JP3598388B2 - ポリシラン類の製造方法 - Google Patents

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    • C08G77/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing silicon with or without sulfur, nitrogen, oxygen or carbon in the main chain of the macromolecule
    • C08G77/60Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing silicon with or without sulfur, nitrogen, oxygen or carbon in the main chain of the macromolecule in which all the silicon atoms are connected by linkages other than oxygen atoms

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Description

【0001】
本発明は、ポリシラン類の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術とその問題点】
ポリシランは、セラミックス前駆体;フォトレジスト、有機感光体、光導波路、光メモリなどの光・電子材料などとして注目されている。
【0003】
従来、ポリシランの製造方法としては、金属ナトリウムなどのアルカリ金属を用いて、トルエン溶媒中のジアルキルジハロシランあるいはジクロロテトラアルキルジシランを100℃以上の温度で長時間撹拌し、還元的にカップリングさせる方法が知られている{J.Am.Chem.Soc.,103(1981)7352}。しかしながら、この方法は、過酷な反応条件(例えば、長時間の加熱が必要である)を必要とすること、金属表面の酸化膜に由来して主鎖中に酸素原子の混入が避けられないこと、工業的規模での生産に際しては、アルカリ金属を大量に使用するので、安全性に大きな問題があることなどの欠点を有している。
【0004】
これらの諸欠点を克服すべく、下記の様に、ジハロシラン類を室温で電極還元してポリシラン類を製造するという温和な条件下での方法が提案されている。
【0005】
(a)隔膜付きH型セル中で陽極として水銀あるいはカドミウムを使用し、陰極に白金、水銀などを使用し、支持電解質として過塩素酸テトラ−n−ブチルアンモニウムを使用し、溶媒として1,2−ジメトキシエタンを使用する方法{J.Organomet.Chem.,212(1981)155}。
【0006】
(b)電極としてAlなどの金属を使用し、支持電解質として塩化テトラ−n−ブチルアンモニウムなどの四級アンモニウム塩を使用し、溶媒として1,2−ジメトキシエタンなどを使用する方法(特開平3−104893号公報)。
【0007】
(c)電極としてMgなどの金属を使用し、支持電解質として過塩素酸リチウムなどを使用し、溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)などを用いる方法{J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,1160,1990、特開平4−331235号公報、特開平6−73180号公報、特開平6−98075号公報など}。
【0008】
(d)電極としてAlを使用し、溶媒としてTHF+ヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPA)などを使用し、支持電解質として塩化リチウムを使用する方法{NATO ASI Ser.Ser.E, 206,79−85,1992}。
【0009】
しかしながら、(a)の方法は、陽極として使用する金属(水銀或いはカドミウム)に起因して、操作性、安全性、環境汚染などの点で問題があり、しかもポリシランであると確認できる生成物は得られていない。
【0010】
(b)の方法は、ポリシランの製造を行うにはあまり活性の高い系ではなく、得られるポリシランの重合度は、20程度までである。ポリシラン類を光・電子材料として用いるためには、薄膜化する必要があるが、光・電子材料として実用に供し得る高品質な薄膜を作製するためには、ポリシラン類は溶媒に可溶で、しかも重合度が少なくとも30、望ましくは50以上である必要がある。従って、(b)方法で作製したポリシランを光・電子材料として用いることは、実際上困難である。また、この方法において支持電解質として使用する四級アンモニウム塩は、高価なので、仮に所望のポリシランが得られたとしても、その製造コストは、高くなる。
【0011】
(c)の方法は、安全な金属を陽極に用い、かつ活性な電極還元系を提供しており、環境汚染の心配なしに、操作性良く、高収率で分子量の揃った高分子量ポリシランを製造できるものである。しかしながら、支持電解質として用いる過塩素酸リチウムは高価なものであり、また取り扱いに留意も必要なことから、安価で取り扱いの容易な支持電解質を用いる系が求められていた。
【0012】
(d)の方法は、安価で取り扱いの容易な塩化リチウムを支持電解質として用いるが、THF溶媒だけでは、塩化リチウムの溶解度が小さく、通電すなわち反応を行うことが困難であるため、発ガン性が疑われているHMPAなどの溶媒を添加して初めて反応を行うことが可能となる。また、得られるポリシランの分子量も930(重合度約8程度)であり、成膜すること自体が不可能である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の主な目的は、分子量が揃っていて、高品質な成膜が可能な程度の高い分子量を有するポリシラン類を、高収率で操作性よく、安全かつ安価に製造し得る新たなポリシラン類の製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の如き従来技術の現状に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、ハロシランを特定の金属を陽極として用い、特定の溶媒および特定の支持電解質を用いて電極反応に供することによって、従来技術の問題点が実質的に解消されるか乃至は大幅に軽減されることを見出した。
【0015】
また、通電助剤として特定の化学物質を反応系に添加する場合には、通電性が大幅に改善されて、ポリシランの製造に必要な時間が大幅に短縮されることを見出した。
【0016】
すなわち、本発明は、下記のポリシラン類の製造方法を提供するものである:
1.ポリシラン類の製造方法であって、一般式
【0017】
【化49】
Figure 0003598388
【0018】
(式中mは、1〜3である:Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアミノ基を表す。m=1の場合には2つのRが、m=2の場合には4つのRが、m=3の場合は6つのRが、それぞれ同一でもあるいは2つ以上が相異なっていてもよい:Xは、ハロゲン原子を表す)
で示されるジハロシランをMgまたはMg系合金を陽極とし、Li塩を支持電解質とし、溶媒として非プロトン性溶媒を使用する電極反応に供することにより、一般式
【0019】
【化50】
Figure 0003598388
【0020】
(式中Rは、出発原料に対応して上記に同じ:nは、20〜10000である)で示されるポリシランを形成させることを特徴とする方法。
【0021】
2.ポリシラン類の製造方法であって、一般式
【0022】
【化51】
Figure 0003598388
【0023】
(式中mは、1〜3である:Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアミノ基を表す。m=1の場合には2つのRが、m=2の場合には4つのRが、m=3の場合は6つのRが、それぞれ同一でもあるいは2つ以上が相異なっていてもよい:Xは、ハロゲン原子を表す)
で示されるジハロシランをMgまたはMg系合金を陽極とし、Li塩を支持電解質とし、Al塩、Fe塩、Mg塩、Zn塩、Sn塩、Co塩、Pd塩、V塩、Cu塩またはCa塩を通電助剤として用い、溶媒として非プロトン性溶媒を使用する電極反応に供することにより、一般式
【0024】
【化52】
Figure 0003598388
【0025】
(式中Rは、出発原料に対応して上記に同じ:nは、20〜10000である)で示されるポリシランを形成させることを特徴とする方法。
【0026】
3.支持電解質として、LiClを使用する上記項1または2に記載の方法。
【0027】
4.通電助剤として、AlCl、FeCl、FeCl、CoClまたはCuClを使用する上記項2または3に記載の方法。
【0028】
5.ポリシラン類の製造方法であって、一般式
【0029】
【化53】
Figure 0003598388
【0030】
(式中、Rは、芳香族基、不飽和脂肪族基、−(CH−基または−(CH−CH−O)−基(mは、1〜20である)を表す:R、R、RおよびRは、それぞれ同一或いは相異なって、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアミノ基を表す:Xは、ハロゲン原子を表す)で示される化合物をMgまたはMg系合金を陽極とし、Li塩を支持電解質とし、溶媒として非プロトン性溶媒を使用する電極反応に供することにより、一般式
【0031】
【化54】
Figure 0003598388
【0032】
(式中、R、R、RおよびRは、上記に同じ:nは、20〜10000である)で示されるSi−Si結合を主鎖に含むポリマーを形成させることを特徴とする方法。
【0033】
6.ポリシラン類の製造方法であって、一般式
【0034】
【化55】
Figure 0003598388
【0035】
(式中、Rは、芳香族基、不飽和脂肪族基、−(CH−基または−(CH−CH−O)−基(mは、1〜20である)を表す:R、R、RおよびRは、それぞれ同一或いは相異なって、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアミノ基を表す:Xは、ハロゲン原子を表す)で示される化合物をMgまたはMg系合金を陽極とし、Li塩を支持電解質とし、Al塩、Fe塩、Mg塩、Zn塩、Sn塩、Co塩、Pd塩、V塩、Cu塩またはCa塩を通電助剤として用い、溶媒として非プロトン性溶媒を使用する電極反応に供することにより、一般式
【0036】
【化56】
Figure 0003598388
【0037】
(式中、R、R、RおよびRは、上記に同じ:nは、20〜10000である)で示されるSi−Si結合を主鎖に含むポリマーを形成させることを特徴とする方法。
【0038】
7.支持電解質として、LiClを使用する上記項5または6に記載の方法。
【0039】
8.通電助剤として、AlCl、FeCl、FeCl、CoClまたはCuClを使用する上記項6または7に記載の方法。
