JPH06256524A - フェノール基を有するポリシランの製造方法 - Google Patents

フェノール基を有するポリシランの製造方法

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JPH06256524A
JPH06256524A JP4693693A JP4693693A JPH06256524A JP H06256524 A JPH06256524 A JP H06256524A JP 4693693 A JP4693693 A JP 4693693A JP 4693693 A JP4693693 A JP 4693693A JP H06256524 A JPH06256524 A JP H06256524A
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polysilane
same
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JP4693693A
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English (en)
Inventor
Tatsuya Shono
達哉 庄野
Shigefumi Kashiwamura
成史 柏村
Ryoichi Nishida
亮一 西田
Hiroaki Murase
裕明 村瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Osaka Gas Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】室温条件下で反応を行なうことができ、しかも
従来法に比して著しく高い収率でフェノール基を有する
ポリシランを合成する方法を提供する。 【構成】1.式1で示されるジハロシランと、式2で示
される水酸基を保護したフェノール基を有するジハロシ
ランとの混合物を特定の金属を陽極として用いる電極反
応に供することにより、式3で示されるフェノール基を
有するポリシランを製造する方法。 2.式3で示されるフェノール基を有するポリシランを
酸、アルカリまたはフッ素イオンの存在下或いはアルコ
ール中で反応させることにより、式4で示されるフェノ
ール基を有するポリシランを製造する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フェノール基を有する
ポリシランの製造方法に関する。
【0002】
【従来技術とその課題】フェノール基を有するポリシラ
ンは、アルカリ水溶液に可溶であることなどから、フォ
トレジスト材料などとして有用であると期待されてい
る。
【0003】従来、フェノール基を有するポリシランの
製造方法としては、シリル基で保護したフェノール基を
有するジクロロシラン類を金属ナトリウムなどのアルカ
リ金属を用いて、トルエン溶媒中100℃以上の温度で
長時間攪拌し、還元的にカップリングさせた後、保護基
を酸、アルカリあるいはアルコールを用いてはずすこと
により製造する方法が知られている(例えば、Macromol
ecules 1989,22,2933参照)。しかしながら、この方法
は、過酷な反応条件(例えば、長時間の加熱が必要であ
る)を必要とすること、分子量の制御が全くできないこ
と、工業的規模での生産に際しては、アルカリ金属を大
量に使用するので、安全性に大きな問題があること、さ
らに収率が5%前後と低いなどの欠点を有している。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の如き
従来技術の現状に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、水酸基
を保護したフェノール基を有するジハロシランと通常の
ジハロシランとの混合物を特定の金属を陽極として使用
する電極反応に供する場合には、室温条件下で反応を行
なうことができ、しかも従来法に比して著しく高い収率
でフェノール基を有するポリシランを合成することがで
きるので、従来技術の問題点が実質的に解消されるか、
或いは大幅に軽減されることを見出した。
【0005】すなわち、本発明は、下記のフェノール基
を有するポリシランの製造方法を提供するものである。
【0006】1.フェノール基を有するポリシランの製
造方法であって、一般式(1)
【0007】
【化8】
【0008】(式中、R1 は、水素原子、アルキル基、
アリール基、アルコキシ基またはアミノ基を表わす。2
