコキシ基、トリア
ルキルシロキシ基またはベンジロキシ基の位置は、メタ
位あるいはパラ位である。)で表されるトリシランを製
造し、これを酸、アルカリまたはフッ素イオンの存在
下、あるいはアルコール中で処理することにより、一般
【0031】
【化22】
【0032】(式中、R1 およびR3 は、水素原子、ア
ルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアミノ基を
表す。R1 および6個のR3 は、それぞれが同一であっ
ても良く、或いは2個以上が異なっていても良い。水酸
基の位置は、メタ位あるいはパラ位である。)で表され
るトリシランを製造する方法。
【0033】5.一般式
【0034】
【化23】
【0035】(式中、R1 およびR3 は、水素原子、ア
ルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアミノ基を
表す。R1 および6個のR3 は、それぞれが同一であっ
ても良く、或いは2個以上が異なっていても良い。Yで
表される置換基の位置は、メタ位あるいはパラ位であ
る。nは、3〜10000以下である。)で表されるケ
イ素含有高分子化合物。
【0036】6.一般式
【0037】
【化24】
【0038】(式中、R1 およびR3 は、水素原子、ア
ルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアミノ基を
表す。R1 および6個のR3 は、それぞれが同一であっ
ても良く、或いは2個以上が異なっていても良い。水酸
基の位置は、メタ位あるいはパラ位である。)で表され
るトリシランをハロゲン化アシルと反応させて、一般式
【0039】
【化25】
【0040】(式中、R1 およびR3 は、水素原子、ア
ルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアミノ基を
表す。R1 および6個のR3 は、それぞれが同一であっ
ても良く、或いは2個以上が異なっていても良い。Yで
表される置換基の位置は、メタ位あるいはパラ位であ
る。)で表されるトリシランを製造し、これをラジカル
重合開始剤と反応させることにより、一般式
【0041】
【化26】
【0042】(式中、R1 およびR3 は、水素原子、ア
ルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアミノ基を
表す。R1 および6個のR3 は、それぞれが同一であっ
ても良く、或いは2個以上が異なっていても良い。Yで
表される置換基の位置は、メタ位あるいはパラ位であ
る。nは、3〜10000である。)で表されるケイ素
含有高分子化合物を製造する方法。
【0043】以下において、上記項1乃至6の発明をそ
れぞれ本願第1発明乃至本願第6発明といい、これらを
総括して単に本発明という。
【0044】I.本願第1発明 本願第1発明によるジハロシランは、一般式
【0045】
【化27】
【0046】(式中、R1 は、水素原子、アルキル基、
アリール基、アルコキシ基或いはアミノ基を表す。R
は、炭素数1〜10の飽和炭化水素基である。Xは、同
一或いは相異なるハロゲン原子を表す。アルコキシアル
コキシ基の位置は、メタ位あるいはパラ位である。m
は、1〜6の整数である。)で示される。
【0047】R1 で示されるアルキル基の炭素数は、1
〜10である。アリール基としては、フェニル基、炭素
数1〜6のアルキル基を一つ以上置換基として有するフ
ェニル基、p−アルコキシフェニル基、m−アルコキシ
フェニル基などが挙げられる。フェニル基の置換基とし
てのアルコキシ基は、炭素数1〜10程度のものであ
る。アミノ基の場合は、1つ以上の水素が炭素数1〜1
0のアルキル基で置換されていても良い。Rは、炭素数
1〜10のアルキル基である。Xで示されるハロゲン原
子は、Cl、BrまたはIである。ハロゲン原子として
は、Clがより好ましい。
【0048】II.本願第2発明 本願第2発明は、本願第1発明のジハロシランの製造方
法を提供するものである。
【0049】本願第2発明における出発原料としては、
一般式
【0050】
【化28】
【0051】(式中、Rは、飽和炭化水素基である。X
1 は、ハロゲン原子を表す。アルコキシアルコキシ基の
位置は、メタ位あるいはパラ位である。mは、1〜6の
