JP3538686B2 - Si−Si結合を骨格とする網目状ポリマーを製造する方法 - Google Patents

Si−Si結合を骨格とする網目状ポリマーを製造する方法

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JP3538686B2
JP3538686B2 JP00637795A JP637795A JP3538686B2 JP 3538686 B2 JP3538686 B2 JP 3538686B2 JP 00637795 A JP00637795 A JP 00637795A JP 637795 A JP637795 A JP 637795A JP 3538686 B2 JP3538686 B2 JP 3538686B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、Si−Si結合を骨格とする網
目状ポリマーの製造方法に関する。
【0002】
【従来技術とその問題点】Si−Si結合を骨格とする
網目状ポリマーは、セラミックス前駆体、光・電子材料
などの有用な材料として注目されている。すなわち、こ
のポリマーは、シリコンネットワークポリマーと同様の
優れた耐熱安定性を有しており、また、光・電子機能に
おいては、ポリシランと同様の性能を有するという両材
料の性質を兼ね備えた複合的な機能を有している。
【0003】直鎖状ポリシランは、300nm付近の紫
外吸収を示し、光・電子機能性材料として期待されてい
る。しかしながら、この材料は、通常500℃以上に加
熱すると分解するので、耐熱性に難点がある{Polymer
Preprints,Japan,Vol.40,No.10,3781-3783(1991)}。こ
の様な問題点を解決するために、一定範囲の分子量を有
し、両端にハロゲン原子を有する直鎖状のポリシランを
まず合成し、これをトリハロシランまたはテトラハロシ
ランにより架橋させて網目状ポリマーを合成する方法が
考えられる。
【0004】この様な方法として、ジハロシラン類を原
料とし、これを電極としてMgなどの金属を使用し、支
持電解質として過塩素酸リチウムなどを使用し、溶媒と
してテトラヒドロフラン(THF)を使用する電極反応
に供し、両端にハロゲン原子を有し、一定範囲の重合度
を有する直鎖状ポリシランを製造した後、同じ反応系内
にトリハロシランおよびテトラハロシランの少なくとも
1種を添加し、引き続き電極反応を行って、所望のSi
−Si結合を骨格とする網目状ポリマーを製造する方法
が提案されている(特開平5−230218号公報)。
【0005】この方法は、安全な金属を陽極に用い、且
つ活性な電極還元系を提供しており、環境汚染の危険性
なく、操作性良好に、高収率で分子量の揃った高分子量
のSi−Si結合を骨格とする網目状ポリマーを製造で
きるという利点を有している。しかしながら、この方法
において、支持電解質として使用する過塩素酸リチウム
などの過塩素酸塩は、高価であり、またその取扱いに
も、注意が必要であることから、安価で且つ取り扱いが
容易な支持電解質を使用する新たな反応系の出現が求め
られていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の主な
目的は、分子量が揃ったSi−Si結合を骨格とする網
目状ポリマー類を、高収率で操作性よく、安全かつ安価
に製造し得る新たな方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の如き
従来技術の現状に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、ジハロ
シランを特定の金属を陽極として用い、特定の溶媒およ
び特定の支持電解質を用いて電極反応に供することによ
って、まず両端にハロゲン原子を有し、一定範囲の重合
度を有する直鎖状ポリシランを製造した後、同じ反応系
にトリハロシランおよびテトラハロシランの少なくとも
1種を添加し、引き続き電極反応を行う場合には、従来
技術の問題点が実質的に解消されるか乃至は大幅に軽減
されることを見出した。
【0008】また、通電助剤として特定の化学物質を反
応系に添加する場合には、通電性が大幅に改善されて、
ポリシランの製造に必要な時間が大幅に短縮されること
を見出した。
【0009】すなわち、本発明は、下記のSi−Si結
合を骨格とする網目状ポリマーの製造方法を提供するも
のである: 1.Si−Si結合を骨格とする網目状ポリマーを製造
する方法であって、(a)一般式
【0010】
【化15】
【0011】(式中mは、1〜3である:Rは、水素原
子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアミ
ノ基を表す。m=1の場合には2つのRが、m=2の場
合には4つのRが、m=3の場合は6つのRが、それぞ
れ同一でもあるいは2つ以上が相異なっていてもよい:
Xは、ハロゲン原子を表す)で示されるジハロシランを
MgまたはMg系合金を陽極とし、Li塩を支持電解質
とし、溶媒として非プロトン性溶媒を使用する電極反応
に供することにより、一般式
【0012】
【化16】
【0013】(式中RおよびXは、出発原料に対応して
上記に同じ:nは、10〜1000である)で示される
両端にハロゲンを有する直鎖状ポリシランを形成させる
