JP2970391B2 - 導電性重合体組成物 - Google Patents

導電性重合体組成物

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JP2970391B2
JP2970391B2 JP6064492A JP6449294A JP2970391B2 JP 2970391 B2 JP2970391 B2 JP 2970391B2 JP 6064492 A JP6064492 A JP 6064492A JP 6449294 A JP6449294 A JP 6449294A JP 2970391 B2 JP2970391 B2 JP 2970391B2
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polymer
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L83/00Compositions of macromolecular compounds obtained by reactions forming in the main chain of the macromolecule a linkage containing silicon with or without sulfur, nitrogen, oxygen or carbon only; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L83/16Compositions of macromolecular compounds obtained by reactions forming in the main chain of the macromolecule a linkage containing silicon with or without sulfur, nitrogen, oxygen or carbon only; Compositions of derivatives of such polymers in which all the silicon atoms are connected by linkages other than oxygen atoms
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K3/00Use of inorganic substances as compounding ingredients
    • C08K3/16Halogen-containing compounds

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、芳香族アミノ基を側鎖
に有するポリシラン類にドーパントをドーピングしてな
る高導電性の重合体組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
ポリシランは、置換基としてメチル基で代表されるアル
キル基やフェニル基を有するものが主であった(R.W
est,et.al.,J.Am.Chem.So
c.,103,7352(1981))。
【0003】その後、置換基として水素原子や反応性の
炭素−炭素二重結合を含有する置換基を持つポリシラン
や、ハロゲン化アルキル基を有するポリシランが合成さ
れるようになり、ポリシランを架橋することが可能とな
るなど、応用への期待が高まった(R.West,e
t.al.,J.Organomet.Chem.,
00,327(1986))。
【0004】近年、その他の置換基として、シリル基を
導入したポリシラン(特開昭63−12636号公報)
が提案され、またフェノール性の置換基を導入し、レジ
スト材料へ応用することに関しても報告されている(特
開昭63−113021号公報)。
【0005】また、本出願人は主にポリシランの光導電
性及び導電性に着目し、既にカルバゾリル基を含有する
置換基をポリシランに導入することにより、光分解性を
抑制したポリシランを開発し、提案している(特開平5
−43702号公報)。
【0006】しかしながら、一般にポリシランはドーピ
ングにより電気伝導性を示すが、その程度はなお十分で
なく、このためポリシランをドーピングした場合に更に
高導電性を与える導電性重合体組成物が望まれる。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は、上
記要望に応えるため鋭意検討を行った結果、置換基とし
て芳香族アミノ基を含有するポリシランをドーパント、
特に取り扱いの易しいヨウ素や塩化第二鉄でドーピング
することにより高導電重合体が得られることを見い出し
た。
【0008】即ち、下記一般式(2)で示される芳香族
アミノ基含有ジハロゲノシランと下記一般式(3)又は
(4)のハロゲノシランとを不活性溶媒中、アルカリ金
属と反応させるなどの方法により得られる、下記一般式
(1)で示される芳香族アミノ基含有ポリシランに対
し、酸化性ドーパント(ヨウ素、塩化第二鉄等)をドー
ピングすることにより、高導電性でしかも賦形性に優れ
る導電性ポリシラン類が得られることを知見した。
【0009】
【化2】 (但し、式中R1はR3−Cp2p+1(R3は芳香族アミノ
含有基であり、1≦p≦8である。)で示される芳香族
アミノ基を含有する一価有機基、R2は水素原子、炭素
数1〜14の非置換又は置換一価炭化水素基又はR1
あり、a,bは0.01≦a≦2で、a+b=2を満足
する数である。Q1はR4 cSi又はSiR5 d−Ar−S
iR6 dであり、R4は炭素数6〜10のアリール基、R5
及びR6は水素原子又は炭素数1〜14の非置換又は置
換一価炭化水素基、Arは炭素数6〜10のアリーレン
基、c,dはそれぞれ1又は2である。k,mは0≦k
<1,0<m≦1,k+m=1を満足する数、nは6以
上の整数である。また、Xはハロゲン原子である。)
【0010】例えば、上記式(1)のポリシラン類にヨ
ウ素をドーピングしたときの電気伝導度は10-5〜10
-2S/cm程度であり、芳香族アミノ基を持たないジブ
チルポリシラン(3.5×10-8S/cm)やメチルフ
ェニルポリシラン(1.3×10-6S/cm)の電気伝
導度よりも一段と向上することが判明したものである。
【0011】即ち、従来より、ポリシランは、炭素に比
べてそのケイ素のもつ金属性と電子非局在性、高い耐熱
性と柔軟性、良好な薄膜形成特性から非常に興味深いポ
リマーであるが、高導電のものは知られておらず、わず
かにWestらはポリシラスチレン系の高分子をSbF
5,AsF5等のフッ素化合物でドーピングすることで高
導電の高分子を得ているが、毒性も強く、取り扱いも煩
雑なドーパントが必要であった(R.West,et.
