JP3184907B2 - Si−Si結合を骨格とする網目状ポリマーを製造する方法 - Google Patents

Si−Si結合を骨格とする網目状ポリマーを製造する方法

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JP3184907B2 JP03236292A JP3236292A JP3184907B2 JP 3184907 B2 JP3184907 B2 JP 3184907B2 JP 03236292 A JP03236292 A JP 03236292A JP 3236292 A JP3236292 A JP 3236292A JP 3184907 B2 JP3184907 B2 JP 3184907B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電極反応により直線状
ポリシランを製造した後、これを原料として引き続く電
解反応によりSi−Si結合を骨格とする網目状ポリマ
ーを製造する方法に関する。
【0002】
【従来技術とその問題点】Si−Si結合を骨格とする
網目状ポリマーは、セラミックス前駆体、光・電子材料
などの有用な材料として注目されている。すなわち、こ
のポリマーは、シリコンネットワークポリマーと同様の
優れた耐熱安定性を有しており、また、光・電子機能に
おいてはポリシランと同様の性能を有するという両材料
の性質を兼ね備えた複合的な機能を有している。
【0003】直線状ポリシランは、300nm付近の紫外
吸収を示し、光・電子機能性材料として期待されてい
る。しかしながら、この材料は、通常500℃以上に加
熱すると分解するので、耐熱性に難点がある{Polymer
Preprints,Japan Vol.40,No.10,3781-3783(1991)}。
このような問題点を解消するために、一定範囲の分子量
を有し、両端にハロゲン原子を有する直線状のポリシラ
ンをまず合成し、これをトリハロシランまたはテトラハ
ロシランにより架橋させて網目状ポリマーを合成させる
方法が考えられる。しかしながら、この方法は、これま
で実施されていない。これは、従来直線状ポリシランを
合成する際に用いられてきた方法、即ちジクロロシラン
類を出発原料として使用し、金属ナトリウムとともに1
00℃以上に加熱して撹拌する方法では、分子量の制御
が実際上不可能であるため、所望の分子量の直線状ポリ
シランが得られないことに起因する。また、仮に、所望
の分子量の直線状ポリシランが得られたとしても、この
方法は、アルカリ金属を大量に使用するので、安全性に
大きな問題があり、工業的な大規模な生産には適してい
ない。
【0004】直線状のポリシランの合成方法としては、
分子量の制御が可能で、危険性のない電極反応を用いる
方法が報告されている{J.Chem.Soc.Commun.,1990,116
0;Electrochem.Acta,35,1867(1990);電気化学および工
業物理化学第59巻第5号、421(1991) ;特開平3−1
04893号など}。これらの方法によれば、通電量な
どにより、分子量の制御ができるので、一定範囲の分子
量の直線状ポリシランを容易に製造することができる。
しかしながら、これらの方法では、網目状ポリマーの製
造は考慮されていないので、どの様にすれば網目状ポリ
マーが得られるかは知ることはできない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、S
i−Si結合を骨格とする網目状ポリマーを安全に工業
的規模で製造し得る方法を提供することを主な目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の如き
従来技術の現状に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、両端に
ハロゲン原子を有し、一定範囲の分子量を有する直線状
ポリシランを電解反応により製造した後、同反応系内に
トリハロシランおよびテトラハロシランの少なくとも1
種を添加し、引き続き電極反応を行なう場合には、従来
技術の問題点が実質的に解消されるか乃至は大幅に軽減
されることを見出した。
【0007】また、上記の如き電極反応に際して、反応
器又は反応溶液に超音波を照射する場合には、反応時間
が短縮されるとともに、反応生成物の分子量が増大し、
その収量が増大することをも見出した。
【0008】すなわち、本発明は、下記のSi−Si結
合を骨格とする網目状ポリマーの製造方法を提供するも
のである: 1.Si−Si結合を骨格とする網目状ポリマーを製造
する方法であって、(a)一般式
【0009】
【化29】
【0010】(式中、Rは、水素原子、アルキル基、ア
リール基、アルコキシ基またはアミノ基を表わし、2つ
のRは、同一でも或いは異なっていても良い。;Xは、
ハロゲン原子を表わす)で示されるジハロシランを支持
電解質として過塩素酸塩を使用し、溶媒として非プロト
ン性溶媒を使用し、Mg、CuまたはAlを陽極とし、
これらと同種または異種の導電性材料を陰極として使用
する電極反応に供することにより、一般式
【0011】
【化30】
【0012】(式中、RおよびXは、上記に同じ。;n
は10〜100である。)で示される両端にハロゲンを
有する直線状ポリシランを形成させる工程、および
(b)一般式(2)で示される直線状ポリシランを含む
反応系に一般式
【0013】
【化31】
【0014】(式中、Rは、水素原子、アルキル基、ア
リール基、アルコキシ基またはアミノ基を表わす。;X
は、ハロゲン原子を表わす。)で示されるトリハロシラ
