JP5350602B2 - ポリシラン及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光電子材料、光学用部材などに有用なポリシラン、その製造方法、及びその硬化物、並びにポリシランを含む樹脂組成物及びその硬化物に関する。
ポリシランは、ケイ素−ケイ素結合を主鎖とする高分子化合物であり、耐熱性、高屈折率、光反応性、正孔輸送性、発光性、耐エッチング性、低誘電率などの様々な物性を有する材料である。ポリシランは、このような優れた物性を生かして、セラミックス前駆体、層間絶縁膜、光電子材料(例えば、フォトレジスト、有機感光体などの光電子写真材料、光導波路などの光伝送材料、光メモリなどの光記録材料、エレクトロルミネッセンス素子用材料など)などとして注目されている。
このような用途において、ポリシランは、通常、薄膜の形態で使用又は適用される場合が多い。薄膜の形成には、通常、溶媒(有機溶媒など)に対する溶解性が要求されるが、ポリシランの種類によっては溶媒に対する溶解性が十分でない場合があり、特に、構造に規則性のあるポリシラン(例えば、ホモポリマー)は、溶解する溶媒が限られているため、用途や使用範囲が限定されることがある。また、薄膜を硬化させるためには、熱硬化や光硬化する手法があるが、例えば、熱硬化させた場合、硬化後の薄膜が収縮する場合があり、封止材料などの用途においては、ポリシランの使用範囲が制限されることがある。また、通常の封止材料は、熱や青〜紫外光により劣化し、黄変や透明性の低下が起こる問題があるため、色純度が向上し、耐熱性・耐光性に優れた、より高屈折率の封止材料が望まれている。
そのため、ポリシランの封止材料用途としての適用範囲を広げるため、ポリシランと樹脂とを配合するなどして、優位な機能性(硬化性、高屈折率、高透明性など)を見出す試みがなされている。例えば、特開2002−122704号公報(特許文献1)には、ポリシランで構成された高屈折率薄膜が開示されている。この文献には、ポリシランにおいて、一般に、フェニル基を有することが屈折率向上の点で好ましいことが記載されており、実施例では、ポリシランとして、ポリメチルフェニルシラン、ポリフェニルシリン、及びフェニルシリン(0.7)メチルフェニルシラン(0.3)共重合体を使用している。また、この文献には、ポリシランと、エポキシ化合物などの熱硬化性樹脂とで高屈折率薄膜を形成してもよいことも記載されている。
また、特開2003−277474号公報(特許文献2)には、シラノール基を有するポリシラン化合物(A)と、エポキシ化合物(B)とを含有する難燃性エポキシ樹脂組成物が開示されている。この文献には、ポリシラン化合物(A)のシラノール基がエポキシ化合物(B)のエポキシ基と反応して共有結合を生成して硬化物となることが記載されている。また、この文献には、ポリシラン(A)として、アリール基を有する構造単位を有するポリシラン化合物が好ましいことが記載されており、実施例では、ポリフェニルシリン、メチルフェニルシラン−ジフェニルシラン共重合体を使用している。
しかし、これらの文献に記載された樹脂組成物では、硬化温度が240℃と高く、また、硬化に伴う収縮(硬化収縮)が生じやすい。また、硬化後の膜においても、膜強度が十分でない場合が多い。さらに、これらの文献に記載のポリシランには、金属成分が多く含まれている場合があり、用途によっては使用が制限される場合がある。
特開2002−122704号公報(請求項1、段落番号[0022]、実施例3〜8) 特開2003−277474号公報(請求項1、段落番号[0024]、[0057]、実施例1)
従って、本発明の目的は、高い硬化性を有する新規なポリシラン、その製造方法、及びその硬化物、並びに前記ポリシランを含む樹脂組成物及びその硬化物を提供することにある。
本発明の他の目的は、硬化剤を使用しなくても、単独で硬化可能なポリシラン、その製造方法およびその硬化物を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、金属含有量が少なくても硬化性に優れるポリシラン、その製造方法、及びその硬化物、並びに前記ポリシランを含む樹脂組成物及びその硬化物を提供することにある。
本発明の別の目的は、硬化に伴う収縮を抑制できるポリシラン、その製造方法、及びその硬化物、並びに前記ポリシランを含む樹脂組成物及びその硬化物を提供することにある。
本発明のさらに別の目的は、高い機能性(高屈折率、高透明性など)を有し、耐熱性に優れる新規なポリシラン、その製造方法、及びその硬化物、並びに前記ポリシランを含む樹脂組成物及びその硬化物を提供することにある。
本発明の他の目的は、低い温度でも硬化するポリシラン、その製造方法及びその硬化物を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂など)の硬化剤として有用なポリシラン、その製造方法、及びその硬化物、並びに前記ポリシランを含む樹脂組成物及びその硬化物を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、アリールシラン構造とアルキルシラン構造とを組み合わせて有する新規なポリシランは、硬化性に優れており、硬化剤の非存在下であっても単独で硬化可能であること、また、高い硬化性を有しているためか、硬化後の収縮を抑制できること、さらには、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂の硬化剤として用いると、熱硬化性樹脂の硬化性を向上できるとともに、優れた特性(高透明性、高屈折率など)を硬化物に付与できることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明のポリシランは、下記式(1a)で表される構造単位、及び下記式(1b)で表される構造単位を有する。
Figure 0005350602
(式中、R1aは置換基を有していてもよいアリール基を示し、R1bは置換基を有していてもよいアルキル基を示す。)
また、前記R1aがフェニル基であり、R1bがメチル基であってもよい。前記式(1a)で表される構造単位と式(1b)で表される構造単位との割合は、ポリシランを構成するケイ素原子換算(モル換算)で、前者/後者(モル比)=30/70〜60/40であってもよい。前記ポリシランは、水酸基当量が、300〜1000g/eqであってもよい。このようなポリシランは、溶媒に対する溶解性、及び樹脂に対する相溶性を向上できるとともに、架橋性(熱硬化性)に優れている。また、前記ポリシランは、金属成分の割合が、金属の重量換算で、ポリシラン全体に対して100ppm以下であってもよい。
本発明には、マグネシウム金属成分の存在下、式(1a)で表される構造単位に対応するトリハロシランと、式(1b)で表される構造単位に対応するトリハロシランとを反応させて前記ポリシランを製造する方法も含まれる。
本発明のポリシランは、自己架橋性を有している。そのため、本発明には、前記ポリシランが硬化した(詳細には硬化剤の非存在下で単独で硬化した)硬化物も含まれる。
本発明には、少なくとも前記ポリシランで構成された樹脂組成物(特に熱硬化性樹脂組成物)も含まれる。前記樹脂組成物は、前記ポリシランとエポキシ樹脂とで構成されていてもよい。このような樹脂組成物は、封止材(例えば、半導体又は電子材料用の封止材)であってもよい。また、本発明には、前記熱硬化性樹脂組成物が硬化した硬化物も含まれる。
本発明のポリシランは、アリールシラン構造及びアルキルシラン構造を有するポリシランであり、高い硬化性を有する。このような本発明のポリシランは、硬化剤を使用しなくても(さらにはエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂と組み合わせてなくても)、単独で硬化可能である。特に、本発明のポリシランは、従来のポリシランとは異なり、金属含有量が少なくても硬化性に優れている。そのため、本発明のポリシランは、電子材料(又は電気材料、例えば、半導体など)などを封止するための封止材などのような金属の存在を好まない用途においても好適に利用でき、有用性が高い。
また、本発明のポリシランは、硬化性に優れているためか、硬化に伴う収縮を抑制できる。このような硬化に伴う収縮を抑制できる(又は硬化収縮が小さい)理由は定かではないが、何らかの理由(シラノール基が高濃度で導入されているなど)により、架橋性又は硬化性が向上し、これに伴って硬化収縮性が小さくなるものと考えられる。
さらに、本発明のポリシランは、高い機能性(高屈折率、高透明性など)を有しており、耐熱性にも優れている。そのため、高い耐熱性を有する成形体(薄膜などを含む)を形成するのに有用である。