al.,J.Am.Chem.Soc.,103,73
52(1981))。これに対し、本発明は、より安全
で取り扱いの易しいヨウ素や塩化第二鉄でドーピングす
ることにより、賦形性に優れる高導電性ポリシラン類が
得られ、これを用いて賦形性に優れる高導電性フィルム
或いは塗膜を容易に得ることができ、従ってこの導電性
ポリシラン類がバッテリー電極、太陽電池、電磁シール
ド用筐体等に応用可能な有用な素材となり得ることを見
い出し、本発明をなすに至ったものである。
【0012】従って、本発明は、上記式(1)のポリシ
ラン類を酸化性ドーパントでドーピングしてなる導電性
重合体組成物を提供する。
【0013】以下、本発明につき更に詳しく説明する
と、本発明で用いる芳香族アミノ基含有ポリシラン類は
下記一般式(1)で示されるものである。 〔(R1 a2 bSi)m(Q1 kn …(1) (但し、式中R1はR3−Cp2p+1(R3は芳香族アミノ
含有基であり、1≦p≦8である。)で示される芳香族
アミノ基を含有する一価有機基、R2は水素原子、炭素
数1〜14の非置換又は置換一価炭化水素基又はR1
あり、a,bは0.01≦a≦2で、a+b=2を満足
する数である。Q1はR4 cSi又はSiR5 d−Ar−S
iR6 dであり、R4は炭素数6〜10のアリール基、R5
及びR6は水素原子又は炭素数1〜14の非置換又は置
換一価炭化水素基、Arは炭素数6〜10のアリーレン
基、c,dはそれぞれ1又は2である。k,mは0≦k
<1,0<m≦1,k+m=1を満足する数、nは6以
上の整数である。)
【0014】ここで、上記R3の芳香族アミノ含有基と
しては、下記のものが好適である。
【0015】
【化3】 (但し、R,R’,R”は水素原子又は炭素数1〜14
の非置換又は置換一価炭化水素基を示す。)
【0016】なお、R,R’,R”の非置換又は置換一
価炭化水素基としては、炭素数1〜20のもの、より好
ましくは1〜18のもので、例えばメチル、エチル、プ
ロピル、ヘキシルなどのアルキル基、フェニル基、アル
キル置換フェニル基などのアリール基、ベンジル、フェ
ネチルなどのアラルキル基、シクロヘキシルなどのシク
ロアルキル基が用いられる。なお、R,R’,R”は互
いに同一でも異なっていてもよい。
【0017】上記の芳香族アミノ基R1として、より具
体的には4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル基、
3−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル基、4−
(N,N−ジエチルアミノ)フェニル基、4−(N,N
−ジフェニルアミノ)フェニル基、N−フェニルアミノ
基、N−フェニル−N−メチルアミノ基、N−フェニル
−N−エチルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、
N−メチル−N−(4−ジフェニル)アミノ基、N−メ
チル−N−(4−メチルフェニル)アミノ基等が例示さ
れる。
【0018】なお、pは1〜8、より好ましくは1〜6
の整数である。
【0019】また、R2の一価炭化水素基はR,R’,
R”で説明したものと同様のものを挙げることができ
る。
【0020】a,bは上記した通りであるが、aのより
好ましい範囲は0.1≦a≦2、更に好ましい範囲は1
≦a≦2である。
【0021】一方、Q1はR4 cSi又はSiR5 d−Ar
−SiR6 dであり、R4はフェニル基、アルキル置換フ
ェニル基等の炭素数6〜10のアリール基、R5及びR6
は水素原子又はメチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘ
キシル等のアルキル基、フェニル等のアリール基、アル
キル置換フェニル基等の置換アリール基、シクロヘキシ
ル等のシクロアルキル基、ベンジル基等のアラルキル基
などの炭素数1〜14、好ましくは1〜10の一価炭化
水素基であるが、R5,R6はそれぞれその少なくとも一
つがR3 と同様の炭素数6〜10のアリール基であるこ
