JP6301671B2 - ビニル基含有化合物を含有する硬化性組成物 - Google Patents

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本発明は、ビニル基含有化合物を含有する硬化性組成物、その硬化物、上記硬化性組成物を用いた硬化膜の製造方法に関する。
従来、ビニロキシ基等の形でビニル基を含む化合物は、脂環式エーテル基含有化合物とともに、硬化性組成物の成分として用いられている。例えば、特許文献1には、ジビニルエーテル化合物等のカチオン重合性不飽和ビニル化合物とエポキシ化合物とを含有する硬化性組成物が記載されている。
特開平6−298912号公報
しかし、特許文献1に記載されているような従来のビニル基含有化合物を含有する硬化性組成物は、保存安定性に劣り、この硬化性組成物から得られる硬化膜は、鉛筆硬度、透明性、屈折率、及び耐熱性に劣るという問題がある。
本発明は、以上のような状況に鑑みてなされたものであり、ビニロキシ基等の形でビニル基を含む化合物を含有しつつも、保存安定性に優れ、硬化により、鉛筆硬度、透明性、屈折率、及び耐熱性に優れる硬化膜を与える硬化性組成物、その硬化物、上記硬化性組成物を用いた硬化膜の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた。その結果、新規なビニル基含有縮合多環式化合物を用いることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は以下のものを提供する。
本発明の第一の態様は、下記一般式(1)で表されるビニル基含有化合物と、炭素数2〜6の脂環式エーテル基を有する脂環式エーテル基含有化合物とを含有する硬化性組成物である。
Figure 0006301671
(式中、W及びWは独立に下記一般式(2)で表される基、水酸基、又は(メタ)アクリロイルオキシ基を示し、ただし、W及びWは同時に水酸基ではなく、環Y及び環Yは同一の又は異なる芳香族炭化水素環を示し、Rは単結合、置換基を有してもよいメチレン基、置換基を有してもよく、2個の炭素原子間にヘテロ原子を含んでもよいエチレン基、−O−で示される基、−NH−で示される基、又は−S−で示される基を示し、R3a及びR3bは独立にシアノ基、ハロゲン原子、又は1価炭化水素基を示し、n1及びn2は独立に0〜4の整数を示す。)
Figure 0006301671
(式中、環Zは芳香族炭化水素環を示し、Xは単結合又は−S−で示される基を示し、Rは単結合又は炭素数1〜4のアルキレン基を示し、Rは1価炭化水素基、水酸基、−OR4aで示される基、−SR4bで示される基、アシル基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、カルボキシル基、アミノ基、カルバモイル基、−NHR4cで示される基、−N(R4dで示される基、(メタ)アクリロイルオキシ基、スルホ基、又は1価炭化水素基、−OR4aで示される基、−SR4bで示される基、アシル基、アルコキシカルボニル基、−NHR4cで示される基、若しくは−N(R4dで示される基に含まれる炭素原子に結合した水素原子の少なくとも一部が1価炭化水素基、水酸基、−OR4aで示される基、−SR4bで示される基、アシル基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、カルボキシル基、アミノ基、カルバモイル基、−NHR4cで示される基、−N(R4dで示される基、(メタ)アクリロイルオキシ基、メシルオキシ基、若しくはスルホ基で置換された基を示し、R4a〜R4dは独立に1価炭化水素基を示し、mは0以上の整数を示す。)
本発明の第二の態様は、上記硬化性組成物を硬化してなる硬化物である。
本発明の第三の態様は、上記硬化性組成物を基板上に塗布して塗布膜を形成する工程と、上記塗布膜を硬化させる工程とを含む硬化膜の製造方法である。
本発明によれば、ビニロキシ基等の形でビニル基を含む化合物を含有しつつも、保存安定性に優れ、硬化により、鉛筆硬度、透明性、屈折率、及び耐熱性に優れる硬化膜を与える硬化性組成物、その硬化物、上記硬化性組成物を用いた硬化膜の製造方法を提供することができる。
≪硬化性組成物≫
本発明に係る硬化性組成物は、上記一般式(1)で表されるビニル基含有化合物と、炭素数2〜6の脂環式エーテル基を有する脂環式エーテル基含有化合物とを含有する。以下、本発明に係る硬化性組成物に含有される各成分について詳細に説明する。
<一般式(1)で表されるビニル基含有化合物>
本発明に係る硬化性組成物に含有されるビニル基含有化合物は、上記一般式(1)で表されるものである。上記ビニル基含有化合物は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
上記一般式(1)において、W及びWは、独立に上記一般式(2)で表される基、水酸基、又は(メタ)アクリロイルオキシ基を示し、ただし、W及びWは同時に水酸基ではない。W及びWの少なくとも一方は、上記一般式(2)で表される基であることが好ましい。なお、本明細書において、「(メタ)アクリロイルオキシ基」は、アクリロイルオキシ基とメタクリロイルオキシ基の両方を意味する。
上記一般式(2)において、環Zとしては、例えば、ベンゼン環、縮合多環式芳香族炭化水素環[例えば、縮合二環式炭化水素環(例えば、ナフタレン環等のC8−20縮合二環式炭化水素環、好ましくはC10−16縮合二環式炭化水素環)、縮合三環式芳香族炭化水素環(例えば、アントラセン環、フェナントレン環等)等の縮合2乃至4環式芳香族炭化水素環]等が挙げられる。環Zは、ベンゼン環又はナフタレン環であるのが好ましい。なお、W及びWがいずれも上記一般式(2)で表される基である場合、Wに含まれる環ZとWに含まれる環Zとは、同一でも異なっていてもよく、例えば、一方の環がベンゼン環、他方の環がナフタレン環等であってもよい。また、W及びWの両方が直結する炭素原子にXを介して結合する環Zの置換位置は、特に限定されない。例えば、環Zがナフタレン環の場合、上記炭素原子に結合する環Zに対応する基は、1−ナフチル基、2−ナフチル基等であってもよい。
上記一般式(2)において、Xは、独立に単結合又は−S−で示される基を示し、典型的には単結合である。
上記一般式(2)において、Rとしては、例えば、単結合;メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、ブタン−1,2−ジイル基等の炭素数1〜4のアルキレン基が挙げられ、単結合;C2−4アルキレン基(特に、エチレン基、プロピレン基等のC2−3アルキレン基)が好ましく、単結合がより好ましい。なお、W及びWがいずれも上記一般式(2)で表される基である場合、Wに含まれるRとWに含まれるRとは、同一であってもよく、異なっていてもよい。
上記一般式(2)において、Rとしては、例えば、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等のC1−12アルキル基、好ましくはC1−8アルキル基、より好ましくはC1−6アルキル基等)、シクロアルキル基(シクロへキシル基等のC5−10シクロアルキル基、好ましくはC5−8シクロアルキル基、より好ましくはC5−6シクロアルキル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のC6−14アリール基、好ましくはC6−10アリール基、より好ましくはC6−8アリール基等)、アラルキル基(ベンジル基、フェネチル基等のC6−10アリール−C1−4アルキル基等)等の1価炭化水素基;水酸基;アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のC1−12アルコキシ基、好ましくはC1−8アルコキシ基、より好ましくはC1−6アルコキシ基等)、シクロアルコキシ基(シクロへキシルオキシ基等のC5−10シクロアルコキシ基等)、アリールオキシ基(フェノキシ基等のC6−10アリールオキシ基)、アラルキルオキシ基(例えば、ベンジルオキシ基等のC6−10アリール−C1−4アルキルオキシ基)等の−OR4aで示される基[式中、R4aは1価炭化水素基(上記例示の1価炭化水素基等)を示す。];アルキルチオ基(メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基等のC1−12アルキルチオ基、好ましくはC1−8アルキルチオ基、より好ましくはC1−6アルキルチオ基等)、シクロアルキルチオ基(シクロへキシルチオ基等のC5−10シクロアルキルチオ基等)、アリールチオ基(フェニルチオ基等のC6−10アリールチオ基)、アラルキルチオ基(例えば、ベンジルチオ基等のC6−10アリール−C1−4アルキルチオ基)等の−SR4bで示される基[式中、R4bは1価炭化水素基(上記例示の1価炭化水素基等)を示す。];アシル基(アセチル基等のC1−6アシル基等);アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル基等のC1−4アルコキシ−カルボニル基等);ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等);ニトロ基;シアノ基;メルカプト基;カルボキシル基;アミノ基;カルバモイル基;アルキルアミノ基(メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、ブチルアミノ基等のC1−12アルキルアミノ基、好ましくはC1−8アルキルアミノ基、より好ましくはC1−6アルキルアミノ基等)、シクロアルキルアミノ基(シクロへキシルアミノ基等のC5−10シクロアルキルアミノ基等)、アリールアミノ基(フェニルアミノ基等のC6−10アリールアミノ基)、アラルキルアミノ基(例えば、ベンジルアミノ基等のC6−10アリール−C1−4アルキルアミノ基)等の−NHR4cで示される基[式中、R4cは1価炭化水素基(上記例示の1価炭化水素基等)を示す。];ジアルキルアミノ基(ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基等のジ(C1−12アルキル)アミノ基、好ましくはジ(C1−8アルキル)アミノ基、より好ましくはジ(C1−6アルキル)アミノ基等)、ジシクロアルキルアミノ基(ジシクロへキシルアミノ基等のジ(C5−10シクロアルキル)アミノ基等)、ジアリールアミノ基(ジフェニルアミノ基等のジ(C6−10アリール)アミノ基)、ジアラルキルアミノ基(例えば、ジベンジルアミノ基等のジ(C6−10アリール−C1−4アルキル)アミノ基)等の−N(R4dで示される基[式中、R4dは独立に1価炭化水素基(上記例示の1価炭化水素基等)を示す。];(メタ)アクリロイルオキシ基;スルホ基;上記の1価炭化水素基、−OR4aで示される基、−SR4bで示される基、アシル基、アルコキシカルボニル基、−NHR4cで示される基、若しくは−N(R4dで示される基に含まれる炭素原子に結合した水素原子の少なくとも一部が上記の1価炭化水素基、水酸基、−OR4aで示される基、−SR4bで示される基、アシル基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、カルボキシル基、アミノ基、カルバモイル基、−NHR4cで示される基、−N(R4dで示される基、(メタ)アクリロイルオキシ基、メシルオキシ基、若しくはスルホ基で置換された基[例えば、アルコキシアリール基(例えば、メトキシフェニル基等のC1−4アルコキシC6−10アリール基)、アルコキシカルボニルアリール基(例えば、メトキシカルボニルフェニル基、エトキシカルボニルフェニル基等のC1−4アルコキシ−カルボニルC6−10アリール基等)]等が挙げられる。
