JPH07316304A - ゲルマニウム系高分子材料を製造する方法 - Google Patents

ゲルマニウム系高分子材料を製造する方法

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JPH07316304A
JPH07316304A JP7006998A JP699895A JPH07316304A JP H07316304 A JPH07316304 A JP H07316304A JP 7006998 A JP7006998 A JP 7006998A JP 699895 A JP699895 A JP 699895A JP H07316304 A JPH07316304 A JP H07316304A
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germanium
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JP7006998A
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English (en)
Inventor
Ryoichi Nishida
亮一 西田
Shinichi Kawasaki
真一 川崎
Hiroaki Murase
裕明 村瀬
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Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Osaka Gas Co Ltd
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Publication date
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  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)
  • Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】分子量が揃っており、高分子量を有するゲルマ
ニウム系高分子材料を高収率で、操作性良く、安全且つ
安価に製造しうる新たな製造方法を提供することを主な
目的とする。 【構成】MgまたはMg合金を陽極とし、Li塩を支持
電解質とし、溶媒として非プロトン性溶媒を使用する電
極反応に原料ハロゲルマンを供することにより、両端に
ハロゲン原子を有する直鎖状ポリゲルマンを形成させた
後、同じ反応系にトリハロゲルマンおよび/またはテト
ラハロゲルマンを添加して、電極反応を継続し、ゲルマ
ニウム系高分子材料を形成させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、Ge−Ge結合を骨格とするゲ
ルマニウム系高分子材料の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術とその問題点】Ge−Ge結合を骨格とする
ゲルマニウム系高分子材料は、光・電子材料などの有用
な材料として注目されている。
【0003】しかしながら、これまで報告されている直
鎖状ポリゲルマンは、通常300℃以上に加熱すると分
解するので、耐熱性に難点がある。この様な問題点を解
決するために、一定範囲の分子量を有し、両端にハロゲ
ン原子を有する直鎖状のポリゲルマンをまず合成し、こ
れをトリハロゲルマンまたはテトラハロゲルマンにより
架橋させて網目状ポリマーを合成する方法が考えられ
る。
【0004】この様な方法として、ジハロゲルマン類を
原料とし、これを電極としてMgなどの金属を使用し、
支持電解質として過塩素酸リチウムなどを使用し、溶媒
としてテトラヒドロフラン(THF)などを使用する電
極反応に供し、両端にハロゲン原子を有し、一定範囲の
重合度を有する直鎖状ポリゲルマンを製造した後、同じ
反応系内にトリハロゲルマンおよびテトラハロゲルマン
の少なくとも1種を添加し、引き続き電極反応を行っ
て、所望のGe−Ge結合を骨格とするゲルマニウム系
高分子材料を製造する方法が提案されている(特開平5
−301964号公報)。
【0005】この方法は、安全な電極を陽極に用い、且
つ活性な電極還元系を提供しており、環境汚染の危険性
なく、操作性良く、良好な収率で分子量の揃ったGe−
Ge結合を骨格とするゲルマニウム系高分子材料を製造
できるという利点を有している。しかしながら、この方
法において、支持電解質として使用する過塩素酸リチウ
ムなどの過塩素酸塩は、高価であり、またその取扱いに
も、注意が必要であることから、安価で且つ取り扱いが
容易な支持電解質を使用する新たな反応系の出現が求め
られていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の主な
目的は、分子量が揃ったGe−Ge結合を有するゲルマ
ニウム系高分子材料類を、高収率で操作性よく、安全か
つ安価に製造し得る新たな方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の如き
従来技術の現状に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、ジハロ
ゲルマンを特定の金属を陽極として用い、特定の溶媒お
よび特定の支持電解質を用いて電極反応に供することに
