JP3120160B2 - Si−Ge結合を有する化合物の製造方法 - Google Patents

Si−Ge結合を有する化合物の製造方法

Info

Publication number
JP3120160B2
JP3120160B2 JP04111709A JP11170992A JP3120160B2 JP 3120160 B2 JP3120160 B2 JP 3120160B2 JP 04111709 A JP04111709 A JP 04111709A JP 11170992 A JP11170992 A JP 11170992A JP 3120160 B2 JP3120160 B2 JP 3120160B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
general formula
electrode
group
reaction
same
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP04111709A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05331674A (ja
Inventor
達哉 庄野
成史 柏村
亮一 西田
裕明 村瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Osaka Gas Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Osaka Gas Co Ltd filed Critical Osaka Gas Co Ltd
Priority to JP04111709A priority Critical patent/JP3120160B2/ja
Publication of JPH05331674A publication Critical patent/JPH05331674A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3120160B2 publication Critical patent/JP3120160B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、Si−Ge結合を有す
る化合物の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術とその問題点】Si−Ge結合を有する化合
物は、光・電子材料などの出発原料などとして注目され
ている。
【0003】従来、Si−Ge結合を有する化合物の製
造方法としては、金属リチウムなどのアルカリ金属を用
いて、極度に冷却した溶媒中のハロシランにハロゲルマ
ンを滴下することにより、還元的にカップリングさせる
方法 {J.Organometal.Chem.,247(1983)149-160}、或い
はマグネシウムアマルガムを使用する方法 {J.Organome
tal.Chem.,299(1986)9-13 }などが知られている。しか
しながら、これらの方法は、反応温度の制御を必要とす
る、工業的規模での生産に際しては、アルカリ金属又は
水銀を大量に使用するので、安全性に大きな問題がある
などの問題点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、S
i−Ge結合を有する化合物を温和な条件下に安全に製
造し得る方法を提供することを主な目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の如き
従来技術の現状に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、特定の
ハロシランとハロゲルマンとを、一方の極として特定の
金属を使用し、支持電解質として過塩素酸塩を使用する
電極反応に供する場合には、従来技術の問題点が実質的
に解消されるか乃至は大幅に軽減されることを見出し
た。
【0006】また、この様な電極反応において、両電極
の極性を切替えて反応を行なう場合には、反応の効率が
大幅に改善されることを見出した。
【0007】さらに、上記の如き電極反応に際して、反
応器又は反応溶液に超音波を照射する場合には、反応時
間が短縮されるとともに収量も増大することを見出し
た。
【0008】すなわち、本発明は、下記のSi−Ge結
合を有する化合物の製造方法を提供するものである: 1.Si−Ge結合を有する化合物の製造方法であっ
て、一般式
【0009】
【化10】
【0010】(式中、R1 、R2 およびR3 は、それぞ
れ同一或いは相異なって、水素原子、アルキル基、アリ
ール基、アルコキシ基またはアミノ基を表わし、Xは、
ハロゲン原子を表わす)で示されるハロシランと一般式
【0011】
