JP2950137B2 - 導電性重合体及びその製造方法 - Google Patents
導電性重合体及びその製造方法Info
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- JP2950137B2 JP2950137B2 JP4492394A JP4492394A JP2950137B2 JP 2950137 B2 JP2950137 B2 JP 2950137B2 JP 4492394 A JP4492394 A JP 4492394A JP 4492394 A JP4492394 A JP 4492394A JP 2950137 B2 JP2950137 B2 JP 2950137B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリシラン、ポリ(ジ
シラニレンフェニレン)等のケイ素含有高分子物質から
なる導電性重合体及びその製造方法に関し、特にバッテ
リー電極、太陽電池、電磁シールド用筺体などの用途に
好適な導電性重合体及びその製造方法に関する。
シラニレンフェニレン)等のケイ素含有高分子物質から
なる導電性重合体及びその製造方法に関し、特にバッテ
リー電極、太陽電池、電磁シールド用筺体などの用途に
好適な導電性重合体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
ポリアセチレンに電子受容性物質又は電子供与性物質を
ドーピングすると電荷移動形成反応が起こり、電子伝導
に基づく高い電気伝導性が発現することが見い出だされ
たことから、ポリアセチレン、ポリフェニレン、ポリピ
ロール、ポリアニリン及びポリチオフェン等の導電性有
機高分子化合物が高導電性フィルムなどを形成する材料
として注目されている。
ポリアセチレンに電子受容性物質又は電子供与性物質を
ドーピングすると電荷移動形成反応が起こり、電子伝導
に基づく高い電気伝導性が発現することが見い出だされ
たことから、ポリアセチレン、ポリフェニレン、ポリピ
ロール、ポリアニリン及びポリチオフェン等の導電性有
機高分子化合物が高導電性フィルムなどを形成する材料
として注目されている。
【0003】しかしながら、これら有機高分子化合物
は、不溶不融であるため賦形性に乏しかったり、気相重
合法や電解重合法でフィルムを形成する場合、得られる
フィルムの形状が反応容器や電極の形状によって制約さ
れたり、電子受容性物質又は電子供与性物質をドーピン
グする際に著しい劣化を伴ったりするなどの問題があ
り、実用上の障害になっている。
は、不溶不融であるため賦形性に乏しかったり、気相重
合法や電解重合法でフィルムを形成する場合、得られる
フィルムの形状が反応容器や電極の形状によって制約さ
れたり、電子受容性物質又は電子供与性物質をドーピン
グする際に著しい劣化を伴ったりするなどの問題があ
り、実用上の障害になっている。
【0004】一方、ケイ素含有高分子物質は、ケイ素を
含有しているために炭素よりも強い金属性及び電子非局
在性を有し、かつ高い耐熱性及び柔軟性、良好な薄膜形
成性を有することから非常に興味深いポリマーである
が、高導電性を有するものはほとんど知られていない。
わずかに石川らによってジシラニレンフェニレン系の高
分子物質にSbF5、AsF5等のフッ素化合物をドーピ
ングした高導電性の高分子物質が提案されている(M.
Ishikawa,et.al.,J.Organom
etallics,6,1673(1987);J.O
rganomet.Chem.,369,C18(19
89);Organometallics,8,274
1(1989);Macromolecules,2
4,2106(1991))が、上記SbF5、AsF5
等は毒性が強いため取り扱いが難しく、またドーピング
工程が煩雑なものとなる。
含有しているために炭素よりも強い金属性及び電子非局
在性を有し、かつ高い耐熱性及び柔軟性、良好な薄膜形
成性を有することから非常に興味深いポリマーである
が、高導電性を有するものはほとんど知られていない。
わずかに石川らによってジシラニレンフェニレン系の高
分子物質にSbF5、AsF5等のフッ素化合物をドーピ
ングした高導電性の高分子物質が提案されている(M.
Ishikawa,et.al.,J.Organom
etallics,6,1673(1987);J.O
rganomet.Chem.,369,C18(19
89);Organometallics,8,274
1(1989);Macromolecules,2
4,2106(1991))が、上記SbF5、AsF5
等は毒性が強いため取り扱いが難しく、またドーピング
工程が煩雑なものとなる。
【0005】そこで、上記SbF5、AsF5等のフッ素
化合物よりも安全で取り扱いが容易な塩化第二鉄(Fe
Cl3)をドーピングすることが検討され、Corri
uらは、ポリマーとFeCl3とを溶液中で混合するこ
とによりFeCl3のドーピングを行っている(R.