また、本発明のポリシラン(又はその樹脂組成物)は、硬化性が高いためか、低い温度(例えば、140〜170℃程度)でも硬化するため、封止材用途などにおいて極めて有用である。
本発明のポリシランは、前記のように自己架橋性を有しているとともに、熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂など)の硬化剤としても有用である。熱硬化性樹脂の硬化剤として用いると、熱硬化性樹脂の硬化性を向上でき、しかも前記のような優れた特性(高透明性、高い耐熱性など)を前記熱硬化性樹脂の硬化物に付与できる。また、このような硬化物の硬化収縮も同様に抑制できる。
[ポリシラン]
本発明のポリシランは、前記式(1a)で表される構造単位、及び前記式(1b)で表される構造単位を有する。
前記式(1a)において、R1aは置換基を有していてもよいアリール基である。前記アリール基としては、フェニル基、ナフチル基などのC6−10アリール基などが挙げられ、特に、フェニル基が好ましい。
前記アリール基が有していてもよい置換基は、特に制限されないが、例えば、炭化水素基(アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基、アラルキル基など)、アルコキシ基、シクロアルキルオキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、水酸基、アミノ基、シリル基、ハロゲン原子などが挙げられる。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基などのC1−20アルキル基、好ましくはC1−8アルキル基、さらに好ましくはC1−6アルキル基などが挙げられる。アルケニル基としては、ビニルなどのC2−14アルケニル基(好ましくはC2−10アルケニル基、さらに好ましくはC2−6アルケニル基)などが挙げられる。シクロアルキル基としては、シクロペンチル、シクロヘキシルなどのC5−10シクロアルキル基(好ましくはC5−8シクロアルキル基)などが挙げられる。シクロアルケニル基としては、シクロヘキセニルなどのC5−10シクロアルケニル基(好ましくはC5−8シクロアルケニル基)などが挙げられる。アリール基としては、前記例示のアリール基などが挙げられる。アラルキル基としては、ベンジルなどのC6−20アリール−C1−4アルキル基(好ましくはC6−10アリール−C1−2アルキル基)などが挙げられる。アルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、t−ブトキシなどのC1−10アルコキシ基(好ましくはC1−6アルコキシ基、さらに好ましくはC1−4アルコキシ基)が挙げられる。シクロアルキルオキシ基としては、シクロヘキシルオキシなどのC5−10シクロアルキルオキシ基(好ましくはC5−8シクロアルキルオキシ基)などが挙げられる。アリールオキシ基としては、フェノキシなどのC6−20アリールオキシ基(好ましくはC6−14アリールオキシ基、さらに好ましくはC6−10アリールオキシ基)などが挙げられる。アラルキルオキシ基としては、ベンジルオキシなどのC6−20アリール−C1−4アルキルオキシ基(好ましくはC6−10アリール−C1−2アルキルオキシ基)などが挙げられる。アミノ基としては、アミノ基(−NH)、置換アミノ基(前記アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アシル基などで置換されたN−モノ又はN,N−ジ置換アミノ基など)などが挙げられる。シリル基としては、シリル基、ジシラニル基、トリシラニル基などのSi1−10シラニル基(好ましくはSi1−6シラニル基)、置換シリル基(例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基などで置換された置換シリル基)などが挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。
これらのうち、アリール基の置換基は、アルキル基(好ましくはC1−6アルキル基)、アルコキシ基(好ましくはC1−6アルコキシ基)、アミノ基、シリル基などである場合が多い。前記アリール基の置換基は、互いに同一又は異なっていてもよい。また、前記アリール基の置換基は、同一のアリール基において、同一であってもよく、異なっていてもよい。
前記アリール基が有していてもよい置換基の置換位置は特に制限されない。また、前記アリール基が有していてもよい置換基の置換数は、アリール基の種類に応じて、0〜8の整数、好ましくは0〜2、さらに好ましくは0〜1(特に0)である。
本発明のポリシランは、前記式(1a)で表される構造単位を単独で又は二種以上組み合わせて有していてもよい。
また、前記式(1b)において、R1bは置換基を有していてもよいアルキル基である。アルキル基としては、前記例示のアルキル基(例えば、メチル基などのC1−4アルキル基)などが挙げられる。前記アルキル基が有していてもよい置換基は、前記例示の置換基(例えば、アリール基など)などが挙げられる。前記アルキル基が有していてもよい置換基の置換位置は、特に制限されない。これら置換基は、単独で又は二種以上組み合わせてもよい。前記アルキル基が有していてもよい置換基の置換数は、アルキル基の種類に応じて、0〜8の整数、好ましくは0〜2、さらに好ましくは0〜1(特に0)である。
本発明のポリシランは、前記式(1b)で表される構造単位を単独で又は二種以上組み合わせて有していてもよい。
本発明の好ましいポリシランとしては、式(1a)表される構造単位のR1aがC6−10アリール基であり、式(1b)で表される構造単位のR1bがC1−4アルキル基であるポリシランである。特に、式(1a)表される構造単位のR1aがフェニル基であり、式(1b)で表される構造単位のR1bがメチル基であるポリシランは、高透明性や高屈折率などの特性に優れているとともに、原料モノマーの入手が容易である。
前記式(1a)で表される構造単位と式(1b)で表される構造単位との割合は、ポリシランを構成するケイ素原子換算(モル換算)で、式(1a)で表される構造単位/式(1b)で表される構造単位(モル比)=5/95〜90/10程度の範囲から選択でき、例えば、10/90〜80/20(例えば、15/85〜75/25)、好ましくは20/80〜70/30(例えば、25/75〜65/35)、特に30/70〜60/40(例えば、35/65〜55/45)程度であってもよい。
なお、前記ポリシランは、本発明の効果を害しない範囲であれば、他の構造単位(すなわち、前記式(1a)で表される構造単位及び式(1b)で表される構造単位とは異なる構造単位)を有していてもよい。前記他の構造単位は、下記式(2)で表される構造単位、下記式(3)で表される構造単位、下記式(4)で表される構造単位などであってもよい。
Figure 0005350602
(式中、Rは、アルキル基及びアリール基を除く炭化水素基、水素原子又は水酸基を示し、R及びRは置換基を示す。)
前記他の構造単位の割合は、ポリシランを構成するケイ素原子換算(モル換算)で、式(1a)で表される構造単位及び式(1b)で表される構造単位の総量に対し、30モル%以下(例えば、0.1〜30モル%)、好ましくは20モル%以下(例えば、0.2〜20モル%)、さらに好ましくは10モル%以下(例えば、0.3〜10モル%程度)であってもよい。
代表的なポリシランとしては、例えば、アリールシラン−アルキルシラン共重合体(例えば、フェニルシラン−メチルシラン共重合体、フェニルシラン−エチルシラン共重合体、フェニルシラン−プロピルシラン共重合体、フェニルシラン−ブチルシラン共重合体、フェニルシラン−ペンチルシラン共重合体、フェニルシラン−へキシルシラン共重合体などのC6−10アリールシラン−C1−6アルキルシラン共重合体)などが挙げられる。
これらのポリシランは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのポリシランのうち、フェニルシラン−メチルシラン共重合体などのC6−10アリールシラン−C1−4アルキルシラン共重合体などが好ましい。
前記ポリシラン(式(1a)で表される構造単位と式(1b)で表される構造単位とを有するポリシラン)の形態は、特に制限されず、ランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体、くし型コポリマーなどであってもよい。
前記ポリシランの末端基(末端置換基)は、通常、水素原子、水酸基、ハロゲン原子(塩素原子など)などであってもよいが、水酸基が好ましい。特に、末端ケイ素原子に水酸基が直接結合したポリシラン(すなわち、末端にシラノール基を有するポリシラン)が好ましい。このようなポリシランは、溶媒に対する溶解性、及び他の樹脂に対する相溶性を向上できるとともに、架橋性(熱硬化性)に優れる。そのため、このようなポリシランは、硬化物の強度を向上でき、耐久性に優れた硬化物が得られる。