ンおよび/または一般式
【0015】
【化32】
【0016】(式中、Xは、ハロゲン元素を表わす。)
で示されるテトラハロシランをそのまま添加し、1秒以
上20秒以下の一定時間間隔で電極の極性を切替える電
極反応に供することにより、一般式
【0017】
【化33】
【0018】(式中、Rは、上記に同じ。)で示される
構造単位と一般式
【0019】
【化34】
【0020】(式中、Rは、上記に同じ。)で示される
構造単位および/または一般式
【0021】
【化35】
【0022】で示される構造単位とからなるSi−Si
結合を骨格とする網目状ポリマーを製造する方法。
【0023】2.(b)工程を超音波の照射下に行なう
上記項1に記載の方法。
【0024】3.Si−Si結合を骨格とする網目状ポ
リマーを製造する方法であって、(a)一般式
【0025】
【化36】
【0026】(式中、Rは、水素原子、アルキル基、ア
リール基、アルコキシ基またはアミノ基を表わし、2つ
のRは、同一でも或いは異なっていても良い。;Xは、
ハロゲン原子を表わす)で示されるジハロシランを超音
波の照射下に支持電解質として過塩素酸塩を使用し、溶
媒として非プロトン性溶媒を使用し、Mg、Cuまたは
Alを陽極とし、これらと同種または異種の導電性材料
を陰極として使用する電極反応に供することにより、一
般式
【0027】
【化37】
【0028】(式中、RおよびXは、上記に同じ。;n
は10〜100である。)で示される両端にハロゲンを
有する直線状ポリシランを形成させる工程、および
(b)一般式(2)で示される直線状ポリシランを含む
反応系に
【0029】
【化38】
【0030】(式中、Rは、水素原子、アルキル基、ア
リール基、アルコキシ基またはアミノ基を表わす。;X
は、ハロゲン原子を表わす。)で示されるトリハロシラ
ンおよび/または一般式
【0031】
【化39】
【0032】(式中、Xは、ハロゲン元素を表わす。)
で示されるテトラハロシランをそのまま添加し、1秒以
上20秒以下の一定時間間隔で電極の極性を切替える電
極反応に供することにより、一般式
【0033】
【化40】
【0034】(式中、Rは、上記に同じ。)で示される
構造単位と一般式
【0035】
【化41】
【0036】(式中、Rは、上記に同じ。)で示される
構造単位および/または一般式
【0037】
【化42】
【0038】で示される構造単位とからなるSi−Si
結合を骨格とする網目状ポリマーを製造する方法。
【0039】4.(b)工程を超音波の照射下に行なう
上記項3に記載の方法。
【0040】5.Si−Si結合を骨格とする網目状ポ
リマーを製造する方法であって、(a)一般式
【0041】
【化43】
【0042】(式中、Rは、水素原子、アルキル基、ア
リール基、アルコキシ基またはアミノ基を表わし、2つ
のRは、同一でも或いは異なっていても良い。;Xは、
ハロゲン原子を表わす)で示されるジハロシランを支持
電解質として過塩素酸塩を使用し、溶媒として非プロト
ン性溶媒を使用し、Mg、CuまたはAlを一方の極と
し、これらと同種または異種の導電性材料を他方の極と
して使用し、10秒以上3分以下の一定時間間隔で電極
の極性を切替える電極反応に供することにより、一般式
【0043】
【化44】
【0044】(式中、RおよびXは、上記に同じ。;n
は10〜100である。)で示される両端にハロゲンを
有する直線状ポリシランを形成させる工程、および
(b)一般式(2)で示される直線状ポリシランを含む
反応系に一般式
【0045】
【化45】
【0046】(式中、Rは、水素原子、アルキル基、ア
リール基、アルコキシ基またはアミノ基を表わす。;X
は、ハロゲン原子を表わす。)で示されるトリハロシラ
ンおよび/または一般式
【0047】
【化46】
【0048】(式中、Xは、ハロゲン元素を表わす。)
で示されるテトラハロシランをそのまま添加し、1秒以
上20秒以下の一定時間間隔で電極の極性を切替える電
極反応に供することにより、一般式
【0049】
【化47】
【0050】(式中、Rは、上記に同じ。)で示される
構造単位と一般式
【0051】
【化48】
【0052】(式中、Rは、上記に同じ。)で示される
構造単位および/または一般式
【0053】
【化49】
【0054】で示される構造単位とからなるSi−Si
結合を骨格とする網目状ポリマーを製造する方法。
【0055】6.(b)工程を超音波の照射下に行なう
上記項5に記載の方法。
【0056】7.Si−Si結合を骨格とする網目状ポ
リマーを製造する方法であって、(a)一般式
【0057】
【化50】
【0058】(式中、Rは、水素原子、アルキル基、ア
リール基、アルコキシ基またはアミノ基を表わし、2つ
のRは、同一でも或いは異なっていても良い。;Xは、
ハロゲン原子を表わす)で示されるジハロシランを超音
波の照射下に支持電解質として過塩素酸塩を使用し、溶
媒として非プロトン性溶媒を使用し、Mg、Cuまたは
Alを一方の極とし、これらと同種または異種の導電性
材料を他方の極として使用し、10秒以上3分以下の一
定時間間隔で電極の極性を切替える電極反応に供するこ
とにより、一般式
【0059】
【化51】
【0060】(式中、RおよびXは、上記に同じ。;n
は10〜100である。)で示される両端にハロゲンを
有する直線状ポリシランを形成させる工程、および
(b)一般式(2)で示される直線状ポリシランを含む
反応系に一般式
【0061】
【化52】
【0062】(式中、Rは、水素原子、アルキル基、ア
リール基、アルコキシ基またはアミノ基を表わす。;X
は、ハロゲン原子を表わす。)で示されるトリハロシラ
ンおよび/または一般式
