JP4469202B2 - 光重合性樹脂組成物、その硬化物および製造方法 - Google Patents

光重合性樹脂組成物、その硬化物および製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4469202B2
JP4469202B2 JP2004096738A JP2004096738A JP4469202B2 JP 4469202 B2 JP4469202 B2 JP 4469202B2 JP 2004096738 A JP2004096738 A JP 2004096738A JP 2004096738 A JP2004096738 A JP 2004096738A JP 4469202 B2 JP4469202 B2 JP 4469202B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
fluorene
bis
compound
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2004096738A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005283905A (ja
Inventor
正充 白井
晴之 岡村
真一 川崎
剛 藤木
裕明 村瀬
昌宏 山田
香奈 小堀
光昭 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Osaka Gas Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Osaka Gas Co Ltd filed Critical Osaka Gas Co Ltd
Priority to JP2004096738A priority Critical patent/JP4469202B2/ja
Publication of JP2005283905A publication Critical patent/JP2005283905A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4469202B2 publication Critical patent/JP4469202B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

本発明は、光硬化塗膜、フォトレジスト及び印刷製版材などに利用できる光重合性樹脂組成物、その硬化物及び硬化物の製造方法に関する。
従来から、プリント配線基板などのパターニングには、スクリーン印刷法などの画像形成方法が用いられている。しかし、このスクリーン印刷法は、直接、基板などの上にパターンをレジストインキで印刷する方法であるため、この方法では、微細なパターンの形成が困難である。従って、現在では画像の微細化や高精度化の要求に対応するため、スクリーン印刷法に代わってフォトリソグラフィ法が主流になっている。
フォトリソグラフィ法は、基板などの上にフォトレジストなどの感光性樹脂組成物を塗布し、その感光性樹脂組成物を、フォトマスクを介して低圧水銀ランプなどを光源として露光した後、現像液で現像することにより、基板などの上に所望のパターンを形成する方法である。このフォトリソグラフィ法で使用される感光性樹脂組成物は、画像の高解像度化を実現するために、高度な光感度、良好な現像性などの特性を有するとともに、その硬化物については、耐熱性、低収縮性、低吸水性、耐薬品性などの特性を有することが要求される。また、フォトリソグラフィ法における現像工程では、環境汚染などの理由から、有機溶媒を使用せずに、アルカリ水溶液で現像を行う感光性樹脂組成物が主流になっている。
このようなアルカリ水溶液で現像を行う感光性樹脂組成物として、例えば、特開昭61−243869号公報(特許文献1)及び特開昭63−258975号公報(特許文献2)には、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させて得られるエポキシ(メタ)アクリレートに酸無水物を反応させてカルボキシル基を導入したカルボキシル基含有エポキシ(メタ)アクリレートが開示されている。また、特開平10−97068号公報(特許文献3)には、エポキシ樹脂、フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性ポリマー及び光酸発生剤を含有する感光性樹脂組成物が開示されている。さらに、特開2000−136230号公報(特許文献4)には、フェノール樹脂、エポキシ樹脂及び光酸発生剤を含有すると共に、フェノール樹脂やエポキシ樹脂にカルボキシル基を導入した感光性樹脂組成物が開示されている。
しかし、これらの感光性樹脂組成物でも、前記硬化物の特性(耐熱性、低収縮性、低吸水性、耐薬品性など)の点で充分とは言えず、微細で高精度なパターンを要求されるプリント配線基板などの用途には不適であり、特に、耐熱性、収縮性及び吸水性などの改善が望まれている。また、近年、盛んに開発されている光学薄膜(液晶ディスプレイなどに用いられる反射防止膜の高屈折率層や反射板など)の用途に使用するための材料としては不適である。
光学用途の材料は、可視光の透過性に優れ、高屈折率を有することが望まれる。また、反射防止膜の高屈折率層を最表面層として使用する場合は、表面防汚機能をもたせるため、前記材料は、撥水性が高いことが望ましい。特開2002−348357号公報(特許文献5)には、フルオレン骨格を有するエポキシ系樹脂と、光酸発生剤と、ポリシランとを含む光重合性樹脂組成物が開示されている。しかし、この組成物は、光感度が低く、硬化性が低いため、小さな露光量でパターンを精度よく形成できず、パターンの形成速度が充分でない。
特開昭61−243869号公報(特許請求の範囲) 特開昭63−258975号公報(特許請求の範囲) 特開平10−97068号公報(特許請求の範囲) 特開2000−136230号公報(特許請求の範囲) 特開2002−348357号公報(特許請求の範囲)
従って、本発明の目的は、紫外光などの光照射に対して高感度な光重合性樹脂組成物を提供することにある。
本発明の他の目的は、少ない露光量で硬化でき、かつ硬化物の耐熱性、寸法安定性(低収縮率)及び耐湿性(低吸水性)が高く、環境変化の影響を受けにくい光重合性樹脂組成物及びその組成物を用いて硬化物を製造する方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、硬化物の透明性、屈折率、撥水性の高い硬化物(又は硬化パターン)を形成可能な光重合性樹脂組成物及びその組成物を用いて硬化物を製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するために鋭意検討した結果、光カチオン重合性化合物(エポキシ化合物など)及びビニルエーテル化合物の少なくとも一方の成分がフルオレン骨格を有する化合物を含む光重合性樹脂組成物は、光照射に対して高感度であること、この組成物を用いると、光照射により得られる硬化物が、高耐熱性、低収縮性及び低吸水性を有することを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明の光重合性樹脂組成物は、光カチオン重合性化合物(A)、ビニルエーテル化合物(B)及び光酸発生剤(C)を含み、光カチオン重合性化合物(A)及びビニルエーテル化合物(B)の少なくとも一方がフルオレン誘導体で構成されている。
前記光カチオン重合性化合物(A)は、例えば、エポキシ化合物、好ましくは下記式(1)で表されるフルオレン誘導体であってもよい。
Figure 0004469202
式中、R1〜R8は同一又は異なって炭化水素基を表す。A1〜A4はC2-4アルキレン基を表す。m1〜m4は同一又は異なって0〜4の整数である。p1〜p4は同一又は異なって0〜4の整数である。q1〜q4は同一又は異なって0又は1以上の整数である。rは0又は1以上の整数である。
前記ビニルエーテル化合物(B)は、例えば、下記式(2)で表されるフルオレン誘導体であってもよい。
Figure 0004469202
式中、R9〜R12は同一又は異なって炭化水素基を表す。A5及びA6はC2-4アルキレン基を表す。m5及びm6は同一又は異なって0〜4の整数である。p5及びp6は同一又は異なって0〜4の整数である。q5及びq6は同一又は異なって0又は1以上の整数である。
前記組成物は、さらに、ポリシラン(D)を含んでいてもよい。
本発明には、前記組成物に光照射する硬化物の製造方法も含まれる。この方法において、光照射した後、加熱してもよい。この方法は、前記組成物を基材に塗布し、パターン露光し、(1)現像した後、加熱する方法又は(2)加熱した後、現像する方法であってもよい。さらに、本発明には、前記組成物が少なくとも光照射により硬化した硬化物も含まれる。
本発明によれば、特定の光カチオン重合性化合物(エポキシ化合物など)及びビニルエーテル化合物と、光酸発生剤とを組み合わせているため、紫外光などの光照射に対して高感度であり、少ない露光量で硬化できる。本発明の光重合性樹脂組成物によれば、アルカリ水溶液で現像することができ、かつフルオレン骨格に基づく高耐熱性、低収縮性、低吸水性などの特性を有する硬化物を得ることができる。
また、光カチオン重合性樹脂(エポキシ化合物など)及び/又はビニルエーテル化合物として、フルオレン誘導体[例えば、前記式(1)又は(2)で表されるフルオレン誘導体など]を使用し、少なくとも光照射で硬化できるので、耐熱性が高く、吸水性が低いため湿度などの環境変化の影響を受けにくく、かつ収縮性が低いため寸法安定性に優れた硬化物を得ることができる。
さらに、硬化物の透明性、屈折率及び撥水性を向上できる。そのため、プリント配線板などの精細な画像を高精度で形成するのに有用である。
本発明の光重合性樹脂組成物は、少なくとも光カチオン重合性化合物(A)、ビニルエーテル化合物(B)及び光酸発生剤(C)で構成されている。硬化物の特性(耐熱性、低収縮性、低吸水性、耐薬品性など)の点より、光カチオン重合性化合物及びビニルエーテル化合物の少なくとも一方がフルオレン誘導体で構成されており、光カチオン重合性化合物及びビニルエーテル化合物の双方をフルオレン誘導体で構成してもよい。光重合性樹脂組成物は、光カチオン重合性化合物に加えて、ビニルエーテル化合物を含むことに起因して、硬化性が高い。
本発明の光重合性樹脂組成物に、光(紫外光など)照射すると、光酸発生剤からカチオンが発生し、これが触媒となって、少なくとも光カチオン重合性化合物(エポキシ化合物など)とビニルエーテル化合物との間で重合反応が進行し、樹脂組成物が硬化する。この際、光照射後に加熱することによって光重合性樹脂組成物の重合反応を促進することができる。
[光カチオン重合性化合物]