前記ポリシランの平均重合度(例えば、数平均重合度)は、例えば、5〜400、好ましくは10〜350、さらに好ましくは20〜300程度であってもよい。
また、前記ポリシランの分子量は、重量平均分子量で200〜100,000、好ましくは500〜50,000、さらに好ましくは800〜30,000程度であってもよく、通常1,000〜20,000(例えば、1,500〜15,000)程度であってもよい。前記ポリシランは、通常、分岐鎖状ポリシラン、網目状ポリシランなどであってもよい。なお、前記ポリシランは、環状構造を有するポリシランであってもよいが、通常、非環状ポリシランであってもよい。
前記ポリシランの水酸基当量は、比較的多く、例えば、300〜1000g/eq、好ましくは500〜900g/eq、さらに好ましくは600〜800g/eq程度であってもよい。本発明のポリシランは、詳細については明らかでないが、水酸基を多く有する構造を形成しているようである。前記ポリシランは、水酸基を多く含み、架橋点が多く形成されるためか、高い硬化性を有する。なお、従来のポリシラン、例えば、ポリフェニルシランの水酸基当量は、1200g/eq程度であり、フェニルシラン−メチルフェニルシラン共重合体の水酸基当量は、1500g/eq程度である。
なお、本発明者らは、通常、慣用のポリシラン(例えば、後述の方法により得られる汎用のポリシランなど)には、金属成分(鉄、亜鉛など)が含まれていることを見出している。そして、このような金属成分は、原料モノマー(後述のトリハロシラン類など)や触媒成分(後述の金属ハロゲン化物など)由来の金属成分が重合過程においてポリシランに取り込まれること、また、このような金属成分が取り込まれる程度は、ポリシランの構造によって異なり、特に、トリハロシラン類を重合して得られるポリシラン(ポリフェニルシランなど)のような分岐状ポリシランに多く含まれていること、さらには、このような金属成分がポリシランの硬化性に関与していることも見出している。
一方、このような金属成分は、硬化性を向上させる点では有利であるが、用途(半導体封止剤など)によっては、極力低減することが好ましい場合がある。このような観点から、本発明者らは、金属成分を含むポリシランから、特殊な方法(金属成分を含むポリシランと、含まれる金属成分よりもイオン化傾向において低い金属化合物とを接触させる方法など)により、金属成分を除去する方法も見出している。しかし、ポリシラン中の金属成分の含有量を減らすと、硬化性が低下してしまうといった問題点があった。
これに対して、本発明のポリシランは、理由は定かではないが、分岐状であるにもかかわらず、金属成分の含有量が少ない場合であっても、硬化性に優れており、優れた硬化性と金属成分の低減とを両立できる。なお、本発明のポリシランは、分岐状ポリシランであるが、慣用の分岐状ポリシラン(ポリフェニルシランなど)に比べて、金属成分が含有されにくく、また、含有されていても、特殊な方法によらず、簡単な方法(例えば、単純な洗浄などの後述の方法など)により除去できるようである。
本発明のポリシランが金属成分を含む場合、金層成分を構成する金属は、特に限定されず、種々の金属原子(又は金属イオン)、例えば、アルカリ又はアルカリ土類金属(例えば、ナトリウム、マグネシウムなど)、遷移金属(例えば、サマリウム、スカンジウムなどの周期表第3族金属;チタン、ジルコニウム、ハフニウムなどの周期表第4族金属;バナジウム、ニオブなどの周期表第5族金属;モリブデン、タングステンなどの周期表第6族金属;マンガンなどの周期表第7族金属;鉄、ニッケル、コバルト、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金などの周期表第8〜10族金属;銅、銀、金などの周期表第11族金属など)、周期表第12族金属(例えば、亜鉛、カドミウム、水銀など)、周期表第13族金属(例えば、アルミニウム、ガリウム、インジウムなど)、周期表第14族金属(例えば、ゲルマニウム、スズ、鉛など)、周期表15族金属(例えば、アンチモン、ビスマスなど)などが挙げられる。前記金属成分を構成する金属は、単独で又は二種以上組み合わせてポリシランに含まれていてもよい。
前記金属成分を構成する金属のうち、周期表第3〜14族金属[例えば、周期表第4族金属(特に、Ti)、周期表第8〜10族金属(特に、鉄、ニッケル、コバルト、ロジウム、パラジウム)、周期表第12族金属(特に、亜鉛)、周期表第13族金属(特に、アルミニウム)、周期表第14族金属(特に、鉛、スズなど)など、特に鉄、亜鉛、アルミニウム、鉛など]は、ポリシランに含まれている場合が多い。特に、前記金属成分を構成する金属のうち、周期表第8属金属(鉄など)、周期表第12族金属(亜鉛など)などの金属は、ポリシランに含まれている場合が多い。
前記金属成分を構成する金属の含有形態は、特に限定されず、例えば、ポリシランのポリマー構造に金属化合物などの形態で含有されていてもよく、ポリシランの構成原子(例えば、ケイ素原子など)に対する配位などによりポリシランに結合していてもよい。
なお、金属成分を構成する金属は、ポリシランを合成する過程において、前記のように、反応系に存在する場合が多いようである。
前記のように、本発明のポリシランに含まれる金属成分は非常に少ない。例えば、本発明のポリシランに含まれる前記金属成分の割合は、金属の重量換算で、ポリシラン全体に対して500ppm以下(例えば、0〜300ppm程度)の範囲から選択でき、例えば、200ppm以下(例えば、0.01〜180ppm)、好ましくは100ppm以下(例えば、0.1〜80ppm)、さらに好ましくは50ppm以下(例えば、1〜40ppm)であってもよい。
[ポリシランの製造方法]
なお、ポリシランは、公知の方法を応用して製造してもよい。ポリシランの製造方法としては、ヒドロシラン類を遷移金属錯体触媒により脱水素縮重合させる方法(特公平7−17753号公報);マグネシウムを還元剤としてハロシラン類を脱ハロゲン縮重合させる方法(いわゆる「マグネシウム還元法」、例えば、WO98/29476号公報、特開2003−277507号公報、特開2005−36139号公報に記載の方法など)などが挙げられる。特に、マグネシウム還元法では、汎用の化学合成装置により安定で安価な原料を用いて合成でき、安全性、コスト面で優位性があり、ポリシランが高収率で得られる。
そのため、ポリシランは、マグネシウム還元法を好適に利用して製造してもよい。このようなマグネシウム還元法では、少なくともマグネシウム金属成分の存在下で、ハロシラン類を重合させることによりポリシランを合成できる。なお、後述するように、マグネシウム還元法では、より効率よく高性能のポリシランを得るため、触媒として、マグネシウム金属成分と他の金属成分[例えば、リチウム化合物、リチウム化合物(リチウムハロゲン化物、ハロゲン化リチウム)ではないハロゲン化物]とを併用する場合が多い。
代表的には、本発明のポリシランは、式(1a)で表される構造単位に対応するトリハロシラン類と、式(1b)で表される構造単位に対応するトリハロシラン類とを反応させて製造できる。反応は、通常、マグネシウム金属成分の存在下で行ってもよい。式(1a)で表される構造単位に対応するトリハロシラン類、及び式(1b)で表される構造単位に対応するトリハロシラン類としては、それぞれ、下記式(5a)で表されるトリハロシラン類又はその多量体(例えば、2〜5量体)、及び下記式(5b)で表されるトリハロシラン類又はその多量体(例えば、2〜5量体)が挙げられる。
Figure 0005350602
(式中、X〜Xは、ハロゲン原子を示し、R1a及びR1bは、前記と同じ。)
上記式(5a)及び(5b)において、X〜Xで表されるハロゲン原子(塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子など)としては、塩素原子及び臭素原子(特に塩素原子)が好ましく、同一又は異なるハロゲン原子であってもよい。
また、式(5a)で表される構造単位と式(5b)で表される構造単位との割合は、ケイ素原子換算(モル換算)で、式(5a)で表されるトリハロシラン類/式(5b)で表されるトリハロシラン類(モル比)=5/95〜90/10程度の範囲から選択でき、例えば、10/90〜80/20(例えば、15/85〜75/25)、好ましくは20/80〜70/30(例えば、25/75〜65/35)、特に30/70〜60/40(例えば、35/65〜55/45)程度であってもよい。
