JP2000265064A - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

Info

Publication number
JP2000265064A
JP2000265064A JP11074222A JP7422299A JP2000265064A JP 2000265064 A JP2000265064 A JP 2000265064A JP 11074222 A JP11074222 A JP 11074222A JP 7422299 A JP7422299 A JP 7422299A JP 2000265064 A JP2000265064 A JP 2000265064A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
polysilane
epoxy
resin composition
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11074222A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinichi Kawasaki
真一 川崎
Hiroaki Murase
裕明 村瀬
Takeshi Fujiki
剛 藤木
Ryoichi Nishida
亮一 西田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Osaka Gas Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Osaka Gas Co Ltd filed Critical Osaka Gas Co Ltd
Priority to JP11074222A priority Critical patent/JP2000265064A/ja
Publication of JP2000265064A publication Critical patent/JP2000265064A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、従来技術の問題点に鑑み成されたも
のであって、主として、電気特性に優れ、耐薬品性を有
し、しかも金属や無機材料との密着性に優れた樹脂組成
物、硬化物、成形体、層間絶縁膜を提供する。 【解決手段】水酸基を有するポリシラン化合物とエポキ
シ化合物を含有する樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水酸基を有するポ
リシラン化合物とエポキシ化合物を含有する樹脂組成
物、硬化物、成形体および樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂は、電子・電気、一般産業
機器、自動車・船舶・航空宇宙、エネルギー供給・変換
などの幅広い産業分野において使用されている。しかし
ながら、電気特性、耐薬品性、密着性、吸湿性、熱膨張
率、難燃性等について、必ずしも満足のいくものが得ら
れていない。
【0003】特に、半導体装置や実装配線基板の配線層
間の絶縁膜や保護膜に使用されるエポキシ系樹脂組成物
は、近年の電子デバイスの高速化、小型化に伴い、低誘
電率、低誘電正接、導体との良好な密着性、耐薬品性へ
の要求が厳しくなっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術の
問題点に鑑み成されたものであって、主として、電気特
性などに優れる樹脂組成物、硬化物、成形体および層間
絶縁膜を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意研究を
重ねた結果、特定のポリシラン化合物とエポキシ化合物
を含有する樹脂組成物を用いることにより、上記目的を
達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明は、下記の樹脂組成物、硬化
物、成形体および層間絶縁膜に係るものである。 1.水酸基を有するポリシラン化合物とエポキシ化合物
を含有する樹脂組成物。 2.水酸基を有するポリシラン化合物がポリシランであ
る1に記載の樹脂組成物。 3.1〜2のいずれかに記載の樹脂組成物において、加
熱処理することにより、ポリシラン化合物の水酸基とエ
ポキシ化合物のエポキシ基が反応して架橋を形成した硬
化物。 4.1〜2のいずれかに記載の樹脂組成物において、成
形を行った後、または行いながら加熱処理することによ
り、ポリシラン化合物の水酸基とエポキシ化合物のエポ
キシ基が反応して架橋を形成した成形体。 5.1〜2のいずれかに記載の樹脂組成物の硬化物また
は成形体を用いた層間絶縁膜。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の樹脂組成物は、水酸基を
有するポリシラン化合物(以下、単に「ポリシラン化合
物」という場合がある。)とエポキシ化合物を含有する。
【0008】本発明に用いるポリシラン化合物は、分子
中に少なくとも一つのポリシラン構造を含み、且つSi原
子に直接結合した水酸基(シラノール基)を少なくとも一
つ有する化合物である。ポリシラン化合物1分子中のSi
原子の平均の数は、2〜10000程度であり、好まし
くは2〜100程度、より好ましくは2〜50程度であ
る。ポリシラン化合物は、単独または2種以上を混合し
て用いることができる。
【0009】本発明におけるポリシラン構造とは、以下
の式(1)〜(3)で示される構造より選択される少なくと
も1種から構成される。ポリシラン構造が、2種以上の
構造からなる場合には、その組み合わせおよび並び方は
特に制限されない。並び方としては、例えば、ブロック
状、ランダム状、交互、これらを混合したものなどが挙
げられる。
【0010】
【化1】
【0011】
【化2】
【0012】
【化3】
【0013】[式中、x、y、zは0以上の整数を示
し、x、yおよびzの和(ポリシラン構造におけるSi原
子の数)は2〜1000程度である。置換基Rは、水素原
子、水酸基、アルキル基、アルケニル基、アリールアル
キル基、アリール基、アルコキシ基、アミノ基、シリル