つのR1 は、同一であっても或いは相異なっていても良
い。Xは、ハロゲン原子を表わす。2つのXは、同一で
あっても或いは相異なっていても良い。)で示されるジ
ハロシランと、一般式(2)
【0009】
【化9】
【0010】(式中、R2 は、アルコキシアルキル基、
トリアルキルシリル基またはベンジル基を表す。R
3 は、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ
基またはアミノ基を表わす。Xは、ハロゲン原子を表わ
す。2つのXは、同一であっても或いは相異なっていて
も良い。lは、0〜10である。アルコキシアルコキシ
基、トリアルキルシロキシ基またはベンジロキシ基の位
置は、メタ位或いはパラ位である。)で示される水酸基
を保護したフェノール基を有するジハロシランとの混合
物を特定の金属を陽極として用いる電極反応に供するこ
とにより、一般式(3)
【0011】
【化10】
【0012】(式中、R1 、R2 、R3 およびl、なら
びアルコキシアルコキシ基、トリアルキルシロキシ基ま
たはベンジロキシ基の位置は、出発原料に対応して、上
記に同じである;mおよびnは、10〜10000であ
る。)で示される水酸基を保護したフェノール基を有す
るポリシランを製造する方法。 2.フェノール基を有するポリシランの製造方法であっ
て、一般式(1)
【0013】
【化11】
【0014】(式中、R1 は、水素原子、アルキル基、
アリール基、アルコキシ基またはアミノ基を表わす。2
つのR1 は、同一であっても或いは相異なっていても良
い。Xは、ハロゲン原子を表わす。2つのXは、同一で
あっても或いは相異なっていても良い。)で示されるジ
ハロシランと、一般式(2)
【0015】
【化12】
【0016】(式中、R2 は、アルコキシアルキル基、
トリアルキルシリル基またはベンジル基を表す。R
3 は、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ
基またはアミノ基を表わす。Xは、ハロゲン原子を表わ
す。2つのXは、同一であっても或いは相異なっていて
も良い。lは、0〜10である。アルコキシアルコキシ
基、トリアルキルシロキシ基またはベンジロキシ基の位
置は、メタ位或いはパラ位である。)で示される水酸基
を保護したフェノール基を有するジハロシランとの混合
物を特定の金属を陽極として用いる電極反応に供するこ
とにより、一般式(3)
【0017】
【化13】
【0018】(式中、R1 、R2 、R3 およびl、なら
びアルコキシアルコキシ基、トリアルキルシロキシ基ま
たはベンジロキシ基の位置は、出発原料に対応して、上
記に同じである;mおよびnは、10〜10000であ
る。)で示される水酸基を保護したポリシランを形成さ
せた後、これを酸、アルカリまたはフッ素イオンの存在
下あるいはアルコール中で反応させることにより、一般
式(4)
【0019】
【化14】
【0020】(式中、R1 、R3 およびlは、出発原料
に対応して上記に同じである;水酸基の位置は、出発原
料に対応して、アルコキシアルコキシ基、トリアルキル
シロキシ基またはベンジロキシ基の位置に同じである:
mおよびnは、10〜10000である。)で示される
フェノール基を有するポリシランを製造する方法。
【0021】以下においては、上記項1および2の発明
をそれぞれ本願第1発明および本願第2発明といい、両
発明を総括して本発明という。
【0022】本願第1発明および第2発明において使用
する出発原料は、一般式(1)
【0023】
【化15】
【0024】(式中、R1 は、水素原子、アルキル基、
アリール基、アルコキシ基またはアミノ基を表わす。2
つのR1 は、同一であっても或いは相異なっていても良
い。Xは、ハロゲン原子を表わす。2つのXは、同一で
も或いは相異なっていても良い。)で示されるジハロシ
ランと、一般式(2)
【0025】
【化16】
【0026】(式中、R2 は、アルコキシアルキル基、
トリアルキルシリル基またはベンジル基を表す。R
3 は、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ
基またはアミノ基を表わす。Xは、ハロゲン原子を表わ
す。2つのXは、同一でも或いは相異なっていても良
い。lは、0〜10である。アルコキシアルコキシ基、
トリアルキルシロキシ基またはベンジロキシ基の位置
は、メタ位或いはパラ位である。)で示される水酸基を
保護したフェノール基を有するジハロシランとである。
【0027】本願第1発明における反応生成物は、一般