【化11】
【0012】(式中、R4 、R5 およびR6 は、それぞ
れ同一或いは相異なって、水素原子、アルキル基、アリ
ール基、アルコキシ基またはアミノ基を表わし、Xは、
ハロゲン原子を表わす)で示されるハロゲルマンとを超
音波の照射下若しくは非照射下に、支持電解質として過
塩素酸塩を使用し、溶媒として非プロトン性溶媒を使用
し、少なくとも一方の極としてMg、CuまたはAlを
使用する電極反応に供することにより、一般式
【0013】
【化12】
【0014】(式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5
よびR6 は、上記に同じ。)で示されるSi−Ge結合
を有する化合物を製造する方法。
【0015】2.Si−Ge結合を有する化合物の製造
方法であって、一般式
【0016】
【化13】
【0017】(式中、R1 、R2 およびR3 は、それぞ
れ同一或いは相異なって、水素原子、アルキル基、アリ
ール基、アルコキシ基またはアミノ基を表わし、Xは、
ハロゲン原子を表わす)で示されるハロシランと一般式
【0018】
【化14】
【0019】(式中、R7 およびR8 は、それぞれ同一
或いは相異なって、水素原子、アルキル基、アリール
基、アルコキシ基またはアミノ基を表わし、Xは、ハロ
ゲン原子を表わす)で示されるジハロゲルマンとを超音
波の照射下若しくは非照射下に、支持電解質として過塩
素酸塩を使用し、溶媒として非プロトン性溶媒を使用
し、少なくとも一方の極としてMg、CuまたはAlを
使用する電極反応に供することにより、一般式
【0020】
【化15】
【0021】(式中、R1 、R2 、R3 、R7 およびR
8 は、上記に同じ。)で示されるSi−Ge結合を有す
る化合物を製造する方法。
【0022】3.Si−Ge結合を有する化合物の製造
方法であって、一般式
【0023】
【化16】
【0024】(式中、R4 、R5 およびR6 は、それぞ
れ同一或いは相異なって、水素原子、アルキル基、アリ
ール基、アルコキシ基またはアミノ基を表わし、Xは、
ハロゲン原子を表わす)で示されるハロゲルマンと
【0025】
【化17】
【0026】(式中、R9 およびR10は、それぞれ同一
或いは相異なって、水素原子、アルキル基、アリール
基、アルコキシ基またはアミノ基を表わし、Xは、ハロ
ゲン原子を表わす)で示されるジハロシランとを超音波
の照射下若しくは非照射下に、支持電解質として過塩素
酸塩を使用し、溶媒として非プロトン性溶媒を使用し、
少なくとも一方の極としてMg、CuまたはAlを使用
する電極反応に供することにより、一般式
【0027】
【化18】
【0028】(式中、R4 、R5 、R6 、R9 およびR
10は、上記に同じ。)で示されるSi−Ge結合を有す
る化合物を製造する方法。
【0029】4.陽極としてMg、CuまたはAlを使
用する上記項1、2または3に記載の方法。
【0030】5.一定の時間間隔で電極の切り替えを行
なう上記項1、2または3に記載の方法。
【0031】6.任意の時間間隔で電極の切り替えを行
なう上記項1、2または3に記載の方法。
【0032】以下においては、上記項1乃至3の発明を
本願第1発明乃至本願第3発明と言い、これらを総括す
る場合には、単に本発明と言う。また、上記項4、5お
よび6については、本願第1発明に関連して説明する。
【0033】本願第1発明において、出発原料として使
用する化合物は、一般式
【0034】
【化19】
【0035】(式中、R1 、R2 およびR3 は、それぞ
れ同一或いは相異なって、水素原子、アルキル基、アリ
ール基、アルコキシ基またはアミノ基を表わし、Xは、
ハロゲン原子を表わす)で示されるハロシランと一般式
【0036】
【化20】
【0037】(式中、R4 、R5 およびR6 は、それぞ
れ同一或いは相異なって、水素原子、アルキル基、アリ
ール基、アルコキシ基またはアミノ基を表わし、Xは、
ハロゲン原子を表わす)で示されるハロゲルマンとであ
る。
【0038】本願第1発明における反応生成物は、一般
【0039】
【化21】
【0040】(式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5
よびR6 は、上記に同じ。)で示されるSi−Ge結合
を有する化合物である。
【0041】一般式(1)で示されるハロシランにおい
て、R1 、R2 およびR3 は、それぞれが相異なってい
ても良く、或いは2個以上が同一であっても良い。アル
キル基としては、炭素数1〜10程度のものが挙げら
れ、これらの中でも炭素数1〜6のものがより好まし
い。アリール基としては、フェニル基、炭素数1〜6の
アルキル基の少なくとも1種を置換基として有する置換
フェニル基、p−アルコキシフェニル基、ナフチル基な
どが挙げられる。アルコキシ基としては、炭素数1〜1