基、-OM基(M=Ti,Zr)またはホウ素原子を示す。Rは、全
てが同一であっても或いは前述の置換基の任意の組み合
わせであってもよい。]本発明においてアルキル基、ア
リールアルキル基のアルキル部分およびアルコキシ基の
アルキル部分とは、直鎖状、環状または分岐状の炭素数
1〜14、好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは
1〜6の脂肪族炭化水素基である。
【0014】本発明においてアルケニル基とは、少なく
とも一つの二重結合を有する一価の直鎖状、環状または
分岐状の炭素数1〜14、好ましくは炭素数1〜10、
より好ましくは1〜6の脂肪族炭化水素基である。
【0015】本発明においてアリール基およびアリール
アルキル基のアリール部分とは、少なくとも一つの置換
基を有していてもよい芳香族炭化水素であり、好ましく
は少なくとも一つの置換基を有していてもよいフェニル
基またはナフチル基である。アリール基およびアリール
アルキル基のアリール部分の置換基は、特には制限され
ないが、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基およびシ
リル基からなる群より選ばれる少なくとも一種が好まし
い。
【0016】ポリシラン化合物は、Si以外の原子または
Si以外の原子を含む基によって2以上のポリシラン構造
を連結された構造を有していてもよい。これらの連結部
分は、直鎖、分岐、架橋のいずれの構造を有していても
よい。ポリシラン構造を連結するSi以外の原子として
は、例えば、炭素(-Si-C-Si-)、酸素(-Si-O-Si-)、窒素
原子(-Si-N-Si-)などが挙げられる。Si以外の原子を含
む基としては、例えば、-(Si-O)n-(nは2以上)などで示
されるシロキサン構造などを有する酸素原子を含む基、
-(Si-N)n-(nは2以上)などで示されるシラザン構造など
を有する窒素原子を含む基、-Si-(C)n-Si-、-(Si-C)n-
(nは2以上)、式(4)〜(5)などで示されるカルボシラ
ン構造などを有する炭素原子を含む基などが挙げられ
る。
【0017】
【化4】
【0018】[式中、R1は水素原子、水酸基、アルキル
基、アルケニル基、アリールアルキル基、アリール基、
アルコキシ基、アミノ基、シリル基などを示す。]
【0019】
【化5】
【0020】このような連結部位の割合は、連結部位を
構成する原子の種類などにより適宜設定でき、連結部位
を構成するSi以外の原子数とポリシラン構造中のSi原子
の総数に対して、通常50%以下程度、好ましくは30
%以下程度である。
【0021】本発明に用いるポリシラン化合物は、1分
子当たり、Si原子に直接結合した水酸基を平均1以上有
する。この様な水酸基の含有割合は、Si1原子当たり、
通常平均0.01〜3程度であり、好ましくは平均0.1
〜2.5程度、より好ましくは平均0.2〜2程度、特に
好ましくは0.3〜1.5程度である。Si原子に直接結合
した水酸基はエポキシ基との良好な反応性を示し、加熱
処理によりポリシラン化合物とエポキシ化合物との間に
架橋構造が形成される。
【0022】本発明に用いるポリシラン化合物として
は、ポリシラン構造のみからなり、Si原子に直接結合し
た水酸基(シラノール基)を少なくとも一つ有する化合物
(以下、単に「ポリシラン」という場合がある)が好適に使
用できる。ポリシランの中では、式(2)で示される分岐
構造および/または式(3)で示される網目構造を含むポ
リシランがより好ましい。この様なポリシランは、エポ
キシ化合物との相溶性が良好であり、また硬化物や成形
体とした場合に、耐熱性、耐薬品性などが向上する。ポ
リシランにおける式(1)で示される直鎖構造の割合は、
ポリシラン全体の90%以下程度、好ましくは80%以
下程度、より好ましくは60%以下程度である。
【0023】本発明に用いるポリシラン化合物は、公知
の方法を用いて製造することができる。例えば、ポリシ
ランの製造方法としては、それぞれの構造単位を有する
モノマーを原料として、以下の方法により重合させるこ
とができる。すなわち、アルカリ金属の存在下でハロシ
ラン類を脱ハロゲン縮重合させる方法(「キッピング
法」J.Am.Chem.Soc.,110,124(1988)、Macromolecules,2
3,3423(1990))、電極還元によりハロシラン類を脱ハロ
ゲン縮重合させる方法(J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,116
1(1990)、J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,897(1992))、金
属触媒の存在下にヒドロシラン類を脱水素縮重合させる
方法(特開平4−334551号公報)、ビフェニルな
どで架橋されたジシレンのアニオン重合による方法(Ma
cromolecules,23,4494(1990))、環状シラン類の開環重
合による方法などにより製造することができる。
【0024】ポリシラン化合物に水酸基を導入する方法
は、公知の方法を用いることができる。例えば、ハロシ
ラン類を脱ハロゲン縮重合させる方法などにおいて、縮
重合反応終了時に水を添加することにより容易に行うこ
とができる。
【0025】本発明において用いられるエポキシ化合物
は、化合物中に少なくとも1つのエポキシ基を有する化
合物である。エポキシ化合物の構造は特に制限されず、
直鎖状、環状、分岐状などが挙げられる。
【0026】このようなエポキシ化合物としては、エピ
・ビス型グリシジルエーテル、フェノールノボラック型
グリシジルエーテル、クレゾールノボラック型グリシジ
ルエーテル、臭素化グリシジルエーテル、含窒素型エポ
キシ化合物、グリシジルエステル、過酢酸酸化型エポキ
シ化合物、グリコール型グリシジルエーテル、含ケイ素
型エポキシ化合物、これらの化合物のアクリルまたはメ
タクリル変性エポキシ化合物などが挙げられる。これら
の化合物については、その代表的な化合物の構造を以下
に例示する(化9〜13)。更に、1,2,3,4−ジエ
ポキシブタン、1,4−シクロヘキサンジメタノールジ