工程、および(b)一般式(2)で示される上記の直鎖
状ポリシランを含む反応系に一般式
【0014】
【化17】
【0015】(式中Rは、水素原子、アルキル基、アリ
ール基、アルコキシ基またはアミノ基を表す:Xは、ハ
ロゲン原子を表す)で示されるトリハロシランおよび/
または一般式
【0016】
【化18】
【0017】(式中Xは、ハロゲン原子を表す)で示さ
れるテトラハロシランをそのまま添加し、電極反応に供
することにより、一般式
【0018】
【化19】
【0019】(式中Rおよびnは、出発原料に対応して
上記に同じ。)で示される構造単位と一般式
【0020】
【化20】
【0021】(式中Rは、出発原料に対応して上記に同
じ。)で示される構造単位および/または一般式
【0022】
【化21】
【0023】で示される構造単位とからなるSi−Si
結合を骨格とする網目状ポリマーを形成させる工程を備
えたことを特徴とする方法。
【0024】2.Si−Si結合を骨格とする網目状ポ
リマーを製造する方法であって、(a)一般式
【0025】
【化22】
【0026】(式中mは、1〜3である:Rは、水素原
子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアミ
ノ基を表す。m=1の場合には2つのRが、m=2の場
合には4つのRが、m=3の場合は6つのRが、それぞ
れ同一でもあるいは2つ以上が相異なっていてもよい:
Xは、ハロゲン原子を表す)で示されるジハロシランを
MgまたはMg系合金を陽極とし、Li塩を支持電解質
とし、Al塩、Fe塩、Mg塩、Zn塩、Sn塩、Co
塩、Pd塩、V塩、Cu塩またはCa塩を通電助剤と
し、溶媒として非プロトン性溶媒を使用する電極反応に
供することにより、一般式
【0027】
【化23】
【0028】(式中RおよびXは、出発原料に対応して
上記に同じ:nは、10〜1000である)で示される
両端にハロゲンを有する直鎖状ポリシランを形成させる
工程、および(b)一般式(2)で示される上記の直鎖
状ポリシランを含む反応系に一般式
【0029】
【化24】
【0030】(式中Rは、水素原子、アルキル基、アリ
ール基、アルコキシ基またはアミノ基を表す:Xは、ハ
ロゲン原子を表す)で示されるトリハロシランおよび/
または一般式
【0031】
【化25】
【0032】(式中Xは、ハロゲン原子を表す)で示さ
れるテトラハロシランをそのまま添加し、電極反応に供
することにより、一般式
【0033】
【化26】
【0034】(式中Rおよびnは、出発原料に対応して
上記に同じ。)で示される構造単位と一般式
【0035】
【化27】
【0036】(式中Rは、出発原料に対応して上記に同
じ。)で示される構造単位および/または一般式
【0037】
【化28】
【0038】で示される構造単位とからなるSi−Si
結合を骨格とする網目状ポリマーを形成させる工程を備
えたことを特徴とする方法。
【0039】3.支持電解質として、LiClを使用す
る上記項1または2に記載の方法。
【0040】4.通電助剤として、AlCl3、FeC
2、FeCl3、CoCl2またはCuCl2を使用する
上記項2または3に記載の方法。
【0041】以下において、「請求項1および2に記載
された発明」をそれぞれ本願第1発明および本願第2発
明といい、両発明を総括して単に本願発明という。
【0042】1.本願第1発明 本願第1発明の工程(a)において、出発原料として使
用するジハロシランは、一般式
【0043】
【化29】
【0044】(式中、mは、1〜3である:Rは、水素
原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはア
ミノ基を表す。m=1の場合には2つのRが、m=2の
場合には4つのRが、m=3の場合は6つのRが、それ
ぞれ同一でもあるいは2つ以上が相異なっていてもよ
い:Xはハロゲン原子を表す)で示されるジハロシラン
である。
【0045】一般式(1)で示されるジハロシランにお
いて、mは、1〜3であり、Rで示される水素原子、ア
ミノ基および有機置換基(アルキル基、アリール基、ア
ルコキシ基、アミノ基)は、それぞれが同一であっても
よく、2つ以上が相異なっていても良い。より具体的に
は、m=1の場合には2つのRが、m=2の場合には4
つのRが、m=3の場合には6つのRが、それぞれ同一
であっても或いは2つ以上が相異なっていても良い。
【0046】一般式(1)で表される化合物としては、
mが1または2であることが、より好ましい。アルキル
基としては、炭素数1〜10程度のものが挙げられ、こ
れらの中でも炭素数1〜6のものがより好ましい。アリ
ール基としては、フェニル基、炭素数1〜6個のアルキ
ル基を1つ以上置換基として有するフェニル基、p−ア
ルコキシフェニル基、ナフチル基などが挙げられる。ア
ルコキシ基としては、炭素数1〜10程度のものが挙げ
られ、これらの中でも炭素数1〜6のものがより好まし
い。Rが上記のアミノ基および有機置換基である場合に
は、その水素原子の少なくとも1つが、他のアルキル
基、アリール基、アルコキシ基などの官能基により置換
されていても良い。この様な官能基としては、上記と同
様なものが挙げられる。
【0047】また、一般式(1)において、Xは、ハロ
ゲン原子(Cl,F,Br,I)を表す。ハロゲン原子
としては、Clがより好ましい。
【0048】本願第1発明の工程(a)においては、一