これらのうち、代表的には、Rは、1価炭化水素基、−OR4aで示される基、−SR4bで示される基、アシル基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、−NHR4cで示される基、−N(R4dで示される基等であってもよい。
好ましいRとしては、1価炭化水素基[例えば、アルキル基(例えば、C1−6アルキル基)、シクロアルキル基(例えば、C5−8シクロアルキル基)、アリール基(例えば、C6−10アリール基)、アラルキル基(例えば、C6−8アリール−C1−2アルキル基)等]、アルコキシ基(C1−4アルコキシ基等)等が挙げられる。特に、R2a及びR2bは、アルキル基[C1−4アルキル基(特にメチル基)等]、アリール基[例えば、C6−10アリール基(特にフェニル基)等]等の1価炭化水素基(特に、アルキル基)であるのが好ましい。
なお、mが2以上の整数である場合、Rは互いに異なっていてもよく、同一であってもよい。また、W及びWがいずれも上記一般式(2)で表される基である場合、Wに含まれるRとWに含まれるRとは、同一であってもよく、異なっていてもよい。
上記一般式(2)において、Rの数mは、環Zの種類に応じて選択でき、例えば、0〜4、好ましくは0〜3、より好ましくは0〜2であってもよい。なお、W及びWがいずれも上記一般式(2)で表される基である場合、WにおけるmとWにおけるmとは、同一でも異なっていてもよい。
上記一般式(1)において、環Y及び環Yとしては、例えば、ベンゼン環、縮合多環式芳香族炭化水素環[例えば、縮合二環式炭化水素環(例えば、ナフタレン環等のC8−20縮合二環式炭化水素環、好ましくはC10−16縮合二環式炭化水素環)、縮合三環式芳香族炭化水素環(例えば、アントラセン環、フェナントレン環等)等の縮合2乃至4環式芳香族炭化水素環]等が挙げられる。環Y及び環Yは、ベンゼン環又はナフタレン環であるのが好ましい。なお、環Y及び環Yは、同一でも異なっていてもよく、例えば、一方の環がベンゼン環、他方の環がナフタレン環等であってもよい。
上記一般式(1)において、Rは単結合、置換基を有してもよいメチレン基、置換基を有してもよく、2個の炭素原子間にヘテロ原子を含んでもよいエチレン基、−O−で示される基、−NH−で示される基、又は−S−で示される基を示し、典型的には単結合である。ここで、置換基としては、例えば、シアノ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、1価炭化水素基[例えば、アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基等のC1−6アルキル基)、アリール基(フェニル基等のC6−10アリール基)等]等が挙げられ、ヘテロ原子としては、例えば、酸素原子、窒素原子、イオウ原子、珪素原子等が挙げられる。
上記一般式(1)において、R3a及びR3bとしては、通常、非反応性置換基、例えば、シアノ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、1価炭化水素基[例えば、アルキル基、アリール基(フェニル基等のC6−10アリール基)等]等が挙げられ、シアノ基又はアルキル基であることが好ましく、アルキル基であることが特に好ましい。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基等のC1−6アルキル基(例えば、C1−4アルキル基、特にメチル基)等が例示できる。なお、n1が2以上の整数である場合、R3aは互いに異なっていてもよく、同一であってもよい。また、n2が2以上の整数である場合、R3bは互いに異なっていてもよく、同一であってもよい。更に、R3aとR3bとが同一であってもよく、異なっていてもよい。また、環Y及び環Yに対するR3a及びR3bの結合位置(置換位置)は、特に限定されない。好ましい置換数n1及びn2は、0又は1、特に0である。なお、n1及びn2は、互いに同一でも異なっていてもよい。
一般に、縮合多環式化合物は、種々の優れた機能を有し、様々な用途に用いられている。例えば、縮合多環式芳香族化合物であるフルオレン骨格(9,9−ビスフェニルフルオレン骨格等)を有する化合物は、光透過率、屈折率等の光学的特性、耐熱性等の熱的特性において優れた機能を有することが知られている。そのため、フルオレン骨格を有する化合物は、レンズ、プリズム、フィルター、画像表示材料、光ディスク用基板、光ファイバー、光導波路、ケーシング材料、フィルム、コーティング材料等の光学部材の原料として用いられている。
上記一般式(1)で表される化合物は、新規なビニル基含有縮合多環式化合物であり、優れた光学的特性及び熱的特性を保持しつつ、ビニロキシ基及び/又は(メタ)アクリロイルオキシ基を有するため、高い反応性を有する。特に、環Y及び環Yがベンゼン環であり、Rが単結合である場合、上記一般式(1)で表される化合物は、フルオレン骨格を有し、光学的特性及び熱的特性に更に優れる。このような上記一般式(1)で表される化合物は、重合することができるため、重合性モノマーとして機能する。特に、W及びWがいずれも上記一般式(2)で表される基である場合、上記一般式(1)で表される化合物は、カチオン重合することができるため、カチオン重合性モノマーとして機能する。一方、W及びWがいずれも(メタ)アクリロイルオキシ基である場合、上記一般式(1)で表される化合物は、ラジカル重合することができるため、ラジカル重合性モノマーとして機能する。また、上記一般式(1)で表される化合物は、W及びWが独立に上記一般式(2)で表される基又は(メタ)アクリロイルオキシ基である場合、ビニロキシ基及び/又は(メタ)アクリロイルオキシ基の形で含まれる2個のビニル基が別々の分子と反応することができるため、架橋剤として好適に用いることができる。更に、上記一般式(1)で表される化合物は、高い硬度を有する硬化物を与え、組成物中の基材成分として好ましい。上記一般式(1)で表される化合物は、マイクロレンズ、プリズムシート、ホログラム、カーボンハードマスク等の種々の用途に用いることができる。
上記一般式(1)で表される化合物のうち、好ましい具体例としては、下記式で表される化合物が挙げられる。中でも、特に、下記左上の式で表される化合物及び下記右上の式で表される化合物が好ましい。
Figure 0006301671
上記式(1)で表される化合物の含有量は、本発明に係る組成物の固形分に対して、1〜95質量%であることが好ましく、3〜80質量%であることがより好ましく、5〜50質量%であることが更により好ましい。上記の範囲とすることにより、塗布膜形成能等が向上しやすい。
[一般式(1)で表されるビニル基含有化合物の製造方法]
上記一般式(1)で表されるビニル基含有化合物は、例えば、下記の製造方法1〜3のいずれかにより合成することができる。
(製造方法1)
上記一般式(1)で表されるビニル基含有化合物は、例えば、特開2008−266169号公報に記載の製造方法に従い、遷移元素化合物触媒及び無機塩基の存在下、下記一般式(13)で表されるビニルエステル化合物と、下記一般式(3)で表される水酸基含有化合物とを反応させることにより、合成することが可能である。上記無機塩基は、粒子径150μm未満の粒子を10重量%以上含有する固体の無機塩基であることが好ましい。
−CO−O−CH=CH (13)
(式中、Rは、水素原子又は有機基を示す。)
Figure 0006301671
(式中、W及びWは独立に下記一般式(4)で表される基又は水酸基を示し、ただし、W及びWは同時に水酸基ではなく、環Y、環Y、R、R3a、R3b、n1、及びn2は上記の通りである。)
Figure 0006301671
(式中、環Z、X、R、R、及びmは上記の通りである。)
なお、上記一般式(3)で表される化合物は、例えば、酸触媒の存在下、下記一般式(14)で表される化合物及び/又は下記一般式(15)で表される化合物と、下記一般式(16)で表される化合物とを反応させることにより、合成することができる。適宜、下記一般式(14)で表される化合物及び下記一般式(15)で表される化合物の組み合わせ方や添加量等を調整することにより、上記一般式(3)で表される所望の水酸基含有化合物を得ることができる。また、反応後に、例えば、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等の公知の分離方法により、目的とする水酸基含有化合物を分離してもよい。
Figure 0006301671
(上記一般式(14)、(15)、及び(16)中、環Y、環Y、環Z、R、R、R、R3a、R3b、m、n1、及びn2は上記の通りである。)
上記一般式(3)で表される化合物の合成に用いられる酸触媒、反応条件等としては、例えば、特開2011−201791号公報又は特開2002−255929号公報において、特許請求の範囲に記載されたフルオレン系化合物の製造方法に用いることができると記載されているものが挙げられる。
(製造方法2)
