JP3726963B2 - 電気絶縁用樹脂組成物、電子材料用絶縁材料およびその製造方法 - Google Patents

電気絶縁用樹脂組成物、電子材料用絶縁材料およびその製造方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、メトキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂を含有する電気絶縁用樹脂組成物に関する。また、本発明は、当該電気絶縁用樹脂組成物を加工(コーティング、注型、接着、積層、含浸、成形等)した後、硬化させてなる電子材料用絶縁材料およびその製造方法に関する。本明細書において、「電子材料用絶縁材料」とは、メトキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂を含有する樹脂組成物、または当該樹脂組成物から得られる硬化物(半硬化物および完全硬化物を含む)を用いて得られる電子材料用途に適した絶縁材料であって、例えば、プリント基板用プリプレグ、プリント基板用銅張り積層板、及びこれらを組み合わせてできるプリント配線基板やインターポーザー、更にはビルドアッププリント基板用層間絶縁材料、半導体の層間絶縁膜、電子部品や半導体チップの封止剤、アンダーフィル樹脂硬化物、ソルダーレジストなどのレジストインキ硬化物、導電ペースト硬化物、ICトレイなど成形物、異方性導電膜等を意味する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、エポキシ樹脂は、一般に、硬化剤と組み合わせた組成物として使用されており、電子材料関係の分野においても、該組成物が賞用されてきた。しかしながら、近年の電子材料分野の発展に伴い、当該分野で用いる絶縁材料に対して、より高水準の耐熱性、低線膨張性、絶縁性、高密着性などが要求されるようになっている。例えば、環境対応型の半田である鉛フリー半田を使用する場合は、従来の鉛含有半田に比べてリフロー温度が高いため、従来の絶縁材料よりも一層優れた耐熱性や長寿命の絶縁材料の開発が切望されている。これらの分野において、従来から臭素化エポキシ樹脂は特に難燃性の高い絶縁材料として賞用されてきたが、当該樹脂を用いた製品の廃棄物が焼却時に臭素由来の有害ガスを発生するため、近年は臭素化エポキシ樹脂などのハロゲン化樹脂の使用が敬遠されている。
【0003】
非ハロゲン化エポキシ樹脂組成物の硬化物の耐熱性を向上させるため、例えば、エポキシ樹脂および硬化剤に加え、ガラス繊維、ガラス粒子、マイカ等のフィラーを混合した組成物を用いる方法が行われている。しかし、この方法でも十分な耐熱性は得られない。また、この方法では得られる硬化物の透明性が失われ、しかもフィラーとエポキシ樹脂との界面の接着性が劣るため、伸長率等の機械的特性も不十分である。
【0004】
また、エポキシ樹脂組成物の硬化物の耐熱性を向上させる方法として、エポキシ樹脂とシリカとの複合体を用いる方法が提案されている(特開平8−100107号公報)。当該複合体は、エポキシ樹脂の部分硬化物の溶液に、加水分解性アルコキシシランを加え、該硬化物を更に硬化すると共に、該アルコキシシランを加水分解してゾル化し、更に重縮合してゲル化することにより得られる。しかし、かかる複合体から得られる硬化物は、エポキシ樹脂単独の硬化物に比して、ある程度耐熱性は向上するものの、複合体中の水や硬化時に生じる水、アルコールに起因して、硬化物中にボイド(気泡)が発生する。また、耐熱性を一層向上させる目的でアルコキシシラン量を増やすと、ゾル−ゲル硬化反応により生成するシリカが凝集して得られる硬化物の透明性が失われて白化するうえ、多量のアルコキシシランをゾル化するために多量の水が必要となり、その結果として硬化物のそり、クラック等を招く。
【0005】
また、エポキシ樹脂にシリコーン化合物を反応させたシラン変性エポキシ樹脂と、硬化剤であるフェノールノボラック樹脂とを組み合わせた組成物(特開平3−201466号公報)や、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、テトラビスブロモビスフェノールAおよびメトキシ基含有シリコーン中間体を反応させたシラン変性エポキシ樹脂と、硬化剤であるフェノールノボラック樹脂とを組み合わせた組成物(特開昭61−272243号公報、特開昭61−272244号公報など)も提案されている。しかし、これらのエポキシ樹脂組成物の硬化物は、シリコーン化合物やメトキシ基含有シリコーン中間体の主構成単位がジオルガノポリシロキサン単位であってシリカを生成できないため、いずれも耐熱性が不十分である。
【0006】
本出願人は、ビスフェノール型エポキシ樹脂とメトキシシラン部分縮合物とを脱メタノール反応させてなるメトキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂を硬化してなる硬化物が、ガラス転移点を消失し、高耐熱性材料となる(特許第3077695号)ことを見出してきた。当該方法では、硬化物を得るために、樹脂組成物から溶剤を揮発させるとともにメトキシシリル基をゾル−ゲル硬化、エポキシ基をエポキシ硬化させて、エポキシ樹脂−シリカハイブリッド硬化物とするが、電気・電子材料関係の用途では必須となる、半硬化状態での成型加工が難しいといった問題があった。
【0007】
また近年、ポリイミド、ポリフェニレンエーテル等のエンジニアリングプラスチックが、高耐熱性の絶縁材料として用いられている。しかしながら、これら材料は、銅など金属(導体)に対する密着力が弱いためアンカー剤として耐熱性の弱いエポキシ系密着剤を使用しなければならないことや、高価格であるなどの不利があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、耐熱性、低熱膨張性、絶縁性、密着性に優れ、しかもボイド、クラック等を生じないハイブリッド硬化物を収得することができ、かつ半硬化状態での成形加工が容易である、特定の電気絶縁用樹脂組成物並びに当該組成物から得られる電子材料用絶縁材料および当該材料の製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は前記課題を解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、特定のエポキシ樹脂と特定のメトキシシラン部分縮合物からなるメトキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂を含有する樹脂組成物や、当該樹脂組成物から得られる電子材料用絶縁材料が前記目的に合致していることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、ノボラック型エポキシ樹脂のエポキシ基の一部を開環変性して得られる水酸基含有エポキシ樹脂(1)とメトキシシラン部分縮合物(2)とを脱メタノール縮合反応させて得られるメトキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂を含有することを特徴とする電気絶縁用樹脂組成物に関する。また本発明は、ノボラック型エポキシ樹脂のエポキシ基の一部を開環変性して得られる水酸基含有エポキシ樹脂(1)、メトキシシラン部分縮合物(2)、および1分子中に1つの水酸基を有するエポキシ化合物(3)を脱メタノール縮合反応させて得られるメトキシ基含有シラン変性ノボラック型エポキシ樹脂を含有することを特徴とする電気絶縁用樹脂組成物に関する。また本発明は、かかる電気絶縁用樹脂組成物を硬化させてなる電子材料用絶縁材料および当該材料の製造方法に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明では、メトキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂の構成成分として、ノボラック型エポキシ樹脂のエポキシ基の一部を開環変性して得られる水酸基含有エポキシ樹脂(1)を必須使用する。水酸基含有エポキシ樹脂(1)の構成原料であるノボラック型エポキシ樹脂は、ノボラックフェノール樹脂類とエピクロルヒドリン等のハロエポキシドとの反応生成物である。ノボラックフェノール樹脂類としては、ノボラックフェノール樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールノボラック樹脂、ポリp−ビニルフェノール等があげられる。これらノボラックフェノール樹脂の中でも、特にフェノールノボラック樹脂を用いたフェノールノボラック型エポキシ樹脂は、硬化物の熱膨張性が低いため好ましい。
【0012】
本発明において、水酸基含有エポキシ樹脂(1)の構成原料としてノボラック型エポキシ樹脂を用いるのは、ビスフェノール型エポキシ樹脂に代表される2官能のエポキシ樹脂を使用した場合に比べ、得られるエポキシ樹脂−シリカハイブリッド硬化物の熱膨張性が低くなるためである。
【0013】
ノボラック型エポキシ樹脂の数平均フェノール核体数は3〜10であることが好ましく、さらに好ましくは3〜6である。平均核体数が3未満であると、熱膨張性が高くなり、10を超えるとメトキシシラン部分縮合物(2)との相溶性が低くなるため好ましくない。
