JP3947981B2 - 炭素材料の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主鎖骨格の一部または全部にポリイン構造またはキュムレン構造を有する炭素材料(いわゆるカルビン系炭素材料)の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術とその問題点】
主鎖骨格の一部または全部にカルビン構造を有する炭素材料は、大出力高温エレクトロニクス用半導体などの電子材料、航空宇宙用・核融合用超高温複合材料向けの耐熱性超高強度繊維などの耐熱材料などへの適用が期待されている。
【0003】
カルビン系炭素材料の製造方法は、物理的な方法と化学的な方法に大別される。
【0004】
物理的な方法としては、(a)グラファイトのイオンスパッタリング或いはアーク放電によってカルビンを含む炭素材料を製造する方法(Y. P. Kudryavtsey, et al., Carbon, 30 (1992) 213、Y. P. Kudryavtsev, et al., Carbon, 30 (1992) 213);(b)ポリ塩化ビニル膜に真空中でレーザーを照射し、カルビン状炭素材料を得る方法(M. Shimoyama, et al., Makromol. Chem., 193 (1992) 569)などが知られている。
【0005】
また、化学的な方法としては、以下のような方法が知られている。
【0006】
(c)アセチレンの脱水素反応をCuCl2溶液中で行う方法(V. I. Kasatochikin, et al., Carbon, 11 (1973) 70);
(d)ポリアセチレンを塩素化(CHCl)xし、立体規則性に優れたハロゲン化ポリアセチレンを作り、その脱ハロゲン化水素を行う方法。(K. Akagi, et al., Synth. Metal, 17 (1987) 557);
(e)アセチレンを酸素存在下で、第一銅塩と配位子としての第三級アミンからなる触媒を用いて合成する方法(特公平3-44582号);
(f)ポリテトラフルオロエチレン膜をLiの水銀アマルガム中で脱フッ素化を行う方法(L. Kavan, Synth. Metal, 58 (1993) 63);
(g)ポリフッ化ビニリデン(PVDF)のN,N-dimethylfolmamide溶液から作ったPVDF単結晶膜をアセトンを混ぜたエタノールの10%カリウムエチレート溶液で室温40分間処理し、脱フッ化水素化する方法(Y. P. Kudryavtsev, et al., Carbon, 30 (1992) 213);
(h)ジヨードアセチレンのNi触媒存在下での電極還元による方法(H.Shirakawa,et al.,Chem.Lett.,2011(1994)。
【0007】
しかしながら、物理的な方法は、例えば2700K以上の高温で反応させるため、多様な反応活性種が生成し、高度な構造制御が難しいという問題点がある。また、物理的な方法は、収率や反応規模の面からも、カルビン系炭素材料を工業的に大量生産するには不適切な方法である。
【0008】
一方、化学的な方法については、(c)、(e)および(f)は、安全性や環境汚染の面で工業的製法としては採用が困難である。また、(d)(g)および(h)では、ハロゲンが残存するなど、品質や収率の面で問題があり、工業的にカルビンを製造するには新しい反応系の開拓が必要である。
【0009】
また、ポリテトラフルオロエチレンフィルムを化学的に或いは電気化学的に還元して、その表面をカーボン状材料とし、フィルムの接着性を改善する試み
が以前よりなされてきているが(US Patent 3,967,018, 1976; US Patent 3,296,011, 1967; British Patent 765,284, 1957)、この方法は、フィルム表面だけをカーボン状材料にするもので、カルビン系炭素材料を得る方法としては、収率が低いという大きな問題点がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明は、高度に構造が制御された高品質なカルビン系炭素材料を、高収率で、安全かつ環境汚染を生じることなく、工業的に製造しうる新しい方法を提供することを主な目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の如き従来技術の現状に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、アニオンとして脱離する官能基を有するポリオレフィン誘導体を、特定の金属を陽極として用い、特定の支持電解質或いは支持電解質と通電助剤の両者と特定の溶媒を用いる電極反応に供することにより、従来技術の問題点が実質的に解消されるか乃至は大幅に軽減されることを見い出した。
【0012】