J.Corriu,et.al.,J.Organom
et.Chem.,417,C50(1991))が、
この方法は引火性の溶媒を必要とする湿式ドーピング法
であり、また、十分な高導電性を有するものを得ること
ができないという問題がある。
化合物よりも安全で取り扱いが容易な塩化第二鉄(Fe
Cl3)をドーピングすることが検討され、Corri
uらは、ポリマーとFeCl3とを溶液中で混合するこ
とによりFeCl3のドーピングを行っている(R.
J.Corriu,et.al.,J.Organom
et.Chem.,417,C50(1991))が、
この方法は引火性の溶媒を必要とする湿式ドーピング法
であり、また、十分な高導電性を有するものを得ること
ができないという問題がある。
【0006】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
ケイ素含有高分子物質からなる高導電性で賦形性に優れ
た導電性重合体及びその製造方法を提供することを目的
とする。
ケイ素含有高分子物質からなる高導電性で賦形性に優れ
た導電性重合体及びその製造方法を提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は上記
目的を達成するため鋭意検討を行った結果、主鎖にSi
−Si結合又はSi−Si結合とC−C多重結合を有す
るケイ素含有高分子物質を塩化第二鉄の蒸気雰囲気下に
晒すという乾式法、具体的には塩化第二鉄を常圧又は減
圧下で加温して蒸気化し、この塩化第二鉄蒸気でケイ素
含有高分子皮膜を気相ドーピングすることにより、簡単
にドーピングし得、高導電性で賦形性に優れた導電性重
合体が得られることを知見した。即ち、上記ケイ素含有
高分子物質は溶剤に可溶であるため、所望の形状のフィ
ルムや塗膜の形態とすることができ、このように所望の
形状のフィルム、塗膜とした状態でドーピングし得ると
共に、ドーピングに用いる塩化第二鉄は毒性が少なくか
つ安価であり、ケイ素含有高分子物質に対する導電性付
与が簡単で、かつ高い導電性を付与することができ、し
かもドーピング後もケイ素含有高分子物質が脆化するこ
ともなく可撓性を維持し得ることを見い出した。
目的を達成するため鋭意検討を行った結果、主鎖にSi
−Si結合又はSi−Si結合とC−C多重結合を有す
るケイ素含有高分子物質を塩化第二鉄の蒸気雰囲気下に
晒すという乾式法、具体的には塩化第二鉄を常圧又は減
圧下で加温して蒸気化し、この塩化第二鉄蒸気でケイ素
含有高分子皮膜を気相ドーピングすることにより、簡単
にドーピングし得、高導電性で賦形性に優れた導電性重
合体が得られることを知見した。即ち、上記ケイ素含有
高分子物質は溶剤に可溶であるため、所望の形状のフィ
ルムや塗膜の形態とすることができ、このように所望の
形状のフィルム、塗膜とした状態でドーピングし得ると
共に、ドーピングに用いる塩化第二鉄は毒性が少なくか
つ安価であり、ケイ素含有高分子物質に対する導電性付
与が簡単で、かつ高い導電性を付与することができ、し
かもドーピング後もケイ素含有高分子物質が脆化するこ
ともなく可撓性を維持し得ることを見い出した。
【0008】この場合、ケイ素含有高分子物質に塩化第
二鉄をドーピングする方法としては、(1)塩化第二鉄
を不活性溶媒中に溶解した溶液にケイ素含有高分子物質
を浸漬する湿式ドーピング法、(2)塩化第二鉄を溶解
した溶液中にケイ素含有高分子物質を溶解し、この溶解
液から成膜することによりフィルム又は塗膜に賦形する
と同時にドーピングする同時ドーピング法が採用されて
いるが、これらのいずれのドーピング法も、塩化第二鉄
をドーピングすることによってケイ素含有高分子物質の
劣化が起こり、このためケイ素含有高分子物質のゲル化
や分解が煩雑に起こり、また高い導電率を達成すること
はできない。しかし、本発明の方法はこのような不都合
がなく、しかも高導電率に容易にドーピングし得るもの
である。
二鉄をドーピングする方法としては、(1)塩化第二鉄
を不活性溶媒中に溶解した溶液にケイ素含有高分子物質
を浸漬する湿式ドーピング法、(2)塩化第二鉄を溶解
した溶液中にケイ素含有高分子物質を溶解し、この溶解
液から成膜することによりフィルム又は塗膜に賦形する
と同時にドーピングする同時ドーピング法が採用されて