正の整数である。)で示される、水酸基をアルコキシア
ルキル基で保護した形のハロゲン化フェノールにMgを
作用させて作製したグリニャール試薬と、一般式
【0052】
【化29】
【0053】(式中、R1 は、水素原子、アルキル基、
アリール基、アルコキシ基またはアミノ基を表す。X
は、同一或いは2個以上が異なるハロゲン原子を表
す。)で表されるトリハロシランとを用いる。
【0054】X1 はハロゲン原子(Cl,Br,I)で
あり、その中でもBrが特に好ましい。アルコキシアル
コキシ基の位置は、本願第1発明のジハロシランに対応
して、メタ位あるいはパラ位である。
【0055】なお、本願第2発明で使用するアルコキシ
アルキル基で水酸基を保護したハロゲン化フェノール
は、既知の化合物であり、“Synthesis,1975,276”に示
される方法などにより、製造できる。また、トリハロシ
ランも、既知の化合物であり、フェニルトリクロロシラ
ンなどが、一般に市販されている。原料および生成物の
1 、RおよびXは、本願第一発明のR1 、RおよびX
に同じである。
【0056】また、グリニャール試薬を作製する際の溶
媒は、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどの通
常のグリニャール反応に用いられるエーテル系溶媒であ
れば良く、特に限定されない。Mgについては、グリニ
ャール反応に用いられる通常のMgであればよい。
【0057】III.本願第3発明 本願第3発明のトリシランは、一般式
【0058】
【化30】
【0059】(式中、R1 およびR3 は、水素原子、ア
ルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアミノ基を
表す。水酸基の位置は、メタ位あるいはパラ位であ
る。)で表される。
【0060】R1 および6個のR3 は、それぞれが同一
であっても良く、或いは2個以上が異なっていても良
い。R1 およびR3 で表されるアルキル基の炭素数は1
〜10である。アリール基としては、フェニル基、炭素
数1〜6のアルキル基を一つ以上置換基として有するフ
ェニル基、p−アルコキシフェニル基、m−アルコキシ
フェニル基などである。アルコキシ基およびフェニル基
の置換基としてのアルコキシ基の炭素数は、1〜10程
度である。アミノ基の場合は、2つの水素が炭素数1〜
10のアルキル基で置換されたものが好ましい。水酸基
の位置は、メタ位あるいはパラ位である。
【0061】IV.本願第4発明 本願第4発明は、一般式(1)
【0062】
【化31】
【0063】(式中、R1 は、水素原子、アルキル基、
アリール基、アルコキシ基またはアミノ基を表す。R2
は、アルコキシアルキル基、トリアルキルシリル基また
はベンジル基を表す。Xは、同一または相異なるハロゲ
ン原子を表す。アルコキシアルコキシ基、トリアルキル
シロキシ基またはベンジロキシ基の位置は、メタ位ある
いはパラ位である。)で表されるジハロシランと一般式
(2)
【0064】
【化32】
【0065】(式中、R3 は、水素原子、アルキル基、
アリール基、アルコキシ基またはアミノ基を表す。3個
のR3 は、同一であっても良く、或いは2個以上が異な
っていても良い。Xは、ハロゲン原子を表す。)で表さ
れるモノハロシランを混合したものを原料とし、電極還
元反応を行う。
【0066】R3 は、本願第3発明のトリシランに対応
して、同じである。アルコキシアルキル基、トリアルキ
ルシリル基またはベンジル基で保護された水酸基の位置
についても、本願第3発明のトリシランの水酸基の位置
に対応して、同じである。
【0067】本発明において、一般式(1)および
(2)で表されるハロシランは、それぞれ1種ずつを用
いても良く、或いはそれぞれの2種以上を混合して用い
ても良い。ジハロシランとモノハロシランとの混合割合
は、0.1:1〜1:0.1程度とすることが好まし
く、1:2程度が最も望ましい。
【0068】R2 は、一般式 −(CH2 L −O−CN 2N+1 (L は、1〜6の整数である。N は、1〜10の整数で
ある。)で表されるアルコキシアルキル基、一般式 −(SiR4 3 (R4 は、炭素数1〜6のアルキル基であり、3つのR
4 は同じでも相異なってもよい。)で表されるトリアル