0程度のものが挙げられ、これらの中でも炭素数1〜6
のものがより好ましい。R1 、R2 およびR3 が上記の
アミノ基および有機置換基である場合には、その水素原
子の少なくとも1個が他のアルキル基、アリール基、ア
ルコキシ基などの官能基により置換されていても良い。
【0042】また、一般式(1)において、Xは、ハロ
ゲン原子(Cl,F,Br,I)を表わす。ハロゲン原
子としては、Clがより好ましい。
【0043】ハロシランは、できるだけ高純度であるこ
とが好ましく、例えば、使用前に蒸留して使用すること
が好ましい。例えば、液体のハロシランについては、水
素化カルシウムにより乾燥し、蒸留して使用することが
好ましく、固体のハロシランについては、再結晶法によ
り精製し、使用することが好ましい。
【0044】一般式(2)で示されるハロゲルマンにお
いても、R4 、R5 およびR6 は、それぞれが相異なっ
ていても良く、或いは2個以上が同一であっても良い。
アルキル基としては、炭素数1〜10程度のものが挙げ
られ、これらの中でも炭素数1〜6のものがより好まし
い。アリール基としても、フェニル基、炭素数1〜6の
アルキル基の少なくとも1種を置換基として有する置換
フェニル基、p−アルコキシフェニル基、ナフチル基な
どが挙げられる。アルコキシ基としては、炭素数1〜1
0程度のものが挙げられ、これらの中でも炭素数1〜6
のものがより好ましい。Rが上記のアミノ基および有機
置換基である場合には、その水素原子の少なくとも1個
ががさらに他のアルキル基、アリール基。アルコキシ基
などの官能基により置換されていても良い。
【0045】また、一般式(2)においても、Xは、ハ
ロゲン原子(Cl,F,Br,I)を表わす。ハロゲン
原子としては、Clがより好ましい。
【0046】一般式(2)で示されるハロゲルマンも、
一般式(1)で示されるハロシランに対して行なうと同
様の精製操作に供することが好ましい。
【0047】一般式(2)で示されるハロゲルマンは、
一般に市販品として入手可能であるが、例えば、グリニ
ャール試薬によるテトラクロロゲルマンの求核置換反応
(J.Am.Chem.Soc.,Vol82,3016-18(1960)) などにより、
合成することができる。
【0048】本願第1発明においては、一般式(1)で
表わされる化合物の1種または2種以上と一般式(2)
で表わされる化合物の1種または2種以上とを使用する
ことができる。
【0049】本願第1発明における反応に際しては、一
般式(1)で表わされる化合物と一般式(2)で表わさ
れる化合物とを溶媒に溶解して使用する。両化合物の混
合割合は、通常化合物(1):化合物(2)=100:
20〜500の範囲にあり、100:50〜200程度
とすることがより好ましい。この混合割合を外れる場合
には、反応生成物(3)の単位量当たりの通電量が増加
して、電流効率が低下する。
【0050】本発明で使用する溶媒としては、非プロト
ン性の溶媒が広く使用でき、より具体的には、テトラヒ
ドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メ
トキシエチル)エーテル、p−ジオキサン、プロピレン
カーボネート、アセトニトリル、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシド、塩化メチレンなどが例示さ
れる。これらの溶媒は、単独でも、或いは2種以上の混
合物としても使用できる。溶媒としては、テトラヒドロ
フランおよび1,2−ジメトキシエタンがより好まし
い。溶媒中の化合物(1)と化合物(2)との混合物の
濃度が、低すぎる場合には、電流効率が低下するのに対
し、高すぎる場合には、支持電解質が溶解しないことが
ある。したがって、溶媒中の原料混合物の濃度は、通常
0.05〜6mol/l程度であり、より好ましくは0.1
〜3mol/l程度であり、特に好ましくは0.3〜1.5
mol/l程度である。
【0051】本発明で使用する支持電解質としては、過
塩素酸ナトリウム、過塩素酸リチウムなどの過塩素酸ア
ルカリ金属;過塩素酸テトラ−n−ブチルアンモニウム
などの過塩素酸テトラアルキルアンモニウムなどの過塩
素酸塩を使用する。これらの支持電解質は、単独で使用
しても良く、或いは2種以上を併用しても良い。これら
支持電解質の中でも、過塩素酸リチウムが最も好まし
い。支持電解質の濃度は、低すぎる場合には、反応溶液
に与えられるイオン導電性が低いために反応が十分に進
行しなくなるのに対し、高すぎる場合には、電流が流れ
過ぎて反応に必要な電位が得られなくなる。したがっ
て、溶媒中の支持電解質の濃度は、通常0.05〜5mo
l/l程度であり、より好ましくは0.1〜3mol/l程度
であり、特に好ましくは0.3〜1mol/l程度である。
【0052】本願第1発明においては、一方の極として
