JP2007298841A - 感光性重合体組成物 - Google Patents

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Tokuji Miyashita
徳治 宮下
Akira Watanabe
明 渡辺
Nobuyuki Otsuka
信之 大塚
Takashi Kikukawa
敬 菊川
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Tohoku University NUC
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Abstract

【課題】光加工プロセスに用い、光硬化性と耐光性のある感光性重合体組成物の提供。
【解決手段】下記式の化合物を用いて得られるかご型ケイ素化合物、金属錯体、および有機溶媒を配合して、感光性重合体組成物を得る。
Figure 2007298841

【選択図】なし

Description

本発明は電子部品等に用いられる透明絶縁膜や、導波路、分波器等の光学デバイスやレジスト等に用いられる感光性重合体組成物に関する。
各種金属イオン成分とβ−ジケトンを用いて、ゾルゲル法による複合金属酸化物の合成(特許文献1参照)が報告されている。またこの特性を利用した感光性材料の作製と微細加工が報告されている(特許文献2、3、非特許文献1、2参照)。
金属−ジケトン系の光硬化剤以外に、有機系感光剤をゾルゲル系に加えた報告もある。例えば、酸性条件下で有機ケイ素種のゾルゲル反応を起こした後に、光活性種を加えて有機成分の高分子成分を作製後に微細加工を行った例が報告されている(非特許文献3参照)。
また、有機ケイ素系高分子とアセチルアセトンを配位子とした昇華性金属錯体を用いて、露光、昇華により微細加工を行っている例が報告され、導波路の作製が開示されている(特許文献4参照)。
しかしながら、酸性条件下でゾルゲル反応を制御することは難しく、製膜に用いる溶液の保存安定性の問題が生じる。
また真空条件下で昇華により、パターンを作製する方法では、新たな機械の導入の問題や、大型のサンプルを作製するための大型チャンバー作製の必要が生じる。そのほかにも昇華性のある錯体を選ぶ必要があり、金属種の選択性に限りがあり、汎用性に欠ける。
光エレクトロニクス等に用いるデバイスはその特性上、耐光性がもとめられるが、上記の報告例では光に対して作用する高分子を用いており、未反応の分子が残留している際には、デバイスの安定性を損なう。
特開平1−313329号公報 特開2001−201624号公報 特開2003−255522号公報 特開2000−9955号公報 Thin Solid Films 351(1999)85 J. Chem. Eng. Jap.,37,609 (2004) J .Non-Crystal.Solids,351(2005)3530
本発明は、汎用性のある光加工プロセスに用いることができる、光硬化性と耐光性のある重合体を含む組成物の提供と、それを用いた微細加工法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った。その結果、式(1−1)、(6−1)、(11−1)、(12−1)などで表される化合物を含むかご型ケイ素化合物と、金属錯体及び溶媒を配合することによって得られる組成物が、優れた感光性を示し、電子部品材料などとして好適に使用できることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明においては、式(1−1)、(6−1)、(11−1)、(12−1)などで表される化合物を反応させて得られる、これらの化合物由来の構成単位を有する重合体をシルセスキオキサン高分子誘導体と称する。
すなわち、本発明は以下のとおりである。

[1]かご型ケイ素化合物、金属錯体、および有機溶媒を含む、感光性重合体組成物。
[2]前記かご型ケイ素化合物が、下記式(1−1)で示される化合物を、下記式(6−1)、(7−1)、(8−1)、(9−1)および(10−1)で示される化合物群から選択される少なくとも1つの化合物と反応させて得られるシルセスキオキサン高分子誘導体である、[1]の感光性重合体組成物。
Figure 2007298841
式(1−1)において、Rは、独立して水素、炭素数1〜40のアルキル、任意の水素がハロゲンもしくは炭素数1〜20のアルキルで置き換えられてもよいアリール、またはアリールにおける任意の水素がハロゲンもしくは炭素数1〜20のアルキルで置き換えられてもよいアリールアルキルであり、
ここに、炭素数1〜40のアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH2−は−O−、−CH=CH−、シクロアルキレンまたはシクロアルケニレンで置き換えられてもよく;アリールの置換基である炭素数1〜20のアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH2−は−O−、−CH=CH−、シクロアルキレンまたはフェニレンで置き換えられてもよく;アリールアルキルのアルキレンにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH2−は−O−、−CH=CH−またはシクロアルキレンで置き換えられてもよく、
1は式(a−1)で示される基である。
Figure 2007298841
式(a−1)において、Raはビニル、アリル、ホモアリル、またはスチリルであって、X11は炭素数1〜10のアルキルまたは非置換のフェニルである。
Figure 2007298841
式(6−1)において、Rは式(1−1)におけるRと同様に定義される基であり、Y1は式(c−1)で示される基である。
Figure 2007298841
式(c−1)において、X11は炭素数1〜10のアルキルまたは非置換のフェニルである。
Figure 2007298841
式(7−1)において、Rは式(1−1)におけるRと同様に定義される基であり、R1は独立して炭素数1〜8のアルキルまたは非置換のフェニルであり;X21の少なくとも2つは水素で、その残りはR1である。
Figure 2007298841
式(8−1)において、Rは、式(1−1)におけるRと同様に定義される基であり、R1は独立して炭素数1〜8のアルキルまたは非置換のフェニルであり、X31の少なくとも2つは水素であり、その残りはR1である。
Figure 2007298841
式(9−1)において、R1は独立して炭素数1〜4のアルキルまたは非置換のフェニルであり、Lは単結合、−O−、−CH2−、−(CH22−、−(CH23−、−(CH24−、1,4−フェニレン、4,4’−ジフェニレン、4,4’−オキシ−1,1’−ジフェニレン、または式(d)で示される基であり、X41は水素である。
Figure 2007298841
式(d)において、R2は独立して炭素数1〜4のアルキルまたは非置換のフェニルで
あり、mは1〜30の整数である。
Figure 2007298841
式(10−1)において、Rは式(1−1)におけるRと同様に定義される基であり、X51の少なくとも2つは水素であり、その残りはRである。
[3]前記かご型ケイ素化合物が、前記式(1−1)で示される化合物を、前記式(6−1)、(7−1)、(8−1)、(9−1)および(10−1)で示される化合物群から選択される少なくとも1つの化合物、ならびに、下記式(2−1)、(3−1)、(4−1)および(5−1)で示される化合物群から選択される少なくとも1つの化合物と反応させて得られるシルセスキオキサン高分子誘導体である、[2]の感光性重合体組成物。
Figure 2007298841
式(2−1)において、Rは前記式(1−1)におけるRと同様に定義される基であり、R1は独立して炭素数1〜8のアルキルまたは非置換のフェニルからであり;X21の少なくとも2つはビニル、アリル、ホモアリル、またはスチリルで、その残りはR1である。
Figure 2007298841
式(3−1)において、Rは、前記式(1−1)におけるRと同様に定義される基であり、R1は独立して炭素数1〜8のアルキルまたは非置換のフェニルであり、X31の少な
くとも2つはビニル、アリル、ホモアリルまたはスチリルであり、その残りはR1である。
