JP4908891B2 - 熱硬化性樹脂用硬化剤およびその組成物 - Google Patents
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前記分岐状構造を有するポリシランにおいて、分岐状構造単位の割合は、ポリシランを構成するケイ素原子換算(モル換算)で、10モル%以上であってもよい。
(金属(a))
本発明の金属(a)を含むポリシランにおいて、金属(a)の割合は、金属(a)の重量換算(又は金属(a)を構成する原子の重量換算)で、ポリシラン全体に対して、100ppm以上(例えば、300〜100000ppm程度)の範囲から選択でき、例えば、500ppm以上(例えば、500〜50000ppm程度)、好ましくは1000ppm以上(例えば、1000〜40000ppm程度)、さらに好ましくは1500ppm以上(例えば、1500〜30000ppm程度)、特に3000ppm以上(例えば、3000〜20000ppm程度)であってもよい。
金属(a)を含むポリシランにおいて、ポリシランとしては、Si−Si結合を有する直鎖状、環状、分岐状、又は網目状の化合物であれば特に限定されないが、通常、前記ポリシランは、下記式(1)〜(3)で表された構造単位のうち少なくとも1つの構造単位を有するポリシランで構成されている場合が多い。
前記式(1)及び(2)において、R1〜R3で表される有機基としては、炭化水素基(アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基、アラルキル基)、アルコキシ基、シクロアルキルオキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、ヒドロキシル基、置換されていてもよいアミノ基[例えば、アミノ基(−NH2)、置換アミノ基(前記アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アシル基などで置換されたN−モノ又はN,N−ジ置換アミノ基など)など]などが挙げられる。なお、これらの置換基は、さらに1又は複数の他の置換基で置換されていてもよい。
本発明の金属含有ポリシランは、前記のように、ポリシランに金属を含有させることができる限り、製造方法において特に限定されないが、通常、金属(a)又は金属(a)を含む金属化合物(又は金属(a)に対応する金属化合物)の存在下で、ポリシランの原料(例えば、ハロシラン類)を重合させることにより、効率よくポリシラン(又はポリシラン構造)に金属(a)を含有させる(取り込ませる)ことができる。すなわち、本発明の金属(a)を含むポリシランは、単にポリシランと金属(a)又は金属(a)に対応する金属化合物とを混合(物理混合)して得られる組成物のようなものではない場合が多い。
上記式(1A)〜(3A)において、X1〜X9で表されるハロゲン原子は、前記と同様であり、塩素原子および臭素原子(特に塩素原子)が好ましく、同一又は異なるハロゲン原子であってもよい。また、上記式(1A)〜(3A)において、r、s及びtは、それぞれ、前記と同様に1以上であればよく、単量体(r=s=t=1)であってもよく、多量体(r、sおよびtが2以上)であってもよい。例えば、式(1A)で表されるジハロシランにおいて、rは、1〜1000、好ましくは1〜500、さらに好ましくは1〜100(例えば、1〜10)程度であってもよい。rが大きい多量体を用いると、ブロックコポリマーを得やすく、単量体又はrが小さい多量体を用いるとランダムコポリマーを得やすい。コポリマーの製造効率の点からは、単量体又はrが小さい多量体(例えば、rが1〜2程度のハロシラン)を好適に用いてもよい。なお、トリハロシラン類およびテトラハロシラン類は、通常、単量体(s=t=1)で使用する場合が多い。
前記ハロシラン類の反応は、マグネシウム金属成分の存在下で好適に行うことができ、マグネシウム金属成分を作用させることにより、ポリシランを効率よく生成できる。
金属ハロゲン化物(リチウムハロゲン化物を除く金属ハロゲン化物)としては、多価金属ハロゲン化物、例えば、遷移金属(例えば、サマリウムなどの周期表3A族元素、チタンなどの周期表4A族元素、バナジウムなどの周期表5A族元素、鉄、ニッケル、コバルト、ロジウム、パラジウムなどの周期表8族元素、銅などの周期表1B族元素、亜鉛などの周期表2B族元素など)、周期表3B族金属(アルミニウムなど)、周期表4B族金属(スズなど)などの金属のハロゲン化物(塩化物、臭化物又はヨウ化物など)が挙げられる。金属ハロゲン化物を構成する前記金属の価数は、特に制限されないが、好ましくは2〜4価、特に2又は3価である。これらの金属ハロゲン化物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