光カチオン重合性化合物(A)は、例えば、エポキシ化合物(グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂など)などであってもよい。エポキシ化合物としては、例えば、新保正樹編「エポキシ樹脂ハンドブック」日刊工業新聞社刊(昭和62年)に記載のエポキシ樹脂などが例示できる。エポキシ化合物としては、通常、芳香族エポキシ樹脂[ノボラック型エポキシ樹脂(フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂)、ビスフェノール型エポキシ樹脂(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールフルオレン型エポキシ樹脂など)]や、脂環族型エポキシ樹脂(水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂など)などのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂などが挙げられる。光カチオン重合性化合物(A)は、例えば、単量体成分として、グリシジル(メタ)アクリレートを含む重合体[ポリグリシジル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートと共重合性単量体(アルキル(メタ)アクリレート、エチレン、プロピレン、酢酸ビニルなど)との共重合体]などのエポキシ化合物などであってもよい。これらのエポキシ化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのエポキシ化合物のうち、光学的な特性の点から、フルオレン骨格などの縮合炭化水素環を有するエポキシ化合物[例えば、ビスフェノールフルオレン型エポキシ化合物などの縮合炭化水素環を有するビスフェノール型エポキシ化合物など]が好ましい。
光カチオン重合性化合物は、フルオレン骨格を有する光カチオン重合性化合物(フルオレン誘導体)又はフルオレン骨格を有しない光カチオン重合性化合物のいずれであってもよい。ただし、ビニルエーテル化合物(B)をフルオレン誘導体で構成しない場合には、光カチオン重合性化合物(A)は、少なくともフルオレン誘導体で構成される。
フルオレン骨格を有する光カチオン重合性化合物(A)は、例えば、前記式(1)で表されるフルオレン誘導体であってもよい。
前記式(1)中、R1〜R8は、同一又は異なって、炭化水素基である。炭化水素基としては、例えば、アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基などの直鎖又は分岐鎖状C1-6アルキル基など)、アルケニル基(ビニル基などの直鎖又は分岐鎖状C2-6アルケニル基など)、シクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基などのC4-8シクロアルキル基)、C6-10アリール基(フェニル基、メチルフェニル基などのC1-4アルキルフェニル基、ジメチルフェニル基などのジC1-4アルキルフェニル基、トリメチルフェニル基などのトリC1-4アルキルフェニル基、ナフチル基など)などが挙げられる。これらの炭化水素基のうち、メチル基やエチル基などのC1-6アルキル基(特に、メチル基などのC1-4アルキル基)、フェニル基などのC6-10アリール基が好ましい。
係数m1〜m4は、同一又は異なって、0〜4(通常、0〜3)の整数であり、例えば、0〜2の整数、好ましくは0又は1であってもよい。係数p1〜p4は、同一又は異なって、0〜4(通常、0〜3)の整数であり、例えば、0〜2の整数、好ましくは0又は1であってもよい。
1〜A4は、同一又は異なって、C2-4アルキレン基(例えば、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、ブチレン基など)を表し、好ましくはC2-3アルキレン基(例えば、エチレン基、プロピレン基など)、さらに好ましくはエチレン基であってもよい。q1〜q4は、同一又は異なって、0又は1以上の整数(通常、0〜50程度の整数)であり、例えば、0〜30、好ましくは0〜10(例えば、0〜5)、さらに好ましくは0〜3程度の整数(特に0又は1)であってもよい。
係数rは、0又は1以上の整数(通常、0〜500程度の整数)であり、例えば、0〜100、好ましくは0〜50(例えば、0〜30)、さらに好ましくは0〜20(例えば、0〜10、特に0〜5)程度の整数であってもよい。
グリシジルエーテル鎖の置換位置は特に制限されず、ベンゼン環に対してo−、m−又はp−位のいずれであってもよいが、m−及び/又はp−位が好ましい。なお、ビスフェノールフルオレン型エポキシ化合物は、前記式(1)中、1つのベンゼン環に対してグリシジルエーテル鎖が2個置換したビスカテコールフルオレン型エポキシ化合物[例えば、9,9−ビス(3,4−ジグリシジルオキシフェニル)フルオレンなど]などであってもよい。
前記式(1)中、r=0、q1=q2=0である化合物としては、例えば、9,9−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)フルオレン(BPFG);9,9−ビス(グリシジルオキシ(アルキル)フェニル)フルオレン[9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3−メチルフェニル)フルオレン(BCFG)、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−2−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3−エチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−グリシジルオキシ−6−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(2−グリシジルオキシ−4−メチルフェニル)フルオレンなど];9,9−ビス(グリシジルオキシ−ジアルキルフェニル)フルオレン[9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3,5−ジメチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)フルオレンなど];9,9−ビス(グリシジルオキシ(シクロアルキル)フェニル)フルオレン[9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3−シクロヘキシルフェニル)フルオレンなど];9,9−ビス(グリシジルオキシ(アリール)フェニル)フルオレン[9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3−フェニルフェニル)フルオレンなど]などが挙げられる。
r=0、q1=q2=1である化合物としては、例えば、9,9−ビス((グリシジルオキシアルコキシ)フェニル)フルオレン[9,9−ビス(4−(2−グリシジルオキシエトキシ)フェニル)フルオレン(BPEFG)、9,9−ビス(4−(2−グリシジルオキシプロポキシ)フェニル)フルオレンなど];9,9−ビス(グリシジルオキシアルコキシ(アルキル)フェニル)フルオレン[9,9−ビス(4−(2−グリシジルオキシエトキシ)−3−メチルフェニル)フルオレン(BCEFG)、9,9−ビス(4−(2−グリシジルオキシプロポキシ)−3−メチルフェニル)フルオレンなど];9,9−ビス(グリシジルオキシアルコキシ−ジアルキルフェニル)フルオレン[9,9−ビス(4−(2−グリシジルオキシエトキシ)−3,5−ジメチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−グリシジルオキシプロポキシ)−2,6−ジメチルフェニル)フルオレンなど];9,9−ビス(グリシジルオキシアルコキシ(シクロアルキル)フェニル)フルオレン[9,9−ビス(4−(2−グリシジルオキシエトキシ)−3−シクロヘキシルフェニル)フルオレンなど];9,9−ビス(グリシジルオキシアルコキシ(アリール)フェニル)フルオレン[9,9−ビス(4−(2−グリシジルオキシエトキシ)−3−フェニルフェニル)フルオレンなど]などが挙げられる。
r=1以上の化合物は、9,9−ビスフェノールフルオレン類又はそのアルキレンオキサイド付加体のヒドロキシル基1モル当たり1モル未満のエピクロルヒドリンが付加したエポキシ化合物に対応する。q1=q2=2以上の化合物は、9,9−ビスフェノールフルオレン類の各ヒドロキシル基に対して2以上のアルキレンオキサイドが付加したエポキシ化合物に対応する。
これらのフルオレン骨格を有する光カチオン重合性化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのフルオレン骨格を有する光カチオン重合性化合物のうち、9,9−ビス(グリシジルオキシフェニル)フルオレン(例えば、BPFGなど)、9,9−ビス(グリシジルオキシ(C1-3アルキル)フェニル)フルオレン(例えば、BCFGなど)、9,9−ビス((グリシジルオキシC2-3アルコキシ)フェニル)フルオレン(例えば、BPEFGなど)、9,9−ビス(グリシジルオキシC2-3アルコキシ(C1-3アルキル)フェニル)フルオレン(BCEFGなど)などが繁用される。
フルオレン骨格を有する光カチオン重合性化合物は、公知の方法(例えば、特開平2−73823号公報、特開平10−36485号公報など)で製造してもよい。例えば、前記式(1)で表されるフルオレン誘導体は、式(3)で表される9,9−ビスフェノールフルオレン類を、アルカリ金属水酸化物(水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)の存在下に、エピハロヒドリン(エピクロルヒドリンなど)と反応させて製造してもよい。
Figure 0004469202
式中、R1〜R4、A1、A2、m1、m2、p1、p2、q1及びq2は、それぞれ、前記式(1)中のものと同じ意味を表す。
光カチオン重合性化合物の重量平均分子量Mwは、通常、400〜30000程度であり、例えば、450〜10000、好ましくは500〜5000程度であってもよい。光カチオン重合性化合物(エポキシ化合物)のエポキシ当量は、通常、150〜5000g/eq程度であり、例えば、200〜3000g/eq、好ましくは250〜1000g/eq程度であってもよい。
光カチオン重合性化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。例えば、フルオレン骨格を有する光カチオン重合性化合物と、フルオレン骨格を有しない光カチオン重合性化合物とを組み合わせて使用してもよい。フルオレン骨格を有する光カチオン重合性化合物と、フルオレン骨格を有しない光カチオン重合性化合物との割合(重量比)は、通常、前者/後者=100/0〜1/99(例えば、100/0〜10/90)程度であり、硬化物の特性(耐熱性、低収縮性、低吸水性、耐薬品性など)などの点より、例えば、100/0〜20/80、好ましくは100/0〜30/70(例えば、100/0〜40/60)、さらに好ましくは100/0〜50/50(例えば、100/0〜60/40、特に100/0〜70/30)程度であってもよい。
[ビニルエーテル化合物]
ビニルエーテル化合物(B)は、フルオレン骨格を有するビニルエーテル化合物(フルオレン誘導体)又はフルオレン骨格を有しないビニルエーテル化合物のいずれであってもよい。ただし、光カチオン重合性化合物(A)をフルオレン誘導体で構成しない場合には、ビニルエーテル化合物(B)は、少なくともフルオレン誘導体で構成される。