上記一般式(1)で表されるビニル基含有化合物は、例えば、上記一般式(3)で表される水酸基含有化合物から、下記一般式(5)で表される脱離基含有化合物を経由して、上記一般式(1)で表されるビニル基含有化合物を得ることを含む製造方法により、合成することも可能である。
Figure 0006301671
(式中、W及びWは独立に下記一般式(6)で表される基又は水酸基を示し、ただし、W及びWは同時に水酸基ではなく、環Y、環Y、R、R3a、R3b、n1、及びn2は上記の通りである。)
Figure 0006301671
(式中、Eは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メタンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、パラトルエンスルホニルオキシ基、又はベンゼンスルホニルオキシ基で置換された炭素数1〜4のアルキルオキシ基を示し、環Z、X、R、R、及びmは上記の通りである。)
上記一般式(5)で表される脱離基含有化合物は、例えば、上記一般式(3)で表される水酸基含有化合物と脱離基含有化合物とを反応させることにより、合成することができる。脱離基含有化合物としては、例えば、塩化チオニル、下記式で表される化合物等が挙げられる。また、反応温度としては、例えば、−20〜150℃、好ましくは−10〜140℃、より好ましくは30〜130℃が挙げられる。
Figure 0006301671
上記一般式(1)で表されるビニル基含有化合物は、例えば、上記一般式(5)で表される脱離基含有化合物とビニル化剤とを反応させることにより、合成することができる。ビニル化剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、ジアザビシクロウンデセン、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム−t−ブトキシド等が挙げられ、好ましくはジアザビシクロウンデセン、ナトリウムエトキシド、カリウム−t−ブトキシド等が挙げられ、より好ましくはカリウム−t−ブトキシドが挙げられる。また、反応温度としては、例えば、−20〜150℃、好ましくは−10〜100℃、より好ましくは0〜60℃が挙げられる。
(製造方法3)
上記一般式(1)で表される化合物は、例えば、下記一般式(7)で表されるヒドロキシアルキルオキシ基含有化合物から、上記一般式(5)で表される脱離基含有化合物を経由して、上記一般式(1)で表されるビニル基含有化合物を得ることを含む製造方法により、合成することも可能である。
Figure 0006301671
(式中、W及びWは独立に下記一般式(8)で表される基又は水酸基を示し、ただし、W及びWは同時に水酸基ではなく、環Y、環Y、R、R3a、R3b、n1、及びn2は上記の通りである。)
Figure 0006301671
(式中、lは1〜4の整数を示し、環Z、X、R、R、及びmは上記の通りである。)
上記一般式(7)で表されるヒドロキシアルキルオキシ基含有化合物は、例えば、酸触媒の存在下、下記一般式(17)で表される化合物及び/又は下記一般式(18)で表される化合物と、上記一般式(16)で表される化合物とを反応させることにより、合成することができる。適宜、下記一般式(17)で表される化合物及び下記一般式(18)で表される化合物の組み合わせ方や添加量等を調整することにより、上記一般式(7)で表される所望のヒドロキシアルキルオキシ基含有化合物を得ることができる。また、反応後に、例えば、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等の公知の分離方法により、目的とするヒドロキシアルキルオキシ基含有化合物を分離してもよい。上記一般式(7)で表される化合物の合成に用いられる酸触媒、反応条件等としては、例えば、上記一般式(3)で表される化合物の合成方法の説明中で例示したものが挙げられる。
Figure 0006301671
(上記一般式(17)及び(18)中、環Z、R、R、及びmは上記の通りである。)
上記一般式(5)で表される脱離基含有化合物は、例えば、上記一般式(7)で表されるヒドロキシアルキルオキシ基含有化合物と脱離基含有化合物とを反応させることにより、合成することができる。脱離基含有化合物及び反応温度としては、例えば、上記製造方法2について例示したものが挙げられる。
上記一般式(1)で表されるビニル基含有化合物は、例えば、上記一般式(5)で表される脱離基含有化合物とビニル化剤とを反応させることにより、合成することができる。ビニル化剤及び反応温度としては、例えば、上記製造方法2について例示したものが挙げられる。
<炭素数2〜6の脂環式エーテル基を有する脂環式エーテル基含有化合物>
本発明に係る硬化性組成物に含有される脂環式エーテル基含有化合物は、炭素数2〜6の脂環式エーテル基を有するものである。上記一般式(1)で表されるビニル基含有化合物と上記脂環式エーテル基含有化合物との反応により、本発明に係る硬化性組成物の硬化物が生成する。本発明に係る硬化性組成物は、上記脂環式エーテル基含有化合物を含有することで、優れた表面硬化性を有する。また、上記脂環式エーテル基含有化合物は、硬化物の機械強度を向上させる効果を有する。上記脂環式エーテル基含有化合物は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
炭素数2〜6の脂環式エーテル基としては、特に限定されず、例えば、3〜7員環の環状エーテルの環を形成する炭素原子に結合した水素原子を1個以上、好ましくは1個又は2個除いて得られる基が挙げられる。3〜7員環の環状エーテルとしては、例えば、下記式(b−1)〜(b−6)の各々で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006301671
中でも、反応性の観点から、エポキシ基(上記式(b−1)で表される3員環の環状エーテルの水素原子を1個以上、好ましくは1個又は2個除いて得られる基)、オキセタン残基(上記式(b−2)で表される4員環の環状エーテルの水素原子を1個以上、好ましくは1個又は2個除いて得られる基)が好ましく、エポキシ基がより好ましく、下記式(b−1−1)又は(b−1−2)で表されるエポキシ基が更により好ましい。なお、本明細書において、脂環式エポキシ基とは、脂環式化合物の脂環式構造を形成する炭素原子のうちの2個の炭素原子(通常は互いに隣接する炭素原子)に共通の酸素原子1個が結合して形成されたエポキシ基をいう。
Figure 0006301671
上記脂環式エーテル基含有化合物のうち、エポキシ基含有化合物としては、次の(i)〜(viii)のエポキシ化合物を好適に用いることができる。
(i)芳香族グリシジルエーテル類
芳香族グリシジルエーテル類は、分子中に芳香族基とグリシジルエーテル基とを有する化合物である限り、特に限定されない。芳香族グリシジルエーテル類の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂;ビスフェノールF型エポキシ樹脂;ビスフェノールAD型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂;クレゾールノボラック型エポキシ樹脂;ビフェノール型若しくはビキシレノール型のエポキシ樹脂又はそれらの混合物;ナフタレン基含有エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン骨格含有エポキシ樹脂;臭素化エポキシ樹脂;トリスフェノールメタン型エポキシ樹脂;下記式(b−7)〜(b−11)の各々で表されるグリシジル基含有芳香族化合物等が挙げられる。
Figure 0006301671
(ii)脂肪族グリシジルエーテル類
脂肪族グリシジルエーテル類は、分子中に脂肪族基とグリシジルエーテル基とを有する化合物である限り、特に限定されない。脂肪族グリシジルエーテル類の具体例としては、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールF型エポキシ樹脂等の、芳香族グリシジルエーテル類に水添処理を施して得られる水添又は半水添エポキシ樹脂;エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、エポキシ化大豆油等の多官能性のグリシジル基含有脂肪族化合物;ブチルグリシジルエーテル等の1官能性のグリシジル基含有脂肪族化合物等が挙げられる。
(iii)芳香族グリシジルエステル類
芳香族グリシジルエステル類は、分子中に芳香族基とグリシジルエステル基とを有する化合物である限り、特に限定されない。芳香族グリシジルエステル類の具体例としては、フタル酸ジグリシジル、テレフタル酸ジグリシジル等が挙げられる。
(iv)脂肪族グリシジルエステル類
脂肪族グリシジルエステル類は、分子中に脂肪族基とグリシジルエステル基とを有する化合物である限り、特に限定されない。脂肪族グリシジルエステル類の具体例としては、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ビス(2,3−エポキシプロピル)エステル、ダイマー酸ジグリシジルエステル、3級カルボン酸グリシジルエステル等が挙げられる。
(v)脂環式エポキシ化合物
脂環式エポキシ化合物は、分子中に脂環式基とエポキシ基とを有する化合物である限り、特に限定されない。脂環式エポキシ化合物の具体例としては、3,4,3’,4’−ジエポキシビシクロヘキシル、1,2:8,9ジエポキシリモネン、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ε−カプロラクトン変成3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、2−(7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−イル)−スピロ[1,3−ジオン−5,3’−[7]オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン]、ジシクロペンタジエンジオキサイド等が挙げられる。
(vi)グリシジルアミン類
グリシジルアミン類は、グリシジル基を有するアミン類である限り、特に限定されない。グリシジルアミン類の具体例としては、N,N−ジグリシジル−4−グリシジルオキシアニリン、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、アニリンジグリシジルエーテル、N−(2−メチルフェニル)−N−(オキシラニルメチル)オキシランメタンアミン、N−グリシジルフタルイミド等が挙げられる。