Mg、CuおよびAlのいずれかまたはこれらの金属を
主成分とする合金を使用し、他方の極として、これらと
同種または異種の導電性材料(Ni、Co、Ptなど)
を使用する。特に陽極の材料としては、Mg、Alまた
はこれらの金属を主成分とする合金がより好ましく、M
gが最も好ましい。電極の形状は、通電を安定して行な
い得る限り特に限定されないが、棒状、板状、筒状、板
状体をコイル状に巻いたものなどが好ましい。電極の表
面からは、あらかじめ酸化被膜を出来るだけ除去してお
くことが好ましい。電極からの酸化被膜の除去は、任意
の方法で行えば良く、例えば、電極を酸により洗浄した
後、エタノールおよびエーテルなどにより洗浄し、減圧
下に乾燥する方法、窒素雰囲気下に電極を研磨する方
法、あるいはこれらの方法を組み合わせた方法などによ
り行なうことが出来る。
【0053】本願第1発明を実施するに際しては、2つ
の電極を設置した密閉可能な反応容器に一般式(1)お
よび(2)で表わされる化合物の混合物および支持電解
質を溶媒とともに収容し、好ましくは機械的もしくは磁
気的に攪拌しつつ、所定量の電流を通電することによ
り、電極反応を行わせる。反応容器内は、乾燥雰囲気で
あれば良いが、乾燥した窒素または不活性ガス雰囲気で
あることがより好ましく、さらに脱酸素し、乾燥した窒
素または不活性ガス雰囲気であることが最も好ましい。
通電量は、原料混合物中のハロゲン原子を基準として、
通常1〜5F/モル程度であり、より好ましくは1.8
〜3.2F/モル程度である。反応時間は、原料の量、
支持電解質の量に関係する電解液の抵抗などにより異な
るが、通常0.5〜100時間程度、例えば、原料の濃
度が1.0モル/lにおいては20〜30時間程度であ
る。
【0054】本願第1発明においては、2つの電極の極
性を一定の時間間隔で切り替えることにより、反応効率
を大幅に改善することができる。極性の切り替えは、通
常1秒乃至10分間程度の間隔で行ない、より好ましく
は10秒乃至3分間程度の間隔で行なう。極性の切替え
を行なうことにより、反応時間が短縮されるなどの点で
反応効率が改善される。また、両電極を同種の材料で構
成すること場合には、電極の消耗が少なくなるので、好
ましい。
【0055】また、反応中の電極の極性の切替えを任意
の時間間隔で行なっても良い。すなわち、1秒乃至10
分間の範囲内において、反応中に任意の時間間隔で電極
の極性を切り替えても良い。例えば、反応の進行ととも
に時間間隔を短縮したり、或いは延長したりすることが
できる。また、この時間間隔の変更は、規則的に或いは
ランダムに行なうことができる。
【0056】本願第1発明においては、反応時間を短縮
するために、反応容器または反応液に対し、超音波を照
射しても良い。電極反応中の超音波の照射方法は、特に
限定されるものではないが、反応器を超音波浴槽に収容
して照射する方法、反応器内に超音波発振子を装入して
照射する方法などが例示される。超音波の振動数は、1
0〜70kHz程度とすることが好ましい。超音波の出
力は、原料の種類、反応溶液の量、反応容器および電極
の形状および大きさ、電極の材質および表面積などの反
応条件に応じて適宜定めれば良いが、通常反応液1リッ
トル当り0.01〜24kW程度の範囲内にある。この
様な超音波照射により、反応時間が大巾に短縮されて、
超音波を照射しない場合の1/3〜2/3程度となると
ともに、分子量が高まり、収率も著しく向上する。
【0057】本願第1発明においては、反応時の温度
は、通常−20℃から使用する溶媒に沸点以下までの温
度範囲であれば良い。
【0058】本願第1発明においては、通常の電極還元
反応においては必須とされている隔膜を使用する必要が
なく、操作が簡便となり、有利である。
【0059】本願第2発明において、出発原料として使
用する化合物は、一般式
【0060】
【化22】
【0061】(式中、R1 、R2 およびR3 ならびにX
は、前記に同じ。)で示されるハロシランと一般式
【0062】
【化23】
【0063】(式中、R7 およびR8 ならびにXは、前
記に同じ)で示されるジハロゲルマンとである。
【0064】本願第2発明で得られる反応生成物は、一
般式
【0065】
【化24】
【0066】(式中、R1 、R2 、R3 、R7 およびR
8 は、Rは前記に同じ。)で示される化合物である。
【0067】一般式(4)で示されるジハロゲルマンに
おいて、ハロゲン原子としては、Clがより好ましい。
【0068】一般式(4)で示されるジハロゲルマン
も、一般に市販品として入手可能であるが、例えば、グ
リニャール試薬によるテトラクロロゲルマンの求核置換
反応(J.Am.Chem.Soc.,Vol82,3016-18(1960)) 、塩化ア
ルミニウムによるテトラアルキルゲルマンとテトラクロ
ロゲルマンとの不均化反応(J.Poly.Sci. :Poly.Chem.
