JPH08333374A - ハロゲン原子の結合したケイ素化合物の製造方法 - Google Patents
ハロゲン原子の結合したケイ素化合物の製造方法Info
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- JPH08333374A JPH08333374A JP17035295A JP17035295A JPH08333374A JP H08333374 A JPH08333374 A JP H08333374A JP 17035295 A JP17035295 A JP 17035295A JP 17035295 A JP17035295 A JP 17035295A JP H08333374 A JPH08333374 A JP H08333374A
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Abstract
原子又はメチル基、n:1〜6の整数)で表わされるポ
リアルキレングリコ−ルジアルキルエ−テルを溶媒とす
るグリニャール試薬とケイ素化合物をカップリング反応
した後、反応混合液について炭化水素系の溶媒を用いて
抽出・精製することを特徴とするハロゲン原子の結合し
たケイ素化合物の製造方法。 【効果】本発明の製造方法によれば、カップリング反応
で生ずる塩化マグネシウム錯体等の副生物を除去する操
作を必要とせず、生成物が高沸点である場合でも簡易
に、かつ、安全に高収率でハロゲン原子の結合したケイ
素化合物を工業的に生産できる。
Description
たケイ素化合物の工業的生産に適した製造方法に関す
る。
は、医薬品製造過程における保護基、界面活性剤の原
料、ポリマ−の改質剤、その他中間体として今日広く利
用されている。しかし、ハロゲン原子の結合したケイ素
化合物は、その化学構造として分子中にSi−X結合
(X:ハロゲン)を有している為に、水と接触すれば直
ちに加水分解し、また、その生産過程で反応缶等のステ
ンレス部分を腐食するので、工業的生産をするのに迂遠
な工程を経なければならないのが現状である。そして、
かかるハロゲン原子の結合したケイ素化合物は、一般的
にはグリニャール試薬を用いて生産され、その反応溶媒
としてテトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエ−テ
ル、ジブチルエ−テル等の溶媒がよく利用されている。
しかし、これらのエ−テル溶媒を用いれば、グリニャー
ル試薬とケイ素化合物のカップリング反応で副生する塩
化マグネシウム−エ−テル錯体が、エ−テル溶媒に溶解
されず結晶として多量に析出してくる。したがって、生
成物を単離・精製する為には、まずカップリング反応で
析出した多量の結晶を濾過等の方法により除去する操作
を経なければ、その後の蒸留等による精製が困難とな
る。濾過によって塩化マグネシウム−エ−テル錯体を除
去するには、生成物の腐食性ゆえに腐食に耐える高価な
生産設備が必要となり、また、錯体の濾過による除去に
際して引火性が高く、臭気の強いエ−テル溶媒が蒸散す
るので作業環境が悪化し、さらに、除去された錯体を水
等で処理するのに発熱を伴い、後処理工程も面倒とな
る。
本発明者等は、グリニャール試薬の溶媒として従来から
用いられてきたTHF、ジエチルエ−テル等のエ−テル
溶媒に代えて、特定のポリアルキレングリコ−ルジアル
キルエ−テル溶媒を使用すれば、カップリング反応後に
おいてハロゲン化マグネシウム錯体の結晶が全く析出し
ない均一な反応混合液が得られることを見出した。しか
し、この方法で使用されるポリアルキレングリコ−ルジ
アルキルエ−テル溶媒の沸点は170〜300℃と高沸
点であることから、生成物が高沸点のケイ素化合物であ
る場合には、反応混合液から直接蒸留によって単離・精
製するのが困難となる。
ハロゲン原子の結合したケイ素化合物の工業的な生産方
法を鋭意研究したところ、特定のポリアルキレングリコ
−ルジアルキルエ−テルを溶媒とするグリニャール試薬
とケイ素化合物をカップリング反応した後、反応混合液
について炭化水素系の溶媒を用いて抽出・精製すれば簡
易に、かつ、安全に高収率で目的物であるハロゲン原子
の結合したケイ素化合物が得られることを見出した。
あっても異なっていてもよく、R3 は水素原子又はメチ
ル基を、lは1〜6の整数をそれぞれ示す)で表される
ポリアルキレングリコ−ルジアルキルエ−テルを溶媒と
する一般式〔2〕
れ示す)で表されるグリニャール試薬と一般式〔3〕
原子を、mは0〜2の整数をそれぞれ示す)で表される
ケイ素化合物をカップリング反応した後、反応混合液か
ら一般式〔4〕
ロゲン原子を、m+nは1〜3の整数をそれぞれ示す)
で表されるケイ素化合物を炭化水素系の溶媒を用いて抽