よって、まず両端にハロゲン原子を有し、一定範囲の重
合度を有する直鎖状ポリゲルマンを製造した後、同じ反
応系にトリハロゲルマンおよびテトラハロゲルマンの少
なくとも1種を添加し、引き続き電極反応を行う場合に
は、従来技術の問題点が実質的に解消されるか乃至は大
幅に軽減されることを見出した。
【0008】また、通電助剤として特定の化学物質を反
応系に添加する場合には、通電性が大幅に改善されて、
ゲルマニウム系高分子材料の製造に必要な時間が大幅に
短縮されることを見出した。
【0009】すなわち、本発明は、下記のGe−Ge結
合を有するゲルマニウム系高分子材料の製造方法を提供
するものである: 1.ゲルマニウム系高分子材料を製造する方法であっ
て、(a)一般式
【0010】
【化15】
【0011】(式中mは、1〜3である:Rは、水素原
子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアミ
ノ基を表す。m=1の場合には2つのRが、m=2の場
合には4つのRが、m=3の場合は6つのRが、それぞ
れ同一でもあるいは2つ以上が相異なっていてもよい:
Xは、ハロゲン原子を表す)で示されるジハロゲルマン
をMgまたはMg系合金を陽極とし、Li塩を支持電解
質とし、溶媒として非プロトン性溶媒を使用する電極反
応に供することにより、一般式
【0012】
【化16】
【0013】(式中RおよびXは、出発原料に対応して
上記に同じ:nは、10〜1000である)で示される
両端にハロゲンを有する直鎖状ポリゲルマンを形成させ
る工程、および(b)一般式(2)で示される上記の直
鎖状ポリゲルマンを含む反応系に一般式
【0014】
【化17】
【0015】(式中Rは、水素原子、アルキル基、アリ
ール基、アルコキシ基またはアミノ基を表す:Xは、ハ
ロゲン原子を表す)で示されるトリハロゲルマンおよび
/または一般式
【0016】
【化18】
【0017】(式中Xは、ハロゲン原子を表す)で示さ
れるテトラハロゲルマンをそのまま添加し、電極反応に
供することにより、一般式
【0018】
【化19】
【0019】(式中Rおよびnは、出発原料に対応して
上記に同じ。)で示される構造単位と一般式
【0020】
【化20】
【0021】(式中Rは、出発原料に対応して上記に同
じ。)で示される構造単位および/または一般式
【0022】
【化21】
【0023】で示される構造単位とからなるゲルマニウ
ム系高分子材料を形成させる工程を備えたことを特徴と
する方法。
【0024】2.Si−Si結合を有する網目状ポリマ
ーを製造する方法であって、(a)一般式
【0025】
【化22】
【0026】(式中mは、1〜3である:Rは、水素原
子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアミ
ノ基を表す。m=1の場合には2つのRが、m=2の場
合には4つのRが、m=3の場合は6つのRが、それぞ
れ同一でもあるいは2つ以上が相異なっていてもよい:
Xは、ハロゲン原子を表す)で示されるジハロゲルマン
をMgまたはMg系合金を陽極とし、Li塩を支持電解
質とし、Al塩、Fe塩、Mg塩、Zn塩、Sn塩、C
o塩、Pd塩、V塩、Cu塩またはCa塩を通電助剤と
し、溶媒として非プロトン性溶媒を使用する電極反応に
供することにより、一般式
【0027】
【化23】
【0028】(式中RおよびXは、出発原料に対応して
上記に同じ:nは、10〜1000である)で示される
両端にハロゲンを有する直鎖状ポリゲルマンを形成させ
る工程、および(b)一般式(2)で示される上記の直
鎖状ポリゲルマンを含む反応系に一般式
【0029】
【化24】
【0030】(式中Rは、水素原子、アルキル基、アリ
ール基、アルコキシ基またはアミノ基を表す:Xは、ハ
ロゲン原子を表す)で示されるトリハロゲルマンおよび
/または一般式
【0031】
【化25】
【0032】(式中Xは、ハロゲン原子を表す)で示さ
れるテトラハロゲルマンをそのまま添加し、電極反応に
供することにより、一般式
【0033】
【化26】
【0034】(式中Rおよびnは、出発原料に対応して
上記に同じ。)で示される構造単位と一般式
【0035】
【化27】
【0036】(式中Rは、出発原料に対応して上記に同
じ。)で示される構造単位および/または一般式
【0037】
【化28】
【0038】で示される構造単位とからなるゲルマニウ
ム系高分子材料を形成させる工程を備えたことを特徴と
する方法。
【0039】3.支持電解質として、LiClを使用す
る上記項1または2に記載の方法。
【0040】4.通電助剤として、AlCl3、FeC
2、FeCl3、CoCl2またはCuCl2を使用する
上記項2または3に記載の方法。
【0041】以下において、「請求項1および2に記載
された発明」をそれぞれ本願第1発明および本願第2発
明といい、両発明を総括して単に本願発明という。
【0042】1.本願第1発明 本願第1発明の工程(a)において、出発原料として使
用するジハロゲルマンは、一般式
【0043】
【化29】
【0044】(式中、mは、1〜3である:Rは、水素
原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはア
ミノ基を表す。m=1の場合には2つのRが、m=2の
場合には4つのRが、m=3の場合は6つのRが、それ
ぞれ同一でもあるいは2つ以上が相異なっていてもよ
い:Xはハロゲン原子を表す)で示されるジハロゲルマ
ンである。
