JP6711115B2 - 感放射線性樹脂組成物、硬化膜、その形成方法および電子デバイス - Google Patents

感放射線性樹脂組成物、硬化膜、その形成方法および電子デバイス Download PDF

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Description

本発明は、感放射線性樹脂組成物、硬化膜、その形成方法および電子デバイスに関する。
光学材料分野、具体的には、表示装置用高機能基板、(層間)絶縁膜、保護膜、平坦化膜、光学接着剤、反射防止膜、封止材、CMOSやCCDイメージセンサー用マイクロレンズ部品等のオプトエレクトロニックデバイスには、高い光透過性を有する高屈折率ポリマーが求められている。
このようなポリマーとして、一般に、高屈折率、低複屈折率、高熱安定性および高力学強度を示すことから、含硫黄ポリイミドが注目を集めており、例えば、CMOSイメージセンサーの内部レンズ材料に応用されている(非特許文献1)。また、非特許文献2には、主鎖にトリアジン構造を有するポリマーが高い可視光透過性を示し、かつ、高屈折率を有することが開示されている。
上記内部レンズには、小型化・高集積化が求められている。これらの要求を満たすための方法としては、ポリマー材料の感光機能化と光リソグラフィーによる微細加工プロセスが一般的であり、高屈折率材料への感光性付与は非常に重要な技術開発項目となっている。
Y. Suzuki et al., Macromolecules, Volume 40, Number 22, 7902-7909. Y. Nakagawa et al., Macromolecules, 2011, 44(23), 9180-9186
上記文献に記載のポリマーは、優れた特性を示すものの、ポジ型感光性材料として利用する場合には、改良の余地があった。
具体的には、非特許文献1に記載のポリマーは、中間体であるポリアミック酸の、アルカリ現像液(例:2.38wt%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液)に対する溶解性が高すぎる等の問題があった。この問題の主な原因は、モノマーであるポリアミック酸が、比較的近い位置に2つのカルボン酸を有し、かつ主鎖のアミド結合が水溶性を高めるためであると考えられる。
また、非特許文献2に記載のポリマーは、アルカリ現像液に対する溶解性が低すぎる等の点で改良の余地があった。
本発明は、以上のことに鑑みてなされたものであり、従来の高屈ポリマーに比べアルカリ現像液に対する溶解性が向上した重合体を含有する感放射線性樹脂組成物、この感放射線性組成物から形成される、高屈折率、低吸水性および高い可視光透過性を有する硬化膜、この硬化膜の形成方法、およびこの硬化膜を備える電子デバイスを提供するものである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意研究した。その結果、特定の構造を有する重合体が、高いアルカリ現像液に対する溶解性を有し、上記課題を解決するために好適な材料であることを見出し、本発明を完成させた。本発明の態様例は、以下のとおりである。
[1] 下記式(1)で表される構造部位を有する重合体および感放射線性化合物を含む感放射線性樹脂組成物。
(上記式(1)中のX、Xは、それぞれ独立に、−O−、−S−、−C(=O)O−、メチレン基、炭素数2〜12のアルキレン基のいずれか、またはこれらの組み合わせであり、Rは、酸解離性基を含む有機基または水素原子である。Arは、芳香環を有する2価の基である。*は、結合部位を示す。)
[2] 上記式(1)が、下記式(2)または(3)で表される少なくとも一方の構造を有する重合体である[1]に記載の感放射線性樹脂組成物。
(上記式(3)中の mは、0〜12である。)
[3] Rが、下記式(4)または(5)で表される少なくとも一方の基を有する[1]または[2]のいずれかに記載の感放射線性樹脂組成物。
(上記式(4)中、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜30の炭化水素基、または炭素数1〜30の炭化水素基が有する水素原子の一部をヒドロキシル基、ハロゲン原子若しくはシアノ基で置換した基である。但し、RおよびRが共に水素原子である場合はない。Rは、炭素数1〜30のオキシ炭化水素基、炭素数1〜30の炭化水素基、または炭素数1〜30の炭化水素基が有する水素原子の一部をヒドロキシル基、ハロゲン原子若しくはシアノ基で置換した基である。上記式(5)中、R〜R10は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜12の炭化水素基である。nは、1または2である。)
[4] Arが、下記式(6)〜(16)のいずれかで表される基またはこれらの組み合わせである[1]乃至[3]のいずれかに記載の感放射線性樹脂組成物。
(上記式(6)〜(16)中、R11〜R90は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシ基、スルホ基、炭素数1〜10のアルキル基、または炭素数1〜10のアルコキシ基である。
〜W11は、それぞれ独立して、単結合、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−SO−、−SO−、−NR91−、−CR9293−、−CONR94−、またはNR95CONR96−である。R91〜R96は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基であり、このアルキル基が有する1または複数の水素原子は、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシ基またはスルホ基で置換されていてもよい。R92とR93とは、互いに合わせられ、これらが結合する炭素原子と共に環構造を形成していてもよい。
およびXは、それぞれ独立して、アルキレン基、アリーレン基、またはこれらの基を組み合わせてなる基であり、このアルキレン基、アリーレン基、およびこれらの基を組み合わせてなる基が有する1または複数の水素原子は、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシ基またはスルホ基で置換されていてもよい。
但し、上記式(6)〜(16)で表されるそれぞれの基は、水酸基、カルボキシ基およびスルホ基の少なくともいずれかを有する。)
[5] 上記感放射線性化合物が、酸発生剤、重合開始剤又はこれらの組み合わせである[1]乃至[4]のいずれかに記載の感放射線性樹脂組成物。
[6] 重合性化合物をさらに含有する[1]乃至[5]のいずれかに記載の感放射線性樹脂組成物。
[7] [1]乃至[6]のいずれかに記載の感放射線性樹脂組成物から形成されるパターンを有する硬化膜。
[8] 基板上に塗膜を形成する工程、この塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する工程、上記放射線が照射された塗膜を現像する工程、および上記現像された塗膜を加熱する工程、を備えるパターンを有する硬化膜の形成方法であって、上記塗膜の形成に[1]乃至[6]のいずれかに記載の感放射線性樹脂組成物を用いる硬化膜の形成方法。
[9] [7]に記載の硬化膜を備える電子デバイス。
本発明によれば、従来の高屈ポリマーに比べアルカリ現像液に対する溶解性が向上した重合体を含有する感放射線性樹脂組成物、この感放射線性組成物から形成される、高屈折率、低吸水性および高い可視光透過性を有する硬化膜、この硬化膜の形成方法、およびこの硬化膜を備える電子デバイスを得ることができる。
<感放射線性樹脂組成物>
本発明の感放射線性樹脂組成物は、[A]重合体および[B]感放射線性化合物を含有する。当該感放射線樹脂組成物が含有する[A]重合体は、後に詳述する特定の構造部位を有し、当該構造部位を有する重合体を用いることにより、上記効果を有する組成物および硬化膜を容易に得ることができる。また、当該感放射線性樹脂組成物は、[A]重合体および[B]感放射線性化合物以外に他の成分を含有することができる。以下、各成分等について説明する。
<[A]重合体>
[A]重合体は、下記式(1)で表される構造部位を有する。
上記式(1)中、X、Xは、それぞれ独立して、−O−、−S−、−C(=O)O−、メチレン基、炭素数2〜12のアルキレン基のいずれか、またはこれらの組み合わせである。Xとして、好ましくは、−O−、−S−のいずれかである。また、Xとして、好ましくは、−O−、または−S−、メチレン基、−C(=O)O−の組み合わせである。
上記式(1)中、Rは、酸解離性基または水素原子である。この酸解離性基は、酸の作用により解離する有機基を有する。Rは重合体の溶剤への溶解性と脱保護工程後のアルカリ現像液に対する溶解性に優れる等の点から、下記式(4)または(5)の有機基であることが好ましい。
上記式(4)中、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜30の炭化水素基、または炭素数1〜30の炭化水素基が有する水素原子の一部をヒドロキシル基、ハロゲン原子若しくはシアノ基で置換した基である。但し、RおよびRが共に水素原子である場合はない。Rは、炭素数1〜30のオキシ炭化水素基、炭素数1〜30の炭化水素基、または炭素数1〜30の炭化水素基が有する水素原子の一部をヒドロキシル基、ハロゲン原子若しくはシアノ基で置換した基である。
上記式(5)中、R〜R10は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜12の炭化水素基である。nは、1または2である。