般式(1)で表されるジハロシランの1種を単独で使用
しても良く、或いは2種を混合使用しても良い。ジハロ
シランは、できるだけ高純度のものであることが好まし
く、例えば、液体のジハロシランについては、水素化カ
ルシウムにより乾燥し、蒸留して使用することが好まし
く、また、固体のジハロシランについては、再結晶法に
より、精製し、使用することが好ましい。
【0049】本願第1発明の工程(a)において得られ
る反応生成物は、一般式
【0050】
【化30】
【0051】(式中RおよびXは、前記に同じであり、
2つのRは、同一でも或いは相異なっていてもよい。)
で示される両端にハロゲン原子を有する直鎖状ポリシラ
ンである。
【0052】本願第1発明の工程(a)における反応に
際しては、一般式(1)で示されるジハロシランを溶媒
に溶解して使用する。
【0053】溶媒としては、非プロトン性溶媒が広く使
用でき、より具体的には、テトラヒドロフラン、1,2
−ジメトキシエタン、プロピレンカーボネート、アセト
ニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシ
ド、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、p−ジオキ
サン、塩化メチレンなどのエーテル系の溶媒が例示され
る。これらの溶媒は、単独でも、或いは2種以上の混合
物としても使用できる。溶媒としては、テトラヒドロフ
ランおよび1,2−ジメトキシエタンがより好ましい。
溶媒中のジハロシランの濃度は、低すぎる場合には、電
流効率が低下するのに対し、高すぎる場合には、支持電
解質が溶解しないことがある。従って、溶媒中のジハロ
シランの濃度は、通常0.05〜20mol/l程度で
あり、より好ましくは0.2〜15mol/l程度であ
り、特に好ましくは0.3〜13mol/l程度であ
る。
【0054】本願第1発明の工程(a)で使用する支持
電解質としては、LiCl、LiNO3、Li2CO3
どの安価なリチウム塩が例示される。これらの支持電解
質は、単独で使用しても良く、或いは2種以上を併用し
ても良い。これら支持電解質の中でも、LiClが最も
好ましい。
【0055】支持電解質の濃度は、低すぎる場合には、
通電が困難乃至不可能となって反応が進行しないのに対
し、高すぎる場合には、還元されて析出したリチウムの
量が多すぎて、所望の生成物である直鎖状ポリシランの
Si−Si主鎖結合が開裂して、その分子量が低下す
る。従って、溶媒中の支持電解質の濃度は、通常0.0
5〜5mol/l程度であり、より好ましくは0.1〜
3mol/l程度であり、特に好ましくは0.15〜
2.0mol/l程度である。
【0056】本願第1発明の工程(a)においては、陽
極として、MgまたはMgを主成分とする合金を使用す
る。Mgを主成分とする合金としては、例えばAlを3
〜10%程度含有するものが挙げられる。また、JIS
H 6125−1961に規定されている1種(MG
A1)、2種(MGA2、通称AZ63)、3種(MG
A3)などが挙げられる。陰極としては、電流を通じ得
る物質であれば特に限定されないが、SUS304、3
16などのステンレス鋼;Mg、Cu、Zn、Sn、A
l、Ni、Coなどの各種金属類;炭素材料などが例示
される。電極の形状は、通電を安定して行いうる限り特
に限定されないが、棒状、板状、筒状、円錐状、円盤
状、球状体乃至ペレットをバスケットに収容したもの、
板状体をコイル状に巻いたものなどが好ましい。電極表
面の酸化被膜は、必要ならば、予め除去しておく。電極
からの酸化被膜の除去は、任意の方法で行えばよく、例
えば、電極を酸により洗浄した後、エタノールおよびエ
ーテルなどにより洗浄し、減圧下に乾燥する方法、窒素
雰囲気下に電極を研磨する方法、或いはこれらの方法を
組み合わせた方法などにより行うことができる。
【0057】本願第1発明の工程(a)は、例えば、
(i)陽極および陰極を設置した密閉可能な反応容器に
一般式(1)で表されるジハロシランおよび支持電解質
を溶媒とともに収容し、好ましくは機械的もしくは磁気
的に撹拌しつつ、所定量の電流を通電することにより電
極反応を行わせる方法、(ii)陽極および陰極を設置
した電解槽、反応液貯槽、ポンプ、配管などから構成さ
れる流動式電極反応装置を用いて、反応液貯槽に投入し
たジハロシラン、支持電解質および溶媒からなる反応溶
液をポンプにより電極反応装置内を循環させつつ、所定
量の電流を通電することにより、電解槽内で電極反応を
行わせる方法などにより行うことができる。
【0058】電解槽の構造乃至形状は、特に限定されな
いが、反応の進行に伴って反応溶液中に溶け出して消耗
する陽極を簡便に補給する形式の構造とすることが出来
る。より具体的には、例えば、図1に斜面図として概要
を示す様に、消耗する陽極をバスケット乃至かご状容器
1に収容した小さな球状体乃至ペレット3により連続的
に供給する形式の電解槽とすることが出来る。或いは、
図2に示す様に、特開昭62−56589号公報に示さ
れた“鉛筆削り型電解槽”に準じて、陰極シート5内に
陽極となる金属または合金ノブロック7を積層する形式
の電解槽としても良い。図1に示す形式の陽極を使用す
る場合には、図3に示す様に、電解槽23の外壁を兼ね
る陰極21内に金属または合金の球状体3を収容したバ
スケット1を配置して、電解反応を行う。