【0063】
【化53】
【0064】(式中、Xは、ハロゲン元素を表わす。)
で示されるテトラハロシランをそのまま添加し、1秒以
上20秒以下の一定時間間隔で電極の極性を切替える電
極反応に供することにより、一般式
【0065】
【化54】
【0066】(式中、Rは、上記に同じ。)で示される
構造単位と一般式
【0067】
【化55】
【0068】(式中、Rは、上記に同じ。)で示される
構造単位および/または一般式
【0069】
【化56】
【0070】で示される構造単位とからなるSi−Si
結合を骨格とする網目状ポリマーを製造する方法。
【0071】8.(b)工程を超音波の照射下に行なう
上記項7に記載の方法。
【0072】以下においては、上記項1〜2、3〜4、
5〜6および7〜8の各発明をそれぞれ本願第1発明、
本願第2発明、本願第3発明および本願第4発明とい
い、これらを総括する場合には、単に本発明という。
【0073】本願第1発明の(a)工程において、出発
原料として使用する化合物は、一般式
【0074】
【化57】
【0075】(式中、RおよびXは、前記に同じ)で示
されるジハロシランである。
【0076】一般式(1)で示されるジハロシランにお
いて、アルキル基としては、炭素数1〜10程度のもの
が挙げられ、これらの中でも炭素数1〜6のものがより
好ましい。アリール基としては、フェニル基、炭素数1
〜6のアルキル基の少なくとも1種を置換基として有す
る置換フェニル基、p−アルコキシフェニル基、ナフチ
ル基などが挙げられる。アルコキシ基としては、炭素数
1〜10程度のものが挙げられ、これらの中でも炭素数
1〜6のものがより好ましい。Rが上記のアミノ基およ
び有機置換基である場合には、その水素原子の少なくと
も1個ががさらに他のアルキル基、アリール基、アルコ
キシ基などの官能基により置換されていても良い。
【0077】また、一般式(1)において、Xは、ハロ
ゲン原子(Cl,F,Br,I)を表わす。ハロゲン原
子としては、Clがより好ましい。
【0078】本願第1発明の(a)工程においては、一
般式(1)で表わされる化合物の1種を使用しても良く
或いは2種以上を併用してもよい。これらの化合物は、
出来るだけ高純度であることが好ましく、例えば、使用
前に蒸留して使用することが好ましい。
【0079】本願第1発明の(a)工程で得られる反応
生成物は、一般式
【0080】
【化58】
【0081】(式中、R、Xおよびnは前記に同じであ
り、2つのRは、同一でも或いは異なっていても良
い。)で示される両端にハロゲン原子を有する直線状ポ
リシランである。
【0082】本願第1発明の(a)工程における反応に
際しては、一般式(1)で表わされる化合物を溶媒に溶
解して使用する。
【0083】溶媒としては、非プロトン性の溶媒が広く
使用でき、より具体的には、テトラヒドロフラン、1,
2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エ
ーテル、p−ジオキサン、プロピレンカーボネート、ア
セトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホ
キシド、塩化メチレンなどが例示される。これらの溶媒
は、単独でも、或いは2種以上の混合物としても使用で
きる。溶媒としては、テトラヒドロフラン、1,2−ジ
メトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテ
ル、p−ジオキサンなどのエーテル系溶媒を単独で若し
くは他の溶媒と混合して使用することがより好ましい。
特に好ましい溶媒は、テトラヒドロフランおよび1,2
−ジメトキシエタンである。溶媒中の化合物(1)の濃
度が、低すぎる場合には、電流効率が低下するのに対
し、高すぎる場合には、支持電解質が溶解しないことが
ある。したがって、溶媒中の原料の濃度は、通常0.0
5〜20mol/l程度であり、より好ましくは0.1〜1
5mol/l程度であり、特に好ましくは0.2〜13mol/
l程度である。
【0084】本発明で使用する支持電解質としては、過
塩素酸ナトリウム、過塩素酸リチウムなどの過塩素酸ア
ルカリ金属;過塩素酸テトラ−n−ブチルアンモニウム
などの過塩素酸テトラアルキルアンモニウムなどの過塩
素酸塩を使用する。これらの支持電解質は、単独で使用
しても良く、或いは2種以上を併用しても良い。これら
支持電解質の中でも、過塩素酸リチウムおよび過塩素酸
テトラ−n−ブチルアンモニウムがより好ましく、さら
には過塩素酸リチウムが最も好ましい。支持電解質の濃
度は、低すぎる場合には、反応溶液に与えられるイオン
導電性が低いために反応が十分に進行しなくなるのに対
し、高すぎる場合には、電流が流れ過ぎて反応に必要な
電位が得られなくなる。したがって、溶媒中の支持電解
質の濃度は、通常0.05〜5mol/l程度であり、より
好ましくは0.1〜3mol/l程度であり、特に好ましく
は0.15〜1.2mol/l程度である。
【0085】本願第1発明においては、陽極として、M
g、CuおよびAlのいずれかまたはこれらの金属を主
成分とする合金を使用し、陰極として、これらと同種ま
たは異種の導電性材料(Ni、Co、Ptなど)を使用
する。両電極の材料としては、Mg、Alまたはこれら
の金属を主成分とする合金がより好ましく、Mgが最も
好ましい。電極の形状は、通電を安定して行ない得る限
り特に限定されないが、棒状、板状、筒状、板状体をコ
イル状に巻いたものなどが好ましい。電極の表面から
は、あらかじめ酸化被膜を出来るだけ除去しておくこと
が好ましい。電極からの酸化被膜の除去は、任意の方法