Figure 2007298841
式(4−1)において、R1は独立して炭素数1〜4のアルキルまたは非置換のフェニルであり、Lは単結合、−O−、−CH2−、−(CH22−、−(CH23−、−(CH24−、1,4−フェニレン、4,4’−ジフェニレン、4,4’−オキシ−1,1’−ジフェニレン、または式(b)で示される基であり、X41は水素、ビニル、アリル、ホモアリル、またはスチリルであり、その残りはR1である。
Figure 2007298841
式(b)において、R2は独立して炭素数1〜4のアルキルまたは非置換のフェニルであり、mは1〜30の整数である。
Figure 2007298841
式(5−1)において、Rは前記式(1−1)におけるRと同様に定義される基であり、X51の少なくとも2つはビニル、アリル、ホモアリルまたはスチリルであり、その残りはRである。
[4]前記かご型ケイ素化合物が、下記式(6−1)で示される化合物を、下記式(1−1)、(2−1)、(3−1)、(4−1)および(5−1)で示される化合物群から選択される少なくとも1つの化合物と反応させて得られるシルセスキオキサン高分子誘導体である、[1]の感光性重合体組成物。
Figure 2007298841
式(6−1)において、Rは式(1−1)におけるRと同様に定義される基であり、Y1は式(c−1)で示される基である。
Figure 2007298841
式(c−1)において、X11は炭素数1〜10のアルキルまたは非置換のフェニルである。
Figure 2007298841
式(1−1)において、Rは、独立して水素、炭素数1〜40のアルキル、任意の水素がハロゲンもしくは炭素数1〜20のアルキルで置き換えられてもよいアリール、またはアリールにおける任意の水素がハロゲンもしくは炭素数1〜20のアルキルで置き換えられてもよいアリールアルキルであり、
ここに、炭素数1〜40のアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH2−は−O−、−CH=CH−、シクロアルキレンまたはシクロアルケニレンで置き換えられてもよく;アリールの置換基である炭素数1〜20のアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH2−は−O−、−CH=CH−、シクロアルキレンまたはフェニレンで置き換えられてもよく;アリールアルキルのアルキレンにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH2−は−O−、−CH=CH−またはシクロアルキレンで置き換えられてもよく、
1は式(a−1)で示される基である。
Figure 2007298841
式(a−1)において、Raはビニル、アリル、ホモアリル、またはスチリルであって、X11は炭素数1〜10のアルキルまたは非置換のフェニルである。
Figure 2007298841
式(2−1)において、Rは、前記式(1−1)におけるRと同様に定義される基であり、R1は独立して炭素数1〜8のアルキルまたは非置換のフェニルであり;X21の少なくとも2つはビニル、アリル、ホモアリル、またはスチリルで、その残りはR1である。
Figure 2007298841
式(3−1)において、Rは、前記式(1−1)におけるRと同様に定義される基であり、R1は独立して炭素数1〜8のアルキルまたは非置換のフェニルであり、X31の少なくとも2つはビニル、アリル、ホモアリルまたはスチリルであり、その残りはR1である。
Figure 2007298841
式(4−1)において、R1は独立して炭素数1〜4のアルキルまたは非置換のフェニルであり、Lは単結合、−O−、−CH2−、−(CH22−、−(CH23−、−(CH24−、1,4−フェニレン、4,4’−ジフェニレン、4,4’−オキシ−1,1’−ジフェニレン、または式(b)で示される基であり、X41は水素、ビニル、アリル、ホモアリル、またはスチリルであり、その残りはR1である。
Figure 2007298841
式(b)において、R2は独立して炭素数1〜4のアルキルまたは非置換のフェニルであり、mは1〜30の整数である。
Figure 2007298841
式(5−1)において、Rは前記式(1−1)におけるRと同様に定義される基であり、X51の少なくとも2つはビニル、アリル、ホモアリルまたはスチリルであり、その残りはRである。
[5]前記かご型ケイ素化合物が、前記式(6−1)で示される化合物を、前記式(1−1)、(2−1)、(3−1)、(4−1)および(5−1)で示される化合物群から選択される少なくとも1つの化合物、ならびに、下記式(7−1)、(8−1)、(9−1)および(10−1)で示される化合物群から選択される少なくとも1つの化合物と反応させて得られるシルセスキオキサン高分子誘導体である、[4]の感光性重合体組成物。
Figure 2007298841
式(7−1)において、Rは、前記式(1−1)におけるRと同様に定義される基であり、R1は独立して炭素数1〜8のアルキルまたは非置換のフェニルであり;X21の少なくとも2つは水素で、その残りはR1である。
Figure 2007298841
式(8−1)において、Rは、前記式(1−1)におけるRと同様に定義される基であり、R1は独立して炭素数1〜8のアルキルまたは非置換のフェニルであり、X31の少なくとも2つは水素であり、その残りはR1である。
Figure 2007298841
式(9−1)において、R1は独立して炭素数1〜4のアルキルまたは非置換のフェニルであり、Lは単結合、−O−、−CH2−、−(CH22−、−(CH23−、−(CH24−、1,4−フェニレン、4,4’−ジフェニレン、4,4’−オキシ−1,1’−ジフェニレン、または式(d)で示される基であり、X41は水素である。
Figure 2007298841
そして式(d)において、R2は独立して炭素数1〜4のアルキルまたは非置換のフェニルであり、mは1〜30の整数である。
Figure 2007298841
式(10−1)において、Rは前記式(1−1)におけるRと同様に定義される基であり、X51の少なくとも2つは水素であり、その残りはRである。
[6]前記かご型ケイ素化合物が、式(1−1)に示される化合物、式(7−1)に示される化合物、および式(8−1)に示される化合物を反応させて得られるシルセスキオキサン高分子誘導体である、[2]の感光性重合体組成物であって、
式(1−1)において、Rは非置換のフェニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、又はt−ブチルであり、式(a−1)において、Raがビニル、アリルまたはスチリルであって、X11が炭素数1〜4のアルキルまたは非置換のフェニルであり、
前記式(7−1)において、Rは非置換のフェニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、又はt−ブチルであり、R1は炭素数1〜8のアルキルまたは非置換のフェニルであり;X21の少なくとも2つは水素でその残りはR1であり、
前記式(8−1)において、Rは非置換のフェニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、又はt−ブチルであり、R1は炭素数1〜8のアルキルであり、X31の少なくとも2つは水素でその残りはR1である、[2]の感光性重合体組成物。
[7]前記かご型ケイ素化合物が、式(1−1)に示される化合物、式(7−1)に示される化合物、および式(8−1)に示される化合物を反応させて得られるシルセスキオキサン高分子誘導体である、[2]の感光性重合体組成物であって、
式(1−1)において、Rは非置換のフェニルであり、式(a−1)において、Raがビニルであって、X11がメチルであり、
式(7−1)において、Rは非置換のフェニルであり、R1はメチルであり;X21は水素であり、
式(8−1)において、Rは非置換のフェニルであり、R1はメチルであり、X31は水
素である、[2]の感光性重合体組成物。
[8]前記かご型ケイ素化合物が、式(1−1)に示される化合物、式(7−1)に示される化合物、および式(9−1)に示される化合物を反応させて得られるシルセスキオキサン高分子誘導体である、[2]の感光性重合体組成物であって、