【0045】一般式(1)で示されるジハロゲルマンに
おいて、mは、1〜3であり、Rで示される水素原子、
アミノ基および有機置換基(アルキル基、アリール基、
アルコキシ基、アミノ基)は、それぞれが同一であって
もよく、2つ以上が相異なっていても良い。より具体的
には、m=1の場合には2つのRが、m=2の場合には
4つのRが、m=3の場合には6つのRが、それぞれ同
一であっても或いは2つ以上が相異なっていても良い。
【0046】一般式(1)で表される化合物としては、
mが1または2であることが、より好ましい。アルキル
基としては、炭素数1〜10程度のものが挙げられ、こ
れらの中でも炭素数1〜6のものがより好ましい。アリ
ール基としては、フェニル基、炭素数1〜6個のアルキ
ル基を1つ以上置換基として有するフェニル基、p−ア
ルコキシフェニル基、ナフチル基などが挙げられる。ア
ルコキシ基としては、炭素数1〜10程度のものが挙げ
られ、これらの中でも炭素数1〜6のものがより好まし
い。Rが上記のアミノ基および有機置換基である場合に
は、その水素原子の少なくとも1つが、他のアルキル
基、アリール基、アルコキシ基などの官能基により置換
されていても良い。この様な官能基としては、上記と同
様なものが挙げられる。
【0047】また、一般式(1)において、Xは、ハロ
ゲン原子(Cl,F,Br,I)を表す。ハロゲン原子
としては、Clがより好ましい。
【0048】本願第1発明の工程(a)においては、一
般式(1)で表されるジハロゲルマンの1種を単独で使
用しても良く、或いは2種を混合使用しても良い。ジハ
ロゲルマンは、できるだけ高純度のものであることが好
ましく、例えば、液体のジハロゲルマンについては、蒸
留して使用することが好ましく、また、固体のジハロゲ
ルマンについては、再結晶法により、精製し、使用する
ことが好ましい。
【0049】本願第1発明の工程(a)において得られ
る反応生成物は、一般式
【0050】
【化30】
【0051】(式中RおよびXは、前記に同じであり、
2つのRは、同一でも或いは相異なっていてもよい。)
で示される両端にハロゲン原子を有する直鎖状ポリゲル
マンである。
【0052】本願第1発明の工程(a)における反応に
際しては、一般式(1)で示されるジハロゲルマンを溶
媒に溶解して使用する。
【0053】溶媒としては、非プロトン性溶媒が広く使
用でき、より具体的には、テトラヒドロフラン、1,2
−ジメトキシエタン、プロピレンカーボネート、アセト
ニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシ
ド、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、p−ジオキ
サン、塩化メチレンなどのエーテル系の溶媒が例示され
る。これらの溶媒は、単独でも、或いは2種以上の混合
物としても使用できる。溶媒としては、テトラヒドロフ
ランおよび1,2−ジメトキシエタンがより好ましい。
溶媒中のジハロゲルマンの濃度は、低すぎる場合には、
電流効率が低下するのに対し、高すぎる場合には、支持
電解質が溶解しないことがある。従って、溶媒中のジハ
ロゲルマンの濃度は、通常0.05〜20mol/l程
度であり、より好ましくは0.2〜15mol/l程度
であり、特に好ましくは0.3〜13mol/l程度で
ある。
【0054】本願第1発明の工程(a)で使用する支持
電解質としては、LiCl、LiNO3、Li2NO3
どの安価なリチウム塩が例示される。これらの支持電解
質は、単独で使用しても良く、或いは2種以上を併用し
ても良い。これら支持電解質の中でも、LiClが最も
好ましい。
【0055】支持電解質の濃度は、低すぎる場合には、
通電が困難乃至不可能となって反応が進行しないのに対
し、高すぎる場合には、還元されて析出したリチウムの
量が多すぎて、所望の生成物である直鎖状ポリゲルマン
のGe−Ge主鎖結合が開裂して、その分子量が低下す
る。従って、溶媒中の支持電解質の濃度は、通常0.0
5〜5mol/l程度であり、より好ましくは0.1〜
3mol/l程度であり、特に好ましくは0.15〜
2.0mol/l程度である。
【0056】本願第1発明の工程(a)においては、陽
極として、MgまたはMgを主成分とする合金を使用す
る。Mgを主成分とする合金としては、例えばAlを3
〜10%程度含有するものが挙げられる。また、JIS
H 6125−1961に規定されている1種(MG
A1)、2種(MGA2、通称AZ63)、3種(MG
A3)などが挙げられる。陰極としては、電流を通じ得
る物質であれば特に限定されないが、SUS304、3
16などのステンレス鋼;Mg、Cu、Zn、Sn、A
l、Ni、Coなどの各種金属類;炭素材料などが例示
される。電極の形状は、通電を安定して行いうる限り特
に限定されないが、棒状、板状、筒状、円錐状、円盤
状、球状体をバスケットに収容したもの、板状体をコイ
ル状に巻いたものなどが好ましい。電極表面の酸化被膜
は、必要ならば、予め除去しておく。電極からの酸化被
膜の除去は、任意の方法で行えばよく、例えば、電極を
酸により洗浄した後、エタノールおよびエーテルなどに
より洗浄し、減圧下に乾燥する方法、窒素雰囲気下に電
極を研磨する方法、或いはこれらの方法を組み合わせた
方法などにより行うことができる。
【0057】本願第1発明の工程(a)は、例えば、
(i)陽極および陰極を設置した密閉可能な反応容器に
一般式(1)で表されるジハロゲルマンおよび支持電解
