JP2017165843A - ポリシラン及びその中間体並びにこれらの製造方法 - Google Patents
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Description
ポリシラン中間体は、屈折率を高めるとともに、ネットワーク構造を形成してシラノール基濃度を高めるため、少なくとも下記式(1)で表されるシラン単位(モノアリールシラン単位(1))を含む。なお、ネットワーク構造を有する重合体とは、ポリマー構造が網目状又は分岐鎖状(特に網目構造)である重合体を意味する。
ポリシラン中間体は、少なくとも一部の末端基が、下記式(2)で表される保護基で保護されている。
本発明では、非プロトン性溶媒中で、少なくとも金属マグネシウム成分の存在下、ハロシランを重合させ(重合工程)、この重合体の末端基を特定の有機リン化合物で保護させ(保護工程)、ポリシラン中間体を製造する。さらに前記ポリシラン中間体の保護基を脱保護してポリシランを製造できる。本発明の製造方法では、市販品から入手可能なハロシランを重合させ、生成した重合体を有機リン化合物と反応させればよく、原料からポリシラン中間体の製造に至る工程数が短縮されるため、簡便な方法でポリシラン中間体及びポリシランを製造できる。
(ハロシラン)
前記ハロシランは、少なくとも下記式(1a)で表されるアリールトリハロシラン(アリールトリハロシラン(1a))を含む。
金属マグネシウム成分(マグネシウム成分)は、活性な金属マグネシウム(すなわち、マグネシウムイオンなどではないマグネシウム)の形態でマグネシウムを含む成分であればよく、金属マグネシウム(マグネシウム単体)、マグネシウム合金、これらの混合物などであってもよい。マグネシウム合金の種類は特に制限されず、慣用のマグネシウム合金、例えば、アルミニウム、亜鉛、希土類元素(スカンジウム、イットリウムなど)などの成分を含むマグネシウム合金が例示できる。これらの金属マグネシウム成分は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
リチウム化合物としては、ハロゲン化リチウム(塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウムなど)、無機酸塩(硝酸リチウム、炭酸リチウム、炭酸水素リチウム、塩酸リチウム、硫酸リチウム、過塩素酸リチウム、リン酸リチウムなど)などが使用できる。これらのリチウム化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。好ましいリチウム化合物は、ハロゲン化リチウム(特に塩化リチウム)である。
多価金属ハロゲン化物としては、例えば、遷移金属(例えば、サマリウムなどの周期表3A族元素、チタンなどの周期表4A族元素、バナジウムなどの周期表5A族元素、鉄、ニッケル、コバルト、パラジウムなどの周期表8族元素、銅などの周期表1B族元素、亜鉛などの周期表2B族元素など)、周期表3B族金属(アルミニウムなど)、周期表4B族金属(スズなど)などの金属のハロゲン化物(塩化物、臭化物又はヨウ化物など)が挙げられる。多価金属ハロゲン化物を構成する前記金属の価数は、特に制限されないが、好ましくは2〜4価、特に2又は3価である。これらの多価金属ハロゲン化物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
溶媒(反応溶媒)としての非プロトン性溶媒には、例えば、エーテル類(1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテルなどの環状又は鎖状C4−6エーテル)、カーボネート類(プロピレンカーボネートなど)、ニトリル類(アセトニトリル、ベンゾニトリルなど)、アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシドなど)、芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエン、キシレンなど)、脂肪族炭化水素類(例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン、シクロオクタンなどの鎖状又は環状炭化水素類)などが含まれる。
保護工程では、生成したハロシラン重合体と下記式(2a)で表される有機リン化合物とを反応させることにより、ハロシラン重合体の末端基を保護する。
脱保護工程では、ポリシラン中間体の保護基を脱保護してポリシランを生成する。本発明では、前記ポリシラン中間体の保護基を脱保護させることにより、反応性に優れ、屈折率、溶媒可溶性(特にアルカリ水溶液に対する可溶性)などが改善したポリシランを製造できる。
GPC(東ソー(株)製 HLC−8320GPC)を用い、以下の条件で測定した。
三方コックを装着した内容積300mlの三ツ口フラスコに粒状のマグネシウム4.33g(0.178mol)と塩化リチウム3.14g、塩化亜鉛2.02gとを仕込み、アルゴンガスを反応器内に導入し、脱水グレードのテトラヒドロフラン100mlを加え、室温で約30分間攪拌した。そして、反応器に、フェニルトリクロロシラン22g(0.104mol)を、滴下漏斗を用いて2時間以上かけて滴下し、約20時間攪拌して反応させた。反応終了後、リン酸トリメチル1g(0.007mol)を投入し、約20時間撹拌し、ポリシラン中間体を得た。さらに、トルエン160mL、35重量%塩酸21.95gを投入して、25℃にて0.5時間以上攪拌し、下相を廃棄して塩化マグネシウム及び水酸化マグネシウムを除去した。さらに、純水50mlによる洗浄を10回繰り返した後に、無水硫酸マグネシウム40gを加えて、1時間以上撹拌した後に、無水硫酸マグネシウムを敷き詰めたろ紙を通して乾燥させた後、65℃、1.3kPa(10torr)にて5時間乾燥させた。その結果、10.94gの淡黄色粉末のポリシランを得た。得られたポリシランを31P−NMR、IRにて測定したところ、リン酸トリメチル由来のピークが消失しており、保護基が脱離されていることを確認した。ポリシランの分子量をGPCにて測定した結果、重量平均分子量(Mw)は、1300であり、分子量分布Mw/Mnは、1.3であった。また、ポリシラン末端基に形成されたシラノール基濃度を1H−NMRを用いて算出したところ、ポリシラン中のケイ素原子1モルに対し、0.0385モルであった。
