JP5813357B2 - 硬化性組成物 - Google Patents

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Description

本発明は例えば、高屈折率且つ低アッベ数のケイ素化合物並びに硬化性組成物並びに硬化物を提供することを可能とするものである。
従来、LEDや受光素子等の光半導体に用いられるレンズ等の光学材料として、熱可塑性樹脂が使用されてきたが、近年の環境に対する配慮から、鉛フリーハンダの使用率が上昇してきている。そのため、製造された光学部品が高温にさらされるようになっており、熱可塑性樹脂ではハンダ実装時に対する耐熱性が不足するために、光学部品が変色したり、変形したりすることで、初期に設定された光学特性が維持できないという問題が生じている。この為、熱硬化性樹脂を用いて光学部品を製造することが試みられている。レンズ等の光学部品においては光学特性が重要であり、例えばアッベ数の異なる材料で構成した光学レンズユニットは色収差を補正することが可能である。また高屈折率材料からなるレンズはレンズ厚を低減することが可能であり、レンズ系の小型軽量化につながる。このため、耐熱性や所望の光学特性を備えた樹脂材料は利用価値が高い。
例えば、特許文献1では、シリコーンあるいはオルガノポリシロキサンからなる光学レンズあるいは組成物が開示され、耐熱性、透明性、硬度を確保した光学レンズ用の硬化物が提案されているが、一般的に、シリコーン樹脂を使用した場合、光学レンズ等に使用されるエポキシ樹脂などに対して線膨張係数が大きくなるため、温度に対する屈折率依存性が大きくなったり、冷熱衝撃を与えたときにクラックが発生したりする問題がある。また光学レンズユニットの設計という観点からもよりアッベ数の低い材料が求められる。
特開2006−324596号公報
そこで本発明の課題は、例えば高い透明性有し、かつ、耐熱変色性に優れた低アッベ数の光学材料に適したケイ素化合物及びそれを含有する硬化性組成物及び硬化物を提供することである。
本発明者らは鋭意検討の結果、1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有し、且つ芳香族アセチレン化合物由来の構造を少なくとも1個含有するケイ素化合物により、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち本発明は以下の構成よりなる。
1)1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有し、且つ芳香族アセチレン化合物由来の構造を少なくとも1個含有するケイ素化合物。
2)1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有し、且つ芳香族アセチレン化合物由来の構造を少なくとも1個含有するケイ素化合物が、1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有し、且つ芳香族アセチレン化合物由来の構造を少なくとも1個含有する鎖状及び/又は環状のポリオルガノシロキサンである1)に記載のケイ素化合物。
3)1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有し、且つ芳香族アセチレン化合物由来の構造を少なくとも1個含有するケイ素化合物が、(β)芳香族アセチレン化合物と、(γ)1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する鎖状及び/又は環状のポリオルガノシロキサンをヒドロシリル化反応して得ることができる化合物である1)または2)に記載のケイ素化合物。
4)1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有し、且つ芳香族アセチレン化合物由来の構造を少なくとも1個含有するケイ素化合物が、(α)SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個有する有機化合物、及び(β)芳香族アセチレン化合物と、(γ)1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する鎖状及び/又は環状のポリオルガノシロキサンをヒドロシリル化反応して得ることができる化合物である1)または2)に記載のケイ素化合物。
5) 前記(α)SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個有する有機系化合物が、下記一般式で表される構造から選ばれる少なくとも一つの化合物である4)に記載のケイ素化合物。
(但し、式中のRはエチレン性の不飽和結合を有する基を示し、それぞれ同じでも異なっていても良い。)
Figure 0005813357
6) 前記(γ)1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する鎖状及び/又は環状のポリオルガノシロキサンが、環状のポリオルガノシロキサンである3)〜5)に記載のケイ素化合物。
7) 前記(γ)1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する鎖状及び/又は環状のポリオルガノシロキサンが、1,3,5,7−テトラメチルテトラシクロシロキサンである6)に記載のケイ素化合物。
8)芳香族アセチレン化合物が下記一般式(I)で表される構造を含有することを特徴とする3)〜7)のいずれか1項に記載のケイ素化合物。(式中、Xは、水素原子、ハロゲン原子、もしくは有機基である。)
Figure 0005813357
9)芳香族アセチレン化合物がジフェニルアセチレンであることを特徴とする1)〜8)に記載のケイ素化合物。
10) 1)〜9)のいずれか1項に記載の1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有し、且つ芳香族アセチレン化合物由来の構造を少なくとも1個含有するケイ素化合物を含有することを特徴とする硬化性組成物。
11)(B)SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個有する有機系化合物を必須成分として含有してなる10)に記載の硬化性組成物。