リチウム化合物としては、ハロゲン化リチウム(塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウムなど)、無機酸塩(硝酸リチウム、炭酸リチウム、炭酸水素リチウム、塩酸リチウム、硫酸リチウム、過塩素酸リチウム、リン酸リチウムなど)などが使用できる。これらのリチウム化合物は、単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。好ましいリチウム化合物は、ハロゲン化リチウム(特に塩化リチウム)である。
本発明のポリシランは、前記のように、熱硬化性樹脂の硬化性を向上させるための硬化剤として有用であり、熱硬化性樹脂(又は熱硬化性化合物)と組み合わせて好適に熱硬化性樹脂組成物を構成できる。すなわち、本発明のポリシランは、金属を含んでおり、安定性が向上されているため、経時変化を小さくでき、硬化剤として好適である。また、硬化剤として用いると、熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂など)の硬化温度を小さくすることができる。
三方コックを装着した内容積1000mlの丸型フラスコに、粒状(粒径20〜1000μm)のマグネシウム30.0g、無水塩化リチウム(LiCl)12.5g、無水塩化亜鉛(ZnCl2)16.2gを仕込み、50℃で1mmHg(=133kPa)に加熱減圧して、反応混合物を乾燥した後、乾燥アルゴンガスを反応器内に導入し、予めナトリウム−ベンゾフェノンケチルで乾燥したテトラヒドロフラン500mlを加え、室温で約30分間撹拌した。この反応混合物に、予め蒸留により精製したフェニルトリクロロシラン105.8g(0.50mol)を加え、30℃で約24時間撹拌した。反応終了後、トルエン300mlを加えた後、減圧濾過により反応によって生成した塩化マグネシウム、余剰のマグネシウムを除去した。ろ液を純水200mlで10回洗浄し、トルエン層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、トルエン、テトラヒドロフランを留去することにより、亜鉛を約15000ppm含有したポリフェニルシリン(重量平均分子量3000)を得た。
実施例1において、フェニルトリクロロシラン105.8g(0.50mol)に代えて、フェニルトリクロロシラン63.5g(0.30mol)およびメチルフェニルジクロロシラン38.2g(0.20mol)の混合物を用いる以外は実施例1と同様に合成を行い、亜鉛を10000ppm含有したポリフェニルシリン−ポリメチルフェニルシラン共重合体(重量平均分子量2500、前者/後者(共重合比、モル)=3/2)を得た。
実施例1において、無水塩化亜鉛(ZnCl2)16.2gに代えて、無水塩化鉄(FeCl3)15.0gを用いる以外は実施例1と同様に合成を行い、鉄を約2000ppm含有したポリフェニルシリン(重量平均分子量4000)を得た。
実施例1において、無水塩化亜鉛(ZnCl2)16.2gを加えない以外は、実施例1と同様に合成を行った。その結果、亜鉛を含有しないポリフェニルシリン(重量平均分子量4500)を得た。
無水塩化亜鉛(ZnCl2)16.2gを加えない以外は、実施例2と同様に合成を行った。その結果、亜鉛を含有しないポリフェニルシリン−ポリメチルフェニルシラン共重合体(重量平均分子量3000)を得た。
実施例1で得られた亜鉛を約15000ppm含有したポリフェニルシリンを、再度500mlのトルエンに溶解した後、5重量%塩酸水溶液200mlで10回、5重量%水酸化ナトリウム水溶液200mlで10回、さらに、純水で5回洗浄することにより、亜鉛を90ppm含むポリフェニルシリンを得た。
○…薄膜はほぼ完全に硬化しているが、激しく擦ると傷がつく
△…薄膜が白濁する
×…膜が溶出する。
Claims (9)
- 重量換算で、ポリシラン全体に対して1000ppm以上の金属(a)を含む請求項1記載のポリシラン。
- 分岐状構造単位の割合が、ポリシランを構成するケイ素原子換算(モル換算)で、10モル%以上である請求項1記載のポリシラン。
- 重量換算で、ポリシラン全体に対して500ppm以上の金属(a)を含み、かつ少なくとも前記式(2)で表される構造単位で構成された分岐状構造単位を、ポリシランを構成するケイ素原子換算(モル換算)で30モル%以上有するポリシランである請求項1記載のポリシラン。
- 金属(a)が、金属化合物の存在下で、ハロシラン類を重合させることによりポリシランに取り込まれる金属化合物由来の金属である請求項1記載のポリシラン。
- 請求項1記載のポリシランと、熱硬化性樹脂とで構成された組成物。
- 熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂である請求項6記載の組成物。
- 熱硬化性樹脂が、ビスフェノールフルオレン骨格を有するエポキシ樹脂である請求項6記載の組成物。
- 請求項6記載の組成物が硬化した硬化物。
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