式(1−1)において、Rは非置換のフェニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、又はt−ブチルであり、式(a−1)において、Raがビニル、アリルまたはスチリルであり、X11が炭素数1〜4のアルキルまたは非置換のフェニルであり、
式(7−1)において、Rは非置換のフェニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、又はt−ブチルであり、R1は炭素数1〜8のアルキルまたは非置換のフェニルであり、X21の少なくとも2つは水素でその残りはR1であり、
式(9−1)において、R1は炭素数1から4のアルキルまたは非置換のフェニルであり、Lは単結合、−O−、−CH2−、−(CH22−、−(CH23−、−(CH24−、1,4−フェニレン、4,4’−ジフェニレン、4,4’−オキシ−1,1’−ジフェニレン、または式(d)で示される基であり、式(d)において、R2はR1と同様に定義される基であり、mは1〜10の整数であり、X41は水素である、[2]の感光性重合体組成物。
[9]前記かご型ケイ素化合物が、式(1−1)に示される化合物、式(7−1)に示される化合物、および式(9−1)に示される化合物を反応させて得られるシルセスキオキサン高分子誘導体である、[2]の感光性重合体組成物であって、
式(1−1)において、Rは非置換のフェニルであり、式(a−1)において、Raがビニルであり、X11が炭素数1のアルキルであり、
式(7−1)において、Rは非置換のフェニルであり、R1はメチルであり;X21は水素であり、
式(9−1)において、R1はメチルであり、Lは式(d)で示される基であり、式(d)において、R2はメチルであり、mは5から10の整数であり、X41は水素である、[2]の感光性重合体組成物。
[10]前記かご型ケイ素化合物が、式(11−1)に示される化合物、および式(12−1)で示される化合物から選択される化合物、またはこれらの化合物を反応させて得られるシルセスキオキサン高分子誘導体である、[1]の感光性重合体組成物。
Figure 2007298841
式(11−1)において、Rは、
独立して水素、炭素数1〜40のアルキル、任意の水素がハロゲンもしくは炭素数1〜20のアルキルで置き換えられてもよいアリール、またはアリールにおける任意の水素がハロゲンもしくは炭素数1〜20のアルキルで置き換えられてもよいアリールアルキルであり、
ここに、炭素数1〜40のアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH2−は−O−、−CH=CH−、シクロアルキレンまたはシクロアルケニレンで置き換えられてもよい;アリールの置換基である炭素数1〜20のアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH2−は−O−、−CH=CH−、シクロアルキレンまたはフェニレンで置き換えられてもよい;アリールアルキルのアルキレンにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH
2−は−O−、−CH=CH−またはシクロアルキレンで置き換えられてもよく、
Xは水素、炭素数1から10のアルキル、またはトリメチルシリル基である。
Figure 2007298841
式(12−1)におけるすべてのRは式(11−1)におけるRと同様に定義される基であり、Xは水素、炭素数1から10のアルキル、またはトリメチルシリル基である。
[11]前記式(11−1)において、Rが非置換のフェニル基であり、Xが水素である、[10]の感光性重合体組成物。
[12]前記金属錯体がβ‐ジケトン類をキレート安定化剤として含む、[1]〜[11]のいずれかの感光性重合体組成物。
[13]前記金属錯体が、テトラブトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、チタンメタクリルトリイソプロポキシ、テトラブトキシジルコニウム、テトラプロポキシジルコニウム、又はトリプロポキシアルミニウムと、ベンゾイルアセトンから形成される感光性金属錯体である、[1]〜[12]のいずれかの感光性重合体組成物。
[14]前記金属錯体が、アルミニウム、ベリリウム、カルシウム、カドミウム、コバルト、クロム、銅、ユウロピウム、鉄、ガリウム、インジウム、ランタン、マグネシウム、マンガン、鉛、白金、ロジウム、ルテニウム、スカンジウム、タンタル、亜鉛、またはジルコニウムから選択される中心金属と、アセチルアセトンから形成される感光性金属錯体である、[1]〜[12]のいずれかの感光性重合体組成物。
[15]前記有機溶媒がアルコールもしくはエーテル類である、[1]〜[14]のいずれかの感光性重合体組成物。
[16]基材上に[1]〜[15]のいずれかの感光性重合体組成物を用いて感光層を形成する工程、前記感光層の所定の領域を露光する工程、および未露光部を有機溶媒により現像して除去する工程を含む、金属酸化物−有機ケイ素薄膜パターンの形成方法。
基材上に塗布された本発明の感光性重合体組成物の所定の領域を選択的に露光すると、露光部の感光層中に含有される、金属錯体が光分解により、三次元ネットワークを形成する。このとき感光層中のポリシルセスキオキサン化合物が三次元ネットワークを形成されたマトリックス中に取込まれ、ポリシルセスキオキサンと金属イオンからなる、溶媒への不溶層が形成される。しかる後に、適当な有機溶媒で洗浄することにより、未露光部は有機溶媒に溶解するが、露光部は不溶化しているために残り、微細パターンが形成される。
本発明によれば保存安定性がよい反応液とそれを用いた、感光性を有する薄膜を提供でき、数ミクロンオーダーの微細加工を可能とする。
本発明で用いる用語は、次のように定義される。アルキルおよびアルキレンは、どちらも直鎖の基であってもよく、分岐された基であってもよい。このことは、これらの基において任意の水素がハロゲンや環式の基などと置き換えられた場合も、任意の−CH2−が−O−、シクロアルキレン、フェニレンなどで置き換えられた場合も同様である。本発明
で用いる「任意の」は、位置のみならず個数も任意であることを示す。複数の基が別の基で置き換えられるときには、それぞれの基が異なる別の基で置き換えられてもよい。そして、これらの基におけるアルコキシおよびアルキレンのいずれの基も、直鎖の基であってもよく、分岐された基であってもよい。但し、本発明において、任意の−CH2−が−O−で置き換えられてもよいと記述するときには、連続する複数の−CH2−が−O−で置き換えられることはない。なお、本発明におけるハロゲンの例は、フッ素、塩素および臭素である。
本発明の感光性重合体組成物は、かご型ケイ素化合物、金属錯体および溶媒を含む。本発明の感光性重合体組成物に含まれるかご型ケイ素化合物としては、かご型構造をとるものであれば特に制限されないが、式(1−1)、(6−1)、(11−1)、または(12−1)で表される化合物、またはこれらの化合物の高分子誘導体が挙げられる。
本発明の感光性重合体組成物に含まれるかご型ケイ素化合物の第一の態様として、式(1−1)で示される化合物を、式(6−1)、(7−1)、(8−1)、(9−1)および(10−1)で示される化合物群から選択される少なくとも1つの化合物と反応させて得られるシルセスキオキサン高分子誘導体が挙げられる。
さらに、式(1−1)で示される化合物を、式(6−1)、(7−1)、(8−1)、(9−1)および(10−1)で示される化合物群から選択される少なくとも1つの化合物、ならびに、式(2−1)、(3−1)、(4−1)および(5−1)で示される化合物群から選択される少なくとも1つの化合物と反応させることにより得られるシルセスキオキサン高分子誘導体であってもよい。
さらに、これらの化合物のいずれかと反応する一種類以上の炭化水素系の化合物を加えても良い。
本発明の感光性重合体組成物に含まれるかご型ケイ素化合物の第二の態様として、式(6−1)で示される化合物を、式(1−1)、(2−1)、(3−1)、(4−1)および(5−1)で示される化合物群から選択される少なくとも1つの化合物と反応させて得られるシルセスキオキサン高分子誘導体が挙げられる。
さらに、式(6−1)で示される化合物を、式(1−1)、(2−1)、(3−1)、(4−1)および(5−1)で示される化合物群から選択される少なくとも1つの化合物、ならびに、式(7−1)、(8−1)、(9−1)および(10−1)で示される化合物群から選択される少なくとも1つの化合物と反応させることにより得られるシルセスキオキサン高分子誘導体であってもよい。