上記式(4)のR〜Rで表される炭素数1〜30の炭化水素基としては、例えば炭素数1〜10の直鎖状または分岐状の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜30の脂環式炭化水素基が挙げられる。
炭素数1〜10の直鎖状または分岐状の脂肪族炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、1−ブチル基、2−ブチル基、2−(2−メチルプロピル)基、1−ペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、1−(2−メチルブチル)基、1−(3−メチルブチル)基、2−(2−メチルブチル)基、2−(3−メチルブチル)基、ネオペンチル基、1−ヘキシル基、2−ヘキシル基、3−ヘキシル基、1−(2−メチルペンチル)基、1−(3−メチルペンチル)基、1−(4−メチルペンチル)基、2−(2−メチルペンチル)基、2−(3−メチルペンチル)基、2−(4−メチルペンチル)基、3−(2−メチルペンチル)基、3−(3−メチルペンチル)基等が挙げられる。
炭素数3〜30の脂環式炭化水素基としては、例えばシクロペンチル基、シクロペンチルメチル基、1−(1−シクロペンチルエチル)基、1−(2−シクロペンチルエチル)基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘプチル基、2−ノルボルニル基等を挙げることができる。
上記式(4)のRで表される炭素数1〜30のオキシ炭化水素基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等の炭素数1〜30のアルコキシ基;シクロペンチルオキシ基、ノルボルニルオキシ基等の炭素数3〜30のシクロアルキルオキシ基;フェノキシ基、トリルオキシ基、ナフチルオキシ基等の炭素数6〜30のアリールオキシ基;ベンジルオキシ基、ナフチルメトキシ基等の炭素数7〜30のアラルキルオキシ基などが挙げられる。
上記式(5)のR〜R10で表される炭素数1〜12の炭化水素基としては、上記式(1)のR〜Rで表される炭素数1〜30の炭化水素基として例示したもののうち、炭素数が12以下のものが挙げられる。
また、上記式(1)中、Arは芳香環を有する2価の基であり、芳香環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環等の他、フラン環、チオフェン環、ピロール環、イミダゾール環等の複素芳香環を挙げることができる。
Arとしては、下記式(6)〜(16)のいずれかで表される基またはこれらの組み合わせである2価の基を例示することができる。
上記式(6)〜(16)中、R11〜R90は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシ基、スルホ基、炭素数1〜10のアルキル基、または炭素数1〜10のアルコキシ基である。なお、これらのR11〜R90の置換基や上記式(1)中のX、Arの種類などが主鎖芳香環の共役系へ影響を与え得る。従って、これの基の種類の選択などにより、得られる硬化膜の物性(光透過率等)を制御することもできる。
炭素数1〜10のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。なお、本明細書において、アルキル基は、シクロアルキル基を含むものとする。また、炭素数1〜10のアルコキシ基は、メトキシ基、エトキシ基等を挙げることができる。
ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子等を挙げることができる。
11〜R90としては、水素原子、水酸基、カルボキシ基およびスルホ基が好ましく、水素原子、カルボキシ基およびスルホ基がより好ましい。
上記式(9)〜(15)中、W〜W11は、それぞれ独立して、単結合、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−SO−、−SO−、−NR91−、−CR9293−、−CONR94−、またはNR95CONR96−である。R91〜R96は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基であり、このアルキル基が有する1または複数の水素原子は、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシ基またはスルホ基で置換されていてもよい。R92とR93とは、互いに合わせられ、これらが結合する炭素原子と共に環構造を形成していてもよい。
炭素数1〜10のアルキル基およびハロゲン原子としては、それぞれ上述したものを挙げることができる。
91〜R96としては、水素原子および炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、水素原子およびメチル基がより好ましい。この場合、2つの芳香環間の連結基が小さくなることなどにより、得られる硬化膜の光屈折性を高めることなどができる。
上記式(15)中、XおよびXは、それぞれ独立して、アルキレン基、アリーレン基、またはこれらの基を組み合わせてなる基であり、このアルキレン基、アリーレン基、およびこれらの基を組み合わせてなる基が有する1または複数の水素原子は、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシ基またはスルホ基で置換されていてもよい。
アルキレン基としては、メチレン基(メタンジイル基)、エチレン基(エタンジイル基)等の炭素数1〜12のアルキレン基を挙げることができる。
アリーレン基としては、フェニレン基(ベンゼンジイル基)、ナフチレン基(ナフタレンジイル基)等の炭素数6〜20のアリール基を挙げることができる。
およびXとしては、アリーレン基が好ましく、フェニレン基がより好ましい。
上記式(6)〜(16)中のR11〜R90およびW〜W11で表される各基の炭素数の上限としては、5が好ましく、3がより好ましい。このようにすることで[A]重合体における非芳香環部分が小さくなり、光屈折性をより高めることができる。
上記式(6)〜(16)で表されるそれぞれの基は、水酸基、カルボキシ基およびスルホ基の少なくともいずれかを有する。上記式(6)〜(16)で表されるそれぞれの基が有する水酸基、カルボキシ基およびスルホ基の数(複数種の場合は合計数)としては、特に限定されないが、1〜3が好ましく、1がより好ましい。
また、上記式(6)〜(16)で表されるそれぞれの基が有する水酸基、カルボキシ基およびスルホン酸は、芳香環に直結していることが好ましい。この場合、各基の酸性度が適度になり、より良好な現像性等を発現することができる。
<[A]重合体を合成するために用いる化合物の合成方法>
[A]重合体を合成するために用いる化合物として、下記式(17)で表される化合物を用いることができる。この化合物を原料として用いることで、上記効果を有する重合体および硬化膜を容易に得ることができる。
(上記式(17)中のX、X、およびRは、上記式(1)と同様であり、Xはハロゲン原子である。)
上記式(17)で表される化合物は、例えば原料化合物であるシアヌル酸クロリド等のハロゲン化トリアジンと、4−ヒドロキシベンゼンチオールとを、アミン等の触媒の存在下、溶媒中で反応させること、または4−ヒドロキシベンゼンチオールとXCHCOOR(XおよびRは、上記式(17)のXおよびRと同様)とを、アルカリ金属塩等の触媒の存在下、溶媒中で反応させ、原料化合物として、得られた中間体とシアヌル酸クロリド等のハロゲン化トリアジンとを、アミン等の触媒の存在下、溶媒中で反応させることにより合成することができる。
これらの合成方法によれば、70%以上の高収率で目的の化合物を合成することができる。
上記アミン等の触媒としては、特に制限されないが、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、2,4,6−トリメチルピリジンなどが挙げられる。
上記溶媒としては、特に制限されないが、テトラヒドロフラン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテルなどのエーテル類、トリクロロメタン、テトラクロロエタン、ジクロロメタンなどのハロゲン化アルキル類、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどのアミド類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのアセテート類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類などが挙げられる。
上記アルカリ金属塩等の触媒としては、リチウム、カリウムおよびナトリウム等のアルカリ金属;水素化リチウム、水素化カリウムおよび水素化ナトリウム等の水素化アルカリ金属;水酸化リチウム、水酸化カリウムおよび水酸化ナトリウム等の水酸化アルカリ金属;炭酸リチウム、炭酸カリウムおよび炭酸ナトリウム等のアルカリ金属炭酸塩;炭酸水素リチウム、炭酸水素カリウムおよび炭酸水素ナトリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩などのアルカリ金属含有化合物が挙げられる。
4−ヒドロキシベンゼンチオールは、パラ位に存在するヒドロキシ基の電子供与性効果により、チオール基の求核的性質が強く、また、上記中間体は、パラ位に存在するスルフィド結合の電子供与性効果により、フェノール基の求核的性質が強い。