【0040】
9.ポリシラン類の製造方法であって、一般式
【0041】
【化57】
Figure 0003598388
【0042】
(式中、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアミノ基を表す:Xは、ハロゲン原子を表す)で示されるトリハロシランをMgまたはMg系合金を陽極とし、Li塩を支持電解質とし、溶媒として非プロトン性溶媒を使用する電極反応に供することにより、一般式
【0043】
【化58】
Figure 0003598388
【0044】
(式中、Rは、出発原料に応じて上記に同じ:nは、20〜10000である)で示されるシリコンネットワークポリマーを形成させることを特徴とする方法。
10.ポリシラン類の製造方法であって、一般式
【0045】
【化59】
Figure 0003598388
【0046】
(式中、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアミノ基を表す:Xは、ハロゲン原子を表す)で示されるトリハロシランをMgまたはMg系合金を陽極とし、Li塩を支持電解質とし、Al塩、Fe塩、Mg塩、Zn塩、Sn塩、Co塩、Pd塩、V塩、Cu塩またはCa塩を通電助剤として用い、溶媒として非プロトン性溶媒を使用する電極反応に供することにより、一般式
【0047】
【化60】
Figure 0003598388
【0048】
(式中、Rは、出発原料に応じて上記に同じ:nは、20〜10000である)で示されるシリコンネットワークポリマーを形成させることを特徴とする方法。
11.支持電解質として、LiClを使用する上記項9または10に記載の方法。
【0049】
12.通電助剤として、AlCl、FeCl、FeCl、CoClまたはCuClを使用する上記項10または11に記載の方法。
【0050】
13.ポリシラン類の製造方法であって、一般式
【0051】
【化61】
Figure 0003598388
【0052】
(式中、mは、1〜3である:Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアミノ基を表す。m=1の場合には2つのRが、m=2の場合には4つのRが、m=3の場合は6つのRが、それぞれ同一でもあるいは2つ以上が相異なっていてもよい:Xは、ハロゲン原子を表す)で示されるジハロシランと一般式
【0053】
【化62】
Figure 0003598388
【0054】
(式中、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアミノ基を表す:Xは、ハロゲン原子を表す)で示されるトリハロシランとをMgまたはMg系合金を陽極とし、Li塩を支持電解質とし、溶媒として非プロトン性溶媒を使用する電極反応に供することにより、一般式
【0055】
【化63】
Figure 0003598388
【0056】
(式中、Rは、上記に同じ)
で示される構造単位と一般式
【0057】
【化64】
Figure 0003598388
【0058】
(式中、Rは、上記に同じ)
で示される構造単位とからなるSi−Si結合を骨格とする網目状ポリマーを形成させることを特徴とする方法。
【0059】
14.ポリシラン類の製造方法であって、一般式
【0060】
【化65】
Figure 0003598388
【0061】
(式中、mは、1〜3である:Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアミノ基を表す。m=1の場合には2つのRが、m=2の場合には4つのRが、m=3の場合は6つのRが、それぞれ同一でもあるいは2つ以上が相異なっていてもよい:Xは、ハロゲン原子を表す)で示されるジハロシランと一般式
【0062】
【化66】
Figure 0003598388
【0063】
(式中、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアミノ基を表す:Xは、ハロゲン原子を表す)で示されるトリハロシランとをMgまたはMg系合金を陽極とし、Li塩を支持電解質とし、Al塩、Fe塩、Mg塩、Zn塩、Sn塩、Co塩、Pd塩、V塩、Cu塩またはCa塩を通電助剤として用い、溶媒として非プロトン性溶媒を使用する電極反応に供することにより、一般式
【0064】
【化67】
Figure 0003598388
【0065】
(式中、Rは、上記に同じ)
で示される構造単位と一般式
【0066】
【化68】
Figure 0003598388
【0067】
(式中、Rは、上記に同じ)
で示される構造単位とからなるSi−Si結合を骨格とする網目状ポリマーを形成させることを特徴とする方法。
【0068】
15.支持電解質として、LiClを使用する上記項13または14に記載の方法。
【0069】
16.通電助剤として、AlCl、FeCl、FeCl、CoClまたはCuClを使用する上記項14または15に記載の方法。
【0070】
17.ポリシラン類の製造方法であって、一般式
【0071】
【化69】
Figure 0003598388
【0072】
(式中、mは、1〜3である:Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアミノ基を表す。m=1の場合には2つのRが、m=2の場合には4つのRが、m=3の場合は6つのRが、それぞれ同一でもあるいは2つ以上が相異なっていてもよい:Xは、ハロゲン原子を表す)で示されるジハロシランと一般式
【0073】
【化70】
Figure 0003598388
【0074】
(式中、Xは、ハロゲン原子を表す)で示されるテトラハロシランとをMgまたはMg系合金を陽極とし、Li塩を支持電解質とし、溶媒として非プロトン性溶媒を使用する電極反応に供することにより、一般式
【0075】
【化71】
Figure 0003598388
【0076】
(式中、Rは、上記に同じ)
で示される構造単位と一般式
【0077】
【化72】
Figure 0003598388
【0078】
で示される構造単位とからなるSi−Si結合を骨格とする網目状ポリマーを形成させることを特徴とする方法。
【0079】
18.ポリシラン類の製造方法であって、一般式
【0080】
【化73】
Figure 0003598388
【0081】
(式中、mは、1〜3である:Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアミノ基を表す。m=1の場合には2つのRが、m=2の場合には4つのRが、m=3の場合は6つのRが、それぞれ同一でもあるいは2つ以上が相異なっていてもよい:Xは、ハロゲン原子を表す)で示されるジハロシランと一般式
【0082】
【化74】
Figure 0003598388
【0083】
(式中、Xは、ハロゲン原子を表す)で示されるテトラハロシランとをMgまたはMg系合金を陽極とし、Li塩を支持電解質とし、Al塩、Fe塩、Mg塩、Zn塩、Sn塩、Co塩、Pd塩、V塩、Cu塩またはCa塩を通電助剤として用い、溶媒として非プロトン性溶媒を使用する電極反応に供することにより、一般式
【0084】
【化75】
Figure 0003598388
【0085】
(式中、Rは、上記に同じ)
で示される構造単位と一般式
【0086】
【化76】
Figure 0003598388
【0087】
で示される構造単位とからなるSi−Si結合を骨格とする網目状ポリマーを形成させることを特徴とする方法。
【0088】
19.支持電解質として、LiClを使用する上記項17または18に記載の方法。
【0089】
20.通電助剤として、AlCl、FeCl、FeCl、FeCl、CoClまたはCuClを使用する上記項18または19に記載の方法。
【0090】
21.ポリシラン類の製造方法であって、一般式
【0091】
【化77】
Figure 0003598388
【0092】
(式中、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアミノ基を表す;Xは、ハロゲン原子を表す)で示されるトリハロシランと一般式
【0093】
【化78】
Figure 0003598388
【0094】
(式中、Xは、ハロゲン原子を表す)で示されるテトラハロシランとをMgまたはMg系合金を陽極とし、Li塩を支持電解質とし、溶媒として非プロトン性溶媒を使用する電極反応に供することにより、一般式
【0095】
【化79】
Figure 0003598388
【0096】
(式中、Rは、上記に同じ)
で示される構造単位と一般式
【0097】
【化80】
Figure 0003598388
【0098】
で示される構造単位とからなるSi−Si結合を骨格とする網目状ポリマーを形成させることを特徴とする方法。
【0099】
22.ポリシラン類の製造方法であって、一般式
【0100】
【化81】
Figure 0003598388
【0101】
(式中、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアミノ基を表す;Xは、ハロゲン原子を表す)で示されるトリハロシランと一般式
【0102】
【化82】
Figure 0003598388
【0103】
(式中、Xは、ハロゲン原子を表す)で示されるテトラハロシランとをMgまたはMg系合金を陽極とし、Li塩を支持電解質とし、Al塩、Fe塩、Mg塩、Zn塩、Sn塩、Co塩、Pd塩、V塩、Cu塩またはCa塩を通電助剤として用い、溶媒として非プロトン性溶媒を使用する電極反応に供することにより、一般式
【0104】
【化83】
Figure 0003598388
【0105】
(式中、Rは、上記に同じ)
で示される構造単位と一般式
【0106】
【化84】
Figure 0003598388
【0107】
で示される構造単位とからなるSi−Si結合を骨格とする網目状ポリマーを形成させることを特徴とする方法。
【0108】
23.支持電解質として、LiClを使用する上記項21または22に記載の方法。
【0109】
24.通電助剤として、AlCl、FeCl、FeCl、CoClまたはCuClを使用する上記項22または23に記載の方法。
【0110】
25.ポリシラン類の製造方法であって、一般式
【0111】
【化85】
Figure 0003598388
【0112】
(式中、mは、1〜3である:Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアミノ基を表す。m=1の場合には2つのRが、m=2の場合には4つのRが、m=3の場合は6つのRが、それぞれ同一でもあるいは2つ以上が相異なっていてもよい:Xは、ハロゲン原子を表す)で示されるジハロシランと一般式
【0113】
【化86】
Figure 0003598388
【0114】
(式中、Rは、アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアミノ基を表す:Xは、ハロゲン原子を表す)で示されるトリハロシランと一般式