式(3)
【0028】
【化17】
【0029】(式中R1 、R2 、R3 およびl、ならび
アルコキシアルコキシ基、トリアルキルシロキシ基また
はベンジロキシ基の位置は、出発原料に対応して、上記
に同じである;mおよびnは、10〜10000であ
る。)で示される水酸基を保護したフェノール基を有す
るポリシランである。
【0030】また、本願第2発明における反応生成物
は、一般式(4)
【0031】
【化18】
【0032】(式中、R1 、R3 およびlは、出発原料
に対応して上記に同じである;水酸基の位置は、出発原
料に対応して、アルコキシアルコキシ基、トリアルキル
シロキシ基またはベンジロキシ基の位置に同じである;
mおよびnは、10〜10000である。)で示される
フェノール基を有するポリシランである。
【0033】上記の一般式(1)、(2)、(3)およ
び(4)で示される化合物において、R1 およびR3
示される水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキ
シ基またはアミノ基は、それぞれ同一でも或いは2つ以
上が相異なっていても良い。上記の一般式(1)、
(2)、(3)および(4)で示される化合物におい
て、R1 およびR3 で示されるアルキル基としては、炭
素数1〜10程度のものが挙げられ、これらの中でも炭
素数1〜6のものがより好ましい。アリール基として
は、フェニル基、炭素数1〜6個のアルキル基を少なく
とも1つ置換基として有するフェニル基、p−アルコキ
シフェニル基、m−アルコキシフェニル基などが挙げら
れる。アルコキシ基および置換基としてのアルコキシ基
としては、炭素数1〜10程度のものが挙げられ、これ
らの中でも炭素数1〜6のものがよい好ましい。R
1 が、アミノ基である場合には、その水素原子の少なく
とも1つが、他のアルキル基、アリール基、アルコキシ
基などの官能基により置換されていても良い。
【0034】一般式(2)および(3)で示される化合
物において、R2 は、フェノール基と結合する水酸基の
保護基であり、アルコキシアルキル基、トリアルキルシ
リル基またはベンジル基である。アルコキシアルキル基
としては、通常炭素数1〜10程度のアルコキシ基、炭
素数1〜6程度のアルキル基の水素の少なくとも1つが
炭素数1〜10程度のアルコキシ基により置換されたも
のが挙げられるが、これらの中でも、メトキシメチル基
およびメトキシエチル基が好ましい。トリアルキルシリ
ル基としては、トリメチルシリル基、t−ブチルジメチ
ルシリル基、ジメチルイソプロピルシリル基などが好ま
しいものとして挙げられる。
【0035】また、一般式(1)および(2)で示され
る化合物において、Xは、同一或いは相異なるハロゲン
原子(Cl、Br、I)を表す。ハロゲン原子としては
Clがより好ましい。
【0036】本発明方法においては、一般式(1)およ
び(2)で示されるジハロシランは、出来るだけ高純度
であることが好ましく、例えば、使用前に蒸留して使用
することが好ましい。
【0037】本願第1発明における反応に際しては、一
般式(1)および(2)で示されるジハロシランを溶媒
に溶解して使用する。溶媒としては、非プロトン性の溶
媒が広く使用でき、より具体的には、プロピレンカーボ
ネート、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメ
チルスルホキシド、1,2−ジメトキシエタン、ビス
(2−メトキシエチル)エーテル、p−ジオキサン、テ
トラヒドロフラン、塩化メチレンなどの溶媒が例示され
る。これらの溶媒は、単独でも、或いは2種以上の混合
物としても使用できる。溶媒としては、1,2−ジメト
キシエタンおよびテトラヒドロフランがより好ましい。
溶媒中のジハロシランの濃度は、低すぎる場合には、電
流効率が低下するのに対し、高すぎる場合には、支持電
解質が溶解しないことがある。したがって、溶媒中の2
種のジハロシラン(1)および(2)の濃度は,通常そ
れぞれ0.01〜3mol/l 程度であり、より好ましくは
0.05〜1.5mol/l 程度である。これら2種のジハ
ロシランは、任意の割合で混合して使用することができ
る。
【0038】本願第1発明で使用する支持電解質として
は、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸リチウムなどの過塩
素酸アルカリ金属:過塩素酸テトラ−n−ブチルアンモ
ニウムなどの過塩素酸テトラアルキルアンモニウム:塩
化テトラ−n−ブチルアンモニウムなどの塩化テトラア