【0014】
フェノールノボラック型エポキシ樹脂は、一般式(a):
【0015】
【化1】
Figure 0003726963
【0016】
(式中、mは1〜8の整数を表す。)で表される化合物である。
【0017】
本発明中のメトキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂の原料である水酸基含有エポキシ樹脂(1)は、メトキシシラン部分縮合物(2)との脱メタノール縮合反応により、珪酸エステルを形成しうる水酸基を有するように、ノボラック型エポキシ樹脂のエポキシ基の1つ以上を開環変性したものである。開環変性する化合物としては、フェノール類、アミン類、カルボン酸類などの活性水素化合物が例示できる。具体的には、フェノール、パラターシャリーブチルフェノール、パラターシャリーオクチルフェノール、クレゾール、キシレノール、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなどのフェノール類、ハイドロキノンなどのキノン類、エチルアミン、イソプロピルアミン、2−エチルヘキシルアミン、3−メトキシプロピルアミン、アリルアミンなどの一級アミン類、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジイソブチルアミンなどの2級アミン類、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、クエン酸、安息香酸、フマル酸、マレイン酸などのカルボン酸類、リン酸、メチルホスホン酸、ジメチルホスホン酸などのリン酸類等が挙げられる。これらの中でも、活性水素を2つ有する2官能性の化合物が、エポキシ樹脂―シリカハイブリッドの熱膨張性が低くなるため好ましい。さらに好ましくは、水酸基含有エポキシ樹脂(1)とメトキシシラン部分縮合物(2)との相溶性がよく反応しやすいことから、ビスフェノール類で開環変性するのがより好ましい。
【0018】
ノボラック型エポキシ樹脂を開環変性するのに使用する活性水素化合物の量は特に制限されないが、ノボラック型エポキシ樹脂分子1モルに対する開環変性する活性水素のモル比が0.2〜3モルであること、すなわち、ノボラック型エポキシ樹脂の有するエポキシ基のうち、開環変性されるエポキシ基の平均個数が0.2〜3個であることが好ましい。本数値が0.2未満であると本発明の効果が得られず、3を超えると開環変性時にゲル化したり、熱膨張性が高くなる傾向があり好ましくない。
【0019】
また、ノボラック型エポキシ樹脂のすべての分子が開環変性されている必要はない。変性されなかったノボラック型エポキシ樹脂は、水酸基含有エポキシ樹脂(1)とメトキシシラン部分縮合物(2)との脱メタノール反応を進行させるため、双方を相溶解させる反応媒体としての役割と、ゾル−ゲル硬化した半硬化物を柔軟化する役割を担う。このため、特に、接着剤、成形中間材料、プリプレグ、封止剤などの半硬化状態での加工が必要な用途には、ノボラック型エポキシ樹脂の一部を変性しないまま残すために、ノボラック型エポキシ樹脂1モルに対する開環変性する活性水素のモル比を0.8以下にすることが好ましい。
【0020】
本発明に使用するメトキシシラン部分縮合物(2)としては、一般的にゾル−ゲル法に用いられているメトキシシランを部分的に加水分解、縮合したオリゴマーを使用できる。例えば、一般式:RSi(OCH34−p(式中、pは0または1の整数を示し、Rは炭素数6以下の低級アルキル基またはフェニル基を示す。)で表される化合物の部分縮合物等を例示できる。なお、pが2〜4である場合は、3次元架橋が起こらなくなるため、最終的に得られる硬化物に所望の高耐熱性を付与することが難しくなる。
【0021】
前記メトキシシラン部分縮合物(2)の具体例としては、テトラメトキシシランの部分縮合物;メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン等のトリメトキシシラン類の部分縮合物があげられる。これらの中でも、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン等の部分縮合物が、汎用性が高く、ゾル−ゲル硬化速度が速いため好ましい。
【0022】
メトキシシラン部分縮合物(2)は、上記物質の中から1種または2種以上を適宜選択すればよいが、1分子あたりのSiの平均個数は3〜12であることが好ましい。Siの平均個数が3未満であると、水酸基含有エポキシ樹脂(1)との脱メタノール反応の際、副生メタノールと一緒に系外に流出する有毒なメトキシシラン類の量が増えるため好ましくない。また12を超えると、水酸基含有エポキシ樹脂(1)との相溶性が落ち、前記重量比率を超える量のノボラックエポキシ樹脂(1)や大量の有機溶剤を必要とし、目的とするメトキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂は得られにくい。
【0023】
特に、一般式(b):
【0024】
【化2】
Figure 0003726963
【0025】
(式中、Meはメチル基を示し、nの平均繰り返し単位数は3〜12である。)で表されるテトラメトキシシランの部分縮合物、あるいは一般式(c):
【0026】
【化3】
Figure 0003726963
【0027】
(式中、Meはメチル基を示し、nの平均繰り返し単位数は3〜12である。)で表されるメチルトリメトキシシランの部分縮合物が好ましい。
【0028】
本発明において、メトキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂は、水酸基含有エポキシ樹脂(1)とメトキシシラン部分縮合物(2)を脱メタノール反応して得られるが、この時、1分子中に1つの水酸基を有するエポキシ化合物(3)(以下、単にエポキシ化合物(3)という)を使用してもよい。エポキシ化合物(3)も又、メトキシシラン部分縮合物(2)と脱メタノール反応して、メトキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂を構成する。
【0029】
水酸基含有エポキシ樹脂(1)中には、水酸基が存在しなければならないが、ノボラック型エポキシ樹脂1モルに対する開環変性する活性水素のモル比を1未満とした場合、水酸基を有さないノボラック型エポキシ樹脂が水酸基含有エポキシ樹脂(1)中に存在する。このようなノボラック型エポキシ樹脂はメトキシシラン部分縮合物(2)とは反応しないため、未反応のままメトキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂中に存在している。当該分子は、エポキシ樹脂−シリカハイブリッド半硬化膜形成時には、柔軟性付与や密着性付与に効果的に働く一方、メトキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂中にノボラック型エポキシ樹脂が多く含まれる場合には、最終的に得られる硬化膜の耐熱性が不十分である場合がある。
【0030】
本発明では、水酸基を有さないノボラック型エポキシ樹脂が多く存在する水酸基含有エポキシ樹脂(1)を使用した場合、具体的にはノボラック型エポキシ樹脂1モルに対する開環変性する活性水素のモル比が1未満の場合であっても、得られるエポキシ樹脂−シリカハイブリッド硬化膜に十分な耐熱性を付与するために、エポキシ化合物(3)を使用することが好ましいとしている。すなわち、エポキシ化合物(3)は、水酸基を有しないノボラック型エポキシ樹脂によるエポキシ樹脂−シリカハイブリッド硬化膜の耐熱性の低下を防止する作用効果を有する。メトキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂の製造に際して、エポキシ化合物(3)の使用量は特に限定されず、エポキシ樹脂(1)中の水酸基を有さない分子の含有量に応じて適宜に決定すればよい。
【0031】
エポキシ樹脂−シリカハイブリッド硬化物の耐熱性の観点から、ノボラック型エポキシ樹脂1モルに対する開環変性する活性水素のモル比が0.3以下の水酸基含有エポキシ樹脂(1)を使用する場合には、エポキシ化合物(3)の重量/水酸基含有エポキシ樹脂(1)の重量=0.1以上であり、当該値が0.5以下の場合には0.03以上であるのが好ましい。なお、エポキシ化合物(3)は、多少の毒性を有するものも多いため、メトキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂中のエポキシ化合物(3)残存量を極力少なくするのがよい。上記重量比が0.3を超える場合には、未反応エポキシ化合物(3)を低減させるためにメトキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂の製造時間が長くなり、製造効率が低下する。
【0032】