【0115】
【化87】
Figure 0003598388
【0116】
(式中、Xは、ハロゲン原子を表す)で示されるテトラハロシランとをMgまたはMg系合金を陽極とし、Li塩を支持電解質とし、溶媒として非プロトン性溶媒を使用する電極反応に供することにより、一般式
【0117】
【化88】
Figure 0003598388
【0118】
(式中、Rは、上記に同じ)
で示される構造単位と一般式
【0119】
【化89】
Figure 0003598388
【0120】
(式中、Rは、上記に同じ)
で示される構造単位一般式
【0121】
【化90】
Figure 0003598388
【0122】
とからなるSi−Si結合を骨格とする網目状ポリマーを形成させることを特徴とする方法。
【0123】
26.ポリシラン類の製造方法であって、一般式
【0124】
【化91】
Figure 0003598388
【0125】
(式中、mは、1〜3である:Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアミノ基を表す。m=1の場合には2つのRが、m=2の場合には4つのRが、m=3の場合は6つのRが、それぞれ同一でもあるいは2つ以上が相異なっていてもよい:Xは、ハロゲン原子を表す)で示されるジハロシランと一般式
【0126】
【化92】
Figure 0003598388
【0127】
(式中、Rは、アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアミノ基を表す:Xは、ハロゲン原子を表す)で示されるトリハロシランと一般式
【0128】
【化93】
Figure 0003598388
【0129】
(式中、Xは、ハロゲン原子を表す)で示されるテトラハロシランとをMgまたはMg系合金を陽極とし、Li塩を支持電解質とし、Al塩、Fe塩、Mg塩、Zn塩、Sn塩、Co塩、Pd塩、V塩、Cu塩またはCa塩を通電助剤として用い、溶媒として非プロトン性溶媒を使用する電極反応に供することにより、一般式
【0130】
【化94】
Figure 0003598388
【0131】
(式中、Rは、上記に同じ)
で示される構造単位と一般式
【0132】
【化95】
Figure 0003598388
【0133】
(式中、Rは、上記に同じ)
で示される構造単位と一般式
【0134】
【化96】
Figure 0003598388
【0135】
で示される構造単位とからなるSi−Si結合を骨格とする網目状ポリマーを形成させることを特徴とする方法。
【0136】
27.支持電解質として、LiClを使用する上記項25または26に記載の方法。
【0137】
28.通電助剤として、AlCl、FeCl、FeCl、CoClまたはCuClを使用する上記項26または27に記載の方法。
【0138】
以下において、例えば、「独立の請求項形式で記載された請求項1の発明とそれに従属する請求項に記載された発明」を本願第1発明の様にいい、すべての発明を総括して単に本願発明という。
【0139】
1.本願第1発明
本願第1発明において、出発原料として使用するハロシランは、一般式
【0140】
【化97】
Figure 0003598388
【0141】
(式中、mは、1〜3である:Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアミノ基を表す。m=1の場合には2つのRが、m=2の場合には4つのRが、m=3の場合は6つのRが、それぞれ同一でもあるいは2つ以上が相異なっていてもよい:Xはハロゲン原子を表す)
で示されるジハロシランである。
【0142】
また、本願第1発明における反応生成物は、一般式
【0143】
【化98】
Figure 0003598388
【0144】
(式中R出発原料に対応して、上記に同じ;nは、10〜11000である)
で示されるポリシランである。
【0145】
一般式(1)で示されるジハロシランにおいて、mは、1〜3であり、Rで示される水素原子、アミノ基および有機置換基(アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アミノ基)は、それぞれが同一であってもよく、2つ以上が相異なっていても良い。より具体的には、m=1の場合には2つのRが、m=2の場合には4つのRが、m=3の場合には6つのRが、それぞれ同一であっても或いは2つ以上が相異なっていても良い。
【0146】
一般式(1)で表される化合物としては、mが1または2であることが、より好ましい。アルキル基としては、炭素数1〜10程度のものが挙げられ、これらの中でも炭素数1〜6のものがより好ましい。アリール基としては、フェニル基、炭素数1〜6個のアルキル基を1つ以上置換基として有するフェニル基、p−アルコキシフェニル基、ナフチル基などが挙げられる。アルコキシ基としては、炭素数1〜10程度のものが挙げられ、これらの中でも炭素数1〜6のものがより好ましい。Rが上記のアミノ基および有機置換基である場合には、その水素原子の少なくとも1つが、他のアルキル基、アリール基、アルコキシ基などの官能基により置換されていても良い。この様な官能基としては、上記と同様なものが挙げられる。
【0147】
また、一般式(1)において、Xは、ハロゲン原子(Cl,F,Br,I)を表す。ハロゲン原子としては、Clがより好ましい。
【0148】
本願第1発明においては、一般式(1)で表されるジハロシランの1種を単独で使用しても良く、或いは2種を混合使用しても良い。ジハロシランは、できるだけ高純度のものであることが好ましく、例えば、液体のジハロシランについては、水素化カルシウムにより乾燥し、蒸留して使用することが好ましく、また、固体のジハロシランについては、再結晶法により、精製し、使用することが好ましい。
【0149】
反応に際しては、ジハロシランを溶媒に溶解して使用する。溶媒としては、非プロトン性溶媒が広く使用でき、より具体的には、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、プロピレンカーボネート、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、p−ジオキサン、塩化メチレンなどのエーテル系の溶媒が例示される。これらの溶媒は、単独でも、或いは2種以上の混合物としても使用できる。溶媒としては、テトラヒドロフランおよび1,2−ジメトキシエタンがより好ましい。溶媒中のジハロシランの濃度は、低すぎる場合には、電流効率が低下するのに対し、高すぎる場合には、支持電解質が溶解しないことがある。従って、溶媒中のジハロシランの濃度は、通常0.05〜20mol/l程度であり、より好ましくは0.2〜15mol/l程度であり、特に好ましくは0.3〜13mol/l程度である。
【0150】
本願第1発明で使用する支持電解質としては、LiCl、LiNO、LiCOなどの安価なリチウム塩が例示される。これらの支持電解質は、単独で使用しても良く、或いは2種以上を併用しても良い。これら支持電解質の中でも、LiClが最も好ましい。
【0151】
支持電解質の濃度は、低すぎる場合には、通電が困難乃至不可能となって反応が進行しないのに対し、高すぎる場合には、還元されて析出したリチウムの量が多すぎて、所望の生成物であるポリシランのSi−Si主鎖結合が開裂して、その分子量が低下する。従って、溶媒中の支持電解質の濃度は、通常0.05〜5mol/l程度であり、より好ましくは0.1〜3mol/l程度であり、特に好ましくは0.15〜2.0mol/l程度である。
【0152】
本願第1発明においては、陽極として、MgまたはMgを主成分とする合金を使用する。Mgを主成分とする合金としては、例えばAlを3〜10%程度含有するものが挙げられる。また、JIS H 6125−1961に規定されている1種(MGA1)、2種(MGA2、通称AZ63)、3種(MGA3)などが挙げられる。陰極としては、電流を通じ得る物質であれば特に限定されないが、SUS304、316などのステンレス鋼;Mg、Cu、Zn、Sn、Al、Ni、Coなどの各種金属類;炭素材料などが例示される。電極の形状は、通電を安定して行いうる限り特に限定されないが、棒状、板状、筒状、円錐状、円盤状、球状体またはペレットをバスケットに収容したもの、板状体をコイル状に巻いたものなどが好ましい。電極表面の酸化被膜は、必要ならば、予め除去しておく。電極からの酸化被膜の除去は、任意の方法で行えばよく、例えば、電極を酸により洗浄した後、エタノールおよびエーテルなどにより洗浄し、減圧下に乾燥する方法、窒素雰囲気下に電極を研磨する方法、或いはこれらの方法を組み合わせた方法などにより行うことができる。
【0153】
本願第1発明は、例えば、(a)陽極および陰極を設置した密閉可能な反応容器に一般式(1)で表されるジハロシランおよび支持電解質を溶媒とともに収容し、好ましくは機械的もしくは時期的に撹拌しつつ、所定量の電流を通電することにより電極反応を行わせる方法、(b)陽極および陰極を設置した電解槽、反応液貯槽、ポンプ、配管などから構成される流動式電極反応装置を用いて、反応液貯槽に投入したハロシラン、支持電解質および溶媒からなる反応溶液をポンプにより電極反応装置内を循環させつつ、所定量の電流を通電することにより、電解槽内で電極反応を行わせる方法などにより行うことができる。
【0154】
電解槽の構造乃至形状は、特に限定されないが、反応の進行に伴って反応溶液中に溶け出して消耗する陽極を簡便に補給する形式の構造とすることが出来る。より具体的には、例えば、図1に斜面図として概要を示す様に、陽極をバスケット乃至かご状容器1に収容した小さな球状体乃至ペレット3により構成し、その消耗に従って、上部から球状体乃至ペレットを補給する形式の電解槽とすることが出来る。或いは、図2に示す様に、特開昭62−56589号公報に示された“鉛筆削り型電解槽”に準じて、陰極シート5内に陽極ブロック7を積層する形式の電解層としても良い。この様な連続補給型の陽極を備えた電解槽を使用する場合には、消耗する陽極を1回或いは数回の反応毎に交換する必要がなくなるので、長期にわたる繰り返し反応が可能となり、陽極交換に要する経費が軽減され、ポリシラン類の製造コストが低下する。
【0155】
反応容器あるいは反応装置内は、乾燥雰囲気であればよいが、乾燥した窒素または不活性ガス雰囲気であることがより好ましく、さらに脱酸素し、乾燥した窒素雰囲気或いは不活性ガス雰囲気であることが特に好ましい。通電量は、ジハロシラン中のハロゲンを基準として、1F/mol程度以上あれば良く、通電量を調整することにより、分子量の制御が可能となる。また、0.1F/mol程度以上の通電量で生成したポリシランを系外に取り出し、残存する原料ジハロシランを回収して、再使用することも可能である。反応時間は、原料ジハロシランの量、支持電解質の量などに関係する電解液の抵抗などにより異なり得るので、適宜定めればよい。反応時の温度は、通常−20℃から使用する溶媒の沸点までの温度範囲内にあり、より好ましくは−5〜30℃程度の範囲内にあり、最も好ましくは0〜25℃程度の範囲内にある。本願第1発明においては、通常の電極還元反応においては必須とされている隔膜は、使用してもよいが、必須ではないので、操作が簡便となり、実用上有利である。