出・精製することを特徴とするハロゲン原子の結合した
ケイ素化合物の製造方法である。
後の反応混合液についてn−ヘキサン、シクロヘキサ
ン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−デカン、n−ウ
ンデカン、n−ドデカン、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン等の炭化水素系溶媒を用いて抽出すれば、簡易、か
つ、高収率でハロゲン原子の結合したケイ素化合物を他
の副生物が混入することなく単離することことができ
る。これらの炭化水素系溶媒は、カップリング反応の前
後を問わず加えることができるが、グリニャール試薬の
調製に際してあらかじめ加えておけば、グリニャール試
薬の粘度を低下させ、該試薬の収率を向上させる効果も
期待できる。
〔1〕で表されるポリアルキレングリコ−ルジアルキル
エ−テルを溶媒として調製される。ポリアルキレングリ
コ−ルジアルキルエ−テルを溶媒として用いるのは、一
般式〔2〕のグリニャール試薬と一般式〔3〕のケイ素
化合物をカップリング反応した反応混合液を、副生する
ハロゲン化マグネシウム錯体が結晶として析出すること
のない均一な溶液状態に保つ為である。
リコ−ルジアルキルエ−テルとしては、例えばジエチレ
ングリコ−ルジエチルエ−テル、ジエチレングリコ−ル
ジブチルエ−テル、ジエチレングリコ−ルエチルメチル
エ−テル、ジプロピレングリコ−ルジメチルエ−テル、
ジプロピレングリコ−ルジエチルエ−テル、ジプロピレ
ングリコ−ルジブチルエ−テル、ジプロピレングリコ−
ルイソプロピルメチルエ−テル、ジプロピレングリコ−
ルイソプロピルエチルエ−テル、トリエチレングリコ−
ルジメチルエ−テル、テトラエチレングリコ−ルジメチ
ルエ−テル、トリプロピレングリコ−ルジメチルエ−テ
ル、ペンタエチレングリコ−ルジメチルエ−テル、ヘキ
サエチレングリコ−ルジメチルエ−テル等を挙げること
ができる。
エチルエ−テル等の溶媒でグリニャール試薬を調製した
後、これらの溶媒を本発明に係るポリアルキレングリコ
−ルジアルキルエ−テル溶媒と交換しても、当初からポ
リアルキレングリコ−ルジアルキルエ−テルを溶媒とす
るグリニャール試薬を用いた場合と同様の効果がある。
〔2〕で表されるグリニャール試薬(R4 MgX)で、
R4 としてはアルキル基、アルケニル基、アルキニル
基、アラルキル基、シクロアルキル基、アリ−ル基等が
挙げられるが、これらに限定されるものではない。具体
例としては、メチルマグネシウムクロライド、メチルマ
グネシウムブロマイド、エチルマグネシウムクロライ
ド、エチルマグネシウムブロマイド、プロピルマグネシ
ウムクロライド、プロピルマグネシウムブロマイド、i
−プロピルマグネシウムクロライド、i−プロピルマグ
ネシウムブロマイド、ブチルマグネシウムクロライド、
ブチルマグネシウムブロマイド、i−ブチルマグネシウ
ムクロライド、i−ブチルマグネシウムブロマイド、s
ec−ブチルマグネシウムクロライド、sec−ブチル
マグネシウムブロマイド、t−ブチルマグネシウムクロ
ライド、t−ブチルマグネシウムブロマイド、アミルマ
グネシウムクロライド、ヘキシルマグネシウムクロライ
ド、オクチルマグネシウムクロライド、デシルマグネシ
ウムクロライド、ドデシルマグネシウムクロライド、ビ
ニルマグネシウムクロライド、アリルマグネシウムクロ
ライド、1−プロペニルマグネシウムクロライド、1−
メチルビニルマグネシウムクロライド、2−ブテニルマ
グネシウムクロライド、ベンジルマグネシウムクロライ
ド、シクロペンチルマグネシウムクロライド、シクロヘ
キシルマグネシウムクロライド、シクロオクチルマグネ
シウムクロライド、2−プロピニルマグネシウムクロラ
イド、エチニルマグネシウムクロライド、フェニルマグ
ネシウムクロライド、フェニルマグネシウムブロマイ
ド、o−トリルマグネシウムクロライド、p−トリルマ
グネシウムクロライド、フルオロフェニルマグネシウム
クロライド、キシリルマグネシウムクロライド等があ
る。一般式〔2〕で表されるグリニャール試薬は、一般
式〔1〕で表されるポリアルキレングリコ−ルジアルキ
ルエ−テルを溶媒として調製されるが、調製に際してn
−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン、n−オク
タン、n−デカン、n−ウンデカン、n−ドデカン、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒をあら
かじめ添加しておげば、グリニャール試薬の粘度を低下
させ、該試薬の収率を向上させる効果も期待できる。
〔3〕で表されるケイ素化合物〔R5 m SiX4-m 〕