いるが、これらのいずれのドーピング法も、塩化第二鉄
をドーピングすることによってケイ素含有高分子物質の
劣化が起こり、このためケイ素含有高分子物質のゲル化
や分解が煩雑に起こり、また高い導電率を達成すること
はできない。しかし、本発明の方法はこのような不都合
がなく、しかも高導電率に容易にドーピングし得るもの
である。
【0009】更に、上記方法により得られた導電性重合
体は、賦形性に優れる高導電性フィルム又は塗膜を容易
に得ることができるので、バッテリー電極、太陽電池、
電磁シールド用筺体などを形成するための素材として有
用であり、電気、電子、通信分野などの分野で広範囲に
亘って使用し得ることを知見し、本発明をなすに至っ
た。
体は、賦形性に優れる高導電性フィルム又は塗膜を容易
に得ることができるので、バッテリー電極、太陽電池、
電磁シールド用筺体などを形成するための素材として有
用であり、電気、電子、通信分野などの分野で広範囲に
亘って使用し得ることを知見し、本発明をなすに至っ
た。
【0010】従って、本発明は、主鎖にSi−Si結合
又はSi−Si結合とC−C多重結合を有するケイ素含
有高分子物質に塩化第二鉄が気相ドーピングされたこと
を特徴とする導電性重合体、及び、主鎖にSi−Si結
合又はSi−Si結合とC−C多重結合を有するケイ素
含有高分子物質に塩化第二鉄を常圧又は減圧下で加温
し、気相ドーピングすることを特徴とする導電性重合体
の製造方法を提供する。
又はSi−Si結合とC−C多重結合を有するケイ素含
有高分子物質に塩化第二鉄が気相ドーピングされたこと
を特徴とする導電性重合体、及び、主鎖にSi−Si結
合又はSi−Si結合とC−C多重結合を有するケイ素
含有高分子物質に塩化第二鉄を常圧又は減圧下で加温
し、気相ドーピングすることを特徴とする導電性重合体
の製造方法を提供する。
【0011】以下、本発明を更に詳しく説明すると、本
発明の導電性重合体は、ケイ素含有高分子物質に塩化第
二鉄を気相ドーピングしてなるものである。
発明の導電性重合体は、ケイ素含有高分子物質に塩化第
二鉄を気相ドーピングしてなるものである。
【0012】ここで、上記ケイ素含有高分子物質として
は、主鎖にSi−Si結合を持つ化合物、又は主鎖にS
i−Si結合とC−C多重結合を持つ化合物を用いるも
ので、このようなケイ素含有高分子物質としては、下記
一般式(1)又は(2)で示されるものを挙げることが
できる。
は、主鎖にSi−Si結合を持つ化合物、又は主鎖にS
i−Si結合とC−C多重結合を持つ化合物を用いるも
ので、このようなケイ素含有高分子物質としては、下記
一般式(1)又は(2)で示されるものを挙げることが
できる。
【0013】
【化1】
【0014】ここで、上記式中R1は水素原子又は同一
もしくは異種の置換もしくは非置換の好ましくは炭素数
1〜14、特に1〜10の一価有機基を示し、具体的に
はメチル,エチル,プロピル,ブチル,ヘキシル基等の
アルキル基、フェニル,トリル,ナフチル,アントラセ
ニル基等のアリール基、カルバゾリルプロピル基のよう
な複素環をもつアルキル基、ベンジル基、フェネチル基
等のアラルキル基などが挙げられる。また、Rは水素原
子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素
数1〜14の置換又は非置換のアルキル基等の一価炭化
水素基(但し、アリール基は除く)である。
もしくは異種の置換もしくは非置換の好ましくは炭素数
1〜14、特に1〜10の一価有機基を示し、具体的に
はメチル,エチル,プロピル,ブチル,ヘキシル基等の
アルキル基、フェニル,トリル,ナフチル,アントラセ
ニル基等のアリール基、カルバゾリルプロピル基のよう
な複素環をもつアルキル基、ベンジル基、フェネチル基
等のアラルキル基などが挙げられる。また、Rは水素原
子、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素
数1〜14の置換又は非置換のアルキル基等の一価炭化
水素基(但し、アリール基は除く)である。
【0015】なお、これらケイ素含有高分子物質の重量
平均分子量は特に制限されるものではないが、通常50
0〜10,000,000、好ましくは1,000〜