(vii)複素環式エポキシ化合物
複素環式エポキシ化合物は、グリシジル基を有する複素環式化合物である限り、特に限定されない。複素環式エポキシ化合物の具体例としては、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート等が挙げられる。
(viii)その他のエポキシ基含有化合物
その他のエポキシ基含有化合物は、上記以外のエポキシ基含有化合物である限り、特に限定されない。その他のエポキシ基含有化合物の具体例としては、ブタジエンの単独重合体又は共重合体のエポキシ化物等の、不飽和基含有重合体のエポキシ化物;グリシジル(メタ)アクリレートや3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有(メタ)アクリレートの単独重合体又は共重合体;グリシジル基含有シラン(例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン)、脂環式エポキシ基含有シラン(例えば、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン)等のエポキシ基含有シラン等が挙げられる。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートとメタクリレートの両方を意味する。
上記脂環式エーテル基含有化合物のうち、オキセタン残基含有化合物としては、特に限定されず、3−エチル−3−(ヒドロキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−[(フェノキシ)メチル]オキセタン、3−エチル−3−(ヘキシロキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(クロロメチル)オキセタン等の単官能オキセタン;キシリレンビスオキセタン、1,4−ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、ビス{[1−エチル(3−オキセタニル)]メチル}エーテル等の多官能オキセタン等が挙げられる。オキセタン残基含有化合物は、1種単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
オキセタン残基含有化合物をエポキシ基含有化合物と混合して使用することで、硬化性組成物の硬化速度や硬化物の反応率を向上させることが可能な場合がある。
上記脂環式エーテル基含有化合物における上記脂環式エーテル基の数は、少なくとも1個である限り、特に限定されない。硬化に際して上記脂環式エーテル基含有化合物の反応性が高くなりやすく、また、得られる硬化物において3次元的網目が形成されやすい点等から、上記脂環式エーテル基含有化合物における上記脂環式エーテル基の数は少なくとも2個であることが好ましい。
上記脂環式エーテル基含有化合物は、上記脂環式エーテル基以外の官能基を含有してもよい。上記官能基は特に限定されない。上記官能基が反応性シリル基である場合、上記脂環式エーテル基含有化合物はシランカップリング剤として機能する。
上記脂環式エーテル基含有化合物としては、
3,4,3’,4’−ジエポキシビシクロヘキシル;3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート;グリシジル(メタ)アクリレートや3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有(メタ)アクリレートの単独重合体又は共重合体等の、分子内に2つ以上の脂環式エポキシ基を有する化合物、
1,2:8,9ジエポキシリモネン等の、分子内に脂環式エポキシ基とグリシジル基とを有する化合物、
ビスフェノールA型エポキシ樹脂、上記式(b−7)〜(b−10)の各々で表されるグリシジル基含有芳香族化合物等の、分子内に2つ以上のグリシジル基を有する化合物、
キシリレンビスオキセタン等の、分子内に2つ以上のオキセタン残基を有する化合物
等が好ましく、反応性の観点から、上記の分子内に2つ以上の脂環式エポキシ基を有する化合物、及び、上記の分子内に2つ以上のグリシジル基を有する化合物がより好ましい。
本発明に係る硬化性組成物において、上記脂環式エーテル基含有化合物の含有量は、特に限定されないが、上記一般式(1)で表されるビニル基含有化合物100質量部に対して、5〜200質量部が好ましく、50〜150質量部がより好ましく、70〜130質量部が更により好ましい。上記含有量が5〜200質量部であると、硬化性組成物の表面硬化性が良好となりやすいと同時に、得られる硬化物の柔軟性が十分になりやすいことから、表面硬化性と硬化物物性とのバランスが向上しやすい。
<プロトン供与性化合物>
本発明に係る硬化性組成物は、更にプロトン供与性化合物を含有してもよい。プロトン供与性化合物から発生したプロトンにより、上記一般式(1)で表されるビニル基含有化合物と上記脂環式エーテル基含有化合物との反応が進みやすくなり、本発明に係る硬化性組成物の硬化が促進されやすくなる。プロトン供与性化合物は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
プロトン供与性化合物は、プロトンを生成し、他の化合物にプロトンを供与することができる化合物である限り、特に限定されない。プロトン供与性化合物としては、例えば、酸発生剤;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−アミルアルコール、tert−アミルアルコール等のアルコール;脂肪族アミン(例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン)、芳香族アミン(例えば、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、N,N−ジメチルパラトルイジン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン)等のアミン;芳香族チオール(例えば、2−メルカプトベンズオキサゾール、2−メルカプトベンズチアゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール)、脂肪族チオール(例えば、メタンチオール、エタンチオール、プロパンチオール)等のチオール;塩酸、硫酸等の無機酸;ギ酸、酢酸、プロピオン酸等の有機酸;水素;水が挙げられ、中でも、反応性等の観点から酸発生剤が好ましい。
酸発生剤としては、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する光酸発生剤、又は加熱により酸を発生する熱酸発生剤が好適に使用される。
光酸発生剤としては、特に限定されず、従来公知の光酸発生剤を用いることができる。光酸発生剤として具体的には、ヨードニウム塩やスルホニウム塩等のオニウム塩系酸発生剤、オキシムスルホネート系酸発生剤、ハロゲン含有トリアジン化合物、ジアゾメタン系酸発生剤、ニトロベンジルスルホネート系酸発生剤(ニトロベンジル誘導体)、イミノスルホネート系酸発生剤、ジスルホン系酸発生剤等が挙げられる。
好ましいスルホニウム塩系酸発生剤としては、例えば下記一般式(t−1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006301671
上記一般式(t−1)中、Rt1及びRt2はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、酸素原子若しくはハロゲン原子を有していてもよい炭化水素基、又は置換基を有していてもよいアルコキシ基を示し、Rt3はハロゲン原子又はアルキル基を有していてもよいp−フェニレン基を示し、Rt4は水素原子、酸素原子若しくはハロゲン原子を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよいベンゾイル基、又は置換基を有していてもよいポリフェニル基を示し、Aはオニウムイオンの対イオンを示す。
として具体的には、SbF 、PF 、AsF 、BF 、SbCl 、ClO 、CFSO 、CHSO 、FSO 、FPO 、p−トルエンスルホネート、ノナフロロブタンスルホネート、アダマンタンカルボキシレート、テトラアリールボレート、下記一般式(t−2)で表されるフッ素化アルキルフルオロリン酸アニオン等が挙げられる。
Figure 0006301671
上記一般式(t−2)中、Rfは水素原子の80%以上がフッ素原子で置換されたアルキル基を示す。gはその個数であり1〜5の整数を示す。g個のRfはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