ルキルアンモニウムなどが例示される。これらの支持電
解質は、単独で使用しても良く、或いは2種以上を併用
しても良い。これら支持電解質の中でも、過塩素酸リチ
ウムが最も好ましい。支持電解質の濃度は、低すぎる場
合には、反応溶液に与えられるイオン導電性が低いため
に反応が十分に進行しなくなるのに対し、高すぎる場合
には、電流が流れ過ぎて反応に必要な電位が得られなく
なる。したがって、溶媒中の支持電解質の濃度は、通常
0.05〜5mol/l 程度であり、より好ましくは0.1
〜3mol/l 程度であり、特に好ましくは0.3〜1mol/
l 程度である。
【0039】本願第1発明においては、Mg,Cuまた
はAl或いはこれらの金属を主成分とする合金を電極と
して使用する。電極材質としてはMgが最も好ましい。
電極の形状は、通電を安定して行ない得る限り、特に限
定されないが、棒状、板状、筒状、円錐状、板状体をコ
イル状に巻いたものなどが好ましい。電極の表面から
は、あらかじめ酸化被膜を出来るだけ除去しておくこと
が好ましい。電極からの酸化被膜の除去は、任意の方法
で行なえば良く、例えば、電極を酸により洗浄した後、
エタノールおよびエーテルなどにより洗浄し、減圧下に
乾燥する方法、窒素雰囲気下に電極を研磨する方法、或
いはこれらの方法を組み合わせた方法などにより行なう
ことが出来る。
【0040】本願第1発明における電極反応を実施する
に際しては、電極を設置した密閉可能な反応容器内に一
般式(1)および(2)で表される2種のジハロシラン
および支持電解質を溶媒とともに収容し、好ましくは機
械的もしくは磁気的に攪拌しつつ、所定量の電流を通電
することにより、電極反応を行なわせる。反応容器内
は、乾燥雰囲気であれば良いが、乾燥した窒素または不
活性ガス雰囲気であることがより好ましい。通電量は、
2種のジハロシラン中のハロゲン原子を基準として、通
常1F/mol程度以上であれば良く、通電量を調整す
ることにより、分子量の制御が可能となる。反応時間
は、原料である2種のジハロシランの量、支持電解質の
量に関係する電解液の抵抗、所望のポリシランの分子量
などにより異なり得るので、必要に応じて適宜定めれば
良い。また、反応時間を短縮するために、反応容器また
は反応溶液に対し、超音波を照射しても良い。電極反応
中の超音波の照射方法は、特に限定されるものではない
が、反応器を超音波浴槽に収容して照射する方法、反応
容器内に超音波発振子を装入して照射する方法などが例
示される。超音波の振動数は、10〜70kHz程度と
することが好ましい。超音波の出力は、原料の種類、反
応溶液の量、反応容器および電極の形状および大きさ、
電極材質および表面積などの反応条件に応じて適宜定め
れば良いが、通常反応溶液1l当たり0.01〜24k
W程度の範囲内にある。この様な超音波照射により、反
応時間が大幅に短縮されて、超音波を照射しない場合の
1/3から2/3程度となる。
【0041】また、上記の電極反応中に陰極上には金属
塩(例えば、MgCl2 )が付着して電圧上昇を起こす
ことがある。この様な場合には、電極の極性を一定時間
間隔で切り替えることにより、付着した金属塩を取除く
ことができ、電圧上昇を抑えることができるので、極性
の切替えを行なわない場合に比べて、電圧値を1/2〜
1/3にすることができる。極性の切替えは、通常1秒
〜10分程度の間隔で、より好ましくは10秒〜1分間
程度の間隔で行う。反応時の温度は、使用する溶媒の沸
点以下の温度範囲内であれば良い。本電極反応において
は、通常の電極還元反応で必須とされている隔膜を使用
する必要がないので、操作が簡便となり、有利である。
【0042】なお、本願第1発明による電極反応におい
て、一般式(1)および(2)で示されるジハロシラン
の水による副反応を抑制するために、溶媒および支持電
解質中の水分を予め除去しておくことが望ましい。例え
ば、溶媒としてテトラヒドロフラン或いは1,2−ジメ
トキシエタンを使用する場合には、ナトリウム−ベンゾ
フェノンケチルなどによる乾燥を予め行なっておくこと
が好ましい。また、支持電解質の場合には、減圧加熱に
よる乾燥、或いは水分と反応しやすく且つ容易に除去し
得る物質(例えば、トリメチルクロロシランなど)の添
加による水分除去を行なっておくことが好ましい。
【0043】本願第2発明においては、本願第1発明に
おいて一般式(1)および(2)で示される2種のジハ
ロシランの電極還元により得られた一般式(3)で示さ
れるポリシランから保護基R2 を取り除く。
【0044】一般式(3)で示されるポリシランの保護