【0156】
2.本願第2発明
本願第2発明は、本発明の電極反応をより効率的に行うために、支持電解質に加えて通電助剤を併用することにより、通電性の向上をはかる以外の点では、本願第1発明と実質的に異なるところはない。
【0157】
通電助剤としては、AlCl、Al(OEt)などのAl塩;FeCl、FeClなどのFe塩;MgClなどのMg塩;ZnClなどのZn塩;SnClなどのSn塩;CoClなどのCo塩;PdClなどのPd塩;VClなどのV塩;CuClなどのCu塩;CaClなどのCa塩などが好ましいものとして例示される。これらの通電助剤は、単独で使用しても良く、或いは2種以上を併用しても良い。これら通電助剤の中でも、AlCl、FeCl、FeCl、CoCl、CuClなどがより好ましい。溶媒中の通電助剤の濃度は、低すぎる場合には、通電性の向上が十分に達成されず、一方、高すぎる場合には、通電助剤が還元されて、反応に関与しなくなる。従って、溶媒中の通電助剤の濃度は、通常0.01〜6mol/l程度であり、より好ましくは0.03〜4mol/l程度であり、特に好ましくは0.05〜3mol/l程度である。このような通電助剤の添加により、反応時間が大幅に短縮され、効率的なポリシランの製造が可能となる。反応時間の短縮の程度は、通電助剤の濃度、支持電解質および原料ジハロシランの濃度などにより異なるが、通常、通電助剤を用いない場合の1/4〜3/4程度となる。
【0158】
3.本願第3発明
本願第3発明において、出発原料として使用するハロシランは、一般式
【0159】
【化99】
Figure 0003598388
【0160】
(式中、Rは、芳香族基、不飽和脂肪族基、−(CH−基または−(CH−CH−O)−基(mは、1〜20である)を表す:R、R、RおよびRは、それぞれ同一或いは相異なって、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアミノ基を表す:Xは、ハロゲン原子を表す)で示される化合物である。
【0161】
また、本願第3発明における反応生成物は、一般式
【0162】
【化100】
Figure 0003598388
【0163】
(式中、R、R、RおよびRは、上記に同じ:nは、20〜10000である)で示されるSi−Si結合を主鎖に含むポリマーである。
【0164】
本願第3発明は、出発原料として用いられるハロシランが相違し、その結果得られる反応生成物(Si−Si結合を主鎖に含むポリマー)が対応して相違する以外の点では、本願第1発明と実質的に異なるところはない。すなわち、一般式(3)で示されるハロシランを原料として、本願第1発明と同様の電極還元反応を行うことにより、一般式(4)で示されるポリシラン類を製造する。
【0165】
一般式(3)において、Rで示される構造部としては、下記の如きものが挙げられる;
a)フェニレン、ナフタニレン、ビフェニレン、
【0166】
【化101】
Figure 0003598388
【0167】
(式中、Yは、O、S、Se、TeまたはNをしめす。)
などの二価の芳香族基。
【0168】
b)エテニレン、エチニレンなどの二価の不飽和脂肪族基。
【0169】
c)−(CH2)−基(mは、1〜20である。)
d)−(CH−CH−O)−基(mは、1〜20である。)
一般式(5)において、R、R、RおよびRで示される水素原子、アミノ基ならびに有機置換基(アルキル基、アリール基、アルコキシ基)は、それぞれが相異なっていても良く、あるいは2個以上が同一であっても良い。有機置換基としてのアルキル基としては、炭素数1〜10程度のものが挙げられ、これらの中でも炭素数1〜6のものがより好ましい。アリール基としては、フェニル基、炭素数1〜6のアルキル基の少なくとも1つ以上を置換基として有するフェニル基、p−アルコキシフェニル基、ナフチル基などが挙げられる。アルコキシ基としては、炭素数1〜10程度のものが挙げられ、これらの中でも炭素数1〜6のものがより好ましい。R、R、RおよびRが、上記のアミノ基および有機置換基である場合には、その水素原子の少なくとも1個がさらに他のアルキル基、アリール基、アルコキシ基などの官能基により置換されていても良い。
【0170】
また、一般式(3)において、Xは、ハロゲン原子(Cl,F,Br,I)を表す。ハロゲン原子としては、Clがより好ましい。
【0171】
本願第3発明においては、一般式(3)で表されるハロシランの1種を単独で使用しても良く、或いは2種を混合使用しても良い。ハロシランは、できるだけ高純度のものであることが好ましく、例えば、液体のハロシランについては、水素化カルシウムにより乾燥し、蒸留して使用することが好ましく、また、固体のハロシランについては、再結晶法により、精製し、使用することが好ましい。
【0172】
4.本願第4発明
本願第4発明は、本発明の電極反応をより効率的に行うために、支持電解質に加えて通電助剤を併用することにより、通電性の向上をはかる以外の点では、本願第3発明と実質的に異なるところはない。通電助剤の種類および濃度などは、本願第2発明の場合と同様でよい。
【0173】
5.本願第5発明
本願第5発明における出発原料は、一般式
【0174】
【化102】
Figure 0003598388
【0175】
(式中、Rは、アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアミノ基を表す:Xは、ハロゲン原子を表す)で示されるトリハロシランである。
【0176】
また、本願第5発明における反応生成物は、一般式
【0177】
【化103】
Figure 0003598388
【0178】
(式中、Rは、出発原料に応じて上記に同じ:nは、20〜10000である)で示されるシリコンネットワークポリマーである。
【0179】
本願第5発明は、出発原料として一般式(5)のトリハロシランを使用することおよびそれに対応して生成されるポリマーが一般式(6)のシリコンネットワークポリマーであること以外の点では、本願第1発明と実質的に異なるところはない。
【0180】
一般式(5)で示されるトリハロシランにおいて、アルキル基としては、炭素数1〜10程度のものが挙げられ、これらの中でも炭素数1〜6のものがより好ましい。アリール基としては、フェニル基、炭素数1〜6のアルキル基の少なくとも1つ以上を置換基として有するフェニル基、p−アルコキシフェニル基、ナフチル基などが挙げられる。アルコキシ基としては、炭素数1〜10程度のものが挙げられ、これらの中でも炭素数1〜6のものがより好ましい。Rが、上記のアミノ基および有機置換基(アルキル基、アリール基、アルコキシ基)である場合には、その水素原子の少なくとも1つが、さらに他のアルキル基、アリール基、アルコキシ基などの官能基により置換されていても良い。
【0181】
また、一般式(5)で示されるトリハロシランにおいて、Xは、ハロゲン原子(Cl,F,Br,I)を表す。ハロゲン原子としては、Clがより好ましい。
【0182】
本願第5発明においては、一般式(5)で表されるトリハロシランの1種を単独で使用しても良く、或いは2種以上を混合使用しても良い。トリハロシランは、できるだけ高純度のものであることが好ましく、例えば、液体のトリハロシランについては、水素化カルシウムにより乾燥し、蒸留して使用することが好ましく、また、固体のトリハロシランについては、再結晶法により、精製し、使用することが好ましい。
【0183】
6.本願第6発明
本願第6発明は、本発明の電極反応をより効率的に行うために、支持電解質に加えて通電助剤を併用することにより、通電性の向上をはかる以外の点では、本願第5発明と実質的に異なるところはない。通電助剤の種類および濃度などは、本願第2発明の場合と同様でよい。
【0184】
7.本願第7発明
本願第7発明における出発原料は、前出の一般式(1)で示されるジハロシランと前出の一般式(5)で示されるトリハロシランである。
【0185】
また、本願第7発明における反応生成物は、一般式
【0186】
【化104】
Figure 0003598388
【0187】
(式中、Rは、出発原料に応じて上記に同じ。)
で示される構造単位と一般式
【0188】
【化105】
Figure 0003598388
【0189】
で示される構造単位とからなるSi−Si結合を骨格とする網目状ポリマーである。
【0190】
本願第7発明は、出発原料として一般式(1)のジハロシランの少なくとも1種と一般式(5)のトリハロシランの少なくとも1種とを併用することおよびそれに対応して生成されるポリマーが一般式(7)で示される構造単位と一般式(8)で示される構造単位とからなる網目状ポリマーであること以外の点では、本願第1発明と実質的に異なるところはない。
【0191】
本願第7発明においては、一般式(1)で表されるジハロシランの1種または2種以上と一般式(5)で表されるトリハロシランの1種または2種以上との混合割合は、ジハロシラン(1):トリハロシラン(5)=1000:1〜50000の範囲とすることが好ましい。この範囲内の混合割合とする場合には、混合物が有機溶媒に可溶であり、且つ生成するポリマーが直鎖状のポリマーと網目状のシリコンネットワークポリマーとの両方の特性を兼ね備えた複合的な機能を発揮するので、好適である。
【0192】
本願第7発明により得られるSi−Si結合を骨格とする網目状ポリマーの重量平均分子量は、通常2000〜100万程度である。
【0193】
8.本願第8発明
本願第8発明は、本発明の電極反応をより効率的に行うために、支持電解質に加えて通電助剤を併用することにより、通電性の向上をはかる以外の点では、本願第7発明と実質的に異なるところはない。通電助剤の種類および濃度などは、本願第2発明の場合と同様でよい。
【0194】
本願第8発明により得られるSi−Si結合を骨格とする網目状ポリマーの重量平均分子量は、やはり通常2000〜100万程度である。
【0195】
9.本願第9発明
本願第9発明における出発原料は、前出の一般式(1)で示されるジハロシランと一般式
【0196】
【化106】
Figure 0003598388
【0197】
(式中、Xは、ハロゲン原子を示す。)
で示されるテトラハロシランである。
【0198】
また、本願第9発明における反応生成物は、一般式(7)で示される構造単位と一般式
【0199】
【化107】
Figure 0003598388
【0200】
で示される構造単位とからなるSi−Si結合を骨格とする網目状ポリマーである。
【0201】
本願第9発明は、出発原料として一般式(1)のジハロシランの少なくとも1種と一般式(9)のテトラハロシランの少なくとも1種とを併用することおよびそれに対応して生成されるポリマーが一般式(7)で示される構造単位と一般式(10)で示される構造単位とからなる網目状ポリマーであること以外の点では、本願第1発明と実質的に異なるところはない。
【0202】