キルシリル基、および一般式 −CH2 Ph で表されるベンジル基のいずれでもよい。
【0069】アルコキシアルキル基によりフェノールの
水酸基を保護した一般式(1)のジハロシランは、本願
第1発明のジハロシランである。また、トリアルキルシ
リル基で保護したジハロシランおよびベンジル基で保護
したジハロシランは、既知であり、例えば、“Macromol
ecules 1989,22,2933 ”などに記載されている。アルコ
キシアルキル基のL およびN は、それぞれ1であること
(すなわちメトキシメチル基)が最も好ましい。また、
トリアルキルシリル基としては、トリメチルシリル基、
ジメチルイソプロピルシリル基およびジメチル−tert-
ブチルシリル基が好ましい。
【0070】電極還元反応に際しては、一般式(1)お
よび(2)で示されるハロシランを溶媒に溶解して使用
する。溶媒としては、非プロトン性の溶媒が広く使用で
き、より具体的には、プロピレンカーボネート、アセト
ニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシ
ド、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエ
チル)エーテル、p−ジオキサン、テトラヒドロフラ
ン、塩化メチレンなどが例示される。これらの溶媒は、
単独でも、或いは2種以上の混合物としても使用でき
る。溶媒としては、1,2−ジメトキシエタンおよびテ
トラヒドロフランがより好ましい。溶媒中のハロシラン
の濃度は、低すぎる場合には、電流効率が低下するのに
対し、高すぎる場合には、支持電解質が溶解しないこと
がある。従って、溶媒中の2種のハロシランの濃度は、
通常それぞれ0.01〜3mol/l 程度であり、より好ま
しくは0.05〜1.5mol/l 程度である。
【0071】本発明で使用する支持電解質としては、過
塩素酸ナトリウム、過塩素酸リチウムなどの過塩素酸ア
ルカリ金属:過塩素酸テトラ−n−ブチルアンモニウム
などの過塩素酸テトラアルキルアンモニウム:塩化テト
ラ−n−ブチルアンモニウムなどの塩化テトラアルキル
アンモニウムなどが例示される。これらの支持電解質
は、単独で使用しても良く、或いは2種以上を併用して
も良い。これら支持電解質の中でも、過塩素酸リチウム
が最も好ましい。支持電解質の濃度は、低すぎる場合に
は、反応溶液に与えられるイオン導電性が低いために反
応が十分に進行しなくなるのに対し、高すぎる場合に
は、電流が流れ過ぎて反応に必要な電位が得られなくな
る。従って、溶媒中の支持電解質の濃度は、通常0.0
5〜5mol/l程度であり、より好ましくは0.1〜3mol
/l 程度であり、特に好ましくは0.3〜1mol/l 程度
である。
【0072】本発明においては、Mg、CuまたはAl
或いはこれらの金属を主成分とする合金を陽極として使
用して、電極還元反応を行なう。陽極材質としてはMg
が最も好ましい。陰極としては、電流を通じることがで
きるものであれば、特に制限されない。電極の形状は、
通電を安定して行い得る限り、特に限定されないが、棒
状、板状、筒状、円錐状、板状体をコイル状に巻いたも
のなどが好ましい。電極の表面からは、あらかじめ酸化
被膜を出来るだけ除去しておくことが好ましい。電極か
らの酸化被膜の除去は、任意の方法で行えば良く、例え
ば、電極を酸により洗浄した後、エタノールおよびエー
テルなどにより洗浄し、減圧下に乾燥する方法、窒素雰
囲気下に電極を研磨する方法、或いはこれらの方法を組
み合わせた方法などにより行うことが出来る。
【0073】本発明による電極反応を実施するに際して
は、電極を設置した密閉可能な反応容器に一般式(1)
および(2)で表されるハロシランの混合物ならびに支
持電解質を溶媒とともに収容し、好ましくは機械的もし
くは磁気的に撹拌しつつ、所定量の電流を通電すること
により、電極反応を行わせる。反応容器内は、乾燥雰囲
気とすれば良く、乾燥した窒素または不活性ガス雰囲気
であることがより好ましい。通電量は、2種のハロシラ
ン中のハロゲン原子を基準として、通常2〜8F/mo
l程度であり、好ましくは3〜5F/mol程度であ
る。反応時間は、原料ハロシランの量、支持電解質の量
に関係する電解液の抵抗などにより異なり得るので、必
要に応じて適宜定めれば良い。また、反応時間を短縮す