で行えば良く、例えば、電極を酸により洗浄した後、エ
タノールおよびエーテルなどにより洗浄し、減圧下に乾
燥する方法、窒素雰囲気下に電極を研磨する方法、ある
いはこれらの方法を組み合わせた方法などにより行なう
ことが出来る。
【0086】本願第1発明の(a)工程を実施するに際
しては、陽極および陰極を設置した密閉可能な反応容器
に一般式(1)で表わされる化合物および支持電解質を
溶媒とともに収容し、好ましくは機械的もしくは磁気的
に攪拌しつつ、所定量の電流を通電することにより、電
極反応を行わせる。反応容器内は、乾燥雰囲気であれば
良いが、乾燥した窒素または不活性ガス雰囲気であるこ
とがより好ましく、さらに脱酸素し、乾燥した窒素また
は不活性ガス雰囲気であることが最も好ましい。通電量
は、原料中のハロゲン原子を基準として、通常1F/モ
ル以上であれば良く、通電量を調整することにより分子
量の制御が可能となる。反応時の温度は、使用する溶媒
の沸点以下の温度範囲内にあれば良い。反応時間は、支
持電解質の量に関係する電解液の抵抗、所望の直線状ポ
リシランの分子量などに応じて、適宜定めれば良い。本
願第1発明の(a)工程においては、通常の電極還元反
応においては必須とされている隔膜を使用する必要がな
く、操作が簡便となり、有利である。
【0087】本願第1発明の(b)工程においては、上
記のようにして得られた一般式(2)で示される直線状
ポリシランを含む反応系に一般式
【0088】
【化59】
【0089】(式中、RおよびXは前記に同じ。)で示
されるトリハロシランおよび一般式
【0090】
【化60】
【0091】(式中、Xは前記に同じ。)で示されるテ
トラハロシランの少なくとも1種を直接添加し、1秒以
上20秒以下の一定時間間隔で電極の極性の切替えを行
なう電極反応に供して、一般式
【0092】
【化61】
【0093】(式中、Rは、前記に同じ。)で示される
構造単位と、一般式
【0094】
【化62】
【0095】で示される構造単位および一般式
【0096】
【化63】
【0097】で示される構造単位の少なくとも1種とを
含み、Si−Si単位を骨格とする網目状ポリマーを製
造する。
【0098】本願第1発明の(b)工程における化合物
(2)、(3)、(4)の混合割合は、化合物(2):
化合物(3):化合物(4)=1:100〜10000
の範囲とすることが好ましい。この混合割合とする場合
には、混合物が有機溶媒に可溶で、且つ生成するポリマ
ーが直線状のポリシランと網目状ポリマーとの両方の特
性を兼ね備えた複合的な機能を発揮するので、好適であ
る。
【0099】本願第1発明の(b)工程における反応条
件は、電極の極性を1〜20秒の時間間隔で切り替える
以外は、(a)工程における反応条件と実質的に異なる
ところはない。極性の切り替えは、強力な還元系を実現
するために、1秒以上20秒以下程度の一定時間間隔で
行なう。本願第1発明の(b)工程において、両電極を
同種の材料で構成する場合には、両極間で金属イオン
(例えば、Mg2+)が溶け出してその移動が行われて、
電極の消耗が少なくなり、通電時間をより長くすること
ができるので、好ましい。
【0100】また、本願第1発明の(b)工程において
は、電極反応中の反応器または反応液に超音波を照射し
ても良い。電極反応中の超音波の照射方法は、特に限定
されるものではないが、反応器を超音波浴槽に収容して
照射する方法、反応器内に超音波発振子を装入して照射
する方法などが例示される。超音波の振動数は、10〜
70kHz程度とすることが好ましい。超音波の出力
は、原料の種類、反応溶液の量、反応容器および電極の
形状および大きさ、電極の材質および表面積などの反応
条件に応じて適宜定めれば良いが、通常反応液1リット
ル当り0.01〜24kW程度の範囲内にある。この様
な超音波照射により、反応時間が大巾に短縮されて、超
音波を照射しない場合の1/3〜2/3程度となるとと
もに、分子量が高まり、収率も著しく向上する。本発明
においては、超音波照射により良好に攪拌が行われる
が、必要ならば、さらに機械的手段による攪拌を併用し
ても良い。
【0101】本願第1発明の(b)工程で得られる網目
状ポリマーは、原料の種類、反応条件などに異なるが、
通常平均分子量2000〜1000000程度である。
【0102】本願第2発明の(a)工程は、超音波の照
射下に一般式
【0103】
【化64】
【0104】(式中、RおよびXは、前記に同じ)で示
されるジハロシランを電極反応に供する。
【0105】本願第2発明の(a)工程は、超音波の照
射を行なう以外の点では、本願第1発明の(a)工程と
異なるところはない。また、超音波の照射は、本願第1
発明の(b)工程と同様の条件下に行なえば良い。この
超音波照射により、直線状ポリシランの生成に要する反
応時間が大幅に短縮されるとともに、その収率も著しく
向上する。
【0106】本願第2発明の(b)工程においては、本
願第1発明の(b)工程と同様にして、(a)工程で得
られた一般式(2)で示される直線状ポリシランに一般
式(3)で示されるトリハロシランおよび一般式(4)
で示されるテトラハロシランの少なくとも1種を直接添
加し、1秒以上20秒以下程度の一定の時間間隔で電極
の極性の切替えを行なう電極反応に供して、一般式
(5)で示される構造単位と、一般式(6)で示される
構造単位および一般式(7)で示される構造単位の少な
くとも1種とを含み、Si−Si単位を骨格とする網目
状ポリマーを製造する。
【0107】本願第2発明の(b)工程における化合物
(2)、化合物(3)および化合物(5)の混合割合、
反応条件などは、本願第1発明の(b)工程と同様とす
れば良い。また、本願第1発明の(b)工程において