5,000,000、より好ましくは3,000〜1,
000,000のものが用いられ、従って、上記式
(1),(2)中、nはかかる分子量とするための整数
であることが好ましい。なお、ケイ素含有高分子物質に
おいて、Si−Si結合は50〜100モル%を主鎖中
に含むことが好ましい。
平均分子量は特に制限されるものではないが、通常50
0〜10,000,000、好ましくは1,000〜
5,000,000、より好ましくは3,000〜1,
000,000のものが用いられ、従って、上記式
(1),(2)中、nはかかる分子量とするための整数
であることが好ましい。なお、ケイ素含有高分子物質に
おいて、Si−Si結合は50〜100モル%を主鎖中
に含むことが好ましい。
【0016】本発明の導電性重合体を得るには、塩化第
二鉄を常圧又は減圧下に加温して塩化第二鉄を蒸気化
し、この塩化第二鉄の蒸気中で上記ケイ素含有高分子物
質を気相ドーピングするものであり、気相ドーピングの
進行と共にケイ素含有高分子物質の導電率が速やかに上
昇していき、最終的に導電率はある一定値に落ち着き、
ドーピングが終了する。
二鉄を常圧又は減圧下に加温して塩化第二鉄を蒸気化
し、この塩化第二鉄の蒸気中で上記ケイ素含有高分子物
質を気相ドーピングするものであり、気相ドーピングの
進行と共にケイ素含有高分子物質の導電率が速やかに上
昇していき、最終的に導電率はある一定値に落ち着き、
ドーピングが終了する。
【0017】この場合、ドーパント(塩化第二鉄)雰囲
気の温度とドーパント分圧(容器内の圧力)を制御する
ことによりドーピング速度を制御することができる。具
体的には、圧力0.001〜760mmHg、温度50
〜300℃の範囲、特に圧力0.1〜10mmHg、温
度50〜200℃の範囲でドーピングを行うことがポリ
マーの導電率を効果的に上げることができる点から好ま
しい。この圧力が0.001mmHg未満では、その圧
力に達するまでに長時間がかかるため経済的でなく、ま
た、塩化第二鉄の常圧での沸点が319℃であるため、
圧力が760mmHgを越えるとドーピング速度が非常
に遅くなってしまう。また、温度が50℃未満ではドー
ピング速度が遅くなり、また300℃を越えるとドーピ
ング時にケイ素含有高分子皮膜の劣化を招く場合があ
る。
気の温度とドーパント分圧(容器内の圧力)を制御する
ことによりドーピング速度を制御することができる。具
体的には、圧力0.001〜760mmHg、温度50
〜300℃の範囲、特に圧力0.1〜10mmHg、温
度50〜200℃の範囲でドーピングを行うことがポリ
マーの導電率を効果的に上げることができる点から好ま
しい。この圧力が0.001mmHg未満では、その圧
力に達するまでに長時間がかかるため経済的でなく、ま
た、塩化第二鉄の常圧での沸点が319℃であるため、
圧力が760mmHgを越えるとドーピング速度が非常
に遅くなってしまう。また、温度が50℃未満ではドー
ピング速度が遅くなり、また300℃を越えるとドーピ
ング時にケイ素含有高分子皮膜の劣化を招く場合があ
る。
【0018】上記ドーピング法を用いることにより、引
火性の溶媒を使用することなく毒性の少ない塩化第二鉄
をドーパントとして非常に簡単な操作で高導電率の導電
性重合体を製造することができる。
火性の溶媒を使用することなく毒性の少ない塩化第二鉄
をドーパントとして非常に簡単な操作で高導電率の導電
性重合体を製造することができる。
【0019】
【実施例】以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体
的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるも
のではない。なお、実施例の説明に先立ち、実施例で用
いるポリシラン及びポリ(ジシラニレンフェニレン)の
製造方法について説明する。
的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるも
のではない。なお、実施例の説明に先立ち、実施例で用
いるポリシラン及びポリ(ジシラニレンフェニレン)の
製造方法について説明する。
【0020】[合成例]窒素気流下で金属ナトリウムに
トルエンに添加し、高速で撹拌しながら110℃に加熱
して分散させた。次いで、これを撹拌しながらジクロル