基R2 を取り除くには、R2 がアルコキシアルキル基お
よびベンジル基である場合には、テトラヒドロフラン−
アルコール混合溶媒中でプロトン酸を触媒として脱保護
を行なう。この際、アルコールとしては、メタノール、
エタノール、イソプロパノールおよびこれらの混合物な
どが使用できる。また、プロトン酸としては、塩酸、硫
酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸などが
使用できる。R2 がトリアルキルシリル基である場合に
は、上記方法以外にフッ素イオン或いはアルカリ触媒に
よっても取り除くことができる。フッ素イオンを供給す
る化合物としては、フッ化テトラブチルアンモニウム、
フッ酸、フッ化セシウムなどが使用できる。アルカリ触
媒としては、炭酸アルカリなどが使用できる。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、下記の様な顕著な効果
が達成される。
【0046】(a)従来の方法に比べ、良好な収率でフ
ェノール基を有するポリシランを合成することができ
る。
【0047】(b)アルカリ金属を使用しないので、工
業的規模の生産においても、安全且つ容易にポリシラン
を製造できる。
【0048】(c)通電量などを調整することにより、
生成するポリシランの分子量を制御することができる。
【0049】(d)電極として安定かつ安全な物質を使
用するので、容易且つ安全に環境汚染の危険性なしにポ
リシランを製造できる。
【0050】(e)骨格におけるSi−O−Si結合等
のポリマー主鎖中への酸素の挿入反応を大幅に抑制する
ことができる。
【0051】(f)隔膜の使用を必要としないので、隔
膜が目詰まりを起こすこともなく、操作が簡便である。
【0052】(g)本発明により得られるフェノール基
を有するポリシランは、前述の公知の方法(例えば、Ma
cromolecules 1989,22,2933 に記載の方法)により製造
されたフェノール基を有する従来のポリシランに比し
て、有機溶媒に対する溶解性が高く、成膜性にも優れて
いる。
【0053】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明の特徴とすると
ころをより一層明確にする。
【0054】実施例1 三方コックおよびMg電極(1cm×1cm×5cm;
希塩酸で洗浄した後、エタノールおよびアセトンで洗浄
し、減圧乾燥し、窒素雰囲気下で研摩することにより、
表面の酸化被膜を除去した)2個を装着した内容積30
mlの3つ口フラスコ(以下反応器という)に無水過塩
素酸リチウム1.0gを収容し、1mmHgに加熱減圧し
て、過塩素酸リチウムを乾燥した後、脱酸素した乾燥窒
素を反応器内に導入し、さらに予めナトリウム−ベンゾ
フェノンケチルで乾燥したテトラヒドロフラン20ml
を加えた。これにメチルフェニルジクロロシラン0.5
gおよびp−メトキシメトキシフェニルジクロロフェニ
ルシラン0.3gをそれぞれシリンジで加えた。この反
応器を出力60W、周波数47KHzの超音波洗浄器に
浸漬し、冷却器により反応器を室温に保持しつつ、定電
流電源により、通電した。その際、コミュテーターを使
用して、2つの電極の極性を15秒毎に変換しつつ、両
原料中の塩素原子を基準として4F/molの通電量と
なる様に約18時間通電した。
【0055】反応後、反応溶液を1N塩酸100mlに
加えた後、エーテルで抽出し、貧溶媒エタノール(10
0ml)および良溶媒ベンゼン(2ml)で再沈澱し
た。
【0056】その結果、光散乱測定法による重量平均分
子量が97800で、フェノール基がメトキシメチル基
により保護されたポリシラン(3)が収率79%で得ら
れた。
【0057】次いで、このポリシラン(3)をテトラヒ
ドロフラン:イソプロパノール=1:1の混合溶媒50
mlに加え、これに濃塩酸0.5mlを加えて室温で3
時間撹拌した。
【0058】反応終了後、エーテルで抽出することによ
り重量平均分子量84240のフェノール基を有するポ
リシラン(4)を定量的に得ることが出来た。
【0059】実施例2 一般式(2)で示される原料として、m−メトキシメト
キシフェニルジクロロフェニルシラン0.3gを使用す
る以外は実施例1と同様にして電極反応を行なった。
【0060】その結果、光散乱測定法による重量平均分
子量が65300のポリシラン(4)を収率54%で得
ることができた。
【0061】実施例3 一般式(2)で示される原料として、m−(t−ブチル
ジメチルシロキシ)フェニルメチルジクロロシラン0.