質を溶媒とともに収容し、好ましくは機械的もしくは磁
気的に撹拌しつつ、所定量の電流を通電することにより
電極反応を行わせる方法、(ii)陽極および陰極を設
置した電解槽、反応液貯槽、ポンプ、配管などから構成
される流動式電極反応装置を用いて、反応液貯槽に投入
したジハロゲルマン、支持電解質および溶媒からなる反
応溶液をポンプにより電極反応装置内を循環させつつ、
所定量の電流を通電することにより、電解槽内で電極反
応を行わせる方法などにより行うことができる。
【0058】電解槽の構造乃至形状は、特に限定されな
いが、反応の進行に伴って反応溶液中に溶け出して消耗
する陽極を簡便に補給する形式の構造とすることが出来
る。より具体的には、例えば、図1に斜面図として概要
を示す様に、消耗する電極をバスケット乃至かご状容器
1に収容した小さな球状体乃至ペレット3により連続的
に供給する形式の電解槽とすることが出来る。或いは、
図2に示す様に、特開昭62−56589号公報に示さ
れた“鉛筆削り型電解槽”に準じて、陰極シート5内に
陽極となる金属または合金のブロック7を積層する形式
の電解槽としても良い。図1に示す形式の陽極を使用す
る場合には、図3に示す様に、電解槽23の外壁を兼ね
る陰極21内に金属または合金の球状体3を収容したバ
スケット1を配置して、電解を行う。
【0059】この様な連続供給型の陽極を備えた電解槽
を使用する場合には、消耗する電極を1回或いは数回の
反応毎に交換する必要がなくなるので、陽極交換に要す
る費用が軽減され、ポリマーの製造コストが低下する。
【0060】反応容器あるいは反応装置内は、乾燥雰囲
気であればよいが、乾燥した窒素または不活性ガス雰囲
気であることがより好ましく、さらに脱酸素し、乾燥し
た窒素雰囲気或いは不活性ガス雰囲気であることが特に
好ましい。通電量は、ジハロゲルマン中のハロゲンを基
準として、1F/mol程度以上あれば良く、通電量を
調整することにより、分子量の制御が可能となる。反応
時間は、原料ジハロゲルマンの量、支持電解質の量など
に関係する電解液の抵抗などにより異なり得るので、適
宜定めればよい。反応時の温度は、通常−20℃から使
用する溶媒の沸点までの温度範囲内にあり、より好まし
くは−5〜30℃程度の範囲内にあり、最も好ましくは
0〜25℃程度の範囲内にある。本願第1発明の工程
(a)においては、通常の電極還元反応においては必須
とされている隔膜は、使用してもよいが、必須ではない
ので、操作が簡便となり、実用上有利である。
【0061】本願第1発明の工程(b)においては、上
記のようにして得られた一般式(2)で示される直鎖状
ポリゲルマンを含む反応系に、一般式
【0062】
【化31】
【0063】(式中、RおよびXは、上記に同じ)で示
されるトリハロゲルマンおよび/または一般式
【0064】
【化32】
【0065】(式中、Xは、上記に同じ)で示されるテ
トラハロゲルマンを直接添加し、引き続き上記と同様の
電極反応を継続して、一般式
【0066】
【化33】
【0067】(式中、Rは、上記に同じ)で示される構
造単位と、一般式
【0068】
【化34】
【0069】(式中、Rは、上記に同じ)で示される構
造単位および/または一般式
【0070】
【化35】
【0071】で示される構造単位とを含み、Ge−Ge
単位を骨格とするゲルマニウム系高分子材料を製造す
る。
【0072】本願第1発明の工程(b)における化合物
(3)および/または化合物(4)の混合割合は、以下
の様にすることが好ましい。
【0073】(a)化合物(3)のみを混合する場合に
は、化合物(1):化合物(3)=1000:1〜50
00程度の範囲とすることが好ましい。
【0074】(b)化合物(4)のみを混合する場合に
は、化合物(1):化合物(4)=1000:1〜10
00程度の範囲とすることが好ましい。
【0075】(c)化合物(3)および(4)を添加す
る場合には、化合物(1):化合物(3):化合物
(4)=1000:0.5〜800:0.5〜100程
度の範囲とすることが好ましい。
【0076】この様な混合割合とする場合には、混合物
が有機溶媒に可溶で、且つ生成するポリマーが直鎖状の
ポリゲルマンと網目状のポリゲルマンとの両方の特性を
兼ね備えた複合的な機能を発揮するので、好適である。
【0077】本願第1発明の工程(b)における反応条
件は、工程(a)における反応条件と実質的に異なると
ころはない。
【0078】本願第1発明の工程(b)において得られ
るゲルマニウム系高分子材料は、原料の種類、反応条件
などにより異なりうるが、通常平均分子量2000〜1
000000程度である。
【0079】2.本願第2発明 本願第2発明は、本発明の電極反応をより効率的に行う
ために、支持電解質に加えて通電助剤を併用することに
より、通電性の向上をはかる以外の点では、本願第1発
明と実質的に異なるところはない。
【0080】通電助剤としては、AlCl3、Al(O
Et)3などのAl塩;FeCl2、FeCl3などのF
e塩;MgCl2などのMg塩;ZnCl2などのZn
塩;SnCl2などのSn塩;CoCl2などのCo塩;
PdCl2などのPd塩;VCl3などのV塩;CuCl
2などのCu塩;CaCl2などのCa塩が好ましいもの
として例示される。これらの通電助剤は、単独で使用し
ても良く、或いは2種以上を併用しても良い。これら通
電助剤の中でも、AlCl3、FeCl2、FeCl3
CoCl2およびCuCl2がより好ましい。溶媒中の通
電助剤の濃度は、低すぎる場合には、通電性の向上が十