代表的な式(5a)で表されるトリハロシラン類としては、アリールトリハロシラン(例えば、フェニルトリクロロシランなどのC6−10アリールトリハロシラン)などが挙げられる。また、式(5b)で表されるトリハロシラン類としては、アルキルトリハロシラン(例えば、メチルトリクロロシランなどのC1−4アルキルトリハロシラン)などが挙げられる。
なお、他の構造単位を有する前記ポリシランは、前記製造方法において、式(5a)で表されるトリハロシラン類及び式(5b)で表されるトリハロシラン類に加えて、他のハロシラン類(すなわち、前記式(5a)で表されるハロシラン類及び前記式(5b)で表されるハロシラン類とは異なるハロシラン類)を用いることにより製造できる。前記他のハロシラン類は、前記式(2)で表される構造単位に対応するハロシラン類、前記式(3)で表される構造単位に対応するハロシラン類、前記式(4)で表される構造単位に対応するハロシラン類などであってもよい。
なお、ハロシラン類は、できるだけ高純度であるのが好ましい。例えば、液体のハロシラン類については、水素化カルシウムなどの乾燥剤を用いて乾燥し、蒸留して使用するのが好ましく、固体のハロシラン類については、再結晶法などにより、精製して使用するのが好ましい。
また、ハロシラン類の反応は、通常、反応に不活性な溶媒の存在下で行われる。溶媒としては、非プロトン性溶媒(不活性溶媒)が使用でき、例えば、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、イソブチルメチルケトンなどのジアルキルケトンなど)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチルなど)、エーテル類(1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピランなどの環状C4−6エーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテルなどの鎖状C4−6エーテル)、カーボネート類(エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなど)、ニトリル類(アセトニトリル、ベンゾニトリルなど)、アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシドなど)、ハロゲン化炭化水素(塩化メチレン、クロロホルム、ブロモホルム、クロロベンゼン、ブロモベンゼンなど)、芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエン、キシレンなど)、脂肪族炭化水素類(ヘキサン、シクロヘキサン、オクタンなどの鎖状又は環状炭化水素類など)などが挙げられる。これらの溶媒は、単独で又は二種以上組み合わせて混合溶媒として使用してもよい。溶媒としては、極性溶媒単独(テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタンなど)、二種以上の極性溶媒の混合溶媒、極性溶媒と非極性溶媒との混合溶媒などが好ましい。極性溶媒と非極性溶媒との混合溶媒を使用する場合、非極性溶媒の割合は、極性溶媒1重量部に対して、0.001〜50重量部、好ましくは0.005〜30重量部、さらに好ましくは0.01〜20重量部(例えば、0.1〜15重量部)程度であってもよい。
溶媒(反応液)中のハロシラン類の濃度は、通常、20モル/L以下(例えば、0.05〜20モル/L)、好ましくは10モル/L以下(例えば、0.2〜10モル/L)、特に5モル/L以下(例えば、0.3〜5モル/L)程度である。
(マグネシウム金属成分)
前記ハロシラン類の反応は、通常、マグネシウム金属成分の存在下で好適に行うことができ、マグネシウム金属成分を作用させることにより、ポリシランを効率よく生成できる。
マグネシウム金属成分は、少なくともマグネシウムが含まれていればよく、マグネシウム金属単体又はマグネシウム系合金、あるいは前記マグネシウム金属又は合金を含む混合物などであってもよい。マグネシウム合金の種類は特に制限されず、慣用のマグネシウム合金、例えば、アルミニウム、亜鉛、希土類元素(スカンジウム、イットリウムなど)などの成分を含むマグネシウム合金が例示できる。これらのマグネシウム金属成分は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
マグネシウム金属成分の形状は、ハロシラン化合物の反応を損なわない限り特に限定されないが、粉粒状(粉体、粒状体など)、リボン状体、切削片状体、塊状体、棒状体、板状体(平板状など)などが例示され、特に表面積の大きい形状(粉体、粒状体、リボン状体、切削片状体など)であるのが好ましい。マグネシウム金属成分が粉粒状の場合、平均粒径は、1〜10000μm、好ましくは10〜5000μm、さらに好ましくは20〜1000μm程度である。
なお、マグネシウム金属成分の保存状況などによっては、金属表面に被膜(酸化被膜など)が形成されることがある。この被膜は反応に悪影響を及ぼすことがあるので、必要に応じて、切削や溶出(塩酸洗浄などの酸洗)などの適当な方法によって除去してもよい。
マグネシウム金属成分の使用量は、通常、ハロシラン類のハロゲン原子に対して、マグネシウム換算で、1〜20当量であり、好ましくは1.1〜14当量、さらに好ましくは1.2〜10当量(例えば、1.2〜5当量)程度である。また、マグネシウム金属成分の使用量は、通常、ハロシラン化合物に対してモル数でマグネシウムとして1〜20倍であり、好ましくは1.1〜14倍であり、より好ましくは1.2〜10倍(例えば、1.2〜5倍)程度である。
マグネシウム金属成分は、前記ハロシラン類を還元して、ポリシランを形成させるとともに、マグネシウム自身は酸化されてハロゲン化物を形成する。
反応は、少なくとも前記マグネシウム金属成分の存在下で行えばよいが、ハロシランの重合を促進するため、リチウム化合物及び金属ハロゲン化物から選択された少なくとも一種(促進剤又は触媒)の共存下、特に、マグネシウム金属成分及び金属ハロゲン化物の存存下で行うのが有利である。
(リチウム化合物)
リチウム化合物としては、ハロゲン化リチウム(塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウムなど)、無機酸塩(硝酸リチウム、炭酸リチウム、炭酸水素リチウム、塩酸リチウム、硫酸リチウム、過塩素酸リチウム、リン酸リチウムなど)などが使用できる。これらのリチウム化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。好ましいリチウム化合物は、ハロゲン化リチウム(特に塩化リチウム)である。
溶媒(反応液)中のリチウム化合物の濃度は、通常、0.05〜5モル/L、好ましくは0.1〜4モル/L、特に0.15〜3モル/L程度である。
リチウム化合物の割合は、ハロシラン類の総量100重量部に対して、0.1〜200重量部、好ましくは1〜150重量部、さらに好ましくは5〜100重量部(例えば、5〜75重量部)程度であり、通常、10〜80重量部程度である。
(金属ハロゲン化物)
金属ハロゲン化物(リチウムハロゲン化物を除く金属ハロゲン化物)としては、多価金属ハロゲン化物、例えば、遷移金属(例えば、サマリウムなどの周期表3A族元素、チタンなどの周期表4A族元素、バナジウムなどの周期表5A族元素、鉄、ニッケル、コバルト、パラジウムなどの周期表8族元素、銅などの周期表1B族元素、亜鉛などの周期表2B族元素など)、周期表3B族金属(アルミニウムなど)、周期表4B族金属(スズなど)などの金属のハロゲン化物(塩化物、臭化物又はヨウ化物など)が挙げられる。金属ハロゲン化物を構成する前記金属の価数は、特に制限されないが、好ましくは2〜4価、特に2又は3価である。これらの金属ハロゲン化物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
金属ハロゲン化物としては、鉄、アルミニウム、亜鉛、銅、スズ、ニッケル、コバルト、バナジウム、チタン、パラジウム、サマリウムなどから選択された少なくとも一種の金属の塩化物又は臭化物が好ましい。
このような金属ハロゲン化物としては、例えば、塩化物(FeCl、FeClなどの塩化鉄;AlCl、ZnCl、SnCl、CoCl、VCl、TiCl、PdCl、SmClなど)、臭化物(FeBr、FeBrなどの臭化鉄など)、ヨウ化物(SmIなど)などが例示できる。これらの金属ハロゲン化物のうち、塩化物(例えば、塩化鉄(II)、塩化鉄(III)などの塩化鉄、塩化亜鉛など)及び臭化物が好ましい。通常、塩化鉄及び/又は塩化亜鉛、特に塩化亜鉛などが使用される。
溶媒中の金属ハロゲン化物の濃度は、通常、0.001〜6モル/L程度であり、好ましくは0.005〜4モル/L程度であり、より好ましくは0.01〜3モル/L程度である。