すなわち、本発明は、下記のカルビン系炭素材料の製造方法を提供するものである。
【0013】
1.炭素材料の製造方法であって、
一般式
-(CX2-CX2)n- (1)
(式中、Xは、F、Cl、Br、IまたはHを表す;Xは、同一でも或いは2つ以上が相異なっていてもよい;nは、2〜1000000である)
で表されるポリオレフィン誘導体を、Mg、Zn、Alまたはそれらの金属を主成分とする合金を陽極とし、支持電解質単独或いは支持電解質と通電助剤の両者を溶解した非水系有機溶媒中において不活性ガス雰囲気下で行う電極還元反応に供することにより、
一般式
(-C≡C-)n (2)
(式中、nは、2〜1000000である)
で示されるポリイン構造または
一般式
(=C=C=)n (3)
(式中、nは、2〜1000000である)
で示されるキュムレン構造を主鎖骨格の一部または全部に有する炭素材料を形成させることを特徴とする方法。
【0014】
2.支持電解質としてLiCl、Li2SO4、LiBF4、LiClO4, LiPF6、(C4H9)4NF、(C4H9)4NCl、(C4H9)4NBr、(C4H9)4NI、(C4H9)4NSO4、(C4H9)4NBF4、(C4H9)4NClO4および(C4H9)4NPF6からなる群から選ばれた少なくとも1種を用いる上記項1に記載の方法。
【0015】
3.通電助剤として、AlCl3、Al(OEt)3、FeCl2、FeCl3、MgCl2、ZnCl2、SnCl2、CoCl2、PdCl2、VCl3、CuCl2およびCaCl2から選ばれた少なくとも1種を用いる上記項1または2に記載の方法。
【0016】
4.非水系有機溶媒として、プロピレンカーボネート、アセトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルホルムアミド、ホルムアミド、エチレンジアミン、ジメチレンスルホキシド、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、p−ジオキサン、テトラヒドロフランおよび塩化メチレンから選ばれた少なくとも1種或いはこれらの少なくとも1種を10%以上含む混合溶媒を用いる上記項1〜3のいずれかに記載の方法。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明において、出発原料として用いるアニオンとして脱離する官能基を有するポリオレフィン誘導体は、一般式、
-(CX2-CX2)n- (1)
(式中、Xは、F, Cl, Br, IまたはHを表す(ただし、XがすべてHである場合を除く)。Xは、同一でもあるいは2つ以上が相異なっていてもよい。;nは2〜1000000である)
で示されるものである。Xとしては、Fがより好ましい。
【0018】
また、本発明における反応生成物は、一般式
(-C≡C-)n (2)
(式中、nは2〜1000000である)
で示されるポリイン構造、または一般式
(=C=C=)n (3)
(式中、nは2〜1000000である)
で示されるキュムレン構造を主鎖骨格の一部または全部に有する炭素材料である。この様な炭素材料は、原料として用いるポリオレフィン誘導体の構造を残しつつ、高度に多重結合が発達したポリマーとそのクロスリンクした3次元の高度に多重結合が発達している。
【0019】
一般式(1)の原料は、1種を単独で使用しても良く、或いは2種以上を併用使用しても良い。
【0020】
電極反応に際しては、一般式(1)で示されるポリオレフィン誘導体を反応容器内に収容して反応に供する。ポリオレフィン誘導体は、溶媒に溶解するものについては、溶媒に溶解して使用する。溶媒に溶解しないものについては、反応が起こる形態であれば特に限定されないが、例えば、シート状のものを反応器内に設置したり、粒子状のものを溶媒に分散させて反応容器に収容したり、或いは多孔質シート或いはメッシュ状のものを陰極上に設置するなどの実施態様が挙げられる。
【0021】
溶媒としては、非プロトン性の溶媒が広く使用でき、具体的にはプロピレンカーボネート、アセトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルホルムアミド、ホルムアミド、エチレンジアミン、ジメチレンスルホキシド、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、p−ジオキサン、テトラヒドロフラン、塩化メチレンなどが例示される。これらの溶媒は、単独でも或いは2種以上の混合物としても使用できる。更に、これらの非プロトン性溶媒の少なくとも1種を10%以上含む混合溶媒を用いてもよい。これらの溶媒中では、1,2−ジメトキシエタンおよびテトラヒドロフランがより好ましい。
【0022】