分に達成されず、一方、高すぎる場合には、通電助剤が
還元されて、反応に関与しなくなる。従って、溶媒中の
通電助剤の濃度は、通常0.01〜6mol/l程度で
あり、より好ましくは0.03〜4mol/l程度であ
り、特に好ましくは0.05〜3mol/l程度であ
る。このような通電助剤の添加により、反応時間が大幅
に短縮され、効率的なゲルマニウム系高分子材料の製造
が可能となる。反応時間の短縮の程度は、通電助剤の濃
度、支持電解質および原料ジハロゲルマンの濃度などに
より異なるが、通常、通電助剤を用いない場合の1/4
〜3/4程度となる。
【0081】本願第2発明において得られるGe−Ge
結合を骨格とするゲルマニウム系高分子材料も、原料の
種類、反応条件などにより異なりうるが、やはり通常平
均分子量2000〜1000000程度である。
【0082】
【発明の効果】本発明によれば、下記のような顕著な効
果が達成される。
【0083】(a)高収率で、Ge−Ge結合を骨格と
するゲルマニウム系高分子材料が製造できる。
【0084】(b)高価な支持電解質を用いないので、
Ge−Ge結合を骨格とするゲルマニウム系高分子材料
が安価に製造できる。
【0085】(c)取扱いに留意しなければならない支
持電解質を使用しないので、簡単にGe−Ge結合を骨
格とするゲルマニウム系高分子材料が安価に製造でき
る。
【0086】(d)通電助剤を使用する場合には、通電
性がより良好となるので、通電助剤を使用しない場合に
比して、反応時間が1/4〜3/4程度に大幅に短縮さ
れ、Ge−Ge結合を骨格とするゲルマニウム系高分子
材料を効率良く製造することができる。
【0087】(e)通電助剤としてAlCl3などを用
いる場合には、反応終了後に反応溶液を中和する必要が
ないので、後処理が極めて簡単となる。
【0088】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明の特徴とすると
ころをより一層明確にする。
【0089】実施例1工程(a) 三方コックおよびMg製陽極(直径1cm×5cm)お
よびステンレス鋼(SUS304)製陰極(1cm×1
cm×5cm)を装着した内容積30mlの3つ口フラ
スコ(以下反応器という)に無水塩化リチウム(LiC
l)0.4gを収容し、50℃で1mmHgに加熱減圧
して、LiClを乾燥した後、脱酸素した乾燥窒素を反
応器内に導入し、さらに予めナトリウム−ベンゾフェノ
ンケチルで乾燥したテトラヒドロフラン15mlを加え
た。これに予め蒸留により精製したn−ブチルフェニル
ジクロロゲルマン1.39g(5mmol)をシリンジ
で加え、マグネティックスターラーにより反応溶液を撹
拌しながら、ウォーターバスにより反応器を室温に保持
しつつ、定電圧電源により通電した。通電は、n−ブチ
ルフェニルジクロロゲルマン中の塩素を基準として1.
0F/molの通電量となるよう約20時間行った。
【0090】生成物の一部を採取し、分析したところ、
重量平均分子量5200(平均重合度25程度)の直鎖
状ポリゲルマンが形成されていることが確認された。
【0091】工程(b) 次いで、上記の反応器内にフェニルトリクロロゲルマン
1.28g(5mmol)を導入し、フェニルトリクロ
ロゲルマン中の塩素原子を基準として、1.3F/mo
lの通電量となるように13時間通電した。
【0092】反応終了後、反応溶液に1N塩酸20ml
を加え、さらに蒸留水80mlを加えて、エーテル10
0mlで抽出し、貧溶媒エタノール80ml、良溶媒テ
トラヒドロフラン4mlを用いて再沈した。
【0093】その結果、重量平均分子量15300のゲ
ルマニウム系高分子材料が収率40.6%で得られた。
【0094】実施例2 工程(a)のn−ブチルフェニルジクロロゲルマンの使
用量を1.94g(7mmol)とし、工程(b)のフ
ェニルトリクロロゲルマンの使用量を0.77g(3m
mol)とする以外は実施例1と同様にして電極反応を
行った。
【0095】その結果、重量平均分子量17400のゲ
ルマニウム系高分子材料が収率39.0%で得られた。
【0096】実施例3 工程(a)のn−ブチルフェニルジクロロゲルマンの使
用量を0.83g(3mmol)とし、工程(b)のフ
ェニルトリクロロゲルマンの使用量を1.79g(7m
mol)とする以外は実施例1と同様にして電極反応を
行った。
【0097】その結果、重量平均分子量20500のゲ
ルマニウム系高分子材料が収率42.2%で得られた。
【0098】実施例4 工程(a)において使用するジハロゲルマンとして、蒸
留法で精製したn−ブチルシクロヘキシルジクロロゲル
マン1.42g(5mmol)を使用する以外は実施例
1と同様にして電極反応を行った。
【0099】反応終了後、反応溶液に1N塩酸20ml
を加えて、さらに蒸留水80mlを加え、トルエン10
0mlで抽出し、貧溶媒エタノール80ml、良溶媒ト
ルエン4mlを用いて再沈した。
【0100】その結果、重量平均分子量17000のゲ
ルマニウム系高分子材料が収率40.2%で得られた。
【0101】実施例5 工程(a)において使用するジハロゲルマンとして、蒸
留法で精製したn−ブチルメトキシジクロロゲルマン
1.16g(5mmol)を使用する以外は実施例1と
同様にして電極反応を行った。
【0102】その結果、重量平均分子量7500のゲル
マニウム系高分子材料が収率20.8%で得られた。
【0103】実施例6 工程(a)において使用するジハロゲルマンとして、蒸