フルオレン骨格を有しないビニルエーテル化合物(非フルオレン系ビニルエーテル化合物)は、例えば、1分子中に1又は複数のビニル基を有するビニルエーテル化合物であってもよい。1分子中に1個のビニル基を有するビニルエーテル化合物としては、例えば、アルキルビニルエーテル(メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテルなど)、アリールビニルエーテル(フェニルビニルエーテルなど)などが挙げられる。1分子中に複数のビニル基を有するビニルエーテル化合物は、ポリオールとアセチレンとを反応させて得られるビニルエーテル化合物であってもよい。1分子中に複数のビニル基を有するビニルエーテル化合物としては、例えば、ジビニルオキシアルカン(例えば、1,4−ジビニルオキシ−n−ブタン、1,6−ジビニルオキシ−n−ヘキサンなど);ジ(ビニルオキシアルキル)エーテル[例えば、ジ(2−ビニルオキシエチル)エーテル、ジ(3−ビニルオキシプロピル)エーテルなど];ポリアルキレングリコール(トリエチレングリコールなど)とアセチレンとを反応させて得られるジビニルエーテル化合物[例えば、1,2−ジ(2−ビニルオキシエトキシ)エタンなど];芳香族ポリオール[例えば、ビスフェノール類(ビスフェノールAなど)、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加体など]とアセチレンとを反応させて得られるジビニルエーテル化合物;脂環族ポリオール(例えば、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールなど)とアセチレンとを反応させて得られるジビニルエーテル[例えば、p−ジ(ビニルオキシメチル)シクロヘキサン、p−ジビニルオキシシクロヘキサンなど]などが挙げられる。
フルオレン骨格を有するビニルエーテル化合物は、例えば、前記式(2)で表されるフルオレン誘導体であってもよい。
前記式(2)中、R9〜R12は、同一又は異なって、炭化水素基を表す。炭化水素基としては、例えば、アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基などの直鎖又は分岐鎖状C1-6アルキル基など)、アルケニル基(ビニル基などの直鎖又は分岐鎖状C2-6アルケニル基など)、シクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基などのC4-8シクロアルキル基)、C6-10アリール基(フェニル基、メチルフェニル基などのC1-4アルキル−フェニル基、ジメチルフェニル基などのジC1-4アルキル−フェニル基、トリメチルフェニル基などのトリC1-4アルキル−フェニル基、ナフチル基など)などが挙げられる。R9〜R12は、例えば、水素原子又はメチル基やエチル基などのC1-6アルキル基(特に、メチル基などのC1-4アルキル基)、フェニル基などのC6-10アリール基であってもよい。
係数m5及びm6は、同一又は異なって、0〜4(通常、0〜3)の整数であり、例えば、0〜2の整数、好ましくは0又は1であってもよい。係数p5及びp6は、同一又は異なって、0〜4(通常、0〜3)の整数であり、例えば、0〜2の整数、好ましくは0又は1であってもよい。
5及びA6は、同一又は異なって、C2-4アルキレン基(例えば、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、ブチレン基など)を表し、好ましくはC2-3アルキレン基(例えば、エチレン基、プロピレン基など)、さらに好ましくはエチレン基であってもよい。q5及びq6は、同一又は異なって、0又は1以上の整数(通常、0〜50程度の整数)であり、例えば、0〜30、好ましくは0〜10(例えば、0〜5)、さらに好ましくは0〜3程度の整数(特に0又は1)であってもよい。
ビニルエーテル鎖の置換位置は特に制限されず、ベンゼン環に対してo−、m−又はp−位のいずれであってもよいが、m−及び/又はp−位が好ましい。ビスフェノールフルオレン型ビニルエーテル化合物は、1つのベンゼン環に対してビニルオキシ基が2個置換したビスカテコールフルオレン型ビニルエーテル化合物[例えば、9,9−ビス(3,4−ジビニルオキシフェニル)フルオレンなど]などであってもよい。
式(2)中、q5=q6=0である化合物としては、例えば、9,9−ビス(4−ビニルオキシフェニル)フルオレン;9,9−ビス(ビニルオキシ(アルキル)フェニル)フルオレン[9,9−ビス(4−ビニルオキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ビニルオキシ−2−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ビニルオキシ−3−エチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−ビニルオキシ−6−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(2−ビニルオキシ−4−メチルフェニル)フルオレンなど];9,9−ビス(ビニルオキシ−ジアルキルフェニル)フルオレン[9,9−ビス(4−ビニルオキシ−3,5−ジメチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ビニルオキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)フルオレンなど];9,9−ビス(ビニルオキシ(シクロアルキル)フェニル)フルオレン[9,9−ビス(4−ビニルオキシ−3−シクロヘキシルフェニル)フルオレンなど];9,9−ビス(ビニルオキシ(アリール)フェニル)フルオレン[9,9−ビス(4−ビニルオキシ−3−フェニルフェニル)フルオレンなど]などが挙げられる。
q5=q6=1である化合物としては、例えば、9,9−ビス((ビニルオキシアルコキシ)フェニル)フルオレン[9,9−ビス(4−(2−ビニルオキシエトキシ)フェニル)フルオレン(FBPEVE)、9,9−ビス(4−(2−ビニルオキシプロポキシ)フェニル)フルオレンなど];9,9−ビス(ビニルオキシアルコキシ(アルキル)フェニル)フルオレン[9,9−ビス(4−(2−ビニルオキシエトキシ)−3−メチルフェニル)フルオレン(FB3MPEVE)、9,9−ビス(4−(2−ビニルオキシエトキシ)−2−メチルフェニル)フルオレン(FB2MPEVE)、9,9−ビス(4−(2−ビニルオキシプロポキシ)−3−メチルフェニル)フルオレンなど];9,9−ビス(ビニルオキシアルコキシ(ジアルキル)フェニル)フルオレン[9,9−ビス(4−(2−ビニルオキシエトキシ)−3,5−ジメチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ビニルオキシプロポキシ)−2,6−ジメチルフェニル)フルオレンなど];9,9−ビス(ビニルオキシアルコキシ(シクロアルキル)フェニル)フルオレン[9,9−ビス(4−(2−ビニルオキシエトキシ)−3−シクロヘキシルフェニル)フルオレンなど];9,9−ビス(ビニルオキシアルコキシ(アリール)フェニル)フルオレン[9,9−ビス(4−(2−ビニルオキシエトキシ)−3−フェニルフェニル)フルオレンなど]などが挙げられる。
q5=q6=2以上の化合物は、9,9−ビスフェノールフルオレン類の各ヒドロキシル基に対して2以上のアルキレンオキサイドが付加したビニルエーテル化合物に対応する。
フルオレン骨格を有するビニルエーテル化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。フルオレン骨格を有するビニルエーテル化合物のうち、9,9−ビス(ビニルオキシ(C2-3アルキル)フェニル)フルオレン[9,9−ビス(4−ビニルオキシ−3−メチルフェニル)フルオレンなど]、9,9−ビス((ビニルオキシC2-3アルコキシ)フェニル)フルオレン[9,9−ビス(4−(2−ビニルオキシエトキシ)フェニル)フルオレン(FBPEVE)など]、9,9−ビス((ビニルオキシC2-3アルコキシ)(C1-3アルキル)フェニル)フルオレン[9,9−ビス(4−(2−ビニルオキシエトキシ)−3−メチルフェニル)フルオレン(FB3MPEVE)、9−ビス(4−(2−ビニルオキシエトキシ)−2−メチルフェニル)フルオレン(FB2MPEVE)など]などが繁用される。
フルオレン骨格を有するビニルエーテル化合物は、公知の方法(例えば、特開2003−277616号公報など)で製造してもよい。例えば、前記式(2)で表されるフルオレン誘導体は、式(4)で表される9,9−ビスフェノールフルオレン類とアセチレンとを反応させることにより得ることができる。
Figure 0004469202
式中、R9〜R12、A5、A6、m5、m6、p5、p6、q5及びq6は、前記式(2)中のものと同じ意味を表す。
これらのビニルエーテル化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。例えば、フルオレン骨格を有するビニルエーテル化合物と、フルオレン骨格を有しないビニルエーテル化合物とを組み合わせて使用してもよい。フルオレン骨格を有するビニルエーテル化合物と、フルオレン骨格を有しないビニルエーテル化合物との割合(重量比)は、通常、前者/後者=100/0〜1/99程度であり、硬化物の特性(耐熱性、低収縮性、低吸水性、耐薬品性など)などの点より、例えば、100/0〜10/90、好ましくは100/0〜20/80、さらに好ましくは100/0〜30/70(特に100/0〜40/60)程度であってもよい。
ビニルエーテル化合物(B)の割合は、光カチオン重合性化合物(A)100重量部に対して、通常、0.1〜500重量部程度であり、樹脂組成物の硬化性と硬化物の特性とのバランスの点より、例えば、0.5〜400重量部、好ましくは1〜300重量部、さらに好ましくは3〜200重量部(特に5〜150重量部)程度であってもよい。
フルオレン誘導体(フルオレン骨格を有する光カチオン重合性化合物及びビニルエーテル化合物)の合計量と、フルオレン骨格を有しない光カチオン重合性化合物及びビニルエーテル化合物の合計量との割合(重量比)は、通常、前者/後者=100/0〜1/99程度であり、硬化物の特性(耐熱性、低収縮性、低吸水性、耐薬品性、光学的特性など)などの点より、例えば、100/0〜10/90、好ましくは100/0〜20/80、さらに好ましくは100/0〜30/70(特に100/0〜40/60)程度であってもよい。
[光酸発生剤]
光酸発生剤(C)は、慣用の光酸発生剤、例えば、イミジルスルホネート化合物、チオキサントンオキシムエステル化合物、オニウム塩、メタロセン錯体、スルホンイミド化合物、ジスルホン化合物、スルホン酸エステル化合物、トリアジン化合物、キノンジアジド化合物、ジアゾメタン化合物などであってもよい。オニウム塩の対イオンは、例えば、CF3SO3 -、 BF4 -、PF6 -、AsF6 -、SbF6 -などのアニオンであってもよい。これらの光酸発生剤としては、例えば、特開2002−348357号公報や、山岡亜夫編集『レジスト材料ハンドブック』リアライズ社(1996),第43頁に記載の光酸発生剤を参照できる。
