JP5144341B2 - フルオレン系樹脂組成物 - Google Patents

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本発明は、半導体部品、多層配線基板(多層プリント配線基板、特に、キャパシタ機能を内蔵する多層配線基板など)などに有用なフルオレン系樹脂組成物、この樹脂組成物で形成された成形体(例えば、硬化膜などの膜)に関する。
携帯電話をはじめとする無線通信機器などの電子機器の小型化及び高機能化が検討されている。これまでは、より小型の半導体部品や受動素子部品を採用して対応してきたが、さらなる小型化を図るために、これらの部品を基板に内蔵化する必要がでてきている。インダクタ(L)、キャパシタ(C)、レジスタ(R)のような受動素子内蔵基板を実用化するためには、受動素子を内蔵可能な材料の開発、回路設計技術および検査技術を構築する必要がある。
プリント配線板にキャパシタを設ける方法として、チップコンデンサなどの外部キャパシタをプリント配線板に取り付ける方法の他、高誘電率材料をプリント配線板の内層に用いてプリント配線板自体にキャパシタ機能を持たせる方法がある。電子部品の小型化及び高機能化の観点から、後者の方が望ましい。
また、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂と、高誘電率粒子とを混合した複合材料を内層キャパシタに用いたプリント配線板が知られている。例えば、特開2005−109316号公報(特許文献1)には、二つの隣接するシアノ基を有するジシアノフェニル基を有する化合物及びその誘導体のうち、少なくとも一種を担持する高誘電率無機材料が開示されている。この文献には、前記無機材料と熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂のうち少なくとも一種とで構成された高誘電率コンポジット材料も記載されている。しかし、この方法では、誘電率が低いという問題がある。
この問題点を改善するために、平均粒子径が1μm程度の高誘電率粒子と、数十〜数百ナノメーター程度の高誘電率粒子とを用いて配合し、高誘電率粒子の充填率を高める方法が検討されている。例えば、特開2004−281169号公報(特許文献2)には、金属粒子及び/又は絶縁物で被覆された金属粒子が樹脂に分散されたポリマーコンポジット高誘電率材料であって、該金属粒子の95重量%以上の平均粒径が0.05〜0.5μm(50〜500nm)である高誘電率材料が開示されている。この文献では、例えば、平均粒径が0.9μmのチタン酸バリウムと平均粒径が0.3μmのニッケル金属粒子とをエポキシ樹脂に充填した場合、高い誘電率を示すことが記載されている。しかし、この文献では、金属微粒子の充填量を大きくすると、十分な絶縁信頼性の確保が難しくなる。さらに、樹脂が脆くなったり、分散安定性が低下し、成形性が低下する場合がある。
また、充填材の分散性を向上するため、フルオレン骨格を有する樹脂と充填剤とで構成された樹脂組成物の検討が行われている。例えば、特開2004−339499号公報(特許文献3)には、下記式(1)で表される化合物を構成成分とする樹脂(エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂など)と、添加剤(カーボンファイバーなどの炭素材、カーボンブラックなどの着色剤など)とを含有する組成物が開示されている。
Figure 0005144341
[式中、X及びXは同一又は異なって、ヒドロキシル基、−O(AO)H基(式中、Aは、C2−3アルキレン基を表し、pは1以上の整数を表す)、アミノ基又はN−モノ置換アミノ基を表し、R〜Rは同一又は異なって、非反応性基を表し、m1及びm2は同一又は異なって0又は1〜3の整数、m1+m2=1〜6の整数であり、n1〜n4は同一又は異なって0〜4の整数である。ただし、m1+n1及びm2+n2は、0〜5の整数である。]
この文献には、フルオレン骨格を有する樹脂(式(1)で表される化合物の樹脂)は、添加剤の分散性に優れており、添加剤を高度に分散できると記載されている。なお、この文献には、添加剤として、金属酸化物系充填剤なども記載されているが、具体的な検討はなされていない。また、この文献には、添加剤の割合に関し、化合物(1)の誘導体100重量部に対して1〜500重量部という広い範囲で記載されているが、実施例レベルでの添加剤の濃度は、熱可塑性樹脂としてのポリエステル樹脂に対してせいぜい40重量%程度であり、より高濃度での検討はなされていない。
特開2005−109316号公報(請求項1及び6) 特開2004−281169号公報(請求項1、段落番号[0013]、及び[0015]) 特開2004−339499号公報(請求項1、段落番号[0088]、及び[0153]、実施例)
従って、本発明の目的は、高濃度の高誘電率無機微粒子を効率よく分散でき、高誘電率を発現できる樹脂組成物、この樹脂組成物で形成された成形体(例えば、硬化膜などの膜)を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、フルオレン骨格を有する樹脂と、高誘電率無機微粒子とを組み合わせると、非常に高濃度であっても高誘電率無機微粒子を高い分散性で分散でき、膜(硬化膜など)などを形成した際に、高誘電率を発現できることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明の樹脂組成物は、フルオレン骨格を有する樹脂と、高誘電率無機微粒子とで構成されたフルオレン系樹脂組成物であって、フルオレン骨格を有する樹脂に対する高誘電率無機微粒子の割合(重量比)が、高誘電率無機微粒子/フルオレン骨格を有する樹脂=60/40〜93/7である樹脂組成物である。このような樹脂組成物において、前記フルオレン骨格を有する樹脂に対する前記高誘電率無機微粒子の割合(重量比)は、高誘電率無機微粒子/フルオレン骨格を有する樹脂=65/35〜93/7程度であってもよい。また、前記高誘電率無機微粒子は、チタン含有酸化物系セラミックス(例えば、チタン酸バリウム系セラミックス、チタン酸ストロンチウム系セラミックス、チタン酸鉛系セラミックス、チタン酸カルシウム系セラミックス、チタン酸マグネシウム系セラミックス、二酸化チタン系セラミックス、チタン−バリウム−ネオジム系セラミックス、及びチタン−バリウム−スズ系セラミックスから選択された少なくとも一種)などのセラミックスであってもよい。
また、高誘電率無機微粒子は、表面処理剤(特に、フルオレン骨格を有する樹脂)で表面処理されていてもよい。このような表面処理された高誘電率無機微粒子において、表面処理剤の割合は、例えば、高誘電率無機微粒子100重量部に対して0.5〜20重量部程度であってもよい。
前記フルオレン骨格を有する樹脂は、特にフルオレン骨格を有する熱硬化性樹脂(例えば、エポキシ樹脂など)であってもよい。
代表的な本発明の樹脂組成物には、前記フルオレン骨格を有する樹脂がフルオレン骨格を有するエポキシ系樹脂であり、高誘電率無機微粒子が、フルオレン骨格を有する樹脂に対する高誘電率無機微粒子の割合(重量比)が、高誘電率無機微粒子/フルオレン骨格を有する樹脂=68/38〜93/7程度である樹脂組成物などが含まれる。