留法で精製したp−アニシル(n−ブチル)ジクロロゲ
ルマン1.54g(5mmol)を使用する以外は実施
例1と同様にして電極反応を行った。
【0104】その結果、重量平均分子量19200のゲ
ルマニウム系高分子材料が収率46.0%で得られた。
【0105】実施例7 工程(a)において使用するジハロゲルマンとして、蒸
留法で精製した1,2−ジクロロ−1,1,2−トリメ
チル−2−フェニルゲルマン1.69g(5mmol)
を使用する以外は実施例1と同様にして電極反応を行っ
た。
【0106】その結果、重量平均分子量17700のゲ
ルマニウム系高分子材料が収率37.9で得られた。
【0107】実施例8 工程(b)において添加する原料として、蒸留法により
精製したメチルトリクロロゲルマン0.97g(5mm
ol)を使用する以外は実施例1と同様にして電極反応
を行った。
【0108】その結果、重量平均分子量11400のゲ
ルマニウム系高分子材料が収率38.8%で得られた。
【0109】実施例9 工程(b)において添加する原料として、蒸留法により
精製したシクロヘキシルトリクロロゲルマン1.06g
(5mmol)を使用する以外は実施例1と同様にして
電極反応を行った。
【0110】反応終了後、反応溶液に1N塩酸20ml
を加え、さらに蒸留水80mlを加えて、トルエン10
0mlで抽出し、貧溶媒エタノール80ml、良溶媒ト
ルエン4mlを用いて再沈した。
【0111】その結果、重量平均分子量21900のゲ
ルマニウム系高分子材料が収率40.0%で得られた。
【0112】実施例10 工程(a)において使用するジハロゲルマンとしてn−
ブチルフェニルジクロロゲルマン2.07g(10mm
ol)を使用し、工程(b)で添加する原料として蒸留
法により精製したテトラクロロゲルマン0.11g
(0.5mmol)を使用する以外は実施例1と同様に
して電極反応を行った。
【0113】その結果、重量平均分子量12600のゲ
ルマニウム系高分子材料が収率31.5%で得られた。
【0114】実施例11 工程(a)において使用するジハロゲルマンとして蒸留
法で精製したn−ブチルシクロヘキシルジクロロゲルマ
ン1.39g(5mmol)を使用し、工程(b)で添
加する原料としてシクロヘキシルトリクロロゲルマン
1.31g(5mmol)を使用する以外は実施例1と
同様にして電極反応を行った。
【0115】反応終了後、反応溶液に1N塩酸20ml
を加え、さらに蒸留水80mlを加えて、ヘキサン10
0mlで抽出し、貧溶媒アセトン80ml、良溶媒ヘキ
サン4mlを用いて再沈した。
【0116】その結果、重量平均分子量19300のゲ
ルマニウム系高分子材料が収率47.3%で得られた。
【0117】実施例12 工程(a)において使用するジハロゲルマンとしてn−
ブチルフェニルジブロモゲルマン1.82g(5mmo
l)を使用し、工程(b)で添加する原料としてフェニ
ルトリブロモゲルマン1.93g(5mmol)を使用
する以外は実施例1と同様にして電極反応を行った。
【0118】その結果、重量平均分子量15400のゲ
ルマニウム系高分子材料が収率38.0%で得られた。
【0119】実施例13 陽極としてMg合金(Mg90%、Al9%、Zn1
%:1cm×1cm×5cm)を使用する以外は実施例
1と同様にして、電極反応を行った。
【0120】その結果、重量平均分子量13600のゲ
ルマニウム系高分子材料が、40.0%の収率で得られ
た。
【0121】実施例14 陽極としてMg合金(Mg95.5%、Al3%、Zn
1%、Mn0.5%、1cm×1cm×5cm)を使用
する以外は実施例1と同様にして、電極反応を行った。
【0122】その結果、重量平均分子量12900のゲ
ルマニウム系高分子材料が、36.6%の収率で得られ
た。
【0123】実施例15 陰極としてグラッシーカーボン(1cm×0.1cm×
5cm)を使用する以外は実施例1と同様にして、電極
反応を行った。
【0124】その結果、重量平均分子量15700のゲ
ルマニウム系高分子材料が収率44.5%で得られた。
【0125】実施例16 支持電解質としてLiNO30.65gを使用する以外
は実施例1と同様にして、電極反応を行った。
【0126】その結果、高分子量のゲルマニウム系高分
子材料が良好な収率で得られた。
【0127】実施例17 支持電解質としてLi2CO30.70gを使用する以外
は実施例1と同様にして、電極反応を行った。
【0128】その結果、高分子量のゲルマニウム系高分
子材料が良好な収率で得られた。
【0129】実施例18工程(a) 三方コックおよびMg製陽極(直径1cm×5cm)お
よびステンレス鋼(SUS304)製陰極(1cm×1
cm×5cm)を装着した内容積30mlの3つ口フラ
スコ(以下反応器という)に支持電解質としての無水塩
化リチウム(LiCl)0.40gと通電助剤としての
無水塩化アルミニウム(AlCl3)0.25gとを収
容し、50℃、1mmHgに加熱減圧して、LiClお
よびAlCl3を乾燥した後、脱酸素した乾燥窒素を反
応器内に導入し、さらに予めナトリウム−ベンゾフェノ
ンケチルで乾燥したテトラヒドロフラン15mlを加え
た。これに予め蒸留により精製したn−ブチルフェニル
ジクロロゲルマン1.39g(5mmol)をシリンジ
で加え、マグネティックスターラーにより反応溶液を撹
拌しながら、ウォーターバスにより反応器を室温に保持
しつつ、定電圧電源により通電した。通電は、n−ブチ
ルフェニルジクロロゲルマン中の塩素を基準として1.