イミジルスルホネート化合物としては、例えば、スクシンイミジルスルホネート化合物(スクシンイミジル カンファスルホネート、スクシンイミジル フェニルスルホネート、スクシンイミジル トルイルスルホネート、スクシンイミジル トリフルオロメチルスルホネートなど)、フタルイミジルスルホネート化合物(フタルイミジル トリフルオロメチルスルホネートなど)、ナフタルイミジルスルホネート化合物[ナフタルイミジル カンファスルホネート、ナフタルイミジル メタンスルホネート、ナフタルイミジル トリフルオロメタンスルホネート(NITf)、ナフタルイミジル トルイルスルホネートなど]、ノルボルネンイミジルスルホネート化合物(ノルボルネンイミジル トリフルオロメタンスルホネートなど)などが挙げられる。
チオキサントンオキシムエステル化合物としては、例えば、ベンゼンスルホン酸チオキサントンオキシムエステル、ベンゼンスルホン酸 アルキルチオキサントンオキシムエステル(例えば、ベンゼンスルホン酸 イソプロピルチオキサントンオキシムエステルなどのベンゼンスルホン酸 C1-6アルキルチオキサントンオキシムエステルなど)、アルキルベンゼンスルホン酸 チオキサントンオキシムエステル(例えば、トルエンスルホン酸 チオキサントンオキシムエステル、エチルベンゼンスルホン酸 チオキサントンオキシムエステルなどのC1-6アルキルベンゼンスルホン酸 チオキサントンオキシムエステル、キシレンスルホン酸 チオキサントンオキシムエステルなどのジC1-6アルキルベンゼンスルホン酸 チオキサントンオキシムエステルなど)、アルキルベンゼンスルホン酸 アルキルチオキサントンオキシムエステル(例えば、トルエンスルホン酸 イソプロピルチオキサントンオキシムエステルなどのC1-6アルキルベンゼンスルホン酸 C1-6アルキルチオキサントンオキシムエステル)、ハロベンゼンスルホン酸 チオキサントンオキシムエステル(例えば、ペンタフルオロベンゼンスルホン酸 チオキサントンオキシムエステルなどのモノ乃至ペンタフルオロベンゼンスルホン酸 チオキサントンオキシムエステルなど)、ハロベンゼンスルホン酸 アルキルチオキサントンオキシムエステル(例えば、ペンタフルオロベンゼンスルホン酸 イソプロピルチオキサントンオキシムエステルなどのモノ乃至ペンタフルオロベンゼンスルホン酸 C1-6アルキルチオキサントンオキシムエステルなど)、これらの化合物に対応する化合物であって、ベンゼン環がナフタレン環である化合物などが挙げられる。
オニウム塩としては、例えば、芳香族ジアゾニウム塩[4−クロロベンゼンジアゾニウム塩(ヘキサフルオロホスフェート塩など)、p−ニトロフェニルジアゾニウム塩(ヘキサフルオロホスフェート塩など)など]、芳香族スルホニウム塩[トリフェニルスルホニウム塩(トリフレート塩、ヘキサフルオロホスフェート塩、ヘキサフルオロアンチモネート塩など);(4−フェニルチオフェニル)ジフェニルスルホニウム塩(ヘキサフルオロホスフェート塩、ヘキサフルオロアンチモネート塩など);(4−メトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム塩(ヘキサフルオロアンチモネート塩など);トリフェニルスルホニウム塩(トリフレート塩、ナフタレンスルホネート塩、メタンスルホネート塩、ノナフルオロブタンスルホネート塩など);(ヒドロキシフェニル)ベンジルメチルスルホニウム塩(トルエンスルホネート塩など);ビス〔4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル〕スルフィド−ビス−ヘキサフルオロホスフェート、ビス〔4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル〕スルフィド−ビス−ヘキサフルオロアンチモネートなど]、芳香族ヨードニウム塩[ジフェニルヨードニウム塩(トリフレート塩、ヘキサフルオロホスフェート塩、ヘキサフルオロアンチモネート塩、ピレンスルホネート塩、ドデシルベンゼンスルホネート塩など);(4−メトキシフェニル)フェニルヨードニウム塩(トリフレート塩、ヘキサフルオロアンチモネート塩など);ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウム塩(テトラフルオロボレート塩、ヘキサフルオロホスフェート塩、ヘキサフルオロアンチモネート塩、カンファスルホネート塩など)など]、芳香族ホスホニウム塩[ベンジルトリフェニルホスホニウム塩(ヘキサフルオロアンチモネート塩など)など]、芳香族セレニウム塩[トリフェニルセレニウム塩(ヘキサフルオロホスフェート塩など)など]、ピリジニウム塩などが挙げられる。
メタロセン錯体としては、例えば、(η5−イソプロピルベンゼン)(η5−シクロペンタジエニル)鉄(II)ヘキサフルオロホスフェートなどのシクロペンタジエニル錯体などが挙げられる。ジスルホン化合物としては、例えば、ジフェニルジスルホンなどの芳香族ジスルホン化合物が挙げられる。
スルホン酸エステルとしては、例えば、1,2,3−トリ(メチルスルホニルオキシ)ベンゼンなどのアリールアルカンスルホネート(特にC6-10アリールC1-2アルカンスルホネート);2,6−ジニトロベンジルトルエンスルホネート、ベンゾイントシレートなどのアリールベンゼンスルホネート(特にベンゾイル基を有していてもよいC6-10アリールトルエンスルホネート);2−ベンゾイル−2−ヒドロキシ−2−フェニルエチルトルエンスルホネートなどのアラルキルベンゼンスルホネート類(特にベンゾイル基を有していてもよいC6-10アリール−C1-4アルキルトルエンスルホネート)などが挙げられる。
トリアジン化合物としては、例えば、ハロアルキルトリアジニルアリール[1−メトキシ−4−(3,5−ジ(トリクロロメチル)トリアジニル)ベンゼン、1−メトキシ−4−(3,5−ジ(トリクロロメチル)トリアジニル)ナフタレンなど]、ハロアルキルトリアジニルアルケニルアリール[1−メトキシ−4−[2−(3,5−ジトリクロロメチルトリアジニル)エテニル]ベンゼン、1,2−ジメトキシ−4−[2−(3,5−ジトリクロロメチルトリアジニル)エテニル]ベンゼン、1−メトキシ−2−[2−(3,5−ジトリクロロメチルトリアジニル)エテニル]ベンゼンなど]などが挙げられる。
光酸発生剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。光酸発生剤の割合は、例えば、光酸発生剤の種類により適宜選択できる。光酸発生剤の割合は、例えば、光カチオン性化合物(A)及びビニルエーテル化合物(B)の合計100重量部に対して、通常、0.01〜25重量部であり、例えば、0.05〜20重量部、好ましくは0.1〜15重量部、さらに好ましくは0.3〜10重量部(特に0.5〜5重量部)程度であってもよい。光酸発生剤の割合は、例えば、光カチオン重合性化合物(A)100重量部に対して、通常、0.05〜30重量部程度であり、例えば、0.1〜25重量部、好ましくは0.3〜20重量部、さらに好ましくは0.5〜15重量部(特に1〜10重量部)程度であってもよい。光酸発生剤(C)の割合は、例えば、ビニルエーテル化合物(B)100重量部に対して、通常、0.1〜30重量部程度であり、好ましくは0.5〜20重量部、さらに好ましくは1〜10重量部程度であってもよい。光酸発生剤の割合が少なすぎると、光照射により発生する酸の触媒作用によって重合反応を充分に生成させることが困難となる場合があり、多すぎると樹脂組成物の安定性の低下、樹脂組成物を塗布する際に塗布むら、現像時のムカスの発生などの原因となる場合がある。
[ポリシラン]
光重合性樹脂組成物は、さらに、ポリシラン(D)を含んでいてもよい。ポリシランは、特に限定されないが、通常、Si−Si結合を有する直鎖状、環状、分岐状又は網目状の化合物であってもよい。ポリシランは、下記式(5)〜(7)で表される構造単位のうち少なくとも1つを有していてもよい。ポリシランは、例えば、式(5)で表される構造単位を有する直鎖状又は環状ポリシラン、式(6)又は(7)で表される構造単位を有する分岐鎖状又は網目状ポリシラン、式(5)〜(7)で表される構造単位を組み合わせて有するポリシランなどであってもよい。
Figure 0004469202
式中、R13〜R15は、同一又は異なって、水素原子、ヒドロキシル基、炭化水素基、アルコキシ基、アリールオキシ基又はシリル基を示す。R13〜R15は、炭化水素基である場合が多い。水素原子、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基及びシリル基は、末端置換基である場合が多い。非環状構造(直鎖状、分岐鎖状、網目状)のポリシランの末端置換基は、水素原子、ヒドロキシル基、アルキル基、アルコキシ基、シリル基などである場合が多い。
炭化水素基としては、例えば、アルキル基[例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基などのC1-14アルキル基(好ましくはC1-10アルキル基、さらに好ましくはC1-6アルキル基)など];アルケニル基[例えば、ビニル基、アリル基などのC2-14アルケニル基(好ましくはC2-10アルケニル基、さらに好ましくはC2-6アルケニル基)など];シクロアルキル基[例えば、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基などのC5-14シクロアルキル基(好ましくはC5-10シクロアルキル基、さらに好ましくはC5-8シクロアルキル基)など];アリール基[例えば、フェニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、ナフチル基などのC6-20アリール基(好ましくはC6-15アリール基、さらに好ましくはC6-12アリール基)など];アラルキル基[例えば、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基などのC6-20アリール−C1-4アルキル基(好ましくはC6-10アリール−C1-2アルキル基)など]などが挙げられる。前記炭化水素基は、その水素原子の少なくとも1つが、アリール基、アルコキシ基、アミノ基などの官能基により置換されていてもよい。
アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などのC1-14アルコキシ基(好ましくはC1-10アルコキシ基、さらに好ましくはC1-6アルコキシ基)などが挙げられる。アリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基などのC6-20アリールオキシ基(好ましくはC6-15アリールオキシ基、さらに好ましくはC6-12アリールオキシ基)などが挙げられる。前記アルコキシ基及びアリールオキシ基は、その水素原子の少なくとも1つが、アリール基、アルコキシ基、アミノ基などの官能基により置換されていてもよい。シリル基としては、例えば、シリル基、ジシラニル基、トリシラニル基などのSi1-10シラニル基(好ましくはSi1-6シラニル基)などが挙げられる。シリル基は、その水素原子の少なくとも1つが、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アミノ基などの官能基により置換されていてもよい。
前記式(5)〜(7)中、x、y及びzは、それぞれ、0以上(通常、0〜400程度)の数を示す。x、y及びzの合計(ポリシランの重合度)は、通常、5〜400程度であり、例えば、10〜350、好ましくは20〜300程度であってもよい。
