JP3028698B2 - 導電性重合体及びその製造方法 - Google Patents

導電性重合体及びその製造方法

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基夫 福島
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリシロキサンからな
る導電性重合体及びその製造方法に関し、特にバッテリ
ー電極、太陽電池、電磁シールド用筺体などの用途に好
適な導電性重合体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
ポリアセチレンに電子受容性物質又は電子供与性物質を
ドーピングすると電荷移動形成反応が起こり、電子伝導
に基づく高い電気伝導性が発現することが見い出だされ
たことから、ポリアセチレン、ポリフェニレン、ポリピ
ロール、ポリアニリン及びポリチオフェン等の導電性有
機高分子化合物が高導電性フィルムなどを形成する材料
として注目されている。
【0003】しかしながら、これら有機高分子化合物
は、不溶不融であるため賦形性に乏しかったり、気相重
合法や電解重合法でフィルムを形成する場合、得られる
フィルムの形状が反応容器や電極の形状によって制約さ
れたり、電子受容性物質又は電子供与性物質をドーピン
グする際に著しい劣化を伴ったりするなどの問題があ
り、実用上の障害になっている。
【0004】一方、ポリシロキサンは、高い耐熱性及び
柔軟性、良好な薄膜形成性を有することから非常に興味
深いポリマーであるが、高導電性を有するものはほとん
ど知られていない。わずかにベルンドらによってカルバ
ゾール基を側鎖に有するポリシロキサンを電気化学的に
酸化することにより導電率の最高値が8.3×10-4
/cmの高分子化合物が提案されている(特開昭63−
199736号公報)が、この高分子化合物は導電性が
十分ではなく、また、高価な電解質と電気化学的酸化と
いう煩雑な工程を必要とするという問題がある。なお、
カルバゾール基を側鎖に有するポリシロキサンは「P.
Strohriegl、Macromol.Che
m.,Rapid Commun.,7,771(19
86)」に記載されている。
【0005】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
カルバゾール基を側鎖に有するポリシロキサンからなる
高導電性で賦形性に優れた導電性重合体及びその製造方
法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は上記
目的を達成するため鋭意検討を行った結果、カルバゾー
ル基を側鎖に有するポリシロキサンを塩化第二鉄の蒸気
雰囲気下にさらすという乾式法、具体的には例えば塩化
第二鉄を減圧下で加温して蒸気化し、この塩化第二鉄蒸
気でカルバゾール基を側鎖に有するポリシロキサンをさ
らすことにより、簡単にドーピングし得、高導電性で賦
形性に優れた導電性重合体が得られることを知見した。
即ち、カルバゾール基を側鎖に有するポリシロキサンは
溶剤に可溶であるため、所望の形状のフィルムや塗膜の
形態とすることができ、このように所望の形状のフィル
ム、塗膜とした状態でドーピングし得ると共に、ドーピ
ングに用いる塩化第二鉄は毒性が少なくかつ安価であ
り、カルバゾール基を側鎖に有するポリシロキサンに対
する導電性付与が簡単で、かつ高い導電性を付与するこ
とができること、しかもドーピング後もカルバゾール基
を側鎖に有するポリシロキサンが脆化することもなく可
撓性を維持し得ることを見い出した。
【0007】この場合、カルバゾール基を側鎖に有する