るために、反応容器または反応溶液に対し、超音波を照
射しても良い。電極反応中の超音波の照射方法は、特に
限定されるものではないが、反応器を超音波浴槽に収容
して照射する方法、反応容器内に超音波発振子を装入し
て照射する方法などが例示される。超音波の振動数は、
10〜70kHz程度とすることが好ましい。超音波の
出力は、原料の種類、反応溶液の量、反応容器および電
極の形状および大きさ、電極材質および表面積などの反
応条件に応じて適宜定めれば良いが、通常反応溶液1l
当たり0.01〜24kW程度の範囲内にある。この様
な超音波照射により、反応時間が大幅に短縮されて、超
音波を照射しない場合の1/3から2/3程度となる。
【0074】また、電極反応中に、陰極上には金属塩
(例えば、MgCl2 )が付着して電圧上昇を起こすこ
とがある。この様な場合には、電極の極性を一定時間間
隔で切り替えることにより、付着した金属塩を取除い
て、電圧上昇を抑えることができる。極性の切替えを行
なう場合には、行なわない場合に比して、電圧値を1/
2〜1/3程度とすることができる。極性の切替えは、
通常1秒〜10分程度の間隔で、より好ましくは10秒
〜1分間程度の間隔で行なう。反応時の温度は、使用す
る溶媒の沸点以下の温度範囲内であれば良い。本発明に
よる電極反応においては、通常の電極還元反応において
必須とされている隔膜を使用する必要がないので、操作
が簡便となり、有利である。
【0075】なお、本発明による電極反応において、一
般式(1)および(2)で示されるハロシランの水によ
る副反応を抑制するために、溶媒および支持電解質中の
水分を予め除去しておくことが望ましい。例えば、溶媒
としてテトラヒドロフラン或いは1,2−ジメトキシエ
タンを使用する場合には、ナトリウム−ベンゾフェノン
ケチルなどによる乾燥を予め行なっておくことが好まし
い。また、支持電解質については、減圧加熱による乾
燥、或いは水分と反応しやすく且つ容易に除去じ得る物
質(例えば、トリメチルクロロシランなど)の添加によ
る水分除去を行なっておくことが好ましい。
【0076】この様な電極還元反応により得られた、一
般式
【0077】
【化33】
【0078】(式中、R1 およびR3 は、水素原子、ア
ルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアミノ基を
表す。R1 および6個のR3 は、同一であっても、或い
は2個以上が相異なっていても良い。R2 は、アルコキ
シアルキル基、トリアルキルシリル基またはベンジル基
である。アルコキシアルコキシ基、トリアルキルシロキ
シ基またはベンジロキシ基の位置は、メタ位あるいはパ
ラ位である。)で表されるトリシランを、R2 が、アル
コキシアルキル基およびベンジル基である場合には、テ
トラヒドロフラン−アルコール混合溶媒中プロトン酸を
触媒として脱保護を行なう。この際、アルコールとして
はメタノール、エタノール、イソプロパノールおよびこ
れらの混合物などが使用できる。また、プロトン酸とし
ては塩酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスル
ホン酸などが使用できる。R2 基がトリアルキルシリル
基の場合には、上記方法以外にフッ素イオン或いはアル
カリ触媒を添加することによっても取り除くことができ
る。フッ素イオンを供給する化合物としては、フッ化テ
トラブチルアンモニウム、フッ酸、フッ化セシウムなど
が挙げられる。また、アルカリ触媒としては、炭酸カリ
ウムなどが使用できる。
【0079】V.本願第5発明 本願第5発明のケイ素含有高分子化合物は、一般式
【0080】
【化34】
【0081】(式中、R1 およびR3 は、水素原子、ア
ルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアミノ基を
表す。Yで表される置換基の位置は、メタ位あるいはパ
ラ位である。nは、3〜10000の正の整数である。
1 および6つのR3 については、本願第3発明の場合
と同様である。)で表される。
【0082】VI.本願第6発明 本願第6発明は、本願第3発明のトリシランをハロゲン
化アシルと反応させることにより、一般式
【0083】
【化35】
【0084】(式中、R1 およびR3 は、水素原子、ア
ルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアミノ基を
表す。Yで表される置換基の位置は、メタ位あるいはパ
ラ位である。R1 および6つのR3 については、本願第
3発明の場合と同様である。)で表されるトリシランを
得る。
【0085】ハロゲン化アシルとしては、アシル基部分
に不飽和結合を有するものであれば良く、アクリル酸ク
ロライド、メタクリル酸クロライドなどが挙げられる。
この反応は、トリシランをベンゼン、トルエン、塩化メ
チレン、クロロホルムなどの通常のアシル化に使用する
有機溶媒に溶解し、塩基の存在下に、ハロゲン化アシル
を滴下することにより行なう。塩基としては、フェノー
ル性の水酸基のアシル化に用いることができるものであ
れば、特に限定されず、具体的には、トリエチルアミ
ン、ピリジン、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウムなど
が例示される。
【0086】次いで、得られたトリシランを有機溶媒中
に溶解するか或いは溶媒の不存在下に、ラジカル重合開
始剤を加えることによって、重合し、含ケイ素高分子化
合物を得る。この反応は、トリシランを有機溶媒に溶解
し或いは溶解することなく、これに重合開始剤を加え
て、2〜8時間程度還流させることにより行なう。溶媒
としてはトルエン、キシレンなど一般の有機溶媒が使用
できる。また、ラジカル重合開始剤としては、過塩素酸
ジ−tert−ブチル、過酸化ジベンゾイル、アゾビスイソ
ブチロニトリルなどが挙げられ、そのなかでもアゾビス
イソブチロニトリルが最適である。ラジカル重合開始剤
の量は、触媒量でよく、トリシラン重量に対して1/1
0〜1/1000程度あれば十分である。
【0087】
【発明の効果】本発明によれば、下記のような顕著な効
果が達成される。
【0088】−本願第1発明および第2発明に関して;
電極反応と組み合わせることにより、反応中は安定であ
って且つ反応後には容易に脱離できる保護基を有し、ア
ルコール、アルカリ性水溶液などの種々の溶媒に可溶な
ケイ素化合物の出発原料であるジハロシランが、安価に
且つ容易に合成できる。
【0089】−本願第3発明および第4発明に関して;
アルカリ水溶液,アルコールなど種々の溶媒に可溶なト
リシランが得られる。このトリシランは、限られた特定
の有機溶媒にしか溶解しない公知のトリシランに比し
て、応用分野が広く、極めて有用である。
【0090】−本願第5発明および第6発明に関して;
機械的強度が高く、基板との密着性も良好なケイ素含有
高分子化合物が得られる。このケイ素含有高分子化合物
は、光導電材料、光電変換材料、3次元非線形光学材
料、フォトレジスト材料などとして、特に有用である。
【0091】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明の特徴とすると
ころをより一層明確にする。
【0092】なお、実施例1〜5は、本願第1発明およ
び第2発明の具体例であり、実施例6〜9は、本願第3
発明および第4発明の具体例であり、実施例10〜12
は、本願第5発明および第6発明の具体例である。
【0093】実施例1 p-ブロモフェノール50gをクロロホルム150mlに
溶解し、メチラール250mlを加え、この溶液に五酸
化リン30gを5回に分けて加え、常温で攪拌した。反
応をGLCにより追跡した。反応完結後、反応溶液を炭
酸水素ナトリウム水溶液300mlに加え、これにジエ
チルエーテル500mlを加えて抽出し、有機層を取り
出して、これに無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥し、濾
過した後、濾液から有機溶媒を留去した。得られた生成
物を減圧蒸留(沸点90℃/10mmHg)して、収率100
%でp-メトキシメトキシブロモベンゼンを得た。
【0094】次に、乾燥THF100mlにMg3.4
gを加え、この溶液にp-メトキシメトキシブロモベンゼ
ン30gをTHF50mlに溶かした溶液を滴下してグ
リニャール試薬を合成した。次いで、フェニルトリクロ
ロシラン26gをTHF50mlに溶かした溶液に、合
成したグリニャール試薬を0℃で滴下した。この混合溶
液を室温で一夜攪拌した後、乾燥ヘキサン200mlを
加え、沈澱した無機塩をアルミナカラムで濾別した。濾