硬化物の屈折率を向上させる点から、芳香族炭化水素環を有する基(アリール基、アラルキル基、アリールオキシ基など)、特にアリール基(フェニル基など)を有するポリシラン、例えば、R17及びR18の少なくとも一方がアリール基(特にC6-20アリール基)である構造単位(5)又はR15がアリール基(特にC6-20アリール基)である構造単位(6)のいずれか一方又は両方を含むポリシランなどが好ましい。
具体的には、ポリメチルフェニルシラン、ポリジフェニルシラン、ポリフェニルシランなどのホモポリマーや、メチルフェニルシラン−フェニルシラン共重合体[R13及びR14の一方がメチル基、他方がフェニル基である構造単位(5)とR15がフェニル基である構造単位(6)とが、例えば、前者/後者(モル比)=1.5/1〜0.5/1、好ましくは1.2/1〜0.8/1程度の割合で共重合したポリマー]などのコポリマーなどであってもよい。
ポリシランは、さらに末端のケイ素原子に少なくとも1つのヒドロキシル基が直接結合したポリシラン、すなわち、末端に少なくとも1つのシラノール基を有するポリシランであってもよい。ケイ素原子に直接結合したヒドロキシル基は、光カチオン重合性化合物(エポキシ化合物)のエポキシ基との良好な反応性を示し、光照射又は加熱により、光カチオン重合性化合物とポリシランとの間に高度な架橋構造を形成する。また、末端のケイ素原子に、フェノール基が結合したポリシランであってもよい。このようなヒドロキシル基の割合は、1つのケイ素原子当たり、例えば、平均0.005〜2.5個、好ましくは平均0.01〜2.3個、さらに好ましくは平均0.02〜2個程度であってもよい。
ポリシランの数平均分子量は、通常、300〜100000程度であり、例えば、400〜50000、好ましくは500〜20000程度であってもよい。
ポリシランは、慣用の方法で調製できる。ポリシランの製造方法としては、例えば、特定の構造単位を有するケイ素含有モノマーを原料として、アルカリ金属の存在下でハロシラン類を脱ハロゲン縮重合させる方法[「キッピング法」、J.Am.Chem.Soc.,110,124(1988)、Macromolecules,23,3423(1990)など]、電極還元によりハロシラン類を脱ハロゲン縮重合させる方法[J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,1161(1990)、J.Chem.Soc.,Chem.Commun.897(1992)など]、マグネシウムを還元剤としてハロシラン類を脱ハロゲン縮重合させる方法(「マグネシウム還元法」、WO98/29476号公報など)、金属触媒の存在下にヒドラジン類を脱水素縮重合させる方法(特開平4−334551号公報など)、ビフェニルなどで架橋されたジシレンのアニオン重合による方法[Macromolecules,23,4494(1990)など]、環状シラン類の開環重合による方法などの方法が挙げられる。
ヒドロキシル基を有するポリシランも、公知の方法を用いて製造することができる。例えば、前記キッピング法などにおいて、縮重合反応終了時に水を添加する方法により容易に製造することができる。
これらのポリシランは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
ポリシラン(D)の割合は、光カチオン重合性化合物(A)100重量部に対して、通常、500重量部以下(例えば、0.5〜500程度)であり、例えば、400重量部以下(例えば、1〜400重量部程度)、好ましくは300重量部以下(例えば、3〜300重量部程度)、さらに好ましくは200重量部以下(例えば、5〜200重量部程度)、特に100重量部以下(例えば、10〜100重量部程度)であってもよい。ポリシランにより、樹脂組成物の架橋効率を高め、硬化物の耐熱性を向上できるとともに、硬化物の屈折率や撥水性も高くなる。
光酸発生剤(C)とポリシラン(D)との割合は、ポリシラン(D)100重量部に対して、通常、光酸発生剤(C)0.1〜20重量部程度であり、樹脂組成物の硬化性と現像性とのバランスの点より、例えば、0.5〜10重量部、好ましくは1〜10重量部程度であってもよい。
少なくとも一方がフルオレン誘導体[前記式(1)又は(2)で表されるフルオレン誘導体など]である光カチオン重合性化合物(A)及びビニルエーテル化合物(B)と、ポリシラン(D)とを組み合わせることにより、フルオレン骨格やポリシラン構造などに基づいて、耐熱性及び耐溶剤性が高く、吸水性及び収縮性が低い硬化物を得ることができる。さらに、可視光に対する透過性に優れるとともに、屈折率が高く、撥水性が高い硬化物を得ることができる。
[増感剤]
光重合性樹脂組成物は、感光波長領域を拡げたり、感度を向上するために、光増感剤を含んでいてもよい。光増感剤としては、慣用の増感剤が使用でき、例えば、クマリン類[3−(2−ベンゾチアゾリル)−7−(ジエチルアミノ)クマリン、3,3′−カルボニルビス(7−(ジエチルアミノ)クマリン)など]、キノリン類[2−(2−(4−ジメチルアミノフェニル)エテニル)キノリンなど]、キノン類(アントラキノン、ベンゾキノンなど)、ピレン類(ピレン、1−ニトロピレンなど)、芳香族炭化水素類(アセナフテン、フルオレン、ビフェニルなど)、アミン類(アクリドンなど)などが挙げられる。光増感剤について、詳しくは、例えば、高分子学会編集『感光性樹脂』共立出版(1988),第85頁などを参照できる。これらの増感剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
[反応性ポリマー]
光重合性樹脂組成物は、さらに、エポキシ基に対する反応性基(ヒドロキシル基、カルボキシル基、酸無水物基など)を有するポリマー(反応性ポリマー)を含んでいてもよい。エポキシ基に対する反応性基は、エポキシ基と直接反応する官能基、又は光酸発生剤による酸や光照射によってエポキシ基と反応する官能基であってもよい。
反応性ポリマーとしては、ポリフェノール系樹脂(例えば、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール系樹脂、ビスフェノール−ホルムアルデヒド樹脂など);エポキシ基に対する反応性基を有する単量体[ヒドロキシ芳香族ビニル(ビニルフェノールなど)、N−ヒドロキシフェニル−マレイミドなどのヒドロキシル基を有する単量体、(メタ)アクリル酸などのカルボキシル基を有する単量体、無水マレイン酸などの酸無水物基を有する単量体など]の単独又は共重合体[ポリ(メタ)アクリル酸、ヒドロキシ芳香族ビニルのホモポリマー(ポリ(ビニルフェノール)など)、N−ヒドロキシフェニル−マレイミドのホモポリマーなど];前記エポキシ基に対する反応性基を有する単量体と共重合性単量体[(メタ)アクリル酸エステル(メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基などのC1-12アルキル基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、イソボルニル基などの橋架環式炭化水素基などの炭化水素基を有する(メタ)アクリレートなど)、スチレン系単量体(スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなど)、カルボン酸ビニルエステル(酢酸ビニルなど)など]との共重合体[(メタ)アクリル酸ー(メタ)アクリレート共重合体((メタ)アクリル酸−メチル(メタ)アクリレート共重合体など)など]などが挙げられる。
反応性ポリマーは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
反応性ポリマーの割合は、光カチオン重合性化合物(A)100重量部に対して、通常、100重量部以下であり、例えば、80重量部以下(例えば、0.1〜80重量部程度)、好ましくは60重量部以下(例えば、0.3〜60重量部程度)、さらに好ましくは40重量部以下(例えば、0.5〜40重量部程度)、特に20重量部以下(例えば、1〜20重量部程度)であってもよい。
[他の添加剤]
光重合性樹脂組成物は、必要に応じて、他の添加剤、例えば、着色剤(染顔料)、増粘剤、安定剤(老化防止剤、酸化防止剤、オゾン劣化防止剤など)、消泡剤、レベリング剤、分散剤、難燃剤、帯電防止剤、充填剤、滑剤などの公知の添加剤を含んでいてもよい。
[溶媒]
光重合性樹脂組成物は、塗布性を改良するために、溶媒を含んでいてもよい。溶媒としては、例えば、炭化水素類(ヘキサン、シクロヘキサン、トルエンなど)、アルコール類(エタノール、プロパノールなど)、エーテル類[ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)など]、ケトン類[エチルメチルケトン(2−ブタノン)、シクロヘキサノンなど]、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチルなど)、ジオール類(エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリオキシエチレングリコールなど)、セロソルブ類[メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチレングリコールジメチルエーテル(ジメトキシエタン)、プロピレングリコールモノメチルエーテルなど]、カルビトール類[カルビトール、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム)、ジエチレングリコールメチルエチルエーテルなど]、セロソルブアセテート類(プロピレングリコールメチルアセテートなど)などが挙げられる。
これらの溶媒は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの溶媒のうち、エーテル類、ケトン類、セロソルブ類、カルビトール類、セロソルブアセテート類などが好ましい。
溶媒は、塗布に適した塗布液粘度が得られるように適量使用してもよい。光重合性樹脂組成物は、例えば、これらの溶媒中1〜50重量%、好ましくは5〜30重量%程度の濃度で使用してもよい。
[製造方法]
光重合性樹脂組成物は、光カチオン重合性化合物(A)、ビニルエーテル化合物(B)、光酸発生剤(C)、及び必要に応じてその他の成分を配合し、必要に応じて溶媒又は分散剤を添加し、溶解、分散及び混合などで均一に混合することによって得られる。
[硬化物の製造方法]
光重合性樹脂組成物に光照射することにより、硬化物(三次元的硬化物、硬化膜や硬化パターンなどの一次元又は二次元的硬化物、点又はドット状硬化物など)を得てもよい。硬化物(硬化膜、硬化パターンなど)は、前記光重合性樹脂組成物を基材上に塗布し、塗膜を形成した後、光照射(露光)することにより形成してもよい。光重合性樹脂組成物は、例えば、基材上での塗膜(薄膜)の製造などに使用してもよい。光重合性樹脂組成物を基材に塗布し、塗膜を製造する場合は、光重合性樹脂組成物を前記溶媒に溶解又は分散させて基材に塗布してもよい。
塗布方法としては、例えば、フローコーティング法、スピンコーティング法、スプレーコーティング法、スクリーン印刷法、キャスト法、バーコーティング法、カーテンコーティング法、ロールコーティング法、グラビアコーティング法、ディッピング法、スリット法などが挙げられる。