Ed.Vol25,111-25(1987))などにより、合成することが
できる。
【0069】本願第2発明は、出発原料として一般式
(1)で表わされる化合物の1種または2種以上と一般
式(4)で表わされる化合物の1種または2種以上とを
使用し且つ対応する反応生成物が生成する以外の点で
は、反応条件などにおいて本願第1発明と実質的に異な
るところはない。
【0070】本願第3発明において、出発原料として使
用する化合物は、一般式
【0071】
【化25】
【0072】(式中、R4 、R5 およびR6 ならびにX
は、前記に同じ。)で示されるハロゲルマンと一般式
【0073】
【化26】
【0074】(式中、R9 、R10およびXは、前記に同
じ。)で示されるジハロシランとである。
【0075】本願第3発明で得られる反応生成物は、一
般式
【0076】
【化27】
【0077】(式中、R4 、R5 、R6 、R9 およびR
10は、前記に同じ。)化合物である。
【0078】本願第3発明は、出発原料として一般式
(2)で表わされる化合物の1種または2種以上と一般
式(6)で表わされる化合物の1種または2種以上とを
使用し且つ対応する反応生成物が生成する以外の点で
は、反応条件などにおいて本願第1発明と実質的に異な
るところはない。
【0079】なお、本発明において、Si−O−Ge結
合を有する化合物の副生を抑制するために、溶媒および
支持電解質中の水分を予め除去しておくことが望まし
い。例えば、溶媒としてテトラヒドロフラン或いは1,
2−ジメトキシエタンを使用する場合には、ナトリウム
−ベンゾフェノンケチルなどによる乾燥を予め行なって
おくことが好ましい。また、支持電解質の場合には、減
圧加熱による乾燥、或いは水分と反応しやすく且つ容易
に除去し得る物質(例えば、トリメチルクロロシランな
ど)の添加による水分除去を行なっておくことが好まし
い。
【0080】
【発明の効果】本発明によれば、下記の様な顕著な効果
が達成される。
【0081】(a)常温近くの温和な条件下に反応を行
なうことができ、且つ反応温度を厳密に制御する必要は
ないので、簡便にSi−Ge結合を有する化合物を製造
することができる。
【0082】(b)アルカリ金属或いは水銀を使用しな
いので、操作性および安全性に優れ、環境汚染の危険性
を回避し得る。
【0083】(c)隔膜の使用を必要としないので、隔
膜が目詰まりを起こすこともなく、操作が簡便である。
【0084】(d)電極反応時に超音波の照射を行なう
場合には、反応時間を1/2程度に大幅に減少させるこ
とができる。
【0085】(e)Si−O−Ge結合を有する化合物
の生成を大幅に抑制することができる。
【0086】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明の特徴とすると
ころをより一層明確にする。
【0087】実施例1 三方コックおよびMg電極(1cm×1cm×5cm;その表
面を希塩酸で洗浄した後、エタノールおよびアセトンで
洗浄し、減圧乾燥し、窒素雰囲気下に研磨して、表面の
酸化被膜を除去した)2個を装着した内容積30mlの3
つ口フラスコ(以下反応器という)に無水過塩素酸リチ
ウム1gを収容し、50℃、1mmHgに加熱減圧して(6
時間)、過塩素酸リチウムを乾燥した後、脱酸素した乾
燥窒素を反応器内に導入し、さらに予めナトリウム−ベ
ンゾフェノンケチルで乾燥したテトラヒドロフラン15
mlを加えた。これにクロロトリメチルゲルマン0.7ml
およびクロロジメチルフェニルシラン1.7mlを加え
た。この反応器を出力60W、周波数45KHzの超音
波洗浄器に浸漬し、ウォーターバスにより反応器を室温
に保持しつつ、定電圧電源により通電した。この際、コ
ミュテーターを使用して、2つの電極の極性を15秒毎
に変換しつつ、原料中の塩素を基準として3F/mol の
通電量となる様に12時間通電した。
【0088】反応終了後、反応溶液を1N塩酸60mlに
加えた後、エーテルで抽出し、次いで蒸留して生成物を
単離した(沸点90℃、30mmHg)。
【0089】生成物を分析したところ、ジメチルフェニ
ルシリルトリメチルゲルマンがクロロトリメチルゲルマ
ンを基準として66%の収率で得られており、良好な収
率でSi−Ge結合を有する化合物が生成していること
が確認された。
【0090】実施例2 超音波を照射しない以外は実施例1と同様にして電極反
応を行なった。
【0091】通電開始後27時間の時点でジメチルフェ
ニルシリルトリメチルゲルマンがクロロトリメチルゲル
マンを基準として54%の収率で得られた。
【0092】実施例3 一般式(1)で示される原料化合物としてクロロトリフ
ェニルシラン10mmolを使用する以外は実施例1と同様