エポキシ化合物(3)としては、1分子中に水酸基を1つもつエポキシ化合物であれば、エポキシ基の数は特に限定されない。また、エポキシ化合物(3)としては、分子量が小さいもの程、エポキシ樹脂(1)やメトキシシラン部分縮合物(3)に対する相溶性がよく、耐熱性付与効果が高いことから、炭素数が15以下のものが好適である。その具体例としては、エピクロロヒドリンと、水、2価アルコールまたは2つの水酸基を有するフェノール類とを反応させて得られる分子末端に1つの水酸基を有するモノグリシジルエーテル類;エピクロロヒドリンとグリセリンやペンタエリスリトールなどの3価以上の多価アルコールとを反応させて得られる分子末端に1つの水酸基を有するポリグリシジルエーテル類;エピクロロヒドリンとアミノモノアルコールとを反応させて得られる分子末端に1つの水酸基を有するエポキシ化合物;分子中に1つの水酸基を有する脂環式炭化水素モノエポキシド(例えば、エポキシ化テトラヒドロベンジルアルコール)などが例示できる。これらのエポキシ化合物の中でも、グリシドールが耐熱性付与効果の点で最も優れており、またメトキシシラン部分縮合物(2)との反応性も高いため、最適である。
【0033】
本発明に記載のメトキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂は、ノボラック型エポキシ樹脂、水酸基含有エポキシ樹脂(1)およびメトキシシラン部分縮合物(2)を、溶剤の存在下または無溶剤下に脱メタノール縮合反応させることにより得られる。水酸基含有エポキシ樹脂(1)とメトキシシラン部分縮合物(2)の使用量は特に限定されず、水酸基含有エポキシ樹脂(1)の水酸基の当量/メトキシシラン部分縮合物(2)のメトキシ基の当量(当量比)を、通常、0.02〜0.6程度、好ましくは0.03〜0.5とする。当量比が0.02未満であると未反応のメトキシシラン部分縮合物(2)が多くなりすぎるため、0.6を超える(化学量論的に等量に近づく)と脱メタノール反応の進行でゲル化しやすくなるため好ましくない。
【0034】
なお、水酸基含有エポキシ樹脂(1)の水酸基の当量/メトキシシラン部分縮合物(2)のメトキシ基の当量(当量比)が、0.2以上の場合や、1分子あたりのSiの平均個数が7個以上のメトキシシラン部分縮合物(2)を使用原料とする場合には、水酸基含有エポキシ樹脂(1)、ノボラック型エポキシ樹脂およびノボラック型エポキシ樹脂の水酸基が完全に消失するまで脱メタノール縮合反応を行うと、高粘度化やゲル化を招き易い。このような場合には、脱メタノール反応を反応途中で停止させるなどの方法により、高粘度化やゲル化を防ぐ。例えば、高粘度化してきた時点で、流出するメタノールを還流して、反応系からのメタノールの留去量を調整したり、反応系を冷却し反応を終了させる等の方法を採用できる。
【0035】
メトキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂の製造は、前記のように、溶剤存在下または無溶剤下で行うことができる。本発明における脱メタノール縮合反応では、反応温度は50〜130℃程度、好ましくは70〜110℃であり、全反応時間は1〜15時間程度である。この反応は、メトキシシラン部分縮合物(2)自体の重縮合反応を防止するため、実質的に無水条件下で行うのが好ましい。反応溶剤としては、エポキシ基と反応せず、沸点が上記脱メタノールの反応温度以上で、水酸基含有樹脂(1)およびメトキシシラン部分縮合物(2)を溶解するものであれば、従来公知の溶剤を使用することができる。このような有機溶剤としては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、ジメチルジグリコール、ジメチルトリグリコール、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン等が例示できる。これらの中でも、半硬化状態での加工が必要な用途には、メチルエチルケトン、トルエンのような沸点が120℃未満で、乾燥が容易な有機溶剤が好ましい。
【0036】
また、上記の脱メタノール縮合反応に際しては、反応促進のために従来公知の触媒の内、エポキシ環を開環しないものを使用することができる。該触媒としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ストロンチウム、亜鉛、アルミニウム、チタン、コバルト、ゲルマニウム、錫、鉛、アンチモン、砒素、セリウム、硼素、カドミウム、マンガンのような金属;これら金属の酸化物、有機酸塩、ハロゲン化物、メトキシド等があげられる。これらのなかでも、特に有機錫、有機酸錫が好ましく、具体的には、ジブチル錫ジラウレート、オクチル酸錫等が有効である。
【0037】
本発明におけるメトキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂は、その分子中にメトキシシラン部分縮合物(2)に由来するメトキシ基を有している。当該メトキシ基の含有量は、このメトキシ基は加熱処理や水分(湿気)との反応により、ゾル−ゲル反応や脱メタノール縮合して、相互に結合したハイブリッド硬化物を形成するために必要となるため、メトキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂は通常、反応原料となるメトキシシラン部分縮合物(2)のメトキシ基の40〜95モル%、好ましくは50〜90モル%を未反応のままで保持しておくのがよい。かかるハイブリッド硬化物は、ゲル化した微細なシリカ部位(シロキサン結合の高次網目構造)を有するものである。またメトキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂中には、やメトキシシラン部分縮合物(2)が未反応のまま含有されていてもよい。未反応のメトキシシラン部分縮合物(2)は、ゾル−ゲル硬化時に加水分解、重縮合によりシリカとなり、メトキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂と結合する。
【0038】
本発明では、メトキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂を、潜在性エポキシ樹脂用硬化剤を組み合わせてなる電気絶縁用樹脂組成物として使用する。本発明の電気絶縁用樹脂組成物においては、メトキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂に加えて、各種のエポキシ樹脂、エポキシ樹脂用硬化剤、硬化促進剤、エポキシ重合触媒などを併用できる。本発明の電気絶縁用樹脂組成物を各種用途へ適用するにあたっては、エポキシ樹脂−シリカハイブリッド硬化物や半硬化物の柔軟性や力学強度を調整するため、各種のエポキシ樹脂やゴム成分などを併用することもできる。当該併用しうるエポキシ樹脂としては、本発明の構成成分として記載した前記ノボラック型エポキシ樹脂;ビスフェノール類とエピクロロヒドリンを反応させて得られるビスフェノール型エポキシ樹脂;フタル酸、ダイマー酸などの多塩基酸類およびエピクロロヒドリンを反応させて得られるグリシジルエステル型エポキシ樹脂;ジアミノジフェニルメタン、イソシアヌル酸などのポリアミン類とエピクロロヒドリンを反応させて得られるグリシジルアミン型エポキシ樹脂;オレフィン結合を過酢酸などの過酸で酸化して得られる線状脂肪族エポキシ樹脂および脂環式エポキシ樹脂などがあげられる。またゴム成分としてはポリイソブテン、ポリブチレン、ポリブタジエン、ブタジエン−アクリロニトリルゴム、クロロプレンゴム、シリコンゴム等が挙げられる
【0039】
また、潜在性エポキシ樹脂用硬化剤としては、通常、エポキシ樹脂の硬化剤として使用されている従来公知の潜在性硬化剤が使用できる。潜在性エポキシ樹脂用硬化剤は、ノボラック樹脂系硬化剤、イミダゾール系硬化剤、酸無水物系硬化剤等が例示できる。具体的には、ノボラック樹脂系のものとしては、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールノボラック樹脂、ポリp−ビニルフェノール等があげられ、イミダゾール系硬化剤としては、2−メチルイミダゾール、2−エチルへキシルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウム・トリメリテート、2−フェニルイミダゾリウム・イソシアヌレート等があげられ、酸無水物系硬化剤としては、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、3,6−エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサクロルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチル−3,6−エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸があげられ、またその他の硬化剤としてジシアンジアミド、ケチミン化合物等があげられる。これらの中でも電気絶縁用樹脂組成物の貯蔵安定性を考慮すると、ノボラック樹脂系硬化剤、イミダゾール系硬化剤が好ましい。
【0040】