12)(C)ヒドロシリル化触媒を必須成分として含有してなる10)〜11)に記載の硬化性組成物。
13) 前記記載の(B)成分が、下記一般式で表される構造から選ばれる少なくとも一つの化合物である11)または12)に記載の硬化性組成物。
(但し、式中のRはエチレン性の不飽和結合を有する基を示し、それぞれ同じでも異なっていても良い。)
Figure 0005813357
14) 10)〜13)に記載の硬化性組成物を硬化してなる光学部品。
本発明の光学材料用硬化性樹脂によれば、高屈折率且つ低アッベ数の光学材料に適した硬化物が得られる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有し、且つ芳香族アセチレン化合物由来の構造を少なくとも1個含有するケイ素化合物であれば特に限定されない。
1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有し、且つ芳香族アセチレン化合物由来の構造を少なくとも1個含有するケイ素化合物は、(β)成分と(γ)成分をあらかじめ反応させることで得られる。また硬化性組成物における相溶性の観点から(α)成分、(β)成分、(γ)成分をあらかじめ反応させることが望ましい。
次に1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有し、且つ芳香族アセチレン化合物由来の構造を少なくとも1個含有するケイ素化合物を得るための反応について説明する。
上記ケイ素化合物を得る為には(β)成分と(γ)成分を反応させるか、または(α)成分及び(β)成分と(γ)成分を反応する必要があるが、反応させる順については特に限定されない。また(α)成分もしくは(β)成分と(γ)成分を反応させたものについて、一度単離してから(β)成分もしくは(α)成分と反応させても良い。また(α)成分及び(β)成分と(γ)成分を同時に反応させても良い。
(α)成分及び/または(β)成分と(γ)成分の反応について説明する。
(α)SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する有機化合物及び/または(β)芳香族アセチレン化合物と(γ)1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する鎖状及び/又は環状のポリオルガノシロキサンとをヒドロシリル化反応させる場合の、(α)成分及び/または(β)成分と(γ)成分の混合比率は、ヒドロシリル化反応した後に1分子中に少なくとも2個のSiH基が残る範囲であれば、特に限定されない。
上記ケイ素化合物を用いて得られる硬化物の強度を考えた場合、(α)成分中のSiH基との反応性を有する炭素−炭素二重結合のモル数(X)と(β)成分中のSiH基と反応性を有する炭素−炭素三重結合のモル数(Y)、(γ)成分中のSiH基のモル数(Z)との比は、Z/(X+Y)≧2であることが好ましく、Z/(X+Y)≧3であることがより好ましい。
ヒドロシリル化させる場合には適当な触媒を用いてもよい。触媒としては、例えば後述する(C)成分を用いることができる。
触媒の添加量は特に限定されないが、十分な硬化性を有し、かつ硬化性組成物のコストを比較的低く抑えるため好ましい添加量の下限は、SiH基を有するポリオルガノシロキサン(γ)成分のSiH基1モルに対して10−10モル、より好ましくは10−8モルであり、好ましい添加量の上限はSiH基を有するポリオルガノシロキサン(γ)成分のSiH基1モルに対して10−1モル、より好ましくは10−3モルである。
また、上記触媒には助触媒を併用することが可能であり、例としてトリフェニルホスフィン等のリン系化合物、ジメチルマレート等の1、2−ジエステル系化合物、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−ブチン等のアセチレンアルコール系化合物、単体の硫黄等の硫黄系化合物、トリエチルアミン等のアミン系化合物等が挙げられる。助触媒の添加量は特に限定されないが、ヒドロシリル化触媒1モルに対しての好ましい添加量の下限は、10−2モル、より好ましくは10−1モルであり、好ましい添加量の上限は10モル、より好ましくは10モルである。
反応時の触媒混合方法としては、各種方法をとることができるが、(α)成分及び/または(β)成分にヒドロシリル化触媒(C)を混合したものを、(γ)成分に混合する方法が好ましい。(α)成分及び/または(β)成分と(γ)成分との混合物にヒドロシリル化触媒(C)を混合する方法では反応の制御が困難な場合がある。また、(γ)成分とヒドロシリル化触媒(C)を混合したものに(α)成分及び/または(β)成分を混合する方法では、ヒドロシリル化触媒(C)の存在下(γ)成分が混入している水分と反応性を有するため、変質することがある。
反応温度としては種々設定できるが、好ましい温度範囲の下限は30℃、より好ましくは50℃であり、好ましい温度範囲の上限は200℃、より好ましくは150℃である。反応温度が低いと十分に反応させるための反応時間が長くなる傾向があり、反応温度が高いと工業的に不利な場合がある。反応は一定の温度で行ってもよく、また必要に応じて多段階あるいは連続的に温度を変化させてもよい。
反応時間、反応時の圧力も必要に応じ種々設定できる。反応時間については特に限定されない。経済的な面からは、好ましくは20時間以内、さらに好ましくは10時間以内である。圧力も特に限定されないが、特殊な装置が必要になったり、操作が煩雑になったりする、という面から、好ましくは大気圧−5MPa、さらに好ましくは大気圧−2MPaである。
ヒドロシリル化反応の際に溶媒を使用してもよい。使用できる溶剤はヒドロシリル化反応を阻害しない限り特に限定されるものではなく、具体的に例示すれば、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、1, 4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、クロロホルム、塩化メチレン、1, 2−ジクロロエタン等のハロゲン系溶媒を好適に用いることができる。溶媒は2種類以上の混合溶媒として用いることもできる。溶媒としては、トルエン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、クロロホルムが好ましい。使用する溶媒量も適宜設定できる。
