JPH08245641A - グリニャール試薬 - Google Patents

グリニャール試薬

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JPH08245641A
JPH08245641A JP8198695A JP8198695A JPH08245641A JP H08245641 A JPH08245641 A JP H08245641A JP 8198695 A JP8198695 A JP 8198695A JP 8198695 A JP8198695 A JP 8198695A JP H08245641 A JPH08245641 A JP H08245641A
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JP
Japan
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group
grignard reagent
carbon atoms
solvent
ether
Prior art date
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Pending
Application number
JP8198695A
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English (en)
Inventor
Norihiko Sakamoto
憲彦 坂本
Koichi Kobayashi
紘一 小林
Hideo Mizutani
秀郎 水谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Kasei Co Ltd
Original Assignee
Nitto Kasei Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】一般式〔1〕 【化1】 (R1 、R2 :炭素数1〜8のアルキル基、R3 :水素
原子又はメチル基、n:1〜6の整数)で表わされるポ
リアルキレングリコ−ルジアルキルエ−テルを溶媒とす
るグリニャール試薬。 【効果】本発明のポリアルキレングリコ−ルジアルキル
エ−テルを溶媒とするグリニャール試薬を用いれば、グ
リニャール試薬と他の化合物とのカップリング反応で副
生するハロゲン化マグネシウム錯体が溶解され、生成物
が水で加水分解し易い場合でも、水で後処理することな
く生成物を蒸留等によって簡易に分離・精製することが
可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリアルキレングリコ
−ルジアルキルエ−テルを溶媒とするグリニャール試薬
に関する。
【0002】
【従来の技術】グリニャール試薬は、古くはジエチルエ
−テル、ジブチルエ−テル等の鎖状エ−テルを溶媒とし
て、近年ではテトラヒドロフラン(THF)等の環状エ
−テルを溶媒として調製されてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】例えばテトラヒドロフ
ランを溶媒とするグリニャール試薬では、グリニャール
試薬と他の化合物とのカップリング反応で副生する塩化
マグネシウム錯体が溶解されず、この錯体が結晶若しく
は沈澱として析出してくる。したがって、析出した錯体
を濾過等の方法により除去する操作を経なければ、生成
物を蒸留等の手段を用いて分離・精製できない等の不便
がある。一方、析出した錯体を水に溶解させて、この錯
体を系外に除去する方法もあるが、水で容易に加水分解
する生成物の場合にはこの方法を取り得ない。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者等は、鋭
意研究したところ、特定のポリアルキレングリコ−ルジ
アルキルエ−テルを溶媒とするグリニャール試薬を調製
すれば、その後のカップリング反応によって副生するハ
ロゲン化マグネシウム錯体が溶解され、その結果生成物
が水で加水分解し易い場合でも、水で後処理することな
く生成物を蒸留等によって簡易に分離・精製することが
可能となることを見出し、本発明に至った。
【0005】本発明は、一般式〔1〕
【化3】 (式中R1 、R2 は炭素数1〜8のアルキル基で同一で
あっても異なっていてもよく、R3 は水素原子又はメチ
ル基を、nは1〜6の整数をそれぞれ示す)で表される
ポリアルキレングリコ−ルジアルキルエ−テルを溶媒と
する一般式〔2〕
【0006】
【化4】 (式中R4 は炭素数2〜12のアルキル基、炭素数2〜
12のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキニル基、炭
素数7〜16のアラルキル基、炭素数4〜8のシクロア
ルキル基又は炭素数6〜10のアリ−ル基を、Xはハロ
ゲン原子をそれぞれ示す)で表されるグリニャール試薬
である。
【0007】さらに、本発明のグリニャール試薬は、グ
リニャール試薬の調製に際して若しくはグリニャール試
薬の調製後に、n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘ
プタン、n−オクタン、n−デカン、n−ウンデカン、
n−ドデカン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化
水素系溶媒を添加することができる。これらの炭化水素
系溶媒をあらかじめ加えておけば、アリルクロライド、
ベンジルクロライド等のハロゲン化物ではグリニャール
試薬の収率が顕著に向上する。また、グリニャール試薬
の調製の前後に炭化水素系溶媒を加えておくと、グリニ
ャール試薬と他の化合物をカップリング反応した後、反
応混合液を蒸留するに際して、常温で固体の生成物の場
合には生成物を炭化水素系溶媒で液状化(溶解)するこ
とができ、蒸留時における生成物の器壁への固化による
付着を有効に防止できる。
【0008】本発明のグリニャール試薬は、一般式
〔1〕で表されるポリアルキレングリコ−ルジアルキル
エ−テルを溶媒として調製される。ポリアルキレングリ
コ−ルジアルキルエ−テルとしては、例えばジエチレン
グリコ−ルジエチルエ−テル、ジエチレングリコ−ルジ
ブチルエ−テル、ジエチレングリコ−ルエチルメチルエ
−テル、ジプロピレングリコ−ルジメチルエ−テル、ジ
プロピレングリコ−ルジエチルエ−テル、ジプロピレン
グリコ−ルジブチルエ−テル、ジプロピレングリコ−ル
イソプロピルメチルエ−テル、ジプロピレングリコ−ル
イソプロピルエチルエ−テル、トリエチレングリコ−ル
ジメチルエ−テル、テトラエチレングリコ−ルジメチル
エ−テル、トリプロピレングリコ−ルジメチルエ−テ
ル、ペンタエチレングリコ−ルジメチルエ−テル、ヘキ
サエチレングリコ−ルジメチルエ−テル等を挙げること
ができる。
【0009】本発明に係る一般式〔2〕で表されるグリ
ニャール試薬(R4 MgX)で、式中のR4 としては、
例えばn−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル
基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、
n−アミル基、i−アミル基、ヘキシル基、オクチル
基、デシル基、ドデシル基、ビニル基、アリル基、1−
プロペニル基、1−メチルビニル基、2−ブテニル基、
ベンジル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シ
クロオクチル基、2−プロピニル基、エチニル基、フェ
ニル基、o−トリル基、p−トリル基、4−フルオロフ
ェニル基、キシリル基等が挙げられるが、これらに限定
されるものではない。また、式中のXとしては、例えば
塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子が挙
げられる。
【0010】
【実施例】つぎに、実施例を挙げて本発明を説明する。
【0011】実施例1 温度計、還流冷却器、攪拌機及び滴下ロ−トを備えた5
00mlのフラスコに、マグネシウム12.2g(0.