潜在性エポキシ樹脂用硬化剤の使用割合は、通常、電気絶縁用樹脂組成物中のエポキシ基1当量に対し、硬化剤中の活性水素を有する官能基が0.2〜1.5当量程度となるような割合で配合して調製される。
【0041】
また、前記電気絶縁用樹脂組成物には、エポキシ樹脂と硬化剤との硬化反応を促進するための硬化促進剤を含有することができる。例えば、1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールなどの三級アミン類;2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾールなどのイミダゾール類;トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィンなどの有機ホスフィン類;テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、2−エチル−4−メチルイミダゾール・テトラフェニルボレート、N−メチルモルホリン・テトラフェニルボレートなどのテトラフェニルボロン塩などをあげることができる。硬化促進剤はエポキシ樹脂の100重量部に対し、0.1〜5重量部の割合で使用するのが好ましい。
【0042】
前記電気絶縁用樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、有機溶剤、充填剤、離型剤、表面処理剤、難燃剤、粘度調節剤、可塑剤、抗菌剤、防黴剤、レベリング剤、消泡剤、着色剤、安定剤、カップリング剤等を配合してもよい。
【0043】
本発明の電子材料用絶縁材料は、前記のとおり電気絶縁用樹脂組成物から得られるものである。すなわち、電気絶縁用樹脂組成物から、電子材料用絶縁材料となるハイブリッド硬化物を直接的に得るには、当該組成物を室温〜250℃で硬化させる。半硬化物を経由させる場合は、当該組成物を50〜120℃で溶剤を揮発、ゾルゲル硬化させ、そののち150〜250℃で完全硬化させる。硬化温度は、エポキシ樹脂用硬化剤の種類によって適宜決定される。当該硬化剤として、フェノール樹脂系硬化剤や酸無水物系硬化剤を用いる場合には、当該硬化剤以外にゾル−ゲル硬化触媒を0.1%以上併用して、コーティングや含浸などの加工を施した後、150〜250℃で硬化させるのが好ましい。なぜなら、メトキシシリル部位のゾル−ゲル硬化反応ではメタノールが発生するため、メトキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂中のエポキシ基とエポキシ樹脂用硬化剤とのエポキシ基の開環・架橋反応による硬化が進行した後に、当該アルコールが発生した場合には、発泡やクラックを生じる。そのため、触媒を適宜に選択することによってゾル−ゲル硬化反応速度を調整する必要がある。
【0044】
以下、本発明の電気絶縁用樹脂組成物から各種の絶縁材料を得るための方法につき説明する。当該電気絶縁用樹脂組成物から半硬化シートや成形用中間材料などを経て、最終的な硬化物を収得するには、当該樹脂組成物中のエポキシ硬化剤の種類、更には半硬化条件などを慎重に選択することが重要となる。エポキシ硬化剤として、フェノール樹脂系硬化剤、酸無水物系硬化剤、イミダゾール類等の潜在性硬化剤を用い、錫系のゾル−ゲル硬化触媒をメトキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂の固形残分当り0.05〜5%程度配合することが好ましい。上記電気絶縁用樹脂組成物を用いて半硬化フィルムや成形用中間材料を作製するには、好ましくは50〜150℃で加熱することにより、溶剤を含有している場合には溶剤を蒸発させ、当該樹脂組成物中に含有されるメトキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂のメトキシシリル部位のゾル−ゲル硬化を70%以上、好ましくは90%以上進行させ、シロキサン結合を生成させる必要がある。なぜなら、メトキシシリル部位のゾル−ゲル硬化反応ではメタノールが発生するため、半硬化物作製時のゾル−ゲル硬化の進行が少ないと、これに引き続く完全硬化反応において硬化収縮やクラック、発泡が生じる可能性があるためである。こうして得られた半硬化フィルムや成形中間材料は60〜150℃に加熱することによって軟化し、成形加工やモールド、部品装着などの操作が可能になる。その後、当該加工させた半硬化フィルムや成形中間材料を150〜250℃で加熱することで、当該エポキシ基とエポキシ硬化剤とが硬化し、目的とする電子材料用絶縁材料が得られる。
【0045】
本発明の電気絶縁用樹脂組成物からプリント基板用プリプレグを得るには、例えば特開平9−143286号公報に記載されているように、電気絶縁用樹脂組成物を溶剤でワニス化し、当該ワニスを補強基材に含浸し、加熱してプリプレグシートを得ることができる。この時、上記エポキシ樹脂組成物の組成や作製条件については、上記の半硬化フィルムや成形用中間材料と同様に決定すればよい。なお、溶剤としては、例えばメチルエチルケトン、アセトン、エチルセロソルブ、ジメチルホルムアミド、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどの沸点が160℃以下の極性溶剤があげられ、これらはプレプリグ中に残存しないため好ましい。加熱温度は、用いる溶剤の種類を考慮して決定され、好ましくは50〜150℃とされる。尚、補強基材の種類は特に限定はされず、例えば紙、ガラス布、ガラス不織布、アラミド紙、アラミド布、ガラスマット、ガラスロービング布などの各種を例示できる。また、樹脂分と補強基材の割合も特に限定されないが、通常、プリプレグ中の樹脂分が20〜80重量%となるように調整するのが好ましい。
【0046】
本発明の電気絶縁用樹脂組成物から銅張り積層板を得るには、例えば特開平5−86215号公報や特開平6−100763号公報に記載されているように、上記のプリプレグを3〜8枚程度重ね、さらに上下に銅箔を重ねて、1〜10MPaの加圧下に、170〜250℃で10分〜3時間、加熱圧着させる。
【0047】
上記プリプレグと銅張り積層板からプリント配線基板やインターポーザーを得るには、銅張り積層板をレジストエッチングして回路を形成させた後、プリプレグおよび銅箔を重ねて上記の銅張り積層板作製時と同じ条件で加熱圧着し、多層化すればよい。
【0048】
本発明の電気絶縁用樹脂組成物からビルドアップ基板用層間絶縁材料を得る方法としては特に限定されないが、例えば特公平4−6116号、特開平7−304931号、特開平8−64960号、特開平9−71762号、特開平9−298369号公報などに記載の各種方法を採用できる。より具体的には、ゴム、フィラーなどを適宜含有した当該エポキシ樹脂組成物を、回路を形成した配線基板にスプレーコーティング法、カーテンコーティング法等の公知の方法で塗布した後、上記のような直接ハイブリッド体を得る方法に従って硬化させる。その後、必要に応じて所定のスルーホール部等の穴あけを行った後、粗化剤により処理し、その表面を湯洗することによって、凹凸を形成させ、銅などの金属をめっき処理する。当該めっき方法としては、無電解めっき、電解めっき処理が好ましく、また上記の粗化剤としては酸化剤、アルカリ及び有機溶剤の中から選ばれた少なくとも1種が用いられる。このような操作を所望に応じて順次繰り返し、樹脂絶縁層及び所定の回路パターンの導体層を交互にビルドアップして形成することができる。但し、スルーホール部の穴あけは、最外層の樹脂絶縁層の形成後に行なう。また、本発明の電気絶縁用樹脂組成物から得られた半硬化フィルムや半硬化物を用いてビルドアップ基板用層間絶縁材料を作製することもできる。たとえば、回路を形成した配線基板上で、前記と同様の条件下に当該電気絶縁用樹脂組成物を半硬化させ、その後、必要に応じて所定のスルーホール部等の穴あけを行った後、粗化剤により粗面化処理を行ない、樹脂絶縁層の表面及びスルーホール部に凹凸状の良好な粗化面を形成させる。次いで、このように粗面化された樹脂絶縁層表面に前記と同様に金属めっきを施した後、再度、当該電気絶縁用樹脂組成物をコーティングし、170〜250℃で加熱処理を行う。このような操作を所望に応じて順次繰り返し、樹脂絶縁層及び所定の回路パターンの導体層を交互にビルドアップして形成することもできる。また、銅箔上で当該エポキシ樹脂組成物を半硬化させた樹脂付き銅箔を、回路を形成した配線基板上に、170〜250℃で加熱圧着することで、粗化面を形成、メッキ処理の工程を省き、ビルドアップ基板を作製することも可能である。
【0049】