溶媒の使用量は、特に限定されないが、反応を均一、かつ、促進させるためには、(α)成分及び/または(β)成分を完全に溶解できる量が好ましい。(α)成分及び/または(β)成分100重量部に対して20重量部以上500重量部以下が好ましく、50重量部以上300重量部以下がより好ましい。
その他、反応性を制御する目的等のために種々の添加剤を用いてもよい。
ヒドロシリル化反応後に、溶媒並びに/または未反応の(α)SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に2個含有する有機系化合物及び(β)芳香族アセチレン化合物と(γ)1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する鎖状及び/又は環状のポリオルガノシロキサンを除去することもできる。これらの揮発分を除去することにより、得られる化合物が揮発分を有さないため、硬化の場合に揮発分の揮発によるボイド、クラックの問題が生じにくい。除去する方法としては例えば、減圧脱揮の他、活性炭、ケイ酸アルミニウム、シリカゲル等による処理等が挙げられる。減圧脱揮する場合には低温で処理することが好ましい。この場合の好ましい温度の上限は120℃であり、より好ましくは100℃である。高温で処理すると増粘等の変質を伴いやすい。
このようにして、1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有し、且つ芳香族アセチレン化合物由来の構造を少なくとも1個含有するケイ素化合物を合成することができる。
本発明では、上記ケイ素化合物を硬化性組成物の(A)成分として使用することができる。また上記化合物を使用する場合には単独又は2種以上のものを混合して用いることが可能である。
次に、本発明における(α)成分について説明する。
(α)成分はSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する有機化合物であれば特に限定されない。
また有機化合物としては例えば、フェノール系、ビスフェノール系、ベンゼン、ナフタレンなどの芳香族炭化水素系:直鎖系、脂環系等の脂肪族炭化水素系:複素環系の化合物およびこれらの混合物等が挙げられる。
(α)成分のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合としては特に限定されないが、下記一般式(II)
Figure 0005813357
(式中Rは水素原子あるいはメチル基を表す。この場合、それぞれのRは同一であっても、異なっていても良い。)で示されるアルケニル基が反応性の点から好適である。例えば、
Figure 0005813357
で示されるアルケニル基を好適に用いることができる。
(α)成分のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合としては、下記一般式(III)
Figure 0005813357
(式中Rは水素原子あるいはメチル基を表す。)で示される脂環式化合物の環内に含まれる炭素−炭素二重結合が、硬化物の耐熱性が高いという観点から好適である。例えば
Figure 0005813357
で示される脂環式化合物の環内に含まれる炭素−炭素二重結合を好適に用いることができる。
SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合は(α)成分の骨格部分に直接結合していてもよく、2価以上の置換基を介して共有結合していても良い。2価以上の置換基としては炭素数0〜10の置換基であれば特に限定されないが、構成元素としてC、H、N、O、S、ハロゲンのみを含むものが好ましい。これらの置換基の例としては、
Figure 0005813357
Figure 0005813357
が挙げられる。また、これらの2価以上の置換基の2つ以上が共有結合によりつながって1つの2価以上の置換基を構成してもよい。
以上のような骨格部分に共有結合する基の例としては、ビニル基、アリル基、メタリル基、アクリル基、メタクリル基、2−ヒドロキシ−3−(アリルオキシ)プロピル基、2−アリルフェニル基、3−アリルフェニル基、4−アリルフェニル基、2−(アリルオキシ)フェニル基、3−(アリルオキシ)フェニル基、4−(アリルオキシ)フェニル基、2−(アリルオキシ)エチル基、2、2−ビス(アリルオキシメチル)ブチル基、3−アリルオキシ−2、2−ビス(アリルオキシメチル)プロピル基、
Figure 0005813357
が挙げられる。耐熱性、耐光性が高いという観点からビニル基、アリル基が好ましい。
(α)成分の具体的な例としては、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、1,1,2,2,−テトラアリロキシエタン、ジアリリデンペンタエリスリット、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート、ジアリルイソシアヌレート、1,2,4−トリビニルシクロヘキサン、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニルビフェニル、1,3−ジイソプロペニルベンゼン、1,4−ジイソプロペニルベンゼン、及びそれらのオリゴマー、1,2−ポリブタジエン、ノボラックフェノールのアリルエーテル、アリル化ポリフェニレンオキサイド、ビニルノルボルネン、
Figure 0005813357
Figure 0005813357
Figure 0005813357
Figure 0005813357
が挙げられる。
(α)成分としては光学特性、例えばアッベ数の観点からは下記一般式で表される構造から選ばれる少なくとも一つの化合物であることが好ましい。(但し、式中のRはエチレン性の不飽和基を示し、それぞれ同じでも異なっていても良い。)
Figure 0005813357
置換基Rとしては、エチレン性の不飽和基であれば特に限定されないが、耐熱性という観点からはビニル基、アリル基、メタリル基、アクリル基、メタクリル基、2−アリルフェニル基、3−アリルフェニル基、4−アリルフェニル基、2−(アリルオキシ)フェニル基、3−(アリルオキシ)フェニル基、4−(アリルオキシ)フェニル基、2−(アリルオキシ)エチル基が好ましい。