金属ハロゲン化物の割合は、前記ハロシラン類の総量100重量部に対して、0.1〜50重量部、好ましくは1〜30重量部、さらに好ましくは2〜20重量部程度であってもよい。
なお、前記のようにポリシランは、通常、比較的大きな水酸基当量で水酸基を有している。このような水酸基は、合成過程中で、水素原子やハロゲン原子などが何らかの反応により置換して生成したものであってもよい。特に生成したポリシランを水で処理すると、簡便に水素原子やハロゲン原子をヒドロキシル基に置換(又は変換)することができる。
反応時間は、ハロシラン類、金属ハロゲン化物及びマグネシウム金属成分の量などに異なるが、5分以上であり、通常、30分〜100時間程度である。反応時間を調整することにより、ポリシランの分子量制御が可能となる。
反応温度は、通常、−20℃から使用する溶媒の沸点までの温度範囲内にあり、好まし<は0〜70℃、さらに好ましくは10〜50℃程度の範囲内にある。なお、得られたポリシランは、再沈法、抽出法などの慣用の方法により精製してもよい。本発明では、前記のように、単純な精製であっても、金属成分の含有量が小さいポリシランが得られる。
[ポリシランの用途]
本発明のポリシランは、架橋性を有するシラノール基を多く有しているためか、自己架橋性を有している。このため、本発明のポリシランは、単独で熱硬化性樹脂として使用できる。
また、本発明のポリシランは、樹脂組成物を構成することもできる。例えば、前記ポリシランと、硬化剤(硬化促進剤、又は硬化触媒)(例えば、後述する硬化剤など)などとで樹脂組成物(熱硬化性樹脂組成物)を構成してもよい。
さらに、本発明のポリシランは、優れた特性(硬化性が高い、硬化後の収縮が無い、高屈折率、高透過率などの特性)を有しているため、樹脂(本発明のポリシランを除く樹脂)と組み合わせることにより、樹脂の特性を向上できる。すなわち、前記樹脂組成物は、ポリシランと樹脂とで構成してもよい。
前記樹脂としては、特に制限されず、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂[オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリスルホン系樹脂など]であってもよく、通常、熱硬化性樹脂(又は光硬化性樹脂)であってもよい。
前記ポリシランと熱硬化性樹脂とで熱硬化性樹脂組成物を構成するのが好ましい。特に、前記ポリシランは、熱硬化性樹脂の種類によっては、熱硬化性樹脂(例えば、エポキシ樹脂)の硬化剤として作用してもよい。以下、樹脂組成物(熱硬化性樹脂組成物)における「熱硬化性樹脂」を単に「樹脂」と記載する場合がある。
熱硬化性樹脂としては、フェノール系樹脂、アミノ系樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、(イソ)シアネート系樹脂(ポリウレタン樹脂など)、ポリイミド系樹脂(例えば、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミドなど)、マレイミド系樹脂(ビスマレイミドなど)、ビニル基含有オリゴマー(ジアリルフタレートなど)、(メタ)アクリロイル基含有オリゴマー(エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレートなど)などが挙げられる。これらの熱硬化性樹脂は、特に、硬化後に透明性を有する樹脂であってもよい。これらの樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用してもよい。
前記例示の樹脂のうち、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂(側鎖に水酸基を有するアクリル系樹脂など)、(イソ)シアネート系樹脂、フェノール系樹脂、アミノ系樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂などの熱硬化性樹脂などを使用する場合が多く、特に、エポキシ系樹脂などが好ましい。これらの熱硬化性樹脂においては、前記ポリシランが硬化剤として作用するようである。
エポキシ系樹脂としては、例えば、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂[エピ・ビス型エポキシ樹脂(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂)、ノボラック型エポキシ樹脂(フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型など)、臭素化エポキシ樹脂、グリコール型エポキシ樹脂など];グリシジルエステル型エポキシ樹脂[フタル酸型エポキシ樹脂(テトラヒドロフタル酸型エポキシ樹脂、ヘキサヒドロフタル酸型エポキシ樹脂などのジ乃至ヘキサヒドロフタル酸型エポキシ樹脂など)など]、安息香酸型エポキシ樹脂、過酢酸酸化型エポキシ樹脂、含窒素型エポキシ樹脂、含ケイ素型エポキシ樹脂、含フルオレン型エポキシ樹脂[9,9−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)フルオレン;9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3,5−ジメチルフェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(モノ又はジC1−4アルキル−グリシジルオキシフェニル)フルオレンなど]、これらのエポキシ樹脂の(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂などが挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用してもよい。これらのエポキシ樹脂の詳細については、特開2002−122704号公報などを参照できる。これらのエポキシ樹脂のうち、ノボラック型エポキシ樹脂(特に、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂)などが好ましい。また、前記エポキシ樹脂の構造は、特に制限されず、直鎖状、分岐状、環状などであってもよい。
前記樹脂組成物において、ポリシランの割合は、樹脂100重量部に対して、例えば、1〜1000重量部、好ましくは5〜500重量部(例えば、10〜400重量部)、さらに好ましくは20〜300重量部(例えば、30〜200重量部)、特に50〜150重量部程度であってもよい。
また、前記樹脂組成物(熱硬化性樹脂組成物)において、熱硬化性樹脂(特にエポキシ樹脂など)とポリシランとの割合は、樹脂の官能基当量(例えば、樹脂がエポキシ樹脂の場合は、エポキシ当量)1当量に対し、ポリシランの水酸基当量が0.1〜4当量、好ましくは0.3〜2当量、さらに好ましくは0.5〜1.5当量程度となる割合であってもよい。
前記熱硬化性樹脂組成物(樹脂成分としてポリシランのみを含む樹脂組成物、又は熱硬化性樹脂とポリシランとを含む樹脂組成物)は、硬化剤(硬化促進剤又は硬化触媒)を含んでいてもよい。硬化剤としては、特に制限されず、熱硬化性樹脂の種類などに応じて適宜選択できる。硬化剤としては、例えば、第1級アミン{例えば、鎖状脂肪族ポリアミン(エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなど)などの鎖状脂肪族アミン、環状脂肪族アミン[メンセンジアミン、イソホロンジアミン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロへキシル)メタン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5.5)ウンデカンなどの単環式脂肪族ポリアミン、ノルボルナンジアミンなどの架橋環式ポリアミンなど]、芳香脂肪族ポリアミン(キシリレンジアミンなど)、芳香族アミン(メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタンなど)、ポリアミノアミド系硬化剤など}、第3級アミン[トリエチルアミン、ベンジルメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−1など]などのアミン系硬化剤;イミダゾール類(2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾールなどのアルキルイミダゾール;2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾールなどのアリールイミダゾールなど)及びその誘導体(フェノール塩、フェノールノボラック塩、炭酸塩、ギ酸塩などの有機又は無機酸塩など);酸無水物系硬化剤[脂肪族系酸無水物(ドデセニル無水フタル酸、ポリアジピン酸無水物など)、脂環族系酸無水物(テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水メチルハイミック酸、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物など)など];アルカリ金属又はアルカリ土類金属アルコキシド、ホスフィン類(トリフェニルホスフィンなど)、アミド化合物(ダイマー酸ポリアミドなど)、ルイス酸錯体化合物(3フッ化ホウ素・エチルアミン錯体など)、硫黄化合物[ポリサルファイド、メルカプタン化合物(チオール化合物)、芳香族スルホニウム塩などのスルホニウム塩など]、ホウ素化合物(フェニルジクロロボランなど)、縮合性有機金属化合物(有機チタン化合物、有機アルミニウム化合物など);フェノール樹脂系硬化剤(フェノールノボラック、クレゾールノボラックなどのノボラック樹脂など)などが挙げられる。