も、両電極を同種の材料で構成することが好ましい。
【0108】本願第2発明の(b)工程においても、電
極反応中の反応器または反応液に超音波を照射すること
ができる。
【0109】本願第2発明の(b)工程で得られる網目
状ポリマーも、原料の種類、反応条件などに異なるが、
通常平均分子量2000〜1000000程度である。
【0110】本願第3発明の(a)工程は、10秒以上
3分以下の一定時間間隔で電極の極性の切替えを行なう
以外の点では、本願第1発明の(a)工程と異なるとこ
ろはない。極性切り替えの時間間隔が短すぎる場合に
は、反応の効率が下がり、一方長すぎる場合には、反応
時間が増加するとともに収率も低下する。
【0111】本願第3発明の(a)工程においても、両
電極を同種の材料で構成する場合には、両極間で金属イ
オン(例えば、Mg2+)が溶け出してその移動が行われ
て、電極の消耗が少なくなり、通電時間をより長くする
ことができるので、好ましい。
【0112】本願第3発明の(b)工程においても、本
願第1発明の(b)工程と同様にして、前(a)工程で
得られた一般式(2)で示される直線状ポリシランに一
般式(3)で示されるトリハロシランおよび一般式
(4)で示されるテトラハロシランの少なくとの1種を
直接添加し、1秒以上20秒以下程度の一定の時間間隔
で電極の極性の切替えを行なう電極反応に供して、一般
式(5)で示される構造単位と、一般式(6)で示され
る構造単位および一般式(7)で示される構造単位の少
なくとも1種とを含み、Si−Si単位を骨格とする網
目状ポリマーを製造する。
【0113】本願第3発明の(b)工程における化合物
(2)、化合物(3)および化合物(5)の混合割合、
反応条件などは、本願第1発明の(b)工程と同様とす
れば良い。また、本願第3発明の(b)工程において
も、両電極を同種の材料で構成することが好ましい。
【0114】本願第3発明の(b)工程においても、電
極反応中の反応器または反応液に超音波を照射すること
ができる。
【0115】本願第3発明の(b)工程で得られる網目
状ポリマーも、原料の種類、反応条件などに異なるが、
通常平均分子量2000〜1000000程度である。
【0116】本願第4発明の(a)工程は、超音波の照
射を行なう以外の点では、本願第3発明の(a)工程と
異なるところはない。超音波の照射は、本願第1発明の
(b)工程と同様にして行なえば良い。
【0117】本願第4発明の(b)工程においても、本
願第1発明の(b)工程と同様にして、前(a)工程で
得られた一般式(2)で示される直線状ポリシランに一
般式(3)で示されるトリハロシランおよび一般式
(4)で示されるテトラハロシランの少なくとの1種を
直接添加し、1秒以上20秒以下程度の一定の時間間隔
で電極の極性の切替えを行なう電極反応に供して、一般
式(5)で示される構造単位と、一般式(6)で示され
る構造単位および一般式(7)で示される構造単位の少
なくとも1種とを含み、Si−Si単位を骨格とする網
目状ポリマーを製造する。
【0118】本願第4発明の(b)工程における化合物
(2)、化合物(3)および化合物(5)の混合割合、
反応条件などは、本願第1発明の(b)工程と同様とす
れば良い。
【0119】本願第4発明の(b)工程においても、電
極反応中の反応器または反応液に超音波を照射すること
ができる。
【0120】本願第4発明の(b)工程で得られる網目
状ポリマーも、原料の種類、反応条件などに異なるが、
通常平均分子量2000〜1000000程度である。
【0121】なお、本発明においては、生成ポリマーの
骨格中への酸素の導入を抑制するために、溶媒及び支持
電解質中の水分を予め除去しておくことが望ましい。例
えば、溶媒としてテトラヒドロフラン或いは1,2−ジ
メトキシエタンを使用する場合には、ナトリウム−ベン
ゾフェノンケチルなどによる乾燥を予め行なっておくこ
とが好ましい。また、支持電解質の場合には、減圧加熱
による乾燥、或いは水分と反応しやすく且つ容易に除去
できる物質(例えば、トリメチルクロロシランなど)の
添加による水分除去を行なっておくことが好ましい。
【0122】
【発明の効果】本発明によれば、下記の様な顕著な効果
が達成される。
【0123】(a)アルカリ金属を使用しないので、工
業的規模の生産においても、安全かつ容易にSi−Si
結合を骨格とする網目状ポリマーを製造することができ
る。
【0124】(b)通電量などを調整することにより、
Si−Si結合を骨格とする網目状ポリマーの分子量を
制御することができる。
【0125】(c)電極として安定且つ安全な物質を使
用するので、環境汚染の危険性なしに、Si−Si結合
を骨格とする網目状ポリマーを製造することができる。
【0126】(d)骨格におけるSi−O−Si結合の
形成を大幅に抑制することができる。 (e)隔膜の使用を必要としないので、隔膜が目詰まり
を起こすこともなく、操作が簡便である。
【0127】(f)電極反応時に超音波の照射を行う場
合には、反応時間が2/3〜1/3程度に大幅に短縮さ
れるとともに、反応生成物の分子量が増大し、収率も著
しく改善される。
【0128】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明の特徴とすると
ころをより一層明確にする。
【0129】実施例1(a)工程 三方コックおよびMg電極(1cm×1cm×5cm;その表
面を希硫酸で洗浄した後、エタノールおよびエーテルで
洗浄し、減圧乾燥し、窒素雰囲気下に研磨して、表面の
酸化被膜を除去した)2個を装着した内容積30mlの3
つ口フラスコ(以下反応器という)に無水過塩素酸リチ