とが好ましい。また、Arはフェニレン基等の炭素数6
〜10のアリーレン基であるが、例えばArがフェニレ
ン基である場合、SiR5 dとSiR6 dとは互いはo−
位、m−位、p−位のいずれにあってもよい。なお、
c,dはそれぞれ1又は2である。
【0022】更に、k,mはそれぞれ0≦k<1,0<
m≦1,k+m=1を満足する数であるが、mのより好
ましい範囲は0.05<m≦1である。
【0023】更に、nは6以上の整数であるが、より好
ましくは10以上である。なお、nの上限は50万であ
ることが好ましい。
【0024】本発明の式(1)のポリシラン類は、重量
平均分子量が500〜1000万、好ましくは1000
〜500万、より好ましくは3000〜100万である
ことがその特性を十分に発揮するために望ましい。
【0025】上記式(1)のポリシラン類は、下記一般
式(3)の芳香族アミノ基含有ジハロゲノシランと下記
一般式(4)又は(5)のハロゲノシランとを不活性溶
媒中でアルカリ金属と反応させることにより製造するこ
とができる。 R12SiX2 …(3) R4 cSiX4-c …(4) X4-dSiR5 d−Ar−SiR6 d4-d …(5) (R1,R2,R4,R5,R6,Ar,c,dは上記と同
様の意味を示し、Xはハロゲン原子であり、特に塩素原
子であることが好ましい。)
【0026】ここで、式(3)の芳香族アミノ基を含有
するハロシラン類はモノ置換タイプ或いはジ置換タイプ
のどちらでもよい。また、式(4),(5)のハロシラ
ンとして、ジハロシラン類を用いることにより一次元の
ポリマー又は環状体が生成するが、三官能性のトリハロ
シラン類を用いることによりネットワーク状のポリシラ
ン類を得ることも可能である。より具体的には、このト
リハロシラン類としては、フェニルトリハロシランのよ
うなアリールトリハロシランを用いることができる。ま
た、予め主鎖骨格に炭素−炭素不飽和結合を含有するハ
ロシラン類としては、o,m或いはp位置換のビス(ハ
ロフェニルメチルシリル)ベンゼン、ビス(ハロジメチ
ルシリル)ベンゼン、ビス(ハロフェニルメチルシリ
ル)キシレン等を用いることができる。
【0027】上記ハロシラン類は不活性溶媒中で反応せ
しめられるが、この不活性溶媒としてはヘキサン、オク
タン、イソオクタン、デカンなどのアルカン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、デカリン等の芳香族系溶媒、
ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2−ジメ
トキシエタン、ジエチレングリコールジエチルエーテル
などのエーテル系溶媒が好適に用いられ、これらを単独
で又は2種以上混合して使用し得る。なお、不活性溶媒
の使用量はハロシラン濃度として0.05〜4mol/
l、より好ましくは0.2〜2.5mol/lとするこ
とが好ましい。
【0028】また、アルカリ金属としては、ナトリウム
が好適に用いられる。その配合量は、原料ハロシランの
ハロゲン量1モルに対して1モル以上のナトリウムが必
要で1.0〜2.5モルであることが好ましい。
【0029】反応は、窒素雰囲気等の不活性雰囲気中で
行うことが推奨され、アルカリ金属に不活性溶媒を加え
てアルカリ金属ディスパージョンを調製した後、これに
ハロシラン類を添加する方法が好適に採用される。な
お、反応温度は0〜250℃、特に60〜200℃が好
ましく、反応時間は通常0.1〜20時間、特に0.5
〜10時間である。
【0030】反応後は、残存するアルカリ金属を常法に
よって失活させ、上記不活性溶媒中の反応生成物をメタ
ノールなどを加えて沈殿させることにより単離すること
ができる。
【0031】本発明の導電性ポリシラン組成物は、上記
式(1)のポリシラン類を酸化性ドーパントでドーピン
グしたものである。上記式(1)のポリシラン類は、そ
のままでは絶縁体であるが、これを酸化性ドーパントで
ドーピングすることにより、良好な導電率を安定に保持