グリシジルエーテル、N,N−ジグリシジル−4−グリ
シジルオキシアニリン、1,2,5,6−ジエポキシシ
クロオクタンなどを挙げることができる。これらのエポ
キシ化合物は、1種または2種以上を混合して用いるこ
とができる。これらの化合物は、目的、用途などに応じ
て適宜選択することができる。
【0027】
【化6】
【0028】
【化7】
【0029】
【化8】
【0030】
【化9】
【0031】
【化10】
【0032】本発明組成物におけるポリシラン化合物と
エポキシ化合物の配合割合は、エポキシ化合物1重量部
に対してポリシラン化合物0.01〜100重量部程度
であり、好ましくは0.05〜20重量部程度、より好
ましくは0.1〜10重量部程度、特に好ましくは0.2
〜3重量部程度である。
【0033】本発明の樹脂組成物は、必要に応じて、硬
化剤または硬化促進剤を含んでいても良い。硬化剤また
は硬化促進剤は、当該分野で通常用いられる硬化促進剤
等であれば特に制限されない。例えば、1,2−ジシリ
ルエタン、エチルシリケート、メチルシリケートなどの
ポリアルコキシシラン類などのケイ素化合物;テトラア
ルコキシチタンなどのチタン化合物;フェニルジクロロ
ボランなどのホウ素化合物;ベンゾイルパーオキサイ
ド、tert−ブチルパーオキサイド、アゾイソブチロ
ニトリルなどのラジカルを発生する化合物;トリスメト
キシアルミニウム、トリスフェノキシアルミニウムなど
の有機アルミニウム化合物;トリエチルアミン、ピリジ
ン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、
メタキシレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ト
リス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2−エチル
−4−メチルイミダゾールなどのアミン化合物;ダイマ
ー酸ポリアミドなどのアミド化合物;無水フタル酸、テ
トラヒドロメチル無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタ
ル酸、無水トリメリット酸、無水メチルナジック酸など
の酸無水物;フェノールノボラックなどのフェノール
類;ポリサルファイドなどのメルカプタン化合物;3フ
ッ化ホウ素・エチルアミン錯体などのルイス酸錯体化合
物;クロロホルム、ジクロロメタン、トリクロロメタン
などのハロゲン化物;ナトリウムエトキシドなどの塩基
性化合物などを挙げることができる。光照射する場合
は、芳香族ジアゾニウム塩、ジアリルヨードニウム塩、
トリアリルスルホニウム塩、トリアリルセレニウム塩な
どの光分解型硬化剤を用いることができ、ベンゾフェノ
ンおよびその誘導体、o−ベンゾイル安息香酸エステル
およびその誘導体、アセトフェノンおよびその誘導体、
ベンゾイン、ベンゾインエーテルおよびその誘導体、キ
サントンおよびその誘導体、チオキサントンおよびその
誘導体、ジスルフィド化合物、キノン系化合物、ハロゲ
ン化炭化水素基含有化合物、アミン類並びに色素などの
光増感剤などが挙げられる。これらの硬化剤または硬化
促進剤は、単独または2種以上を混合して用いることが
できる。
【0034】硬化剤または硬化促進剤の添加量は、本発
明の効果を損なわない範囲において、使用するポリシラ
ン化合物の種類、割合などにより適宜設定すればよい。
これらの添加量は、エポキシ化合物100重量部に対し
て、通常150重量部以下程度、好ましくは100重量
部以下程度である。
【0035】本発明の樹脂組成物は、必要に応じて充填
剤を含んでいてもよい。充填剤は、当該分野で通常用い
られる充填剤であれば特に制限されない。例えば、シリ
カ、アルミナ、ジルコニア、マイカをはじめとする酸化
物系無機物、炭化ケイ素、窒化ケイ素などの非酸化物系
無機物、エポキシ樹脂硬化物、各種ポリマーなどの有機
化合物の微粉などが挙げられる。また、アルミニウム、
亜鉛、銅、金などの金属粉末や金属微粒子の添加も可能
である。
【0036】さらに充填剤の例を詳しく述べれば、ケイ
砂、石英、ノバキュライト、ケイ藻土などのシリカ系;
合成無定形シリカ;カオリナイト、雲母、滑石、ウオラ
ストナイト、アスベスト、ケイ酸カルシウム、ケイ酸ア
ルミニウムなどのケイ酸塩;ガラス粉末、ガラス球、中
空ガラス球、ガラスフレーク、泡ガラス球などのガラス
体;窒化ホウ素、炭化ホウ素、窒化アルミニウム、炭化
アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、ホウ化チタ
ン、窒化チタン、炭化チタンなどの非酸化物系無機物;
炭酸カルシウム;酸化亜鉛、アルミナ、マグネシア、酸
化チタン、酸化ベリリウムなどの金属酸化物;硫酸バリ
ウム、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、フッ化
炭素その他無機物;アルミニウム、ブロンズ、鉛、ステ
ンレススチール、亜鉛などの金属粉末や金属微粒子;カ
ーボンブラック、コークス、黒鉛、熱分解炭素、中空カ
ーボン球などのカーボン体などが挙げられる。これらの
充填剤は、単独または2種以上混合して用いることがで
きる。これら充填剤の形状は特に制限されず、例えば、
繊維状、針状(ウィスカーを含む)、粒状、鱗片状など
種々の形状のものを用いることができる。また、これら
の形状を有する充填剤を単独または2種以上混合して用
いることができる。
【0037】充填剤の添加量は、本発明の効果を損なわ
ない範囲で、目的、用途などにより適宜設定することが
できる。例えば、本発明の樹脂組成物を用いて層間絶縁
膜とする場合には、エポキシ化合物100重量部に対し
て、通常200重量部以下程度、好ましくは100重量
部以下程度である。
【0038】本発明の樹脂組成物は、硬化促進剤および
充填剤以外にも、必要に応じて当該分野で通常用いられ
る添加剤を含んでいても良い。この様な添加剤として
は、例えば、三酸化アンチモンなどの難燃助剤;カーボ
ンブラック、二酸化チタンなどの顔料;エステル類、ポ
リオール、ポリサルファイド、ウレタンプレポリマーな
どの可塑剤;カルボキシル基末端ブタジエン−アクリロ