【0059】この様な連続供給型の陽極を備えた電解槽
を使用する場合には、消耗する電極を1回或いは数回の
反応毎に交換する必要がなくなるので、長期にわたる繰
り返し反応が可能となり、陽極交換に要する費用が軽減
され、ポリマーの製造コストが低下する。
【0060】反応容器あるいは反応装置内は、乾燥雰囲
気であればよいが、乾燥した窒素または不活性ガス雰囲
気であることがより好ましく、さらに脱酸素し、乾燥し
た窒素雰囲気或いは不活性ガス雰囲気であることが特に
好ましい。通電量は、ジハロシラン中のハロゲンを基準
として、1F/mol程度以上あれば良く、通電量を調
整することにより、分子量の制御が可能となる。反応時
間は、原料ジハロシランの量、支持電解質の量などに関
係する電解液の抵抗などにより異なり得るので、適宜定
めればよい。反応時の温度は、通常−20℃から使用す
る溶媒の沸点までの温度範囲内にあり、より好ましくは
−5〜30℃程度の範囲内にあり、最も好ましくは0〜
25℃程度の範囲内にある。本願第1発明の工程(a)
においては、通常の電極還元反応においては必須とされ
ている隔膜は、使用してもよいが、必須ではないので、
操作が簡便となり、実用上有利である。
【0061】本願第1発明の工程(b)においては、上
記のようにして得られた一般式(2)で示される直鎖状
ポリシランを含む反応系に、一般式
【0062】
【化31】
【0063】(式中、RおよびXは、上記に同じ)で示
されるトリハロシランおよび/または一般式
【0064】
【化32】
【0065】(式中、Xは、上記に同じ)で示されるテ
トラハロシランを直接添加し、引き続き上記と同様の電
極反応を継続して、一般式
【0066】
【化33】
【0067】(式中、Rは、上記に同じ)で示される構
造単位と、一般式
【0068】
【化34】
【0069】(式中、Rは、上記に同じ)で示される構
造単位および/または一般式
【0070】
【化35】
【0071】で示される構造単位とを含み、Si−Si
単位を骨格とする網目状ポリマーを製造する。
【0072】本願第1発明の工程(b)における化合物
(3)および/または化合物(4)の混合割合は、以下
の通りとすることが好ましい。
【0073】(ア)化合物(3)のみを添加する場合に
は、化合物(1):化合物(3)=1000:1〜50
00の範囲内とすることが好ましい。
【0074】(イ)化合物(4)のみを添加する場合に
は、化合物(1):化合物(4)=1000:1〜10
00の範囲内とすることが好ましい。
【0075】(ハ)化合物(3)および化合物(4)を
添加する場合には、化合物(1):化合物(3):化合
物(4)=1000:0.5〜800:0.5〜100
の範囲内とすることが好ましい。
【0076】この様な混合割合とする場合には、混合物
が有機溶媒に可溶で、且つ生成するポリマーが直鎖状の
ポリシランと網目状のシリコンネットワークポリマーと
の両方の特性を兼ね備えた複合的な機能を発揮するの
で、好適である。
【0077】本願第1発明の工程(b)における反応条
件は、工程(a)における反応条件と実質的に異なると
ころはない。
【0078】本願第1発明の工程(b)において得られ
る網目状ポリマーは、原料の種類、反応条件などにより
異なりうるが、通常平均分子量2000〜100000
0程度である。
【0079】2.本願第2発明 本願第2発明は、本発明の電極反応をより効率的に行う
ために、支持電解質に加えて通電助剤を併用することに
より、通電性の向上をはかる以外の点では、本願第1発
明と実質的に異なるところはない。
【0080】通電助剤としては、AlCl3、Al(O
Et)3などのAl塩;FeCl2、FeCl3などのF
e塩;MgCl2などのMg塩;ZnCl2などのZn
塩;SnCl2などのSn塩;CoCl2などのCo塩;
PdCl2などのPd塩;VCl3などのV塩;CuCl
2などのCu塩;CaCl2などのCa塩が好ましいもの
として例示される。これらの通電助剤は、単独で使用し
ても良く、或いは2種以上を併用しても良い。これら通
電助剤の中でも、AlCl3、FeCl2、FeCl3
CoCl2、CuCl2などがより好ましい。溶媒中の通
電助剤の濃度は、低すぎる場合には、通電性の向上が十
分に達成されず、一方、高すぎる場合には、通電助剤が
還元されて、反応に関与しなくなる。従って、溶媒中の
通電助剤の濃度は、通常0.01〜6mol/l程度で
あり、より好ましくは0.03〜4mol/l程度であ
り、特に好ましくは0.05〜3mol/l程度であ
る。このような通電助剤の添加により、反応時間が大幅
に短縮され、効率的なポリシランの製造が可能となる。
反応時間の短縮の程度は、通電助剤の濃度、支持電解質
および原料ジハロシランの濃度などにより異なるが、通
常、通電助剤を用いない場合の1/4〜3/4程度とな
る。
【0081】本願第2発明において得られる網目状ポリ
マーも、原料の種類、反応条件などにより異なりうる
が、やはり通常平均分子量2000〜1000000程
度である。
【0082】
【発明の効果】本発明によれば、下記のような顕著な効
果が達成される。
【0083】(a)高収率で、Si−Si結合を骨格と
する網目状ポリマーが製造できる。
【0084】(b)高価な支持電解質を用いないので、
Si−Si結合を骨格とする網目状ポリマーが安価に製
造できる。
【0085】(c)取扱いに留意しなければならない支