5gを使用する以外は実施例1と同様にして電極反応を
行なった。
【0062】その結果、実施例1におけると同様のポリ
シラン(3)を得ることができた。得られたポリシラン
(3)をフッ化テトラブチルアンモニウム存在下、テト
ラヒドロフラン中、室温で3時間撹拌することにより、
フェノール基を有するポリシラン(4)を得ることがで
きた。
【0063】実施例4 電極としてAl(1cm×1cm×5cm)を使用する以外は
実施例1と同様にして電極反応を行なった。その結果、
実施例1におけると同様のフェノール基を有するポリシ
ラン(4)を得ることができた。
【0064】実施例5 支持電解質として過塩素酸テトラ−n−ブチルアンモニ
ウムを使用する以外は実施例1と同様にして電極反応を
行なった。その結果、実施例1におけると同様のフェノ
ール基を有するポリシラン(4)を得ることができた。
【0065】実施例6 溶媒として予めナトリウム−ベンゾフェノンケチルによ
り乾燥した1,2−ジメトキシエタン15mlを使用す
る以外は実施例1と同様にして電極反応を行なった。
【0066】その結果、実施例1におけると同様のフェ
ノール基を有するポリシラン(4)を得ることができ
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西田 亮一 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内 (72)発明者 村瀬 裕明 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フェノール基を有するポリシランの製造方
    法であって、一般式(1) 【化1】 (式中、R1 は、水素原子、アルキル基、アリール基、
    アルコキシ基またはアミノ基を表わす。2つのR1 は、
    同一であっても或いは相異なっていても良い。Xは、ハ
    ロゲン原子を表わす。2つのXは、同一であっても或い
    は相異なっていても良い。)で示されるジハロシラン
    と、一般式(2) 【化2】 (式中、R2 は、アルコキシアルキル基、トリアルキル
    シリル基またはベンジル基を表す。R3 は、水素原子、
    アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアミノ基
    を表わす。Xは、ハロゲン原子を表わす。2つのXは、
    同一であっても或いは相異なっていても良い。lは、0
    〜10である。アルコキシアルコキシ基、トリアルキル
    シロキシ基またはベンジロキシ基の位置は、メタ位或い
    はパラ位である。)で示される水酸基を保護したフェノ
    ール基を有するジハロシランとの混合物を特定の金属を
    陽極として用いる電極反応に供することにより、一般式
    (3) 【化3】 (式中、R1 、R2 、R3 およびl、ならびアルコキシ
    アルコキシ基、トリアルキルシロキシ基またはベンジロ
    キシ基の位置は、出発原料に対応して、上記に同じであ
    る;mおよびnは、10〜10000である。)で示さ
    れる水酸基を保護したフェノール基を有するポリシラン
    を製造する方法。
  2. 【請求項2】フェノール基を有するポリシランの製造方
    法であって、一般式(1) 【化4】 (式中、R1 は、水素原子、アルキル基、アリール基、
    アルコキシ基またはアミノ基を表わす。2つのR1 は、
    同一であっても或いは相異なっていても良い。Xは、ハ
    ロゲン原子を表わす。2つのXは、同一であっても或い
    は相異なっていても良い。)で示されるジハロシラン
    と、一般式(2) 【化5】 (式中、R2 は、アルコキシアルキル基、トリアルキル
    シリル基またはベンジル基を表す。R3 は、水素原子、
    アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアミノ基
    を表わす。Xは、ハロゲン原子を表わす。2つのXは、
    同一であっても或いは相異なっていても良い。lは、0
    〜10である。アルコキシアルコキシ基、トリアルキル
    シロキシ基またはベンジロキシ基の位置は、メタ位或い
    はパラ位である。)で示される水酸基を保護したフェノ
    ール基を有するジハロシランとの混合物を特定の金属を
    陽極として用いる電極反応に供することにより、一般式
    (3) 【化6】 (式中、R1 、R2 、R3 およびl、ならびアルコキシ
    アルコキシ基、トリアルキルシロキシ基またはベンジロ
    キシ基の位置は、出発原料に対応して、上記に同じであ
    る;mおよびnは、10〜10000である。)で示さ
    れる水酸基を保護したポリシランを形成させた後、これ
    を酸、アルカリまたはフッ素イオンの存在下あるいはア
    ルコール中で反応させることにより、一般式(4) 【化7】 (式中、R1 、R3 およびlは、出発原料に対応して、
    上記に同じである;水酸基の位置は、出発原料に対応し
    て、アルコキシアルコキシ基、トリアルキルシロキシ基
    またはベンジロキシ基の位置に同じである:mおよびn
    は、10〜10000である。)で示されるフェノール
    基を有するポリシランを製造する方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO1998030618A1 (fr) * 1997-01-09 1998-07-16 Osaka Gas Company Limited Polysilanes et leur procede de production
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