ニトリル共重合ゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体な
どの液状ゴム;シランカップリング剤やチタン系カップ
リング剤などの表面改質剤;シリコーンオイル、シリコ
ーンゴム、各種プラスチック粉末、各種エンジニアリン
グプラスチック粉末、ABS樹脂やMBS樹脂の粉末な
どの低応力化剤;流動調整剤、レベリング剤、消泡剤、
紫外線吸収剤、分散剤などが挙げられる。これらの添加
剤は、1種または2種以上を混合して用いることができ
る。
【0039】上記添加剤の添加量は、本発明の効果を損
なわない範囲で適宜設定すれば良い。上記添加剤の添加
量は、エポキシ化合物100重量部に対して、通常10
0重量部以下程度、好ましくは50重量部以下程度であ
る。
【0040】本発明の樹脂組成物は、ポリシラン化合物
およびエポキシ化合物、必要に応じて硬化剤、硬化促進
剤などの添加剤を混合することにより得ることができ
る。混合法は、公知の方法を用いることができる。ポリ
シラン化合物および/またはエポキシ化合物が液状また
は半固体状である場合には、ポリシラン化合物およびエ
ポキシ化合物、必要に応じて硬化剤、硬化促進剤などの
添加剤を混練すればよい。また、本発明の樹脂組成物
は、必要に応じて溶媒に溶解させて溶液状としてもよ
い。溶媒は、それぞれの化合物が有する置換基などによ
り異なるが、一例として、トルエン、キシレン、メチル
エチルケトン、テトラヒドロフラン、エチルセロソルブ
アセテート、乳酸エチル、乳酸ブチル、プロピレングリ
コールモノメチルエーテルアセテート、またはこれらの
混合溶媒などを挙げることができる。本発明の樹脂組成
物は、上述の方法などを用いて、ワニスや塗布液などの
液状の組成物とすることができる。また、本発明の樹脂
組成物は、予備硬化を行い、ペレット状などとしてもよ
いし、或いはプリプレグなどとしてもよい。予備硬化に
は、公知の方法を用いることができる。
【0041】本発明によれば、水酸基を有するポリシラ
ン化合物とエポキシ化合物を含有する樹脂組成物を加熱
処理することより硬化物が得られる。加熱処理により、
組成物中のポリシラン化合物が有する水酸基とエポキシ
化合物が有するエポキシ基が反応し架橋構造を形成す
る。
【0042】加熱処理を行う際には、必要に応じて前処
理を行ってもよい。この様な前処理としては、例えば、
基板などの基体表面に公知の方法による塗布、基材(セ
ラミック繊維、ガラス繊維、炭素繊維などの繊維、多孔
体など)へ公知の方法を用いた含浸、公知の方法を用い
た予備硬化などが挙げられる。
【0043】本発明組成物は、成形を行った後、または
行いながら加熱処理を行うことにより成形体とすること
ができる。成形方法は、特に制限されず、圧縮成形、注
型成形、トランスファー成形、シート成形、射出成形な
どの公知の方法を用いることができる。
【0044】加熱処理の温度は、成形を行うかどうかに
拘わらず、ポリシラン化合物やエポキシ化合物の種類な
どにより適宜設定することができる。加熱処理温度は、
通常50〜400℃程度、好ましくは60〜350℃程
度である。温度が高すぎるとSi-Si結合の開裂が生じ、
誘電特性・熱膨張性・吸湿性などの劣化を招き、温度が
低すぎると硬化反応の速度が著しく低下する。上記温度
に保持する時間は、ポリシラン化合物やエポキシ化合物
の種類などにより適宜設定することができ、通常1分間
〜48時間程度、好ましくは10分間〜24時間程度、
より好ましくは30分間〜18時間程度である。一般
に、高温に保持するほど処理時間は短くて良い。
【0045】本発明組成物を膜状に硬化させた硬化物或
いは膜状に成形した成形体は、層間絶縁膜として使用で
きる。層間絶縁膜を製造する方法は、特に制限されず、
公知の方法を用いることができる。層間絶縁膜に使用す
る基板は、積層配線構造を構成するために通常用いられ
る基板であれば特に限定されない。この様な基板として
は、例えば、樹脂、ガラス、セラミックなどの絶縁性基
板、結晶シリコンやアモルファスシリコン等の半導体基
板、金属等の導体基板、これらの基板上に導体層を形成
したもの、さらにはこれらを複合したものなどが挙げら
れる。また、プリント配線板などの配線構造体を基板と
して用いることもできる。導体基板に使用される材料お
よび基板に形成される導体層の材料は、導電性のある物
質であれば特に制限されないが、アルミニウム、銅、
金、銀、白金、クロム、ニッケル、タングステン、イン
ジウム、スズ、これらの合金、ITO(Indium Tin Oxide)
や酸化スズなどの金属酸化物などが例示される。
【0046】本発明樹脂組成物を、表面層として膜状に
硬化させた硬化物或いは成形した成形体は、配線構造体
などの保護膜としても使用できる。硬化或いは成形方法
は、公知の方法を用いることができる。あるいは、本発
明の樹脂組成物を成形することによって、半導体装置の
封止樹脂としても使用し得る。成形方法は、トランスフ
ァーなどの公知の方法を用いることができる。
【0047】本発明硬化物は、半導体装置や実装配線基
板等の配線構造体における配線層間の絶縁膜や保護膜と
して好適な性質を有している。
【0048】以下に、本発明の樹脂組成物を基板などの
基体表面に塗布して層間絶縁膜を製造する場合の一例を
より詳しく説明する。
【0049】まず本発明の樹脂組成物の調製を行う。ポ
リシラン化合物およびエポキシ化合物、必要に応じて硬
化促進剤、充填剤、その他の添加剤、溶媒などを配合
し、撹拌または混練して塗布液を調製する。溶媒は、そ
れぞれの化合物が有する置換基等により異なるが、一例
として、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、テ
トラヒドロフラン、エチルセロソルブアセテート、乳酸
エチル、乳酸ブチル、プロピレングリコールモノメチル
エーテルアセテート、またはこれらの混合溶媒などを挙
げることができる。なお、ポリシラン化合物および/ま
たはエポキシ化合物が、室温下で液状または半固体状の
場合には、溶媒を使用せずに単に両者を混合することに
より塗布液を調製しても良い。
【0050】この樹脂組成物を塗布液として、公知の方
法、例えば、フローコーティング法、スピンコーティン
グ法、スプレーコーティング法、スクリーン印刷法、キ