した材料を得ることができる。
【0032】この式(1)の芳香族アミノ基含有ポリシ
ラン類を導電化するための酸化性ドーパントとしては、
塩素、臭素、ヨウ素のようなハロゲン類、塩化スズ、塩
化第二鉄のような遷移金属塩化物、五フッ化アンチモ
ン、五フッ化砒素のようなルイス酸などが有効である
が、安全で取り扱いの易しいヨウ素や塩化第二鉄でドー
ピングすることが望ましい。ドーピングする方法として
は、(1)ヨウ素や塩化第二鉄の蒸気雰囲気下にさらす
いわゆる気相(或いは乾式)ドーピング、(2)ヨウ素
や塩化第二鉄を不活性溶媒中に溶解した溶液中に当ポリ
マーを浸漬する湿式ドーピング、(3)ヨウ素や塩化第
二鉄を溶解した溶液中に当ポリマーが溶解する場合、当
溶液から乾式成膜することによりフィルム或いは塗膜に
賦形すると同時にドーピングする同時ドーピングが用い
られる。
【0033】ここで、(2)、(3)の湿式ドーピング
に用いられる不活性溶媒は、ヨウ素や塩化第二鉄と反応
して電子受容性化合物としての能力を失活させない溶媒
である。かかるものとして、ヘキサン、オクタン、シク
ロヘキサンのような炭化水素類、トルエン、キシレン、
ニトロベンゼンのような芳香族類、エーテル、テトラヒ
ドロフランのようなエーテル類、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリック
トリアミドのような非プロトン性極性溶媒、その他、ニ
トロメタン、アセトニトリル等が挙げられる。
【0034】なかでもテトラヒドロフランのような溶媒
は、ポリマーを非常によく溶解するため特に同時ドーピ
ングが好適である。この方法は、ドーパントを含む溶液
にポリマーを溶解し、この溶液をキャスチィング後、乾
燥することでドーピングされた導電体を得ることができ
る。乾燥温度は、通常0〜150℃、常圧又は減圧で行
うことが好ましい。
【0035】ただ、湿式法は、しばしばポリマーがドー
パントにより劣化し、ゲル化や分解する場合があるの
で、かかる場合は気相ドーピング法が好ましく、(1)
の気相ドーピングは溶剤も使用せず、操作も簡単で高導
電性が得られるため特に有用である。
【0036】気相ドーピングでは、ドーパント雰囲気の
温度とドーパント分圧を制御することによりドーピング
速度をコントロールすることができる。一般に温度は−
30〜200℃の範囲で行うことが好ましい。それ以下
ではドーピング速度が遅く、またそれ以上ではドーピン
グ時にポリマーの劣化を招き、好ましくない。ドーパン
ト分圧は、0.001mmHg〜5気圧の範囲で行うこ
とが好ましい。それ以下ではドーピング速度が遅く、ま
たそれ以上では圧力を増してもドーピング速度は増加し
ない。なお、ヨウ素においては、常温、常圧ですみやか
にドーピングが進むが、塩化第二鉄の場合、蒸気圧が低
いためヨウ素とは異なったドーピングの条件となる。塩
化第二鉄ドーピングは一般に温度は50〜300℃の範
囲で行うことが好ましい。それ以下ではドーピング速度
が遅く、またそれ以上ではドーピング時にポリマーの劣
化を招き、好ましくない。ドーピングは、0.001m
mHg〜1気圧の範囲で行うことが好ましい。それ以下
ではその圧力に達するまでに長時間かかり経済的ではな
く、またそれ以上では塩化第二鉄が常圧で319℃とい
う沸点を持っているためドーピング速度は非常に遅い。
塩化第二鉄のドーパント分圧は、ポリマーの導電率を効
果的に上げるため、より好ましくは0.1〜10mmH
gの圧力で、温度50〜200℃の範囲で行われる。こ
の方法により、引火性の溶媒を使用することなく毒性の
少ない塩化第二鉄を用いて非常に簡単な操作で導電性ポ
リマーを製造することができる。
【0037】
【発明の効果】本発明において、置換基として芳香族ア
ミノ基を含有するポリシランは、溶剤可溶で、任意の形
状のフィルムや塗膜に賦形でき、かつ酸化性ドーパント
をドーピングすることにより導電性が著しく向上し、か
つドーピング後も脆化することもなく、可撓性を維持す
る高導電性重合体が得られる。本発明により得られる芳
香族アミノ基を含有するポリシランにドーピングした導