(α)成分の具体的な例としてはイソシアヌル環系やベンゼン系、ナフタレン系、ビスフェノール系、フルオレン系など芳香環を含有する化合物が好ましく、硬化物の着色性の観点からジビニルフルオレン、ジアリルフルオレン、フルオレンビスフェノキシエチルアクリレート、フルオレンビスフェノキシエチルビニルエーテル、フルオレンビスフェノキシエチルアリルエーテル、フルオレンビスフェノキシアクリレート、フルオレンビスフェノキシビニル、フルオレンビスフェノキシアリル、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレート、ジアリルイソシアヌレート、ジアリルモノフェニルイソシアヌレート、ビスフェノールFジアリルエーテル、ビスフェノールAジアリルエーテル、ビスフェノールSジアリルエーテル、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンがさらに好ましい。
また、上記(α)成分を単独で用いても2種以上を混合使用してもよい。
(α)成分としては、上記のように骨格部分とアルケニル基とに分けて表現しがたい、低分子量化合物も用いることができる。これらの低分子量化合物の具体例としては、ブタジエン、イソプレン、オクタジエン、デカジエンなどの脂肪族鎖状ポリエン化合物系、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロオクタジエン、ジシクロペンタジエン、トリシクロペンタジエン、ノルボルナジエンなどの脂肪族環状ポリエン化合物系、ビニルシクロペンテン、ビニルシクロヘキセンなどの置換脂肪族環状オレフィン化合物系などが挙げられる。
(α)成分のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合の数は、平均して1分子当たり少なくとも2個あればよいが、2個未満の場合には強度が不十分となるおそれがある。
(α)成分としては、他の成分との均一な混合、および良好な作業性を得るためには100℃以下の温度において流動性があるものが好ましく、線状でも枝分かれ状でもよく、分子量は特に制約はないが、50〜100,000の任意のものが好適に使用できる。分子量が100、000以上では一般に原料が高粘度となり作業性に劣るとともに、アルケニル基とSiH基との反応による架橋の効果が発現し難い。また(α)成分として得られる硬化物が高硬度であるという観点からは分子量が3,000以下の化合物が好ましい。
次に(β)成分について説明する。
(β)成分は光学特性、例えばアッベ数を制御する為の成分であり、芳香族を持つアセチレン化合物であれば特に限定されない。
好ましくは下記一般式で表されるジフェニルアセチレン化合物が好ましい。
Figure 0005813357
(式中、Xは、水素原子、ハロゲン原子、もしくは有機基である。)
(β)成分の有機基Xとしては、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、エチニルアリール基が好ましい。さらに耐熱性の観点から水素原子、エチニルフェニル基がさらに好ましい。
次に、(γ)成分について説明する。
本発明の(γ)成分は、1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する鎖状及び/又は環状のポリオルガノシロキサンについては、特に制限がなく、具体的な例としては、下記一般式(IV)
Figure 0005813357
(式中、それぞれのR、Rは、水素あるいは炭素数1〜50の一価の有機基を表し、それぞれのR、Rは異なっていても同一であってもよいが、少なくとも2個は水素である。nは1〜1000の数を表す。)で表される化合物が挙げられる。R、Rとしては、得られる硬化物の耐熱性がより高くなりうるという観点からは、炭素数1〜20の一価の有機基であることが好ましく、炭素数1〜15の一価の有機基であることがより好ましく、炭素数1〜10の一価の有機基であることがさらに好ましい。これらの好ましいR、Rの例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、フェニル基、ベンジル基、フェネチル基、メトキシ基、エトキシ基、ビニル基、アリル基、グリシジル基等が挙げられる。
上記環状ポリオルガノシロキサンとしては、例えば、下記一般式(V)
Figure 0005813357
(式中、Rは水素あるいは炭素数1〜6の有機基を表し、それぞれのRは異なっていても同一であってもよいが、少なくとも2個は水素である。nは2〜10の数を表す。)で表される、1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する環状ポリオルガノシロキサン等が挙げられる。なお、上記一般式(V)におけるRは、C、H、Oから構成される炭素数1〜6の有機基であることが好ましく、炭素数1〜6の炭化水素基であることがより好ましく、炭素数1〜6のアルキル基であることがさらに好ましい。また、nは3〜10の数であることが好ましい。
これらのうち、入手性の面からは、1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する鎖状及び/又は環状及び/又は網目状ポリオルガノシロキサンが好ましい。また、(α)成分及び(β)成分との相溶性の面からは、1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する環状のポリオルガノシロキサン、又は分子量が10000以下の直鎖状のポリオルガノシロキサンが好ましい。また耐熱性の観点からは1分子中に少なくとも3個のSiH基を有する環状のポリオルガノシロキサンが好ましい。
一般式(V)で表される環状ポリオルガノシロキサンの好ましい具体例としては、1,3,5−トリメチルシクロトリシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロペンタシロキサン等が挙げられる。
上記したような各種(γ)成分は単独もしくは2種以上のものを混合して用いることが可能である。