このため、チオール基やフェノール基の反応性を低下させるために、原料化合物を滴下しながら反応を行ったり、反応液の濃度を薄めたり、低極性溶媒を用いたり、低温下で反応を行うなどにより、反応条件を最適化することが好ましい。
上記式(17)で表される化合物を合成する際の、その原料化合物の使用量は特に制限されないが、通常等モル程度である。
上記式(17)で表される化合物を合成する際の反応温度は、好ましくは−100〜0℃であり、より好ましくは−80〜−10℃であり、反応時間は、好ましくは3〜48時間、より好ましくは6〜24時間である。
<[A]重合体の合成方法>
[A]重合体は、上記式(17)で表される化合物と各種ジチオール化合物とを芳香族求核置換重縮合反応することにより合成することができる。
この合成方法では、原料化合物をそれぞれ2種以上用いてもよい。
該合成方法として、例えば、上記式(2)または(3)で表される構造を有する重合体は、上記式(17)で表される化合物と、上記式(6)乃至(16)で表される基またはこれらの組み合わせを有するジチオール化合物とを、アミン等の触媒の存在下、溶媒中で反応させることにより合成することができる。なお、溶剤への溶解性およびアルカリ溶液への溶解性に優れる重合体を得る等の点から、このように合成して得られた重合体とXCHCOOR(XおよびRは、上記式(17)のXおよびRと同様)とを、アルカリ金属塩等の触媒の存在下、溶媒中で反応させてもよい。
これらの合成方法によれば、70%以上の高収率で目的の重合体を合成することができる。
上記アミン等の触媒としては、特に制限されないが、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、2,4,6−トリメチルピリジンなどが挙げられる。
上記溶媒としては、特に制限されないが、テトラヒドロフラン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテルなどのエーテル類、トリクロロメタン、テトラクロロエタン、ジクロロメタンなどのハロゲン化アルキル類、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどのアミド類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのアセテート類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類などが挙げられる。
上記アルカリ金属塩等の触媒としては、リチウム、カリウムおよびナトリウム等のアルカリ金属;水素化リチウム、水素化カリウムおよび水素化ナトリウム等の水素化アルカリ金属;水酸化リチウム、水酸化カリウムおよび水酸化ナトリウム等の水酸化アルカリ金属;炭酸リチウム、炭酸カリウムおよび炭酸ナトリウム等のアルカリ金属炭酸塩;炭酸水素リチウム、炭酸水素カリウムおよび炭酸水素ナトリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩などのアルカリ金属含有化合物が挙げられる。
上記式(2)および(3)で表される構造を有する重合体を合成する際の、その原料化合物の使用量は特に制限されないが、上記式(17)で表される化合物:ジチオール化合物が、モル比で、好ましくは1:1〜1.4程度であり、より好ましくは1:1〜1.2程度である。
上記式(2)および(3)で表される構造を有する重合体を合成する際の反応温度は、好ましくは−10〜50℃であり、より好ましくは−5〜30℃であり、反応時間は、好ましくは3〜48時間、より好ましくは6〜24時間である。
<[A]重合体の分子量>
[A]重合体は、耐熱性および溶剤への溶解性に優れる重合体となるなどの点から、重量平均分子量(Mw)は、好ましくは2000〜100000であり、より好ましくは5000〜50000であり、分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは1.5〜8であり、より好ましくは1.8〜6である。
なお、上記分子量は、下記実施例に記載の方法で測定することができる。
<[B]感放射線性化合物>
[B]感放射線性化合物は、当該感放射線性樹脂組成物に感放射線特性を付与するものである。この[B]感放射線性化合物としては、[B1]酸発生剤、[B2]重合開始剤、またはこれらの組み合わせが好ましい。
([B1]酸発生剤)
[B1]酸発生剤は、温度130℃から250℃で熱分解をして酸を発生する熱酸発生剤、または放射線の照射によって酸を発生する光酸発生剤のことを指す。ここで、放射線とは、少なくとも可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線(荷電粒子線)およびX線を含む。当該感放射線性樹脂組成物は、[B1]酸発生剤を含むことで、例えばアルカリ現像液に対するポジ型の感放射線特性を発揮できる。
熱酸発生剤は、温度130℃から250℃で熱分解をして酸を発生する化合物であれば、特に限定されるものでない。熱酸発生剤としては、例えばスルホニウム塩、ベンゾチアゾニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩等を挙げることができ、これらのうち、スルホニウム塩、ベンゾチアゾニウム塩が好ましい。
光酸発生剤としては、例えばオキシムスルホネート化合物、オニウム塩、スルホンイミド化合物、ハロゲン含有化合物、ジアゾメタン化合物、スルホン化合物、スルホン酸エステル化合物、カルボン酸エステル化合物、キノンジアジド化合物等が挙げられる。これらのうち、キノンジアジド化合物が好ましい。
(オキシムスルホネート化合物)
オキシムスルホネート化合物としては、下記式(18)で表されるオキシムスルホネート基を含む化合物が好ましい。
上記式(18)中、R97は、炭素数1から12のアルキル基、炭素数1から12のフルオロアルキル基、炭素数4から12の脂環式炭化水素基、炭素数6から20のアリール基、又はこれらのアルキル基、脂環式炭化水素基およびアリール基が有する水素原子の一部又は全部が置換基で置換された基である。*は結合部位を示す。
上記R97で表されるアルキル基としては、炭素数1〜12の直鎖状又は分岐状のアルキル基が好ましい。この炭素数1〜12の直鎖状又は分岐状のアルキル基は置換基により置換されていてもよく、上記置換基としては、例えば、炭素数1〜10のアルコキシ基、7,7−ジメチル−2−オキソノルボルニル基等の有橋式脂環基を含む脂環式基等が挙げられる。炭素数1から12のフルオロアルキル基としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプチルフルオロプロピル基等が挙げられる。
上記R97で表される脂環式炭化水素基としては、炭素数4〜12の脂環式炭化水素基が好ましい。この炭素数4〜12の脂環式炭化水素基は置換基により置換されていてもよく、上記置換基としては、例えば、炭素数1〜5のアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子等が挙げられる。
上記R97で表されるアリール基としては、炭素数6〜20のアリール基が好ましく、フェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基がより好ましい。上記アリール基は置換基により置換されていてもよく、上記置換基としては、例えば、炭素数1〜5のアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子等が挙げられる。
オキシムスルホネート化合物の具体的な例としては、(5−プロピルスルフォニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリル、(5−オクチルスルフォニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリル、(カンファースルフォニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリル、(5−p−トルエンスルフォニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリル、2−(オクチルスルホニルオキシイミノ)−2−(4−メトキシフェニル)アセトニトリル等を挙げることができ、これらは市販品として入手することができる。
スルホンイミド化合物の具体的な例としては、例えば、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(カンファスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(カンファスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(2−フルオロフェニルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(カンファスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド等が挙げられる。
また、上述したオニウム塩としては、例えば、ジフェニルヨードニウム塩、トリフェニルスルホニウム塩、スルホニウム塩、ベンゾチアゾニウム塩、テトラヒドロチオフェニウム塩、ベンジルスルホニウム塩等が挙げられる。
そして、オニウム塩としては、テトラヒドロチオフェニウム塩、ベンジルスルホニウム塩が好ましく、4,7−ジ−n−ブトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロホスフェートがより好ましく、4,7−ジ−n−ブトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネートがさらに好ましい。