ャスト法、バーコート法、カーテンコート法、ロールコ
ート法などにより各種基体表面上に塗布する。
【0051】次に、必要に応じて塗布物の乾燥処理を行
う。乾燥処理は、公知の方法を用いて行うことができ
る。例えば、常圧下、加圧下または減圧下において行う
ことができる。乾燥処理は、必要に応じて加温してもよ
い。
【0052】次いで、加熱処理を行う。加熱処理温度
は、通常50〜350℃程度、好ましくは60〜270
℃程度である。乾燥処理と加熱処理は、順次行っても良
いし、乾燥処理と加熱処理の工程を兼ねて一括して行っ
ても良い。加熱処理の温度が高すぎるとSi-Si結合の開
裂が生じ、誘電特性・熱膨張性・吸湿性などの劣化を招
くため、層間絶縁膜としては好ましくない。
【0053】加熱処理は複数の工程に分割して行っても
良く、例えば、昇温工程、一定温度に保持する工程およ
び降温工程を任意に組み合わせて行っても良い。昇温お
よび降温の速度は特に限定されないが、通常0.1℃/
分〜50℃/秒程度である。
【0054】加熱処理は、窒素、アルゴン等の不活性ガ
ス雰囲気中または空気中において行ってもよい。加熱処
理は、常圧下、加圧下または減圧下で行ってもよい。
【0055】本発明においては、加熱処理の前後または
途中に光照射を併用してもよい。光照射源は、特に制限
されず、例えば、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超
高圧水銀ランプ、水素ランプ、重水素ランプ、蛍光灯、
ハロゲンランプ、YAGレーザー、エキシマレーザー、
窒素レーザー、色素レーザー、炭酸ガスレーザー、ヘリ
ウム−カドミウムレーザー、ヘリウム−ネオンレーザ
ー、アルゴンレーザーなどが挙げられる。光照射エネル
ギー量としては、通常50〜5000mJ/cm 2
度、好ましくは100〜3000mJ/cm2程度であ
る。光照射は、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気中
または空気中において行ってよい。光照射は、常圧下、
加圧下または減圧下で行ってもよい。
【0056】光照射においてポリシラン化合物が吸収し
得る波長域の光を使用した場合には、Si-Si結合の一部
が光により開裂し、エポキシ化合物との架橋を形成する
ため、パターニングが可能となる。例えば、層間絶縁膜
を製造する際に、光照射をヴィアホールのパターンを描
いたマスクを通して行った後現像することにより、ヴィ
アホールを形成することができる。
【0057】本発明の樹脂組成物を用いた層間絶縁膜を
製造するためには、この様にして得られた樹脂組成物の
更に上部に導体層を形成すればよい。導体層に使用する
材料は、導電性のある物質であれば特に限定されない
が、アルミニウム、銅、金、銀、白金、クロム、ニッケ
ル、タングステン、インジウム、スズなどの金属もしく
はこれらの合金、またはITOや酸化スズなどの金属酸化
物などが例示される。導体層は、公知の方法により形成
することができ、例えば、蒸着法、スパッタ法、レーザ
ーアブレーション法、電解めっき法、無電解めっき法な
どが挙げられる。または、導体を予めシート状に加工し
たものを、膜状の本発明の樹脂組成物上に接着、圧着、
融着などを行うことにより積層形成しても良い。また、
以上の工程を繰り返すことにより、多層配線構造体を形
成しても良い。
【0058】
【実施例】以下、本発明を更に詳しく説明するために種
々の実施例を示す。本発明はこれら実施例に限定される
ものではない。
【0059】実施例1 フェニルトリクロロシランを電極還元法により縮重合
し、縮重合反応終了時に水を加えることにより、未反応
の末端塩素を全て水酸基に置換したポリ(フェニルシラ
ン)(平均重合度12)を得た。得られたポリ(フェニ
ルシラン)1重量部およびクレゾールノボラック型エポ
キシ樹脂(旭チバ製ECN1299)1重量部をエチル
セロソルブアセテート(エチレングリコールモノエチル
エーテルアセテート)1.64重量部中に室温下で溶解・
混合し、塗布液を調製した。この塗布液を、アルミニウ
ム板上にバーコーティングした。
【0060】コーティングされたアルミニウム板を、空
気中、80℃で1時間加熱し、次いで45分間で200
℃まで昇温(昇温速度約2.7℃/分)した後、200
℃でさらに1時間加熱処理することにより、膜厚50μ
mの均質な樹脂薄膜を得た。得られた膜は、エチルセロ
ソルブアセテート、トルエン、アセトンのいずれにも溶
解せず、優れた耐薬品性を示した。
【0061】得られた樹脂薄膜の誘電率および体積抵抗
率を測定した。比誘電率は2.9、誘電正接は0.01
0(100MHz)であった。また、体積抵抗率は10
15Ωcm以上と高く、良好な結果を得た。いずれの実施
例においても、導体との密着性は良好であった。
【0062】実施例2 実施例1と同様の方法を用いてポリ(フェニルシラン)
(平均重合度12)を得た。得られたポリ(フェニルシ
ラン)1重量部およびビスフェノールA型エポキシ樹脂
(旭チバ製アラルダイトAER260)1重量部をエチ
ルセロソルブアセテート1.33重量部中に室温下で溶
解・混合し、塗布液を調製した。この塗布液を、アルミ
ニウム板上にバーコーティングした。
【0063】コーティングされたアルミニウム板を、空
気中、80℃で1時間加熱し、次いで45分間で200
℃まで昇温(昇温速度約2.7℃/分)した後、200
℃でさらに1時間加熱処理することにより、膜厚50μ
mの均質な樹脂薄膜を得た。得られた膜はエチルセロソ
ルブアセテート、トルエン、アセトンのいずれにも溶解
せず、優れた耐薬品性を示した。
【0064】得られた樹脂薄膜の誘電率および体積抵抗
率を測定した。比誘電率は2.9、誘電正接は0.008
(100MHz)であった。また、体積抵抗率は1015
Ωcm以上と高く、良好な結果を得た。
【0065】実施例3 実施例1と同様の方法を用いてポリ(フェニルシラン)
(平均重合度12)を得た。得られたポリ(フェニルシ
ラン)1重量部およびフェノールノボラック型エポキシ
樹脂(旭チバ製EPN1180)1重量部をエチルセロ
ソルブアセテート1.5重量部中に室温下で溶解・混合
し、塗布液を調製した。この塗布液を、アルミニウム板
上にバーコーティングした。