本願第9発明においては、一般式(1)で表されるジハロシランの1種または2種以上と一般式(9)で表されるテトラハロシランの1種または2種以上との混合割合は、ジハロシラン(1):テトラハロシラン(9)=1000:1〜1000の範囲とすることが好ましい。この範囲内の混合割合とする場合には、混合物が有機溶媒に可溶であり、且つ生成するポリマーが直鎖状のポリマーと網目状のシリコンネットワークポリマーとの両方の特性を兼ね備えた複合的な機能を発揮するので、好適である。
【0203】
本願第9発明により得られるSi−Si結合を骨格とする網目状ポリマーの重量平均分子量は、通常2000〜100万程度である。
【0204】
10.本願第10発明
本願第10発明は、本発明の電極反応をより効率的に行うために、支持電解質に加えて通電助剤を併用することにより、通電性の向上をはかる以外の点では、本願第9発明と実質的に異なるところはない。通電助剤の種類および濃度などは、本願第2発明の場合と同様でよい。
【0205】
本願第10発明により得られるSi−Si結合を骨格とする網目状ポリマーの重量平均分子量は、やはり通常2000〜100万程度である。
【0206】
11.本願第11発明
本願第11発明における出発原料は、前出の一般式(5)で示されるトリハロシランと前出の一般式(9)で示されるテトラハロシランである。
【0207】
また、本願第9発明における反応生成物は、一般式(8)で示される構造単位と一般式(10)で示される構造単位とからなるSi−Si結合を骨格とする網目状ポリマーである。
【0208】
本願第11発明は、出発原料として一般式(5)のトリハロシランの少なくとも1種と一般式(9)のテトラハロシランの少なくとも1種とを併用することおよびそれに対応して生成されるポリマーが一般式(8)で示される構造単位と一般式(10)で示される構造単位とからなる網目状ポリマーであること以外の点では、本願第1発明と実質的に異なるところはない。
【0209】
本願第9発明においては、一般式(5)で表されるトリハロシランの1種または2種以上と一般式(9)で表されるテトラハロシランの1種または2種以上との混合割合は、トリハロシラン(5):テトラハロシラン(9)=1000:1〜100の範囲とすることが好ましい。この範囲内の混合割合とする場合には、混合物が有機溶媒に可溶であり、且つ生成するポリマーが直鎖状のポリマーと網目状のシリコンネットワークポリマーとの両方の特性を兼ね備えた複合的な機能を発揮するので、好適である。
【0210】
本願第11発明により得られるSi−Si結合を骨格とする網目状ポリマーの重量平均分子量は、通常2000〜100万程度である。
【0211】
12.本願第12発明
本願第12発明は、本発明の電極反応をより効率的に行うために、支持電解質に加えて通電助剤を併用することにより、通電性の向上をはかる以外の点では、本願第11発明と実質的に異なるところはない。通電助剤の種類および濃度などは、本願第2発明の場合と同様でよい。
【0212】
本願第12発明により得られるSi−Si結合を骨格とする網目状ポリマーの重量平均分子量は、やはり通常2000〜100万程度である。
【0213】
13.本願第13発明
本願第13発明における出発原料は、前出の一般式(1)で示されるジハロシランと前出の一般式(5)で示されるトリハロシランと前出の一般式(9)で示されるテトラハロシランである。
【0214】
また、本願第13発明における反応生成物は、一般式(7)で示される構造単位と一般式(8)で示される構造単位と一般式(10)で示される構造単位とからなるSi−Si結合を骨格とする網目状ポリマーである。
【0215】
本願第13発明は、出発原料として一般式(1)のジハロシランの少なくとも1種と一般式(5)のトリハロシランの少なくとも1種と一般式(9)のテトラハロシランの少なくとも1種とを併用することおよびそれに対応して生成されるポリマーが一般式(7)で示される構造単位と一般式(8)で示される構造単位と一般式(10)で示される構造単位とからなる網目状ポリマーであること以外の点では、本願第1発明と実質的に異なるところはない。
【0216】
本願第13発明においては、一般式(1)で表されるジハロシランの1種または2種以上と一般式(5)で表されるトリハロシランの1種または2種以上と一般式(9)で表されるテトラハロシランの1種または2種以上との混合割合は、ジハロシラン(1):トリハロシラン(5):テトラハロシラン(9)=1000:0.5〜800:0.5〜100の範囲とすることが好ましい。この範囲内の混合割合とする場合には、混合物が有機溶媒に可溶であり、且つ生成するポリマーが直鎖状のポリマーと網目状のシリコンネットワークポリマーとの両方の特性を兼ね備えた複合的な機能を発揮するので、好適である。
【0217】
本願第13発明により得られるSi−Si結合を骨格とする網目状ポリマーの重量平均分子量は、通常2000〜100万程度である。
【0218】
14.本願第14発明
本願第14発明は、本発明の電極反応をより効率的に行うために、支持電解質に加えて通電助剤を併用することにより、通電性の向上をはかる以外の点では、本願第13発明と実質的に異なるところはない。通電助剤の種類および濃度などは、本願第2発明の場合と同様でよい。
【0219】
本願第14発明により得られるSi−Si結合を骨格とする網目状ポリマーの重量平均分子量は、やはり通常2000〜100万程度である。
【0220】
【発明の効果】
本発明によれば、下記のような顕著な効果が達成される。
【0221】
(a)高収率で、分子量の揃った重合度30以上のポリシラン類が製造できる。
【0222】
(b)危険な金属、発ガン性を有する溶媒などの危険な材料を使用しないので、安全でかつ環境汚染などの危険性なく、ポリシラン類が製造できる。
【0223】
(c)高価な支持電解質を用いないので、安価にポリシランが製造できる。
【0224】
(d)通電助剤を使用する場合には、通電性がより良好となるので、通電助剤を使用しない場合に比して、反応時間が1/4〜3/4程度に大幅に短縮され、効率よくポリシラン類を製造することができる。
【0225】
(e)通電助剤としてAlClなどを用いる場合には、反応終了後に反応溶液を中和する必要がないので、後処理が極めて簡単となる。
【0226】
【実施例】
以下に実施例を示し、本発明の特徴とするところをより一層明確にする。
【0227】
実施例1
三方コックおよびMg製陽極(直径1cm×5cm)およびステンレス鋼(SUS304)製陰極(1cm×1cm×5cm)を装着した内容積30mlの3つ口フラスコ(以下反応器という)に無水塩化リチウム(LiCl)0.4gを収容し、50℃で1mmHgに加熱減圧して、LiClを乾燥した後、脱酸素した乾燥窒素を反応器内に導入し、さらに予めナトリウム−ベンゾフェノンケチルで乾燥したテトラヒドロフラン15mlを加えた。これに予め蒸留により精製したメチルフェニルジクロロシラン1.6ml(10mmol)をシリンジで加え、マグネティックスターラーにより反応溶液を撹拌しながら、ウォーターバスにより反応器を室温に保持しつつ、定電流電源により通電した。通電は、メチルフェニルジクロロシラン中の塩素を基準として1.8F/molの通電量となるよう約31時間行った。
【0228】
反応終了後、反応溶液に1N塩酸20mlを加えて、さらに蒸留水80mlを加え、エーテル100mlで抽出し、貧溶媒エタノール80ml、良溶媒テトラヒドロフラン4mlを用いて再沈した。
【0229】
その結果、重量平均分子量12200(平均重合度102程度)のメチルフェニルポリシランが収率51.6%で得られた。
【0230】
得られたメチルフェニルポリシランの10wt%トルエン溶液を調製し、その0.2mlを用いてガラス基板上にキャスト法により塗布し、減圧下50℃に加熱して乾燥し、ポリシラン薄膜を得た。この薄膜は、くもり、ひび割れ、うねりなどがなく、平坦で透明性の高く、光・電子材料用途に好適なものであった。
【0231】
実施例2
一般式(1)で示されるジハロシランとして、蒸留法で精製したシクロヘキシルメチルジクロロシラン1.9mlを使用する以外は実施例1と同様にして電極反応を行った。
【0232】
反応終了後、反応溶液に1N塩酸20mlを加えて、さらに蒸留水80mlを加え、n−ヘキサン100mlで抽出し、貧溶媒アセトン80ml、良溶媒n−ヘキサン4mlを用いて再沈した。
【0233】
その結果、重量平均分子量11500(平均重合度91程度)のシクロヘキシルメチルポリシランが収率61.2%で得られた。
【0234】
実施例3
一般式(1)で示されるジハロシランとして、蒸留法で精製したn−ヘキシルメチルジクロロシラン2.0mlを使用する以外は実施例1と同様にして電極反応を行った。
【0235】
反応終了後、反応溶液に1N塩酸20mlを加えて、さらに蒸留水80mlを加え、エーテル100mlで抽出し、貧溶媒アセトン80ml、良溶媒n−ヘキサン4mlを用いて再沈した。
【0236】
その結果、重量平均分子量10500(平均重合度82程度)のn−ヘキシルメチルポリシランが収率53.2%で得られた。
【0237】
実施例4
一般式(1)で示されるジハロシランとして、蒸留法で精製したメトキシメチルジクロロシラン1.5mlを使用する以外は実施例1と同様にして電極反応を行った。
【0238】
反応終了後、反応溶液に1N塩酸20mlを加えて、さらに蒸留水80mlを加え、エーテル100mlで抽出し、貧溶媒エタノール80ml、良溶媒テトラヒドロフラン(THF)4mlを用いて再沈した。
【0239】
その結果、重量平均分子量3900(平均重合度73程度)のメトキシメチルポリシランが収率23%で得られた。
【0240】
実施例5
一般式(1)で示されるジハロシラン原料として、蒸留法で精製したp−アニシルメチルジクロロシラン1.9mlを使用する以外は実施例1と同様にして電極反応を行った。
【0241】
反応終了後、反応溶液に1N塩酸20mlを加えて、さらに蒸留水80mlを加え、エーテル100mlで抽出し、貧溶媒エタノール80ml、良溶媒THF4mlを用いて再沈した。
【0242】
その結果、重量平均分子量9900(平均重合度66程度)のp−アニシルメチルポリシランが収率51.1%で得られた。
【0243】
実施例6
一般式(1)で示されるジハロシラン原料として、蒸留法で精製した1,2−ジクロロ−1,1,2−トリメチル−2−フェニルジシラン1.5mlを使用する以外は実施例1と同様にして電極反応を行った。
【0244】
反応終了後、反応溶液に1N塩酸20mlを加えて、さらに蒸留水80mlを加え、エーテル100mlで抽出し、貧溶媒エタノール80ml、良溶媒THF4mlを用いて再沈した。
【0245】
その結果、対応する高分子量ポリシランが高収率で得られた。
【0246】
実施例7
一般式(1)で示されるジハロシラン原料として、メチルフェニルジブロモシランを使用する以外は実施例1と同様にして電極反応を行った。その結果、重量平均分子量10200(平均重合度85程度)のメチルフェニルポリシランが、42.1%の収率で得られた。
【0247】
実施例8