本発明には、前記樹脂組成物で形成された成形体も含まれる。このような成形体は、膜(特に硬化膜)であってもよい。
本発明の樹脂組成物では、フルオレン骨格を有する樹脂と高誘電率無機微粒子との組み合わせにより、高濃度の高誘電率無機微粒子を効率よく分散でき、高誘電率を発現できる。
本発明の樹脂組成物は、フルオレン骨格を有する樹脂と、高誘電率無機微粒子とで構成される。
[樹脂組成物]
(フルオレン骨格を有する樹脂)
フルオレン骨格を有する樹脂において、フルオレン骨格としては、フルオレン単位を含んでいる限り特に限定されず、フルオレン骨格、9−フルオレノン骨格などであってもよいが、特に、下記式(A)で表される骨格(9,9−ビスアリールフルオレン骨格)であってもよい。
Figure 0005144341
(式中、環Zは芳香族炭化水素環を示し、RおよびRは同一又は異なる置換基を示し、kは0〜4の整数、mは0以上の整数を示し、k又はmがそれぞれ2以上であるとき、R又はRは、それぞれ、同一の又は異なる基であってもよい。)
上記式(A)において、環Zで表される芳香族炭化水素環としては、ベンゼン環、縮合多環式芳香族炭化水素環(詳細には、少なくともベンゼン環を含む縮合多環式炭化水素環)などが挙げられる。縮合多環式芳香族炭化水素環に対応する縮合多環式芳香族炭化水素としては、縮合二環式炭化水素(例えば、インデン、ナフタレンなどのC8−20縮合二環式炭化水素、好ましくはC10−16縮合二環式炭化水素)、縮合三環式炭化水素(例えば、アントラセン、フェナントレンなど)などの縮合二乃至四環式炭化水素などが挙げられる。好ましい縮合多環式芳香族炭化水素としては、ナフタレン、アントラセンなどが挙げられ、特にナフタレンが好ましい。なお、2つの環Zは同一の又は異なる環であってもよく、通常、同一の環であってもよい。
好ましい環Zには、ベンゼン環およびナフタレン環(特にベンゼン環)が含まれる。なお、環Zが、縮合多環式芳香族炭化水素環である場合、フルオレンの9位に置換する環Zの置換位置は、特に限定されず、例えば、フルオレンの9位に置換するナフチル基は、1−ナフチル基、2−ナフチル基などであってもよい。
また、前記式(A)において、基Rで表される置換基としては、例えば、シアノ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子など)、炭化水素基[例えば、アルキル基、アリール基(フェニル基などのC6−10アリール基)など]などの非反応性置換基が挙げられ、特に、ハロゲン原子、シアノ基又はアルキル基(特にアルキル基)である場合が多い。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基などのC1−6アルキル基(例えば、C1−4アルキル基、特にメチル基)などが例示できる。なお、kが複数(2以上)である場合、基Rは互いに異なっていてもよく、同一であってもよい。また、フルオレン(又はフルオレン骨格)を構成する2つのベンゼン環に置換する基Rは同一であってもよく、異なっていてもよい。また、フルオレンを構成するベンゼン環に対する基Rの結合位置(置換位置)は、特に限定されない。好ましい置換数kは、0〜1、特に0である。なお、フルオレンを構成する2つのベンゼン環において、置換数kは、互いに同一又は異なっていてもよい。
前記式(A)において、基Rで表される置換基しては、通常、非反応性置換基、例えば、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基などのC1−20アルキル基、好ましくはC1−8アルキル基、さらに好ましくはC1−6アルキル基など)、シクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロへキシル基などのC5−10シクロアルキル基、好ましくはC5−8シクロアルキル基、さらに好ましくはC5−6シクロアルキル基など)、アリール基[例えば、フェニル基、アルキルフェニル基(メチルフェニル基(又はトリル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基など)、ジメチルフェニル基(キシリル基)など)、ナフチル基などのC6−10アリール基、好ましくはC6−8アリール基、特にフェニル基など]、アラルキル基(ベンジル基、フェネチル基などのC6−10アリール−C1−4アルキル基など)などの炭化水素基;アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基などのC1−20アルコキシ基、好ましくはC1−8アルコキシ基、さらに好ましくはC1−6アルコキシ基など)、シクロアルコキシ基(シクロへキシルオキシ基などのC5−10シクロアルキルオキシ基など)、アリールオキシ基(フェノキシ基などのC6−10アリールオキシ基)、アラルキルオキシ基(例えば、ベンジルオキシ基などのC6−10アリール−C1−4アルキルオキシ基)などのエーテル基(置換ヒドロキシル基);アルキルチオ基(メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基などのC1−20アルキルチオ基、好ましくはC1−8アルキルチオ基、さらに好ましくはC1−6アルキルチオ基など)、シクロアルキルチオ基(シクロへキシルチオ基などのC5−10シクロアルキルチオ基など)、アリールチオ基(チオフェノキシ基などのC6−10アリールチオ基)、アラルキルチオ基(例えば、ベンジルチオ基などのC6−10アリール−C1−4アルキルチオ基)などのチオエーテル基(置換メルカプト基);アシル基(アセチル基などのC1−6アシル基など);アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル基などのC1−4アルコキシカルボニル基など)などのエステル基(置換カルボキシル基);ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子など);ニトロ基;シアノ基;置換アミノ基(ジアルキルアミノ基など);ヒドロキシル基;ヒドロキシ(ポリ)アルコキシ基(例えば、2−ヒドロキシエトキシ基、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ基などのヒドロキシモノ乃至テトラC2−4アルコキシ基);メルカプト基;メルカプト(ポリ)アルコキシ基(例えば、メルカプトモノ乃至テトラC2−4アルコキシ基);アミノ基;カルボキシル基などが挙げられる。
これらのうち、基Rは、炭化水素基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アリールチオ基、アラルキルチオ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、置換アミノ基であるのが好ましく、特に、好ましい基Rは、アルキル基(例えば、C1−6アルキル基)、アルコキシ基(C1−4アルコキシ基など)、アルキルチオ基(C1−4アルキルチオ基など)、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子など)などである。