【0066】コーティングされたアルミニウム板を、空
気中、80℃で1時間加熱し、次いで45分間で200
℃まで昇温(昇温速度約2.7℃/分)した後、200
℃でさらに1時間加熱処理することにより、膜厚50μ
mの均質な樹脂薄膜を得た。得られた膜はエチルセロソ
ルブアセテート、トルエン、アセトンのいずれにも溶解
せず、優れた耐薬品性を示した。
【0067】得られた樹脂薄膜の誘電率および体積抵抗
率を測定した。比誘電率は2.8、誘電正接は0.012
(100MHz)であった。また、体積抵抗率は1015
Ωcm以上と高く、良好な結果を得た。
【0068】実施例4 βフェネチルトリクロロシランを電極還元法により縮重
合し、縮重合反応終了後に水を加えることにより、未反
応の末端塩素を全て水酸基に置換したポリ(βフェネチ
ルシラン)(平均重合度12)を得た。得られたポリ
(βフェネチルシラン)1重量部およびクレゾールノボ
ラック型エポキシ樹脂(旭チバ製EPN1180)1重
量部をエチルセロソルブアセテート1.64重量部中に
室温下で溶解・混合し、塗布液を調製した。この塗布液
を、アルミニウム板上にバーコーティングした。
【0069】コーティングされたアルミニウム板を、空
気中、80℃で1時間加熱し、次いで45分間で200
℃まで昇温(昇温速度約2.7℃/分)した後、200
℃でさらに1時間加熱処理することにより、膜厚50μ
mの均質な樹脂薄膜を得た。得られた膜はエチルセロソ
ルブアセテート、トルエン、アセトンのいずれにも溶解
せず、優れた耐薬品性を示した。
【0070】得られた樹脂薄膜の誘電率および体積抵抗
率を測定した。比誘電率は2.8、誘電正接は0.01
(100MHz)であった。また、体積抵抗率は1015
Ωcm以上と高く、良好な結果を得た。
【0071】実施例5 メチルフェニルジクロロシランを電極還元法により縮重
合し、縮重合反応終了後に水を加えることにより、未反
応の末端塩素を全て水酸基に置換したポリ(メチルフェ
ニルシラン)(平均重合度14)を得た。得られたポリ
(メチルフェニルシラン)1重量部およびクレゾールノ
ボラック型エポキシ樹脂(旭チバ製ECN1299)1
重量部をエチルセロソルブアセテート1.64重量部中
に室温下で溶解・混合し、塗布液を調製した。この塗布
液を、アルミニウム板上にバーコーティングした。
【0072】コーティングされたアルミニウム板を、空
気中、80℃で1時間加熱し、次いで45分間で200
℃まで昇温(昇温速度約2.7℃/分)した後、200
℃でさらに1時間加熱処理することにより、膜厚50μ
mの樹脂薄膜を得た。
【0073】得られた樹脂薄膜の誘電率および体積抵抗
率を測定した。比誘電率は2.8、誘電正接は0.008
(100MHz)であった。また、体積抵抗率は1015
Ωcm以上と高く、良好な結果を得た。
【0074】実施例6 メチルフェニルジクロロシラン:フェニルトリクロロシ
ラン(1:1)を電極還元法により縮重合し、縮重合反応
終了後に水を加えることにより、未反応の末端塩素を全
て水酸基に置換したメチルフェニルシラン:フェニルシ
ラン=1:1共重合体(平均重合度13)を得た。得ら
れた共重合体1重量部およびクレゾールノボラック型エ
ポキシ樹脂(旭チバ製ECN1299)1重量部をエチ
ルセロソルブアセテート1.64重量部中に室温下で溶
解・混合し、塗布液を調製した。この塗布液を、アルミ
ニウム板上にバーコーティングした。
【0075】コーティングされたアルミニウム板を、空
気中、80℃で1時間加熱し、次いで45分間で200
℃まで昇温(昇温速度約2.7℃/分)した後、200
℃でさらに1時間加熱処理することにより、膜厚50μ
mの均質な樹脂薄膜を得た。得られた膜はエチルセロソ
ルブアセテート、トルエン、アセトンのいずれにも溶解
せず、優れた耐薬品性を示した。
【0076】得られた樹脂薄膜の誘電率および体積抵抗
率を測定した。比誘電率は2.9、誘電正接は0.011
(100MHz)であった。また、体積抵抗率は1015
Ωcm以上と高く、良好な結果を得た。
【0077】実施例7 実施例1と同様の方法を用いて、ポリ(フェニルシラ
ン)(平均重合度12)を得た。得られたポリ(フェニ
ルシラン)0.5重量部およびクレゾールノボラック型
エポキシ樹脂(旭チバ製ECN1299)1.5重量部
をエチルセロソルブアセテート1.8重量部中に室温下
で溶解・混合し、塗布液を調製した。この塗布液を、ア
ルミニウム板上にバーコーティングした。
【0078】コーティングされたアルミニウム板を、空
気中、80℃で1時間加熱し、次いで45分間で200
℃まで昇温(昇温速度約2.7℃/分)した後、200
℃でさらに1時間加熱処理することにより、膜厚50μ
mの均質な樹脂薄膜を得た。得られた膜はエチルセロソ
ルブアセテート、トルエン、アセトンのいずれにも溶解
せず、優れた耐薬品性を示した。
【0079】得られた樹脂薄膜の誘電率および体積抵抗
率を測定した。比誘電率は3.1、誘電正接は0.018
(100MHz)であった。また、体積抵抗率は1015
Ωcm以上と高く、良好な結果を得た。
【0080】実施例8 実施例1と同様の方法を用いてポリ(フェニルシラン)
(平均重合度12)を得た。得られたポリ(フェニルシ
ラン)1.5重量部およびクレゾールノボラック型エポ
キシ樹脂(旭チバ製ECN1299)0.5重量部をエ
チルセロソルブアセテート1.6重量部中に室温下で溶
解・混合し、塗布液を調製した。この塗布液を、アルミ
ニウム板上にバーコーティングした。
【0081】コーティングされたアルミニウム板を、空
気中、80℃で1時間加熱し、次いで45分間で200
℃まで昇温(昇温速度約2.7℃/分)した後、200
℃でさらに1時間加熱処理することにより、膜厚50μ
mの均質な樹脂薄膜を得た。得られた膜はエチルセロソ
ルブアセテート、トルエン、アセトン、のいずれにも溶
解せず、優れた耐薬品性を示した。
【0082】得られた樹脂薄膜の誘電率および体積抵抗
率を測定した。比誘電率は2.8、誘電正接は0.01
0(100MHz)であった。また、体積抵抗率は10
15Ωcm以上と高く、良好な結果を得た。
【0083】実施例9 フェニルトリクロロシランをキッピング法により縮重合