陽極としてMg合金(Mg90%、Al9%、Zn1%:1cm×1cm×5cm)を使用する以外は実施例1と同様にして、メチルフェニルジクロロシランを電極反応に供した。その結果、重量平均分子量15300(平均重合度128程度)のメチルフェニルポリシランが、55.3%の収率で得られた。
【0248】
実施例9
陽極としてMg合金(Mg89.5%、Al3%、Zn1%、Mn0.5%、1cm×1cm×5cm)を使用する以外は実施例1と同様にして、メチルフェニルジクロロシランを電極反応に供した。その結果、重量平均分子量12200(平均重合度102程度)のメチルフェニルポリシランが、61.3%の収率で得られた。
【0249】
実施例10
陰極としてグラッシーカーボン(1cm×0.1cm×5cm)を使用する以外は実施例1と同様にして、メチルフェニルジクロロシランを電極反応に供した。その結果、高分子量のメチルフェニルポリシランが高収率で得られた。
【0250】
実施例11
支持電解質として硝酸リチウム0.65gを使用する以外は実施例1と同様にして、メチルフェニルジクロロシランを電極反応に供した。その結果、高分子量のメチルフェニルポリシランが高収率で得られた。
【0251】
実施例12
支持電解質として炭酸リチウム0.70gを使用する以外は実施例1と同様にして、メチルフェニルジクロロシランを電極反応に供した。その結果、高分子量のメチルフェニルポリシランが高収率で得られた。
【0252】
実施例13
三方コックおよびMg製陽極(直径1cm×5cm)およびステンレス鋼(SUS316)製陰極(1cm×1cm×5cm)を装着した内容積30mlの3つ口フラスコ(以下反応器という)に無水塩化リチウム(LiCl)0.40gと無水塩化アルミニウム(AlCl)0.25gを収容し、50℃、1mmHgに加熱減圧して、LiClおよびAlClを乾燥した後、脱酸素した乾燥窒素を反応器内に導入し、さらに予めナトリウム−ベンゾフェノンケチルで乾燥したテトラヒドロフラン15mlを加えた。これに予め蒸留により精製したメチルフェニルジクロロシラン1.6ml(10mmol)をシリンジで加え、マグネティックスターラーにより反応溶液を撹拌しながら、ウォーターバスにより反応器を室温に保持しつつ、定電圧電源により通電した。通電は、メチルフェニルジクロロシラン中の塩素を基準として1.8F/molの通電量となるよう行ったところ、反応時間は約10時間であった。
【0253】
反応終了後、反応溶液に1N塩酸20mlを加えて、さらに蒸留水80mlを加え、エーテル100mlで抽出し、貧溶媒エタノール80ml、良溶媒テトラヒドロフラン4mlを用いて再沈した。
【0254】
その結果、重量平均分子量17100(平均重合度143程度)のメチルフェニルポリシランが、収率54.8%で得られた。
【0255】
実施例14
LiCl使用量を0.8gとする以外は実施例13と同様にしてメチルフェニルジクロロシランを電極反応に供した。この場合、原料中の塩素を基準として、通電量が1.8F/molとなるまでに約9時間を要した。
【0256】
その結果、重量平均分子量24300(平均重合度203程度)のメチルフェニルポリシランが収率40.6%で得られた。
【0257】
実施例15
通電助剤として、MgCl0.18gを使用する以外は実施例13と同様にしてメチルフェニルジクロロシランを電極反応に供した。この場合、原料中の塩素を基準として、通電量が1.8F/molとなるまでに約15時間を要した。
【0258】
その結果、重量平均分子量9900(平均重合度83程度)のメチルフェニルポリシランが収率47.5%で得られた。
【0259】
実施例16
通電助剤として、ZnCl0.26gを使用する以外は実施例13と同様にしてメチルフェニルジクロロシランを電極反応に供した。この場合、原料中の塩素を基準として、通電量が1.8F/molとなるまでに約17時間を要した。
【0260】
その結果、重量平均分子量10500(平均重合度88程度)のメチルフェニルポリシランが収率43.1%で得られた。
【0261】
実施例17
通電助剤として、CaCl0.52gを使用する以外は実施例13と同様にしてメチルフェニルジクロロシランを電極反応に供した。この場合、原料中の塩素を基準として、通電量が1.8F/molとなるまでに約20時間を要した。
【0262】
その結果、重量平均分子量8550(平均重合度71程度)のメチルフェニルポリシランが収率49.0%で得られた。
【0263】
実施例18
溶媒として予めナトリウム−ベンゾフェノンケチルで乾燥したDME15mlを使用する以外は実施例13と同様にしてメチルフェニルジクロロシランを電極反応に供した。
【0264】
その結果、重量平均分子量7600(平均重合度63程度)のメチルフェニルポリシランが収率39.5%で得られた。
【0265】
実施例19
原料ジハロシランとして、蒸留法で精製したメチルフェニルジクロロシラン6.4mlを使用する以外は実施例13と同様にして電極反応を行った。
【0266】
その結果、重量平均分子量39800(平均重合度332程度)のメチルフェニルポリシランが収率48.5%で得られた。
【0267】
実施例20
原料ハロシランとして、蒸留法で精製した1,4−ビス(メチルフェニルクロロシリル)ベンゼンを1.3mlを使用する以外は実施例13と同様にして電極反応を行った。
【0268】
その結果、重量平均分子量11300(平均重合度41程度)のポリ[p−(ジシラニレン)フェニレン]が収率33.9%で得られた。
【0269】
実施例21
原料ハロシランとして、蒸留法で精製したフェニルトリクロロシランを使用する以外は実施例13と同様にして電極反応を行った。通電は、原料中の塩素を基準として、通電量が2.0mol/lとなるよう行った。
【0270】
その結果、重量平均分子量13000(平均重合度124程度)のフェニル基を有するシリコンネットワークポリマーが収率41.5%で得られた。
【0271】
実施例22
原料ハロシランとして、蒸留法で精製したシクロヘキシルトリクロロシランを使用する以外は実施例13と同様にして電極反応を行った。通電は、原料中の塩素を基準として、通電量が2.0mol/lとなるよう行った。
【0272】
その結果、重量平均分子量11300(平均重合度102程度)のシクロヘキシル基を有するシリコンネットワークポリマーが収率62.3%で得られた。
【0273】
実施例23
原料ハロシランとして、蒸留法で精製したメチルフェニルジクロロシラン1.45mlおよびフェニルトリクロロシラン0.16mlの混合物を使用する以外は実施例13と同様にして電極反応を行った。通電は、通電量が原料中の塩素を基準として2.0F/molとなるよう行った。
【0274】
その結果、重量平均分子量8050のSi−Si結合を骨格とする網目状ポリマーが収率61.5%で得られた。
【0275】
実施例24
原料ハロシランとして、蒸留法で精製したメチルフェニルジクロロシラン1.13mlおよびテトラクロロシラン0.34mlの混合物を使用する以外は実施例13と同様にして電極反応を行った。通電は、通電量が原料中の塩素を基準として2.0F/molとなるよう行った。
【0276】
その結果、重量平均分子量7700のSi−Si結合を骨格とする網目状ポリマーが収率38.5%で得られた。
【0277】
実施例25
原料ハロシランとして、蒸留法で精製したフェニルトリクロロシラン1.60mlおよびテトラクロロシラン0.06mlの混合物を使用する以外は実施例13と同様にして電極反応を行った。通電は、通電量が原料中の塩素を基準として2.0F/molとなるよう行った。
【0278】
その結果、重量平均分子量7200のSi−Si結合を骨格とする網目状ポリマーが収率34.0%で得られた。
【0279】
実施例26
原料ハロシランとして、蒸留法で精製したメチルフェニルジクロロシラン1.60ml、フェニルトリクロロシラン0.16mlおよびテトラクロロシラン0.06mlの混合物を使用する以外は実施例13と同様にして電極反応を行った。通電は、通電量が原料中の塩素を基準として2.0F/molとなるよう行った。
【0280】
その結果、重量平均分子量8100のSi−Si結合を骨格とする網目状ポリマーが収率52.2%で得られた。
【0281】
実施例27
通電助剤として、FeCl0.24gを使用する以外は実施例13と同様にしてメチルフェニルジクロロシランを電解反応に供した。この場合、原料中の塩素を基準として、通電量が1.8F/molとなるまで約11時間を要した。その結果、重要平均分子量22300(平均重合度186程度)のメチルフェニルポリシランが収率60.5%で得られた。
【0282】
実施例28
通電助剤として、FeCl0.31gを使用する以外は実施例13と同様にしてメチルフェニルジクロロシランを電解反応に供した。この場合、原料中の塩素を基準として、通電量が1.8F/molとなるまで約12時間を要した。その結果、重要平均分子量15000(平均重合度125程度)のメチルフェニルポリシランが収率43.7%で得られた。
【0283】
実施例29
通電助剤として、SnCl0.49gを使用する以外は実施例13と同様にしてメチルフェニルジクロロシランを電解反応に供した。この場合、原料中の塩素を基準として、通電量が1.8F/molとなるまで約22時間を要した。その結果、重要平均分子量9100(平均重合度76程度)のメチルフェニルポリシランが収率56.2%で得られた。
【0284】
実施例30
通電助剤として、CoCl0.24gを使用する以外は実施例13と同様にしてメチルフェニルジクロロシランを電解反応に供した。この場合、原料中の塩素を基準として、通電量が1.8F/molとなるまで約17時間を要した。その結果、重要平均分子量13000(平均重合度108程度)のメチルフェニルポリシランが収率61.8%で得られた。
【0285】
実施例31
通電助剤として、PdCl0.33gを使用する以外は実施例13と同様にしてメチルフェニルジクロロシランを電解反応に供した。この場合、原料中の塩素を基準として、通電量が1.8F/molとなるまで約23時間を要した。その結果、重要平均分子量7400(平均重合度61程度)のメチルフェニルポリシランが収率36.7%で得られた。
【0286】
実施例32
通電助剤として、VCl0.29gを使用する以外は実施例13と同様にしてメチルフェニルジクロロシランを電解反応に供した。この場合、原料中の塩素を基準として、通電量が1.8F/molとなるまで約23時間を要した。その結果、重要平均分子量15700(平均重合度131程度)のメチルフェニルポリシランが収率26.4%で得られた。
【0287】
実施例33
通電助剤として、CuCl0.25gを使用する以外は実施例13と同様にしてメチルフェニルジクロロシランを電解反応に供した。この場合、原料中の塩素を基準として、通電量が1.8F/molとなるまで約18時間を要した。その結果、重要平均分子量10400(平均重合度86程度)のメチルフェニルポリシランが収率41.8%で得られた。
【0288】
実施例34