電子部品用封止剤として、モールド型封止剤、テープ状封止剤、ポッティング型液状封止剤など各種のものが知られている。本発明の電気絶縁用樹脂組成物から、例えばモールド型封止剤を調製する場合、その方法について特に限定されないが、当該樹脂組成物をゾル−ゲル硬化させた硬化物の粉末を用いる方法が好ましい。例えば、メトキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂に錫系のゾル−ゲル硬化触媒を樹脂分当り0.05〜5%と、必要に応じてシリカなど無機充填剤を配合して本発明の電気絶縁用樹脂組成物(エポキシ樹脂硬化剤を配合せず)とした後、テフロン(登録商標)シート上で100〜200℃にて硬化させ、更に当該ゾル−ゲル硬化物を粉砕機にかけて、粉末化する方法がある。また、当該樹脂組成物を溶剤で希釈し、25℃で500mPa・s以下の粘度になるよう調整した後、スプレーして空気中の湿気と反応させることにより、ゾル−ゲル硬化物の粉末を得ることもできる。当該溶剤としては、前記と同様のものであり、特に沸点が100℃以下の溶剤が好ましい。この様にして得られたゾル−ゲル硬化物の粉末に、エポキシ樹脂硬化剤としてのノボラックフェノール樹脂、エポキシ樹脂硬化触媒、および無機充填剤を通常80〜170℃の温度で30〜300秒間、混練して、封止剤用組成物を得る。当該封止剤用組成物を金型に封入し、通常170〜250℃、5〜20MPaでトランスファー成形する事により、半導体や電子部品を封止する。封止剤の使用は電子部品や半導体を長寿命化する事が目的であるため、低吸水性は最も大切な性能である。本特許のメトキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂の製造において、メトキシシラン部分縮合物(3)にメチルトリメトキシシランの部分縮合物を用いると、硬化物が低い吸水率を示し、好適である。
【0050】
またテープ状封止剤として使用する場合には、必要に応じてシリカなど無機充填剤を配合した本発明の電気絶縁用樹脂組成物を用いて、前記手順に従って半硬化シートを作製し、封止剤テープとする。この封止剤テープを半導体チップ上に置き、100〜150℃に加熱して軟化させ成形した後、170〜250℃で完全に硬化させる。
【0051】
更にポッティング型液状封止剤として使用する場合には、必要に応じてシリカなど無機充填剤を配合した本発明の電気絶縁用樹脂組成物を半導体チップや電子部品上に塗布し、直接、硬化させればよい。
【0052】
本発明の電気絶縁用樹脂組成物をアンダーフィル樹脂として使用する方法についても特に限定されないが、例えば特開平9−266221号公報や「エレクトロニクス分野のプラスチック」(工業調査会発行、1999年、27〜34頁)に記載されるような方法を採用できる。より具体的には、フリップチップ実装時に電極のついた半導体素子と半田のついたプリント配線基板との空隙に、本発明の電気絶縁用樹脂組成物を、毛細管現象を利用してキャピラリーフロー法によって注入し、上記直接ハイブリッド体を得る方法で硬化させる方法と、予め基板ないし半導体素子上に前記手順に従って、半硬化樹脂を形成させてから、加熱して半導体素子と基板を半硬化樹脂で密着させ、完全硬化させるコンプレッションフロー法などによりアンダーフィル樹脂層を形成する。この場合、本発明の電気絶縁用樹脂組成物を、溶剤を含有しない液状の樹脂組成物の形態で使用するのが好ましい。特にキャピラリーフロー法を用いる場合には、低粘度である必要があり、5000mPa・s以下の粘度であることが好ましい。エポキシ樹脂組成物がこれを超える粘度であれば、室温〜100℃以下に加温して注入することもできる。また、アンダーフィル樹脂の目的は、半導体素子と基板の線膨張性の違いから生じる半田周辺の応力を緩和する事であり、界面ジョイントである半田の線膨張係数に近い、低い線膨張係数を有する絶縁材料が好ましいとされている。そのため、エポキシ樹脂組成物が低粘度であれば、シリカなどフィラーを添加することによって、線膨張率係数を更に下げることもできる。
【0053】
本発明の電気絶縁用樹脂組成物をソルダーレジストなどの熱硬化型レジストインキとして使用する場合には、例えば特開平5−186567号公報や特開平8−307041号公報に記載の方法に準じて、レジストインキ用組成物とした後、スクリーン印刷方式で、プリント基板上に塗布した後、直接ハイブリッド硬化物を得る方法によって、レジストインキ硬化物とする。好適には、レジストインキ用組成物として、メトキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂及びエポキシ樹脂硬化剤の他、必要に応じてアクリル酸エステルやメタクリル酸エステルなどのエチレン性不飽和二重結合を有するビニル系モノマー、フタロシアニンブルーをはじめとする各種の顔料、シリカ、アルミナ等の充填剤、レベリング剤などを添加する。
【0054】
本発明の電気絶縁用樹脂組成物を半導体の層間絶縁材料として使用する場合は、例えば特開平6−85091公報の記載の方法が採用できる。具体的には、半導体上に当該樹脂組成物をスピンコートし、直接ハイブリッド硬化物を得る方法によって得られる。層間絶縁膜に用いる場合は半導体に直接接することになるため、高温環境下において線膨張率の差によるクラックが生じないよう、絶縁材の線膨張率を半導体の線膨張率に近づけるよう低くすることが要求される。また、半導体の微細化、多層化、高密度化による信号遅延の問題に対応するため、絶縁材の低容量化技術が求められており、絶縁材を低誘電化することによってこの問題を解決することができる。これらの要求を満たすため、本発明の電気絶縁用樹脂組成物においては、ノボラックエポキシ樹脂を変性して水酸基含有エポキシ樹脂(1)を得る際、ノボラック型エポキシ樹脂分子1モルに対する開環変性する活性水素のモル比が0.8〜3モルであること、すなわち、ノボラック型エポキシ樹脂の有するエポキシ基のうち、開環変性されるエポキシ基の平均個数が0.8〜3個とし、変性されなかったノボラック型エポキシ樹脂の残存量を少なくすることが好ましい。またメトキシシラン部分縮合物(2)としてテトラメトキシシラン部分縮合物を用いること、更にはエポキシ樹脂組成物の固形残分中のメトキシシラン部分縮合物(2)のゾル−ゲル硬化によって生成するシリカの含有量が10重量%以上であることが好ましい。
【0055】
本発明の電気絶縁用樹脂組成物を導電ペーストとして使用する場合には、例えば特開平9−35530号公報に記載されるように、真球状やリン片状の銀やニッケルなどの導電粉を絶縁材料に配合しなければならない。導電粉の含有量は、導電ペーストに対して導電性と経済性の観点から、50〜80重量%であることが好ましい。この含有率が50重量%未満であると抵抗値が高くなる傾向にあり、80重量%を超えると接着性が低下したり製品の価格が上昇するなどの不利がある。導電ペーストは高温や高湿等の過酷な条件にさらされた後に比抵抗変化が小さいことが求められる。吸水率を低減させる観点から、本発明の電気絶縁用樹脂組成物におけるメトキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂の成分であるメトキシシラン部分縮合物(2)として、メチルトリメトキシシランの部分縮合物を用いること、更にはエポキシ樹脂硬化剤としてノボラックフェノール樹脂を用いることが特に好ましい。
【0056】
本発明の電気絶縁用樹脂組成物からICトレイなどの電子部品を収納するための容器(成形物)を製造する場合には、前記方法で得られた半硬化シートや成形用中間材料を得た後、これらを60〜150℃で再溶融させて金型に入れ、150〜250℃、1〜30MPaの条件下で成形することにより得られる。
【0057】
【発明の効果】
本発明によれば、耐熱性、低線膨張性、絶縁性、密着性に優れ、しかもボイド、クラック等を生じない電子材料用絶縁材料を収得しうる。
【0058】
【実施例】
以下、実施例および比較例をあげて本発明を具体的に説明する。なお、各例中、%は特記しない限り重量基準である。
【0059】
製造例1(メトキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂の製造)
攪拌機、分水器、温度計、窒素吹き込み口を備えた反応装置に、ノボラック型エポキシ樹脂(東都化成(株)製、商品名「エポトートYDPN−638P」、エポキシ当量177g/eq、数平均フェノール核体数5.2)400gとビスフェノールA21.2gとを150℃で溶解させ、開環変性の触媒として、N,N−ジメチルベンジルアミン0.1gを加え、2時間反応させることによって、水酸基含有エポキシ樹脂(以下、開環変性樹脂A−1という)であるビスフェノール変性ノボラック型エポキシ樹脂を得た。開環変性する活性水素のモル数/ノボラック型エポキシ樹脂のモル数=0.4であった。さらにここにポリ(メチルトリメトキシシラン)(多摩化学(株)製、商品名「MTMS-A」、1分子あたりのSiの平均個数3.5)215.2g、メチルエチルケトン350g、グリシドール30.99gと触媒としてジブチル錫ジラウレート1gを加え、窒素気流下にて、100℃で5時間、分水器を用いて脱メタノール反応させることによって、メトキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂(以下、樹脂(A−1)という)を得た。
なお、仕込み時の水酸基含有エポキシ樹脂(1)の水酸基の当量/メトキシシラン部分縮合物(2)のメトキシ基の当量=0.056、グリシドールの重量/開環変性樹脂の重量=0.17であった。樹脂(A−1)のエポキシ当量は324g/eqであった。
【0060】
製造例2