さらにこれらの化合物のいずれかと反応する一種類以上の炭化水素系の化合物を加えても良い。
以下に、式(1−1)〜(10−1)で示される化合物について説明する。
Figure 2007298841
式(1−1)において、Rは、独立して水素、炭素数1〜40のアルキル、任意の水素がハロゲンもしくは炭素数1〜20のアルキルで置き換えられてもよいアリール、または
アリールにおける任意の水素がハロゲンもしくは炭素数1〜20のアルキルで置き換えられてもよいアリールアルキルである。炭素数1〜40のアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH2−は−O−、−CH=CH−、シクロアルキレンまたはシクロアルケニレンで置き換えられてもよい。アリールの置換基である炭素数1〜20のアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH2−は−O−、−CH=CH−、シクロアルキレンまたはフェニレンで置き換えられてもよい。アリールアルキルのアルキレンにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH2−は−O−、−CH=CH−またはシクロアルキレンで置き換えられてもよい。
なお、前記炭素数1〜40のアルキルおよび炭素数1〜20のアルキルは直鎖でも分岐鎖でも環状でもよい
式(1−1)において、好ましくは、Rは、独立して炭素数1〜20のアルキル、ナフチル、任意の水素がハロゲン、メチルもしくはメトキシで置き換えられてもよいフェニル、またはベンゼン環の任意の水素がハロゲン、炭素数1〜4のアルキルもしくはメトキシで置き換えられてもよいフェニルアルキルであり、ここに、炭素数1〜20のアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH2−は−O−またはシクロアルキレンで置き換えられてもよく、フェニルアルキルのアルキレンにおいて、その炭素数は1〜8であり、任意の−CH2−は−O−またはシクロアルキレンで置き換えられてもよい。
式(1−1)において、より好ましくは、Rは独立して炭素数1〜8のアルキル、ナフチル、任意の水素がハロゲン、メチルもしくはメトキシで置き換えられてもよいフェニル、またはベンゼン環の任意の水素がハロゲン、炭素数1〜4のアルキルもしくはメトキシで置き換えられてもよいフェニルアルキルであり、ここに、炭素数1〜8のアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH2−は−O−またはシクロアルキレンで置き換えられてもよく、フェニルアルキルのアルキレンにおいて、その炭素数は1〜8であり、任意の−CH2−は−O−またはシクロアルキレンで置き換えられてよい。
式(1−1)において、Rが炭素数1〜8のアルキル、ナフチル、任意の水素がハロゲン、メチルもしくはメトキシで置き換えられてもよいフェニル、およびベンゼン環の任意の水素がハロゲン、炭素数1〜4のアルキルもしくはメトキシで置き換えられてもよいフェニルアルキルから選択される同一の基であることがさらに好ましく、Rが非置換のフェニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、およびt−ブチルから選択される同一の基であることが特に好ましい。
また、式(1−1)において、Y1は式(a−1)で示される基である。
Figure 2007298841
ここで、Raがビニル、アリル、ホモアリル、またはスチリルであって、X11が炭素数1〜10のアルキルまたは非置換のフェニルである。
Figure 2007298841
式(2−1)において、Rは、上記式(1−1)におけるRと同様に定義される基であり、好ましい基も式(1−1)と同様である。R1は、独立して炭素数1〜8のアルキルまたは非置換のフェニルであり、好ましくは、R1は炭素数1〜8のアルキルおよび非置換のフェニルから選択される同一の基である。X21の少なくとも2つはビニル、アリル、ホモアリル、またはスチリルで、その残りはR1である。
Figure 2007298841
式(3−1)において、Rは、式(1−1)におけるRと同様に定義される基であり、好ましい基も式(1−1)と同様である。R1は独立して炭素数1〜8のアルキルまたは非置換のフェニルであり、好ましくは、R1は炭素数1〜8のアルキルおよび非置換のフェニルから選択される同一の基である。X31の少なくとも2つはビニル、アリル、ホモアリルまたはスチリルであり、その残りはR1である。
Figure 2007298841
式(4−1)において、R1は独立して炭素数1〜4のアルキルまたは非置換のフェニルであり、Lは単結合、−O−、−CH2−、−(CH22−、−(CH23−、−(CH24−、1,4−フェニレン、4,4’−ジフェニレン、4,4’−オキシ−1,1’−ジフェニレン、または式(b)で示される基である。X41は水素、ビニル、アリル、ホモアリル、またはスチリルであり、その残りはR1である。
Figure 2007298841
式(b)において、R2は炭素数1〜4のアルキルまたは非置換のフェニルであり、mは1〜30の整数である。
Figure 2007298841
式(5−1)において、Rは、式(1−1)におけるRと同様に定義される基であり、好ましい基も式(1−1)と同様である。X51の少なくとも2つはビニル、アリル、ホモアリルまたはスチリルであり、その残りはRである。
Figure 2007298841
式(6−1)において、Rは式(1−1)におけるRと同様に定義される基であり、好ましい基も式(1−1)と同様である。Y1は式(c−1)で示される基である。
Figure 2007298841
式(c−1)において、X11は炭素数1〜10のアルキルまたは非置換のフェニルである。
Figure 2007298841
式(7−1)において、Rは、式(1−1)におけるRと同様に定義される基であり、好ましい基も式(1−1)と同様である。R1は独立して炭素数1〜8のアルキルまたは非置換のフェニルであり、好ましくは、R1は炭素数1〜8のアルキルおよび非置換のフェニルから選択される同一の基である。X21の少なくとも2つは水素で、その残りはR1である。
Figure 2007298841
式(8−1)において、Rは、式(1−1)におけるRと同様に定義される基であり、好ましい基も式(1−1)と同様である。R1は独立して炭素数1〜8のアルキルまたは非置換のフェニルであり、好ましくはR1は炭素数1〜8のアルキルおよび非置換のフェニルから選択される同一の基である。X31の少なくとも2つは水素であり、その残りはR1である。
Figure 2007298841
式(9−1)において、R1は独立して炭素数1〜4のアルキルまたは非置換のフェニルであり、Lは単結合、−O−、−CH2−、−(CH22−、−(CH23−、−(CH24−、1,4−フェニレン、4,4’−ジフェニレン、4,4’−オキシ−1,1’−ジフェニレン、または式(d)で示される基である。X41は水素である。
Figure 2007298841
式(d)において、R2は独立して炭素数1〜4のアルキルまたは非置換のフェニルで
あり、mは1〜30の整数である。
Figure 2007298841
式(10−1)において、Rは式(1−1)におけるRと同様に定義される基であり、好ましい基も式(1−1)と同様である。X51の少なくとも2つは水素であり、残りはRである。
本発明の感光性重合体組成物に含まれるかご型ケイ素化合物のより好ましい態様として、式(1−1)で示される化合物、式(7−1)で示される化合物、および式(8−1)で示される化合物を反応させて得られる重合体が挙げられる。