電極反応に使用する支持電解質としては、LiCl、 Li2SO4、 LiBF4、 LiClO4、LiPF6などのリチウム塩、(C4H9)4NF、(C4H9)4NCl、(C4H9)4NBr、(C4H9)4NI、(C4H9)4NSO4、(C4H9)4NBF4、(C4H9)4NClO4、(C4H9)4NPF6などの4級アンモニウム塩などが例示される。これらの支持電解質は、単独で使用してもよく、あるいは2種以上を併用しても良い。これらの支持電解質の中でも、塩化リチウムおよび過塩素酸リチウムが最も好ましい。支持電解質の濃度は、低すぎる場合には、通電が困難乃至は不可能となって反応が進行しないのに対し、高すぎる場合には、電流が流れすぎて反応に必要な電位が確保できなかったり、支持電解質の金属イオンが陰極で還元されて多量に生成して反応を阻害するなどの問題が生じる。したがって、溶媒中の支持電解質の濃度は、通常0.05〜5mol/l程度であり、より好ましくは、0.1〜3mol/l程度であり、特に好ましくは、0.15〜2.0mol/l程度である。
【0023】
本願発明の電極反応においては、電極反応をより効率的に行うために、支持電解質に加えて通電助剤を併用することにより、通電性の向上を図っても良い。通電助剤としては、AlCl3、Al(OEt)3などのAl塩;FeCl2、FeCl3などのFe塩;MgCl2などのMg塩;ZnCl2などのZn塩;SnCl2などのSn塩;CoCl2などのCo塩;PdCl2などのPd塩;VCl3などのV塩;CuCl2などのCu塩;CaCl2などのCa塩などが好ましいものとして例示される。これらの通電助剤は、単独で使用しても良く、あるいは2種以上を併用しても良い。これら通電助剤の中でも、AlCl3、FeCl2、FeCl3、CoCl2、CuCl2などがより好ましい。溶媒中の通電助剤の濃度は、低すぎる場合には、通電性の向上が充分に達成されず、一方、高すぎる場合には、通電助剤が還元されて、反応に関与しなくなる。従って、溶媒中の通電助剤の濃度は、通常、0.01〜6mol/l程度であり、より好ましくは0.03〜4mol/l程度であり、特に好ましくは0.05〜3mol/l程度である。
【0024】
本願発明の電極反応においては、陽極として、Mg、Zn、Alまたはそれらを主成分とする合金を使用する。Mgを主成分とする合金としては、例えば、Alを3〜10%程度含有するものが挙げられる。また、JIS H 6125-1961に規定されている1種(MGA1)、2種(MGA2、通称AZ63)、3種(MGA3)などが挙げられる。陰極としては、電流を通じ得る物質であれば特に限定されないが、SUS304、316などのステンレス鋼;Mg、Cu、Zn、Sn、Al、Ni、Co、白金などの各種金属;炭素材料などが例示される。
【0025】
陰陽極ともに同種の金属を用いる場合には、陰陽極の極性を一定時間間隔毎に切り換えても良い。これによって、陰極上に付着した金属塩などを除去できる。切替の間隔は、1秒乃至10分程度の範囲で行うことが好ましい。
【0026】
電極の形状は、通電を安定して行いうる限り特に限定されないが、棒状、板状、筒状、円錐状、円盤状、球状、あるいはそれらをバスケットに収容したもの、板状体をコイル状に巻いたものなどが好ましい。電極表面の酸化皮膜は、必要ならば、予め除去しておく。電極からの酸化皮膜の除去は任意の方法で行えば良く、例えば、電極を酸により洗浄した後、エタノールおよびエーテルなどにより洗浄し、減圧下に乾燥する方法、窒素雰囲気下に電極を研磨する方法、或いはこれらの方法を組み合わせた方法などにより行うことができる。
【0027】
本発明の電極反応は、例えば、(a)陽極および陰極を設置した密閉可能な反応容器に一般式(1)で表されるポリオレフィン誘導体および支持電解質と、必要に応じて通電助剤とを、溶媒とともに収容し、好ましくは機械的もしくは磁気的に攪拌しつつ、所定量の電流を通電することにより電極反応を行わせる方法、(b)陽極および陰極を設置した電解槽、反応液貯槽、ポンプ、配管などから構成される流動式電極反応装置を用いて、反応液貯槽にポリオレフィン誘導体、支持電解質、溶媒、必要に応じて通電助剤を投入し、それらから構成される反応溶液をポンプにより電極反応装置内を循環させつつ、所定量の電流を通電することにより、電解槽内で電極反応を行わせる方法などにより行うことができる。
【0028】
電極反応時の反応容器或いは反応装置内は、乾燥雰囲気であればよいが、乾燥した窒素または不活性ガス雰囲気であることがより好ましく、さらに脱酸素し、乾燥した窒素雰囲気あるいは不活性ガス雰囲気であることが特に好ましい。通電量は、ポリオレフィン誘導体中の脱離基を基準として、1F/mol程度以上あれば良く、通電量を調整することにより、目的生成物の構造の制御(生成物中のカルビン構造の量比、三次元構造の多寡など)が可能となる。また、0.1F/mol程度以上の通電量で生成した炭素材料を系外に取り出し、残存する原料ポリオレフィン誘導体を回収して、再使用することも可能である。
【0029】