液を減圧蒸留(144−145℃/1mmHg )して単離精
製した結果、p-メトキシメトキシフェニルフェニルジク
ロロシランを収率44%で得た。
【0095】得られたジクロロシランのIRおよび1
−NMRチャートを図1および図2に示す。
【0096】実施例2 原料としてm-ブロモフェノールを用いる以外は実施例1
と同様にして反応を行なったところ、m-メトキシメトキ
シフェニルフェニルジクロロシランを収率50%で得
た。
【0097】得られたジクロロシランのIRおよび1
−NMRチャートを図3および図4に示す。
【0098】実施例3 トリハロシランとしてメチルトリクロロシランを用いる
以外は実施例1と同様にして反応を行なったところ、p-
メトキシメトキシフェニルメチルジクロロシランを収率
39%で得た。
【0099】実施例4 トリハロシランとしてエトキシトリクロロシランを用い
る以外は実施例2と同様にして反応を行なったところ、
m-メトキシメトキシフェニルエトキシジクロロシランが
得られた。
【0100】実施例5 メチラールの代わりにエトキシメチルクロライドを用い
る以外は実施例1と同様にして反応を行なったところ、
p-エトキシメトキシフェニルフェニルジクロロシランが
得られた。
【0101】実施例6 三方コックおよびMg電極(1cm×1cm×5cm;
希塩酸で洗浄した後、エタノールおよびアセトンで洗浄
し、減圧乾燥し、窒素雰囲気下で研摩することにより、
表面の酸化被膜を除去した)2個を装着した内容積30
mlの3つ口フラスコ(以下反応器という)に無水過塩
素酸リチウム1.0gを収容し、1mmHgに加熱減圧し
て、過塩素酸リチウムを乾燥した後、脱酸素した乾燥窒
素を反応器内に導入し、さらに予めナトリウム−ベンゾ
フェノンケチルで乾燥したテトラヒドロフラン20ml
を加えた。これにp-メトキシメトキシフェニルフェニル
ジクロロシラン5mmol およびトリメチルクロロシラン25
mmolをそれぞれシリンジで加え、この反応器を出力60
W、周波数47KHzの超音波洗浄器に浸漬し、冷却器
により反応器を室温に保持しつつ、定電圧電源により通
電した。その際、コミュテーターを使用して、2つの電
極の極性を15秒毎に変換しつつ、トリメチルクロロシ
ラン中の塩素原子を基準として4F/molの通電量と
なる様に通電した。
【0102】反応終了後、反応溶液を1N塩酸100m
lに加えた後、エーテルで抽出し、有機層を飽和炭酸水
素ナトリウム水溶液で洗浄した後、溶媒を留去し、生成
物をシリカゲルカラムで単離した。その結果、1,1,
1,3,3,3−ヘキサメチル−2−(p-メトキシメト
キシフェニル)−2−フェニルトリシランが収率71%
で得られた。
【0103】次に、このトリシランをテトラヒドロフラ
ン:イソプロパノール=1:1の混合溶媒50mlに加
え、これに濃塩酸0.5mlを加えて室温で3時間撹拌
した。
【0104】その結果、水酸基を有する1,1,1,
3,3,3−ヘキサメチル−2−(p-ヒドロキシフェニ
ル)−2−フェニルトリシランが収率91%で得られた
(トータル収率64%)。
【0105】1 H−NMRおよび13C−NMRのチャー
トを図5および図6に示す。
【0106】実施例7 ジハロシランとして、m-メトキシメトキシフェニルフェ
ニルジクロロシランを用いる以外は実施例6と同様にし
て反応を行なった。その結果、水酸基を有する1,1,
1,3,3,3−ヘキサメチル−2−(m-ヒドロキシフ
ェニル)−2−フェニルトリシランを収率60%で得
た。
【0107】実施例8 モノハロシランとして、ジメチルフェニルクロロシラン
を用いる以外は実施例6と同様にして反応を行なった。
その結果、水酸基を有する2−(p-ヒドロキシフェニ
ル)−1,1,3,3−テトラメチル−1,2,3−ト
リフェニルトリシランを収率69%で得た。
【0108】実施例9 ジハロシランとして、p-(t−ブチルジメチルシロキシ
フェニル)フェニルジクロロシラン(シリルエーテルで
保護したもの)を用いる以外は実施例6と同様にして反
応を行なった。その結果、水酸基を有する1,1,1,
3,3,3−ヘキサメチル−2−(p-ヒドロキシフェニ
ル)−2−フェニルトリシランが収率44%で得られ
た。
【0109】実施例10 1,1,1,3,3,3−ヘキサメチル−2−(p −ヒ
ドロキシフェニル)−2−フェニルトリシラン5gをベ