にして電極反応を行なった。
【0093】生成物を分析したところ、トリフェニルシ
リルトリメチルゲルマンがクロロトリメチルゲルマンを
基準として60%の収率で得られていることが判明し
た。
【0094】実施例4 一般式(2)で示される原料化合物としてクロロトリメ
チルゲルマン5mmolと一般式(6)で示される原料化合
物としてジクロロジフェニルシラン5mmolとを使用する
以外は実施例1と同様にして電極反応を行なった。
【0095】生成物を分析したところ、ビス(トリメチ
ルゲルミル)ジフェニルシランが、クロロトリメチルゲ
ルマンを基準として20%の収率で得られていることが
判明した。
【0096】実施例5 一般式(1)で示される原料化合物としてクロロトリメ
チルシラン10mmolと一般式(4)で示される化合物と
してジクロロジフェニルゲルマン5mmolとを使用する以
外は実施例1と同様にして電極反応を行なった。通電時
間は、約18時間であった。
【0097】生成物を分析したところ、ビス(トリメチ
ルシリル)ジフェニルゲルマンが収率25%で生成して
いることが確認された。
【0098】実施例6 両方の電極をAl(1cm×0.1cm×5cm)により構成
する以外は実施例1と同様にして電極反応を行なった。
通電時間は、約18時間であった。
【0099】その結果、ジメチルフェニルシリルトリメ
チルゲルマンが収率48%で生成していることが確認さ
れた。
【0100】実施例7 陽極としてMg(1cm×1cm×5cm)を使用し、陰極と
してNi(1cm×0.1cm×5cm)を使用し、電極の極
性を切り替えない以外は実施例1と同様にして電極反応
を行なった。
【0101】生成物を分析したところ、ジメチルフェニ
ルシリルトリメチルゲルマンが収率57%で生成してい
ることが確認された。
【0102】実施例8 支持電解質として過塩素酸テトラ−n−ブチルアンモニ
ウムを使用する以外は実施例1と同様にして電極反応を
行なった。通電時間は、約15時間であった。生成物を
分析したところ、ジメチルフェニルシリルトリメチルゲ
ルマンが収率35%で生成していることが確認された。
【0103】実施例9 溶媒として予めナトリウム−ベンゾフェノンケチルによ
り乾燥した1,2−ジメトシキエタン15mlを使用す
る以外は実施例1と同様にして電極反応を行なった。通
電時間は、約14時間であった。
【0104】生成物を分析したところ、ジメチルフェニ
ルシリルトリメチルゲルマンが収率51%で生成してい
ることが確認された。
【0105】実施例10 一般式(1)で示される原料化合物として、メチルジメ
トキシクロロシランを使用する以外は実施例1と同様に
して電極反応を行なった。通電時間は、約18時間であ
った。
【0106】生成物を分析したところ、メチルジメトキ
シシリルトリメチルゲルマンが収率30%で生成してい
ることが確認された。
【0107】実施例11 一般式(2)で示される原料化合物として、メチルジメ
トキシクロロゲルマンを使用する以外は実施例1と同様
にして電極反応を行なった。通電時間は、約18時間で
あった。
【0108】生成物を分析したところ、ジメチルフェニ
ルシリルメチルジメトキシゲルマンが収率25%で生成
していることが確認された。
【0109】実施例12 2つの電極の極性を切り替えない以外は実施例1と同様
にして電極反応を行なった。通電時間は、約18時間で
あった。
【0110】生成物を分析したところ、ジメチルフェニ
ルシリルトリメチルゲルマンが収率55%で生成してい
ることが確認された。
【0111】実施例13 超音波を照射せず、且つ2つの電極の極性を切り替えな
い以外は実施例1と同様にして電極反応を行なった。通
電時間は、約40時間であった。
【0112】生成物を分析したところ、ジメチルフェニ
ルシリルトリメチルゲルマンが収率22%で生成してい
ることが確認された。
【0113】実施例14 1F/molの通電量となる時点までコミュテーターに
よる電極の極性変換間隔を1分間とし、それ以降の極性
変換間隔を15秒とする以外は実施例1と同様にして電
極反応を行なった。通電時間は、約14時間であった。
【0114】その結果、ジメチルフェニルシリルトリメ
チルゲルマンが、収率62%で生成していることが確認
された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西田 亮一 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2 号 大阪瓦斯株式会社内 (72)発明者 村瀬 裕明 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2 号 大阪瓦斯株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−306483(JP,A) 特開 平5−306340(JP,A) 特開 平5−306341(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C25B 1/00 - 15/08 C07F 7/30