電性ポリシラン組成物は、賦形性に優れる高導電性フィ
ルム或いは塗膜を容易に得ることができ、バッテリー電
極、太陽電池、電磁シールド用筐体等に応用可能な有用
な素材で、電気、電子、通信分野に広く用いられる。
【0038】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に示す
が、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0039】〔合成例1〕〔(MePhSi)0.5(4
−Me2N−C64−(CH23−SiMe)0.5n
合成 窒素雰囲気下、金属ナトリウム0.7g(30mmo
l)にn−デカン20mlを加え、120℃に昇温し、
激しく撹拌してナトリウムディスパージョンを調製し
た。
【0040】このディスパージョンに3−(4−(N,
N−ジメチルアミノ)フェニル)プロピルメチルジクロ
ロシラン1.16g(6mmol)とメチルフェニルジ
クロロシラン1.15g(6mmol)のデカン溶液8
0mlを15分間で加え、171℃で5時間撹拌した。
反応終了後、室温まで冷却し、残存するナトリウムを失
活させるため、トリメチルクロロシラン1gを含むトル
エン100mlを加えた後、氷冷下で加水分解し、更に
水洗を行った。次に有機層を取り出し、硫酸ナトリウム
上で乾燥後、反応混合物を濃縮した。得られた粘稠物を
メタノール250mlに加え、ポリマーを沈殿させた。
沈殿物を濾別し、真空乾燥することにより、目的物であ
る下記式で示されるジメチルアニリノ基含有ポリシラン
0.3gを白色沈殿として得た。GPC分析によりこの
ポリマーの重量平均分子量分布はポリスチレン換算で1
3000であった。またポリシランに由来する紫外線吸
収(λmax338nm)が確認された。
【0041】
【化4】
【0042】〔合成例2〕3−(4−(N,N−ジメチ
ルアミノ)フェニル)プロピルメチルジクロロシランを
2mmol、メチルフェニルジクロロシランを8mmo
l用いた以外は実施例1と同様にして、下記式で示され
る重量平均分子量51000のポリシランを得た。
【0043】
【化5】
【0044】〔合成例3〕3−(4−(N,N−ジメチ
ルアミノ)フェニル)プロピルメチルジクロロシランを
1mmol、メチルフェニルジクロロシランを9mmo
l用いた以外は実施例1と同様にして、下記式で示され
る重量平均分子量74000のポリシランを得た。
【0045】
【化6】
【0046】〔合成例4〕3−(4−(N,N−ジメチ
ルアミノ)フェニル)プロピルメチルジクロロシラン6
mmolと、メチルフェニルジクロロシランの代りにフ
ェニルトリクロロシラン6mmolを用いた以外は実施
例1と同様にして、下記式で示される重量平均分子量6
600のポリシランを得た。
【0047】
【化7】
【0048】〔合成例5〕3−(4−(N,N−ジメチ
ルアミノ)フェニル)プロピルメチルジクロロシラン6
mmolと、メチルフェニルジクロロシランの代りに下
記クロロシラン Cl(C65)(CH3)Si−C64−Si(C
65)(CH3)Cl 6mmolを用いた以外は実施例1と同様にして、下記
式で示される重量平均分子量22000のポリシランを
得た。
【0049】
【化8】
【0050】〔合成6〕〔(MePhSi)0.8(C6
5−N(CH3 −(CH23−SiMe)0.2nの合成 窒素雰囲気下、金属ナトリウム1.10g(40mmo
l)にn−デカン20mlを加え、120℃に昇温し、
激しく撹拌してナトリウムディスパージョンを調製し
た。
【0051】このディスパージョンに3−(N−メチル
−N−フェニルアミノ)プロピルメチルジクロロシラン
1.05g(4mmol)とメチルフェニルジクロロシ
ラン3.05g(16mmol)のデカン溶液80ml
を30分間で加え、171℃で10時間撹拌した。反応
終了後、室温まで冷却し、残存するナトリウムを失活さ
せるため、トリメチルクロロシラン1gを含むトルエン
100mlを加えた後、氷冷下で加水分解し、更に水洗