この場合、式(1−1)において、Rは非置換のフェニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、又はt−ブチルであり、式(a−1)において、Raがビニル、アリルまたはスチリルであって、X11が炭素数1〜4のアルキルまたは非置換のフェニルであることが好ましい。また、式(7−1)において、Rは非置換のフェニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、又はt−ブチルであり、R1は炭素数1〜8のアルキルまたは非置換のフェニルであり;X21の少なくとも2つは水素でその残りはR1であることが好ましい。式(8−1)において、Rは非置換のフェニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、又はt−ブチルであり、R1は炭素数1〜8のアルキルであり、X31の少なくとも2つは水素でその残りはR1であることが好ましい。
上記式(1−1)で示される化合物、式(7−1)で示される化合物、および式(8−1)で示される化合物を反応させて得られる重合体において、特に好ましくは、式(1−1)におけるすべてのRが非置換のフェニルであり、式(a−1)において、Raがビニルであって、X11が炭素数1のアルキルであり、式(7−1)におけるすべてのRが非置換のフェニルであり、R1がメチルであり、X21が水素であり、式(8−1)におけるすべてのRが非置換のフェニルであり、R1がメチルであり、X31が水素である。
本発明の感光性重合体組成物に含まれるかご型ケイ素化合物のもう一つのより好ましい態様として、式(1−1)で示される化合物、式(7−1)で示される化合物、および式(9−1)で示される化合物を反応させて得られる重合体が挙げられる。
この場合、式(1−1)において、Rは非置換のフェニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、又はt−ブチルであり、式(a−1)において、Raがビニル、アリルまたはスチリルであって、X11が炭素数1〜4のアルキルまたは非置換のフェニルであることが好ましい。式(7−1)において、Rは非置換のフェニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、又はt−ブチルであり、R1は炭素数1〜8のアルキルまたは非置換のフェニルであり、X21の少なくとも2つは水素でその残りはR1であることが好ましい。式(9−1)において、R1は炭素数1〜4のアルキルまたは非置換のフェニルあり、Lは単結合、−O−、−CH2−、−(CH22−、−(CH23−、−(CH24−、1,4−フェニレン、4,4’−ジフェニレン、4,4’−オキシ−1,1’−ジフェニレン、または式
(d)で示される基であり、式(d)において、R2は炭素数1から4のアルキルまたは非置換のフェニルであり、mは1〜10の整数であり、X41は水素であることが好ましい。
上記式(1−1)で示される化合物、式(7−1)で示される化合物、および式(9−1)で示される化合物を反応させて得られる重合体において、特に好ましくは、式(1−1)におけるすべてのRが非置換のフェニルであり、式(a−1)におけるRaがビニルであって、X11がメチルであり、式(7−1)におけるすべてのRが非置換のフェニルであり、R1はメチルであり、X21は水素であり、式(9−1)におけるすべてのR1がメチルであり、Lは式(d)で示される基であり、式(d)において、R2はメチルであり、mは5から10の整数であり、X41は水素である。
本発明の感光性重合体組成物に含まれるかご型ケイ素化合物の第三の態様として、式(11−1)示される化合物、および式(12−1)で示される化合物から選択される化合物、またはこれらの化合物を反応させて得られるシルセスキオキサン高分子誘導体が挙げられる。
以下、式(11−1)、(12−1)の化合物について説明する。
Figure 2007298841
式(11−1)において、Rは、上記式(1−1)におけるRと同様に定義される基であり、好ましい基も式(1−1)と同様である。Xは水素、炭素数1から10のアルキル、トリメチルシリル基である。
式(11−1)においては、Rが非置換のフェニル基であり、Xが水素であることがより好ましい。
Figure 2007298841
式(12−1)において、Rは、式(1−1)におけるRと同様に定義される基であり、好ましい基も式(1−1)と同様である。Xは水素、炭素数1から10のアルキル、トリメチルシリル基である。
式(1−1)、式(6−1)の化合物は、例えば、特開2005−139124号公報記載の式(A)の化合物と対応するジクロロシランとを反応させることで得られる。
式(2−1)、式(7−1)の化合物は、例えば、特開2005−139124号公報の
式(B)の化合物と対応するクロロシランとを反応させることで得られる。
式(3−1)、式(8−1)の化合物は、例えば、特開2005−139124号公報の式(A)の化合物と対応するクロロシランとを反応させることで得られる。
式(5−1)の化合物は例えば、特開2005−139124号公報に記載の方法に従い、ビニル、アリル、スチリルを含むアルコキシシランとアルコキシランRSi(OR23を混合して、加水分解することで得られる。
式(10−1)は例えば、特開2005−139124号公報に記載の方法に従い、ケイ素上に水素を含むアルコキシシランとアルコキシランRSi(OR23を混合して、加水分解することで得られる。
式(11−1)と式(12−1)の化合物でX=SiMe3,アルキルの化合物は特開2005−139124号公報に記載の対応する金属塩(A),(B)と対応するクロロシラン、ハロゲン化アルキルを反応させることで得られる。X=Hの化合物は対応する金属塩を有機溶媒中で、酢酸と反応させることで得られる。
なお、上述したシルセスキオキサン高分子誘導体を得るための各化合物の反応は、各化合物を有機溶媒中で混合することによって容易に行うことができる。
なお、主に3種類の態様について例示したが、本発明の感光性重合体組成物に含まれるかご型ケイ素化合物は上記3種類の態様に限定されない。
本発明の感光性重合体組成物に含まれる金属錯体としては、有機溶媒に溶解し、感光性を有するものであれば特に制限されず、β−ジケトン、カルボン酸類、ケトエステル等を含む金属錯体が挙げられるが、β‐ジケトン類を含む金属錯体が好ましい。β‐ジケトン類としては、例えば、ベンゾイルアセトン、アセチルアセトンが挙げられる。
金属錯体に含まれる金属イオンに特に制限はなく、一種または複数混合して用いても構わない。アセチルアセトン錯体の中心金属としては、アルミニウム、ベリリウム、カルシウム、カドミウム、コバルト、クロム、銅、ユウロピウム、鉄、ガリウム、インジウム、ランタン、マグネシウム、マンガン、鉛、白金、ロジウム、ルテニウム、スカンジウム、タンタル、亜鉛、ジルコニウムが挙げられる。
感光性金属錯体としてより具体的には、チタンのアルコキシド、例えば、テトラブトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、チタンメタクリルトリイソプロポキシ、ジルコニウムのアルコキシド、例えば、テトラブトキシジルコニウム、テトラプロポキシジルコニウム、アルミニウムのアルコキシド、例えばトリプロポキシアルミニウムなどと、ベンゾイルアセトンから形成されるものが挙げられる。
この場合、キレート安定化剤(ベンゾイルアセトン)の含有量はアルコキシドに対して1から20当量で用いることが可能で、好ましくは1から3モル当量である。
また、感光性金属錯体の別の態様として、アルミニウム、ベリリウム、カルシウム、カドミウム、コバルト、クロム、銅、ユウロピウム、鉄、ガリウム、インジウム、ランタン、マグネシウム、マンガン、鉛、白金、ロジウム、ルテニウム、スカンジウム、タンタル、亜鉛、またはジルコニウムから選択される中心金属と、アセチルアセトンから形成される感光性金属錯体が挙げられる。
金属錯体とかご型ケイ素化合物との混合比は限定されないが、モル比で10:1から1000:1まで混合可能であるが、好ましくは10:1から100:1である。
本発明の感光性重合体組成物に含まれる有機溶媒としては、上述したかご型ケイ素化合物と金属錯体を溶解することができるものであれば特に制限されないが、アルコールやエーテル類が挙げられる。アルコールとして具体的には2−メトキシエタノールが例示され、エーテル類として具体的にはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートが例示される。
かご型ケイ素化合物と金属錯体を有機溶媒中に添加して混合し、好ましくは加熱しながら混合することで本発明の感光性重合体組成物を得ることができる。