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Si−Ge結合を有する化合物の製造方法
    であって、一般式 【化1】 (式中、R1 、R2 およびR3 は、それぞれ同一或いは
    相異なって、水素原子、アルキル基、アリール基、アル
    コキシ基またはアミノ基を表わし、Xは、ハロゲン原子
    を表わす)で示されるハロシランと一般式 【化2】 (式中、R4 、R5 およびR6 は、それぞれ同一或いは
    相異なって、水素原子、アルキル基、アリール基、アル
    コキシ基またはアミノ基を表わし、Xは、ハロゲン原子
    を表わす)で示されるハロゲルマンとを超音波の照射下
    若しくは非照射下に、支持電解質として過塩素酸塩を使
    用し、溶媒として非プロトン性溶媒を使用し、少なくと
    も一方の極としてMg、CuまたはAlを使用する電極
    反応に供することにより、一般式 【化3】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 およびR6 は、
    上記に同じ。)で示されるSi−Ge結合を有する化合
    物を製造する方法。
  2. 【請求項2】Si−Ge結合を有する化合物の製造方法
    であって、一般式 【化4】 (式中、R1 、R2 およびR3 は、それぞれ同一或いは
    相異なって、水素原子、アルキル基、アリール基、アル
    コキシ基またはアミノ基を表わし、Xは、ハロゲン原子
    を表わす)で示されるハロシランと一般式 【化5】 (式中、R7 およびR8 は、それぞれ同一或いは相異な
    って、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ
    基またはアミノ基を表わし、Xは、ハロゲン原子を表わ
    す)で示されるジハロゲルマンとを超音波の照射下若し
    くは非照射下に、支持電解質として過塩素酸塩を使用
    し、溶媒として非プロトン性溶媒を使用し、少なくとも
    一方の極としてMg、CuまたはAlを使用する電極反
    応に供することにより、一般式 【化6】 (式中、R1 、R2 、R3 、R7 およびR8 は、上記に
    同じ。)で示されるSi−Ge結合を有する化合物を製
    造する方法。
  3. 【請求項3】Si−Ge結合を有する化合物の製造方法
    であって、一般式 【化7】 (式中、R4 、R5 およびR6 は、それぞれ同一或いは
    相異なって、水素原子、アルキル基、アリール基、アル
    コキシ基またはアミノ基を表わし、Xは、ハロゲン原子
    を表わす)で示されるハロゲルマンと 【化8】 (式中、R9 およびR10は、それぞれ同一或いは相異な
    って、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ
    基またはアミノ基を表わし、Xは、ハロゲン原子を表わ
    す)で示されるジハロシランとを超音波の照射下若しく
    は非照射下に、支持電解質として過塩素酸塩を使用し、
    溶媒として非プロトン性溶媒を使用し、少なくとも一方
    の極としてMg、CuまたはAlを使用する電極反応に
    供することにより、一般式 【化9】 (式中、R4 、R5 、R6 、R9 およびR10は、上記に
    同じ。)で示されるSi−Ge結合を有する化合物を製
    造する方法。
  4. 【請求項4】陽極としてMg、CuまたはAlを使用す
    る請求項1、2または3に記載の方法。
  5. 【請求項5】一定の時間間隔で電極の切り替えを行なう
    請求項1、2または3に記載の方法。
  6. 【請求項6】任意の時間間隔で電極の切り替えを行なう
    請求項1、2または3に記載の方法。
JP04111709A 1992-03-05 1992-04-30 Si−Ge結合を有する化合物の製造方法 Expired - Lifetime JP3120160B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04111709A JP3120160B2 (ja) 1992-03-05 1992-04-30 Si−Ge結合を有する化合物の製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4876992 1992-03-05