上述したスルホン酸エステル化合物の好ましい例としては、ハロアルキルスルホン酸エステルを挙げることができ、より好ましい例として、N−ヒドロキシナフタルイミド−トリフルオロメタンスルホン酸エステルを挙げることができる。
上述したキノンジアジド化合物としては、例えば、フェノール性化合物またはアルコール性化合物(以下、「母核」ともいう)と、1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸ハライドまたは1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸アミドとの縮合物を用いることができる。
上述の母核としては、例えば、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、ペンタヒドロキシベンゾフェノン、ヘキサヒドロキシベンゾフェノン、(ポリヒドロキシフェニル)アルカンの他、上記母核以外のその他の母核等が挙げられる。
これらの中で、母核としては、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、1,1,1−トリス(p−ヒドロキシフェニル)エタン、4,4’−〔1−〔4−〔1−〔4−ヒドロキシフェニル〕−1−メチルエチル〕フェニル〕エチリデン〕ビスフェノールが好ましい。
また、1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸ハライドとしては、1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸クロリドが好ましく、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸クロリド、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリドがより好ましく、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリドがさらに好ましい。
上述したフェノール性化合物またはアルコール性化合物(母核)と、1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸ハライドとの縮合反応においては、フェノール性化合物またはアルコール性化合物中のOH基数に対して、好ましくは30モル%以上85モル%以下、すなわち、30モル%〜85モル%、好ましくは50モル%〜70モル%に相当する1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸ハライドを用いることができる。尚、上記縮合反応は、公知の方法によって実施することができる。
当該感放射線性樹脂組成物における[B1]酸発生剤の含有量の下限としては、[A]重合体100質量部に対して、0.1質量部が好ましく、10質量部がより好ましく、15質量部がさらに好ましい。一方、この上限としては、60質量部が好ましく、40質量部がより好ましく、30質量部がさらに好ましい。[B1]酸発生剤の含有量を上記範囲とすることで、現像液に対する熱をかけた部分と熱をかけなかった部分、または放射線の照射部分と未照射部分との溶解度の差を大きくして、硬化膜のパターニング性能を向上させることができる。また、硬化膜の耐溶媒性を良好なものとすることもできる。
([B2]重合開始剤)
[B2]重合開始剤は、放射線に感応して、重合性を備えた化合物の重合を開始し得る活性種を生じる成分である。当該感放射線性樹脂組成物は、[B2]重合開始剤を含むことで、例えばアルカリ現像液に対するネガ型の感放射線特性を発揮できる。[B2]重合開始剤としては、光ラジカル重合開始剤を挙げることができる。この光ラジカル重合開始剤としては、例えばO−アシルオキシム化合物、アセトフェノン化合物、ビイミダゾール化合物等が挙げられる。これらの化合物は、1種または2種以上を混合して用いることができる。
(O−アシルオキシム化合物)
O−アシルオキシム化合物としては、例えば1−〔4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、1,2−オクタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)、1−〔9−エチル−6−ベンゾイル−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−オクタン−1−オンオキシム−O−アセテート、1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−エタン−1−オンオキシム−O−ベンゾエート、1−〔9−n−ブチル−6−(2−エチルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−エタン−1−オンオキシム−O−ベンゾエート、エタノン−1−[9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロフラニルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロピラニルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチル−5−テトラヒドロフラニルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)、エタノン−1−〔9−エチル−6−{2−メチル−4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニル)メトキシベンゾイル}−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)等が挙げられる。
(アセトフェノン化合物)
アセトフェノン化合物としては、例えばα−アミノケトン化合物、α−ヒドロキシケトン化合物等が挙げられる。
(α−ヒドロキシケトン化合物)
α−ヒドロキシケトン化合物としては、例えば1−フェニル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−i−プロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンが挙げられる。
(ビイミダゾール化合物)
ビイミダゾール化合物としては、例えば2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール等が挙げられる。
当該感放射線性樹脂組成物における[B2]重合開始剤の含有量の下限としては、例えば[A]重合体100質量部に対して5質量部が好ましく、10質量部がより好ましく、15質量部がさらに好ましい。一方、この上限としては、60質量部が好ましく、40質量部がより好ましく、30質量部がさらに好ましい。[B2]重合開始剤の含有量をこのような範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物は、低露光量であっても、高い耐溶媒性、硬度および密着性を有する硬化膜を形成することなどができる。
<その他の成分>
当該感放射線性樹脂組成物は、[A]重合体および[B]感放射線性化合物の他、例えば[C]重合性化合物、[D]密着助剤、[E]界面活性剤、他の重合体、酸化防止剤、金属酸化物粒子等を含有することができる。
<重合性化合物>
[C]重合性化合物は、エチレン性不飽和結合等の重合性基を有する化合物である。当該感放射線性樹脂組成物は、[C]重合性化合物を含有することで、放射線の照射によって密着性に優れ、かつ低露光量であっても十分な表面硬度を有する硬化膜を形成することができる。
[C]重合性化合物としては、多官能アクリレートを例示することができる。多官能アクリレートとしては、エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物であれば特に限定されないが、例えばω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、2−(2’−ビニロキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート等の単官能(メタ)アクリレート化合物;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノキシエタノールフルオレンジ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイロキシプロピルメタクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリ(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)フォスフェート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、コハク酸変性ペンタエリスリトールトリアクリレート、コハク酸変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、直鎖アルキレン基および脂環式構造を有し、かつ2個以上のイソシアネート基を有する化合物と、分子内に1個以上の水酸基を有し、かつ3個〜5個の(メタ)アクリロイロキシ基を有する化合物とを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート化合物等の多官能(メタ)アクリレート化合物等を挙げることができる。これらの[C]重合性化合物は、1種又は2種以上を混合して用いることができる。