本発明の感光性重合体組成物は、例えば、基材上に膜のパターンを形成するために使用することができる。膜のパターン形成方法は本発明の感光性重合体組成物からなる感光層を基材上に形成し、感光層の所定の領域を露光した後、未露光部を有機溶媒により現像して除去することにより、金属酸化物−有機ケイ素薄膜パターンを形成することができる。
用いる機材の材質は限定されず、シリコン基板や石英基板等が用いられる。
製膜方法はディッピング法、スピンコート法、キャスト法などいずれの方法を用いても良い。
露光するための光の波長や強度は組成物の種類や用途によって異なり適宜調節することができる。例えば、後述の実施例に示すように、365nmの波長の光を10分間(220J/cm2)照射することにより露光させることができる。
露光後に現像に用いる溶液としては、光硬化性の成分とポリシルセスキオキサンの両方を溶解するものであればよく、トルエン、メトキシエタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、NMP、DMAc、DMF、THF、THP等が挙げられる。
[実施例]
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明は下記の実施例には限定されない。なお、本実施例において、膜厚はTENCOR社のalpha-step200を用いて測定した。
[合成例1]
化合物(13)(170.0g、141.0mmol)、化合物(14)(51.9g、46.9mmol)、化合物(15)(45.9g、35.3mmol)、トルエン1071gを入れて、80℃で加熱攪拌をした。反応液が80℃に達したら、カルステッド触媒100μlを添加して、2時間攪拌した。攪拌終了後室温まで冷却して、減圧下で溶媒を除去した後に、40℃で8時間乾燥して、白色固体を(265g)得た。
Figure 2007298841
[合成例2]
化合物(13)(42.5g、35.3mmol)、化合物(14)(19.5g、17.6mmol)、化合物(16)(8.2g、8.8mmol)、トルエン250gを入れて、80℃で加熱攪拌をした。反応液が80℃に達したら、カルステッド触媒25μlを添加して、2時間攪拌した。攪拌終了後室温まで冷却して、減圧下で溶媒を除去した後に、40℃で8時間乾燥して、白色固体を(63g)得た。
Figure 2007298841
[合成例3]
化合物(17)(12g、10.4mmol)を酢酸エチル100gに懸濁して、0℃に冷却後、酢酸(3g、50mmol)を加えて、同温度で2時間攪拌した。水を加えて抽出後に、減圧濃縮を行い、白色固体として、ナトリウムが水素に置き換わったシラノール誘導体(8.5g、8mmol)を76%の収率で得た。
Figure 2007298841
チタンメタクリルトリイソプロポキシ(60.4mg、0.195mmol)とベンゾイルアセトン(97.3mg、0.6mmol)を溶かしたプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(1ml)の溶液に、合成例1のポリシルセスキオキサンポリマー((53.5mg、0.0013mmol)を溶解したプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(1ml)を加えて、黄色の均一溶液を得た。この溶液を用いてガラス基板上にスピンコート法により製膜して、150℃で2分プリベークして、0.1μmの厚さの膜を作製した。この膜に水銀ランプを10分間(220J/cm2)露光すると、ベンゾイルアセトンと金属からなる金属錯体由来の365nmの紫外吸収が消失して、ゾルゲル反応が進行することが確認されたために、その時間を反応終点として、以後の実施例では10分間照射した。
露光後にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液で現像すると、非照射部が溶解するネガ型の膜が得られて、幅1μmのパターンを作製した。
実施例1で作製した均一溶液を用いてガラス基板上にキャスト法により7μmの厚さの膜を作製した以外は実施例1と同様の処理を行い、パターンを作製した。
実施例1で用いたポリシルセスキオキサンポリマーを、合成例2のポリマーに変えて実験を行った以外は、実施例1と同様にして、0.12μmの厚さの膜を作製して、実施例1と同様の方法でパターンを作製した。
チタンメタクリルトリイソプロポキシ(0.12g、0.39mmol)とベンゾイルアセトン(0.195g、1.2mmol)を溶かしたプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(0.5mL)の溶液に、合成例2のポリシルセスキオキサンポリマー(0.6g,0.03mmol)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液(0.5mL)を加えて、黄色の均一溶液を得た。この溶液を用いて実施例1と同様の方法でパターンを作製した。膜厚は2.5μmであった。
実施例1の溶媒をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートから2−メトキシエタノールに変えて、ポリシルセスキオキサンを合成例3の化合物に変えて同重量加えて、それ以外は同様の方法で均一溶液を作製後、実施例1と同様の方法で、現像液をトルエンに変えると、非照射部が溶解するネガ型の膜が得られて、幅1μmのパターンを作製した。膜厚は0.1μmであった。
実施例5と同じ方法で作製した溶液に、ユーロピウムテノイルフルオロアセトネート(0.04g、0.05mmol)を加えて均一溶液を得た。この溶液を用いて基板上にスピンコート法により製膜後、130℃で30秒プリベークして、0.1μmの厚さの膜を作製した。この膜を実施例5と同様の方法で処理すると、非照射部が溶解するネガ型の膜が得られて、幅1μmのパターンを作製した。

Claims (16)

  1. かご型ケイ素化合物、金属錯体、および有機溶媒を含む、感光性重合体組成物。
  2. 前記かご型ケイ素化合物が、下記式(1−1)で示される化合物を、下記式(6−1)、(7−1)、(8−1)、(9−1)および(10−1)で示される化合物群から選択される少なくとも1つの化合物と反応させて得られるシルセスキオキサン高分子誘導体である、請求項1に記載の感光性重合体組成物。
    Figure 2007298841
    式(1−1)において、Rは、独立して水素、炭素数1〜40のアルキル、任意の水素がハロゲンもしくは炭素数1〜20のアルキルで置き換えられてもよいアリール、またはアリールにおける任意の水素がハロゲンもしくは炭素数1〜20のアルキルで置き換えられてもよいアリールアルキルであり、
    ここに、炭素数1〜40のアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH2−は−O−、−CH=CH−、シクロアルキレンまたはシクロアルケニレンで置き換えられてもよく;アリールの置換基である炭素数1〜20のアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH2−は−O−、−CH=CH−、シクロアルキレンまたはフェニレンで置き換えられてもよく;アリールアルキルのアルキレンにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH2−は−O−、−CH=CH−またはシクロアルキレンで置き換えられてもよく、
    1は式(a−1)で示される基である。
    Figure 2007298841
    式(a−1)において、Raはビニル、アリル、ホモアリル、またはスチリルであって、X11は炭素数1〜10のアルキルまたは非置換のフェニルである。
    Figure 2007298841
    式(6−1)において、Rは式(1−1)におけるRと同様に定義される基であり、Y1は式(c−1)で示される基である。
    Figure 2007298841
    式(c−1)において、X11は炭素数1〜10のアルキルまたは非置換のフェニルである。
    Figure 2007298841
    式(7−1)において、Rは式(1−1)におけるRと同様に定義される基であり、R1は独立して炭素数1〜8のアルキルまたは非置換のフェニルであり;X21の少なくとも2つは水素で、その残りはR1である。