製造例1と同様の反応装置に、ノボラック型エポキシ樹脂(東都化成(株)製、商品名「エポトートYDPN−638P」、エポキシ当量177g/eq数平均フェノール核体数5.2)500gおよびビスフェノールA33.14gを150℃で溶解させ、開環変性の触媒として、N,N−ジメチルベンジルアミン0.1gを加え、2時間反応させることによって、水酸基含有エポキシ樹脂(以下、開環変性樹脂A−2という)であるビスフェノール変性ノボラック型エポキシ樹脂を得た。開環変性する活性水素のモル数/ノボラック型エポキシ樹脂のモル数=0.5であった。さらにここにポリ(テトラメトキシシラン)(多摩化学(株)製、商品名「MS−51」、1分子あたりのSiの平均個数4)413.4g、メチルエチルケトン350g、グリシドール64.53gと触媒としてジブチル錫ジラウレート0.5gを加え、窒素気流下にて、100℃で5時間、分水器を用いて脱メタノール反応させることによって、メトキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂(以下、樹脂(A−2)という)を得た。
なお、仕込み時の開環変性樹脂(A−2)の水酸基の当量/メトキシシラン部分縮合物(2)のメトキシ基の当量=0.033、グリシドールの重量/開環変性樹脂(A−2)の重量=0.23であった。樹脂(A−2)のエポキシ当量は329g/eqであった。
【0061】
製造例3
攪拌機、還流管、温度計、窒素吹き込み口を備えた反応装置に、ノボラック型エポキシ樹脂(東都化成(株)製、商品名「エポトートYDPN−638P」、エポキシ当量177g/eq数平均フェノール核体数5.2)1200gおよびビスフェノールA159.07gを150℃で溶解させ、開環変性の触媒として、N,N−ジメチルベンジルアミン0.5gを加え、2時間反応させることによって、水酸基含有エポキシ樹脂(以下、開環変性樹脂A−3という)であるビスフェノール変性ノボラック型エポキシ樹脂を得た。開環変性する活性水素のモル数/ノボラック型エポキシ樹脂のモル数=1.0であった。さらにここにポリ(テトラメトキシシラン)(多摩化学(株)製、商品名「MS−51」、1分子あたりのSiの平均個数4)1228.3g、メチルエチルケトン2100g、グリシドール191.8gと触媒としてジブチル錫ジラウレート1.5gを加え、還流下にて、80℃で7時間、分水器を用いて脱メタノール反応させることによって、メトキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂(以下、樹脂(A−3)という)を得た。
なお、仕込み時の開環変性樹脂(A−3)の水酸基の当量/メトキシシラン部分縮合物(2)のメトキシ基の当量=0.070、グリシドールの重量/開環変性樹脂(A−3)の重量=0.14であった。樹脂(A−3)のエポキシ当量は609g/eqであった。
【0062】
比較製造例1
ノボラック型エポキシ樹脂(東都化成(株)製、商品名「エポトートYDPN−638P」、エポキシ当量177g/eq数平均フェノール核体数5.2)をそのまま用いた。以下、該樹脂組成物を樹脂(a−1)という。
【0063】
比較製造例2
製造例1で得た開環変性樹脂Aをそのまま用いた。以下、該樹脂組成物を樹脂(a−2)という。
【0064】
比較製造例3
製造例1で得た開環変性樹脂A 200g、ポリ(メチルトリメトキシシラン)(多摩化学(株)製、商品名「MTMS-A」、1分子あたりのSiの平均個数3.5)102.2gおよびメチルエチルケトン200gを混合することにより、エポキシ樹脂組成物を得た。以下、該樹脂組成物を樹脂(a−3)という。
【0065】
比較製造例4
製造例1と同様の反応装置に、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名「エピコート1001」、エポキシ当量472g/eq)336.0gおよびメチルエチルケトン268.8gを加え、70℃で溶解した。さらにポリ(テトラメトキシシラン)(多摩化学(株)製、商品名「MS−51」、1分子あたりのSiの平均個数4)360.4gと、触媒としてジブチル錫ジラウレート0.3gを加え、80℃で6時間還流反応させた後、50℃まで冷却し、メタノール33.6gを加え、メトキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂(以下、樹脂(a−4)という)を得た。ビスフェノール型エポキシ樹脂の水酸基の当量/メトキシシラン部分縮合物(2)のメトキシ基の当量=0.1、エポキシ当量は1400g/eqであった。
【0066】
実施例1、2および比較例1〜4(電気絶縁用エポキシ樹脂組成物の調製と半硬化状態の電子材料用絶縁材料の作製)
製造例1、2および比較製造例1〜4で得られた各樹脂に、ノボラック型フェノール樹脂(荒川化学工業(株)製、商品名「タマノル759」)をメチルエチルケトンで50%に希釈した溶液を、エポキシ当量/フェノール当量が1/1となる割合で加え、オクチル酸錫を固形分当り2%加え、電気絶縁用エポキシ樹脂組成物とした。
【0067】
(半硬化状態の電子材料用絶縁材料の評価)
実施例1、2および比較例1〜4で得られた電気絶縁用エポキシ樹脂組成物を、フッ素樹脂コーティングされた容器(縦×横×深さ=10cm×10cm×1.5cm)に注ぎ、80℃で1時間加熱することにより、溶剤の揮発及びゾル−ゲル硬化を行い、半硬化状態の電子材料用絶縁材料を得た。得られた半硬化物の状態(外観、収縮、発泡、柔軟性)を以下の基準で評価した。結果を表1に示す。
【0068】
(外観の評価)
○:透明。
△:曇りがある。
×:白化している。
【0069】
(収縮の評価)
○:硬化物にクラック、そりがない。
△:硬化物にそりが存在する。
×:硬化物にクラックがある。
【0070】
(発泡の評価)
○:硬化物中に気泡がない。
△:硬化物中に気泡が5つ未満存在する。
×:硬化物中に気泡が5つ以上存在する。
【0071】
(柔軟性の評価)
○:柔軟であり、成形性に富む。
×:変形させると割れる。
【0072】
【表1】
Figure 0003726963
【0073】
表1から明らかなように、各実施例1、2および比較例1、2では、いずれも透明な半硬化物が得られた。しかし比較例3で得られた半硬化物は、エポキシ樹脂とシリカの相分離によって白化しており、しかも非常に脆いものであった。比較例4で得られた半硬化物は透明であったが、変形させると割れてしまった。実施例の各半硬化物は、透明で、反りが無く、収縮も少なく、また柔軟性に富むため、プリント基板用プリプレグなど電気絶縁用半硬化物として有用である。
【0074】
実施例3、4および比較例5〜8(電子材料用絶縁材料の作製及び評価)
先に得られた半硬化物をさらに200℃で1時間加熱することによってエポキシ硬化させ、完全硬化物を得た。得られた完全硬化物の状態(外観、収縮、発泡、半硬化物からの重量変化)を以下の基準で評価した。結果を表2に示す。
【0075】
(外観の評価)
○:透明。
△:曇りがある。
×:白化している。
【0076】
(収縮の評価)
○:硬化物にクラック、そりがない。
△:硬化物にそりが存在する。
×:硬化物にクラックがある。
【0077】
(発泡の評価)
○:硬化物中に気泡がない。
△:硬化物中に気泡が5つ未満存在する。
×:硬化物中に気泡が5つ以上存在する。
【0078】
【表2】
Figure 0003726963
【0079】
実施例3、4及び比較例5、6、8では、いずれも透明な完全硬化物が得られた。比較例7で得られた完全硬化物にはエポキシ樹脂とシリカの相分離によってムラ、発泡、クラックがあり、非常に脆いものであった
【0080】
(耐熱性)
実施例3、4および比較例6、8で得られた硬化フィルムを5mm×20mmにカットし、粘弾性測定器(レオロジ社製、商品名「DVE−V4」、測定条件:振幅0.5μm、振動数10Hz、スロープ3℃/分)を用いて動的貯蔵弾性率を測定して、耐熱性を評価した。測定結果を図1に示す。
【0081】
図1から明らかなように、実施例3、4および比較例8では、比較例6に比べ、硬化フィルムのガラス転移点は上昇しており、また、高温でも弾性率の低下が少なく、耐熱性に優れている。
【0082】
(線膨張性)
実施例3、4および比較例6で得られた硬化フィルムを使って、熱応力歪測定装置(セイコー電子工業(株)製、商品名 TMA120C)で、40〜100℃の線膨張率を測定した。結果を表3に示す。
【0083】
【表3】
Figure 0003726963
【0084】
表3から明らかなように、実施例3、4は比較例6に比べて線膨張率が低く、信頼性が高いアンダーフィル樹脂硬化物層とすることができる。
【0085】
(電気特性)
実施例3、4および比較例5、6、8で得られた硬化フィルムを用いて、周波数1MHzで誘電率及び誘電損失を測定した。結果を表4に示す。
【0086】
【表4】
Figure 0003726963
【0087】
表4から明らかなように、実施例3、4は比較例5、6、8と対比して、絶縁性に優れること、および誘電損失には差がないことが認められた。
各実施例は耐熱性が高く、線膨張率が低く、誘電率が低い為、プリント基板用プリプレグ、プリント基板用銅張り積層板、プリント配線基板、インターポーザー、ビルドアッププリント基板用層間絶縁材料、半導体の層間絶縁膜、電子部品用封止剤、半導体チップ用封止剤、アンダーフィル樹脂硬化物、レジストインキ硬化物、導電ペースト硬化物、電子部品収納用成形物および異方性導電膜として有用である。