これらの硬化剤は、熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を使用する場合などにおいて有効である。また、これらの硬化剤(例えば、イミダゾール類、ホスフィン類など)は、前記ポリシランの硬化剤(又は硬化促進剤)としても使用できる。
これらの硬化剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用してもよい。
硬化剤の割合(添加量)は、前記ポリシラン100重量部に対して、0.01〜40重量部、好ましくは0.05〜30重量部、さらに好ましくは0.1〜20重量部程度であってもよい。また、ポリシランを樹脂成分とする樹脂組成物の場合、硬化剤とポリシランとの割合は、ポリシランの水酸基当量1当量に対し、前記硬化剤の官能基当量が0.1〜4当量、好ましくは0.3〜2当量、さらに好ましくは0.5〜1.5当量程度となる割合であってもよい。さらに、熱硬化性樹脂組成物が樹脂とポリシランとで構成されている場合、硬化剤成分(ポリシラン及び硬化剤の総量)と樹脂(特にエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂)との割合は、樹脂の官能基当量(例えば、樹脂がエポキシ樹脂の場合は、エポキシ当量)1当量に対し、前記硬化剤成分の官能基当量が0.1〜4当量、好ましくは0.3〜2当量、さらに好ましくは0.5〜1.5当量程度であってもよい。
なお、前記硬化剤の割合(添加量)は、前記樹脂100重量部に対して、0.01〜30重量部、好ましくは0.05〜20重量部、さらに好ましくは0.1〜10重量部程度であってもよい。
前記樹脂組成物は、用途に応じて種々の添加剤、例えば、充填剤、強化剤、可塑剤、重合開始剤、触媒、安定剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤など)、離型剤、帯電防止剤、消泡剤、分散剤、レベリング剤、流動調整剤などを含んでいてもよい。
本発明には、前記ポリシラン又は前記樹脂組成物の成形体も含まれる。なお、このような成形体は、ポリシランや熱硬化性樹脂を熱硬化性成分とする場合には、前記樹脂組成物(熱硬化性樹脂組成物)の硬化物(又は成形体)である。以下、代表的な成形体として、前記ポリシラン又は前記樹脂組成物の硬化物について詳述する。硬化物としては、フィルム(又は薄膜)、所定の形状に成形した成形体などが挙げられる。
薄膜(フィルム状硬化物、フィルム状成形体)は、例えば、前記ポリシラン又は前記樹脂組成物を含むコーティング剤を基板上に塗布し、硬化させることにより形成できる。コーティング剤は、ポリシラン又は樹脂組成物の構成成分(熱硬化性樹脂、硬化剤など)が液状である場合には、溶媒を含んでいなくてもよいが、通常溶媒を含んでいてもよい。なお、コーティング剤は、各成分(ポリシラン、樹脂、硬化剤、硬化促進剤、添加剤など)を溶媒に分散(通常、均一分散)させて調製してもよい。
前記溶媒は、例えば、エーテル系溶媒(1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシエタンなどの環状又は鎖状C4−6エーテル)、ケトン系溶媒(アセトン、メチルエチルケトンなどのC3−6ジアルキルケトン、シクロヘキサノンなど)、エステル系溶媒(ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸エチル、乳酸エチル、乳酸ブチルなどのカルボン酸C1−4アルキルエステルなど)、炭化水素系溶媒[脂肪族炭化水素類(ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなど)、脂環式炭化水素類(シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなど)、芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなど)、セロソルブアセテート類(エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセテートなど)など]などを挙げられる。これらの溶媒は、単独で又は二種以上組み合わせて混合溶媒として使用してもよい。
前記溶媒の割合は、固形分(少なくともポリシラン)1重量部に対して、0.1〜100重量部(例えば、0.5〜90重量部)、好ましくは1〜70重量部、さらに好ましくは3〜50重量部、特に5〜20重量部程度であってもよい。
このようなコーティング剤(又は塗布液)は、慣用のコーティング法、例えば、スピンコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、キャスト法、バーコート法、カーテンコート法、ロールコート法、グラビアコート法などにより、基板上に塗布することができる。
前記基板は、用途に応じて選択でき、セラミックス(ガラス、アルミナ、シリカなど)、金属(ステンレス、アルミニウムなど)、プラスチック類、紙類などで構成されたシートを用いることができる。
なお、必要に応じて、コーティング剤を塗布した後、基板(又はコーティング剤)を乾燥処理してもよい。乾燥処理は、自然乾燥でもよいが、必要により、乾燥機(熱風乾燥機など)などを使用して乾燥してもよい。加熱する場合の温度は、用いる溶媒の種類に応じて適宜選択でき、例えば、50〜120℃、好ましくは60〜100℃程度であってもよい。乾燥時間は、例えば、2秒〜30分、好ましくは10秒〜20分、さらに好ましくは30秒〜10分程度であってもよい。なお、乾燥処理は、常圧下、加圧下、減圧下などで行ってもよい。
コーティング剤の塗布後(又は塗布および乾燥後)、通常、前記ポリシラン又は樹脂組成物を硬化させるために、基板(コーティング剤が塗布された基板)の加熱処理を行ってもよい。加熱処理における加熱温度は、50〜500℃、好ましくは80〜450℃、さらに好ましくは100〜400℃程度であってもよい。なお、加熱処理における加熱時間は、1分間〜48時間、好ましくは3分間〜24時間、さらに好ましくは5分間〜18時間程度であってもよい。加熱処理は、複数の工程に分割して行ってもよく、昇温工程、恒温工程(又は一定温度に保持する工程)、降温工程などを組み合わせて行ってもよい。昇温及び降温の速度は特に制限されないが、0.1℃/分〜50℃/秒、好ましくは10℃/分〜40℃/秒、さらに好ましくは20℃/分〜30℃/秒程度であってもよい。なお、前記乾燥処理及び加熱処理を行う場合、乾燥処理と加熱処理とは順次行ってもよく、一括して行ってもよい。
また、前記成形体は、前記ポリシラン又は前記樹脂組成物を慣用の方法で硬化させつつ成形することにより得ることができる。成形方法としては、例えば、注型、圧縮成形、射出成形などの慣用の成形方法が利用できる。
本発明のポリシランは、優れた特性(高透明性、耐熱性、硬化後の収縮を抑制できる、高屈折率などの特性)を有している。本発明のポリシランは、溶媒に対する溶解性も高いため、ポリシラン及び少なくともポリシランを含む樹脂組成物は、塗布液(コーティング剤)などに好適に利用できる。このような塗布液は、薄膜(特に、高透明性薄膜)などに好適に利用できる。また、前記ポリシランは、優れた熱硬化性を有しているため、ポリシラン単独でも樹脂として用いることもできる。本発明のポリシランは、樹脂に対する相溶性も高いため、樹脂に添加するための添加剤(難燃剤、硬化剤など)としても有用である。特に、本発明のポリシランは、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂の硬化剤として有用である。