上記一般式(t−1)で表される光酸発生剤としては、4−(2−クロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−フルオロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−クロロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−メチルフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−(β−ヒドロキシエトキシ)フェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(2−メチル−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−フルオロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(3−メチル−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−フルオロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(2−フルオロ4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−フルオロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(2−メチル−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−フルオロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(2,3,5,6−テトラメチル−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−フルオロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(2,6−ジクロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−フルオロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(2,6−ジメチル−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−フルオロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(2,3−ジメチル−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−フルオロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(2−メチル−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−クロロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(3−メチル−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−クロロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(2−フルオロ4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−クロロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(2−メチル−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−クロロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(2,3,5,6−テトラメチル−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−クロロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(2,6−ジクロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−クロロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(2,6−ジメチル−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−クロロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(2,3−ジメチル−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−クロロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−アセチルフェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−(4−メチルベンゾイル)フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−(4−フルオロベンゾイル)フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−(4−メトキシベンゾイル)フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−ドデカノイルフェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−アセチルフェニルチオ)フェニルビス(4−フルオロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−(4−メチルベンゾイル)フェニルチオ)フェニルビス(4−フルオロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−(4−フルオロベンゾイル)フェニルチオ)フェニルビス(4−フルオロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−(4−メトキシベンゾイル)フェニルチオ)フェニルビス(4−フルオロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−ドデカノイルフェニルチオ)フェニルビス(4−フルオロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−アセチルフェニルチオ)フェニルビス(4−クロロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−(4−メチルベンゾイル)フェニルチオ)フェニルビス(4−クロロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−(4−フルオロベンゾイル)フェニルチオ)フェニルビス(4−クロロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−(4−メトキシベンゾイル)フェニルチオ)フェニルビス(4−クロロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−ドデカノイルフェニルチオ)フェニルビス(4−クロロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−(2−クロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、4−(2−クロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、4−(2−クロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムパークロレート、4−(2−クロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−(2−クロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−フルオロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロホスフェート、4−(2−クロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−フルオロフェニル)スルホニウムテトラフルオロボレート、4−(2−クロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−フルオロフェニル)スルホニウムパークロレート、4−(2−クロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−フルオロフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4−(2−クロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−フルオロフェニル)スルホニウムp−トルエンスルホネート、4−(2−クロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−フルオロフェニル)スルホニウムカンファースルホネート、4−(2−クロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−フルオロフェニル)スルホニウムノナフルオロブタンスルホネート、4−(2−クロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−クロロフェニル)スルホニウムヘキサフルオロホスフェート、4−(2−クロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−クロロフェニル)スルホニウムテトラフルオロボレート、4−(2−クロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−クロロフェニル)スルホニウムパークロレート、4−(2−クロロ−4−ベンゾイルフェニルチオ)フェニルビス(4−クロロフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニル[4−(フェニルチオ)フェニル]スルホニウムトリフルオロトリスペンタフルオロエチルホスファート、ジフェニル[4−(p−ターフェニルチオ)フェニル]スルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニル[4−(p−ターフェニルチオ)フェニル]スルホニウムトリフルオロトリスペンタフルオロエチルホスファート等が挙げられる。