塗膜の厚みは、硬化物の用途に応じて、通常、0.01μm〜10mm程度の範囲から選択できる。フォトレジストの場合、塗膜の厚みは、通常、0.05〜10μm程度であり、例えば、0.1〜5μm程度であってもよい。プリント配線基板の場合、塗膜の厚みは、通常、10μm〜5mm程度であり、例えば、100μm〜1mm程度であってもよい。光学薄膜の場合、塗膜の厚みは、通常、0.1〜100μm程度であり、例えば、0.3〜50μm程度であってもよい。
光は、活性光線、例えば、ガンマー線、X線、紫外線、可視光線などであってもよいが、通常、紫外線である。光の波長は、例えば、150〜800nm、好ましくは150〜600nm、さらに好ましくは200〜400nm(特に300〜400nm)程度であってもよい。照射光量(露光量)は、塗膜の厚みなどに応じて、樹脂組成物の硬化が可能な範囲から選択でき、例えば、2〜2000mJ/cm2、好ましくは2〜500mJ/cm2、さらに好ましくは5〜500mJ/cm2(特に5〜300mJ/cm2)程度であってもよい。光源は、照射する光線の種類に応じて選択できる。例えば、紫外線の光源としては、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、重水素ランプ、ハロゲンランプ、レーザ光(ヘリウム−カドミウムレーザー、エキシマレーザーなど)などが挙げられる。
塗膜(光重合性樹脂組成物)を光照射(露光)した後、又は光照射とともに、加熱してもよい。加熱によって重合反応が促進され、高度の3次元架橋が起こり、高硬度の硬化物を得ることができる。高硬度の硬化物を得るための加熱温度は、例えば、60〜250℃、好ましくは80〜200℃、さらに好ましくは100〜200℃程度であってもよい。加熱時間は、例えば、5秒〜2時間、好ましくは5秒〜20分、さらに好ましくは20秒〜30分(特に20秒〜10分)程度であってもよい。
光重合性樹脂組成物は、パターンや画像の形成(プリント配線板の製造など)に使用してもよい。プリント配線板を製造する場合は、基材上に樹脂組成物を塗布して塗膜を形成し、形成した塗膜を光照射(パターン露光)してもよい。パターン露光は、レーザ光の走査により行ってもよく、フォトマスクを介して光照射することにより行ってもよい。パターン露光により生成した非照射領域(未露光部)を、現像剤で現像(又は溶解)して除去することによりパターン又は画像を形成してもよい。現像剤としては、例えば、水、アルカリ水溶液、親水性溶媒(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類、アセトンなどのケトン類、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類、セロソルブ類、セロソルブアセテート類など)や、これらの混合液などが挙げられる。
光重合性樹脂組成物をパターンや画像の形成に使用する場合、塗膜をパターン露光した後に加熱してもよい。塗膜をパターン露光した後に加熱する場合、現像した後に加熱してもよく、加熱した後に現像してもよい。加熱により、基材上に残った塗膜の照射領域(露光部)で、高度に架橋してもよい。加熱により、小さな露光量でも、基材上に、精細で高精度のパターンを形成できる。従って、本発明の樹脂組成物は、精密なパターンを必要とする用途、例えば、電子機器のプリント配線基板などの製造に使用してもよい。
光学薄膜を形成する場合には、基材上に、光重合性樹脂組成物の層を複数形成してもよい。また、基材上に他の機能層などを形成した後、その機能層の上に、光重合性樹脂組成物の層を形成してもよい。本発明の樹脂組成物は、可視光の透過性に優れ、高い屈折率を有し、光学的特性にも優れるため、特に、液晶ディスプレイなどの反射防止膜の高屈折率層、反射板などの光学薄膜に使用してもよい。
基材の材質は、用途に応じて選択され、例えば、プリント配線基板や光学薄膜の場合には、半導体(シリコン、ガリウム砒素、窒化ガリウム、炭化シリコンなど)、金属(アルミニウム、銅など)、セラミック(酸化ジルコニウム、酸化チタン、PZTなど)、透明無機材料(ガラス、石英、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウムなど)、透明樹脂(ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリスチレンなど)などであってもよい。
本発明の樹脂組成物は、活性光線(紫外光など)に対して高感度であるため、少ない露光量で硬化できる。また、本発明の硬化物は、耐熱性及び耐溶剤性が高く、収縮率及び吸水性が低い。さらに可視光に対する透明性、屈折率及び撥水性が高い。従って、本発明の樹脂組成物及びその硬化物は、塗料、電線被覆材、電子機器の封止材及び絶縁材、プリント配線基板、保護膜、フォトレジスト、印刷製版材、インキ、接着剤、粘着材、光学薄膜(液晶ディスプレイなどの反射防止膜の高屈折率層、反射板など)などの用途に好適に利用できる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
実施例1
9,9−ビス−(4−(2−グリシジルオキシエトキシ)フェニル)フルオレン[FBPEG、大阪ガスケミカル(株)製]100重量部、9,9−ビス−(4−(2−ビニルオキシエトキシ)フェニル)フルオレン[FBPEVE、大阪ガスケミカル(株)製]30重量部、及びナフタルイミジル トリフルオロメタンスルホネート(NITf)3重量部をシクロヘキサノンに溶解し、光重合性樹脂組成物の溶液を調製した。
この溶液をシリコンウエハー上にスピンコートし、膜厚約0.20μmの薄膜を作成した。薄膜を90℃で2分間加熱し、残存溶媒を除去した。次いで、低圧水銀灯を用いて、366nmの紫外光を照射した後、ホットプレート上で加熱し、硬化膜を得た。
THFに10分間浸漬して現像し、露光量、加熱温度及び加熱時間と、硬化膜の溶解性との関係を評価した。露光量200mJ/cm2、加熱時間10分間では、加熱温度80℃以上で硬化膜が不溶化した。また、加熱温度100℃、加熱時間10分間では、露光量10mJ/cm2以上で硬化膜が不溶化した。さらに、露光量200mJ/cm2、加熱温度100℃では、加熱時間5分間以上で硬化膜が不溶化した。露光量200mJ/cm2、加熱温度100℃、加熱時間5分間で得られた硬化膜の分解温度[Td:熱重量分析(TGA)において重量が5重量%減少する温度]は252℃であった。
なお、紫外光を照射することなく加熱しても、薄膜は不溶化しなかった。
実施例2
FBPEG100重量部に対するFBPEVEの割合を50重量部としたほかは実施例1と同様にした。露光量200mJ/cm2、加熱時間10分間では、加熱温度80℃以上で硬化膜が不溶化した。また、加熱温度100℃、加熱時間10分間では、露光量10mJ/cm2以上で硬化膜が不溶化した。さらに、露光量200mJ/cm2、加熱温度100℃では、加熱時間5分間以上で硬化膜が不溶化した。
実施例3
FBPEG100重量部に対するFBPEVEの割合を10重量部としたほかは実施例1と同様にした。露光量200mJ/cm2、加熱時間10分間では、加熱温度100℃以上で硬化膜が不溶化した。また、加熱温度100℃、加熱時間10分間では、露光量10mJ/cm2以上で硬化膜が不溶化した。さらに、露光量200mJ/cm2、加熱温度100℃では、加熱時間5分間以上で硬化膜が不溶化した。露光量200mJ/cm2、加熱温度100℃、加熱時間5分間で得られた硬化膜の分解温度(Td:重量が5重量%減少する温度)は329℃であった。
実施例4
FBPEVEに代えて9,9−ビス−(4−(2−ビニルオキシエトキシ)−2−メチルフェニル)フルオレン[FB2MPEVE、大阪ガスケミカル(株)製]を使用したほかは実施例1と同様にした。露光量200mJ/cm2、加熱時間10分間では、加熱温度100℃以上で硬化膜が不溶化した。
比較例1
FBPEVEを使用しなかったほかは実施例1と同様にした。露光量200mJ/cm2、加熱時間10分間では、加熱温度100℃未満(例えば、80℃)では、硬化膜が不溶化しなかった。また、加熱温度100℃、加熱時間10分間では、露光量20mJ/cm2未満(例えば、10mJ/cm2)では、硬化膜が不溶化しなかった。さらに、露光量200mJ/cm2、加熱温度100℃では、加熱時間5分間では硬化膜が充分には不溶化しなかった。露光量200mJ/cm2、加熱温度100℃、加熱時間5分間で得られた硬化膜のTdは249℃であった。
実施例5
ポリ(グリシジルメタクリレート)[PGMA、数平均分子量(Mn)20720、Mw/Mn=2.03、Td=304℃]100重量部、FBPEVE50重量部、及びNITf3重量部をシクロヘキサノンに溶解して調製した光重合性樹脂組成物の溶液を使用したほかは実施例1と同様にした。
露光量200mJ/cm2、加熱時間10分間では、加熱温度60℃以上で硬化膜が不溶化した。また、加熱温度100℃、加熱時間10分間では、露光量1mJ/cm2以上で硬化膜が不溶化した。さらに、露光量200mJ/cm2、加熱温度100℃では、加熱時間1分間以上で硬化膜が不溶化した。
実施例6
PGMA100重量部に対するFBPEVEの割合を100重量部としたほかは実施例5と同様にした。露光量200mJ/cm2、加熱時間10分間では、加熱温度60℃以上で硬化膜が不溶化した。また、加熱温度100℃、加熱時間10分間では、露光量1mJ/cm2以上で硬化膜が不溶化した。さらに、露光量200mJ/cm2、加熱温度100℃では、加熱時間1分間以上で硬化膜が不溶化した。露光量200mJ/cm2、加熱温度100℃、加熱時間5分間で得られた硬化膜のTdは243℃であった。
実施例7
PGMA100重量部に対するFBPEVEの割合を200重量部としたほかは実施例5と同様にした。露光量200mJ/cm2、加熱時間10分間では、加熱温度80℃以上で硬化膜が不溶化した。また、加熱温度100℃、加熱時間10分間では、露光量0.5mJ/cm2以上で硬化膜が不溶化した。さらに、露光量200mJ/cm2、加熱温度100℃では、加熱時間2分間以上で硬化膜が不溶化した。露光量200mJ/cm2、加熱温度100℃、加熱時間5分間で得られた硬化膜のTdは252℃であった。
実施例8
PGMA100重量部に対するFBPEVEの割合を300重量部としたほかは実施例5と同様にした。露光量200mJ/cm2、加熱時間10分間では、加熱温度80℃以上で硬化膜が不溶化した。また、加熱温度100℃、加熱時間10分間では、露光量0.25mJ/cm2以上で硬化膜が不溶化した。さらに、露光量200mJ/cm2、加熱温度100℃では、加熱時間2分間以上で硬化膜が不溶化した。
実施例9
FBPEVEに代えて、9,9−ビス−(4−(2−ビニルオキシエトキシ)−3−メチルフェニル)フルオレン[FB3MPEVE、大阪ガスケミカル(株)製]を使用し、PGMA100重量部に対するFB3MPEVEの割合を100重量部としたほかは実施例5と同様にした。露光量200mJ/cm2、加熱温度100℃、加熱時間5分間で得られた硬化膜のTdは249℃であった。
比較例2
FBPEVEを使用しなかったほかは実施例5と同様にした。露光量200mJ/cm2、加熱温度100℃、加熱時間5分間で得られた硬化膜のTdは229℃であった。
前記各実施例及び比較例の結果より、少なくとも一方がフルオレン誘導体である光カチオン重合性化合物とビニルエーテル化合物とを含む各実施例の光重合性樹脂組成物は、露光量200mJ/cm2以下、加熱温度100℃以下、加熱時間10分間以下の条件でも、硬化膜が充分に不溶化し、硬化特性が良好であること、硬化膜の分解温度(Td)が高く、耐熱性が高いことがわかる。