0F/molの通電量となるように3時間行った。
【0130】反応生成物の一部を採取し、分析したとこ
ろ、重量平均分子量6200(平均重合度30程度)の
直鎖状ポリゲルマンが生成していることが確認された。
【0131】工程(b) 次いで、上記の反応器内にフェニルトリクロロゲルマン
1.28g(5mmol)を導入し、フェニルトリクロ
ロゲルマン中の塩素を基準として1.3F/molの通
電量となるように6時間通電した。
【0132】反応終了後、反応溶液に蒸留水100ml
を加え、エーテル100mlで抽出し、貧溶媒エタノー
ル80ml、良溶媒テトラヒドロフラン4mlを用いて
再沈した。
【0133】その結果、重量平均分子量18300のゲ
ルマニウム系高分子材料が、収率43.6%で得られ
た。
【0134】実施例19 LiCl使用量を0.8gとする以外は実施例18と同
様にして電極反応を行った。この場合、工程(a)に要
した通電時間は約3時間であり、工程(b)に要した通
電時間は約5時間であった。
【0135】その結果、重量平均分子量17100のゲ
ルマニウム系高分子材料が収率42.5%で得られた。
【0136】実施例20 通電助剤であるAlCl3の量を0.13gとする以外
は実施例18と同様にして電極反応を行った。この場
合、工程(a)に要した通電時間は約4時間であり、工
程(b)に要した通電時間は約7時間であった。
【0137】その結果、重量平均分子量20200のゲ
ルマニウム系高分子材料が収率40.0%で得られた。
【0138】実施例21 通電助剤として、MgCl20.18gを使用する以外
は実施例18と同様にして電極反応を行った。
【0139】その結果、高分子量のゲルマニウム系高分
子材料が良好な収率で得られた。
【0140】実施例22 通電助剤として、ZnCl20.26gを使用する以外
は実施例18と同様にして電極反応を行った。
【0141】その結果、高分子量のゲルマニウム系高分
子材料が良好な収率で得られた。
【0142】実施例23 通電助剤として、CaCl20.52gを使用する以外
は実施例18と同様にして電極反応を行った。
【0143】その結果、高分子量のゲルマニウム系高分
子材料が良好な収率で得られた。
【0144】実施例24 溶媒として予めナトリウム−ベンゾフェノンケチルで乾
燥したDME15mlを使用する以外は実施例18と同
様にして電極反応を行った。
【0145】その結果、重量平均分子量9800のゲル
マニウム系高分子材料が収率29.6%で得られた。
【0146】実施例25工程(a) Mg製陽極(直径12cm×15cm×1cm)および
ステンレス鋼(SUS316)製陰極(12cm×15
cm×1cm)を装着したフィルタープレス型電解槽
(電極間距離5mm)、容量3lの反応液貯槽、ベロー
ズ式ポンプおよび配管からなる流動式電極反応装置の反
応液貯槽に無水塩化リチウム(LiAl)27gおよび
無水塩化アルミニウム(AlCl3)17gを収容し、
脱酸素した乾燥窒素を反応器内に導入し、さらに予めナ
トリウム−ベンゾフェノンケチルで乾燥したテトラヒド
ロフラン1.0.1を加えた。これに予め蒸留により精
製したn−ブチルフェニルジクロロゲルマン93g
(0.33mol)をシリンジで加え、ベローズ式ポン
プにより反応液を循環させながら(電極間を通過する際
の線速度は20cm/秒)、冷却器により反応温度を室
温に保持しつつ、定電圧電源により通電した。通電は、
n−ブチルフェニルジクロロゲルマン中の塩素を基準と
して1.0F/molの通電量となるよう約9時間行っ
た。
【0147】生成物の一部を採取し、分析したところ、
重量平均分子量5900(平均重合度29程度)の直鎖
状ポリゲルマンが形成されていることが確認された。
【0148】工程(b) 次いで、上記の反応器内にフェニルトリクロロゲルマン
91g(0.33mol)を導入し、フェニルトリクロ
ロゲルマン中の塩素を基準として1.3F/molの通
電量となるよう約19時間通電した。
【0149】反応終了後、反応溶液に蒸留水1000m
lを加え、エーテル1500mlで抽出し、貧溶媒エタ
ノール2000ml、良溶媒テトラヒドロフラン50m
lを用いて再沈した。
【0150】その結果、重量平均分子量19200のゲ
ルマニウム系高分子材料が、収率39.6%で得られ
た。
【0151】実施例26 通電助剤として、FeCl20.24gを使用する以外
は実施例18と同様にして電極反応を行った。この場
合、工程(a)に要した通電時間は、約4時間であり、
工程(b)に要した通電時間は、約7時間であった。そ
の結果、重量平均分子量21700のゲルマニウム系高
分子材料が収率52.5%で得られた。
【0152】実施例27 通電助剤として、FeCl30.31gを使用する以外
は実施例18と同様にして電極反応を行った。この場
合、工程(a)に要した通電時間は、約4時間であり、
工程(b)に要した通電時間は、約8時間であった。そ
の結果、重量平均分子量16900のゲルマニウム系高
分子材料が収率36.6%で得られた。
【0153】実施例28 通電助剤として、SnCl20.49gを使用する以外
は実施例18と同様にして電極反応を行った。この場
合、工程(a)に要した通電時間は、約7時間であり、
工程(b)に要した通電時間は、約10時間であった。
その結果、重量平均分子量11000のゲルマニウム系
高分子材料が収率34.5%で得られた。
【0154】実施例29 通電助剤として、CoCl20.24gを使用する以外
は実施例18と同様にして電極反応を行った。この場
合、工程(a)に要した通電時間は、約9時間であり、
工程(b)に要した通電時間は、約11時間であった。
その結果、重量平均分子量18300のゲルマニウム系
高分子材料が収率48.1%で得られた。
【0155】実施例30 通電助剤として、PdCl20.33gを使用する以外
は実施例18と同様にして電極反応を行った。この場
合、工程(a)に要した通電時間は、約12時間であ