ポリシラン及び少なくともポリシランを含む樹脂組成物は、種々の用途、例えば、セラミックス前駆体、光学用部材(光学フィルタ、ミラー、レンズ、遮光膜、回折素子、偏光ビームスプリッタ、マイクロレンズなど)などに利用できる。さらに、本発明のポリシランは、光電子材料(液晶ディスプレイ、高密度光ディスクなどを封止するための透明封止材;フォトレジスト、有機感光体などの光写真材料;光メモリなどの光記録材料;エレクトロルミネッセンス素子用材料など);各種電子機器又は機械部品(例えば、航空機用コネクタ、自動車エンジン部品、電子部品、プリント配線基板、電子機器の保護膜、電子材料封止材(半導体封止材など)、純粋製造器部品など)などに好適に使用できる。特に、本発明のポリシランは、前記のように金属成分の含有量が少ないにもかかわらず、硬化性に優れているため、金属成分の存在を極力低減することが必要な用途、例えば、半導体用封止剤において極めて有用である。このような封止剤は、前記ポリシランで構成してもよく、通常、前記ポリシランと熱硬化性樹脂(特にエポキシ樹脂)とで構成された樹脂組成物であってもよい。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
得られたポリシラン及び薄膜の特性は、以下の方法により測定又は評価した。
(分子量測定)
実施例で得られたポリシランについて、高速GPCシステム(東ソー(株)製、HLC−8220)を用い、示差屈折計での検出により分子量を測定した。
(金属含有量測定)
実施例で得られたポリシランについて、波長分散型蛍光X線分析装置(理学電機工業(株)製、RIX3000)を用い、CuやZnなどの金属含有量を測定した。
(水酸基当量測定方法)
実施例で得られたポリシランについて、水分自動測定装置(水沼産業(株)製、AQV−200)を用い、カール・フィッシャー法にて水酸基当量を測定した。
(硬化後残膜率)
薄膜の膜厚を測定し、硬化後残膜率を下記式により算出した。
硬化後残膜率(%)=ポストベーク後の膜厚÷プリベーク後の膜厚×100
なお、硬化後残膜率が高いほど、硬化収縮が小さいことを示す。
(透過率)
分光光度計U−3010((株)日立ハイテクノロジーズ製、U−3010)を用いて、波長400nmにおける薄膜の透過率を測定した。
(屈折率)
光学式膜圧計(大塚電子(株)製、MCPD−3000)を用い、588.11nmにおける薄膜の屈折率を測定した。
(外観特性)
薄膜の外観を観察し、以下の基準で評価した。
○…ムラがなく均一な膜が形成されている
△…ムラがある
×…クラックが生じている。
(硬化性)
薄膜をプロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセテート(東京化成工業(株)製、PGMEA)に浸した綿棒で100回擦り、薄膜の状態を観察し、以下の基準で評価して薄膜の硬化性の指標とした(以下、PGMEA試験と称する)。
1…変化なし
2…顕微鏡で傷が認められる
3…肉眼で傷が認められる
4…傷及び白濁が認められる
5…膜が剥離し基板が露出する。
さらに、PGMEA試験において、評価が「1」、「2」又は「3」であった薄膜については、N−メチル−2−ピロリドン(林純薬工業(株)製)(NMP)に浸して10分間放置した後、薄膜を蒸留水でよく洗浄し、以下の基準で評価して薄膜の硬化性の指標とした(以下、NMP試験と称する)。
○…全く溶解しない
△…一部溶解する
×…完全に溶解する。
(NMP試験後残膜率)
NMP試験後に再度、膜厚を測定し、NMP試験後残膜率を下記式により算出した
NMP試験後残膜率(%)=NMP試験後の膜厚÷ポストベーク後の膜厚×100。
(耐熱性)
実施例及び比較例で得られた薄膜を、昇温速度5.7℃/1分間で、80℃から250℃まで昇温し、250℃でさらに1時間加熱した。加熱処理後に再度、膜厚を測定し、加熱処理後残膜率を下記式により算出し、耐熱性の指標とした。
加熱処理後残膜率(%)=加熱処理後の膜厚÷ポストベーク後の膜厚×100。
(溶媒溶解性)
実施例で得られたポリシランの濃度が10重量%になるように、表5に示す溶媒に混合し、溶媒溶解性を以下の基準で評価した。
◎…瞬時に溶解した
○…溶解した
×…溶解しなかった。
(実施例1)
(ポリシランの調製)
三方コックを装着した内容積5000mlの丸型フラスコに、粒状(粒径20〜1000μm)のマグネシウム118.8g、無水塩化リチウム(LiCl)85.8g、無水塩化亜鉛(ZnCl)110.0gを仕込み、乾燥アルゴンガスを反応器内に導入し、脱水テトラヒドロフラン2750mlを加え、室温で約60分間撹拌した。この反応混合物に、予め蒸留により精製したフェニルトリクロロシラン302.59g(1.43mol)及びメチルトリクロロシラン213.79g(1.42mol)を加え、25℃で約18時間撹拌した後、反応混合物に純水200mlを投入して反応停止した。反応終了後、反応混合物にTHF875ml、トルエン875mlを投入し、抽出を行った。THF・トルエン層を純水200mlで12回洗浄し、THF・トルエン層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、THFとトルエンを留去することにより、フェニルシラン−メチルシラン共重合体(又はフェニルトリクロロシラン−メチルトリクロロシラン共重合体、共重合比(モル比)=1/1)を得た。
得られたポリシラン(フェニルシラン−メチルシラン共重合体の平均分子量は、数平均分子量で1900、重量平均分子量で8400であった。また、得られたポリシランの水酸基当量は750g/eqであり、金属成分の含有量は、ポリシラン全体に対して5ppm未満であった。
また、得られたポリシランは、プロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセテート、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、2−ヘプタノン、シクロペンタノンなどの慣用の溶媒に対して溶解し、優れた溶媒溶解性を有していることがわかった。
(実施例2)
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(旭化成ケミカルズ(株)製、ECN1273、エポキシ当量=233g/eq)0.25重量部と、実施例1で得られたフェニルシラン−メチルシラン共重合体(水酸基当量750g/eq)0.81重量部とを固形分濃度が35重量%となるように、プロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセテート(東京化成工業(株)製、PGMEA)に混合した溶液を作製し、液状樹脂組成物を得た。
得られた液状樹脂組成物を、プリベーク後に形成される膜の厚みが2±0.3μmになるスピンコート条件で、ガラス基板に塗布して、塗膜を形成した。この塗膜をプリベーク(90℃、2分)して、溶媒(PGMEA)を蒸発させた後、表1の硬化条件でポストベークして硬化させ、薄膜を得た。
(実施例3)
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(旭化成ケミカルズ(株)製、ECN1273、エポキシ当量=233g/eq)0.25重量部と、実施例1で得られたフェニルシラン−メチルシラン共重合体(水酸基当量750g/eq)0.80重量部と、2−メチルイミダゾール(東京化成工業(株)製、2−Mz)0.008重量部とを固形分濃度が35重量%となるように、プロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセテート(東京化成工業(株)製、PGMEA)に混合した溶液を作製し、実施例2と同様にして、薄膜を得た。
(実施例4)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(旭化成ケミカルズ(株)製、AER260、エポキシ当量=189g/eq)を0.2重量部と、実施例1で得られたフェニルシラン−メチルシラン共重合体(水酸基当量750g/eq)0.79重量部とを固形分濃度が35重量%となるように、プロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセテート(東京化成工業(株)製、PGMEA)に混合した溶液を作製し、実施例2と同様にして、薄膜を得た。