5mol)及びジエチレングリコ−ルジエチルエ−テル
98gを仕込み、窒素雰囲気下でn−プロピルクロライ
ド39.3g(0.5mol)を50〜60℃に保ちな
がら2時間かけて滴下した。滴下終了後、この温度で3
時間攪拌してn−プロピルマグネシウムクロライドのジ
エチレングリコ−ルジエチルエ−テル溶液(グリニャ−
ル試薬)を得た。このグリニャ−ル試薬をギルマン法に
より定量するとn−プロピルマグネシウムクロライドの
収率は93%であった。
【0012】実施例2〜9 種々のハロゲン化物を用いて、実施例1と同様の操作を
行って、ポリアルキレングリコ−ルジアルキルエ−テル
を溶媒とするグリニャール試薬を得た。これらの結果を
第1表にまとめた。
【0013】
【表1】
【0014】実施例10 温度計、還流冷却器、攪拌機及び滴下ロ−トを備えた5
00mlのフラスコに、マグネシウム12.2g(0.
5mol)、ジエチレングリコ−ルジブチルエ−テル1
30g及びトルエン50gを仕込み、窒素雰囲気下でi
−プロピルクロライド39.3g(0.5mol)を4
0〜50℃に保ちながら2時間かけて滴下した。滴下終
了後、この温度で3時間攪拌してi−プロピルマグネシ
ウムクロライド(グリニャ−ル試薬)を得た。このグリ
ニャ−ル試薬をギルマン法により定量するとi−プロピ
ルマグネシウムクロライドの収率は92%であった。
【0015】実施例11〜19 種々のハロゲン化物を用いて、実施例10と同様の操作
を行って、ポリアルキレングリコ−ルジアルキルエ−テ
ル及び炭化水素を溶媒とするグリニャール試薬を得た。
これらの結果を第2表にまとめた。
【0016】
【表2】
【0017】実施例20 温度計、還流冷却器、攪拌機、滴下ロ−ト及びガス吹き
込み装置を備えた500mlのフラスコに、ジエチレン
グリコ−ルジエチルエ−テル20g及びトルエン30g
を仕込み、窒素雰囲気下でアセチレンガス26g(1.
0mol)を吹き込みながら、実施例1で調製したn−
プロピルマグネシウムクロライドのジエチレングリコ−
ルジエチルエ−テル溶液(0.5mol)を滴下ロ−ト
より20〜30℃で2時間かけて滴下した。滴下終了
後、この温度で1時間攪拌した。このグリニャ−ル試薬
をギルマン法により定量するとグリニャール試薬の収率
は91%であった。
【0018】
【発明の効果】実施例1〜20の結果から明らかなよう
に、特定のポリアルキレングリコ−ルジアルキルエ−テ
ルを溶媒としても高収率でグリニャール試薬を調製する
ことができる。このポリアルキレングリコ−ルジアルキ
ルエ−テルを溶媒とするグリニャール試薬を用いれば、
グリニャール試薬と他の化合物とのカップリング反応で
副生するハロゲン化マグネシウム錯体が溶解され、生成
物が水で加水分解し易い場合でも、水で後処理すること
なく生成物を蒸留等によって簡易に分離・精製すること
が可能となる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式〔1〕 【化1】 (式中R1 、R2 は炭素数1〜8のアルキル基で同一で
    あっても異なっていてもよく、R3 は水素原子又はメチ
    ル基を、nは1〜6の整数をそれぞれ示す)で表される
    ポリアルキレングリコ−ルジアルキルエ−テルを溶媒と
    する一般式〔2〕 【化2】 (式中R4 は炭素数2〜12のアルキル基、炭素数2〜
    12のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキニル基、炭
    素数7〜16のアラルキル基、炭素数4〜8のシクロア
    ルキル基又は炭素数6〜10のアリ−ル基を、Xはハロ
    ゲン原子をそれぞれ示す)で表されるグリニャール試
    薬。
  2. 【請求項2】請求項1記載のグリニャール試薬であっ
    て、グリニャール試薬の調製に際して若しくはグリニャ
    ール試薬の調製後に、n−ヘキサン、シクロヘキサン、
    n−ヘプタン、n−オクタン、n−デカン、n−ウンデ
    カン、n−ドデカン、ベンゼン、トルエン又はキシレン
    である炭化水素系溶媒を添加することを特徴とするグリ
    ニャール試薬。
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