反応時間は、原料ポリオレフィン誘導体の量、支持電解質や通電助剤の量などに関係する反応溶液の抵抗などに異なりうるので、適宜定めればよい。反応時の温度は、通常−20℃から使用する溶媒の沸点までの温度範囲にあり、より好ましくは−5〜30℃程度の範囲内にあり、もっとも好ましくは、0〜25℃程度の範囲内にある。本発明の電極反応においては、通常の電極還元反応においては必須とされている隔膜は、使用しても良いが、必須ではないので、操作が簡便となり、実用上有利である。
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば、下記のような顕著な効果が達成される。
【0031】
(a)高度に構造が制御された高品質なカルビン系炭素材料を高収率で製造できる。
【0032】
(b)方法自体は、工業生産に実績のある電極反応を用いた化学的手法なので、カルビン系炭素材料の大量生産に適している。
【0033】
(c)危険な材料や金属を用いず、また室温以下の温和な条件下で反応が行えるので、安全にかつ環境を汚染する危険性なしにカルビン系炭素材料を製造することができる。
【0034】
【実施例】
以下に実施例を示し、本発明の特徴とするところをより一層明確にする。
【0035】
実施例1
三方コックおよびMg製陽極(直径1cm×5cm)およびステンレス鋼(SUS304)製陰極(1cm×1mm×5cm)を装着した内容積30mlの3つ口フラスコ(以下反応器という)にLiCl 0.4gおよびFeCl2 0.24gを収容し、50℃で1mmHgに加熱減圧して、塩化リチウムおよび塩化第一鉄を乾燥した後、ここに、7mm x 7mm のポリテトラフルオロエチレン (PTFE) フィルム 10 枚を、スターラーチップとともに仕込んだ。脱酸素した乾燥窒素を反応器内に導入し、さらに予めナトリウム−ベンゾフェノンケチルで乾燥したテトラヒドロフラン15mlを加えた。マグネティックスターラーにより反応溶液を攪拌しながら、ウォーターバスにより反応器を室温に保持しつつ、定電流電源により通電した(初期電圧約30V)。
【0036】
8時間後にはPTFEフィルムは、黒色に変色し、カーボン状のフィルムが得られた。FT-IR で分析すると、PTFEフィルムには見られなかったC=Cの吸収バンド (1630 cm-1) とC≡C の吸収バンド (2100 cm-1)が、観測された。
【0037】
また、PTFEフィルムにみられる C-F の吸収バンド(1400 cm-1)の吸収が観察されなくなった。
【0038】
これらのことから、本実施例により、高収率でカルビン系炭素材料が得られたことがわかる。
【0039】
実施例2
陽極としてAlを用いる以外は、実施例1と同様にして電極反応を行った。
【0040】
その結果、生成物のIR分析において、C=C の吸収バンドとC≡C の吸収バンドとが観測され、一方、C-Fの吸収バンドの吸収が著しく減少した。これらの結果は、カルビン系炭素材料が合成されたことを示している。
【0041】
実施例3
陽極としてZnを用いる以外は、実施例1と同様にして電極反応を行った。生成物のIR分析において、C=Cの吸収バンドとC≡Cの吸収バンドとが観測され、C-F の吸収バンドの吸収が著しく減少した。これにより、カルビン系炭素材料が合成されたことが明らかとなった。
【0042】
比較例1
陽極としてステンレス鋼(SUS304)を用いる以外は、実施例1と同様にしてPTFEフィルムの電極反応を行った。
【0043】
PTFEフィルムは黒色に変化せず、IR 分析においても、C=Cの吸収バンドおよびC≡Cの吸収バンドが観測されず、またC-Fの吸収バンドの吸収が減少しなかった。
【0044】
これらのことから、本比較例では、カルビン系炭素材料が合成されていないことが明らかである。
【0045】
実施例4
陽極としてMg合金(Mg中にAlを5%含有)を用いる以外は、実施例1と同様にして電極反応を行った。
【0046】
生成物のIR分析においては、C=Cの吸収バンドとC≡Cの吸収バンドが観測され、一方、C-Fの吸収バンドの吸収が著しく減少した。これらのことは、カルビン系炭素材料が合成されたことを示している。
【0047】
実施例5
陽極としてジュラルミン板(Al合金板)を用いる以外は実施例1と同様にして電極反応を行った。生成物のIR分析においては、C=C の吸収バンドとC≡Cの吸収バンドとが観測され、一方、C-Fの吸収バンドの吸収が著しく減少したことから、カルビン系炭素材料が合成されたことが明らかである。
【0048】
実施例6
陽極としてZn合金板(Alを3%含有)を用いる以外は実施例1と同様にして電極反応を行った。生成物のIR分析においては、C=Cの吸収バンドとC≡Cの吸収バンドとが、観測され、C-Fの吸収バンドの吸収が著しく減少した。この様な結果は、カルビン系炭素材料が合成されたことを示している。
【0049】
実施例7