持電解質を使用しないので、簡単にSi−Si結合を骨
格とする網目状ポリマーが安価に製造できる。
【0086】(d)通電助剤を使用する場合には、通電
性がより良好となるので、通電助剤を使用しない場合に
比して、反応時間が1/4〜3/4程度に大幅に短縮さ
れ、Si−Si結合を骨格とする網目状ポリマーを効率
良く製造することができる。
【0087】(e)通電助剤としてAlCl3などを用
いる場合には、反応終了後に反応溶液を中和する必要が
ないので、後処理が極めて簡単となる。
【0088】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明の特徴とすると
ころをより一層明確にする。
【0089】実施例1工程(a) 三方コックおよびMg製陽極(直径1cm×5cm)お
よびステンレス鋼(SUS304)製陰極(1cm×1
cm×5cm)を装着した内容積30mlの3つ口フラ
スコ(以下反応器という)に無水塩化リチウム(LiC
l)0.4gを収容し、50℃で1mmHgに加熱減圧
して、LiClを乾燥した後、脱酸素した乾燥窒素を反
応器内に導入し、さらに予めナトリウム−ベンゾフェノ
ンケチルで乾燥したテトラヒドロフラン15mlを加え
た。これに予め蒸留により精製したメチルフェニルジク
ロロシラン0.96g(5mmol)をシリンジで加
え、マグネティックスターラーにより反応溶液を撹拌し
ながら、ウォーターバスにより反応器を室温に保持しつ
つ、定電圧電源により通電した。通電は、メチルフェニ
ルジクロロシラン中の塩素原子を基準として1.0F/
molの通電量となるよう約18時間行った。
【0090】生成物の1部を採取し、分析したところ、
重量平均分子量8700(平均重合度72程度)の直鎖
状ポリシランが生成していることが確認された。
【0091】工程(b) 次いで、上記の反応器内にフェニルトリクロロシラン
1.06g(5mmol)を導入し、フェニルトリクロ
ロシラン中の塩素原子を基準として、1.3F/mol
の通電量となる様に12時間通電した。
【0092】反応終了後、反応溶液に1N塩酸20ml
を加え、さらに蒸留水80mlを加えて、エーテル10
0mlで抽出し、貧溶媒エタノール80ml、良溶媒テ
トラヒドロフラン4mlを用いて再沈した。
【0093】その結果、重量平均分子量20100のS
i−Si結合を骨格とする網目状ポリマーが収率62.
0%で得られた。
【0094】実施例2 工程(a)で使用するフェニルメチルジクロロシランの
量を1.34g(7mmol)とし、工程(b)で使用
するフェニルトリクロロシランの量を0.63g(3m
mol)とする以外は実施例1と同様にして電極反応を
行った。
【0095】その結果、重量平均分子量24200のS
i−Si結合を骨格とする網目状ポリマーが収率52.
0%で得られた。
【0096】実施例3 工程(a)で使用するフェニルメチルジクロロシランの
量を0.57g(3mmol)とし、工程(b)で使用
するフェニルトリクロロシランの量を1.48g(7m
mol)とする以外は実施例1と同様にして電極反応を
行った。
【0097】その結果、重量平均分子量18500のS
i−Si結合を骨格とする網目状ポリマーが収率68.
5%で得られた。
【0098】実施例4 工程(a)で使用する一般式(1)で示される原料ジハ
ロシランとして、蒸留法で精製したシクロヘキシルメチ
ルジクロロシラン0.99g(5mmol)を使用する
以外は実施例1と同様にして電極反応を行った。。
【0099】反応終了後、反応溶液に1N塩酸20ml
を加え、さらに蒸留水80mlを加えて、ヘキサン10
0mlで抽出し、貧溶媒アセトン80ml、良溶媒ヘキ
サン4mlを用いて再沈した。
【0100】その結果、重量平均分子量31300のS
i−Si結合を骨格とする網目状ポリマーが収率71.
1%で得られた。
【0101】実施例5 工程(a)で使用する一般式(1)で示される原料ジハ
ロシランとして、蒸留法で精製したメチルメトキシジク
ロロシラン0.73g(5mmol)を使用する以外は
実施例1と同様にして電極反応を行った。
【0102】その結果、重量平均分子量7200のSi
−Si結合を骨格とする網目状ポリマーが収率39.5
%で得られた。
【0103】実施例6 工程(a)で使用する一般式(1)で示される原料ジハ
ロシランとして、蒸留法で精製したp−アニシルメチル
ジクロロシラン1.03g(5mmol)を使用する以
外は実施例1と同様にして電極反応を行った。
【0104】その結果、重量平均分子量23800のS
i−Si結合を骨格とする網目状ポリマーが収率59.
8%で得られた。
【0105】実施例7 工程(a)で使用する一般式(1)で示される原料ジハ
ロシランとして、蒸留法で精製した1,2−ジクロロ−
1,1,2−トリメチル−2−フェニルシラン1.25
g(5mmol)を使用する以外は実施例1と同様にし
て電極反応を行った。
【0106】その結果、重量平均分子量18700のS
i−Si結合を骨格とする網目状ポリマーが収率41.
2%で得られた。
【0107】実施例8 工程(b)で使用する一般式(3)で示される原料とし
て、蒸留法により精製したフェネチルトリクロロシラン
1.19g(5mmol)を使用する以外は実施例1と
同様にして電極反応を行った。
【0108】その結果、重量平均分子量22300のS
i−Si結合を骨格とする網目状ポリマーが収率62.