ポリシロキサンに塩化第二鉄をドーピングする方法とし
て、従来、(1)塩化第二鉄を不活性溶媒中に溶解した
溶液中にケイ素含有高分子物質を浸漬する湿式ドーピン
グ法、(2)塩化第二鉄を溶解した溶液中にケイ素含有
高分子物質を溶解し、この溶解液から成膜することによ
りフィルム又は塗膜に賦形すると同時にドーピングする
同時ドーピング法が採用されているが、これらいずれの
ドーピング法も、塩化第二鉄をドーピングすることによ
ってカルバゾール基を側鎖に有するポリシロキサンの劣
化が起こり、このためカルバゾール基を側鎖に有するポ
リシロキサンのゲル化や分解が起こり、また高い導電率
を達成することはできない。しかし、本発明の方法は、
このような不都合がなく、しかも高導電率に容易にドー
ピングし得るものである。
【0008】更に、上記方法により得られた導電性重合
体は、賦形性に優れる高導電性フィルム又は塗膜を容易
に得ることができ、バッテリー電極、太陽電池、電磁シ
ールド用筺体などを形成するための素材として有用であ
り、電気、電子、通信分野などの分野で広範囲に亘って
使用し得ることを知見し、本発明をなすに至った。
【0009】従って、本発明は、塩化第二鉄が気相ドー
ピングされたカルバゾール基を側鎖に有するポリシロキ
サンからなる導電性重合体、及び、カルバゾール基を側
鎖に有するポリシロキサンに塩化第二鉄を気相ドーピン
グすることを特徴とする導電性重合体の製造方法を提供
する。
【0010】以下、本発明を更に詳しく説明すると、本
発明の導電性重合体は、カルバゾール基を側鎖に有する
ポリシロキサンに塩化第二鉄を気相ドーピングしてなる
ものである。
【0011】ここで、上記カルバゾール基を側鎖に有す
るポリシロキサンとしては下記一般式で示されるものが
挙げられる。
【0012】
【化1】
【0013】上記式においてR1 は下記式で表わされる
ものを示し、R2 はR1 又は炭素数1〜18の1価有機
基、例えばメチル,エチル,プロピル,ブチル等のアル
キル基、フェニル,トリル等のアリール基を示し、R3
はR2 又は炭素数0〜10の1価有機基、例えばヒドロ
オキシ基,メトキシ,エトキシのようなアルコキシ基、
メチル,エチルのようなアルキル基、ビニルのようなア
ルケニル基、フェニル,トリルのようなアリール基を示
し、mは1以上の整数、より好ましくは4〜4000、
kは1〜3の整数である。
【0014】
【化2】
【0015】なお、カルバゾール基を側鎖に有するポリ
シロキサンは、例えばN−アルケニル基を含有するカル
バゾール誘導体とポリ(ヒドロシロキサン)とのヒドロ
シリル化反応により容易に合成することができる。特
に、カルバゾールプロピル基を側鎖に有するポリシロキ
サンは、N−アリルカルバゾールとトリメチルシロキシ
基末端ヒドロメチルポリシロキサンを塩化白金酸触媒の
存在下に反応させることにより容易に得ることができ
る。
【0016】なお、これらカルバゾール基を側鎖に有す
るポリシロキサンの分子量は特に制限されるものではな
いが、通常1,000〜1,000,000のものが用
いられる。
【0017】本発明の導電性重合体を得るには、塩化第
二鉄を常圧又は減圧下に加温して塩化第二鉄を蒸気化
し、この塩化第二鉄の蒸気中で上記カルバゾール基を側
鎖に有するポリシロキサンを気相ドーピングするもので
あり、気相ドーピングの進行と共にカルバゾール基を側
鎖に有するポリシロキサン皮膜の導電率が速やかに上昇
していき、最終的に導電率はある一定値に落ち着き、ド
ーピングが終了する。
【0018】この場合、ドーパント(塩化第二鉄)雰囲
気の温度と容器内の圧力を制御することによりドーピン
グ速度を制御することができる。具体的には、圧力0.