ンゼン20mlに溶解させ、これにトリエチルアミン
2.9gを加えた後、氷冷しつつ、さらにアクリル酸ク
ロライド1.6gを徐々に滴下した。滴下終了後、室温
で3時間攪拌し、得られた溶液を炭酸水素ナトリウム飽
和水溶液200ml中に投じ、エーテルで抽出した後、
有機層を取出し、溶媒を留去した。得られた生成物をシ
リカゲルカラムで精製し、トルエン20mlに溶解し、
これにアゾビスイソブチロニトリル0.1gを加え、還
流条件下3時間反応を行なったところ、重量平均分子量
39400のケイ素含有高分子化合物が収率85%で得
られた。
【0110】そのIRおよび1 H−NMRのチャートを
図7および図8に示す。
【0111】本実施例により得られたケイ素含有化合物
を用いて、キャスト法により薄膜を作製したところ、メ
チルフェニルポリシラン(重量平均分子量55000)
の薄膜の約2倍の機械的強度を示した。
【0112】実施例11 1,1,1,3,3,3−ヘキサメチル−2−(m-ヒド
ロキシフェニル)−2−フェニルトリシランを用いる以
外は実施例10と同様にして反応を行なった。その結
果、重量平均分子量41200のケイ素含有高分子化合
物が収率86%で得られた。
【0113】実施例12 過酸化ジベンゾイルをラジカル重合開始剤として用いる
以外は実施例10と同様にして反応を行なった。その結
果、重量平均分子量36500のケイ素含有高分子化合
物が収率90%で得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたジクロロシランのIRを示
すチャートである。
【図2】実施例1で得られたジクロロシランの1 H−N
MRを示すチャートである。
【図3】実施例2で得られたジクロロシランのIRを示
すチャートである。
【図4】実施例2で得られたジクロロシランの1 H−N
MRを示すチャートである。
【図5】実施例6で得られたトリシランの1 H−NMR
を示すチャートである。
【図6】実施例6で得られたトリシランの13C−NMR
を示すチャートである。
【図7】実施例10で得られたケイ素含有高分子材料の
IRを示すチャートである。
【図8】実施例10で得られたケイ素含有高分子材料の
1 H−NMRを示すチャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西田 亮一 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2 号 大阪瓦斯株式会社内 (72)発明者 村瀬 裕明 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2 号 大阪瓦斯株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−256525(JP,A) 米国特許4031119(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07F 7/08 C07F 7/12 C07F 7/18 C08F 30/08 CA(STN) CAOLD(STN) REGISTRY(STN)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 【化1】 (式中、R1 は、水素原子、アルキル基、アリール基、
    アルコキシ基またはアミノ基を表す。Rは、飽和炭化水
    素基を表す。Xは、同一または相異なるハロゲン原子を
    表す。アルコキシアルコキシ基の位置は、メタ位或いは
    パラ位である。mは、1〜6の整数を示す。)で表され
    るジハロシラン。
  2. 【請求項2】一般式 【化2】 (式中、Rは、飽和炭化水素基を表す。X1 は、ハロゲ
    ン原子を表す。アルコキシアルコキシ基の位置は、メタ
    位あるいはパラ位である。mは、1〜6の整数を示
    す。)で表される水酸基をアルコキシアルキル基で保護
    したハロゲン化フェノールにMgを作用させて作製した
    グリニャール試薬に一般式 【化3】 (式中、R1 は、水素原子、アルキル基、アリール基、
    アルコキシ基またはアミノ基を表す。Xは、同一または
    2個以上が異なるハロゲン原子を表す。)で表されるト