ウム1gを収容し、50℃、1mmHgに加熱減圧して(6
時間)、過塩素酸リチウムを乾燥した後、脱酸素した乾
燥窒素を反応器内に導入し、さらに予めナトリウム−ベ
ンゾフェノンケチルで乾燥したテトラヒドロフラン15
mlを加えた。これに予め蒸留したメチルフェニルジクロ
ロシラン1.45mlを加え、ウォーターバスにより反応
器を室温に保持しつつ、定電圧電源により通電した。こ
の際、コミュテーターを使用して、2つの電極の極性を
15秒毎に変換しつつ、モノマー中の塩素を基準として
2F/mol の通電量となる様に55時間通電した。
【0130】生成物の一部を採取し、分析に供したとこ
ろ、重量平均分子量3340の直線状ポリシランが形成
されていることが確認された。
【0131】元素分析の結果、この直線状ポリシラン中
の酸素含有量は、0.1%以下であり、Si−O−Si
の含有率が極めて低いことが確認された。
【0132】(b)工程 次いで、上記の反応器内にフェニルトリクロロシラン
0.16mlを導入し、2つの電極の極性を15秒毎に変
換しつつ、反応原料中の塩素を基準として、2F/mol
の通電量となる様に7時間通電した。
【0133】その結果、重量平均分子量9650のSi
−Si結合を骨格とする網目状ポリマーが収率42%で
形成された。
【0134】実施例2 (a)工程において、反応器を出力60W、周波数45
KHzの超音波洗浄器に浸漬して超音波を照射する以外
は実施例1と同様にして電極反応を行なった。その結
果、重量平均分子量12700のSi−Si結合を骨格
とする網目状ポリマーが、収率69%で得られた。
【0135】実施例3 一方の電極をMgにより構成し、他方の電極をNiによ
り構成するとともに、電極の極性切り替えを行なわない
以外は実施例2と同様にして電極反応を行なったとこ
ろ、重量平均分子量10500のSi−Si結合を骨格
とする網目状ポリマーが、収率53%で得られた。
【0136】実施例4 過塩素酸リチウムに代えて過塩素酸テトラ−n−ブチル
アンモニウムを使用する以外は実施例1と同様にして電
極反応を行なった。
【0137】その結果、重量平均分子量8500のSi
−Si結合を骨格とする網目状ポリマ−が、収率59%
で得られた。
【0138】実施例5 溶媒として1,2−ジメトキシエタンを使用する以外は
実施例1と同様にして電極反応を行なったところ、重量
平均分子量8700のSi−Si結合を骨格とする網目
状ポリマ−が、収率62%で得られた。
【0139】実施例6 (a)工程における原料としてメチルフェニルジクロロ
シラン1.13mlを使用するとともに、(b)工程にお
ける添加原料としてフェニルトリクロロシラン0.48
mlを使用する以外は実施例1と同様にして電極反応を行
なった。
【0140】その結果、重量平均分子量6550のSi
−Si結合を骨格とする網目状ポリマ−が、収率43%
で得られた。
【0141】実施例7 (a)工程における原料としてメチルフェニルジクロロ
シラン0.81mlを使用するとともに、(b)工程にお
ける添加原料としてフェニルトリクロロシラン0.80
mlを使用する以外は実施例1と同様にして電極反応を行
なった。
【0142】その結果、重量平均分子量4760のSi
−Si結合を骨格とする網目状ポリマ−が、収率47%
で得られた。
【0143】実施例8 溶媒としてテトラヒドロフラン7.5mlを使用する以
外は実施例7と同様にして電極反応を行なったところ、
重量平均分子量6370のSi−Si結合を骨格とする
網目状ポリマーが収率23%で得られた。
【0144】実施例9 2つの電極をアルミニウムにより構成する以外は実施例
7と同様にして電極反応を行なったところ、同様のSi
−Si結合を骨格とする網目状ポリマーが得られた。
【0145】実施例10 2つの電極を銅により構成する以外は実施例7と同様に
して電極反応を行なったところ、同様のSi−Si結合
を骨格とする網目状ポリマーが得られた。
【0146】実施例11 (a)工程における原料としてメチル−n−ヘキシルジ
クロロシラン1.0mlを使用する以外は実施例1と同様
にして電極反応を行なったところ、対応するSi−Si
結合を骨格とする網目状ポリマーが得られた。
【0147】実施例12 (b)工程における添加原料としてテトラクロロシラン
0.57mlを使用する以外は実施例11と同様にして電
極反応を行なったところ、対応するSi−Si結合を骨
格とする網目状ポリマーが得られた。
【0148】実施例13 (a)工程における原料中の塩素を基準とした通電量が
1.5F/mol となるようにした以外は実施例1と同様
にして電極反応を行なった。
【0149】その結果、重量平均分子量3130のSi
−Si結合を骨格とする網目状ポリマーが収率39%で
得られた。
【0150】実施例14 (a)工程における原料中の塩素を基準とした通電量が
1.0F/mol となるようにした以外は実施例1と同様
にして電極反応を行なった。
【0151】その結果、重量平均分子量2540のSi
−Si結合を骨格とする網目状ポリマーが収率28%で
得られた。。
【0152】実施例15 (b)工程における添加原料としてテトラクロロシラン
0.11mlを使用する以外は実施例2と同様にして電極
反応を行なった。
【0153】その結果、重量平均分子量14900のS
i−Si結合を骨格とする網目状ポリマ−が、収率42
%で得られた。
【0154】実施例16 (b)工程における添加原料としてテトラクロロシラン
0.11mlを使用する以外は実施例7と同様にして電極
反応を行なった。
【0155】その結果、重量平均分子量6900のSi
−Si結合を骨格とする網目状ポリマ−が、収率21%