【0088】
実施例5(プレプリグおよび銅張り積層板用エポキシ樹脂組成物の作製)
製造例1で得られた樹脂をメチルエチルケトンで希釈し、実施例1と同じ50%フェノール樹脂メチルエチルケトン溶液をフェノール樹脂の水酸基の当量/樹脂溶液中のエポキシ基の当量=0.8になるように加え、更にオクチル酸錫を樹脂分当り2%とメチルイミダゾール0.1%とメチルエチルケトンを加えて、硬化樹脂分60%のエポキシ樹脂組成物を調製した。エポキシ樹脂組成物を厚さ 0.18mmのガラス織布に樹脂分約40%になる様に含浸させた後、130℃で15分間、乾燥、ゾル−ゲル硬化し、プリプレグを作製した。このプリプレグ3枚とその両面に18μm厚の銅箔を重ね、170℃、10MPaで120分間加熱加圧して両面銅張り積層板を作製した。
【0089】
実施例6
製造例2で得られた樹脂を用いた以外は、実施例5と同様の操作を行い、プリプレグ及び両面銅張り積層板を得た。
【0090】
比較例9
ノボラック型エポキシ樹脂(東都化成(株)製、商品名「エポトートYDPN−638P」)を70%になる様にメチルエチルケトンに溶解したものをアルコキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂の代わりに用いた以外は実施例5と同様の操作を行い、両面銅張り積層板を作製した。
【0091】
(耐熱性)
ガラス転移温度:銅張り積層板を6mm×25mmにカットし、粘弾性測定器(レオロジ社製、商品名「DVE−V4」、測定条件振幅1μm、振動数10Hz、スロープ3℃/分)を用いてガラス転移点を測定して、耐熱性を評価した。
【0092】
(銅箔の剥離強度)
JIS C−6481に準拠して測定した。
【0093】
【表5】
Figure 0003726963
【0094】
表5から明らかなように、本発明の銅張り積層板は耐熱性、密着性に優れており、通常のプリント配線板はもちろん、多層プリント配線板の製造に最適であることが分かる。
【0095】
実施例7(ビルドアップ基板用コーティング剤、両面プリント基板、ビルドアップ基板用層間絶縁膜(コーティング)、ビルドアップ基板の作製の作製)
製造例1で得られた樹脂に、70%フェノールノボラック樹脂(商品名「タマノル759」)カルビトールアセテート溶液を、フェノールノボラック樹脂の水酸基の当量/樹脂溶液中のエポキシ基の当量=0.8になる様に混合したもの100gに対し、2−メチルイミダゾール、硫酸バリウム(堺化学工業(株)製、商品名「BARIFINE BF−10」)10g、フタロシアニングリーン1gを配合し、分散した後、三本ロールで混練した。また、スクリーン印刷ができる範囲まで、カルビトールアセテートを用いて希釈し、ビルドアップ基板用コーティング剤を得た。
実施例5の両面銅張り積層板の銅箔の面を一般的なブラシにより機械的な整面処理と酸洗いによる化学的整面処理を行った。つぎに、銅箔の面にスクリーン印刷によりエッチングレジストによる回路を形成させた後、その面をエッチングして導体パターンを形成させ、両面プリント配線板を得た。この両面プリント配線板をコア基板として、その両面に対して、同様の機械的整面処理と化学的整面処理を行った後、導体パターンを覆うように両面の全体に上記のビルドアップ基板用コーティング剤を硬化後の膜厚が30μmになる様にスクリーン印刷法によって塗布し、120℃で15分、170℃で1時間硬化させて層間絶縁膜を有するプリント配線基板を作製した。次いで、プリント配線板をアルカリ性過マンガン酸カリウム溶液により60〜80℃で電気絶縁塗膜を表面粗化し、無電解銅メッキを行い、0.3μm厚の薄い銅メッキを施した。次いで、無電解銅メッキを施したプリント配線板を銅電解メッキ浴の入ったメッキ槽に置き、18μm厚の電解銅メッキを施し、目的とするビルドアップ基板を作製した。
【0096】
実施例8(ビルドアップ基板用コーティング剤、両面プリント基板、ビルドアップ基板用層間絶縁膜(コーティング方法による)、ビルドアップ基板の作製)
製造例2で得られた樹脂と実施例6の両面銅張り積層板を用いた以外は、実施例7と同様の操作を行い、ビルドアップ基板を作製した。
【0097】
実施例9(ビルドアップ基板用層間絶縁膜(半硬化フィルムを用いる方法による)、ビルドアップ基板の作製)
実施例7と同様の洗浄した両面プリント配線板の導体パターンを覆うように両面の全体に実施例5で使用したエポキシ樹脂組成物を硬化後の膜厚が40μmになる様にスクリーン印刷法によって塗布し、100℃で10分、乾燥、硬化させ、半硬化樹脂を敷いたプリント配線基板を作製した。このプリント配線基板の半硬化樹脂の上に、更に18μm厚の銅箔を乗せ、170℃、6MPaで120分間加熱加圧して、層間絶縁膜を有するビルドアップ基板を作製した。
【0098】
実施例10(ビルドアップ基板用層間絶縁膜(樹脂付き銅箔を用いる方法による)、ビルドアップ基板の作製)
18μm厚の銅箔上に、実施例5のエポキシ樹脂組成物を硬化後の厚みが40μmとなるようにローラーコーターにて塗布、乾燥して100℃で15分、乾燥、硬化させ、半硬化樹脂付き銅箔を作製した。次に同様の実施例7と同様の洗浄した両面プリント配線板の導体パターンを覆うように両面の全体に前記の樹脂付き銅箔を樹脂面が回路面と接触する様に重ね合わせ、170℃、6MPaで120分間加熱加圧して、層間絶縁膜を有するビルドアップ基板を作製した。
【0099】
比較例10
比較例9で使用したエポキシ樹脂組成物を用い、半硬化条件を150℃で15分とした以外は、実施例7と同様の操作を行い、ビルドアップ基板を作製した。
【0100】
実施例7〜10、および比較例10で得られたビルドアップ基板につき、下記の方法で性能評価した。結果を表6に示す。
【0101】
(吸湿半田耐熱試験)
吸湿条件:プレッシャークッカー処理、125℃、230kPa、30分間
試験条件:n=5で、全ての試験片が280℃、120秒間で膨れが無かった場合を○とし、膨れが生じたものを×とした。
【0102】
(剥離強度)
JIS C−6481に準じて、銅と絶縁基板との剥離強度を測定した。
【0103】
【表6】
Figure 0003726963
【0104】
表6から明らかなように、本発明のビルドアップ基板用層間絶縁膜は半田耐熱性、密着性に優れていることが分かる。
【0105】
実施例11(半導体層間絶縁用樹脂組成物および半導体層間絶縁膜の作製)
製造例3で得た樹脂をジメチルジエチレングリコールで30%に希釈し、2−メチル−4−エチルイミダゾール、アミノ基の当量/樹脂溶液中のエポキシ基の当量=0.2になる様に均一に混合し、10分間静置後、半導体層間絶縁用樹脂組成物を得た。この樹脂組成物をスピンコーティングにより塗布し、100℃で30分加熱し、更に150℃で1時間加熱硬化させ、シリコン基板上に10μmの絶縁膜を作製した。
【0106】
比較例11
ノボラック型エポキシ樹脂(東都化成(株)製、商品名「エポトートYDPN−638P」)を用いた以外は、実施例11と同様の操作を行い、半導体層間絶縁用樹脂組成物および半導体層間絶縁膜を得た。
【0107】
実施例11および比較例11で得られた半導体層間絶縁用樹脂組成物および半導体層間絶縁膜につき、以下のようにして性能を評価した。結果は表7に示す。
【0108】
(半田耐熱試験)
シリコン基板と一緒に短冊状に切り出して280℃のハンダ浴に30秒間浸した後、当該表面の剥がれの有無を観察した。
〇:剥がれがない ×:剥がれがある
【0109】
(線膨張性)
実施例11及び比較例11で得られた各樹脂組成物を、アルミホイルにスピンコートし、150℃で30分加熱し、更に200℃で1時間加熱硬化させる操作を約10回程度繰り返し、アルミホイルから剥がして、厚さ約400μmの試験片を得た。こうして得られた硬化物(5mm角)の40〜100℃の線膨張率を、熱応力歪測定装置(セイコー電子工業(株)製、商品名 TMA120C)により測定した。
【0110】
(電気特性)
実施例11及び比較例11で得られた各樹脂組成物を、フッ素樹脂コーティングされた容器(縦×横×深さ=10cm×10cm×1.5cm)に注ぎ、150℃で30分加熱し、更に200℃で1時間加熱硬化させて試験片を得た。こうして得られた硬化フィルムを用いて、周波数1MHzで誘電率及び誘電損失を測定した。
【0111】
【表7】
Figure 0003726963
【0112】
表7から明らかなように、本発明の半導体層間絶縁用樹脂組成物は線膨張率が低く、かつ誘電率も低いため、半導体層間絶縁膜として有用である。
【0113】
実施例12(ゾル−ゲル硬化物、封止剤用樹脂組成物および封止剤の作製)
製造例1で得た樹脂100gをに、溶融したオルソクレゾールノボラックエポキシ樹脂(日本化薬(株)製、商品名「EOCN1020」、エポキシ当量200g/eq)を40g、オクチル酸錫を固形残分当り2%加えて、80℃で30分攪拌し、混合後、テフロン(登録商標)製のシート上にキャストし、150℃で30分間硬化させることにより、厚さ200μmのゾル−ゲル硬化物を得た。このゾル-ゲル硬化物を、粉砕機を用いて、50μm以下の粒子に粉砕後、ゾル−ゲル硬化物100gに対して、フェノールノボラック樹脂(商品名「タマノル759」)24g、2−メチルイミダゾール0.3gおよびスチレン15gを加え、100℃にした3本ロールで混練りして封止剤用エポキシ樹脂樹脂組成物を得た。