以上のようにして得られる、1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有し、且つ芳香族アセチレン化合物由来の構造を少なくとも1個含有するケイ素化合物の例としてトリアリルイソシアヌレート及びジフェニルアセチレンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、ジビニルベンゼン及びジフェニルアセチレンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物、ビスフェノールSジアリルエーテル及びジフェニルアセチレンと1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの反応物がより好ましい。
次に硬化性組成物の(B)成分について説明する
(B)成分はSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個有する有機化合物であれば特に限定されない。
(B)成分としては上記した(α)成分である、SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個含有する有機化合物と同じものを(B)成分として用いることができる。(B)成分としては光学特性例えば、アッベ数の観点からは上述したイソシアヌル環系及びベンゼン系、ナフタレン系、ビスフェノール系、フルオレン系など芳香環を含有する化合物が好ましい。また上記化合物を使用する場合には単独又は2種以上のものを混合して用いることが可能である。
次に(C)成分であるヒドロシリル化触媒について説明する。
ヒドロシリル化触媒としては、ヒドロシリル化反応の触媒活性があれば特に限定されないが、例えば、白金の単体、アルミナ、シリカ、カーボンブラックなどの担体に固体白金を担持させたもの、塩化白金酸、塩化白金酸とアルコール、アルデヒド、ケトンなどとの錯体、白金−オレフィン錯体(例えば、Pt(CH=CH(PPh、Pt(CH=CHCl)、白金−ビニルシロキサン錯体(例えば、Pt(ViMeSiOSiMeVi)、Pt[(MeViSiO))、白金−ホスフィン錯体(例えば、Pt(PPh4、Pt(PBu)、白金−ホスファイト錯体(例えば、Pt[P(OPh)、Pt[P(OBu))(式中、Meはメチル基、Buはブチル基、Viはビニル基、Phはフェニル基を表し、n、mは、整数を示す。)、ジカルボニルジクロロ白金、カールシュテト(Karstedt)触媒、また、アシュビー(Ashby)の米国特許第3159601号および3159662号明細書中に記載された白金−炭化水素複合体、ならびにラモロー(Lamoreaux)の米国特許第3220972号明細書中に記載された白金アルコラート触媒が挙げられる。さらに、モディック(Modic)の米国特許第3516946号明細書中に記載された塩化白金−オレフィン複合体も本発明において有用である。
また、白金化合物以外の触媒の例としては、RhCl(PPh)、RhCl、RhAl、RuCl、IrCl、FeCl、AlCl、PdCl・2HO、NiCl、TiCl、などが挙げられる。
これらの中では、触媒活性の点から塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体などが好ましい。また、これらの触媒は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
また、上記触媒には助触媒を併用することが可能であり、例としてトリフェニルホスフィンなどのリン系化合物、ジメチルマレエートなどの1、2−ジエステル系化合物、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−ブチンなどのアセチレンアルコール系化合物、単体の硫黄などの硫黄系化合物、トリエチルアミンなどのアミン系化合物などが挙げられる。助触媒の添加量は特に限定されないが、触媒1モルに対して、10−2〜10モルの範囲が好ましく、より好ましくは10−1〜10モルの範囲である。
硬化して得られる光学用材料の硬度には特に制限はないが、光学用材料用途として通常は硬度計ショアAで10以上、硬度計ショアDで95以下である。
次に、本発明の組成物及び硬化剤の特性を改質する目的で添加することが可能な種々の樹脂について説明する。
使用できる溶剤は特に限定されるものではなく、具体的に例示すれば、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ヘプタンなどの炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、1, 4−ジオキサン、ジエチルエーテルなどのエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶媒、クロロホルム、塩化メチレン、1, 2−ジクロロエタンなどのハロゲン系溶媒を好適に用いることができる。溶媒は2種類以上の混合溶媒として用いることもできる。溶媒としては、トルエン、テトラヒドロフラン、クロロホルムが好ましい。使用する溶媒量は、用いる反応性成分1gに対し、下限0mL、上限10 mLの範囲で用いるのが好ましく、下限0.5mL、上限5mLの範囲で用いるのがさらに好ましく、下限1mL、上限3mLの範囲で用いるのが特に好ましい。
さらに本発明の組成物の保存安定性を改良する目的、あるいは製造過程でのヒドロシリル化反応の反応性を調整する目的で、硬化遅延剤を使用することができる。硬化遅延剤としては、脂肪族不飽和結合を含有する化合物、有機リン化合物、有機イオウ化合物、窒素含有化合物、スズ系化合物、有機過酸化物などが挙げられ、これらを併用してもかまわない。脂肪族不飽和結合を含有する化合物として、プロパギルアルコール類、エン−イン化合物類、マレイン酸エステル類などが例示される。有機リン化合物としては、トリオルガノフォスフィン類、ジオルガノフォスフィン類、オルガノフォスフォン類、トリオルガノフォスファイト類などが例示される。有機イオウ化合物としては、オルガノメルカプタン類、ジオルガノスルフィド類、硫化水素、チアゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾチアゾールジサルファイドなどが例示される。窒素含有化合物としては、アンモニア、1〜3級アルキルアミン類、アリールアミン類、尿素、ヒドラジンなどが例示される。スズ系化合物としては、ハロゲン化第一スズ2水和物、カルボン酸第一スズなどが例示される。有機過酸化物としては、ジ−t−ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、過安息香酸t−ブチルなどが例示される。