なお、同一の環Zにおいて、mが複数(2以上)である場合、基Rは互いに異なっていてもよく、同一であってもよい。また、2つの環Zにおいて、基Rは同一であってもよく、異なっていてもよい。また、好ましい置換数mは、0〜8、好ましくは0〜6(例えば、1〜5)、さらに好ましくは0〜4、特に0〜2(例えば、0〜1)であってもよい。なお、2つの環Zにおいて、置換数mは、互いに同一又は異なっていてもよい。
フルオレン骨格を有する樹脂は、上記のようなフルオレン骨格を有する樹脂であればよく、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれであってもよい。特に、前記式(A)で表される骨格を有する樹脂は、下記式(1)で表される化合物を重合成分とする樹脂であってもよい。
Figure 0005144341
(式中、Eは酸素原子、硫黄原子、イミノ基又はエステル基(−COO−)を示し、Rはアルキレン基を示し、nは0以上の整数を示し、Z、R、R、k、mは前記と同じ。)
上記式(1)において、基Rで表されるアルキレン基としては、例えば、C2−10アルキレン基(例えば、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、ブタン−1,2−ジイル基、ヘキシレン基などのC2−6アルキレン基)などが例示でき、特に、C2−4アルキレン基(特に、エチレン基、プロピレン基などのC2−3アルキレン基)が好ましい。なお、同一の環Zにおいて、Rは、同一の又は異なるアルキレン基であってもよい。通常、Rは同一の環Zにおいて、同一のアルキレン基であってもよい。また、異なる環Zにおいて、Rは同一又は異なっていてもよく、通常同一であってもよい。
オキシアルキレン基(OR)の数(付加モル数)nは、例えば、0〜15程度の範囲から選択でき、例えば、0〜10(例えば、1〜10)、好ましくは0〜6(例えば、1〜6)、さらに好ましくは0〜4(例えば、1〜4)、特に0〜2(例えば、1〜2)であってもよく、通常0〜1(例えば、1)であってもよい。なお、式(1)において、Eがイミノ基(−NH−)又はエステル基である場合、nは、通常、0である場合が多い。
環Zに置換する基−[(OR−E−H]の置換位置は、特に限定されず、例えば、Zがベンゼン環であるとき、フルオレン骨格の9位に置換するフェニル基の2〜6位のいずれであってもよい。特に、フェニル基の4位に基−[(OR−E−H]が置換していてもよい。また、基−[(OR−E−H]の置換数pは、1以上の整数であり、例えば、1〜4、好ましくは1〜3、さらに好ましくは1〜2(例えば、1)であってもよい。なお、異なる環Zにおいて、nは同一又は異なっていてもよい。
代表的な前記式(1)で表される化合物には、9,9−ビス(ヒドロキシアリール)フルオレン類{例えば、9,9−ビス(ヒドロキシフェニル)フルオレン[例えば、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンなど]、9,9−ビス(アルキル−ヒドロキシフェニル)フルオレン[例えば、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(モノ又はジC1−4アルキル−ヒドロキシフェニル)フルオレン]、9,9−ビス(アリール−ヒドロキシフェニル)フルオレン[例えば、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−フェニルフェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(モノ又はジC6−10アリール−ヒドロキシフェニル)フルオレン]、9,9−ビス(ジ乃至テトラヒドロキシフェニル)フルオレン[例えば、9,9−ビス(3,4−ジヒドロキシフェニル)フルオレンなど]などの9,9−ビス(ヒドロキシフェニル)フルオレン類;9,9−ビス(ヒドロキシナフチル)フルオレン(例えば、9,9−ビス(6−ヒドロキシ−2−ナフチル)フルオレン)などの9,9−ビス(ヒドロキシナフチル)フルオレン類など}、9,9−ビス(ヒドロキシ(ポリ)アルコキシアリール)フルオレン類{9,9−ビス(ヒドロキシアリール)フルオレン類に対応しnが1以上である化合物、例えば、例えば、9,9−ビス(ヒドロキシC2−4アルコキシフェニル)フルオレン[例えば、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレンなど]、9,9−ビス(C1−4アルキル−ヒドロキシC2−4アルコキシフェニル)フルオレン[例えば、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−メチルフェニル)フルオレンなど]、9,9−ビス(ヒドロキシジ乃至テトラC2−4アルコキシフェニル)フルオレン[例えば、9,9−ビス{4−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]フェニル}フルオレンなど]などの9,9−ビス(ヒドロキシ(ポリ)アルコキシフェニル)フルオレン類;9,9−ビス(ヒドロキシC2−4アルコキシナフチル)フルオレン(例えば、9,9−ビス[6−(2−ヒドロキシエトキシ)−2−ナフチル]フルオレン)などの9,9−ビス(ヒドロキシ(ポリ)アルコキシナフチル)フルオレン類など}などの前記式(1)においてEが酸素原子である化合物;これらの前記式(1)においてEが酸素原子である化合物に対応し、Eが硫黄原子に置換した化合物、例えば、9,9−ビス(メルカプトアリール)フルオレン類{例えば、9,9−ビス(メルカプトフェニル)フルオレン[例えば、9,9−ビス(4−メルカプトフェニル)フルオレンなど]などの9,9−ビス(メルカプトフェニル)フルオレン類}、9,9−ビス(メルカプト(ポリ)アルコキシアリール)フルオレン類{例えば、9,9−ビス(メルカプトC2−4アルコキシフェニル)フルオレン[例えば、9,9−ビス[4−(2−メルカプトエトキシ)フェニル]フルオレンなど]などの9,9−ビス(メルカプト(ポリ)アルコキシフェニル)フルオレン類}などの前記式(1)においてEが硫黄原子である化合物;前記式(1)においてEが酸素原子である化合物に対応し、Eがイミノ基に置換した化合物、例えば、9,9−ビス(アミノアリール)フルオレン類{例えば、9,9−ビス(アミノフェニル)フルオレン[例えば、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレンなど]などの9,9−ビス(アミノフェニル)フルオレン類}などの前記式(1)においてEがイミノ基である化合物;前記式(1)においてEが酸素原子である化合物に対応し、Eがエステル基に置換した化合物、例えば、9,9−ビス(カルボキシアリール)フルオレン類{例えば、9,9−ビス(カルボキシフェニル)フルオレン[例えば、9,9−ビス(4−カルボキシフェニル)フルオレンなど]などの9,9−ビス(カルボキシフェニル)フルオレン類}などの前記式(1)においてEがエステル基である化合物などが挙げられる。