Mg製陽極(12cm×15cm×1cm)およびステンレス鋼(SUS316)製陰極(12cm×15cm×1cm)を装着したフィルタープレス型電解槽(電極間間隔5mm)、容積3lの反応液貯槽、ベローズ式ポンプおよび配管からなる流動式電極反応装置の反応液貯槽に無水塩化リチウム(LiCl)27gと無水塩化アルミニウム(AlCl)17gとを収容し、50℃、1mmHgに加熱減圧して、LiClおよびAlClを乾燥した後、脱酸素した乾燥窒素を反応装置内に導入し、さらに予めナトリウム−ベンゾフェノンケチルで乾燥したテトラヒドロフラン1.0lを加えた。これに予め蒸留により精製したメチルフェニルジクロロシラン107.9ml(0.67mol)をシリンジで加え、ベローズ式ポンプにより反応液を循環させながら(電極間を通過する際の線速度は、20cm/秒)、冷却器により反応温度を室温に保持しつつ、定電圧電源により通電した。通電は、原料中の塩素を基準として1.8F/molの通電量となる様、約36時間行った。
【0289】
反応終了後、反応溶液に蒸留水1.5lを加え、エーテル1.5lで抽出し、貧溶媒エタノール2l、良溶媒ベンゼン50mlを用いて再沈した。
【0290】
その結果、重量平均分子量18500(平均重合度154程度)のメチルフェニルポリシランが、収率39.9%で得られた。
【0291】
実施例35
図3に示す鉛筆削り型電解槽を使用して、本発明を実施した。すなわち、円錐部11(高さ105cm×直径22cm)と円柱部13(直径22cm×45cm;但し、15cmのブロック3枚により構成)とからなるMg積層体を陽極とし、陽極円錐部11と5mmの間隔で配置されたSUS304製シート15を陰極(電解槽の外壁を兼ねる)とする鉛筆削り型電解槽17、容量20lの反応液貯槽(図示せず)、反応液循環ポンプ(図示せず)、配管類(図示せず)などを主要構成要素として備えた流動式電極反応装置に無水塩化リチウム(LiCl)400gと無水塩化第一鉄(FeCl)250gとを収容し、50℃、1mmHgに加熱減圧して、LiClおよびFeClを乾燥した後、脱酸素した乾燥窒素を反応装置内に導入し、さらに乾燥したテトラヒドロフラン15lを加えた。これにメチルフェニルジクロロシラン1.5kgを加え、反応液循環ポンプにより、反応溶液を矢印の方向に循環させながら(電極間の中間点を通過する際の線速度は、20cm/秒)、冷却器により反応温度を室温に保持しつつ、電流値34Aで定電流電解を行った。通電は、原料を基準として3.5F/molの通電量となる様、約22時間行った。
【0292】
反応終了後、反応溶液を常法に従って洗浄し、抽出し、再沈したところ、メチルフェニルポリシラン385gが得られた。
【0293】
反応終了後にMg電極の消耗状況を観察したところ、Mg電極は上端が5mm低下していた。この消耗の程度から、Mg陽極の厚さ45cm(15cmのブロック3枚)の上部円柱部13が完全に消失して、Mgブロックを補充する必要を生じるのは、上記と同様な反応を90回程度繰り返した後であることが明らかである。
【0294】
実施例36
図1に示す形式の陽極および図4に示す形式の電解槽を使用して、本発明を実施した。すなわち、直径20cm×高さ40cmのPTFE製のバスケット1に直径1cmのMg球状体3を高さ35cmのところまで収容したものを陽極とし、バスケット1と5mmの間隔で配置されたSUS304製円筒型容器21を陰極(電解槽の外壁を兼ねる)とする電解槽23、容量20lの反応液貯槽(図示せず)、反応液循環ポンプ(図示せず)、配管類(図示せず)などを主要構成要素として備えた流動式電解反応装置に無水塩化リチウム(LiCl)400gと無水塩化第一鉄(FeCl)250gとを収容し、50℃、1mmHgに加熱減圧して、LiClおよびFeClを乾燥した後、脱酸素した乾燥窒素を反応装置内に導入し、さらに乾燥したテトラヒドロフラン15lを加えた。これにメチルフェニルジクロロシラン1.5kgを加え、反応液循環ポンプにより、反応溶液を矢印の方向に循環させながら(電極間の中間点を通過する際の線速度は、20cm/秒)、冷却器により反応温度を室温に保持しつつ、電流値34Aで定電流電解を行った。通電は、原料を基準として3.5F/molの通電量となる様、約22時間行った。
【0295】
反応終了後、反応溶液を常法に従って洗浄し、抽出し、再沈したところ、メチルフェニルポリシラン339gが得られた。
【0296】
反応終了後にMgの消耗状況を観察したところ、Mg球状体の上端が1cm低下していた。この消耗の程度から、Mg球状体の上端がバスケットの高さの約1/3にまで低下して、Mg球状体を補充する必要を生じるのは、上記と同様な反応を20回程度繰り返した後であることが明らかとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】陽極を構成するMgまたはMg合金の球状体をかご状容器乃至バスケットに収容して使用する本発明方法の大要を示す斜面図である。
【図2】本発明で使用する電解槽を鉛筆削り型電解槽とした場合の概要を示す模式的な断面図である。
【図3】本発明の実施例で使用する鉛筆削り型電解槽の概要を示す模式的な断面図である。
【図4】Mg球状体をバスケットに収容して消耗陽極として使用する電解槽の概要を示す模式的な断面図である。
【符号の説明】
1…かご状容器乃至バスケット
3…金属球状体乃至ペレット
5…陰極
7…ブロック状陽極
11…陽極の円錐部
13…陽極の円柱部
15…陰極
17…電解槽
21…陰極
23…電解槽

Claims (28)

  1. ポリシラン類の製造方法であって、一般式
    Figure 0003598388
    (式中mは、1〜3である:Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアミノ基を表す。m=1の場合には2つのRが、m=2の場合には4つのRが、m=3の場合は6つのRが、それぞれ同一でもあるいは2つ以上が相異なっていてもよい:Xは、ハロゲン原子を表す)
    で示されるジハロシランをMgまたはMg系合金を陽極とし、LiClを支持電解質とし、溶媒として非プロトン性溶媒を使用する電極反応に供することにより、一般式
    Figure 0003598388
    (式中Rは、出発原料に対応して上記に同じ:nは、20〜10000である)で示されるポリシランを形成させることを特徴とする方法。
  2. ポリシラン類の製造方法であって、一般式
    Figure 0003598388
    (式中mは、1〜3である:Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアミノ基を表す。m=1の場合には2つのRが、m=2の場合には4つのRが、m=3の場合は6つのRが、それぞれ同一でもあるいは2つ以上が相異なっていてもよい:Xは、ハロゲン原子を表す)
    で示されるジハロシランをMgまたはMg系合金を陽極とし、Li塩を支持電解質とし、Al塩、Fe塩、Mg塩、Zn塩、Sn塩、Co塩、Pd塩、V塩、Cu塩またはCa塩を通電助剤として用い、溶媒として非プロトン性溶媒を使用する電極反応に供することにより、一般式
    Figure 0003598388
    (式中Rは、出発原料に対応して上記に同じ:nは、20〜10000である)で示されるポリシランを形成させることを特徴とする方法。
  3. 支持電解質として、LiClを使用する請求項2に記載の方法。
  4. 通電助剤として、AlCl3、FeCl2、FeCl3、CoCl2またはCuCl2を使用する請求項2または3に記載の方法。
  5. ポリシラン類の製造方法であって、一般式
    Figure 0003598388
    (式中、Rは、芳香族基、不飽和脂肪族基、−(CH2m−基または−(CH2−CH2−O)m−基(mは、1〜20である)を表す:R1、R2、R3およびR4は、それぞれ同一或いは相異なって、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアミノ基を表す:Xは、ハロゲン原子を表す)で示される化合物をMgまたはMg系合金を陽極とし、Li塩を支持電解質とし、溶媒として非プロトン性溶媒を使用する電極反応に供することにより、一般式
    Figure 0003598388
    (式中、R1、R2、R3およびR4は、上記に同じ:nは、20〜10000である)で示されるSi−Si結合を主鎖に含むポリマーを形成させることを特徴とする方法。
  6. ポリシラン類の製造方法であって、一般式
    Figure 0003598388
    (式中、Rは、芳香族基、不飽和脂肪族基、−(CH2m−基または−(CH2−CH2−O)m−基(mは、1〜20である)を表す:R1、R2、R3およびR4は、それぞれ同一或いは相異なって、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアミノ基を表す:Xは、ハロゲン原子を表す)で示される化合物をMgまたはMg系合金を陽極とし、Li塩を支持電解質とし、Al塩、Fe塩、Mg塩、Zn塩、Sn塩、Co塩、Pd塩、V塩、Cu塩またはCa塩を通電助剤として用い、溶媒として非プロトン性溶媒を使用する電極反応に供することにより、一般式
    Figure 0003598388
    (式中、R1、R2、R3およびR4は、上記に同じ:nは、20〜10000である)で示されるSi−Si結合を主鎖に含むポリマーを形成させることを特徴とする方法。
  7. 支持電解質として、LiClを使用する請求項5または6に記載の方法。
  8. 通電助剤として、AlCl3、FeCl2、FeCl3、CoCl2またはCuCl2を使用する請求項6または7に記載の方法。
  9. ポリシラン類の製造方法であって、一般式
    Figure 0003598388
    (式中、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアミノ基を表す:Xは、ハロゲン原子を表す)で示されるトリハロシランをMgまたはMg系合金を陽極とし、LiClを支持電解質とし、溶媒として非プロトン性溶媒を使用する電極反応に供することにより、一般式
    Figure 0003598388
    (式中、Rは、出発原料に応じて上記に同じ:nは、20〜10000である)で示されるシリコンネットワークポリマーを形成させることを特徴とする方法。
  10. ポリシラン類の製造方法であって、一般式
    Figure 0003598388
    (式中、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアミノ基を表す:Xは、ハロゲン原子を表す)で示されるトリハロシランをMgまたはMg系合金を陽極とし、Li塩を支持電解質とし、Al塩、Fe塩、Mg塩、Zn塩、Sn塩、Co塩、Pd塩、V塩、Cu塩またはCa塩を通電助剤として用い、溶媒として非プロトン性溶媒を使用する電極反応に供することにより、一般式
    Figure 0003598388
    (式中、Rは、出発原料に応じて上記に同じ:nは、20〜10000である)で示されるシリコンネットワークポリマーを形成させることを特徴とする方法。
  11. 支持電解質として、LiClを使用する請求項10に記載の方法。