その他のオニウム塩系酸発生剤としては、上記一般式(t−1)のカチオン部を、例えば、トリフェニルスルホニウム、(4−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、ビス(4−tert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、トリス(4−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、(3−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、ビス(3−tert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、トリス(3−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、(3,4−ジtert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、ビス(3,4−ジtert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、トリス(3,4−ジtert−ブトキシフェニル)スルホニウム、ジフェニル(4−チオフェノキシフェニル)スルホニウム、(4−tert−ブトキシカルボニルメチルオキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、トリス(4−tert−ブトキシカルボニルメチルオキシフェニル)スルホニウム、(4−tert−ブトキシフェニル)ビス(4−ジメチルアミノフェニル)スルホニウム、トリス(4−ジメチルアミノフェニル)スルホニウム、2−ナフチルジフェニルスルホニウム、ジメチル−2−ナフチルスルホニウム、4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウム、4−メトキシフェニルジメチルスルホニウム、トリメチルスルホニウム、2−オキソシクロヘキシルシクロヘキシルメチルスルホニウム、トリナフチルスルホニウム、トリベンジルスルホニウム等のスルホニウムカチオンや、ジフェニルヨードニウム、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム、(4−tert−ブトキシフェニル)フェニルヨードニウム、(4−メトキシフェニル)フェニルヨードニウム等のアリールヨードニウムカチオン等のヨードニウムカチオンに置き換えたものが挙げられる。
オキシムスルホネート系酸発生剤としては、[2−(プロピルスルホニルオキシイミノ)−2,3−ジヒドロチオフェン−3−イリデン](o−トリル)アセトニトリル、α−(p−トルエンスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2,4−ジクロロフェニルアセトニトリル、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2,6−ジクロロフェニルアセトニトリル、α−(2−クロロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル等が挙げられる。
また、上記以外にも、下記一般式(t−3)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006301671
上記一般式(t−3)中、Rt5は1価、2価、又は3価の有機基を示し、Rt6は置換又は未置換の飽和炭化水素基、不飽和炭化水素基、又は芳香族性化合物基を示し、hは1〜6の整数を示す。
t5としては芳香族性化合物基であることが特に好ましく、このような芳香族性化合物基としては、フェニル基、ナフチル基等の芳香族炭化水素基や、フリル基、チエニル基等の複素環基等が挙げられる。これらは環上に適当な置換基、例えばハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基等を1個以上有していてもよい。また、Rt6としては炭素数1〜6のアルキル基が特に好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基が挙げられる。また、hは1〜3の整数が好ましく、1又は2がより好ましい。
上記一般式(t−3)で表される光酸発生剤としては、h=1のときに、Rt5がフェニル基、メチルフェニル基、及びメトキシフェニル基のうちのいずれかであり、かつRt6がメチル基である化合物が挙げられる。より詳細には、上記一般式(t−3)で表される光酸発生剤としては、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−フェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−(p−メチルフェニル)アセトニトリル、及びα−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−(p−メトキシフェニル)アセトニトリルが挙げられる。
上記一般式(t−3)で表される光酸発生剤としては、h=2のときに、下記式で表される光酸発生剤が挙げられる。
Figure 0006301671
ハロゲン含有トリアジン化合物としては、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−ピペロニル−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(2−フリル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(5−メチル−2−フリル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(5−エチル−2−フリル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(5−プロピル−2−フリル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(3,5−ジメトキシフェニル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(3,5−ジエトキシフェニル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(3,5−ジプロポキシフェニル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(3−メトキシ−5−エトキシフェニル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(3−メトキシ−5−プロポキシフェニル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(3,4−メチレンジオキシフェニル)エテニル]−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(3−ブロモ−4−メトキシ)フェニル−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(2−ブロモ−4−メトキシ)フェニル−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(2−ブロモ−4−メトキシ)スチリルフェニル−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(3−ブロモ−4−メトキシ)スチリルフェニル−s−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(2−フリル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(5−メチル−2−フリル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(3,5−ジメトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、トリス(1,3−ジブロモプロピル)−1,3,5−トリアジン、トリス(2,3−ジブロモプロピル)−1,3,5−トリアジン等のハロゲン含有トリアジン化合物、並びにトリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレ−ト等の下記一般式(t−4)で表されるハロゲン含有トリアジン化合物が挙げられる。
Figure 0006301671
上記一般式(t−4)中、Rt7、Rt8、Rt9はそれぞれ独立に炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基を示す。
また、その他の光酸発生剤としては、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、メチルスルホニル−p−トルエンスルホニルジアゾメタン、1−シクロヘキシルスルホニル−1−(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1−メチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−エチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(3−メチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−メトキシフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−フルオロフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−クロロフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−tert−ブチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン等のビススルホニルジアゾメタン類;2−メチル−2−(p−トルエンスルホニル)プロピオフェノン、2−(シクロヘキシルカルボニル)−2−(p−トルエンスルホニル)プロパン、2−メタンスルホニル−2−メチル−(p−メチルチオ)プロピオフェノン、2,4−ジメチル−2−(p−トルエンスルホニル)ペンタン−3−オン等のスルホニルカルボニルアルカン類;1−p−トルエンスルホニル−1−シクロヘキシルカルボニルジアゾメタン、1−ジアゾ−1−メチルスルホニル−4−フェニル−2−ブタノン、1−シクロヘキシルスルホニル−1−シクロヘキシルカルボニルジアゾメタン、1−ジアゾ−1−シクロヘキシルスルホニル−3,3−ジメチル−2−ブタノン、1−ジアゾ−1−(1,1−ジメチルエチルスルホニル)−3,3−ジメチル−2−ブタノン、1−アセチル−1−(1−メチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、1