[C]重合性化合物の含有量の下限としては、[A]重合体100質量部に対して、1質量部が好ましく、10質量部がより好ましい。一方、この上限としては、200質量部が好ましく、150質量部がより好ましく、100質量部がさらに好ましく、50質量部が特に好ましい。[C]重合性化合物の含有量をこのような範囲とすることにより、得られる硬化膜の硬度や密着性をより高めることができると共に、当該感放射線性樹脂組成物の放射線感度を良好にすることができる。なお、例えば[B]感放射線性化合物が[B1]酸発生剤の場合などは、[C]重合性化合物は含有されていなくてもよい。
<[D]密着助剤>
[D]密着助剤は、当該感放射線性樹脂組成物から形成される硬化膜と基板等との密着性を向上させるものである。このような密着助剤としては、官能性シランカップリング剤が好ましい。官能性シランカップリング剤としては、例えばカルボキシル基、メタクリロイル基、イソシアネート基、エポキシ基等の反応性置換基を有するもの等が挙げられる。このような官能性シランカップリング剤としては、例えばトリメトキシシリル安息香酸、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が挙げられる。[D]密着助剤は、1種又は2種以上を混合して用いることができる。
当該感放射線性樹脂組成物における[D]密着助剤の含有量の下限としては、[A]重合体100質量部に対して、0.1質量部が好ましく、1質量部がより好ましい。一方、この上限としては、20質量部が好ましく、10質量部がより好ましい。[D]密着助剤の含有量を上記範囲とすることにより、十分に密着性を高めつつ、現像工程における現像残りの発生を抑制することなどができる。
<[E]界面活性剤>
[E]界面活性剤は、当該感放射線性樹脂組成物の塗布性を向上させることなどができる。[E]界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤等を挙げることができ、フッ素系界面活性剤が好ましい。[E]界面活性剤は、1種又は2種以上を混合して用いることができる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば1,1,2,2−テトラフルオロオクチル(1,1,2,2−テトラフルオロプロピル)エーテル、1,1,2,2−テトラフルオロオクチルヘキシルエーテル、オクタエチレングリコールジ(1,1,2,2−テトラフルオロブチル)エーテル、ヘキサエチレングリコール(1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロペンチル)エーテル、オクタプロピレングリコールジ(1,1,2,2−テトラフルオロブチル)エーテル、ヘキサプロピレングリコールジ(1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロペンチル)エーテル、パーフルオロドデシルスルホン酸ナトリウム、1,1,2,2,8,8,9,9,10,10−デカフルオロドデカン、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロデカン等の他、フルオロアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム;フルオロアルキルオキシエチレンエーテル;フルオロアルキルアンモニウムヨージド、フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル、パーフルオロアルキルポリオキシエタノール;パーフルオロアルキルアルコキシレート;フッ素系アルキルエステル等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤の市販品としては、例えばBM CHEMIE社の「BM−1000」、「BM−1100」、大日本インキ化学工業社の「メガファックF142D」、「同F172」、「同F173」、「同F183」、「同F178」、「同F191」、「同F471」、「同F476」、住友スリーエム社の「フロラードFC−170C」、「同FC−171」、「同FC−430」、「同FC−431」、旭硝子社の「サーフロンS−112」、「同S−113」、「同S−131」、「同S−141」、「同S−145」、「同S−382」、「同SC−101」、「同SC−102」、「同SC−103」、「同SC−104」、「同SC−105」、「同SC−106」、新秋田化成社の「エフトップEF301」、「同EF303」、「同EF352」、ネオス社の「フタージェントFT−100」、「同FT−110」、「同FT−140A」、「同FT−150」、「同FT−250」、「同FT−251」、「同FT−300」、「同FT−310」、「同FT−400S」、「同FTX−218」、「同FT−251」等を挙げることができる。
当該感放射線性樹脂組成物における[E]界面活性剤の含有量の下限としては、[A]重合体100質量部に対して、0.1質量部が好ましく、0.3質量部がより好ましい。一方、この上限としては、5質量部が好ましく、2質量部がより好ましい。[E]界面活性剤の含有量を上記範囲とすることで、塗布性を高めつつ、得られる硬化膜の膜あれの発生を抑制することなどができる。
<他の重合体>
他の重合体とは、[A]重合体以外の重合体である。他の重合体としては、エポキシ樹脂等のアルカリ可溶性樹脂などを挙げることができる。但し、当該感放射線性樹脂組成物は、[A]重合体以外の重合体を含まなくてもよい。他の重合体の含有量の下限としては、例えば[A]重合体100質量部に対して、1質量部とすることができ5質量部が好ましい。一方、この上限としては、例えば100質量部であり、60質量部が好ましく、40質量部がより好ましい。このような範囲で他の重合体を含有させることで、[A]重合体の機能を十分に発揮させつつ、他の重合体による他の機能を発揮させることなどができる。
エポキシ樹脂は、当該感放射線性樹脂組成物から形成される硬化膜の耐熱性、表面硬度等の特性を向上させるものである。このエポキシ樹脂としては、[A]重合体との相溶性に影響がない限り特に限定されない。エポキシ樹脂としては、例えばフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、環状脂肪族エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、グリシジルメタクリレートを(共)重合した樹脂等が挙げられる。
<酸化防止剤>
酸化防止剤は、加熱若しくは露光により発生したラジカルの捕捉により、又は酸化によって生成した過酸化物の分解により、重合体分子の結合の解裂を抑制する成分である。当該感放射線性樹脂組成物が酸化防止剤を含有することで、形成される硬化膜中における重合体分子の解裂劣化が抑制され、耐久性等を向上させることができる。酸化防止剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
酸化防止剤としては、例えばヒンダードフェノール構造を有する化合物、ヒンダードアミン構造を有する化合物、アルキルホスファイト構造を有する化合物、チオエーテル構造を有する化合物等が挙げられる。これらの中で、酸化防止剤は、ヒンダードフェノール構造を有する化合物であることが好ましい。
ヒンダードフェノール構造を有する化合物(ヒンダードフェノール系化合物)としては、例えば、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、トリス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオンアミド)、3,3’,3’,5’,5’−ヘキサ−tert−ブチル−a,a’,a’−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、4,6−ビス(ドデシルチオメチル)−o−クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5−トリス[(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−キシリル)メチル]−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミン)フェノール等を挙げることができる。
ヒンダードフェノール構造を有する化合物の市販品としては、例えばアデカスタブAO−20、同AO−30、同AO−40、同AO−50、同AO−60、同AO−70、同AO−80、同AO−330(以上、ADEKA製)、sumilizerGM、同GS、同MDP−S、同BBM−S、同WX−R、同GA−80(以上、住友化学製)、IRGANOX1010、同1035、同1076、同1098、同1135、同1330、同1726、同1425WL、同1520L、同245、同259、同3114、同565、IRGAMOD295(以上、BASF製)、ヨシノックスBHT、同BB、同2246G、同425、同250、同930、同SS、同TT、同917、同314(以上、エーピーアイコーポレーション製)等が挙げられる。
当該感放射線性樹脂組成物における酸化防止剤の含有量の下限としては、[A]重合体100質量部に対して、0.01質量部が好ましく、0.05質量部がより好ましい。一方、この上限としては、3質量部が好ましく、1質量部がより好ましく、0.3質量部がさらに好ましい。
<金属酸化物粒子>