このエポキシ樹脂組成物をキャストし、180℃で、2時間硬化させ、300μm厚の封止剤用硬化物を作製した。
【0114】
比較例12
オルソクレゾールノボラックエポキシ樹脂(商品名「EOCN1020」)100gおよびフェノールノボラック樹脂(商品名「タマノル759」)43.2gを溶融混合した後、更に2−メチルイミダゾール0.3g、スチレン15gを混合し、実施例12と同様の操作を行って、封止剤用エポキシ樹脂組成物および300μm厚の封止剤用硬化物を作製した。
【0115】
実施例12および比較例12で得られた封止剤用硬化物につき、以下の方法により性能評価した。結果を表8に示す。
【0116】
(耐熱性)
ガラス転移温度:封止剤用硬化物を6mm×25mmにカットし、粘弾性測定器(レオロジ社製、商品名「DVE−V4」、測定条件振幅1μm、振動数10Hz、スロープ3℃/分)を用いてガラス転移点を測定して、耐熱性を評価した。
【0117】
(吸水性)
硬化物を100℃の水中で24時間煮沸した後、増加重量を測定して吸水率を求めた。
【0118】
【表8】
Figure 0003726963
【0119】
表8の結果から明らかなように、本発明の封止剤用樹脂組成物は、耐熱性および耐水性が良好であるため、当該組成物で封止された半導体素子を長寿命化できる。
【0120】
実施例13(アンダーフィル樹脂組成物およびアンダーフィル樹脂硬化物の作製)
片面プリント配線基板上に、370μm厚、1cm角のシリコンチップをフィリップチップ実装した(ギャップ50μm)。次に、製造例1で得た樹脂に、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸(新日本理化(株)製、商品名「リカシッドMH−700」)を、カルボン酸基の当量/樹脂溶液中のエポキシ基の当量=0.8、オクチル酸錫を固形残分当り2%になる様に混合し、アンダーフィル用樹脂組成物とした。更にこのアンダーフィル用樹脂組成物をキャピラリーフロー法によって、シリコンチップ−プリント基板間に注入し、100℃で2時間、170℃で4時間硬化させ、アンダーフィル樹脂硬化物層を作製した。
【0121】
実施例14(アンダーフィル樹脂、アンダーフィル樹脂硬化物の作製−コンプレッションフロー法)
製造例1で得た樹脂に、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、オクチル酸錫を実施例16と同様に混合し、アンダーフィル用樹脂組成物とした。更に、フィリップチップ実装対応の片面プリント配線基板の上に、このアンダーフィル用樹脂組成物を厚さ60μmになる様に1cm角に塗布し、100℃で10分乾燥、硬化後、半硬化樹脂付きガラス基板を作製した。この半硬化樹脂付きプリント基板を110℃に加熱したオーブンに10分入れた後、同じ温度で、370μm厚、1cm角のシリコンチップを半硬化樹脂上に乗せ、300gの荷重を加えて基板のバンプとチップの電極を接触させた後、180℃で1時間完全硬化させアンダーフィル樹脂硬化物層を作製した。
【0122】
実施例15(ソルダーレジスト用樹脂組成物及びソルダーレジスト硬化膜の作製)
実施例7のビルドアップ基板用コーティング剤(エポキシ樹脂組成物)に更にシリカ10gを加え、三本ロールを使用して均一に分散させ、ソルダーレジストインキを調製した。カルビトールアセテートでスクリーン印刷に適した粘度まで希釈後、前記ソルダーレジストインキを片面プリント基板に15μmの厚さに印刷し、180℃、30分間熱硬化させ、ソルダーレジスト硬化膜を得た。
【0123】
実施例16
実施例8の樹脂組成物を用いた以外は実施例15と同様の操作で、ソルダーレジスト用樹脂組成物及びソルダーレジスト硬化膜を得た。
【0124】
比較例13
比較例9のエポキシ樹脂組成物を用いた以外は、実施例15と同様の操作を行い、ソルダーレジスト用樹脂組成物及びソルダーレジスト硬化膜を得た。
【0125】
実施例15、16および比較例13で得られた硬化膜につき以下の方法で性能評価した。結果を表9に示す。
【0126】
(半田耐熱性)
上記試験基板に形成された硬化膜と、ロジン系フラックスを塗布して260℃の溶融半田に10秒間、3回フローした後の硬化膜を、JIS K−5400に準じて、ゴバン目セロハンテープ剥離試験を行い、密着性を以下の基準で評価した。
◎:100/100、 ○:99〜95/100、 △:94〜70/100、 ×:69〜0/100
【0127】
【表9】
Figure 0003726963
【0128】
表9から明らかなように、本発明のソルダーレジスト硬化膜は密着性、半田耐熱性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例3、4および比較例6、8で得られた硬化フィルムの耐熱性の評価結果である。

Claims (17)

  1. ノボラック型エポキシ樹脂のエポキシ基の一部を開環変性して得られる水酸基含有エポキシ樹脂(1)とメトキシシラン部分縮合物(2)とを脱メタノール縮合反応させて得られるメトキシ基含有シラン変性ノボラック型エポキシ樹脂を含有することを特徴とする電気絶縁用樹脂組成物。
  2. ノボラック型エポキシ樹脂のエポキシ基の一部を開環変性して得られる水酸基含有エポキシ樹脂(1)、メトキシシラン部分縮合物(2)、および1分子中に1つの水酸基を有するエポキシ化合物(3)を脱メタノール縮合反応させて得られるメトキシ基含有シラン変性ノボラック型エポキシ樹脂を含有することを特徴とする電気絶縁用樹脂組成物。
  3. ノボラック型エポキシ樹脂がフェノールノボラック型エポキシ樹脂である請求項1または2記載の電気絶縁用樹脂組成物。
  4. 水酸基含有エポキシ樹脂(1)がノボラック型エポキシ樹脂をフェノール類で開環変性したものである請求項1〜3のいずれかに記載の電気絶縁用樹脂組成物。
  5. フェノール類がビスフェノール類である請求項4記載の電気絶縁用樹脂組成物。
  6. メトキシシラン部分縮合物(2)がテトラメトキシシランの部分縮合物および/またはメチルトリメトキシシランの部分縮合物である請求項1〜のいずれかに記載の電気絶縁用樹脂組成物。
  7. (水酸基含有エポキシ樹脂(1)の水酸基の当量)/(メトキシシラン部分縮合物(2)のメトキシ基の当量)(当量比)が、0.02〜0.6である請求項1〜のいずれかに記載の電気絶縁用樹脂組成物。
  8. 潜在性エポキシ樹脂用硬化剤を含有してなる請求項1〜のいずれかに記載の電気絶縁用樹脂組成物。
  9. 潜在性エポキシ樹脂用硬化剤がノボラック樹脂系硬化剤、イミダゾール系硬化剤からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項に記載の電気絶縁用樹脂組成物。
  10. 請求項1〜のいずれかに記載の電気絶縁用樹脂組成物を硬化させてなることを特徴とする電子材料用絶縁材料。
  11. 請求項1〜のいずれかに記載の電気絶縁用樹脂組成物を室温〜250℃で硬化させてなる電子材料用絶縁材料の製造方法。
  12. 請求項1〜のいずれかに記載の電気絶縁用樹脂組成物を50〜120℃でゾル−ゲル硬化させて半硬化物を得た後、当該半硬化物を成形加工し、ついで150〜250℃で完全硬化させる電子材料用絶縁材料の製造方法。
  13. 請求項1〜のいずれかに記載の電気絶縁用樹脂組成物であってエポキシ樹脂硬化剤を含まないものでゾル−ゲル硬化させることを特徴とする電子材料用絶縁材料の製造方法。
  14. 請求項13記載の電子材料用絶縁材料とエポキシ樹脂硬化剤を含有することを特徴とする電気絶縁用樹脂組成物の製造方法。
  15. 請求項14記載の電気絶縁用樹脂組成物を更に硬化させてなることを特徴とする電子材料用絶縁材料の製造方法。
  16. プリント基板用プリプレグ用樹脂組成物、プリント基板用銅張り積層板用樹脂組成物、ビルドアッププリント基板の層間絶縁材料用コーティング剤、半導体の層間絶縁膜用樹脂組成物、電子部品の封止剤用樹脂組成物、半導体チップの封止剤用樹脂組成物、アンダーフィル用樹脂硬化物、レジストインキ、導電ペースト、電子部品収納用成形物用樹脂組成物および異方性導電膜用組成物からなる群から選択される少なくとも1つの用途に用いられる請求項1〜のいずれかに記載の電気絶縁用樹脂組成物。
  17. プリント基板用プリプレグ、プリント基板用銅張り積層板、プリント配線基板、インターポーザー、ビルドアッププリント基板用層間絶縁材料、半導体の層間絶縁膜、電子部品用封止剤、半導体チップ用封止剤、アンダーフィル樹脂硬化物、レジストインキ硬化物、導電ペースト硬化物、電子部品収納用成形物および異方性導電膜からなる群から選択される少なくとも1つの用途に用いられる請求項10に記載の電子材料用絶縁材料。
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