これらの硬化遅延剤のうち、遅延活性が良好で原料入手性がよいという観点からは、ベンゾチアゾール、チアゾール、ジメチルマレート、3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブチンが好ましい。
貯蔵安定性改良剤の添加量は、使用するヒドロシリル化触媒1molに対し、10−1〜10モルの範囲が好ましく、より好ましくは1〜50モルの範囲である。
本発明の組成物には必要に応じて無機フィラーを添加してもよい。無機フィラーを添加すると、組成物の流動性の防止、材料の高強度化に効果がある。無機フィラーとしては光学特性を低下させない、微粒子状なものが好ましく、アルミナ、水酸化アルミニウム、溶融シリカ、結晶性シリカ、超微粉無定型シリカや疎水性超微粉シリカ、タルク、硫酸バリウムなどを挙げることができる。
また更に、本発明の組成物の特性を改質する目的で、種々の樹脂を添加することも可能である。樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、エポキシ樹脂、シアナート樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ウレタン樹脂及びポリエステル樹脂などが例示されるがこれに限定されるものではない。
本発明の組成物をそのままフィルムなどに成形することも可能であるが、該組成物を有機溶剤に溶解してワニスとすることも可能である。使用できる溶剤は特に限定されるものではなく、具体的に例示すれば、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ヘプタンなどの炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、1, 4−ジオキサン、ジエチルエーテルなどのエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶媒、クロロホルム、塩化メチレン、1, 2−ジクロロエタンなどのハロゲン系溶媒を好適に用いることができる。溶媒は2種類以上の混合溶媒として用いることもできる。溶媒としては、トルエン、テトラヒドロフラン、クロロホルムが好ましい。使用する溶媒量は、用いる反応性(B)成分1gに対し、0〜10 mLの範囲で用いるのが好ましく、0.5〜5mLの範囲で用いるのがさらに好ましく、1〜3mLの範囲で用いるのが特に好ましい。使用量が少ないと、低粘度化などの溶媒を用いることの効果が得られにくく、また、使用量が多いと、材料に溶剤が残留して熱クラックなどの問題となり易く、またコスト的にも不利になり工業的利用価値が低下する。
本発明の組成物には、その他、老化防止剤、ラジカル禁止剤、紫外線吸収剤、接着性改良剤、難燃剤、界面活性剤、保存安定改良剤、オゾン劣化防止剤、光安定剤、増粘剤、可塑剤、カップリング剤、酸化防止剤、熱安定剤、導電性付与剤、帯電防止剤、放射線遮断剤、核剤、リン系過酸化物分解剤、滑剤、顔料、金属不活性化剤、物性調整剤などを本発明の目的および効果を損なわない範囲において添加することができる。
本発明の光学材料用組成物は、あらかじめ混合し、組成物中のSiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合とSiH基の一部または全部を反応させることによって硬化させて光学用材料とすることができる。
混合の方法としては、各種方法をとることができるが、(B)成分に(C)成分を混合したものと、(A)成分を混合する方法が好ましい。(B)成分と(A)成分との混合物に(C)成分を混合する方法だと反応の制御が困難である。(A)成分に(C)成分を混合したものに(B)成分を混合する方法をとる場合は、(C)成分の存在下(A)成分が水分と反応性を有するため、貯蔵中などに変質することもある。
組成物を反応させて硬化させる場合において、(A)、(B)、(C)各成分それぞれの必要量を一度に混合して反応させてもよいが、一部を混合して反応させた後残量を混合してさらに反応させる方法や、混合した後反応条件の制御や置換基の反応性の差の利用により組成物中の官能基の一部のみを反応(Bステージ化)させてから成形などの処理を行いさらに硬化させる方法をとることもできる。これらの方法によれば成形時の粘度調整が容易となる。
硬化させる方法としては、単に混合するだけで反応させることもできるし、加熱して反応させることもできる。反応が速く、一般に耐熱性の高い材料が得られやすいという観点から加熱して反応させる方法が好ましい。
反応温度としては種々設定できるが、例えば30〜300℃の温度が適用でき、100〜250℃がより好ましく、150〜200℃がさらに好ましい。反応温度が低いと十分に反応させるための反応時間が長くなり、反応温度が高いと成形加工が困難となりやすい。
反応は一定の温度で行ってもよいが、必要に応じて多段階あるいは連続的に温度を変化させてもよい。
反応時間も種々設定できる。
反応時の圧力も必要に応じ種々設定でき、常圧、高圧、あるいは減圧状態で反応させることもできる。
硬化させて得られる光学用材料の形状も用途に応じて種々とりうるので特に限定されないが、例えばフィルム状、シート状、チューブ状、ロッド状、塗膜状、バルク状などの形状とすることができる。
成形する方法も従来の熱硬化性樹脂の成形方法をはじめとして種々の方法をとることができる。例えば、キャスト法、プレス法、注型法、トランスファー成形法、コーティング法、RIM法などの成形方法を適用することができる。成形型は研磨ガラス、硬質ステンレス研磨板、ポリカーボネート板、ポリエチレンテレフタレート板、ポリメチルメタクリレート板等を適用することができる。また、成形型との離型性を向上させるためポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリイミドフィルム等を適用することができる。
成形時に必要に応じ各種処理を施すこともできる。例えば、成形時に発生するボイドの抑制のために組成物あるいは一部反応させた組成物を遠心、減圧などにより脱泡する処理、プレス時に一旦圧力を開放する処理などを適用することもできる。