JP4-48769 1992-03-05
JP04111709A JP3120160B2 (ja) 1992-03-05 1992-04-30 Si−Ge結合を有する化合物の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05331674A JPH05331674A (ja) 1993-12-14
JP3120160B2 true JP3120160B2 (ja) 2000-12-25

Family

ID=12812489

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP04111709A Expired - Lifetime JP3120160B2 (ja) 1992-03-05 1992-04-30 Si−Ge結合を有する化合物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3120160B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3413334B1 (de) * 2017-06-01 2020-09-09 Evonik Operations GmbH Neue chlorsilylarylgermane, verfahren zu deren herstellung und deren verwendung
ES2874228T3 (es) * 2018-11-14 2021-11-04 Evonik Operations Gmbh Tetraquis(triclorosilil)germano, procedimiento para su producción

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05331674A (ja) 1993-12-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3028348B2 (ja) ポリシランの製造方法
JP3016087B2 (ja) ジシランの製造方法
JP3120160B2 (ja) Si−Ge結合を有する化合物の製造方法
JP3120161B2 (ja) ジゲルマンの製造方法
JP3118597B2 (ja) ポリゲルマンの製造方法
JP3089333B2 (ja) シランゲルマンコポリマーの製造方法
JP3215889B2 (ja) シリコンネットワークポリマーの製造方法
JP3291564B2 (ja) Si−Si結合を骨格とする網目状ポリマーの製造方法
JP3184907B2 (ja) Si−Si結合を骨格とする網目状ポリマーを製造する方法
JP3343693B2 (ja) フェノール基を有するポリシランの製造方法
JPH07316860A (ja) Si−Ge結合を有する化合物の製造方法
JPH05301966A (ja) ゲルマニウム系高分子材料の製造方法
JPH05310948A (ja) Ge−Si系一次元超格子化合物の製造方法
JPH0673180A (ja) ポリシランの製造方法
JPH07252272A (ja) 有機ケイ素化合物とその製造方法
JP3028349B2 (ja) Si−Si結合を主鎖に含むポリマーの製造方法
JPH05247217A (ja) シリコンネットワークポリマーの製造方法
JPH05247218A (ja) Si−Si結合を骨格とする網目状ポリマーの製造方法
JPH0673181A (ja) ポリシランの製造方法
JPH05301964A (ja) ゲルマニウム系高分子材料を製造する方法
JP3538686B2 (ja) Si−Si結合を骨格とする網目状ポリマーを製造する方法
JPH05301965A (ja) ゲルマニウム系高分子材料を製造する方法
JPH06256524A (ja) フェノール基を有するポリシランの製造方法
JPH09241267A (ja) 有機ケイ素化合物とその製造方法
JP2970257B2 (ja) ポリシランの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111020

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121020

Year of fee payment: 12

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121020

Year of fee payment: 12