金属酸化物粒子は、当該感放射線性樹脂組成物から形成される硬化膜の電気絶縁性を維持しつつ比誘電率の上昇を制御する。この金属酸化物粒子は、硬化膜の屈折率の制御、硬化膜の透明性の制御、硬化収縮を緩和することによるクラックの抑制、硬化膜の表面硬度向上という目的等でも使用することができる。
金属酸化物粒子は、例えばケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、チタン、亜鉛、インジウム、スズ、アンチモン、ストロンチウム、バリウム、セリウム、ハフニウムの酸化物粒子である。これらの酸化物粒子は、単独で使用しても2種以上を併用してもよく、単一酸化物粒子であっても複合酸化物粒子であってもよい。
単一酸化物としては、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア、セリア等が挙げられる。複合酸化物としては、例えばチタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、ATO(antimony−tin oxide)、ITO(indium−tin oxide)、IZO(indium−zinc oxide)等が挙げられる。
これらの中でも、ケイ素、ジルコニウム、チタン、亜鉛、バリウムの酸化物粒子が好ましく、シリカ粒子、ジルコニア粒子、チタニア粒子、チタン酸バリウム(BaTiO)がより好ましい。金属酸化物粒子の市販品としては、例えばシーアイ化成社の「ナノテック(登録商標)」等を使用することができる。
金属酸化物粒子の形状は、特に限定されず、球状でも不定形のものでもよく、また中空粒子、多孔質粒子、コア・シェル型粒子等であっても構わない。
金属酸化物粒子の体積平均粒子径としては、動的光散乱法で求めた値で、5nm以上200nm以下が好ましい。金属酸化物粒子の体積平均粒子径が5nm未満であると、感放射線性樹脂組成物を用いて得られる硬化膜の硬度が低下するおそれや、意図した比誘電率を発現できないおそれがある。一方、体積平均粒子径が200nmを超えると、硬化膜のヘイズが高くなり透過率が低下するおそれや、硬化縁膜の平滑性が悪くなるおそれがある。
<感放射線性樹脂組成物の調製方法>
当該感放射線性樹脂組成物は、[A]重合体および[B]感放射線性化合物、並びに必要に応じてその他の成分を均一に混合することによって調製される。当該感放射線性樹脂組成物は、好ましくは適当な溶媒に溶解されて溶液状で用いられる。
溶媒としては、含有成分を均一に溶解し、含有成分と反応しないものが用いられる。溶媒は、1種又は2種以上を混合して用いることができる。
上記溶媒としては、溶解性、固形分の分散性、組成物の塗布性等の観点から、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸3−メトキシブチル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,6−ヘキサンジオールジアセテート、乳酸エチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、ギ酸n−アミル、酢酸i−アミル、プロピオン酸n−ブチル、酪酸エチル、酪酸i−プロピル、酪酸n−ブチルおよびピルビン酸エチルが好ましい。
さらに、上記溶媒と共に、ベンジルエチルエーテル、ジ−n−ヘキシルエーテル、アセトニルアセトン、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート等の高沸点溶媒を併用することもできる。上記高沸点溶媒は、1種又は2種以上を混合して用いることができる。
感放射線性樹脂組成物における固形分濃度は特に限定されないが、下限としては、5質量%が好ましく、10質量%がより好ましく、15質量%がさらに好ましい。一方、この上限としては、40質量%が好ましく、30質量%がより好ましい。固形分濃度を上記範囲とすることにより、感放射線性樹脂組成物の塗工性、安定性等をより良好にすることができる。
<硬化膜>
本発明の硬化膜は、当該感放射線性樹脂組成物から形成される。当該硬化膜は電子デバイス用の絶縁膜などとして好適に用いることができる。電子デバイス用の硬化膜としては、例えば層間絶縁膜、保護膜、平坦化膜等を挙げることができる。当該硬化膜は、当該感放射線性樹脂組成物から形成されるため、耐熱性や光透過性等が良好である。また、[A]重合体の種類により、高い光屈折率を発現させることもできる。なお、当該硬化膜の形成方法としては特に限定されないが、次に説明する硬化膜の形成方法を適用することが好ましい。
<硬化膜の形成方法>
本発明の硬化膜の形成方法は、
(1)基板上に塗膜を形成する工程、
(2)塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する工程、
(3)上記塗膜を現像する工程、および
(4)現像された塗膜を加熱する工程
を備える。
[工程(1)]
工程(1)では、当該感放射線性樹脂組成物の溶液を基板表面に塗布し、好ましくはプレベークを行うことにより溶媒を除去することで塗膜を形成する。工程(1)で使用する基板としては、例えばガラス基板、シリコンウエハー、プラスチック基板、およびこれらの表面に各種金属が形成された基板が挙げられる。プラスチック基板としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリイミド等のプラスチックを主成分とする基板などが挙げられる。
当該感放射線性樹脂組成物の塗布方法としては、例えばスプレー法、ロールコート法、回転塗布法(スピンコート法)、スリットダイ塗布法、バー塗布法、インクジェット法等の適宜の方法を採用することができる。これらの塗布方法の中でも、スピンコート法、バー塗布法、スリットダイ塗布法が好ましい。プレベークの条件としては、当該感放射線性樹脂組成物の含有成分の種類、含有量等によっても異なるが、例えば60℃以上100℃以下で30秒間以上10分間以下程度とすることができる。上記塗膜の平均膜厚は、プレベーク後の下限として、0.1μmが好ましい。また、この上限としては、8μmが好ましく、6μmがより好ましく、4μmがさらに好ましい。
[工程(2)]
工程(2)では、工程(1)で形成した塗膜に所定のパターンを有するマスクを介して放射線を照射する。このときの放射線としては、例えば紫外線、遠紫外線、X線、荷電粒子線等が挙げられる。
紫外線としては、例えばg線(波長436nm)、i線(波長365nm)等が挙げられる。遠紫外線としては、例えばKrFエキシマレーザー等が挙げられる。X線としては、例えばシンクロトロン放射線等が挙げられる。荷電粒子線としては、例えば電子線等を挙げることができる。これらの放射線のうち、紫外線が好ましく、紫外線の中でもg線および/又はi線を含む放射線が特に好ましい。露光量としては、例えば100J/m以上10,000J/m以下が好ましい。
[工程(3)]
工程(3)では、工程(2)で放射線を照射した塗膜に対して現像を行って、放射線の照射部分を除去し、所望のパターンを形成することができる。現像処理に用いられる現像液としては、アルカリ水溶液(アルカリ現像液)を用いることができる。アルカリとしては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジエチルアミノエタノール、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ〔4,3,0〕−5−ノナン等が挙げられる。また、現像液としては、上記アルカリ水溶液にメタノール、エタノール等の水溶性有機溶媒や界面活性剤を適当量添加した水溶液、又は当該感放射線性樹脂組成物を溶解する各種有機溶媒を少量含むものを使用することができる。また、現像液として、有機溶媒を用いてもよい。さらに、現像方法としては、例えば液盛り法、ディッピング法、揺動浸漬法、シャワー法等の方法を利用することができる。現像時間は、感放射線性樹脂組成物の組成によって異なるが、例えば30秒以上120秒以下とすることができる。
工程(3)の後に、パターニングされた塗膜に対して流水洗浄によるリンス処理を行い、続いて、高圧水銀灯等による放射線を全面に照射(後露光)することにより、塗膜中に残存する[B]感放射線化合物の分解処理を行うことが好ましい。後露光における露光量は、好ましくは2,000J/m以上5,000J/m以下程度である。
[工程(4)]
工程(4)では、工程(3)で現像された塗膜を焼成するホットプレート、オーブン等の加熱装置を用いて、この塗膜を加熱・焼成処理(ポストベーク処理)することによって塗膜の硬化を行う。また、工程(4)における焼成温度の下限としては、120℃が好ましい。一方、この上限としては、250℃が好ましい。焼成時間としては、加熱機器の種類により異なるが、例えばホットプレート上で加熱処理を行う場合には5分以上40分以下、オーブン中で加熱処理を行う場合には30分以上80分以下とすることができる。
当該製造方法によれば、当該感放射線性樹脂組成物の感放射線性を利用した露光、現像および加熱によってパターンを形成する方法であるため、容易に微細かつ精巧なパターンを形成することができる。
<電子デバイス>
本発明の電子デバイスは、当該硬化膜を備える。すなわち、当該硬化膜は、電子デバイスに好適に使用できる。当該電子デバイスとしては、液晶表示素子や有機EL素子等が挙げられる。このような電子デバイス用の硬化膜としては、例えば層間絶縁膜、保護膜、平坦化膜等が挙げられる。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
<重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)および分子量分布(Mw/Mn)>