し、縮重合反応終了後に水を加えることにより、未反応
の末端塩素を全て水酸基に置換したポリ(フェニルシラ
ン)(平均重合度22)を得た。得られたポリ(フェニ
ルシラン)1重量部およびクレゾールノボラック型エポ
キシ樹脂(旭チバ製ECN1299)1重量部をエチル
セロソルブアセテート2重量部中に室温下で溶解・混合
し、塗布液を調製した。この塗布液を、アルミニウム板
上にバーコーティングした。
【0084】コーティングされたアルミニウム板を、空
気中、80℃で1時間加熱し、次いで45分間で200
℃まで昇温(昇温速度約2.7℃/分)した後、200
℃でさらに1時間加熱処理することにより、膜厚50μ
mの均質な樹脂薄膜を得た。得られた膜はエチルセロソ
ルブアセテート、トルエン、アセトンのいずれにも溶解
せず、優れた耐薬品性を示した。
【0085】得られた樹脂薄膜の誘電率および体積抵抗
率を測定した。比誘電率は2.9、誘電正接は0.010
(100MHz)であった。また、体積抵抗率は1015
Ωcm以上と高く、良好な結果を得た。
【0086】比較例1 メチルテトラヒドロフタル酸無水物(油化シェルエポキ
シ製エピキュアYH300)1重量部およびクレゾール
ノボラック型エポキシ樹脂(旭チバ製ECN1299)
1重量部をエチルセロソルブアセテート1.3重量部中
に室温下で溶解・混合し、塗布液を調製した。この塗布
液を、アルミニウム板上にバーコーティングした。
【0087】コーティングされたアルミニウム板を、空
気中、80℃で1時間加熱し、次いで45分間で200
℃まで昇温(昇温速度約2.7℃/分)した後、200
℃でさらに1時間加熱処理することにより、膜厚50μ
mの均質な樹脂薄膜を得た。
【0088】得られた樹脂薄膜の誘電率および体積抵抗
率を測定した。比誘電率は3.6、誘電正接は0.04
0(100MHz)と、ポリシランを使用した場合に比
べて高い値を示した。
【0089】比較例2 フェニルトリクロロシランを電極還元法により縮重合
し、縮重合反応途中にジメチルフェニルクロロシランを
加えることにより、未反応の末端塩素を全てジメチルフ
ェニルシリル基に置換したポリ(フェニルシラン)(平
均重合度11)を得た。得られたポリ(フェニルシラ
ン)1重量部およびクレゾールノボラック型エポキシ樹
脂(旭チバ製ECN1299)1重量部をエチルセロソ
ルブアセテート1.64重量部中に室温下で溶解・混合
し、塗布液を調製した。この塗布液を、アルミニウム板
上にバーコーティングした。
【0090】コーティングされたアルミニウム板を、空
気中、80℃で1時間加熱し、次いで45分間で200
℃まで昇温(昇温速度約2.7℃/分)した後、200
℃でさらに1時間加熱処理することにより、膜厚50μ
mの樹脂薄膜を得た。得られた膜には白濁が観測され、
不均質であった。また、エチルセロソルブアセテートを
含浸させた布で拭き取り検査を行ったところ、膜の一部
が拭き取られ、耐薬品性および導体との密着性が低く、
また十分な架橋構造が形成されていないことが判明し
た。
【0091】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物を用いると、優れた
耐薬品性を有し、導体との密着性が高く、低い誘電率お
よび誘電正接を示し、体積抵抗率の高い硬化物や成形体
を得ることができる。このため、本発明の硬化物や成形
体は、半導体装置や実装配線基板等の配線構造体におけ
る配線層間の絶縁膜や保護膜として特に好適な性質を有
している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 23/29 H01L 23/30 R 23/31 (72)発明者 藤木 剛 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内 (72)発明者 西田 亮一 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内 Fターム(参考) 4J002 CD00X CD04X CD05X CD06X CD10X CD11X CD12X CD13X CD20X CP01W CP06W CP21W FD010 FD140 FD150 GQ01 4J036 AA01 AA02 AA04 AK17 FB16 HA12 JA08 4J038 DB001 GA03 GA07 JC33 NA21 PA19 4M109 AA01 BA01 BA03 CA01 CA02 CA05 CA21 CA22 EA02 EA10 EB02 EB04 EB06 EB07 EB08 EB09 EB12 EB14 EB19 EC02 EC07 EC09 EE06 5F033 GG00 GG03 GG04 HH07 HH08 HH11 HH14 HH17 HH19 HH35 HH38 QQ74 QQ85 QQ86 RR21 SS22 XX00 XX14

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水酸基を有するポリシラン化合物とエポキ
    シ化合物を含有する樹脂組成物。
  2. 【請求項2】水酸基を有するポリシラン化合物がポリシ
    ランである請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】請求項1〜2のいずれかに記載の樹脂組成
    物において、加熱処理することにより、ポリシラン化合
    物の水酸基とエポキシ化合物のエポキシ基が反応して架
    橋を形成した硬化物。
  4. 【請求項4】請求項1〜2のいずれかに記載の樹脂組成
    物において、成形を行った後、または行いながら加熱処
    理することにより、ポリシラン化合物の水酸基とエポキ
    シ化合物のエポキシ基が反応して架橋を形成した成形
    体。
  5. 【請求項5】請求項1〜2のいずれかに記載の樹脂組成
    物の硬化物または成形体を用いた層間絶縁膜。