−ジアゾ−1−(p−トルエンスルホニル)−3,3−ジメチル−2−ブタノン、1−ジアゾ−1−ベンゼンスルホニル−3,3−ジメチル−2−ブタノン、1−ジアゾ−1−(p−トルエンスルホニル)−3−メチル−2−ブタノン、2−ジアゾ−2−(p−トルエンスルホニル)酢酸シクロヘキシル、2−ジアゾ−2−ベンゼンスルホニル酢酸−tert−ブチル、2−ジアゾ−2−メタンスルホニル酢酸イソプロピル、2−ジアゾ−2−ベンゼンスルホニル酢酸シクロヘキシル、2−ジアゾ−2−(p−トルエンスルホニル)酢酸−tert−ブチル等のスルホニルカルボニルジアゾメタン類;p−トルエンスルホン酸−2−ニトロベンジル、p−トルエンスルホン酸−2,6−ジニトロベンジル、p−トリフルオロメチルベンゼンスルホン酸−2,4−ジニトロベンジル等のニトロベンジル誘導体;ピロガロールのメタンスルホン酸エステル、ピロガロールのベンゼンスルホン酸エステル、ピロガロールのp−トルエンスルホン酸エステル、ピロガロールのp−メトキシベンゼンスルホン酸エステル、ピロガロールのメシチレンスルホン酸エステル、ピロガロールのベンジルスルホン酸エステル、没食子酸アルキルのメタンスルホン酸エステル、没食子酸アルキルのベンゼンスルホン酸エステル、没食子酸アルキルのp−トルエンスルホン酸エステル、没食子酸アルキル(アルキル基の炭素数は1〜15である)のp−メトキシベンゼンスルホン酸エステル、没食子酸アルキルのメシチレンスルホン酸エステル、没食子酸アルキルのベンジルスルホン酸エステル等のポリヒドロキシ化合物と脂肪族又は芳香族スルホン酸とのエステル類;等が挙げられる。
熱酸発生剤としては、例えば、2,4,4,6−テトラブロモシクロヘキサジエノン、ベンゾイントシレート、2−ニトロベンジルトシレート、有機スルホン酸の他のアルキルエステル等が挙げられる。具体的には、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、ベンゾチアゾニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩等のオニウム塩が挙げられる。これらのオニウム塩の中では、ヨードニウム塩、スルホニウム塩及びベンゾチアゾニウム塩が好ましい。スルホニウム塩及びベンゾチアゾニウム塩の具体例としては、4−アセトキシフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−アセトキシフェニルベンジルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジベンジル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−アセトキシフェニルベンジルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、3−ベンジルベンゾチアゾリウムヘキサフルオロアンチモネート、及び下記式で表される化合物等が挙げられる。
Figure 0006301671
本発明に係る硬化性組成物において、プロトン供与性化合物の含有量は、特に限定されないが、上記一般式(1)で表されるビニル基含有化合物及び上記脂環式エーテル基含有化合物の合計100質量部に対して、0.1〜50質量部が好ましく、0.5〜30質量部がより好ましく、1〜20質量部が特に好ましい。上記含有量が0.1〜50質量部であると、硬化性組成物の硬化性が向上しやすい。
<有機溶剤>
本発明に係る硬化性組成物は、有機溶剤を更に含有してもよい。有機溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等の他のエーテル類;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等のケトン類;2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル等の乳酸アルキルエステル類;2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチル部炭酸メチル、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、蟻酸n−ペンチル、酢酸イソペンチル、プロピオン酸n−ブチル、酪酸エチル、酪酸n−プロピル、酪酸イソプロピル、酪酸n−ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸n−プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸エチル等の他のエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類等が挙げられる。有機溶剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
有機溶剤の含有量は、本発明に係る硬化性組成物の固形分濃度が1〜50質量%となる量が好ましく、5〜30質量%となる量がより好ましい。
<その他の成分>
本発明に係る硬化性組成物は、所望により、界面活性剤、光重合開始剤、光重合性モノマー、酸架橋性物質、塩基発生剤(光塩基発生剤、熱塩基発生剤等)、着色剤、分散剤、増感剤、その他の各種の添加剤等を含有していてもよい。
<硬化性組成物の調製>
本発明に係る硬化性組成物は、上記の各成分を撹拌機で混合することにより調製される。なお、調製された硬化性組成物が均一なものとなるよう、メンブランフィルタ等を用いて濾過してもよい。
≪硬化物≫
本発明に係る硬化性組成物を硬化させることにより、硬化物を得ることができる。本発明に係る硬化性組成物は、例えば、加熱により硬化させることができる。加熱条件は、特に限定されないが、加熱温度としては、例えば、200〜250℃が挙げられ、加熱時間としては、例えば、2〜120分間程度が挙げられる。本発明に係る硬化性組成物は、光酸発生剤等の感光性成分を含有する場合、活性光線又は放射線の照射によっても硬化させることができる。露光に用いられる活性光線又は放射線としては、例えば、低圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、g線ステッパー、i線ステッパー等から放射される紫外線、電子線、レーザー光線等が挙げられる。露光量は、使用する光源や塗布膜の膜厚等によっても異なるが、好ましくは1〜1000mJ/cm、より好ましくは10〜500mJ/cmである。
≪硬化膜、絶縁膜、カラーフィルタ、表示装置、光学部材等≫
本発明に係る硬化性組成物を用いて、硬化膜、絶縁膜、及びカラーフィルタを形成することができる。
例えば、硬化性組成物を基板上に塗布して塗布膜を形成する工程と、この塗布膜を硬化させる工程とを含む製造方法により、硬化膜を得ることができる。
より具体的には、まず、適切な塗布方法により、塗布膜を形成する。例えば、ロールコータ、リバースコータ、バーコータ等の接触転写型塗布装置やスピンナー(回転式塗布装置)、カーテンフローコータ等の非接触型塗布装置を用いて基板上に組成物を塗布し、乾燥させることにより、塗布膜を形成することができる。乾燥方法は特に限定されず、例えば、(1)ホットプレートにて、例えば、80〜120℃、好ましくは90〜100℃の温度にて60〜120秒間、プリベークを行う方法、(2)室温にて数時間〜数日間放置する方法、(3)温風ヒータや赤外線ヒータ中に数十分間〜数時間放置して溶剤を除去する方法等が挙げられる。
塗布膜の厚さは、特に限定されない。典型的には、塗布膜の厚さは、2〜100μmが好ましく、3〜50μmがより好ましい。塗布膜の厚さは、塗布方法や硬化性組成物の固形分濃度や粘度を調節することにより、適宜制御することができる。
基板としては、特に限定されず、従来公知のものを用いることができ、例えば、ガラス基板、ITO等の透明導電性材料製の基板、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の樹脂を含む樹脂基板等が挙げられる。
次いで、塗布膜を硬化させることにより、硬化膜を得る。塗布膜は、硬化性組成物を硬化させるのと同様の方法で、硬化させることができる。
硬化性組成物として、着色剤を含有しないものを用いた場合、透明な硬化膜や絶縁膜を得ることができる。このような硬化膜や絶縁膜は、例えば、液晶表示ディスプレイや有機ELディスプレイ等の平坦化膜として、あるいは層間絶縁膜やカーボンハードマスクとして用いられる。
なお、硬化性組成物として、光酸発生剤等の感光性成分を含有するものを用いた場合には、上記硬化膜及び上記絶縁膜は、パターン化されたものであってもよい。後述の通りに、塗布膜に対して所定パターン状に活性光線又は放射線を照射し、現像することにより、パターン化された硬化膜又は絶縁膜を得ることができる。パターン化された硬化膜は、例えば、液晶表示ディスプレイや有機ELディスプレイ等のスペーサ又は隔壁として用いられる。
また、着色剤と光酸発生剤等の感光性成分とを含有する硬化性組成物を用いて塗布膜を形成し、この塗布膜に対して所定パターン状に活性光線又は放射線を照射し、現像することにより、例えば、液晶表示ディスプレイのカラーフィルタの画素やブラックマトリクスを形成することもできる。
このような硬化膜、絶縁膜、及びカラーフィルタは、表示装置に用いることができる。即ち、表示装置は、上記硬化膜、絶縁膜、及び/又はカラーフィルタを備えるものである。表示装置としては、液晶表示ディスプレイや有機ELディスプレイ等が挙げられる。
更に、本発明に係る硬化性組成物を成形し、硬化させることにより、レンズ(例えば、マイクロレンズ等)、光ファイバー、光導波路、プリズムシート、ホログラム等の光学部材を得ることができる。
≪パターン形成方法≫
本発明に係る硬化性組成物は、光酸発生剤等の感光性成分を含有する場合、パターン形成方法に好適に用いることができる。このパターン形成方法は、光酸発生剤等の感光性成分を含有する硬化性組成物を用いて塗布膜を形成し、この塗布膜に対して所定パターン状に活性光線又は放射線を照射し、現像するものである。
より具体的には、まず、上記と同様にして、塗布膜を形成する。
次いで、塗布膜に対して所定パターン状に活性光線又は放射線を照射し、露光する。活性光線又は放射線は、ネガ型のマスクを介して照射してもよく、直接照射してもよい。活性光線又は放射線の種類や露光量等は、上述の通りである。