陰極として白金板を用いる以外は、実施例1と同様にして電極反応を行った。生成物のIR分析において、C=Cの吸収バンドとC≡Cの吸収バンドとが観測され、 C-Fの吸収バンドの吸収が全く観察されなくなった。これらのことから、カルビン系炭素材料が高収率で得られたことがわかる。
【0050】
実施例8
陰極としてNiを用いる以外は実施例1と同様にして電極反応を行った。生成物のIR分析において、C=Cの吸収バンドとC≡Cの吸収バンドとが観測され、C-Fの吸収バンドの吸収が全く観察されなくなった。これらの結果から、カルビン系炭素材料が高収率で得られたことがわかる。
【0051】
実施例9
溶媒としてN,N-ジメチルホルムアミドを用いる以外は実施例1と同様にして電極反応を行った。その結果、実施例1とほぼ同様のカルビン系炭素材料が得られた。
【0052】
実施例10
溶媒としてN-メチルホルムアミドを用いる以外は実施例1と同様にして電極反応を行った。その結果、実施例1とほぼ同様のカルビン系炭素材料が得られた。
【0053】
実施例11
溶媒としてホルムアミドを用いる以外は実施例1と同様にして電極反応を行った。その結果、実施例1とほぼ同様のカルビン系炭素材料が得られた。
【0054】
実施例12
溶媒としてエチレンジアミンを用いる以外は実施例1と同様にして電極反応を行った。その結果、実施例1とほぼ同様のカルビン系炭素材料が得られた。
【0055】
実施例13
溶媒として1,2-ジメトキシエタンを用いる以外は実施例1と同様にして電極反応を行った。その結果、実施例1とほぼ同様のカルビン系炭素材料が高収率で得られた。
【0056】
実施例14
溶媒としてジオキサンを用いる以外は実施例1と同様にして電極反応を行った。その結果、実施例1とほぼ同様のカルビン系炭素材料が得られた。
【0057】
実施例15
溶媒としてテトラヒドロフラン(50vol%)とエチレングリコールジエチルエーテル(50vol%)との混合溶媒を用いる以外は実施例1と同様にして電極反応を行った。その結果、実施例1とほぼ同様のカルビン系炭素材料が得られた。
【0058】
実施例16
溶媒としてテトラヒドロフラン(10 vol%)とエチレングリコールジエチルエーエル(90vol%)との混合溶媒を用いる以外は実施例1と同様にして電極反応を行った。その結果、カルビン系炭素材料が得られた。
【0059】
比較例2
溶媒としてエチルアルコールを用いる以外は実施例1と同様にして電極反応を行った。
【0060】
その結果、PTFE フィルムは黒色にならず、IR分析においても、C=Cの吸収バンドおよびC≡Cの吸収バンドが観測されず、一方、C-F の吸収バンドの吸収は減少しなかった。
【0061】
このことから、エチルアルコール溶媒を使用する場合には、PTFEの還元によるカルビン系炭素材料の合成はできないことが明らかである。
【0062】
比較例3
溶媒として酢酸エチルを用いる以外は実施例1と同様にして電極反応を行った。その結果、PTFE フィルムは黒色にならず、IR分析においても、C=Cの吸収バンドおよびC≡Cの吸収バンドが観測されず、一方、C-Fの吸収バンドの吸収は減少しなかった。
【0063】
このことから、酢酸エチル溶媒を用いる場合には、PTFEの還元によるカルビン系炭素材料の合成はできないことが明らかである。
【0064】
比較例4
溶媒としてクロロホルムを用いる以外は実施例1と同様にして電極反応を行った。
【0065】
その結果、被処理物のIR分析においても、C=Cの吸収バンドおよびC≡Cの吸収バンドが観測されず、また、C-F の吸収バンドの吸収が減少しなかった。
【0066】
クロロホルム溶媒を使用する場合には、PTFEの還元によるカルビン系炭素材料の合成はできないことが明らかである。
【0067】
実施例17
支持電解質としてLi2SO4を用いる以外は実施例1と同様にして電極反応を行った。
【0068】
その結果、実施例1とほぼ同様のカルビン系炭素材料が得られた。
【0069】
実施例18
支持電解質としてLiBF4を用いる以外は実施例1と同様にして電極反応を行った。8時間後にはPTFEフィルムは黒色に変色し、カーボン状のフィルムが得られた。
【0070】
生成物のIR分析においては、C=Cの吸収バンドとC≡Cの吸収バンドとが観測され、C-Fの吸収バンドの吸収が著しく減少した。これらのことから、カルビン系炭素材料が合成されたことが明らかである。
【0071】
実施例19
支持電解質としてLiClO4を用いる以外は実施例1と同様にして電極反応を行った。8時間後にはPTFEフィルムは黒色に変色し、カーボン状のフィルムが得られた。生成物のIR分析において、C=C吸収バンドとC≡Cの吸収バンドとが観測され、C-Fの吸収バンドの吸収は全く観察されなかった。これにより、カルビン系炭素材料が高収率で得られたことが確認された。
【0072】
実施例20
支持電解質としてLiPF6を用いる以外は実施例1と同様にして電極反応を行った。