リン酸トリメチル1g(0.007mol)を2.5g(0.018mol)に変更する以外は実施例1と同様にして反応を行い、9.9gの淡黄色粉末のポリシランを得た。得られたポリシランを31P−NMR、IRにて測定したところ、リン酸トリメチル由来のピークが消失しており、保護基が脱離されていることを確認した。ポリシランの分子量をGPCにて測定した結果、重量平均分子量(Mw)は、1300であり、分子量分布Mw/Mnは、1.3であった。また、ポリシラン末端基に形成されたシラノール基濃度を1H−NMRを用いて算出したところ、ポリシラン中のケイ素原子1モルに対し、0.0262モルであった。
リン酸トリメチル1gを5g(0.035mol)に変更する以外は実施例1と同様にして反応を行い、12.1gの淡黄色粉末のポリシランを得た。得られたポリシランを31P−NMR、IRにて測定したところ、リン酸メチル由来のピークが消失しており、保護基が脱離されていることを確認した。ポリシランの分子量をGPCにて測定した結果、重量平均分子量(Mw)は、1800であり、分子量分布Mw/Mnは、1.5であった。また、ポリシラン末端基に形成されたシラノール基濃度を1H−NMRを用いて算出したところ、ポリシラン中のケイ素原子1モルに対し、0.0074モルであった。
リン酸トリメチル1gを10g(0.071mol)に変更する以外は実施例1と同様にして反応を行い、10.77gの淡黄色粉末のポリシランを得た。得られたポリシランを31P−NMR、IRにて測定したところ、リン酸メチル由来のピークが消失しており、保護基が脱離されていることを確認した。ポリシランの分子量をGPCにて測定した結果、重量平均分子量(Mw)は、1300であり、分子量分布Mw/Mnは、1.3であった。また、ポリシラン末端基に形成されたシラノール基濃度を1H−NMRを用いて算出したところ、ポリシラン中のケイ素原子1モルに対し、0.0312モルであった。
リン酸トリメチル1gを水10g(0.556mol)に変更する以外は実施例1と同様にして反応を行い、10.06gの淡黄色粉末のポリシランを得た。得られたポリシランの分子量をGPCにて測定した結果、重量平均分子量(Mw)は、1300であり、分子量分布Mw/Mnは、1.3であった。また、ポリシラン末端基に形成されたシラノール基濃度を1H−NMRを用いて算出したところ、ポリシラン中のケイ素原子1モルに対し、0.0035モルであった。
(1)溶解性
実施例3及び比較例1で得られたポリシランを、それぞれ、20%水酸化カリウム水溶液(20重量%水溶液)に、5重量%の割合で混合することによりアルカリ水溶液に対するポリシランの溶解性を調べたところ、比較例1では、全く溶解せず、不溶物が見られたが、実施例3では、十分に溶解しており、比較例1と比べても溶解性が向上していた。
実施例1〜4及び比較例1で得られたポリシランを、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート(PGMEA)と混合し、10重量%混合液を調製した。この混合液を用いてスピンコート法により基材上に乾燥後の厚みが1μmとなるように塗膜を形成し、得られた薄膜につき、波長589.4nmの光に対する屈折率を、分析装置反射分光膜厚計(大塚電子(株)製 FE−3000)を用いて測定した。
Claims (16)
- R1が、C6−10アリール基である請求項1記載のポリシラン中間体。
- 式(2)で表される保護基において、Z1及びZ2は、酸素原子であり、R11及びR12が、同一又は異なって、置換基を有してもよい直鎖状又は分岐鎖状アルキル基であり、nが1である請求項1又は2記載のポリシラン中間体。
- R11及びR12が、同一又は異なって、直鎖状又は分岐鎖状C1−10アルキル基である請求項1〜3のいずれかに記載のポリシラン中間体。
- R11及びR12が、同一又は異なって、メチル基又はエチル基である請求項4記載のポリシラン中間体。
- R2が、置換基を有してもよい直鎖状又は分岐鎖状C1−4アルキル基又はC6−10アリール基であり、R3が、置換基を有してもよいC6−10アリール基である請求項6記載のポリシラン中間体。
- R2が、メチル基又はエチル基であり、R3が、フェニル基である請求項7記載のポリシラン中間体。
- 少なくとも請求項1記載の式(1)で表されるシラン単位を含むポリシランであって、少なくとも一部の末端基が、シラノール基で形成されており、ポリシラン中のケイ素原子1モルに対するシラノール基濃度が、0.005〜0.1モルであるポリシラン。
- さらにリチウム化合物及び多価金属のハロゲン化物から選択された少なくとも一種を含む触媒の存在下でハロシランを反応させる請求項10記載の方法。
- 式(2a)において、Z1及びZ2が、酸素原子であり、R11及びR12が、同一又は異なって、置換基を有してもよい直鎖状又は分岐鎖状C1−10アルキル基であり、nが1である請求項10又は11記載の方法。
- 式(2a)で表される有機リン化合物が、リン酸トリメチル又はリン酸トリエチルである請求項12記載の方法。
- 有機リン化合物と、式(1a)で表されるハロシランとの使用割合が、前者/後者(モル比)=5/95〜99/1である請求項10〜13のいずれかに記載の方法。
- 請求項1〜8のいずれかに記載のポリシラン中間体の保護基を脱保護してポリシランを製造する方法。
- 酸処理により脱保護する請求項15記載の方法。
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