2%で得られた。
【0109】実施例9 工程(b)で使用する一般式(3)で示される原料とし
て、蒸留法により精製したシクロヘキシルトリクロロシ
ラン1.09g(5mmol)を使用する以外は実施例
1と同様にして電極反応を行った。
【0110】反応終了後、反応溶液に1N塩酸20ml
を加え、さらに蒸留水80mlを加えて、ヘキサン10
0mlで抽出し、貧溶媒アセトン80ml、良溶媒ヘキ
サン4mlを用いて再沈した。
【0111】その結果、重量平均分子量25900のS
i−Si結合を骨格とする網目状ポリマーが収率59.
9%で得られた。
【0112】実施例10 工程(a)で使用するフェニルメチルジクロロシランの
量を1.91g(10mmol)とし、工程(b)で蒸
留法で精製したテトラクロロシラン0.09g(0.5
mmol)を使用する以外は実施例1と同様にして電極
反応を行った。
【0113】その結果、重量平均分子量21100のS
i−Si結合を骨格とする網目状ポリマーが収率32.
0%で得られた。
【0114】実施例11 工程(a)における原料ジハロシランとして蒸留法によ
り精製したシクロヘキシルメチルジクロロシラン0.9
9g(5mmol)を使用し、工程(b)における原料
としてシクロヘキシルトリクロロシラン1.09g(5
mmol)を使用する以外は実施例1と同様にして電極
反応を行った。
【0115】反応終了後、反応溶液に1N塩酸20ml
を加え、さらに蒸留水80mlを加えて、ヘキサン10
0mlで抽出し、貧溶媒アセトン80ml、良溶媒ヘキ
サン4mlを用いて再沈した。
【0116】その結果、重量平均分子量35900のS
i−Si結合を骨格とする網目状ポリマーが収率65.
3%で得られた。
【0117】実施例12 工程(a)における原料ジハロシランとしてフェニルメ
チルジブロモシラン1.40g(5mmol)を使用
し、工程(b)における原料としてフェニルトリブロモ
シラン1.73g(5mmol)を使用する以外は実施
例1と同様にして電極反応を行った。
【0118】その結果、重量平均分子量17500のS
i−Si結合を骨格とする網目状ポリマーが収率54.
6%で得られた。
【0119】実施例13 陽極としてMg合金(Mg90%、Al9%、Zn1
%:1cm×1cm×5cm)を使用する以外は実施例
1と同様にして、電極反応を行った、その結果、重量平
均分子量21700のSi−Si結合を骨格とする網目
状ポリマーが収率53.3%で得られた。
【0120】実施例14 陽極としてMg合金(Mg95.5%、Al3%、Zn
1%、Mn0.5%、1cm×1cm×5cm)を使用
する以外は実施例1と同様にして、電極反応を行った。
【0121】その結果、重量平均分子量21600のS
i−Si結合を骨格とする網目状ポリマーが収率56.
9%で得られた。
【0122】実施例15 陰極としてグラッシーカーボン(1cm×0.1cm×
5cm)を使用する以外は実施例1と同様にして、電極
反応を行った。
【0123】その結果、重量平均分子量19500のS
i−Si結合を骨格とする網目状ポリマーが収率60.
7%で得られた。
【0124】実施例16 支持電解質としてLiNO30.65gを使用する以外
は実施例1と同様にして、電極反応を行った。
【0125】その結果、高分子量のSi−Si結合を骨
格とする網目状ポリマーが良好な収率で得られた。
【0126】実施例17 支持電解質としてLi2CO30.70gを使用する以外
は実施例1と同様にして、電極反応を行った。
【0127】その結果、高分子量のSi−Si結合を骨
格とする網目状ポリマーが良好な収率で得られた。
【0128】実施例18工程(a) 三方コックおよびMg製陽極(直径1cm×5cm)お
よびステンレス鋼(SUS304)製陰極(1cm×1
cm×5cm)を装着した内容積30mlの3つ口フラ
スコ(以下反応器という)に支持電解質として無水塩化
リチウム(LiCl)0.4gと通電助剤として無水塩
化アルミニウム(AlCl3)0.25gとを収容し、
50℃、1mmHgに加熱減圧して、LiClおよびA
lCl3を乾燥した後、脱酸素した乾燥窒素を反応器内
に導入し、さらに予めナトリウム−ベンゾフェノンケチ
ルで乾燥したテトラヒドロフラン15mlを加えた。こ
れに予め蒸留により精製したメチルフェニルジクロロシ
ラン0.96g(5mmol)をシリンジで加え、マグ
ネティックスターラーにより反応溶液を撹拌しながら、
ウォーターバスにより反応器を室温に保持しつつ、定電
圧電源により通電した。通電は、メチルフェニルジクロ
ロシラン中の塩素原子を基準として1.0F/molの
通電量となるように約5時間行った。
【0129】生成物の一部を採取し、分析したところ、
重量平均分子量9100(平均重合度76程度)の直鎖
状ポリシランが形成されていることが確認された。
【0130】工程(b) 次いで、上記の反応器内にフェニルトリクロロシラン
1.06g(5mmol)を導入し、フェニルトリクロ
ロシラン中の塩素原子を基準として、1.3F/mol
の通電量となるように約7時間通電した。
【0131】反応終了後、反応溶液に蒸留水100ml
を加えて、エーテル100mlで抽出し、貧溶媒エタノ
ール80ml、良溶媒テトラヒドロフラン4mlを用い
て再沈した。
【0132】その結果、重量平均分子量29700のS
i−Si結合を骨格とする網目状ポリマーが収率66.