【0073】
その結果、カルビン系炭素材料が得られた。
【0074】
実施例21
支持電解質として(C4H9)4NFを用いる以外は実施例1と同様にして電極反応を行った。その結果、カルビン系炭素材料が得られた。
【0075】
実施例22
支持電解質として(C4H9)4NClを用いる以外は実施例1と同様にして電極反応を行った。その結果、カルビン系炭素材料が得られた。
【0076】
実施例23
支持電解質として(C4H9)4NBrを用いる以外は実施例1と同様にして電極反応を行った。その結果、カルビン系炭素材料が得られた。
【0077】
実施例24
支持電解質として(C4H9)4NIを用いる以外は実施例1と同様にして電極反応を行った。その結果、カルビン系炭素材料が得られた。
【0078】
実施例25
支持電解質として(C4H9)4NSO4を用いる以外は実施例1と同様にして電極反応を行
った。その結果、カルビン系炭素材料が得られた。
【0079】
実施例26
支持電解質として(C4H9)4NBF4を用いる以外は実施例1と同様にして電極反応を行った。その結果、カルビン系炭素材料が得られた。
【0080】
実施例27
支持電解質として(C4H9)4NClO4を用いる以外は実施例1と同様にして電極反応を行った。その結果、カルビン系炭素材料が得られた。
【0081】
実施例28
支持電解質として(C4H9)4NPF6を用いる以外は実施例1と同様にして電極反応を行った。その結果、カルビン系炭素材料が得られた。
【0082】
実施例29
支持電解質としてLiClと(C4H9)4NClの1:2混合物を用いる以外は実施例1と同様にして電極反応を行った。その結果、カルビン系炭素材料が得られた。
【0083】
実施例30
支持電解質としてLiBF4と(C4H9)4NBF4の2:1混合物を用いる以外は、実施例1と同様にして電極反応を行った。その結果、カルビン系炭素材料が得られた。
【0084】
比較例5
支持電解質を用いない以外は実施例1と同様にして、電極反応を行った。8時間後においても、PTFEフィルムには変化がなかった。また、IR分析において、C=Cの吸収バンドおよびC≡Cの吸収バンドは、いずれも観測されず、C-Fの強い吸収バンドが観測された。
【0085】
このことは、指示電解質を用いない合成条件では、カルビン系炭素材料は合成されないことを示している。
【0086】
実施例31
通電助剤としてAlCl3を用いる以外は実施例1と同様にして電極反応を行った。その結果、8時間後にPTFEフィルムは黒色に変色し、カーボン状のフィルムが得られた。
【0087】
フィルムのIR分析においては、C=C吸収バンドとC≡Cの吸収バンドとが、観測され、C-Fの吸収バンドの吸収は全く観察されなかった。
【0088】
これらの結果から、カルビン系炭素材料が高収率で得られたことがわかった。
【0089】
実施例32
通電助剤としてFeCl3を用いる以外は実施例1と同様にして電極反応を行った。その結果、8時間後にはPTFEフィルムは黒色に変色し、カーボン状のフィルムが得られた。
【0090】
フィルムのIR分析において、C=C吸収バンドとC≡Cの吸収バンドとが観測され、C-Fの吸収バンドの吸収は全く観察されなかった。これにより、カルビン系炭素材料が高収率で得られていることがわかった。
【0091】
実施例33
通電助剤としてCoCl2を用いる以外は実施例1と同様にして電極反応を行った。その結果、8時間後にはPTFEフィルムは黒色に変色し、カーボン状のフィルムが得られた。
【0092】
生成物のIR分析において、C=C吸収バンドとC≡Cの吸収バンドとが観測され、C-Fの吸収バンドの吸収は全く観察されなかった。これにより、カルビン系炭素材料が高収率で得られたことがわかった。
【0093】
実施例34
通電助剤としてCuCl2を用いる以外は実施例1と同様にして電極反応を行った。その結果、8時間後にはPTFEフィルムは黒色に変色し、カーボン状のフィルムが得られた。
【0094】
生成フィルムのIR分析において、C=C吸収バンドとC≡C の吸収バンドとが観測され、C-Fの吸収バンドの吸収は全く観察されなかった。これにより、カルビン系炭素材料が高収率で得られたことがわかった。
【0095】
実施例35
通電助剤としてSnCl2を用いる以外は実施例1と同様にして電極反応を行った。その結果、8時間後にはPTFEフィルムは黒色に変色し、カーボン状のフィルムが得られた。
【0096】
生成物のIR分析において、C=C吸収バンドとC≡Cの吸収バンドとが観測され、C-Fの吸収バンドの吸収は全く観察されなかった。これにより、カルビン系炭素材料が高収率で得られたことがわかった。
【0097】
実施例36
通電助剤としてPdCl2を用いる以外は実施例1と同様にして電極反応を行った。その結果、8時間後にはPTFEフィルムは黒色に変色し、カーボン状のフィルムが得られた。