で得られた。
【0156】実施例17 (b)工程における添加原料としてフェニルトリクロロ
シラン0.16mlおよびテトラクロロシラン0.01ml
を使用する以外は実施例2と同様にして電極反応を行な
った。
【0157】その結果、重量平均分子量15900のS
i−Si結合を骨格とする網目状ポリマ−が、収率64
%で得られた。
【0158】参考例1 実施例1で得られたSi−Si結合を骨格とする網目状
ポリマーの熱重量分析結果を図1に示す。
【0159】また、従来のSi−Si結合を主鎖とする
直線状ポリシランの熱重量分析結果を図2に示す。
【0160】図1と図2との比較から、本発明によるS
i−Si結合を骨格とする網目状ポリマーの優れた耐熱
性が明らかである。
【0161】参考例2 図3に公知のシリコンネットワークポリマーの吸収スペ
クトル図を示す。
【0162】図4に従来のSi−Si結合を主鎖とする
直線状ポリシランの吸収スペクトル図を示す。
【0163】図5に実施例1で得られたSi−Si結合
を骨格とする網目状ポリマーの吸収スペクトル図を示
す。
【0164】図3〜図5の対比から、本発明によるSi
−Si結合を骨格とする網目状ポリマーがポリシランと
シリコンネットワークポリマーの両方の光学的特性を備
えていることが明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたSi−Si結合を骨格とす
る網目状ポリマーの熱分析結果を示すグラフである。
【図2】従来のSi−Si結合を主鎖とする直線状ポリ
マーの熱分析結果を示すグラフである。
【図3】公知のシリコンネットワークポリマーの吸収ス
ペクトルを示すグラフである。
【図4】従来のSi−Si結合を主鎖とする直線状ポリ
マーの吸収スペクトルを示すグラフである。
【図5】実施例1で得られたSi−Si結合を骨格とす
る網目状ポリマーの吸収スペクトルを示すグラフであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西田 亮一 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2 号 大阪瓦斯株式会社内 (72)発明者 川崎 真一 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2 号 大阪瓦斯株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−105825(JP,A) 特開 平4−331235(JP,A) 国際公開93/6152(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 77/60 C08G 77/04

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Si−Si結合を骨格とする網目状ポリマ
    ーを製造する方法であって、(a)一般式 【化1】 (式中、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、ア
    ルコキシ基またはアミノ基を表わし、2つのRは、同一
    でも或いは異なっていても良い。;Xは、ハロゲン原子
    を表わす)で示されるジハロシランを支持電解質として
    過塩素酸塩を使用し、溶媒として非プロトン性溶媒を使
    用し、Mg、CuまたはAlを陽極とし、これらと同種
    または異種の導電性材料を陰極として使用する電極反応
    に供することにより、一般式 【化2】 (式中、RおよびXは、上記に同じ。;nは10〜10
    0である。)で示される両端にハロゲンを有する直線状
    ポリシランを形成させる工程、および(b)一般式
    (2)で示される直線状ポリシランを含む反応系に一般
    式 【化3】 (式中、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、ア
    ルコキシ基またはアミノ基を表わす。;Xは、ハロゲン
    原子を表わす。)で示されるトリハロシランおよび/ま
    たは一般式 【化4】 (式中、Xは、ハロゲン元素を表わす。)で示されるテ
    トラハロシランをそのまま添加し、1秒以上20秒以下
    の一定時間間隔で電極の極性を切替える電極反応に供す
    ることにより、一般式 【化5】 (式中、Rは、上記に同じ。)で示される構造単位と一
    般式 【化6】 (式中、Rは、上記に同じ。)で示される構造単位およ
    び/または一般式 【化7】 で示される構造単位とからなるSi−Si結合を骨格と
    する網目状ポリマーを製造する方法。
  2. 【請求項2】(b)工程を超音波の照射下に行なう請求
    項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】Si−Si結合を骨格とする網目状ポリマ
    ーを製造する方法であって、(a)一般式 【化8】 (式中、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、ア
    ルコキシ基またはアミノ基を表わし、2つのRは、同一
    でも或いは異なっていても良い。;Xは、ハロゲン原子
    を表わす)で示されるジハロシランを超音波の照射下に
    支持電解質として過塩素酸塩を使用し、溶媒として非プ
    ロトン性溶媒を使用し、Mg、CuまたはAlを陽極と
    し、これらと同種または異種の導電性材料を陰極として
    使用する電極反応に供することにより、一般式 【化9】 (式中、RおよびXは、上記に同じ。;nは10〜10