り、工程(b)に要した通電時間は、約13時間であっ
た。その結果、重量平均分子量9800のゲルマニウム
系高分子材料が収率29.9%で得られた。
【0156】実施例31 通電助剤として、VCl30.29gを使用する以外は
実施例18と同様にして電極反応を行った。この場合、
工程(a)に要した通電時間は、約10時間であり、工
程(b)に要した通電時間は、約11時間であった。そ
の結果、重量平均分子量10300のゲルマニウム系高
分子材料が収率18.6%で得られた。
【0157】実施例32 通電助剤として、CuCl20.25gを使用する以外
は実施例18と同様にして電極反応を行った。この場
合、工程(a)に要した通電時間は、約6時間であり、
工程(b)に要した通電時間は、約7時間であった。そ
の結果、重量平均分子量17800のゲルマニウム系高
分子材料が収率32.6%で得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】陽極を構成する金属または合金の球状体をかご
状容器乃至バスケットに収容して使用する本発明方法に
大要を示す斜面図である。
【図2】本発明方法を実施するに際し使用する電解槽を
鉛筆削り型電解槽とした場合の概要を示す模式的な断面
図である。
【図3】図1に示す形式の陽極を使用する電解槽の概要
を示す模式的な断面図である。
【符号の説明】
1…かご状容器乃至バスケット 3…金属球状体乃至ペレット 5…陰極 7…ブロック状陽極 21…陰極 23…電解槽

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ゲルマニウム系高分子材料を製造する方法
    であって、(a)一般式 【化1】 (式中mは、1〜3である:Rは、水素原子、アルキル
    基、アリール基、アルコキシ基またはアミノ基を表す。
    m=1の場合には2つのRが、m=2の場合には4つの
    Rが、m=3の場合は6つのRが、それぞれ同一でもあ
    るいは2つ以上が相異なっていてもよい:Xは、ハロゲ
    ン原子を表す)で示されるジハロゲルマンをMgまたは
    Mg系合金を陽極とし、Li塩を支持電解質とし、溶媒
    として非プロトン性溶媒を使用する電極反応に供するこ
    とにより、一般式 【化2】 (式中RおよびXは、出発原料に対応して上記に同じ:
    nは、10〜1000である)で示される両端にハロゲ
    ンを有する直鎖状ポリゲルマンを形成させる工程、およ
    び(b)一般式(2)で示される上記の直鎖状ポリゲル
    マンを含む反応系に一般式 【化3】 (式中Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、アル
    コキシ基またはアミノ基を表す:Xは、ハロゲン原子を
    表す)で示されるトリハロゲルマンおよび/または一般
    式 【化4】 (式中Xは、ハロゲン原子を表す)で示されるテトラハ
    ロゲルマンをそのまま添加し、電極反応に供することに
    より、一般式 【化5】 (式中Rおよびnは、出発原料に対応して上記に同
    じ。)で示される構造単位と一般式 【化6】 (式中Rは、出発原料に対応して上記に同じ。)で示さ
    れる構造単位および/または一般式 【化7】 で示される構造単位とからなるゲルマニウム系高分子材
    料を形成させる工程を備えたことを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】ゲルマニウム系高分子材料を製造する方法
    であって、(a)一般式 【化8】 (式中mは、1〜3である:Rは、水素原子、アルキル
    基、アリール基、アルコキシ基またはアミノ基を表す。
    m=1の場合には2つのRが、m=2の場合には4つの
    Rが、m=3の場合は6つのRが、それぞれ同一でもあ
    るいは2つ以上が相異なっていてもよい:Xは、ハロゲ
    ン原子を表す)で示されるジハロゲルマンをMgまたは
    Mg系合金を陽極とし、Li塩を支持電解質とし、Al
    塩、Fe塩、Mg塩、Zn塩、Sn塩、Co塩、Pd
    塩、V塩、Cu塩またはCa塩を通電助剤とし、溶媒と
    して非プロトン性溶媒を使用する電極反応に供すること
    により、一般式 【化9】 (式中RおよびXは、出発原料に対応して上記に同じ:
    nは、10〜1000である)で示される両端にハロゲ
    ンを有する直鎖状ポリゲルマンを形成させる工程、およ
    び(b)一般式(2)で示される上記の直鎖状ポリゲル
    マンを含む反応系に一般式 【化10】 (式中Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、アル
    コキシ基またはアミノ基を表す:Xは、ハロゲン原子を
    表す)で示されるトリハロゲルマンおよび/または一般
    式 【化11】 (式中Xは、ハロゲン原子を表す)で示されるテトラハ
    ロゲルマンをそのまま添加し、電極反応に供することに
    より、一般式 【化12】 (式中Rおよびnは、出発原料に対応して上記に同
    じ。)で示される構造単位と一般式 【化13】 (式中Rは、出発原料に対応して上記に同じ。)で示さ
    れる構造単位および/または一般式 【化14】 で示される構造単位とからなるゲルマニウム系高分子材
    料を形成させる工程を備えたことを特徴とする方法。
  3. 【請求項3】支持電解質として、LiClを使用する請
    求項1または2に記載の方法。
  4. 【請求項4】通電助剤として、AlCl3、FeCl2
    FeCl3、CoCl2またはCuCl2を使用する請求
    項2または3に記載の方法。
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