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、下記条件でMwおよびMnを測定した。また、分子量分布(Mw/Mn)は得られたMwおよびMnより算出した。
装置:昭和電工(株)の「GPC−101」GPCカラム:(株)島津ジーエルシー製の「GPC−KF−801」、「GPC−KF−802」、「GPC−KF−803」および「GPC−KF−804」を結合
移動相:テトラヒドロフラン(THF)
カラム温度:40℃
流速:1.0mL/分
試料濃度:1.0質量%
試料注入量:100μL
検出器:示差屈折計
標準物質:単分散ポリスチレン
実施例および比較例の重合体を合成するために用いる、化合物(a−1)乃至(a−5)の合成方法を以下に説明する。
[合成例1]化合物(a−1)の合成
窒素下、300mLの二つ口フラスコに、シアヌル酸クロリド5.53質量部を加え、THF100質量部に溶解させ、−40℃に冷却した。次いで、冷却した溶液に、THF25質量部に4−ヒドロキシベンゼンチオール2.52質量部およびトリエチルアミン(TEA)2.04質量部を溶解させた溶液を滴下し、反応を開始した。一晩撹拌した後、飽和塩化アンモニウム水溶液を用いて分液洗浄し、次いで、飽和塩化ナトリウム水溶液を用いて分液洗浄した。有機層を回収し、硫酸マグネシウムで乾燥させた後、エバポレーターを用いて濃縮し、フラッシュクロマトグラフィーで精製することで化合物(a−1)を4.44質量部得た。
[合成例2]化合物(a−2)の合成
20mlのフラスコに、4−ヒドロキシベンゼンチオール0.505質量部、ブロモ酢酸t−ブチル0.835質量部、炭酸カリウム0.354質量部、およびN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)5質量部を加えた。その後、室温(25℃)で24時間反応し、抽出した酢酸エチル溶液を純水で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥した後、エバポレーターを用いて濃縮し、フラッシュクロマトグラフィーで精製することで化合物(a−2)の中間体を0.86質量部得た。
窒素下、50mLの二つ口フラスコに、シアヌル酸クロリド0.65質量部を加え、THF10質量部に溶解させ、−40℃に冷却した。次いで、冷却した溶液に、THF10質量部に上記で得られた化合物(a−2)の中間体0.81質量部およびジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)0.66質量部を溶解させた溶液を滴下し、反応を開始した。一晩撹拌した後、飽和塩化アンモニウム水溶液を用いて分液洗浄し、次いで、飽和塩化ナトリウム水溶液を用いて分液洗浄した。有機層を回収し、硫酸マグネシウムで乾燥させた後、エバポレーターを用いて濃縮し、フラッシュクロマトグラフィーで精製することで化合物(a−2)を0.92質量部得た。
[合成例3]化合物(a−3)の合成
ブロモ酢酸t−ブチルを下記式(19)で表される化合物0.903質量部に変えた以外は、合成例2と同様に合成を行い、化合物(a−3)を得た。
[合成例4]化合物(a−4)の合成
ブロモ酢酸t−ブチルを下記式(20)で表される化合物0.955質量部に変えた以外は、合成例2と同様に合成を行い、化合物(a−4)を得た。
[合成例5]化合物(a−5)の合成
室温、窒素下で、300mLの二つ口フラスコに、シアヌル酸クロリド10.00質量部およびDIPEA7.01質量部を加え、THF100質量部に溶解させ、氷浴(0℃)で20分撹拌した。その後、THF80質量部にp−トルエンチオール6.73質量部を溶解させた溶液を加えて、反応を開始した。3時間反応させた溶液をろ過し、エバポレーターを用いて濃縮し、再結晶することで化合物(a−5)を得た。
[合成例6]重合体(A−1)の合成
窒素下、10mLの二つ口フラスコに、1,3−ベンゼンジチオール0.521質量部を加え、THF114.1質量部に溶解させ、0℃に冷却し、TEA0.737質量部を滴下し、30分撹拌した。その後、化合物(a−1)1.00質量部を加え、激しく撹拌した。室温で一晩反応させた後、メタノールで再沈殿し、得られた固体を70℃で真空乾燥することで、重合体(A−1)を得た。得られた重合体のMwは28800、分子量分布Mw/Mnは2.43であった。
[合成例7〜10]重合体(A−2)〜(A−5)の合成
単量体を下記表1に示す種類および量とした以外は、合成例6と同様に合成を行い、重合体(A−1)と同等の分子量および分子量分布を有する各共重合体を得た。
[比較合成例1]重合体(CA−1)の合成
単量体を下記表1に示す種類および量とした以外は、合成例6と同様に合成を行い、比較例としての重合体(CA−1)を得た。重合体(CA−1)の重量平均分子量Mwは8000、分子量分布Mw/Mnは2.6であった。
<感放射線性樹脂組成物の調製>
[実施例1]
重合体(A−1)を含有する溶液100質量部(固形分)に相当する量、感放射線性化合物としての下記表2に示す種類および量の酸発生剤、密着助剤(D:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)5質量部、および界面活性剤(E:ネオス社の「FTX−218」)0.5質量部を混合した。さらに固形分濃度が20質量%となるように溶媒としてジエチレングリコールメチルエチルエーテルとシクロヘキサノンの混合溶液を添加した後、孔径0.2μmのメンブランフィルタで濾過することにより、感放射線性樹脂組成物を調製した。
[実施例2〜9および比較例1]
下記表2に示す重合体と酸発生剤を用いた以外は実施例1と同様に操作し、実施例2〜9および比較例1の感放射線性樹脂組成物を調製した。
[実施例10]
重合体(A−2)を含有する溶液100質量部(固形分)に相当する量、感放射線性化合物としてのO−アシルオキシム化合物(BASF社の「イルガキュアOXE01」)5質量部、熱酸発生剤10質量部、重合性化合物(C:ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートとジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートの混合物)30質量部、密着助剤(D:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)5質量部、および界面活性剤(E:ネオス社の「FTX−218」)0.5質量部を混合した。さらに固形分濃度が20質量%となるように溶媒としてジエチレングリコールメチルエチルエーテルとシクロヘキサノンの混合溶液を添加した後、孔径0.2μmのメンブランフィルタで濾過することにより、感放射線性樹脂組成物を調製した。
<評価>
実施例1〜10および比較例1の感放射線性樹脂組成物から硬化膜を形成し、以下に説明する手法により評価した。実施例1〜10および比較例1の評価結果を下記表3に示す。
[感度(放射線感度)の評価]
スピンナーを用い、60℃で60秒間HMDS処理したシリコン基板上に感放射線性樹脂組成物を塗布した後、90℃にて2分間、熱酸発生剤を添加した実施例に関しては追加で150℃にて5分間ホットプレート上でプレベークして膜厚3.0μmの塗膜を形成した。この塗膜にキヤノン社の「MPA−600FA」露光機を用い、幅10μmのライン・アンド・スペースパターンを有するパターンマスクを介して、水銀ランプによって所定量の紫外線を照射した。次いで、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド2.38質量%水溶液よりなる現像液を用い、25℃で60秒現像処理を行った後、超純水で1分間流水洗浄を行った。このとき、幅10μmのライン・アンド・スペースパターンを形成可能な最小露光量を測定した。この測定値が1500J/m未満の場合に感度は優良「○」であり、1500J/m以上の場合に良「△」、パターンが得られない場合は「×」として評価した。
[保存安定性の評価]
得られた感放射線性樹脂組成物を40℃のオーブン中で1週間放置し、加温前後の粘度を測定し、粘度変化率(%)を求めた。このとき、粘度変化率を保存安定性とし、以下の基準で保存安定性を評価した。◎:粘度変化率5%未満、○:粘度変化率5%以上10%未満、△:粘度変化率10%以上15%未満、×:粘度変化率15%以上。B以上を保存安定性が良好と判断した。粘度は、E型粘度計(東機産業社の「VISCONIC ELD.R」)を用いて25℃で測定した。
[耐熱性の評価]
シリコン基板上にスピンナーを用いて、実施例および比較例として調製した感放射線性樹脂組成物のいずれかを塗布した後、90℃にて2分間、熱酸発生剤を添加した実施例に関しては追加で150℃にて5分間ホットプレート上でプレベークして膜厚3.0μmの塗膜を形成した。得られた塗膜に水銀ランプによって積算照射量が3,000J/m2となるように紫外線を照射した。次いで、このシリコン基板をホットプレート上で230℃、60分間加熱した。得られた硬化膜の5%熱重量減少温度をエスアイアイ・ナノテクノロジー社の「TG/DTA220U」を用いて空気下で測定した。5%重量減少温度が300℃以上の場合に耐熱性は優良であると判断した。
[表面硬度の評価]