フルオレン骨格を有する樹脂のうち、前記式(1)で表される化合物を重合成分とする樹脂としては、その官能基の種類に応じて選択できる。すなわち、前記式(1)で表される化合物は、複数のヒドロキシル基、メルカプト基又はアミノ基を有しているため、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂のポリオール成分、ポリチオール成分、ポリアミン成分、ポリカルボン酸成分などとして用いることができる。詳細には、前記式(1)で表される化合物を重合成分とする樹脂は、ポリオール成分、ポリチオール成分又はポリアミン成分を重合成分とする樹脂において、前記ポリオール成分、ポリチオール成分又はポリアミン成分の一部又は全部が前記式(1)で表される化合物で構成された樹脂である。
このような樹脂としては、前記式(1)で表される化合物の官能基(ヒドロキシル基、メルカプト基)の種類に応じて選択でき、種々の熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂(又は光硬化性樹脂)が挙げられる。ポリオール成分(例えば、ジオール成分)を重合成分とする樹脂としては、熱可塑性樹脂[ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエーテル系樹脂(ポリエーテルエーテルケトンなど)など]、熱硬化性樹脂{例えば、不飽和ポリエステル系樹脂、熱硬化性ポリウレタン系樹脂、エポキシ樹脂(ポリグリシジルエーテルなど)、ビニルエステル系樹脂、フェノール樹脂、アクリル系樹脂[例えば、ポリオールポリ(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートなど]など}などが挙げられる。
ポリチオール成分(例えば、ジチオール成分)を重合成分とする樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂[ポリチオエステル系樹脂、ポリチオカーボネート系樹脂、ポリチオウレタン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリチオエーテル系樹脂など]、熱硬化性樹脂(例えば、熱硬化性ポリチオウレタン系樹脂、チオエポキシ樹脂、ポリチオールポリ(メタ)アクリレートなど]などが挙げられる。
また、ポリアミン成分(例えば、ジアミン成分)を重合成分とする樹脂としては、例えば、例えば、熱可塑性樹脂(ポリアミド系樹脂、熱可塑性ポリイミド系樹脂など)、熱硬化性樹脂(ポリイミド系樹脂、アニリン樹脂など)などが挙げられる。
さらに、ポリカルボン酸成分(例えば、ジカルボン酸成分)を重合成分とする樹脂としては、例えば、例えば、熱可塑性樹脂(ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂など)、熱硬化性樹脂(不飽和ポリエステル系樹脂など)などが挙げられる。
これらのうち、硬化膜などを形成するためには、フルオレン骨格を有するエポキシ樹脂(エポキシ化合物)、フルオレン骨格を有するアクリル系樹脂などのフルオレン骨格を有する熱硬化性樹脂(又は光硬化性樹脂)が好ましく、特にエポキシ樹脂が好ましい。
以下に、エポキシ樹脂について詳述する。
フルオレン骨格(特に、9,9−ビスアリールフルオレン骨格)を有するエポキシ樹脂(エポキシ化合物)としては、例えば、下記式(2)で表される化合物又はその多量体(例えば、2〜6量体、好ましくは2〜4量体、さらに好ましくは2〜3量体)などが挙げられる。
Figure 0005144341
(式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Z、R、R、R、k、m、およびnは前記と同じ。)
代表的なフルオレン骨格を有するエポキシ樹脂(又は前記式(2)で表される化合物)としては、9,9−ビス(グリシジルオキシアリール)フルオレン類{例えば、9,9−ビス(グリシジルオキシフェニル)フルオレン[例えば、9,9−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)フルオレンなど]、9,9−ビス(アルキル−グリシジルオキシフェニル)フルオレン[例えば、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3,5−ジメチルフェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(モノ又はジC1−4アルキル−グリシジルオキシフェニル)フルオレン]、9,9−ビス(アリール−グリシジルオキシフェニル)フルオレン[例えば、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3−フェニルフェニル)フルオレンなどの9,9−ビス(モノ又はジC6−10アリール−グリシジルオキシフェニル)フルオレン]、9,9−ビス(ジ乃至テトラグリシジルオキシフェニル)フルオレン[例えば、9,9−ビス(3,4−ジグリシジルオキシフェニル)フルオレンなど]などの9,9−ビス(グリシジルオキシフェニル)フルオレン類;9,9−ビス(グリシジルオキシナフチル)フルオレン(例えば、9,9−ビス(6−グリシジルオキシ−2−ナフチル)フルオレン)などの9,9−ビス(グリシジルオキシナフチル)フルオレン類など}、9,9−ビス(ヒドロキシ(ポリ)アルコキシアリール)フルオレン類{9,9−ビス(グリシジルオキシアリール)フルオレン類に対応しnが1以上である化合物、例えば、例えば、9,9−ビス(グリシジルオキシC2−4アルコキシフェニル)フルオレン[例えば、9,9−ビス[4−(2−グリシジルオキシエトキシ)フェニル]フルオレンなど]、9,9−ビス(C1−4アルキル−グリシジルオキシC2−4アルコキシフェニル)フルオレン[例えば、9,9−ビス(4−(2−グリシジルオキシエトキシ)−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−グリシジルオキシエトキシ)−3,5−ジメチルフェニル)フルオレンなど]、9,9−ビス(グリシジルオキシジ乃至テトラC2−4アルコキシフェニル)フルオレン[例えば、9,9−ビス{4−[2−(2−グリシジルオキシエトキシ)エトキシ]フェニル}フルオレンなど]などの9,9−ビス(グリシジルオキシ(ポリ)アルコキシフェニル)フルオレン類;9,9−ビス(グリシジルオキシC2−4アルコキシナフチル)フルオレン(例えば、9,9−ビス[6−(2−グリシジルオキシエトキシ)−2−ナフチル]フルオレン)などの9,9−ビス(グリシジルオキシ(ポリ)アルコキシナフチル)フルオレン類など}などが挙げられる。
なお、前記式(2)で表される化合物は、市販品を利用してもよく、慣用の方法(例えば、前記式(1)においてEが酸素原子である化合物と、エピクロロヒドリンなどとを反応させる方法など)により製造してもよい。
(高誘電率無機微粒子)