【0098】
生成物のIR分析において、C=C吸収バンドとC≡Cの吸収バンドとが観測され、C-Fの吸収バンドの吸収は全く観察されなかった。これにより、カルビン系炭素材料が高収率で得られたことがわかった。
【0099】
実施例37
通電助剤としてVCl3を用いる以外は実施例1と同様にして電極反応を行った。その結果、8時間後にはPTFEフィルムは黒色に変色し、カーボン状のフィルムが得られた。生成物のIR分析において、C=C 吸収バンドとC≡Cの吸収バンドとが観測され、C-Fの吸収バンドの吸収は全く観察されなかった。これにより、カルビン系炭素材料が高収率で得られたことがわかった。
【0100】
実施例38
通電助剤としてZnCl2を用いる以外は実施例1と同様にして電極反応を行った。その結果、8時間後にはPTFEフィルムは黒色に変色し、カーボン状のフィルムが得られた。生成物のIR分析において、C=C吸収バンドとC≡Cの吸収バンドとが観測され、C-Fの吸収バンドの吸収は全く観察されなかった。これにより、カルビン系炭素材料が高収率で得られたことがわかった。
【0101】
実施例39
通電助剤としてAlCl3とFeCl2との1:1混合物を用いる以外は実施例1と同様にして電極反応を行った。その結果、8時間後にはPTFEフィルムは黒色に変色し、カーボン状のフィルムが得られた。生成物のIR分析において、C=Cの吸収バンドとC≡Cの吸収バンドとが観測され、C-Fの吸収バンドの吸収は全く観察されなかった。これにより、カルビン系炭素材料が高収率で得られたことがわかった。
【0102】
実施例40
通電助剤としてCuCl2とFeCl3との1:1混合物を用いる以外は実施例1と同様にして電極反応を行った。その結果、8時間後にはPTFEフィルムは黒色に変色して、カーボン状のフィルムが得られた。生成物のIR分析において、C=C吸収バンドとC≡Cとの吸収バンド が観測され、C-Fの吸収バンドの吸収は全く観察されなかった。これにより、カルビン系炭素材料が高収率で得られたことがわかった。
【0103】
実施例41
通電助剤を用いない以外は実施例1と同様にして合成を行った。8時間後にはPTFEフィルムは黒色に変色して、カーボン状のフィルムが得られた。生成物のIR分析において、C=Cの吸収バンドとC≡Cの吸収バンドとが観測され、C-Fの吸収バンドの吸収が著しく減少した。これにより、カルビン系炭素材料が合成されたことが示された。
【0104】
ただし、C-Fの吸収バンドが明らかに見られ、C≡Cの吸収バンドは観測されるが、吸収は大きくない。このことから、通電助剤を使用しない本実施例の生成物では、カルビン系炭素材料は得られているが、未反応分が残っていることが明らかである。
【0105】
比較例6
支持電解質および通電助剤を用いない以外は実施例1と同様にして合成を行ったところ、8時間後においても、PTFEフィルムは黒色に変色しなかった。
【0106】
被処理物のIR分析において、C=C の吸収バンドとC≡Cの吸収バンドは観測されず、C-Fの吸収バンドの強い吸収が見られた。これにより、本方法では、カルビン系炭素材料が得られないことが示された。
【0107】
実施例42
出発原料としてPTFEの多孔質フィルムを用い、これを陰極近傍に設置する以外は実施例1と同様にして電極反応を行った。
【0108】
その結果、8時間後にPTFE多孔質フィルムは黒色に変色し、カーボン状のフィルムが得られた。
【0109】
生成物のIR分析において、C=C吸収バンドとC≡Cの吸収バンドとが観測され、C-Fの吸収バンドの吸収は全く観察されなかった。これにより、カルビン系炭素材料が高収率で得られたことがわかった。
【0110】
実施例43
出発原料としてPTFEの粉体を反応液中に分散させて用いる以外は実施例1と同様にして電極反応を行った。
【0111】
その結果、8時間後にはPTFE粉末は黒色に変色し、カーボン状となった。得られたカーボン状粉末のIR分析において、C=C吸収バンドとC≡Cの吸収バンドとが観測され、一方、C-Fの吸収バンドの吸収が全く観察されなかった。これにより、カ
ルビン系炭素材料が高収率で得られたことがわかった。
【0112】
実施例44
出発原料としてPTFEをテトラヒドロフランに溶解し、その10%溶液として用いる以外は実施例1と同様にして電極反応を行った。
【0113】
生成物のIR分析において、C=C吸収バンドとC≡Cの吸収バンドとが観測され、C-Fの吸収バンドの吸収は全く観察されなかった。これにより、カルビン系炭素材料が高収率で得られたことがわかった。
【0114】
実施例45
出発原料として-(CH2-CF2)n-フィルムを用いる以外は実施例1と同様にして電極反応を行った。その結果、8時間後にはフィルムは黒色に変色し、カーボン状となった。得られたカーボン状物のIR分析において、C=Cの吸収バンドが観測されたが、C≡C の吸収バンドは観測されなかった。このことから、ポリアセチレン様物が合成されたと考えられる。