シリコン基板上にスピンナーを用いて、実施例および比較例として調製した感放射線性樹脂組成物のいずれかを塗布した後、90℃にて2分間、熱酸発生剤を添加した実施例に関しては追加で150℃にて5分間ホットプレート上でプレベークして膜厚3.0μmの塗膜を形成した。得られた塗膜に水銀ランプによって積算照射量が3,000J/mとなるように紫外線を照射した。次いで、このシリコン基板をホットプレート上で230℃、30分間加熱した。得られた硬化膜について、JIS−K−5400−1990の8.4.1鉛筆引っかき試験により、硬化膜の鉛筆硬度を測定し、これを表面硬度とした。この値が3H以上である場合、硬化膜としての表面硬度は良好であり、その硬化膜を形成するために用いた感放射線性樹脂組成物は十分な硬化性を有すると判断した。
[表面クラックの評価]
表面硬度の評価で形成された硬化膜を有する基板について、表面状態を光学顕微鏡で観察し、クラックがない場合は「○」、クラックがある場合を「×」として評価した。
[低吸水性の評価]
シリコン基板上に塗布した後、90℃にて2分間、熱酸発生剤を添加した実施例に関しては追加で150℃にて5分間ホットプレート上で加熱し、その後さらにクリーンオーブンにて230℃にて30分間ポストベークして平均膜厚3.0μmの塗膜を形成した。この硬化膜について、TDS(Thermal Desorption Spectroscopy)を用いて常温から200℃に昇温した際の、硬化膜から発生するガス成分を質量分析計で検出した。この時、水由来のガスピーク(M/z=18)の検出値を測定することで、硬化膜の吸水性を評価した。ピーク強度が7.0×10−9以下の場合、硬化膜の吸水性は低いと判断した。吸水性が低いと判断した場合を「○」、吸水性が高いと判断した場合を「×」とした。
[屈折率(光屈折性)の評価]
表面硬度の評価で形成された硬化膜を有する基板について、屈折率をMetricon社の「プリズムカプラ モデル2010」にて測定した。屈折率は、408nm、633nm、828nmの3波長にて測定した。屈折率は、633nmにおける測定値が、1.650以上である場合を「○」、1.600以上1.650未満の場合は、「△」、1.600未満の場合を「×」として評価した。
[透過率(光透過性)の評価]
ガラス基板上にスピンナーを用いて、実施例および比較例として調製した感放射線性樹脂組成物のいずれかを塗布した後、90℃にて2分間、熱酸発生剤を添加した実施例に関しては追加で150℃にて5分間ホットプレート上でプレベークして膜厚3.0μmの塗膜を形成した。得られた塗膜に水銀ランプによって積算照射量が3,000J/mとなるように紫外線を照射した。次いで、このガラス基板をホットプレート上で230℃、30分間加熱した。得られた硬化膜の透過率を日本分光社の「V−630」紫外可視分光光度計により測定した。400nmの透過率が94%以上の場合に透明性が優良であると判断した。
[積層透過率(積層光透過性)の評価]
ガラス基板上にSiNx膜(平均膜厚200nm)/硬化膜(平均膜厚3μm)/ITO膜(Indium Tin Oxide:平均膜厚50um)となるように積層した。硬化膜は、実施例および比較例として調製した感放射線性樹脂組成物のいずれかを用い、上記透過率の評価と同様の手順で作成した。裏面(ガラス基板側)からの透過率を紫外可視分光光度計(日本分光社製の「V−630」)により測定した。400nm光の透過率が75%以上の場合に積層状態での透明性が優良であると判断した。
[(B1)酸発生剤]
B1−1:1,1,1−トリ(p−ヒドロキシフェニル)エタン(1.0モル)と1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリド(2.0モル)との縮合物
B1−2:(5−プロピルスルフォニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリル(IRGACURE PAG 103(BASF(株)製)
B1−3:SI−110L スルホニウム塩のヘキサフルオロホスフェートタイプ 三新化学工業(株)製)
上記表3の結果から明らかなように、実施例1〜10の感放射線性樹脂組成物は、十分な放射線感度(現像性)を有することがわかる。また、実施例1〜10の感放射線性樹脂組成物から得られる硬化膜は、耐熱性、表面硬度、低吸水性、光透過性および積層光透過性が良好であることがわかる。さらに、特定の重合体を用いることで、保存安定性、表面クラックへの耐性、屈折率を高めることができることがわかる。

Claims (9)

  1. 下記式(2)または(3)で表される少なくとも一方の構造を有する重合体および感放射線性化合物を含む感放射線性樹脂組成物。
    (上記式(2)および(3)のR は、酸解離性基を含む有機基または水素原子である。Arは、芳香環を有する2価の基である。*は、結合部位を示す。上記式(3)中のmは、0〜12である。
  2. 下記式(1)で表される構造部位を有する重合体および感放射線性化合物を含む感放射線性樹脂組成物。
    (上記式(1)中のX、Xは、それぞれ独立に、−O−、−S−、−C(=O)O−、メチレン基、炭素数2〜12のアルキレン基のいずれか、またはこれらの組み合わせであり、Rは、下記式(4)または(5)で表される少なくとも一方の基を有する有機基である。Arは、芳香環を有する2価の基である。*は、結合部位を示す。)
    (上記式(4)中、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜30の炭化水素基、または炭素数1〜30の炭化水素基が有する水素原子の一部をヒドロキシル基、ハロゲン原子若しくはシアノ基で置換した基である。但し、RおよびRが共に水素原子である場合はない。Rは、炭素数1〜30のオキシ炭化水素基、炭素数1〜30の炭化水素基、または炭素数1〜30の炭化水素基が有する水素原子の一部をヒドロキシル基、ハロゲン原子若しくはシアノ基で置換した基である。上記式(5)中、R〜R10は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜12の炭化水素基である。nは、1または2である。)
  3. が、下記式(4)または(5)で表される少なくとも一方の基を有する請求項1に記載の感放射線性樹脂組成物。
    (上記式(4)中、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜30の炭化水素基、または炭素数1〜30の炭化水素基が有する水素原子の一部をヒドロキシル基、ハロゲン原子若しくはシアノ基で置換した基である。但し、RおよびRが共に水素原子である場合はない。Rは、炭素数1〜30のオキシ炭化水素基、炭素数1〜30の炭化水素基、または炭素数1〜30の炭化水素基が有する水素原子の一部をヒドロキシル基、ハロゲン原子若しくはシアノ基で置換した基である。上記式(5)中、R〜R10は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜12の炭化水素基である。nは、1または2である。)
  4. Arが、下記式(6)〜(16)のいずれかで表される基またはこれらの組み合わせである請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物。
    (上記式(6)〜(16)中、R11〜R90は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシ基、スルホ基、炭素数1〜10のアルキル基、または炭素数1〜10のアルコキシ基である。
    〜W11は、それぞれ独立して、単結合、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−SO−、−SO−、−NR91−、−CR9293−、−CONR94−、またはNR95CONR96−である。R91〜R96は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基であり、このアルキル基が有する1または複数の水素原子は、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシ基またはスルホ基で置換されていてもよい。R92とR93とは、互いに合わせられ、これらが結合する炭素原子と共に環構造を形成していてもよい。
    およびXは、それぞれ独立して、アルキレン基、アリーレン基、またはこれらの基を組み合わせてなる基であり、このアルキレン基、アリーレン基、およびこれらの基を組み合わせてなる基が有する1または複数の水素原子は、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシ基またはスルホ基で置換されていてもよい。
    但し、上記式(6)〜(16)で表されるそれぞれの基は、水酸基、カルボキシ基およびスルホ基の少なくともいずれかを有する。)
  5. 上記感放射線性化合物が、酸発生剤、重合開始剤又はこれらの組み合わせである請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物。
  6. 重合性化合物をさらに含有する請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物から形成されるパターンを有する硬化膜。
  8. 基板上に塗膜を形成する工程、この塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する工程、上記放射線が照射された塗膜を現像する工程、および上記現像された塗膜を加熱する工程を備えるパターンを有する硬化膜の形成方法であって、上記塗膜の形成に請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物を用いる硬化膜の形成方法。
  9. 請求項7に記載の硬化膜を備える電子デバイス。
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