高誘電率無機微粒子(高誘電率無機フィラー)は、通常、セラミックスである場合が多い。セラミックスは、通常、金属で構成される。前記金属としては、アルカリ土類金属(Ba、Mg、Ca、Srなど)、遷移金属(Sc、ランタノイド(Ndなど)などの周期表第3族金属;Ti、Zrなどの周期表第4族金属;Vなどの周期表第5族金属;Crなどの周期表第6族金属;Mnなどの周期表第7族金属;Fe、Ruなどの周期表第8族金属;Co、Rhなどの周期表第9族金属;Ni、Pd、Ptなどの周期表第10族金属;Cu、Ag、Auなどの周期表第11族金属;Znなどの周期表第12族金属など)、周期表第13族金属(Alなど)、周期表第14族金属(Sn、Pbなど)などが挙げられる。前記セラミックスは、前記金属を単独で又は二種以上組み合わせて含有していてもよい。前記セラミックスは、アルカリ土類金属(Ba、Mg、Ca、Srなど)、遷移金属[ランタノイド(Ndなど)などの周期表第3族金属;Tiなどの周期表第4族金属など]、周期表第14族金属(Sn、Pbなど)などを含有している場合が多く、特に、Tiなどの周期表第4族金属を含有している場合が多い。
代表的な高誘電率無機微粒子としては、例えば、酸化物系セラミックス{アルミナ(Al)、ジルコニア(ZrO)、マグネシア(MgO)、ベリリア(BeO)、チタン含有酸化物系セラミックス[チタン酸バリウム系セラミックス(BaTiOなど)、チタン酸ストロンチウム系セラミックス(SrTiOなど)、チタン酸鉛系セラミックス(PbTiOなど)、チタン酸カルシウム系セラミックス(CaTiOなど)、チタン酸マグネシウム系セラミックス(MgTiOなど)、二酸化チタン系セラミックス(TiOなど)、チタン−バリウム−ネオジム系セラミックス(BaO−Nd−TiOなど)、チタン−バリウム−スズ系セラミックス(BaO−SnO−TiOなど)など]など}、非酸化物系セラミックス[窒化ケイ素(Si)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化チタン(TiN)、炭化ケイ素(SiC)、炭化ホウ素(BC)など]などのセラミックスなどが挙げられる。これらの高誘電率無機微粒子は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
これらの高誘電率無機微粒子のうち、チタン含有酸化物系セラミックス(チタン酸バリウム系セラミックス、チタン酸ストロンチウム系セラミックス、チタン酸鉛系セラミックス、チタン酸カルシウム系セラミックス、チタン酸マグネシウム系セラミックス、二酸化チタン系セラミックス、チタン−バリウム−ネオジム系セラミックス、チタン−バリウム−スズ系セラミックスなど)などが好ましい。
高誘電率無機微粒子は、表面処理剤により表面処理(表面改質処理)されていてもよい。表面処理により、フルオレン骨格を有する樹脂に対する分散性をより向上できる。表面処理剤としては、分散性を向上できる限り特に限定されず、カップリング剤(例えば、アルコキシシラン類などのシランカップリング剤など)などであってもよいが、特に、マトリックスとしてのフルオレン骨格を有する樹脂と同一又は同系統の成分であるのが好ましい。このような表面処理剤としては、フルオレン骨格を有する成分、例えば、前記式(1)で表される化合物、前記式(1)で表される化合物を重合成分とする樹脂などが挙げられる。特に、表面処理剤は、フルオレン骨格を有する樹脂(特に、マトリックスと同一のフルオレン骨格を有する樹脂)であってもよい。例えば、マトリックスとしてのフルオレン骨格を有する樹脂をフルオレン骨格を有するエポキシ樹脂(前記式(2)で表される化合物又はその多量体)で構成する場合、表面処理剤もフルオレン骨格を有するエポキシ樹脂で構成してもよい。なお、表面処理としては、後述の方法などにより行うことができる。
表面処理する場合、表面処理剤の割合は、高誘電率無機微粒子100重量部に対して、例えば、0.5〜20重量部(例えば、0.5〜15重量部)、好ましくは1〜15重量部(例えば、1〜12重量部)、さらに好ましくは1〜10重量部(例えば、1〜8重量部)程度であってもよい。
高誘電率無機微粒子の平均粒径(表面処理されている場合には表面処理前の平均粒径)は、例えば、10nm以上(例えば、10〜200nm)、好ましくは20〜150nm、さらに好ましくは30〜100nm程度であってもよい。
高誘電率無機微粒子の常温(例えば、25℃)における比誘電率(εr)は、例えば、100〜4000、好ましくは300〜3000、さらに好ましくは500〜2000程度であってもよい。
本発明では、フルオレン骨格を有する樹脂と高誘電率無機微粒子とを組み合わせるとともに、高誘電率無機微粒子を高濃度で含有させる。すなわち、フルオレン骨格を有する樹脂に対する高誘電率無機微粒子の割合(重量比)は、高誘電率無機微粒子/フルオレン骨格を有する樹脂=60/40〜93/7(例えば、62/38〜93/7)の範囲から選択でき、例えば、62/38〜93/7(例えば、65/35〜93/7)、さらに好ましくは66/34〜91/9(例えば、67/33〜90/10)程度であってもよく、通常65/35〜88/12(例えば、66/34〜86/14、好ましくは67/33〜85/15、さらに好ましくは68/32〜83/17)程度であってもよい。
なお、前記樹脂組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、樹脂成分としてフルオレン骨格を有する樹脂以外の他の樹脂を含んでいてもよい。他の樹脂としては、前記フルオレン骨格を有する樹脂に対応するフルオレン骨格を有していない樹脂、例えば、オレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、非晶質ポリオレフィンなど)、ビニル系樹脂(ポリ塩化ビニル、ポリメタクリル酸メチルなどのアクリル系樹脂、ポリスチレンやアクリロニトリル−スチレン樹脂などのスチレン系樹脂など)、ポリカーボネート系樹脂(ビスフェノールA型ポリカーボネートなど)、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリアルキレンアリレート、ポリアリレート、液晶ポリエステルなど)、ポリアセタール系樹脂、ポリアミド系樹脂(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン6T、ナイロンMXDなど)、ポリフェニレンエーテル系樹脂(変性ポリフェニレンエーテルなど)、ポリスルホン系樹脂(ポリスルホン、ポリエーテルスルホンなど)、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリアミノビスマレイミド、ビスマレイミドトリアジン樹脂、熱可塑性エラストマー、フッ化樹脂などが挙げられる。熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、フラン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、エポキシ樹脂、ウレタン系樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド系樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ビニルエステル樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