3%で得られた。
【0133】実施例19 LiCl使用量を0.8gとする以外は実施例18と同
様にして電極反応を行った。この場合、工程(a)にお
いて要した通電時間は約4時間であり、工程(b)にお
いて要した通電時間は約5時間であった。
【0134】その結果、重量平均分子量27100のS
i−Si結合を骨格とする網目状ポリマーが収率62.
2%で得られた。
【0135】実施例20 通電助剤であるAlCl3の量を0.13gとする以外
は実施例18と同様にして電極反応を行った。この場
合、工程(a)において要した通電時間は約6時間であ
り、工程(b)において要した通電時間は約8時間であ
った。
【0136】その結果、重量平均分子量30100のS
i−Si結合を骨格とする網目状ポリマーが収率64.
5%で得られた。
【0137】実施例21 通電助剤として、MgCl20.18gを使用する以外
は実施例18と同様にして電極反応を行った。
【0138】その結果、高分子量のSi−Si結合を骨
格とする網目状ポリマーが良好な収率で得られた。
【0139】実施例22 通電助剤として、ZnCl20.26gを使用する以外
は実施例18と同様にして電極反応を行った。
【0140】その結果、高分子量のSi−Si結合を骨
格とする網目状ポリマーが良好な収率で得られた。
【0141】実施例23 通電助剤として、CaCl20.52gを使用する以外
は実施例18と同様にして電極反応を行った。
【0142】その結果、高分子量のSi−Si結合を骨
格とする網目状ポリマーが良好な収率で得られた。
【0143】実施例24 溶媒として予めナトリウム−ベンゾフェノンケチルで乾
燥したDME15mlを使用する以外は実施例18と同
様にして電極反応を行った。
【0144】その結果、重量平均分子量18900のS
i−Si結合を骨格とする網目状ポリマーが収率48.
2%で得られた。
【0145】実施例25工程(a) Mg製陽極(12cm×15cm×1cm)およびステ
ンレス鋼製陰極(SUS316、12cm×15cm×
1cm)を装着したフィルタープレス型電解槽(電極間
距離5mm)、容量3000mlの反応液貯槽、ベロー
ズ式ポンプおよび配管からなる流動式電極反応装置の反
応液貯槽に無水のLiCl27gおよび無水のAlCl
317gを収容し、脱酸素した乾燥窒素を反応器内に導
入し、さらに予めナトリウム−ベンゾフェノンケチルで
乾燥したテトラヒドロフラン1000mlを加えた。こ
れに予め蒸留により精製したメチルフェニルジクロロシ
ラン64g(0.33mol)をシリンジで加え、ベロ
ーズ式ポンプにより反応液を循環させながら(電極間を
通過する際の線速度は20cm/秒)、冷却器により反
応温度を室温に保持しつつ、定電圧電源により通電し
た。通電は、メチルフェニルジクロロシラン中の塩素原
子を基準として、1.0F/molとなるように約9時
間行った。
【0146】生成物の一部を採取し、分析したところ、
重量平均分子量5200(平均重合度43程度)の直鎖
状ポリシランが形成されていることが確認された。
【0147】工程(b) 次いで、上記の反応器内にフェニルトリクロロシラン7
0g(0.33mol)を導入し、フェニルトリクロロ
シラン中の塩素原子を基準として、1.3F/molの
通電量となるように19時間通電した。
【0148】反応終了後、反応溶液に蒸留水1000m
lを加え、エーテル1500mlで抽出し、貧溶媒エタ
ノール2000ml、良溶媒テトラヒドロフラン50m
lを用いて再沈した。
【0149】その結果、重量平均分子量30100のS
i−Si結合を骨格とする網目状ポリマーが収率59.