本発明で得られる硬化物は光学用材料をはじめ各種用途に使用できる。
光学用材料とは、可視光、赤外線、紫外線、X線、レーザーなどの光をその材料中を通過させる用途に用いる材料一般を示す。
より具体的には、ランプタイプ、SMDタイプ等のLED用封止材の他、以下のようなものが挙げられる。
液晶ディスプレイ分野における基板材料、導光板、プリズムシート、偏向板、位相差板、視野角補正フィルム、接着剤、偏光子保護フィルムなどの液晶用フィルムなどの液晶表示装置周辺材料である。また、次世代フラットパネルディスプレイとして期待されるカラーPDP(プラズマディスプレイ)の封止材、反射防止フィルム、光学補正フィルム、ハウジング材、前面ガラスの保護フィルム、前面ガラス代替材料、接着剤、またLED表示装置に使用されるLEDのモールド材、LEDの封止材、前面ガラスの保護フィルム、前面ガラス代替材料、接着剤、またプラズマアドレス液晶(PALC)ディスプレイにおける基板材料、導光板、プリズムシート、偏向板、位相差板、視野角補正フィルム、接着剤、偏光子保護フィルム、また有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイにおける前面ガラスの保護フィルム、前面ガラス代替材料、接着剤、またフィールドエミッションディスプレイ(FED)における各種フィルム基板、前面ガラスの保護フィルム、前面ガラス代替材料、接着剤である。
光記録分野では、VD(ビデオディスク)、CD/CD−ROM、CD−R/RW、DVD−R/DVD−RAM、MO/MD、PD(相変化ディスク)、光カード用のディスク基板材料、ピックアップレンズ、保護フィルム、封止材、接着剤などである。
光学機器分野では、スチールカメラのレンズ用材料、ファインダプリズム、ターゲットプリズム、ファインダーカバー、受光センサー部である。また、ビデオカメラの撮影レンズ、ファインダーである。またプロジェクションテレビの投射レンズ、保護フィルム、封止材、接着剤などである。光センシング機器のレンズ用材料、封止材、接着剤、フィルムなどである。
光部品分野では、光通信システムでの光スイッチ周辺のファイバー材料、レンズ、導波路、素子の封止材、接着剤などである。光コネクタ周辺の光ファイバー材料、フェルール、封止材、接着剤などである。光受動部品、光回路部品ではレンズ、導波路、LEDの封止材、CCDの封止材、接着剤などである。光電子集積回路(OEIC)周辺の基板材料、ファイバー材料、素子の封止材、接着剤などである。
光ファイバー分野では、装飾ディスプレイ用照明・ライトガイドなど、工業用途のセンサー類、表示・標識類など、また通信インフラ用および家庭内のデジタル機器接続用の光ファイバーである。
半導体集積回路周辺材料では、LSI、超LSI材料用のマイクロリソグラフィー用のレジスト材料である。
自動車・輸送機分野では、自動車用のランプリフレクタ、ベアリングリテーナー、ギア部分、耐蝕コート、スイッチ部分、ヘッドランプ、エンジン内部品、電装部品、各種内外装品、駆動エンジン、ブレーキオイルタンク、自動車用防錆鋼板、インテリアパネル、内装材、保護・結束用ワイヤーネス、燃料ホース、自動車ランプ、ガラス代替品である。また、鉄道車輌用の複層ガラスである。また、航空機の構造材の靭性付与剤、エンジン周辺部材、保護・結束用ワイヤーネス、耐蝕コートである。
建築分野では、内装・加工用材料、電気カバー、シート、ガラス中間膜、ガラス代替品、太陽電池周辺材料である。農業用では、ハウス被覆用フィルムである。
次世代の光・電子機能有機材料としては、有機EL素子周辺材料、有機フォトリフラクティブ素子、光−光変換デバイスである光増幅素子、光演算素子、有機太陽電池周辺の基板材料、ファイバー材料、素子の封止材、接着剤などである。
光学用材料の他の用途としては、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂が使用される一般の用途が挙げられ、例えば、接着剤、塗料、コーティング剤、成形材料(シート、フィルム、FRP等を含む)、絶縁材料(プリント基板、電線被覆等を含む)、封止剤の他、他樹脂等への添加剤等が挙げられる。
接着剤としては、土木用、建築用、自動車用、一般事務用、医療用の接着剤の他、電子材料用の接着剤が挙げられる。これらのうち電子材料用の接着剤としては、ビルドアップ基板等の多層基板の層間接着剤、ダイボンディング剤、アンダーフィル等の半導体用接着剤、BGA補強用アンダーフィル、異方性導電性フィルム(ACF)、異方性導電性ペースト(ACP)等の実装用接着剤等が挙げられる。
封止剤としては、コンデンサ、トランジスタ、ダイオード、発光ダイオード、IC、LSIなど用のポッティング、ディッピング、トランスファーモールド封止、IC、LSI類のCOB、COF、TABなど用のといったポッティング封止、フリップチップなどの用のアンダーフィル、BGA、CSPなどのICパッケージ類実装時の封止(補強用アンダーフィル)などを挙げることができる。
以下に、本発明の実施例および比較例を示すが、本発明は以下によって限定されるものではない。
(合成例1)
2 L オートクレーブにトルエン300 g 、1 , 3 , 5 , 7 − テトラメチルシクロテトラシロキサン130 g を入れ、気相部を窒素で置換した後、ジャケット温115 ℃ 、内温110℃で加熱、攪拌した。ジビニルベンゼン286 g 、トルエン300 g 及び白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液( 白金として3 w t % 含有) 0 . 015 g の混合液を10分割して添加した。滴下終了後に1時間反応させ、H− N M R でビニル基の反応率が9 5 % 以上であることを確認し、冷却により反応を終了した。トルエンを減圧留去し、無色透明の液体を得た。H− N M R によりこのものはS i H 基の一部がジビニルベンゼンと反応したもの((下記化学式、反応物B1と称す)、S i H 価: 9.8 m m o l / g )であることがわかった。
Figure 0005813357
(合成例2)