前記フルオレン骨格を有する樹脂と他の樹脂との割合(重量比)は、例えば、フルオレン骨格を有する樹脂/他の樹脂=99/1〜50/50、好ましくは98/2〜60/40、さらに好ましくは97/3〜80/20程度であってもよい。
本発明の樹脂組成物は、マトリックス樹脂の種類に応じて、硬化剤、重合開始剤、希釈剤などを含んでいてもよい。例えば、フルオレン骨格を有する樹脂が熱硬化性樹脂である場合、前記樹脂組成物は、硬化剤(硬化促進剤又は硬化触媒)を含んでいてもよい。硬化剤としては、特に制限されず、熱硬化性樹脂の種類などに応じて適宜選択できる。
硬化剤としては、例えば、第1級アミン{例えば、鎖状脂肪族ポリアミン(エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなど)などの鎖状脂肪族アミン、環状脂肪族アミン[メンセンジアミン、イソホロンジアミン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロへキシル)メタン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンなどの単環式脂肪族ポリアミン、ノルボルナンジアミンなどの架橋環式ポリアミンなど]、芳香脂肪族ポリアミン(キシリレンジアミンなど)、芳香族アミン(メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタンなど)、ポリアミノアミド系硬化剤など}など}、第3級アミン[トリエチルアミン、ベンジルメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−1など]などのアミン系硬化剤;イミダゾール類(2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾールなどのアルキルイミダゾール;2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾールなどのアリールイミダゾールなど)及びその誘導体(フェノール塩、フェノールノボラック塩、炭酸塩、ギ酸塩などの有機又は無機酸塩);酸無水物系硬化剤[脂肪族系酸無水物(ドデセニル無水フタル酸、ポリアジピン酸無水物など)、脂環族系酸無水物(テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水メチルハイミック酸、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物など)など];アルカリ金属又はアルカリ土類金属アルコキシド、ホスフィン類(トリフェニルホスフィンなど)、アミド化合物(ダイマー酸ポリアミドなど)、ルイス酸錯体化合物(3フッ化ホウ素・エチルアミン錯体など)、硫黄化合物[ポリサルファイド、メルカプタン化合物(チオール化合物)、芳香族スルホニウム塩などのスルホニウム塩など]、ホウ素化合物(フェニルジクロロボランなど)、縮合性有機金属化合物(有機チタン化合物、有機アルミニウム化合物など);フェノール樹脂系硬化剤(フェノールノボラック、クレゾールノボラックなどのノボラック樹脂など)などが挙げられる。これらの硬化剤は、フルオレン骨格を有する樹脂としてエポキシ樹脂を使用する場合などにおいて有効である。
これらの硬化剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用してもよい。
硬化剤の割合(添加量)は、フルオレン骨格を有する樹脂100重量部に対して、0.01〜40重量部、好ましくは0.05〜30重量部、さらに好ましくは0.1〜20重量部程度であってもよい。
なお、前記樹脂組成物は、高誘電率を維持できる限り、必要に応じて、添加剤、例えば、充填剤(フィラー)又は補強剤、着色剤(染顔料)、難燃剤、可塑剤、滑剤、安定剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤など)、離型剤、帯電防止剤、界面活性剤、分散剤、流動調整剤、レベリング剤、消泡剤、表面改質剤、低応力化剤(シリコーンオイル、シリコーンゴム、各種プラスチック粉末、各種エンジニアリングプラスチック粉末など)、耐熱性改良剤などを含んでいてもよい。これらの添加剤は、単独で又は二種以上組み合わせてもよい。
前記樹脂組成物は、マスターバッチなどの形態であってもよく、コーティング組成物、塗布液などの形態であってもよい。このような形態において、前記樹脂組成物は、溶媒を含んでいなくてもよく、含んでいてもよい。また、溶媒を含む樹脂組成物(塗布液)は、溶液又は分散液であってもよい。代表的には、溶媒を含む樹脂組成物は、前記フルオレン骨格を有する樹脂が溶解した溶液に、前記高誘電率無機微粒子が分散した分散液であってもよい。
溶媒を含む樹脂組成物において、溶媒は、特に限定されず、フルオレン骨格を有する樹脂の種類などに応じて、慣用の溶媒、例えば、炭化水素類(ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサンなどの脂肪族又は脂環族炭化水素類、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類など)、ハロゲン系溶媒(ジクロロメタン、モノクロロベンゼンなど)、アルコール類(エタノール、イソプロパノールなどのアルカノール類など)、ジオール類(エチレングリコールなどのアルカンジオール類、ジエチレングリコール、ポリオキシエチレングリコールなど)、エーテル類(ジエチルエーテルなどの鎖状エーテル類、テトラヒドロフランなどの環状エーテル類など)、エステル類(酢酸エチルなどの酢酸エステル類など)、ケトン類(アセトン、エチルメチルケトン、シクロヘキサノン、ジメチルアセトアミドなど)、グリコールエーテルエステル類(エチレングリコールモノメチルエーテルアセテートなど)、セロソルブ類、カルビトール類などが挙げられる。これらの溶媒は、単独で又は二種以上組み合わせて用いてもよい。
溶媒の割合は、塗布性を損なわない範囲であればよく、前記組成物の固形分[フルオレン骨格を有する樹脂(及び、必要により他の樹脂、硬化剤、添加剤などの合計量)]1重量部に対して、溶媒0.1〜50重量部、好ましくは0.2〜30重量部、さらに好ましくは0.3〜20重量部(特に、0.4〜10重量部)程度であってもよい。
前記フルオレン骨格を有する樹脂と高誘電率無機微粒子とで構成された樹脂組成物で成形体を形成できる。成形体は、組成物の形態(樹脂ペレット、コーティング組成物など)に応じて、公知の成形方法、例えば、射出成形法、射出圧縮成形法、押出成形法、トランスファー成形法、ブロー成形法、加圧成形法、塗布法(スピンコーティング法、ロールコーティング法、カーテンコーティング法、ディップコーティング法、キャスティング成形法など)などによって得ることができる。なお、成形体の形状としては、二次元的構造(フィルム、シート、塗膜(又は薄膜)、板など)、三次元的構造(例えば、管、棒、チューブ、レザー、中空品など)などが挙げられる。