Claims (7)

  1. 光カチオン重合性化合物(A)、ビニルエーテル化合物(B)及び光酸発生剤(C)を含む光重合性樹脂組成物であって、光カチオン重合性化合物(A)が、下記式(1)で表されるフルオレン誘導体であり、かつビニルエーテル化合物(B)が、下記式(2)で表されるフルオレン誘導体でる光重合性樹脂組成物。
    Figure 0004469202
    (式中、R 〜R は同一又は異なって炭化水素基を表し、A 〜A はC 2−4 アルキレン基を表し、m1〜m4は同一又は異なって0〜4の整数であり、p1〜p4は同一又は異なって0〜4の整数であり、q1〜q4は同一又は異なって1以上の整数であり、rは0又は1以上の整数である)
    Figure 0004469202
    (式中、R 〜R 12 は同一又は異なって炭化水素基を表し、A 及びA はC 2−4 アルキレン基を表し、m5及びm6は同一又は異なって0〜4の整数であり、p5及びp6は同一又は異なって0〜4の整数であり、q5及びq6は同一又は異なって1以上の整数である)
  2. さらに、ポリシラン(D)を含有する請求項1記載の組成物。
  3. 請求項1記載の組成物に光照射する硬化物の製造方法。
  4. 光照射した後、加熱する請求項記載の方法。
  5. 請求項1記載の組成物を基材に塗布し、パターン露光し、現像した後、加熱する硬化物の製造方法。
  6. 請求項1記載の組成物を基材に塗布し、パターン露光し、加熱した後、現像する硬化物の製造方法。
  7. 請求項1記載の組成物が少なくとも光照射により硬化した硬化物。
JP2004096738A 2004-03-29 2004-03-29 光重合性樹脂組成物、その硬化物および製造方法 Expired - Lifetime JP4469202B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004096738A JP4469202B2 (ja) 2004-03-29 2004-03-29 光重合性樹脂組成物、その硬化物および製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004096738A JP4469202B2 (ja) 2004-03-29 2004-03-29 光重合性樹脂組成物、その硬化物および製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005283905A JP2005283905A (ja) 2005-10-13
JP4469202B2 true JP4469202B2 (ja) 2010-05-26