100mL フラスコにトルエン30 g 上記反応物B1を10 g を入れ、窒素雰囲気下、バス温105 ℃ 、内温105℃で加熱、攪拌した。ジフェニルアセチレン3.4 g 、トルエン10 g 及び白金ビニルシロキサン錯体のキシレン溶液の1%トルエン希釈溶液( 白金として3 w t % 含有) 0 . 06 g の混合液を2分割して添加した。滴下終了後に7時間反応させ、H− N M R でアセチレン部位の反応を確認し、冷却により反応を終了した。トルエンを減圧留去し、無色透明の液体を得た。H− N M R によりこのものはS i H 基の一部がジフェニルアセチレンと反応したもの((下記化学式、反応物B2と称す)、S i H 価: 4.9 m m o l / g )であることがわかった。
Figure 0005813357
(実施例1及び2および比較例1及び2)
下記表1に従い配合した。実施例については(B)成分としてジビニルベンゼン、(A)成分として合成例1の合成物B2を用い、(C)成分として白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のキシレン溶液(白金3重量%含有)を用い、表1に示した配合割合(重量)で硬化性組成物を作製した。比較例1については(B)成分としてジビニルベンゼン、トリアリルイソシアヌレート、(A)成分として合成例1の合成物B1を用い、(C)成分として白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のキシレン溶液(白金3重量%含有)、比較例2については信越化学工業社製LPS−L500Dを用いて表1に示した配合割合(重量)で硬化性組成物を作製した。
(評価方法)
以下の評価を実施し、表1に結果を示した。
配合物を攪拌、脱泡したものを硬化性組成物とした。この硬化性組成物を、2枚のガラス板に1mm厚みのシリコーンゴムシートをスペーサーとして挟み込んで作製したセルに流し込み、実施例1及び2ついては30℃1時間、60℃1時間、130℃40分で加熱し硬化物を得た。比較例1については60℃6時間、80℃1時間、100℃1時間、120℃1時間、150℃1時間、180℃30分で加熱し、硬化物を得た。比較例2については150℃1時間、180℃30分で硬化し、150℃1時間と比べてd線の屈折率に変化がないことを確認した。
(屈折率及びアッベ数)
装置:Metoricon社製 プリズムカプラ2010/M
測定条件:404、594、827nmでの屈折率をhalfモードで5回連続測定し、平均値を各波長の屈折率とした。内蔵ソフトのCauchyの近似式により486、589、656nmでの屈折率(n)を求め、アッベ数を算出した。
硬化物より5mm×5mm×3mmの試験片を切り出し、リガク社製ThermoPlus TMA8310を用いて、圧縮モード、昇温側度10℃/分の条件にて熱機械分析測定を行った。20−30℃での膨張の割合から線膨張係数を求めた。 熱膨張係数が110ppm/K以下を合格とした。
Figure 0005813357
これらの硬化性組成物を光学部品として成形することを考慮すると、例えば光学用レンズ用途において、線膨張係数は110ppm/K以下が望ましく、レンズの低背化という観点からは屈折率は1.50以上、望ましくは1.54以上である。また色収差の課題を解決する為にアッベ数差のあるレンズ材料を組み合わせるという観点からは低アッベ数の材料は33以下であることが望ましい。
本発明のケイ素化合物を用いた硬化性組成物の硬化物は、比較例1に比べてアッベ数が小さく、屈折率も高く、芳香族アセチレン由来の構造が導入されることにより、低アッベ数化できることは明らかである。また比較例2に比べてアッベ数が小さく、高屈折率であり、さらに線膨張係数が小さいことがわかる。表1の結果より本発明のケイ素化合物を用いた硬化性組成物の硬化物は高い屈折率を有し、且つ低アッベ数であることが示された。

Claims (8)

  1. 1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有し、且つ芳香族アセチレン化合物由来の構造を少なくとも1個含有するケイ素化合物であって、
    (α)SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個有する有機化合物、及び(β)芳香族アセチレン化合物と、(γ)1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する環状のポリオルガノシロキサンをヒドロシリル化反応して得られ、
    (α)有機化合物が、下記一般式
    Figure 0005813357
    (但し、式中のR はエチレン性の不飽和結合を有する基を示し、それぞれ同じでも異なっていても良い。)
    で表される構造から選ばれる少なくとも一つの化合物であり、
    (β)芳香族アセチレン化合物が、下記一般式(I)
    Figure 0005813357
    (式中、Xは、水素原子、ハロゲン原子、もしくは有機基である。)
    で表される構造を有するケイ素化合物
  2. γ)1分子中に少なくとも2個のSiH基を有する環状のポリオルガノシロキサンが、1,3,5,7−テトラメチルテトラシクロシロキサンである請求項に記載のケイ素化合物。
  3. (β)芳香族アセチレン化合物がジフェニルアセチレンであることを特徴とする請求項1または2に記載のケイ素化合物。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載のケイ素化合物を含有することを特徴とする硬化性組成物。
  5. (B)SiH基と反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に少なくとも2個有する有機系化合物を必須成分として含有してなる請求項に記載の硬化性組成物。
  6. (C)ヒドロシリル化触媒を必須成分として含有してなる請求項4または5に記載の硬化性組成物。
  7. B)成分が、下記一般式
    Figure 0005813357
    (但し、式中のR はエチレン性の不飽和結合を有する基を示し、それぞれ同じでも異なっていても良い。)
    で表される構造から選ばれる少なくとも一つの化合物である請求項またはに記載の硬化性組成物
  8. 請求項7のいずれか1項に記載の硬化性組成物を硬化してなる光学部品。
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