JP11074222A 1999-03-18 1999-03-18 樹脂組成物 Pending JP2000265064A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11074222A JP2000265064A (ja) 1999-03-18 1999-03-18 樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11074222A JP2000265064A (ja) 1999-03-18 1999-03-18 樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000265064A true JP2000265064A (ja) 2000-09-26

Family

ID=13540956

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11074222A Pending JP2000265064A (ja) 1999-03-18 1999-03-18 樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000265064A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002348357A (ja) * 2001-05-23 2002-12-04 Osaka Gas Co Ltd 光重合性樹脂組成物、その硬化物および製造方法
JP2003092348A (ja) * 2001-09-18 2003-03-28 Sony Corp 配線形成方法及び表示素子の形成方法、画像表示装置の製造方法
JP2008266433A (ja) * 2007-04-19 2008-11-06 Osaka Gas Co Ltd ポリシラン及びその製造方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002348357A (ja) * 2001-05-23 2002-12-04 Osaka Gas Co Ltd 光重合性樹脂組成物、その硬化物および製造方法
JP4646439B2 (ja) * 2001-05-23 2011-03-09 大阪瓦斯株式会社 光重合性樹脂組成物、その硬化物および製造方法
JP2003092348A (ja) * 2001-09-18 2003-03-28 Sony Corp 配線形成方法及び表示素子の形成方法、画像表示装置の製造方法
JP2008266433A (ja) * 2007-04-19 2008-11-06 Osaka Gas Co Ltd ポリシラン及びその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101526862B1 (ko) 규소 함유 화합물, 경화성 조성물 및 경화물
JP3726963B2 (ja) 電気絶縁用樹脂組成物、電子材料用絶縁材料およびその製造方法
WO2001042360A1 (fr) Composition de resine epoxyde ignifuge et stratifie obtenu a partir de celle-ci
JP3539633B2 (ja) アルコキシ基含有シラン変性ポリアミック酸樹脂組成物およびポリイミド−シリカハイブリッド硬化物
WO2010003278A1 (zh) 电子元器件用阻燃封装材料
JP2003055435A (ja) 電気絶縁用樹脂組成物、電子材料用絶縁材料およびその製造方法
JP5767916B2 (ja) 電気絶縁性樹脂組成物および金属基板
JP2002179762A (ja) シラン変性エポキシ樹脂組成物およびその硬化物
JP2001192433A (ja) エポキシ樹脂組成物および硬化物
JP2006169368A (ja) 樹脂組成物、硬化物、およびその製造方法
JP2001196366A (ja) 層間絶縁膜
Hou et al. Recent Advance in Low‐Dielectric‐Constant Organosilicon Polymers
JPH11124490A (ja) エポキシ樹脂組成物および成形体
JP2000265064A (ja) 樹脂組成物
JP3664124B2 (ja) 難燃性樹脂組成物、それを用いたプリプレグ、積層板、金属張積層板、印刷配線板及び多層印刷配線板
EP0970981A1 (en) Epoxy resin composition and moldings
JP2002275445A (ja) プリント配線板用接着剤
JP4706955B2 (ja) メトキシ基含有シラン変性含フッ素エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、硬化物およびその製造方法
JP4189756B2 (ja) アルコキシシリル基含有シラン変性フェニレンエーテル樹脂の製造方法、アルコキシシリル基含有シラン変性フェニレンエーテル樹脂、アルコキシシリル基含有シラン変性フェニレンエーテル樹脂組成物、およびフェニレンエーテル樹脂−シリカハイブリッド硬化物
JP3937377B2 (ja) 層間絶縁膜
KR101157566B1 (ko) 사이드 작용기를 갖는 에폭시 수지 및 이를 포함하는 열경화성 고분자 복합체
JP4899280B2 (ja) 配線板用複合材料とその製造方法
JP7321952B2 (ja) 透明低誘電ガラスプリプレグ、透明低誘電ガラスフィルムおよび透明低誘電ガラス基板並びにこれらの製造方法
JP2008031405A (ja) 熱伝導性樹脂組成物の製造方法
JP4872166B2 (ja) 導電ペーストを用いた電気回路とその製造方法及び導電ペーストの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040310

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051017

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060201

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060403

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070926