を行った。次に有機層を取り出し、硫酸ナトリウム上で
乾燥後、反応混合物を濃縮した。得られた粘稠物をメタ
ノール30mlに加え、ポリマーを沈殿させた。沈殿物
を濾別し、真空乾燥することにより目的物である下記式
で示されるアニリノ基含有ポリシラン1.4gを白色沈
殿として得た。GPC分析によりこのポリマーの重量平
均分子量分布はポリスチレン換算で58000であっ
た。またポリシランに由来する紫外線吸収(λmax3
35nm)が確認された。
【0052】
【化9】
【0053】〔実施例1〕次に、上記合成例の芳香族ア
ミノ基含有ポリシランにヨウ素をドーピングし、その電
気伝導度を測定した。比較例として(Bu2Si)n
(MePhSi)nの結果も合わせて表1に示す。
【0054】導電率の測定方法は、ガラス板上に4端子
部を白金蒸着により形成させて電極とし、この上に溶媒
に溶解させたポリマー溶液をスピンコートすることで薄
膜を作り、導電率測定用サンプルとし、これを遮光、密
閉下にヨウ素と接触させ、直流抵抗の経時変化を追跡
し、室温(25℃)における安定値をとった抵抗値から
導電率を求めた。
【0055】
【表1】
【0056】〔実施例2、比較例3〕合成例1のポリマ
ーを用いて実施例1と同様に作成した導電率測定用サン
プルを乾燥させた褐色ガラス瓶容器内に取付け、容器の
底部の固体塩化第二鉄と密閉下に静置した。これを真空
ポンプに接続し、4mmHgまで減圧にした。この状態
で底部の塩化第二鉄の部分をマントルヒーターで加熱し
た。この操作により、導電率測定用サンプルは透明から
黒茶色に変化していき、同時に導電率が速やかに上昇し
ていった。最終的に導電率はある一定値に落ち着き、こ
のとき導電率測定用サンプルの温度は150℃にまで達
した。ここで真空ポンプを停止し、加熱をやめ25℃ま
で放冷した。この定常状態にした導電率は7.4×10
-4S/cmであった。また、比較のためジブチルポリシ
ラン(Bu2Si)nを用いて同様の操作を行った時の導
電率は2.2×10-10S/cmであった。
フロントページの続き (72)発明者 森 滋 神奈川県川崎市高津区坂戸3丁目2番1 号 信越化学工業株式会社 コーポレー トリサーチセンター内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 83/16 C08K 3/02 C08K 3/24 C08L 83/14

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で示される芳香族アミ
    ノ基含有ポリシラン類を酸化性ドーパントでドーピング
    した導電性重合体組成物。 〔(R1 a2 bSi)m(Q1 kn …(1) (但し、式中R1はR3−Cp2p+1(R3は芳香族アミノ
    含有基であり、1≦p≦8である。)で示される芳香族
    アミノ基を含有する一価有機基、R2は水素原子、炭素
    数1〜14の非置換又は置換一価炭化水素基又はR1
    あり、a,bは0.01≦a≦2で、a+b=2を満足
    する数である。Q1はR4 cSi又はSiR5 d−Ar−S
    iR6 dであり、R4は炭素数6〜10のアリール基、R5
    及びR6は水素原子又は炭素数1〜14の非置換又は置
    換一価炭化水素基、Arは炭素数6〜10のアリーレン
    基、c,dはそれぞれ1又は2である。k,mは0≦k
    <1,0<m≦1,k+m=1を満足する数、nは6以
    上の整数である。)
  2. 【請求項2】 R3の芳香族アミノ含有基が 【化1】 (但し、R,R’,R”は水素原子又は炭素数1〜14
    の非置換又は置換一価炭化水素基を示す。)である請求
    項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】 酸化性ドーパントがヨウ素又は塩化第二
    鉄である請求項1又は2記載の組成物。
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