ジオルガノシラン又はビス(クロロジアルキルシリル)
ベンゼンをそれぞれゆっくり滴下した。これらの添加量
は金属ナトリウム2モルに対し、上記ケイ素化合物1〜
1.05モルとした。原料が消失するまで4時間撹拌し
て、反応を完結させ、放冷後、塩を瀘過し、濃縮して、
ポリシラン及びポリ(ジシラニレンフェニレン)をそれ
ぞれ得た。
トルエンに添加し、高速で撹拌しながら110℃に加熱
して分散させた。次いで、これを撹拌しながらジクロル
ジオルガノシラン又はビス(クロロジアルキルシリル)
ベンゼンをそれぞれゆっくり滴下した。これらの添加量
は金属ナトリウム2モルに対し、上記ケイ素化合物1〜
1.05モルとした。原料が消失するまで4時間撹拌し
て、反応を完結させ、放冷後、塩を瀘過し、濃縮して、
ポリシラン及びポリ(ジシラニレンフェニレン)をそれ
ぞれ得た。
【0021】[実施例1〜10]ケイ素含有高分子物質
(合成例で製造したポリシラン又はポリ(ジシラニレン
フェニレン))をテトラヒドロフラン(THF)に溶解
し、10%ポリマー溶液を得た。一方、ガラス板上に白
金蒸着により4端子部を形成して電極とし、このガラス
板上に上記ポリマー溶液をスピンコートし、圧力2mm
Hg、温度50℃で乾燥させ、厚さ1μmの薄膜を製造
し、導電率測定用サンプルを得た。
(合成例で製造したポリシラン又はポリ(ジシラニレン
フェニレン))をテトラヒドロフラン(THF)に溶解
し、10%ポリマー溶液を得た。一方、ガラス板上に白
金蒸着により4端子部を形成して電極とし、このガラス
板上に上記ポリマー溶液をスピンコートし、圧力2mm
Hg、温度50℃で乾燥させ、厚さ1μmの薄膜を製造
し、導電率測定用サンプルを得た。
【0022】次に、乾燥させた褐色ガラス瓶容器の底部
に固体の塩化第二鉄を入れ、上記薄膜をこのガラス瓶の
内部に取り付け、密閉した。このガラス瓶を真空ポンプ
に接続し、4mmHgまで減圧にした状態でガラス瓶底
部の塩化第二鉄をマントルヒーターで加熱した。この加
熱によってケイ素含有高分子薄膜は透明から黒茶色に変
化していき、同時に導電率が速やかに上昇していった。
最終的に導電率は一定に落ち着き、このとき導電率測定
用サンプルの温度は150℃にまで達していた。ここで
真空ポンプを停止し、加熱を止め、25℃まで放冷し、
導電率を測定した。結果を表1に示す。
に固体の塩化第二鉄を入れ、上記薄膜をこのガラス瓶の
内部に取り付け、密閉した。このガラス瓶を真空ポンプ
に接続し、4mmHgまで減圧にした状態でガラス瓶底
部の塩化第二鉄をマントルヒーターで加熱した。この加
熱によってケイ素含有高分子薄膜は透明から黒茶色に変
化していき、同時に導電率が速やかに上昇していった。
最終的に導電率は一定に落ち着き、このとき導電率測定
用サンプルの温度は150℃にまで達していた。ここで
真空ポンプを停止し、加熱を止め、25℃まで放冷し、
導電率を測定した。結果を表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】[比較例1,2]ケイ素含有高分子物質と
してカルバゾリルプロピル基を側鎖に持つポリシラン
(CZ)をTHFに溶解し、10%のTHF溶液とし
た。これに塩化第二鉄の10%THF溶液をケイ素含有
高分子物質が表2に示す割合となるように混合し、放置
した。その結果、混合してから約1時間経過後、この混
合物はゲル化してしまった。
してカルバゾリルプロピル基を側鎖に持つポリシラン
(CZ)をTHFに溶解し、10%のTHF溶液とし
た。これに塩化第二鉄の10%THF溶液をケイ素含有
高分子物質が表2に示す割合となるように混合し、放置
した。その結果、混合してから約1時間経過後、この混
合物はゲル化してしまった。
【0025】一方、ガラス板上に4端子部を白金蒸着に
より形成して電極とし、このガラス板上に、塩化第二鉄
の10%THF溶液と上記ケイ素含有高分子物質の10
%THF溶液とを混合後直ちにスピンコートし、圧力2
mmHg、温度50℃で乾燥させ、厚さ1.0μmの薄
膜を作製し、導電率測定用サンプルとした(比較例1,
2)。この導電率を測定した結果を表2に示す。なお、
表2には実施例6の結果を併記する。
より形成して電極とし、このガラス板上に、塩化第二鉄