特に、成形体は膜であってもよい。そして、このような膜は、前記フルオレン骨格を有する樹脂として熱硬化性樹脂を使用した樹脂組成物を用いた硬化膜であってもよい。すなわち、前記膜は、前記フルオレン骨格を有する熱硬化性樹脂と高誘電率無機微粒子と硬化剤とで構成された樹脂組成物(以下、熱硬化性樹脂組成物と記載する場合がある)で形成された硬化膜であってもよい。
膜(特に硬化膜)の厚みは、用途に応じて適宜選択でき、特に限定されないが、例えば、0.01μm〜10mm(例えば、0.05μm〜5mm)、好ましくは0.05μm〜1mm(例えば、0.1〜500μm)、さらに好ましくは0.2〜100μm(例えば、0.3〜50μm)、特に0.4〜30μm(例えば、0.4〜20μm)程度であってもよく、通常0.1〜20μm(例えば、0.2〜10μm)程度であってもよい。特に、本発明では、塗膜が比較的小さい厚み[例えば、厚み7μm以下(例えば、0.1〜6μm)、好ましくは5μm以下(例えば、0.2〜4μm)、さらに好ましくは0.3〜3μm程度]であっても、高い誘電率を有している。
膜(特に硬化膜)の比誘電率(εr)は、周波数10kHzにおいて、20〜50、好ましくは23〜45、さらに好ましくは25〜40程度であってもよい。また、前記塗膜の誘電正接(tanδ)は、周波数10kHzにおいて、0.02以下(例えば、0.01〜0.02)、好ましくは0.013〜0.019、さらに好ましくは0.015〜0.019程度であってもよい。前記塗布膜の静電容量(Cs)は、0.3〜0.8nF/mm、好ましくは0.35〜0.75nF/mm、さらに好ましくは0.4〜0.7nF/mm程度であってもよい。
[膜の製造方法]
膜は、前記フルオレン骨格を有する樹脂(フルオレン骨格を有するエポキシ樹脂など)と高誘電率無機微粒子と、必要に応じて他の成分[例えば、硬化剤、溶媒など]とで構成された樹脂組成物を基板に塗布することにより製造できる。特に、硬化膜では、塗布後、さらに硬化処理することにより、製造してもよい。
なお、前記高誘電率無機微粒子を表面改質処理する場合、表面改質処理方法としては、例えば、表面処理剤(例えば、前記フルオレン骨格を有するエポキシ樹脂などのフルオレン骨格を有する樹脂)および高誘電率無機微粒子を、溶媒成分に溶解又は分散させ、溶媒成分の一部又は全部を除去する方法などが挙げられる。通常、表面処理剤が溶媒成分に溶解した溶液に、高誘電率微粒子が分散した分散系から、溶媒成分を除去することにより表面処理してよい。
分散方法としては、組成物の形態に応じて適宜選択でき、例えば、リボンブレンダ、タンブルミキサ、ヘンシエルミキサ、アトライター、ボールミル、ビーズミル、ロールミル、ジェットミル(湿式ジェットミルなど)、遊星ミル、ペイントシェーカーなどの混合機又は分散機を用いる方法や、オープンローラ、ニーダ、バンバリーミキサ、押出機などの混練機による混合手段などを用いた溶融混練による方法などが利用できる。また、溶媒を含む樹脂組成物では、混合機又は分散機の種類によっては、分散メディア、例えば、ビーズを使用してもよく、界面活性剤などを用いて分散させてもよい。これらの混合方法は、単独で又は二種以上組み合わせてもよい。
そして、前記樹脂組成物は、前記フルオレン骨格を有する樹脂と高誘電率無機微粒子と(必要により他の成分(溶媒など)と)を混合することにより製造又は調製できる。
混合方法としては、前記高誘電率無機微粒子の表面改質処理の項で例示の分散方法などが挙げられる。
なお、前記混合方法に先立って、予備分散処理を行ってもよい。前記予備分散処理には、例えば、慣用の均質化装置(超音波ホモジナイザー、高圧ホモジナイザーなど)が使用できる。
前記基板としては、用途に応じて選択でき、金属(アルミニウム、銅、マグネシウムなど)、非透明性プラスチック(シリコンウェーハーなどのケイ素系樹脂など)などの非透明基板;透明基板(例えば、ガラス、セラミックスなど)などが使用できる。
前記樹脂組成物を前記基板に塗布する方法としては、スピンコーティング法、スプレーコーティング法、キャスト法、バーコーティング法、ロールコーティング法、グラビアコーティング法、ディッピング法などが挙げられる。
なお、硬化処理する場合、硬化処理としては、例えば、加熱処理などが挙げられる。加熱処理における加熱温度は、50〜500℃、好ましくは60〜450℃、さらに好ましくは90〜400℃程度であってもよい。なお、加熱処理における加熱時間は、1分間〜48時間、好ましくは3分間〜24時間、さらに好ましくは5分間〜18時間程度であってもよい。加熱処理は、複数の工程に分割して行ってもよく、昇温工程、恒温工程(又は一定温度に保持する工程)、降温工程などを組み合わせて行ってもよい。昇温及び降温の速度は特に制限されないが、0.1℃/分〜50℃/秒、好ましくは10℃/分〜40℃/秒、さらに好ましくは20℃/分〜30℃/秒程度であってもよい。
なお、前記硬化処理に先立って、乾燥処理を行ってもよい。乾燥処理は、自然乾燥でもよいが、必要により、乾燥機(熱風乾燥機など)などを使用して乾燥してもよい。加熱乾燥する場合の温度は、用いる溶媒の種類に応じて適宜選択でき、例えば、50〜120℃、好ましくは60〜100℃程度であってもよい。乾燥時間は、例えば、2秒〜30分、好ましくは10秒〜20分、さらに好ましくは30秒〜10分程度であってもよい。乾燥処理は、常圧下、加圧下、減圧下などで行ってもよい。
本発明の樹脂組成物は、半導体部品、受動素子部品(インダクタ、キャパシタ、レジスタなど)、多層配線基板(多層プリント配線基板、特に、キャパシタ機能を内蔵する多層配線基板など)、インターポーザ用基板などに利用できる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
実施例及び比較例で用いた樹脂(エポキシ樹脂)、高誘電率無機微粒子、及び硬化剤を下記に示す。
(樹脂)
フルオレン骨格を有するエポキシ樹脂:9,9−ビス[4−(2−グリシジルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン(BPEFG)、大阪ガスケミカル(株)製、「ビスフェノキシエタノールグリシジルエーテル」(下記式で表される化合物)、分子量550.6、軟化点50℃、エポキシ当量305
Figure 0005144341
ビスフェノールA型エポキシ樹脂:ジャパンエポキシレジン(株)製、エピコート828、分子量370、エポキシ当量190
(高誘電率無機微粒子)
チタン酸バリウム粒子:戸田工業(株)製、BTO30、平均粒径30nm、BET比表面積31m/g
(硬化剤)
硬化剤a:3又は4−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸 日立化成工業(株)製、HN−2200、分子量166、エポキシ当量153
硬化剤b:2−エチル−4−メチルイミダゾール、四国化成工業(株)製、2E4MZ。