(実施例5)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(旭化成ケミカルズ(株)製、AER260、エポキシ当量=189g/eq)を0.2重量部と、実施例1で得られたフェニルシラン−メチルシラン共重合体(水酸基当量750g/eq)0.79重量部と、2−メチルイミダゾール(東京化成工業(株)製、2−Mz)を0.0079重量部とを固形分濃度が35重量%となるように、プロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセテート(東京化成工業(株)製、PGMEA)に混合した溶液を作製し、実施例2と同様にして、薄膜を得た。
(実施例6)
実施例1で得られたフェニルシラン−メチルシラン共重合体(水酸基当量750g/eq)0.8重量部を固形分濃度が35重量%となるように、プロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセテート(東京化成工業(株)製、PGMEA)に混合した溶液を作製し、実施例2と同様にして、薄膜を得た。
(実施例7)
実施例1で得られたフェニルシラン−メチルシラン共重合体(水酸基当量750g/eq)0.8重量部と、2−メチルイミダゾール(東京化成工業(株)製、2−Mz)を0.008重量部とを固形分濃度が35重量%となるように、プロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセテート(東京化成工業(株)製、PGMEA)に混合した溶液を作製し、実施例2と同様にして、薄膜を得た。
(比較例1)
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(旭化成ケミカルズ(株)製、ECN1273、エポキシ当量=233g/eq)1.40重量部と、エポキシ硬化剤(新日本理化(株)製、リカシッドMH−700、酸無水物基当量=166g/eq)を0.9重量部とを固形分濃度が35重量%となるように、プロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセテート(東京化成工業(株)製、PGMEA)に混合した溶液を作製し、実施例2と同様にして、薄膜を得た。
実施例の結果を表1に示し、比較例の結果を表2に示す。表1及び表2において、硬化条件160℃、1時間は、詳細には、80℃/30分間の昇温速度で、80℃から160℃まで昇温し、160℃でさらに1時間加熱した。硬化条件180℃、1時間は、詳細には、100℃/30分間の昇温速度で、80℃から180℃まで昇温し、180℃でさらに1時間加熱した。硬化条件200℃、1時間は、詳細には、120℃/30分間の昇温速度で、80℃から200℃まで昇温し、200℃でさらに1時間加熱した。なお、表1及び表2において、「PGMEA」はプロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセテートを示し、「NMP」はN−メチル−2−ピロリドンを示す。
Figure 0005350602
Figure 0005350602
表1及び表2から明らかなように、実施例では、比較例よりも硬化性が高く、電子材料分野で一般的に用いられる硬化温度(180℃)よりも低い温度(160℃)でも硬化することがわかった。また、実施例では、比較例よりも硬化後の残膜率が高く、収縮が無いことを示している。さらに、実施例では、透過率も高いことが分かった。このように、実施例では、比較例に比べ、物性や特性を改善できた。なお、NMP試験後の残膜率が100%を越えているのは、溶媒により膨潤しているためと思われる。
(比較例2)
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(旭化成ケミカルズ(株)製、ECN1273、エポキシ当量=233g/eq)1.18重量部と、ヘキサヒドロフタル酸無水物(新日本理化(株)製、HHPA、酸無水物基当量=158g/eq)を0.8重量部と、2−メチルイミダゾール(東京化成工業(株)製、2−Mz)を0.008重量部とを固形分濃度が40重量%となるように、プロピレングリコール1-モノメチルエーテル2-アセテート(東京化成工業(株)製、PGMEA)に混合した溶液を作製し、実施例2と同様にして、薄膜を得た。
そして、実施例3及び比較例2において、180℃、1時間の硬化条件で得られた薄膜について、波長400nmにおける加熱処理後の屈折率、及び加熱処理後(250℃で1時間)の残膜率を測定し、耐熱性の指標とした。結果を表3に示す。
Figure 0005350602
表3から明らかなように、実施例では、比較例よりも加熱処理後の膜厚の変化が少なく、高透過率を維持しており、耐熱性が高いことが分かった。
(比較例3)
特開2002−226586号公報の実施例に準じて、メチルフェニルジクロロシランに代えて、フェニルトリクロロシランを用い、ポリフェニルシランA(又はポリフェニルトリクロロシラン)を合成した。
得られたポリシランA(ポリフェニルシラン)の平均分子量は、数平均分子量で1000、重量平均分子量で1300であった。また、得られたポリシランAの水酸基当量は1200g/eqであり、金属成分の含有量は、ポリシラン全体に対して10000ppmであった。
得られたポリシランA0.8重量部重量部を固形分濃度が40重量%となるように、プロピレングリコール1-モノメチルエーテル2-アセテート(東京化成工業(株)製、PGMEA)に混合した溶液を作製し、実施例2と同様にして、薄膜を得た。得られた薄膜は、PGMEA試験において、評価がすべて「5」であった。
(比較例4)
比較例3で得られたポリフェニルシランAをトルエン150gとテトラヒドロフラン150gとの混合溶液に溶解し、さらに塩化銅(II)(CuCl)を10重量%の割合で含む塩化銅水溶液200gを混合して60分間攪拌したのち、ポリフェニルシランを含む有機層と塩化銅を含む水層とを分離した。そして、ポリフェニルシランを含む有機層を、純水200mlで3回洗浄した後、溶媒成分を留去し、金属含有量の少ないポリフェニルシランB48gを得た。
得られたポリシランB(ポリフェニルシラン)の平均分子量は、数平均分子量で1100、重量平均分子量で1500であった。また、得られたポリシランBの水酸基当量は1500g/eqであり、金属成分の含有量は、ポリシラン全体に対して15ppmであった。
得られたポリシランB0.8重量部を固形分濃度が40重量%となるように、プロピレングリコール1−モノメチルエーテル2−アセテート(東京化成工業(株)製、PGMEA)に混合した溶液を作製し、実施例2と同様にして、薄膜を得た。得られた薄膜は、PGMEA試験において、評価がすべて「5」であった。

Claims (11)

  1. 下記式(1a)で表される構造単位、及び下記式(1b)で表される構造単位を有するポリシランであって、
    式(1a)で表される構造単位と式(1b)で表される構造単位との割合が、ポリシランを構成するケイ素原子換算(モル換算)で、前者/後者(モル比)=5/95〜70/30であり、
    他の構造単位の割合が、ポリシランを構成するケイ素原子換算(モル換算)で、式(1a)で表される構造単位及び式(1b)で表される構造単位の総量に対し10モル%以下であり、
    重量平均分子量が1500〜15000であり、
    水酸基当量が、300〜1000g/eqであり、
    金属成分の割合が、金属の重量換算で、ポリシラン全体に対して200ppm以下である、ポリシラン
    Figure 0005350602
    (式中、R1aアルキル基を有していてもよいアリール基を示し、R1bアリール基を有していてもよいアルキル基を示す。)
  2. 1aがフェニル基であり、R1bがメチル基である請求項1記載のポリシラン。
  3. 式(1a)で表される構造単位と式(1b)で表される構造単位との割合が、ポリシランを構成するケイ素原子換算(モル換算)で、前者/後者(モル比)=10/90〜70/30である請求項1記載のポリシラン。
  4. 水酸基当量が、500〜900g/eqである請求項1記載のポリシラン。
  5. 金属成分の割合が、金属の重量換算で、ポリシラン全体に対して100ppm以下である請求項1記載のポリシラン。
  6. マグネシウム金属成分の存在下、式(1a)で表される構造単位に対応するトリハロシランと、式(1b)で表される構造単位に対応するトリハロシランとを反応させて請求項1記載のポリシランを製造する方法。
  7. 請求項1記載のポリシランが硬化した硬化物。
  8. 少なくとも請求項1記載のポリシランで構成された樹脂組成物。
  9. 請求項1記載のポリシランとエポキシ樹脂とで構成された請求項8記載の樹脂組成物。
  10. 電子材料用の封止材である請求項9記載の樹脂組成物。
  11. 請求項8記載の樹脂組成物が硬化した硬化物。
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