Family

ID=35182357

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004096738A Expired - Lifetime JP4469202B2 (ja) 2004-03-29 2004-03-29 光重合性樹脂組成物、その硬化物および製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4469202B2 (ja)

Families Citing this family (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5363704B2 (ja) * 2006-09-19 2013-12-11 大阪瓦斯株式会社 封止用エポキシ樹脂及びその用途
KR101451265B1 (ko) * 2007-02-05 2014-10-15 신닛테츠 수미킨 가가쿠 가부시키가이샤 체적 위상형 홀로그램 기록재료 및 광 정보 기록매체
JP5350602B2 (ja) * 2007-04-19 2013-11-27 大阪瓦斯株式会社 ポリシラン及びその製造方法
JP5105446B2 (ja) * 2009-07-13 2012-12-26 太陽ホールディングス株式会社 樹脂構造体及びその製造方法
JP6259292B2 (ja) * 2013-01-31 2018-01-10 大阪ガスケミカル株式会社 フルオレン骨格を有するビニルエーテル化合物およびその製造方法
JP6370093B2 (ja) * 2013-06-03 2018-08-08 東京応化工業株式会社 ビニル基含有化合物を含有する感光性組成物
JP6301671B2 (ja) * 2014-02-10 2018-03-28 東京応化工業株式会社 ビニル基含有化合物を含有する硬化性組成物
JP6433806B2 (ja) * 2014-06-17 2018-12-05 公立大学法人大阪府立大学 光重合性樹脂組成物及びその硬化物並びに硬化物の製造方法
JP6460701B2 (ja) * 2014-09-26 2019-01-30 東京応化工業株式会社 ビニルエーテル化合物に由来する構造単位を含む化合物
JP6321510B2 (ja) * 2014-09-26 2018-05-09 東京応化工業株式会社 感光性シロキサン組成物及び光学部品
JP6621271B2 (ja) * 2014-09-26 2019-12-18 東京応化工業株式会社 ビニル基含有化合物を含有する硬化性組成物
JP6677535B2 (ja) * 2015-03-04 2020-04-08 大阪ガスケミカル株式会社 硬化性組成物及びその硬化物並びに硬度向上方法
JP7100962B2 (ja) * 2017-05-17 2022-07-14 東京応化工業株式会社 硬化性組成物、硬化物、硬化膜、表示パネル、及び硬化物の製造方法
JP6894290B2 (ja) * 2017-05-17 2021-06-30 東京応化工業株式会社 硬化性組成物、硬化膜、表示パネル、及び硬化物の製造方法
JP6935260B2 (ja) 2017-07-31 2021-09-15 東京応化工業株式会社 硬化性組成物、硬化膜、表示パネル又はoled照明、並びに硬化物の製造方法
TWI753592B (zh) * 2020-09-30 2022-01-21 臺灣永光化學工業股份有限公司 聚醯亞胺正型光阻組成物及其用途
JP2023024144A (ja) 2021-08-06 2023-02-16 東京応化工業株式会社 硬化性組成物、硬化物、硬化膜、表示パネル、及び硬化物の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005283905A (ja) 2005-10-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4469202B2 (ja) 光重合性樹脂組成物、その硬化物および製造方法
US7189490B2 (en) Photoresists containing sulfonamide component
US7306892B2 (en) Multilayer photoresist system
US20050026077A1 (en) Photoimageable composition
KR101322389B1 (ko) 네가티브-형 감광성 수지 조성물
JP4789725B2 (ja) 感光性樹脂組成物、その積層体、その硬化物及び該組成物を用いたパターン形成方法
KR20050052412A (ko) 단파장 이미지화용 네거티브 포토레지스트
JP2004177952A (ja) 多層フォトレジスト系
JP2002047335A (ja) フルオレン系光重合性樹脂組成物、その硬化物および製造方法
JP7173248B2 (ja) ポリマーおよびその製造方法
CN100432837C (zh) 光刻蚀法中使用的含噻吩的光酸生成剂
JP2000162771A (ja) フォトレジスト用単量体、フォトレジスト用重合体とその製造方法、フォトレジスト組成物、フォトレジストパタ―ンの形成方法、及び、半導体素子。
JP3382081B2 (ja) レジストおよびこれを用いたパターン形成方法
JP4557497B2 (ja) シランモノマー及びポリマーを製造する方法及びそれを含むフォトレジスト組成物
JP4646439B2 (ja) 光重合性樹脂組成物、その硬化物および製造方法
JP4913142B2 (ja) 感光性樹脂組成物、その積層体、その硬化物及び該組成物を用いたパターン形成方法(3)
KR20190017757A (ko) 술포늄염, 광산 발생제, 경화성 조성물 및 레지스트 조성물
US7195855B2 (en) Negative-type photosensitive resin composition containing epoxy compound
JP4789727B2 (ja) 感光性樹脂組成物、その積層体、その硬化物及び該組成物を用いたパターン形成方法
JP3641748B2 (ja) フォトレジスト単量体、フォトレジスト重合体、フォトレジスト重合体の製造方法、フォトレジスト組成物、フォトレジストパターン形成方法、及び半導体素子
JP3989087B2 (ja) フォトレジスト用被膜形成材料、フォトレジスト組成物及びパターン形成方法
JP4913141B2 (ja) 感光性樹脂組成物、その積層体、その硬化物及び該組成物を用いたパターン形成方法(2)
JP6433806B2 (ja) 光重合性樹脂組成物及びその硬化物並びに硬化物の製造方法
US20040229159A1 (en) Fluorinated Si-polymers and photoresists comprising same
JP2004333865A (ja) 光酸発生剤及びそれを含む光重合性樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070206

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091110

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091225

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100209

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100226

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4469202

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130305

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130305

Year of fee payment: 3