    Figure 2007298841
    式(8−1)において、Rは、式(1−1)におけるRと同様に定義される基であり、R1は独立して炭素数1〜8のアルキルまたは非置換のフェニルであり、X31の少なくとも2つは水素であり、その残りはR1である。
    Figure 2007298841
    式(9−1)において、R1は独立して炭素数1〜4のアルキルまたは非置換のフェニルであり、Lは単結合、−O−、−CH2−、−(CH22−、−(CH23−、−(CH24−、1,4−フェニレン、4,4’−ジフェニレン、4,4’−オキシ−1,1’−ジフェニレン、または式(d)で示される基であり、X41は水素である。
    Figure 2007298841
    式(d)において、R2は独立して炭素数1〜4のアルキルまたは非置換のフェニルで
    あり、mは1〜30の整数である。
    Figure 2007298841
    式(10−1)において、Rは式(1−1)におけるRと同様に定義される基であり、X51の少なくとも2つは水素であり、その残りはRである。
  3. 前記かご型ケイ素化合物が、前記式(1−1)で示される化合物を、前記式(6−1)、(7−1)、(8−1)、(9−1)および(10−1)で示される化合物群から選択される少なくとも1つの化合物、ならびに下記式(2−1)、(3−1)、(4−1)および(5−1)で示される化合物群から選択される少なくとも1つの化合物と反応させて得られるシルセスキオキサン高分子誘導体である、請求項2に記載の感光性重合体組成物。
    Figure 2007298841
    式(2−1)において、Rは前記式(1−1)におけるRと同様に定義される基であり、R1は独立して炭素数1〜8のアルキルまたは非置換のフェニルからであり;X21の少なくとも2つはビニル、アリル、ホモアリル、またはスチリルで、その残りはR1である。
    Figure 2007298841
    式(3−1)において、Rは、前記式(1−1)におけるRと同様に定義される基であり、R1は独立して炭素数1〜8のアルキルまたは非置換のフェニルであり、X31の少なくとも2つはビニル、アリル、ホモアリルまたはスチリルであり、その残りはR1である。
    Figure 2007298841
    式(4−1)において、R1は独立して炭素数1〜4のアルキルまたは非置換のフェニルであり、Lは単結合、−O−、−CH2−、−(CH22−、−(CH23−、−(CH24−、1,4−フェニレン、4,4’−ジフェニレン、4,4’−オキシ−1,1’−ジフェニレン、または式(b)で示される基であり、X41は水素、ビニル、アリル、ホモアリル、またはスチリルであり、その残りはR1である。
    Figure 2007298841
    式(b)において、R2は独立して炭素数1〜4のアルキルまたは非置換のフェニルであり、mは1〜30の整数である。
    Figure 2007298841
    式(5−1)において、Rは前記式(1−1)におけるRと同様に定義される基であり、X51の少なくとも2つはビニル、アリル、ホモアリルまたはスチリルであり、その残りはRである。
  4. 前記かご型ケイ素化合物が、下記式(6−1)で示される化合物を、下記式(1−1)、(2−1)、(3−1)、(4−1)および(5−1)で示される化合物群から選択される少なくとも1つの化合物と反応させて得られるシルセスキオキサン高分子誘導体である、請求項1に記載の感光性重合体組成物。
    Figure 2007298841
    式(6−1)において、Rは式(1−1)におけるRと同様に定義される基であり、Y1は式(c−1)で示される基である。
    Figure 2007298841
    式(c−1)において、X11は炭素数1〜10のアルキルまたは非置換のフェニルである。
    Figure 2007298841
    式(1−1)において、Rは、独立して水素、炭素数1〜40のアルキル、任意の水素がハロゲンもしくは炭素数1〜20のアルキルで置き換えられてもよいアリール、またはアリールにおける任意の水素がハロゲンもしくは炭素数1〜20のアルキルで置き換えられてもよいアリールアルキルであり、
    ここに、炭素数1〜40のアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH2−は−O−、−CH=CH−、シクロアルキレンまたはシクロアルケニレンで置き換えられてもよく;アリールの置換基である炭素数1〜20のアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH2−は−O−、−CH=CH−、シクロアルキレンまたはフェニレンで置き換えられてもよく;アリールアルキルのアルキレンにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH2−は−O−、−CH=CH−またはシクロアルキレンで置き換えられてもよく、
    1は式(a−1)で示される基である。
    Figure 2007298841
    式(a−1)において、Raはビニル、アリル、ホモアリル、またはスチリルであって、X11は炭素数1〜10のアルキルまたは非置換のフェニルである。
    Figure 2007298841
    式(2−1)において、Rは、前記式(1−1)におけるRと同様に定義される基であり、R1は独立して炭素数1〜8のアルキルまたは非置換のフェニルであり;X21の少なくとも2つはビニル、アリル、ホモアリル、またはスチリルで、その残りはR1である。

    Figure 2007298841
    式(3−1)において、Rは、前記式(1−1)におけるRと同様に定義される基であり、R1は独立して炭素数1〜8のアルキルまたは非置換のフェニルであり、X31の少なくとも2つはビニル、アリル、ホモアリルまたはスチリルであり、その残りはR1である。
    Figure 2007298841
    式(4−1)において、R1は独立して炭素数1〜4のアルキルまたは非置換のフェニルであり、Lは単結合、−O−、−CH2−、−(CH22−、−(CH23−、−(CH24−、1,4−フェニレン、4,4’−ジフェニレン、4,4’−オキシ−1,1’−ジフェニレン、または式(b)で示される基であり、X41は水素、ビニル、アリル、ホモアリル、またはスチリルであり、その残りはR1である。
    Figure 2007298841
    式(b)において、R2は独立して炭素数1〜4のアルキルまたは非置換のフェニルであり、mは1〜30の整数である。
    Figure 2007298841
    式(5−1)において、Rは前記式(1−1)におけるRと同様に定義される基であり、X51の少なくとも2つはビニル、アリル、ホモアリルまたはスチリルであり、その残りはRである。
  5. 前記かご型ケイ素化合物が、前記式(6−1)で示される化合物を、前記式(1−1)、(2−1)、(3−1)、(4−1)および(5−1)で示される化合物群から選択される少なくとも1つの化合物、ならびに、下記式(7−1)、(8−1)、(9−1)および(10−1)で示される化合物群から選択される少なくとも1つの化合物と反応させて得られるシルセスキオキサン高分子誘導体である、請求項4に記載の感光性重合体組成物。
    Figure 2007298841
    式(7−1)において、Rは、前記式(1−1)におけるRと同様に定義される基であり、R1は独立して炭素数1〜8のアルキルまたは非置換のフェニルであり;X21の少なくとも2つは水素で、その残りはR1である。
    Figure 2007298841
    式(8−1)において、Rは、前記式(1−1)におけるRと同様に定義される基であり、R1は独立して炭素数1〜8のアルキルまたは非置換のフェニルであり、X31の少なくとも2つは水素であり、その残りはR1である。
    Figure 2007298841
    式(9−1)において、R1は独立して炭素数1〜4のアルキルまたは非置換のフェニルであり、Lは単結合、−O−、−CH2−、−(CH22−、−(CH23−、−(CH24−、1,4−フェニレン、4,4’−ジフェニレン、4,4’−オキシ−1,1’−ジフェニレン、または式(d)で示される基であり、X41は水素である。