【0115】
実施例46
出発原料として-(CF2-CFCl)n-フィルムを用いる以外は実施例1と同様にして電極反応を行った。その結果、8時間後にはフィルムは黒色に変色し、カーボン状となった。生成物のIR分析において、C=Cの吸収バンドとC≡Cの吸収バンドとが観測された。これにより、カルビン系炭素材料が合成されたことが確認された。
【0116】
実施例47
出発原料として-(CCl2-CCl2)n-フィルムを用いる以外は実施例1と同様にして電極反応を行った。その結果、8時間後にはフィルムは黒色に変色し、カーボン状となった。このカーボン状フィルムのIR分析において、C=Cの吸収バンドとC≡Cの吸収バンドが観測された。これにより、カルビン系炭素材料が合成されたことが確認された。
【0117】
実施例48
出発原料として-(CH2-CCl2)n-フィルムを用いる以外は実施例1と同様にして電極反応を行った。その結果、8時間後にはフィルムは黒色に変色し、カーボン状となった。カーボン状フィルムのIR分析において、C=C吸収バンドが観測されたが、C≡Cの吸収バンドは観測されなかった。このことから、ポリアセチレン様物が合成されたと考えられる。これにより、カルビン系炭素材料が合成されたことが確認された。
【0118】
実施例49
出発原料として-(CBr2-CBr2)n-フィルムを用いる以外は実施例1と同様にして電極反応を行った。その結果、8時間後にはフィルムは黒色に変色し、カーボン状となった。生成物のIR分析において、C=Cの吸収バンドとC≡Cの吸収バンドとが観測された。これにより、カルビン系炭素材料が合成されたことが示された。
【0119】
実施例50
出発原料として-(CI2-CI2)n-フィルムを用いる以外は実施例1と同様にして電極反応を行った。その結果、8時間後にはフィルムは黒色に変色し、カーボン状となった。生成物のIR分析において、C=Cの吸収バンドとC≡Cの吸収バンドが観測された。これにより、カルビン系炭素材料が合成されたことが示された。
【0120】
比較例7
出発原料を-(CH2-CH2)n-フィルムに替えて、実施例1と同様にして合成を行ったところ、8時間後においても、フィルムは黒色に変色しなかった。
【0121】
被処理物のIR分析において、C=Cの吸収バンドおよびC≡Cの吸収バンドは観測されず、カルビン系炭素材料は合成されなかった。
【0122】
比較例8
出発原料を-(CH2-CH(CH3))n-フィルムに替えて、実施例1と同様にして合成を行ったところ、8時間後においても、フィルムは黒色に変色しなかった。
【0123】
被処理物のIR分析において、C=Cの吸収バンドおよびC≡Cの吸収バンドは観測されず、カルビン系炭素材料は合成されなかった。
Claims (3)
- 炭素材料の製造方法であって、一般式
-(CX2-CX2)n- (1)
(式中、Xは、F、Cl、Br、IまたはHを表す;Xは、それぞれ、同一でも或いは2つ以上が相異なっていてもよい(ただし、XがすべてHである場合を除く);nは、2〜1000000である。)で表されるポリオレフィン誘導体を、Mg、Zn、Alまたはそれらの金属を主成分とする合金を陽極とし、支持電解質単独或いは支持電解質と通電助剤の両者を溶解した非水系有機溶媒中において不活性ガス雰囲気下で行う電極還元反応に供することにより、一般式
(−C≡C−)n (2)
(式中、nは、2〜1000000である)で示されるポリイン構造または一般式
(=C=C=)n (3)
(式中、nは、2〜1000000である)で示されるキュムレン構造を主鎖骨格の一部または全部に有する炭素材料を形成させることを特徴とする方法であって、かつ、
当該非水系有機溶媒が、 N,N- ジメチルホルムアミド、 N- メチルホルムアミド、ホルムアミド、エチレンジアミン、1,2−ジメトキシエタン、p−ジオキサン、及びテトラヒドロフランから選ばれた少なくとも1種或いは、テトラヒドロフランを 10vol% 以上含み残余をエチレングリコールジエチルエーテルとする混合溶媒である、
ことを特徴とする方法。 - 支持電解質としてLiCl、Li2SO4、LiBF4、LiClO4, LiPF6、(C4H9)4NF、(C4H9)4NCl、(C4H9)4NBr、(C4H9)4NI、(C4H9)4NSO4、(C4H9)4NBF4、(C4H9)4NClO4および(C4H9)4NPF6からなる群から選ばれた少なくとも1種を用いる請求項1に記載の方法。
- 通電助剤として、AlCl3、Al(OEt)3、FeCl2、FeCl3、MgCl2、ZnCl2、SnCl2、CoCl2、PdCl2、VCl3、CuCl2およびCaCl2から選ばれた少なくとも1種を用いる請求項1または2に記載の方法。
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