次いで、露光後の塗布膜を、現像液により現像することによって所望の形状にパターニングする。現像方法は、特に限定されず、例えば、浸漬法、スプレー法等を用いることができる。現像液としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機系のものや、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、アンモニア、4級アンモニウム塩等の水溶液が挙げられる。
現像後のパターンに対しては、200〜250℃程度でポストベークを行うことが好ましい。
以下、実施例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲は、これらの実施例に限定されるものではない。
≪材料≫
実施例及び比較例で用いた材料は下記の通りである。
<ビニル基含有化合物(一般式(1)で表される化合物及び比較化合物)>
上記一般式(1)で表される化合物としては、下記式で表されるビニルエーテル化合物である化合物1及び2を準備した。また、比較のため、下記式で表されるビニルエーテル化合物である比較化合物1〜3を準備した。
Figure 0006301671
Figure 0006301671
化合物1の合成法を下記に示す(合成例1)。合成例で用いた材料は下記の通りである。
[無機塩基]
(1)軽灰炭酸ナトリウム
粒子径分布:250μm以上;3重量%
150μm以上250μm未満;15重量%
75μm以上150μm未満;50重量%
75μm未満;32重量%
なお、上記の粒子径分布は、60メッシュ(250μm)、100メッシュ(150μm)、200メッシュ(75μm)のふるいを用いて仕分けた後、最終的に得られた篩上成分及び篩下成分各々の重量を測定することにより算出した。
[遷移元素化合物触媒]
(1)ジ−μ−クロロビス(1,5−シクロオクタジエン)二イリジウム(I):[Ir(cod)Cl]
[ヒドロキシ化合物]
(1)9,9’−ビス(6−ヒドロキシ−2−ナフチル)フルオレン
[ビニルエステル化合物]
(1)プロピオン酸ビニル
[合成例1]化合物1の合成
冷却管、及び、凝縮液を分液させて有機層を反応容器に戻し水層を系外に排出するためのデカンターを取り付けた1000ml反応容器に、ジ−μ−クロロビス(1,5−シクロオクタジエン)二イリジウム(I)[Ir(cod)Cl](839mg、1.25mmol)、軽灰炭酸ナトリウム(12.7g、0.12mol)、9,9’−ビス(6−ヒドロキシ−2−ナフチル)フルオレン(225g、0.5mol)、プロピオン酸ビニル(125g、1.25mol)、及びトルエン(300ml)を仕込んだ後、表面積が10cmの撹拌羽根を用い回転数を250rpmに設定し、撹拌しながら徐々に温度を上げて還流させた。還流下、副生する水をデカンターで除去しながら、5時間反応させた。反応液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、9,9’−ビス(6−ヒドロキシ−2−ナフチル)フルオレンの転化率は100%であり、9,9’−ビス(6−ヒドロキシ−2−ナフチル)フルオレンを基準として9,9’−ビス(6−ビニロキシ−2−ナフチル)フルオレン(化合物1)が81%、ビス6−ナフトールフルオレンモノビニルエーテルが4%の収率で生成していた。
H−NMR(CDCl):4.47(dd、2H、J=1.5Hz、5.0Hz)、4.81(dd、2H、J=3.5Hz、12.0Hz)、6.71(dd、2H、J=6.0Hz)、7.12−7.82(m、20H)
<炭素数2〜6の脂環式エーテル基を有する脂環式エーテル基含有化合物>
炭素数2〜6の脂環式エーテル基を有する脂環式エーテル基含有化合物としては、下記の化合物3〜8を用いた。
Figure 0006301671
Figure 0006301671
化合物4は、上記式I〜IVで表される構成単位を有するエポキシ樹脂である(各構成単位のモル比I/II/III/IV=20/30/30/20、質量平均分子量=7000)
<光酸発生剤>
Figure 0006301671
≪感光性組成物の調製≫
表1に記載のビニル基含有化合物5質量部と、表1に記載の脂環式エーテル基含有化合物5質量部と、光酸発生剤1 0.5質量部とを混合し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート58質量部に溶解させて溶液を得た。得られた溶液を、ポアサイズ0.10μmのポリエチレン製フィルターとポアサイズ0.05μmのポリエチレン製フィルターとを用いて濾過し、硬化性組成物を調製した。
≪評価≫
<保存安定性>
得られた硬化性組成物を40℃又は50℃で2週間放置し、目視で沈殿物の有無を確認した。40℃及び50℃いずれにおける放置でも沈殿物が確認された場合、保存安定性が不良(×)と判定し、50℃における放置でのみ沈殿物が確認された場合、保存安定性がやや不良(△)と判定し、40℃及び50℃いずれにおける放置でも沈殿物が確認されなかった場合、保存安定性が良好(◎)と判定した。結果を表1に示す。
<鉛筆硬度、透明性、屈折率、及び耐熱性>
得られた硬化性組成物を25℃で3日間放置し、放置後の硬化性組成物をコーターにて、ガラス基板上に塗布した。ホットプレート上で100℃にて2分間加熱(プリベーク)を行い、塗布膜を得た。この塗布膜をブロードバンド光で露光した。ホットプレート上で100℃にて2分間加熱(PEB)を行い、硬化膜を得た。
得られた硬化膜について、鉛筆を用いて、荷重1kg±50g、5回の硬度試験を行い、荷重印加後の傷の有無を観察した。5回の試験で硬化膜に傷が付かなかった鉛筆硬度のうち、最も固い鉛筆硬度を試験結果とした。結果を表1に示す。
上記硬化膜について、光学パラメータとして、分光測定器(MCPD−3000、大塚電子株式会社製)を用いて、波長400nmでの透過率を測定し、以下の基準で透明性を評価した。結果を表1に示す。
◎:透過率95%以上、○:90%以上95%未満、×:90%未満
結果を表1に示す。
上記硬化膜について、光学パラメータとして、更に波長633nmでの屈折率を測定し、以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
◎:1.65以上、△:1.60以上1.65未満、×:1.60未満
また、上記硬化膜の耐熱性を評価するため、この硬化膜を室温(約20℃)から1分間に10℃ずつの割合で昇温加熱して大気中で熱重量分析を行い、分析開始時の質量を基準として、質量が5%減少する温度Td5%を測定し、以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
◎:200℃以上、△:160℃以上200℃未満、×:160℃未満
Figure 0006301671
表1から分かるように、化合物1又は2を含有する硬化性組成物は、いずれの脂環式エーテル基含有化合物を用いた場合でも、保存安定性、鉛筆硬度、透明性、屈折率、及び耐熱性の全てに優れていた。特に、化合物1を含有する硬化性組成物は、化合物2を含有する硬化性組成物と比較して、屈折率に優れる傾向を示した。これに対し、比較化合物1〜3のいずれかを含有する硬化性組成物は、いずれの脂環式エーテル基含有化合物を用いた場合でも、化合物1を含有する感光性組成物と比較して、保存安定性、鉛筆硬度、透明性、屈折率、及び耐熱性の全てに劣っており、また、化合物2を含有する感光性組成物と比較して、保存安定性、鉛筆硬度、透明性、屈折率、及び耐熱性の4つ又は全てに劣っていた。

Claims (7)

  1. 下記一般式(1)で表されるビニル基含有化合物と、炭素数2〜6の脂環式エーテル基を有する脂環式エーテル基含有化合物とを含有する硬化性組成物。
    Figure 0006301671

    (式中、W及びWは独立に下記一般式(2)で表される基、水酸基、又は(メタ)アクリロイルオキシ基を示し、ただし、W及びWは同時に水酸基ではなく、環Y及び環Yは同一の又は異なる芳香族炭化水素環を示し、Rは単結合、置換基を有してもよいメチレン基、置換基を有してもよく、2個の炭素原子間にヘテロ原子を含んでもよいエチレン基、−O−で示される基、−NH−で示される基、又は−S−で示される基を示し、R3a及びR3bは独立にシアノ基、ハロゲン原子、又は1価炭化水素基を示し、n1及びn2は独立に0〜4の整数を示す。)
    Figure 0006301671

    (式中、環Zは芳香族炭化水素環を示し、Xは単結合又は−S−で示される基を示し、Rは単結合を示し、Rは1価炭化水素基、水酸基、−OR4aで示される基、−SR4bで示される基、アシル基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、カルボキシル基、アミノ基、カルバモイル基、−NHR4cで示される基、−N(R4dで示される基、(メタ)アクリロイルオキシ基、スルホ基、又は1価炭化水素基、−OR4aで示される基、−SR4bで示される基、アシル基、アルコキシカルボニル基、−NHR4cで示される基、若しくは−N(R4dで示される基に含まれる炭素原子に結合した水素原子の少なくとも一部が1価炭化水素基、水酸基、−OR4aで示される基、−SR4bで示される基、アシル基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、カルボキシル基、アミノ基、カルバモイル基、−NHR4cで示される基、−N(R4dで示される基、(メタ)アクリロイルオキシ基、メシルオキシ基、若しくはスルホ基で置換された基を示し、R4a〜R4dは独立に1価炭化水素基を示し、mは0以上の整数を示す。)
  2. 環Zがベンゼン環又はナフタレン環である請求項1記載の硬化性組成物。
  3. 及びWの少なくとも一方が前記一般式(2)で表される基である請求項1または2記載の硬化性組成物。
  4. 前記脂環式エーテル基がエポキシ基である請求項1〜のいずれか1項記載の硬化性組成物。
  5. 更にプロトン供与性化合物を含有する請求項1〜のいずれか1項記載の硬化性組成物。
  6. 請求項1〜のいずれか1項記載の硬化性組成物を硬化してなる硬化物。
  7. 請求項1〜のいずれか1項記載の硬化性組成物を基板上に塗布して塗布膜を形成する工程と、
    前記塗布膜を硬化させる工程とを含む硬化膜の製造方法。
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