    Figure 2007298841
    そして式(d)において、R2は独立して炭素数1〜4のアルキルまたは非置換のフェニルであり、mは1〜30の整数である。
    Figure 2007298841
    式(10−1)において、Rは前記式(1−1)におけるRと同様に定義される基であり、X51の少なくとも2つは水素であり、その残りはRである。
  6. 前記かご型ケイ素化合物が、式(1−1)に示される化合物、式(7−1)に示される化合物、および式(8−1)に示される化合物を反応させて得られるシルセスキオキサン高分子誘導体である、請求項2に記載の感光性重合体組成物であって、
    式(1−1)において、Rは非置換のフェニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、又はt−ブチルであり、式(a−1)において、Raがビニル、アリルまたはスチリルであって、X11が炭素数1〜4のアルキルまたは非置換のフェニルであり、
    前記式(7−1)において、Rは非置換のフェニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、又はt−ブチルであり、R1は炭素数1〜8のアルキル又は非置換のフェニルであり;X21の少なくとも2つは水素でその残りはR1であり、
    前記式(8−1)において、Rは非置換のフェニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、又はt−ブチルであり、R1は炭素数1〜8のアルキルであり、X31の少なくとも2つは水素でその残りはR1である、請求項2に記載の感光性重合体組成物。
  7. 前記かご型ケイ素化合物が、式(1−1)に示される化合物、式(7−1)に示される化合物、および式(8−1)に示される化合物を反応させて得られるシルセスキオキサン高分子誘導体である、請求項2に記載の感光性重合体組成物であって、
    式(1−1)において、Rは非置換のフェニルであり、式(a−1)において、Raがビニルであって、X11がメチルであり、
    式(7−1)において、Rは非置換のフェニルであり、R1はメチルであり;X21は水素であり、
    式(8−1)において、Rは非置換のフェニルであり、R1はメチルであり、X31は水素である、請求項2に記載の感光性重合体組成物。
  8. 前記かご型ケイ素化合物が、式(1−1)に示される化合物、式(7−1)に示される化合物、および式(9−1)に示される化合物を反応させて得られるシルセスキオキサン高分子誘導体である、請求項2に記載の感光性重合体組成物であって、
    式(1−1)において、Rは非置換のフェニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、又
    はt−ブチルであり、式(a−1)において、Raがビニル、アリルまたはスチリルであり、X11が炭素数1〜4のアルキルまたは非置換のフェニルであり、
    式(7−1)において、Rは非置換のフェニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、又はt−ブチルであり、R1は炭素数1〜8のアルキルまたは非置換のフェニルであり、X21の少なくとも2つは水素でその残りはR1であり、
    式(9−1)において、R1は炭素数1から4のアルキルまたは非置換のフェニルであり、Lは単結合、−O−、−CH2−、−(CH22−、−(CH23−、−(CH24−、1,4−フェニレン、4,4’−ジフェニレン、4,4’−オキシ−1,1’−ジフェニレン、または式(d)で示される基であり、式(d)において、R2は炭素数1から4のアルキルまたは非置換のフェニルであり、mは1〜10の整数であり、X41は水素である、請求項2に記載の感光性重合体組成物。
  9. 前記かご型ケイ素化合物が、式(1−1)に示される化合物、式(7−1)に示される化合物、および式(9−1)に示される化合物を反応させて得られるシルセスキオキサン高分子誘導体である、請求項2に記載の感光性重合体組成物であって、
    式(1−1)において、Rは非置換のフェニルであり、式(a−1)において、Raがビニルであり、X11が炭素数1のアルキルであり、
    式(7−1)において、Rは非置換のフェニルであり、R1はメチルであり;X21は水素であり、
    式(9−1)において、R1はメチルであり、Lは式(d)で示される基であり、式(d)において、R2はメチルであり、mは5から10の整数であり、X41は水素である、請求項2に記載の感光性重合体組成物。
  10. 前記かご型ケイ素化合物が、式(11−1)に示される化合物、および式(12−1)で示される化合物から選択される化合物、またはこれらの化合物を反応させて得られるシルセスキオキサン高分子誘導体である、請求項1に記載の感光性重合体組成物。
    Figure 2007298841
    式(11−1)において、Rは、
    独立して水素、炭素数1〜40のアルキル、任意の水素がハロゲンもしくは炭素数1〜20のアルキルで置き換えられてもよいアリール、またはアリールにおける任意の水素がハロゲンもしくは炭素数1〜20のアルキルで置き換えられてもよいアリールアルキルであり、
    ここに、炭素数1〜40のアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH2−は−O−、−CH=CH−、シクロアルキレンまたはシクロアルケニレンで置き換えられてもよい;アリールの置換基である炭素数1〜20のアルキルにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH2−は−O−、−CH=CH−、シクロアルキレンまたはフェニレンで置き換えられてもよい;アリールアルキルのアルキレンにおいて、任意の水素はフッ素で置き換えられてもよく、任意の−CH2−は−O−、−CH=CH−またはシクロアルキレンで置き換えられてもよく、
    Xは水素、炭素数1から10のアルキル、またはトリメチルシリル基である。
    Figure 2007298841
    式(12−1)におけるすべてのRは式(11−1)におけるRと同様に定義される基であり、Xは水素、炭素数1から10のアルキル、またはトリメチルシリル基である。
  11. 前記式(11−1)において、Rが非置換のフェニル基であり、Xが水素である、請求項10に記載の感光性重合体組成物。
  12. 前記金属錯体がβ‐ジケトン類をキレート安定化剤として含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の感光性重合体組成物。
  13. 前記金属錯体が、テトラブトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、チタンメタクリルトリイソプロポキシ、テトラブトキシジルコニウム、テトラプロポキシジルコニウム、又はトリプロポキシアルミニウムと、ベンゾイルアセトンから形成される感光性金属錯体である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の感光性重合体組成物。
  14. 前記金属錯体が、アルミニウム、ベリリウム、カルシウム、カドミウム、コバルト、クロム、銅、ユウロピウム、鉄、ガリウム、インジウム、ランタン、マグネシウム、マンガン、鉛、白金、ロジウム、ルテニウム、スカンジウム、タンタル、亜鉛、またはジルコニウムから選択される中心金属と、アセチルアセトンから形成される感光性金属錯体である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の感光性重合体組成物。
  15. 前記有機溶媒がアルコールもしくはエーテル類である、請求項1〜14のいずれか一項に記載の感光性重合体組成物。
  16. 基材上に請求項1〜15のいずれか一項に記載の感光性重合体組成物を用いて感光層を形成する工程、前記感光層の所定の領域を露光する工程、および未露光部を有機溶媒により現像して除去する工程を含む、金属酸化物−有機ケイ素薄膜パターンの形成方法。
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