3%で得られた。
【0150】実施例26 通電助剤として、FeCl20.24gを使用する以外
は実施例18と同様にして電極反応を行った。その結
果、重量平均分子量39600のSi−Si結合を骨格
とする網目状ポリマーが収率69.3%で得られた。
【0151】実施例27 通電助剤として、FeCl30.31gを使用する以外
は実施例18と同様にして電極反応を行った。その結
果、重量平均分子量23100のSi−Si結合を骨格
とする網目状ポリマーが収率41.2%で得られた。
【0152】実施例28 通電助剤として、SnCl20.49gを使用する以外
は実施例18と同様にして電極反応を行った。その結
果、重量平均分子量13200のSi−Si結合を骨格
とする網目状ポリマーが収率49.3%で得られた。
【0153】実施例29 通電助剤として、CoCl20.24gを使用する以外
は実施例18と同様にして電極反応を行った。その結
果、重量平均分子量19300のSi−Si結合を骨格
とする網目状ポリマーが収率60.2%で得られた。
【0154】実施例30 通電助剤として、PdCl20.33gを使用する以外
は実施例18と同様にして電極反応を行った。その結
果、重量平均分子量13900のSi−Si結合を骨格
とする網目状ポリマーが収率22.7%で得られた。
【0155】実施例31 通電助剤として、VCl30.29gを使用する以外は
実施例18と同様にして電極反応を行った。その結果、
重量平均分子量18800のSi−Si結合を骨格とす
る網目状ポリマーが収率23.2%で得られた。
【0156】実施例32 通電助剤として、CuCl20.25gを使用する以外
は実施例18と同様にして電極反応を行った。その結
果、重量平均分子量20100のSi−Si結合を骨格
とする網目状ポリマーが収率39.1%で得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】陽極を構成する金属または合金の球状体をかご
状容器乃至バスケットに収容して使用する本発明方法の
大要を示す斜面図である。
【図2】本発明方法を実施するに際し使用する電解槽を
鉛筆削り型電解槽とした場合の概要を示す模式的な断面
図である。
【図3】図1に示す形式の陽極を使用する電解槽の概要
を示す模式的な断面図である。
【符号の説明】
1…かご状容器乃至バスケット 3…金属球状体乃至ペレット 5…陰極 7…ブロック状陽極 21…陰極 23…電解槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−230217(JP,A) 特開 平5−230218(JP,A) 特開 平5−247218(JP,A) 特開 平6−73180(JP,A) 特開 平7−309953(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 77/00 - 77/62

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Si−Si結合を骨格とする網目状ポリマ
    ーを製造する方法であって、(a)一般式 【化1】 (式中mは、1〜3である:Rは、水素原子、アルキル
    基、アリール基、アルコキシ基またはアミノ基を表す。
    m=1の場合には2つのRが、m=2の場合には4つの
    Rが、m=3の場合は6つのRが、それぞれ同一でもあ
    るいは2つ以上が相異なっていてもよい:Xは、ハロゲ
    ン原子を表す)で示されるジハロシランをMgまたはM
    g系合金を陽極とし、Li塩を支持電解質とし、溶媒と
    して非プロトン性溶媒を使用する電極反応に供すること
    により、一般式 【化2】 (式中RおよびXは、出発原料に対応して上記に同じ:
    nは、10〜1000である)で示される両端にハロゲ
    ンを有する直鎖状ポリシランを形成させる工程、および
    (b)一般式(2)で示される上記の直鎖状ポリシラン
    を含む反応系に一般式 【化3】 (式中Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、アル
    コキシ基またはアミノ基を表す:Xは、ハロゲン原子を
    表す)で示されるトリハロシランおよび/または一般式 【化4】 (式中Xは、ハロゲン原子を表す)で示されるテトラハ
    ロシランをそのまま添加し、電極反応に供することによ
    り、一般式 【化5】 (式中Rおよびnは、出発原料に対応して上記に同
    じ。)で示される構造単位と一般式 【化6】 (式中Rは、出発原料に対応して上記に同じ。)で示さ
    れる構造単位および/または一般式 【化7】 で示される構造単位とからなるSi−Si結合を骨格と
    する網目状ポリマーを形成させる工程を備えたことを特
    徴とする方法。
  2. 【請求項2】Si−Si結合を骨格とする網目状ポリマ
    ーを製造する方法であって、(a)一般式 【化8】 (式中mは、1〜3である:Rは、水素原子、アルキル
    基、アリール基、アルコキシ基またはアミノ基を表す。
    m=1の場合には2つのRが、m=2の場合には4つの
    Rが、m=3の場合は6つのRが、それぞれ同一でもあ
    るいは2つ以上が相異なっていてもよい:Xは、ハロゲ
    ン原子を表す)で示されるジハロシランをMgまたはM
    g系合金を陽極とし、Li塩を支持電解質とし、Al
    塩、Fe塩、Mg塩、Zn塩、Sn塩、Co塩、Pd
    塩、V塩、Cu塩またはCa塩を通電助剤とし、溶媒と
    して非プロトン性溶媒を使用する電極反応に供すること
    により、一般式 【化9】 (式中RおよびXは、出発原料に対応して上記に同じ:
    nは、10〜1000である)で示される両端にハロゲ
    ンを有する直鎖状ポリシランを形成させる工程、および
    (b)一般式(2)で示される上記の直鎖状ポリシラン
    を含む反応系に一般式 【化10】 (式中Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、アル
    コキシ基またはアミノ基を表す:Xは、ハロゲン原子を
    表す)で示されるトリハロシランおよび/または一般式 【化11】 (式中Xは、ハロゲン原子を表す)で示されるテトラハ
    ロシランをそのまま添加し、電極反応に供することによ
    り、一般式 【化12】 (式中Rおよびnは、出発原料に対応して上記に同
    じ。)で示される構造単位と一般式 【化13】 (式中Rは、出発原料に対応して上記に同じ。)で示さ
    れる構造単位および/または一般式 【化14】 で示される構造単位とからなるSi−Si結合を骨格と
    する網目状ポリマーを形成させる工程を備えたことを特
    徴とする方法。
  3. 【請求項3】支持電解質として、LiClを使用する請
    求項1または2に記載の方法。
  4. 【請求項4】通電助剤として、AlCl3、FeCl2
    FeCl3、CoCl2またはCuCl2を使用する請求
    項2または3に記載の方法。
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