(表面改質処理工程)
チタン酸バリウム粒子54.9重量部に対して、エポキシ樹脂(フルオレン骨格を有するエポキシ樹脂又はビスフェノールA型エポキシ樹脂)4.0重量部、ジメチルアセトアミド(DMAC)19.2重量部、及びアセトン21.9重量部を調合し、Φ3mmのジルコニアボールとともにプラスチック製容器に添加し、遊星ミル(フリッチュ・ジャパン(株)製)を用いて60分間、解砕混合処理を行った。その後、加熱真空脱気処理(140℃で1分間を3回)を行い、アセトンを除去し、分散液の形態で、表面被覆されたチタン酸バリウム粒子1および2を得た。加熱真空脱気処理後のチタン酸バリウム粒子1および2の組成を表1に示す。
Figure 0005144341

(分散処理工程)
表面被覆チタン酸バリウム粒子1又は2、エポキシ樹脂(フルオレン骨格を有するエポキシ樹脂又はビスフェノールA型エポキシ樹脂)、硬化剤a、硬化剤b、DMAC、及びアセトンを調合し、超音波ホモジナイザー((株)日本精機製作所製)で1分間予備分散処理を行った。その後、湿式ジェットミル((株)ジーナス製)を用いて分散処理を行い、表2に示す重量割合で各成分を含む各種コーティング用分散液1〜10を得た。上記調合において、フルオレン骨格を有するエポキシ樹脂は、フルオレン骨格を有するエポキシ樹脂を68重量部、硬化剤aを31重量部、硬化剤bを1重量部の割合で含むマスター液の形態で使用した。また、調合において、ビスフェノールA型エポキシ樹脂は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を57重量部、硬化剤aを42重量部、硬化剤bを1重量部の割合で含むマスター液の形態で使用した。なお、表2において、分散液9および10では、チタン酸バリウム粒子1および2のいずれも使用していない。
Figure 0005144341
(実施例1〜3および比較例1〜7)
得られたコーティング用分散液1〜10をそれぞれ2000rpmの回転数でスピンコート法によりシリコンウェーハー(鏡面側)に塗布し、オーブン中で、100℃1時間の硬化処理を行った後、20℃/分の昇温速度で100℃から180℃に昇温し、180℃4時間の硬化処理を行い、厚み5μmの硬化膜を得た。そして、得られた硬化膜を用いて、表面粗さを以下の方法により評価した。
(表面粗さ)
硬化膜の表面粗さ(最大表面粗さRmax)は、レーザー顕微鏡((株)キーエンス製、VK−9500)により測定した。
また、コーティング用分散液1〜10をそれぞれ2000rpmの回転数でスピンコート法によりアルミニウム板に塗布し、オーブン中で、100℃1時間の硬化処理を行った後、20℃/分の昇温速度で100℃から180℃に昇温し、180℃4時間の硬化処理を行い、厚み5μmの硬化膜を得た。そして、得られた硬化膜を用いて、誘電特性を以下の方法により評価した。
(誘電特性)
縦3mm×横4mmの穴が空いたメタルマスクを用いて、硬化膜に金(Au)の真空蒸着を行い、誘電率測定用のデバイスを得た。そして、ケミカルインピーダンス計(日置電機(株)製)を用いて、周波数10kHzの比誘電率、誘電正接、及び膜厚0.5μmに換算したときの静電容量を測定した。
結果を表3に示す。
Figure 0005144341
また、図1に、チタン酸バリウム粒子およびエポキシ樹脂の総量に対するチタン酸バリウム粒子の割合(重量%)と、最大表面粗さとの関係を示すグラフを示し、図2に、チタン酸バリウム粒子およびエポキシ樹脂の総量に対するチタン酸バリウム粒子の割合(重量%)と、表面粗さ比誘電率との関係を示すグラフを示す。
これらの結果から明らかなように、実施例では、表面粗さが低い。このことから、フルオレン骨格を有するエポキシ樹脂は、チタン酸バリウム粒子を多量に添加しても、均一に分散できることがわかる。このような多量の領域では、空隙の増加を抑えることができるようである。そして、このようなチタン酸バリウム粒子を多量に添加することにより、著しく誘電率や静電容量が上昇し、比較例に比べて大きく異なる傾向を示した。
図1は、チタン酸バリウム粒子およびエポキシ樹脂の総量に対するチタン酸バリウム粒子の割合(重量%)と、最大表面粗さとの関係を示すグラフである。 図2は、チタン酸バリウム粒子およびエポキシ樹脂の総量に対するチタン酸バリウム粒子の割合(重量%)と、比誘電率との関係を示すグラフである。

Claims (8)

  1. フルオレン骨格を有する樹脂と、高誘電率無機微粒子とで構成されたフルオレン系樹脂組成物であって、フルオレン骨格を有する樹脂が、下記式(2)で表される化合物又はその2〜6量体であり、高誘電率無機微粒子が、フルオレン骨格を有する樹脂で表面処理された、チタン又はジルコニウムを含有する酸化物系セラミックスであり、フルオレン骨格を有する樹脂に対する高誘電率無機微粒子の割合(重量比)が、高誘電率無機微粒子/フルオレン骨格を有する樹脂=60/40〜93/7であるフルオレン系樹脂組成物。
    Figure 0005144341
    (式中、環Zは芳香族炭化水素環を示し、RおよびRは同一又は異なる置換基を示し、RはC2−6アルキレン基を示し、Rは水素原子又はメチル基を示し、kは0〜4の整数、mは0以上の整数、nは0〜10の整数、pは1以上の整数を示し、k又はmがそれぞれ2以上であるとき、R又はRは、それぞれ、同一の又は異なる基であってもよい。)
  2. フルオレン骨格を有する樹脂に対する高誘電率無機微粒子の割合(重量比)が、高誘電率無機微粒子/フルオレン骨格を有する樹脂=65/35〜93/7である請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 高誘電率無機微粒子がチタン含有酸化物系セラミックスである請求項1又は2記載の樹脂組成物。
  4. 高誘電率無機微粒子が、チタン酸バリウム系セラミックス、チタン酸ストロンチウム系セラミックス、チタン酸鉛系セラミックス、チタン酸カルシウム系セラミックス、チタン酸マグネシウム系セラミックス、二酸化チタン系セラミックス、チタン−バリウム−ネオジム系セラミックス、及びチタン−バリウム−スズ系セラミックスから選択された少なくとも一種である請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物。
  5. 表面処理剤の割合が、高誘電率無機微粒子100重量部に対して0.5〜20重量部である請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物。
  6. 高誘電率無機微粒子がフルオレン骨格を有するエポキシ樹脂で表面処理されており、フルオレン骨格を有する樹脂に対する高誘電率無機微粒子の割合(重量比)が、高誘電率無機微粒子/フルオレン骨格を有する樹脂=68/38〜93/7である請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂組成物で形成された成形体。
  8. 膜である請求項7記載の成形体。
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