の10%THF溶液と上記ケイ素含有高分子物質の10
%THF溶液とを混合後直ちにスピンコートし、圧力2
mmHg、温度50℃で乾燥させ、厚さ1.0μmの薄
膜を作製し、導電率測定用サンプルとした(比較例1,
2)。この導電率を測定した結果を表2に示す。なお、
表2には実施例6の結果を併記する。
【0026】
【表2】
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、賦形性に優れる高導電
性のフィルム又は塗膜を容易に得ることができ、これら
はバッテリー電極、太陽電池、電磁シールド用筺体など
を形成するための素材として有用であり、電気、電子、
通信分野などの分野で広範囲に亘って使用し得るもので
ある。
性のフィルム又は塗膜を容易に得ることができ、これら
はバッテリー電極、太陽電池、電磁シールド用筺体など
を形成するための素材として有用であり、電気、電子、
通信分野などの分野で広範囲に亘って使用し得るもので
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01B 1/06 H01B 1/06 Z H05K 9/00 H05K 9/00 X (72)発明者 田部井 栄一 神奈川県川崎市高津区坂戸3丁目2番1 号 信越化学工業株式会社 コーポレー トリサーチセンター内 (72)発明者 濱田 吉隆 神奈川県川崎市高津区坂戸3丁目2番1 号 信越化学工業株式会社 コーポレー トリサーチセンター内 (72)発明者 片山 誠司 神奈川県川崎市高津区坂戸3丁目2番1 号 信越化学工業株式会社 コーポレー トリサーチセンター内 (56)参考文献 特開 平3−222477(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 83/16 C08G 77/60 C09D 5/24 C09D 183/16
Claims (2)
- 【請求項1】 主鎖にSi−Si結合又はSi−Si結
合とC−C多重結合を有するケイ素含有高分子物質に塩
化第二鉄が気相ドーピングされたことを特徴とする導電
性重合体。 - 【請求項2】 主鎖にSi−Si結合又はSi−Si結
合とC−C多重結合を有するケイ素含有高分子物質に塩
化第二鉄を常圧又は減圧下で加温し、気相ドーピングす
ることを特徴とする導電性重合体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4492394A JP2950137B2 (ja) | 1993-02-18 | 1994-02-18 | 導電性重合体及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5-53043 | 1993-02-18 | ||
JP5304393 | 1993-02-18 | ||
JP4492394A JP2950137B2 (ja) | 1993-02-18 | 1994-02-18 | 導電性重合体及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06316672A JPH06316672A (ja) | 1994-11-15 |
JP2950137B2 true JP2950137B2 (ja) | 1999-09-20 |
Family
ID=26384890
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4492394A Expired - Fee Related JP2950137B2 (ja) | 1993-02-18 | 1994-02-18 | 導電性重合体及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2950137B2 (ja) |
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JP2007224080A (ja) * | 2006-02-21 | 2007-09-06 | Sony Corp | シリコン含有導電性高分子材料およびその製造方法ならびに導電性膜 |
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