    リハロシランを反応させて、一般式 【化4】 (式中、R、R1 、Xおよびmは、上記に同じ。)で表
    されるジハロシランを製造する方法。
  3. 【請求項3】一般式 【化5】 (式中、R1 およびR3 は、水素原子、アルキル基、ア
    リール基、アルコキシ基またはアミノ基を表す。R1
    よび6個のR3 は、それぞれが同一であっても良く、或
    いは2個以上が異なっていても良い。水酸基の位置は、
    メタ位或いはパラ位である。)で表されるトリシラン。
  4. 【請求項4】一般式 【化6】 (式中、R1 は、水素原子、アルキル基、アリール基、
    アルコキシ基またはアミノ基を表す。R2 は、アルコキ
    シアルキル基、トリアルキルシリル基またはベンジル基
    を表す。Xは、同一或いは相異なるハロゲン原子を表
    す。アルコキシアルコキシ基、トリアルキルシロキシ基
    またはベンジロキシ基の位置は、メタ位或いはパラ位で
    ある。)で表されるジハロシランと一般式 【化7】 (式中、R3 は、水素原子、アルキル基、アリール基、
    アルコキシ基またはアミノ基を表す。3個のR3 は、同
    一であっても良く、或いは2個以上が異なっていても良
    い。Xは、ハロゲン原子を表す。)で表されるモノハロ
    シランとの混合物を電極還元して一般式 【化8】 (式中、R1 およびR3 は、水素原子、アルキル基、ア
    リール基、アルコキシ基或いはアミノ基を表す。R
    2 は、アルコキシアルキル基、トリアルキルシリル基ま
    たはベンジル基を表す。R1 および6個のR3 は、それ
    ぞれが同一であっても良く、或いは2個以上が異なって
    いても良い。アルコキシアルコキシ基、トリアルキルシ
    ロキシ基またはベンジロキシ基の位置は、メタ位あるい
    はパラ位である。)で表されるトリシランを製造し、こ
    れを酸、アルカリまたはフッ素イオンの存在下或いはア
    ルコール中で処理することにより、一般式 【化9】 (式中、R1 およびR3 は、水素原子、アルキル基、ア
    リール基、アルコキシ基またはアミノ基を表す。R1
    よび6個のR3 は、それぞれが同一であっても良く、或
    いは2個以上が異なっていても良い。水酸基の位置は、
    メタ位あるいはパラ位である。)で表されるトリシラン
    を製造する方法。
  5. 【請求項5】一般式 【化10】 (式中、R1 およびR3 は、水素原子、アルキル基、ア
    リール基、アルコキシ基またはアミノ基を表す。R1
    よび6個のR3 は、それぞれが同一であっても良く、或
    いは2個以上が異なっていても良い。Yで表される置換
    基の位置は、メタ位あるいはパラ位である。nは、3〜
    10000である。)で表されるケイ素含有高分子化合
    物。
  6. 【請求項6】一般式 【化11】 (式中、R1 およびR3 は、水素原子、アルキル基、ア
    リール基、アルコキシ基またはアミノ基を表す。R1
    よび6個のR3 は、それぞれが同一であっても良く、或
    いは2個以上が異なっていても良い。水酸基の位置は、
    メタ位あるいはパラ位である。)で表されるトリシラン
    をハロゲン化アシルと反応させて、一般式 【化12】 (式中、R1 およびR3 は、水素原子、アルキル基、ア
    リール基、アルコキシ基またはアミノ基を表す。R1
    よび6個のR3 は、それぞれが同一であっても良く、或
    いは2個以上が異なっていても良い。Yで表される置換
    基の位置は、メタ位あるいはパラ位である。)で表され
    るトリシランを製造し、これをラジカル重合開始剤と反
    応させることにより、一般式 【化13】 (式中、R1 およびR3 は、水素原子、アルキル基、ア
    リール基、アルコキシ基またはアミノ基を表す。R1
    よび6個のR3 は、それぞれが同一であっても良く、或
    いは2個以上が異なっていても良い。Yで表される置換
    基の位置は、メタ位あるいはパラ位である。nは、3〜
    10000である。)で表されるケイ素含有高分子化合
    物を製造する方法。
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