    0である。)で示される両端にハロゲンを有する直線状
    ポリシランを形成させる工程、および(b)一般式
    (2)で示される直線状ポリシランを含む反応系に一般
    式 【化10】 (式中、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、ア
    ルコキシ基またはアミノ基を表わす。;Xは、ハロゲン
    原子を表わす。)で示されるトリハロシランおよび/ま
    たは一般式 【化11】 (式中、Xは、ハロゲン元素を表わす。)で示されるテ
    トラハロシランをそのまま添加し、1秒以上20秒以下
    の一定時間間隔で電極の極性を切替える電極反応に供す
    ることにより、一般式 【化12】 (式中、Rは、上記に同じ。)で示される構造単位と一
    般式 【化13】 (式中、Rは、上記に同じ。)で示される構造単位およ
    び/または一般式 【化14】 で示される構造単位とからなるSi−Si結合を骨格と
    する網目状ポリマーを製造する方法。
  4. 【請求項4】(b)工程を超音波の照射下に行なう請求
    項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】Si−Si結合を骨格とする網目状ポリマ
    ーを製造する方法であって、(a)一般式 【化15】 (式中、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、ア
    ルコキシ基またはアミノ基を表わし、2つのRは、同一
    でも或いは異なっていても良い。;Xは、ハロゲン原子
    を表わす)で示されるジハロシランを支持電解質として
    過塩素酸塩を使用し、溶媒として非プロトン性溶媒を使
    用し、Mg、CuまたはAlを一方の極とし、これらと
    同種または異種の導電性材料を他方の極として使用し、
    10秒以上3分以下の一定時間間隔で電極の極性を切替
    える電極反応に供することにより、一般式 【化16】 (式中、RおよびXは、上記に同じ。;nは10〜10
    0である。)で示される両端にハロゲンを有する直線状
    ポリシランを形成させる工程、および(b)一般式
    (2)で示される直線状ポリシランを含む反応系に一般
    式 【化17】 (式中、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、ア
    ルコキシ基またはアミノ基を表わす。;Xは、ハロゲン
    原子を表わす。)で示されるトリハロシランおよび/ま
    たは一般式 【化18】 (式中、Xは、ハロゲン元素を表わす。)で示されるテ
    トラハロシランをそのまま添加し、1秒以上20秒以下
    の一定時間間隔で電極の極性を切替える電極反応に供す
    ることにより、一般式 【化19】 (式中、Rは、上記に同じ。)で示される構造単位と一
    般式 【化20】 (式中、Rは、上記に同じ。)で示される構造単位およ
    び/または一般式 【化21】 で示される構造単位とからなるSi−Si結合を骨格と
    する網目状ポリマーを製造する方法。
  6. 【請求項6】(b)工程を超音波の照射下に行なう請求
    項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】Si−Si結合を骨格とする網目状ポリマ
    ーを製造する方法であって、(a)一般式 【化22】 (式中、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、ア
    ルコキシ基またはアミノ基を表わし、2つのRは、同一
    でも或いは異なっていても良い。;Xは、ハロゲン原子
    を表わす)で示されるジハロシランを超音波の照射下に
    支持電解質として過塩素酸塩を使用し、溶媒として非プ
    ロトン性溶媒を使用し、Mg、CuまたはAlを一方の
    極とし、これらと同種または異種の導電性材料を他方の
    極として使用し、10秒以上3分以下の一定時間間隔で
    電極の極性を切替える電極反応に供することにより、一
    般式 【化23】 (式中、RおよびXは、上記に同じ。;nは10〜10
    0である。)で示される両端にハロゲンを有する直線状
    ポリシランを形成させる工程、および(b)一般式
    (2)で示される直線状ポリシランを含む反応系に一般
    式 【化24】 (式中、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、ア
    ルコキシ基またはアミノ基を表わす。;Xは、ハロゲン
    原子を表わす。)で示されるトリハロシランおよび/ま
    たは一般式 【化25】 (式中、Xは、ハロゲン元素を表わす。)で示されるテ
    トラハロシランをそのまま添加し、1秒以上20秒以下
    の一定時間間隔で電極の極性を切替える電極反応に供す
    ることにより、一般式 【化26】 (式中、Rは、上記に同じ。)で示される構造単位と一
    般式 【化27】 (式中、Rは、上記に同じ。)で示される構造単位およ
    び/または一般式 【化28】 で示される構造単位とからなるSi−Si結合を骨格と
    する網目状ポリマーを製造する方法。
  8. 【請求項8】(b)工程を超音波の照射下に行なう請求
    項7に記載の方法。
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