  12. 通電助剤として、AlCl3、FeCl2、FeCl3、CoCl2またはCuCl2を使用する請求項10または11に記載の方法。
  13. ポリシラン類の製造方法であって、一般式
    Figure 0003598388
    (式中、mは、1〜3である:Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアミノ基を表す。m=1の場合には2つのRが、m=2の場合には4つのRが、m=3の場合は6つのRが、それぞれ同一でもあるいは2つ以上が相異なっていてもよい:Xは、ハロゲン原子を表す)で示されるジハロシランと一般式
    Figure 0003598388
    (式中、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアミノ基を表す:Xは、ハロゲン原子を表す)で示されるトリハロシランとをMgまたはMg系合金を陽極とし、LiClを支持電解質とし、溶媒として非プロトン性溶媒を使用する電極反応に供することにより、一般式
    Figure 0003598388
    (式中、Rは、上記に同じ)で示される構造単位と一般式
    Figure 0003598388
    (式中、Rは、上記に同じ)で示される構造単位とからなるSi−Si結合を骨格とする網目状ポリマーを形成させることを特徴とする方法。
  14. ポリシラン類の製造方法であって、一般式
    Figure 0003598388
    (式中、mは、1〜3である:Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアミノ基を表す。m=1の場合には2つのRが、m=2の場合には4つのRが、m=3の場合は6つのRが、それぞれ同一でもあるいは2つ以上が相異なっていてもよい:Xは、ハロゲン原子を表す)で示されるジハロシランと一般式
    Figure 0003598388
    (式中、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアミノ基を表す:Xは、ハロゲン原子を表す)で示されるトリハロシランとをMgまたはMg系合金を陽極とし、Li塩を支持電解質とし、Al塩、Fe塩、Mg塩、Zn塩、Sn塩、Co塩、Pd塩、V塩、Cu塩またはCa塩を通電助剤として用い、溶媒として非プロトン性溶媒を使用する電極反応に供することにより、一般式
    Figure 0003598388
    (式中、Rは、上記に同じ)で示される構造単位と一般式
    Figure 0003598388
    (式中、Rは、上記に同じ)で示される構造単位とからなるSi−Si結合を骨格とする網目状ポリマーを形成させることを特徴とする方法。
  15. 支持電解質として、LiClを使用する請求項14に記載の方法。
  16. 通電助剤として、AlCl3、FeCl2、FeCl3、CoCl2またはCuCl2を使用する請求項14または15に記載の方法。
  17. ポリシラン類の製造方法であって、一般式
    Figure 0003598388
    (式中、mは、1〜3である:Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアミノ基を表す。m=1の場合には2つのRが、m=2の場合には4つのRが、m=3の場合は6つのRが、それぞれ同一でもあるいは2つ以上が相異なっていてもよい:Xは、ハロゲン原子を表す)で示されるジハロシランと一般式
    Figure 0003598388
    (式中、Xは、ハロゲン原子を表す)で示されるテトラハロシランとをMgまたはMg系合金を陽極とし、LiClを支持電解質とし、溶媒として非プロトン性溶媒を使用する電極反応に供することにより、一般式
    Figure 0003598388
    (式中、Rは、上記に同じ)で示される構造単位と一般式
    Figure 0003598388
    で示される構造単位とからなるSi−Si結合を骨格とする網目状ポリマーを形成させることを特徴とする方法。
  18. ポリシラン類の製造方法であって、一般式
    Figure 0003598388
    (式中、mは、1〜3である:Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアミノ基を表す。m=1の場合には2つのRが、m=2の場合には4つのRが、m=3の場合は6つのRが、それぞれ同一でもあるいは2つ以上が相異なっていてもよい:Xは、ハロゲン原子を表す)で示されるジハロシランと一般式
    Figure 0003598388
    (式中、Xは、ハロゲン原子を表す)で示されるテトラハロシランとをMgまたはMg系合金を陽極とし、Li塩を支持電解質とし、Al塩、Fe塩、Mg塩、Zn塩、Sn塩、Co塩、Pd塩、V塩、Cu塩またはCa塩を通電助剤として用い、溶媒として非プロトン性溶媒を使用する電極反応に供することにより、一般式
    Figure 0003598388
    (式中、Rは、上記に同じ)で示される構造単位と一般式
    Figure 0003598388
    で示される構造単位とからなるSi−Si結合を骨格とする網目状ポリマーを形成させることを特徴とする方法。
  19. 支持電解質として、LiClを使用する請求項18に記載の方法。
  20. 通電助剤として、AlCl3、FeCl2、FeCl3、CoCl2またはCuCl2を使用する請求項18または19に記載の方法。
  21. ポリシラン類の製造方法であって、一般式
    Figure 0003598388
    (式中、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアミノ基を表す;Xは、ハロゲン原子を表す)で示されるトリハロシランと一般式
    Figure 0003598388
    (式中、Xは、ハロゲン原子を表す)で示されるテトラハロシランとをMgまたはMg系合金を陽極とし、LiClを支持電解質とし、溶媒として非プロトン性溶媒を使用する電極反応に供することにより、一般式
    Figure 0003598388
    (式中、Rは、上記に同じ)で示される構造単位と一般式
    Figure 0003598388
    で示される構造単位とからなるSi−Si結合を骨格とする網目状ポリマーを形成させることを特徴とする方法。
  22. ポリシラン類の製造方法であって、一般式
    Figure 0003598388
    (式中、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアミノ基を表す;Xは、ハロゲン原子を表す)で示されるトリハロシランと一般式
    Figure 0003598388
    (式中、Xは、ハロゲン原子を表す)で示されるテトラハロシランとをMgまたはMg系合金を陽極とし、Li塩を支持電解質とし、Al塩、Fe塩、Mg塩、Zn塩、Sn塩、Co塩、Pd塩、V塩、Cu塩またはCa塩を通電助剤として用い、溶媒として非プロトン性溶媒を使用する電極反応に供することにより、一般式
    Figure 0003598388
    (式中、Rは、上記に同じ)で示される構造単位と一般式
    Figure 0003598388
    で示される構造単位とからなるSi−Si結合を骨格とする網目状ポリマーを形成させることを特徴とする方法。
  23. 支持電解質として、LiClを使用する請求項22に記載の方法。
  24. 通電助剤として、AlCl3、FeCl2、FeCl3、CoCl2またはCuCl2を使用する請求項22または23に記載の方法。
  25. ポリシラン類の製造方法であって、一般式
    Figure 0003598388
    (式中、mは、1〜3である:Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアミノ基を表す。m=1の場合には2つのRが、m=2の場合には4つのRが、m=3の場合は6つのRが、それぞれ同一でもあるいは2つ以上が相異なっていてもよい:Xは、ハロゲン原子を表す)で示されるジハロシランと一般式
    Figure 0003598388
    (式中、Rは、アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアミノ基を表す:Xは、ハロゲン原子を表す)で示されるトリハロシランと一般式
    Figure 0003598388
    (式中、Xは、ハロゲン原子を表す)で示されるテトラハロシランとをMgまたはMg系合金を陽極とし、LiClを支持電解質とし、溶媒として非プロトン性溶媒を使用する電極反応に供することにより、一般式
    Figure 0003598388
    (式中、Rは、上記に同じ)で示される構造単位と一般式
    Figure 0003598388
    (式中、Rは、上記に同じ)で示される構造単位と一般式
    Figure 0003598388
    で示される構造単位とからなるSi−Si結合を骨格とする網目状ポリマーを形成させることを特徴とする方法。
  26. ポリシラン類の製造方法であって、一般式
    Figure 0003598388
    (式中、mは、1〜3である:Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアミノ基を表す。m=1の場合には2つのRが、m=2の場合には4つのRが、m=3の場合は6つのRが、それぞれ同一でもあるいは2つ以上が相異なっていてもよい:Xは、ハロゲン原子を表す)で示されるジハロシランと一般式
    Figure 0003598388
    (式中、Rは、アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアミノ基を表す:Xは、ハロゲン原子を表す)で示されるトリハロシランと一般式
    Figure 0003598388
    (式中、Xは、ハロゲン原子を表す)で示されるテトラハロシランとをMgまたはMg系合金を陽極とし、Li塩を支持電解質とし、Al塩、Fe塩、Mg塩、Zn塩、Sn塩、Co塩、Pd塩、V塩、Cu塩またはCa塩を通電助剤として用い、溶媒として非プロトン性溶媒を使用する電極反応に供することにより、一般式
    Figure 0003598388
    (式中、Rは、上記に同じ)で示される構造単位と一般式
    Figure 0003598388
    (式中、Rは、上記に同じ)で示される構造単位と一般式
    Figure 0003598388
    で示される構造単位とからなるSi−Si結合を骨格とする網目状ポリマーを形成させることを特徴とする方法。
  27. 支持電解質として、LiClを使用する請求項26に記載の方法。
  28. 通電助剤として、AlCl3、FeCl2、FeCl3、CoCl2またはCuCl2を使用する請求項26または27に記載の方法。
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