001〜760mmHg、温度50〜300℃の範囲、
特に圧力0.1〜10mmHg、温度50〜200℃の
範囲でドーピングを行うことがポリマーの導電率を効果
的に上げることができる点から好ましい。この圧力が
0.001mmHg未満では、その圧力に達するまでに
長時間がかかるため経済的でなく、また、塩化第二鉄の
常圧での沸点が319℃であるため、圧力が760mm
Hgを越えるとドーピング速度が非常に遅くなってしま
う。また、温度が50℃未満ではドーピング速度が遅く
なり、また300℃を越えるとドーピング時にカルバゾ
ール基を側鎖に有するポリシロキサンの劣化を招く場合
がある。
【0019】上記ドーピング法を用いることにより、引
火性の溶媒を使用することなく毒性の少ない塩化第二鉄
をドーパントとして非常に簡単な操作で高導電率の導電
性重合体を製造することができる。
【0020】
【実施例】以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体
的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるも
のではない。なお、実施例の説明に先立ち、実施例で用
いるカルバゾールプロピル基を側鎖に有するポリシロキ
サンの製造方法について説明する。
【0021】
【化3】
【0022】[合成例]N−アリルカルバゾール32g
をトルエンに溶解し、これに触媒量の塩化白金酸を添加
し、70〜80℃に保った。次いで、これを撹拌しなが
らトリメチルシロキシ末端ヒドロメチルポリシロキサン
をゆっくり滴下した。原料が消失するまで4時間撹拌し
て反応を完結させ、放冷後、活性炭処理し、濃縮し、カ
ルバゾールプロピル基を側鎖に有するポリシロキサン
(化合物I)を得た。
【0023】[実施例]カルバゾール基を側鎖に有する
ポリシロキサン(合成例で製造した化合物I)をテトラ
ヒドロフラン(THF)に溶解し、10%ポリマー溶液
を得た。一方、ガラス板上に白金蒸着により4端子部を
形成して電極とし、このガラス板上に上記ポリマー溶液
をスピンコートし、圧力2mmHg、温度50℃で乾燥
させ、厚さ1μmの薄膜を製造し、導電率測定用サンプ
ルを得た。
【0024】次に、乾燥させた褐色ガラス瓶容器の底部
に固体の塩化第二鉄を入れ、上記サンプルをこのガラス
瓶の内部に取り付け、密閉した。このガラス瓶を真空ポ
ンプに接続し、4mmHgまで減圧にした状態でガラス
瓶底部の塩化第二鉄をマントルヒーターで加熱した。こ
の加熱によってケイ素含有高分子薄膜は透明から黒茶色
に変化していき、同時に導電率が速やかに上昇して行っ
た。最終的には導電率は8×10-2S/cmに落ち着
き、このとき導電率測定用サンプルの温度は150℃に
まで達していた。ここで真空ポンプを停止し、加熱を止
め、25℃まで放冷し、導電率を測定したところ、2×
10-3S/cmであった。
【0025】なお、導電率の測定は、上記ガラス板上の
皮膜を塩化第二鉄蒸気と接触させながら直流抵抗の経時
変化を追跡し、この抵抗値が安定値をとった後、皮膜の
温度が25℃に下がるまで放冷し、そのときの抵抗値か
ら導電率を求めた。
【0026】[比較例]カルバゾールプロピル基を側鎖
に有するポリシロキサン(化合物I)をTHFに溶解
し、10%のTHF溶液とした。これに塩化第二鉄の1
0%THF溶液を化合物Iに対して50重量%となるよ
うに混合し、放置した。その結果、混合してから約1時
間経過後、この混合物はゲル化してしまった。
【0027】一方、ガラス板上に4端子部を白金蒸着に
より形成して電極とし、このガラス板上に、塩化第二鉄
の10%THF溶液と上記ケイ素含有高分子化合物の1
0%THFとを混合後、直ちにスピンコートし、圧力2
mmHg、温度50℃で乾燥させ、厚さ0.7μmの薄
膜を作製し、導電率測定用サンプルとし、導電率を測定
したところ、1×10-10S/cmであった。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、賦形性に優れる高導電
性のフィルム又は塗膜を容易に得ることができ、これら
はバッテリー電極、太陽電池、電磁シールド用筺体など
を形成するための素材として有用であり、電気、電子、
通信分野などの分野で広範囲に亘って使用し得るもので
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田部井 栄一 神奈川県川崎市高津区坂戸3丁目2番1 号 信越化学工業株式会社 コーポレー トリサーチセンター内 (56)参考文献 特開 昭62−127321(JP,A) 特開 平4−218209(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 77/38,77/388

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化第二鉄が気相ドーピングされたカル
    バゾール基を側鎖に有するポリシロキサンからなること
    を特徴とする導電性重合体。
  2. 【請求項2】 カルバゾール基を有するポリシロキサン
    に塩化第二鉄を気相ドーピングすることを特徴とする導
    電性重合体の製造方法。
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US20080061679A1 (en) * 2003-08-20 2008-03-13 Shihe Xu Carbazolyl-Functional Polysiloxane Resins, Silicone Composition, and Organic Light-Emitting Diode
WO2005035632A1 (en) * 2003-09-11 2005-04-21 Dow Corning Corporation Carbazolyl-functional hyperbranched polysiloxanes, silicone composition, and organic light-emmitting diode
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