で、R5 はアルキル基、アルケニル基、アリ−ル基、ア
ラルキル基等の炭化水素基若しくは水素原子であり、ま
た、Xは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲ
ン原子である。一般式〔3〕で表されるケイ素化合物と
しては、例えばテトラクロルシラン、メチルトリクロル
シラン、ジメチルジクロルシラン、エチルトリクロルシ
ラン、ジエチルジクロルシラン、フェニルトリクロルシ
ラン、ジフェニルジクロルシラン、ビニルトリクロルシ
ラン、アリルトリクロルシラン、メチルビニルジクロル
シラン、トリクロルシラン、メチルジクロルシラン等が
挙げられる。
と一般式〔3〕で表されるケイ素化合物とのカップリン
グ反応は、触媒の存在下で行ってもよい。このカップリ
ング反応に有効な触媒としては、例えばシアノ化合物、
チオシアン酸化合物又はアセチルアセトネ−ト化合物等
の触媒が挙げられ、具体例としてはシアン化銅、シアン
化銀、シアン化水銀、トリブチル錫シアニド、トリメチ
ルシリルシアニド、チオシアン酸銅、チオシアン酸銀、
チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸カルシウム、チ
オシアン酸テトラブチルアンモニウム、銅アセチルアセ
トネ−ト、ニッケルアセチルアセトネ−ト、コバルトア
セチルアセトネ−ト、マグネシウムアセチルアセトネ−
ト、亜鉛アセチルアセトネ−ト、鉄アセチルアセトネ−
ト、マンガンアセチルアセトネ−ト、カルシウムアセチ
ルアセトネ−ト等がある。
式〔4〕で表されるハロゲン原子の結合したケイ素化合
物を以下に列挙するが、これらに限定されるものではな
い。例えばt−ブチルジフェニルクロルシラン、t−ブ
チルフェニルジクロルシラン、ジt−ブチルクロルシラ
ン、エチルt−ブチルジクロルシラン、ジメチルt−ブ
チルクロルシラン、メチルジブチルクロルシラン、メチ
ルフェニルジクロルシラン、ジメチルフェニルクロルシ
ラン、メチルフェニルクロルシラン、メチルジフェニル
クロルシラン、ビニルジフェニルクロルシラン、メチル
ビニルフェニルクロルシラン、アリルフェニルジクロル
シラン、アリルジフェニルクロルシラン、ジメチルシク
ロヘキシルクロルシラン、メチルシクロヘキシルジクロ
ルシラン、ジメチルベンジルクロルシラン、ジメチルオ
クチルクロルシラン、1,4−ビス(ジメチルクロルシ
リル)ベンゼン、メチルデシルジクロルシラン、メチル
ドデシルジクロルシラン、2−(ビシクロヘプチル)ジ
メチルクロルシラン等が挙げられる。
が、生成物等は、NMR及びガスクロマトグラフィ−で
同定し、既知サンプルと同一であることを確認した。
000mlのフラスコに、マグネシウム12.2g
(0.5mol)及びジエチレングリコ−ルジブチルエ
−テル120gを仕込み、窒素雰囲気下で80℃に昇温
し、t−ブチルクロライド46.2g(0.5mol)
を80〜90℃に保ちながら2時間かけて滴下した。滴
下終了後、80〜90℃で2時間攪拌してt−ブチルマ
グネシウムクロライドのジエチレングリコ−ルジブチル
エ−テル溶液(グリニャ−ル試薬)を得た。このグリニ
ャ−ル試薬にシアン化銅0.35gを加えて攪拌しなが
ら、ジフェニルジクロルシラン98.8g(0.39m
ol)を50〜60℃に保つように2時間かけて滴下し
た。滴下終了後、60℃で3時間攪拌した(フラスコ内
は、暗赤色透明でMgCl2 の結晶の析出は認められな
かった)。つぎに、n−ヘプタン300gを加えて、2
0〜40℃で30分間攪拌後静置すると二層に分離し
た。上層(n−ヘプタン層)を分取し、下層(ジエチレ
ングリコ−ルジブチルエ−テル層)に再度n−ヘプタン
200gを加えて、攪拌後静置して上層を分取した。さ
らに、n−ヘプタンによる同様の抽出操作を二度繰り返
した。こうして得られたn−ヘプタン抽出液(4回分)
を濃縮した後、蒸留して沸点182〜186℃/5mm
Hgのt−ブチルジフェニルクロルシラン87.9g
(収率82%)を得た。
ニルトリクロルシラン、トリクロルシラン、エチルトリ
クロルシラン、ジメチルジクロルシランを用いる以外
は、実施例1と同様の操作をしてハロゲン原子の結合し
たケイ素化合物を得た。これらの結果を第1表に示す。
00mlのフラスコに、マグネシウム12.2g(0.
5mol)、ジエチレングリコ−ルジエチルエ−テル9
8g及びトルエン32gを仕込み、窒素雰囲気下で85
℃に昇温し、クロルベンゼン56.3g(0.5mo
l)を85〜90℃に保ちながら3時間かけて滴下し
た。滴下終了後、85〜90℃で3時間攪拌してフェニ
ルマグネシウムクロライド(グリニャ−ル試薬)を得
た。つぎに、温度計、還流冷却器、攪拌機及び滴下ロ−
トを備えた1000mlのフラスコに、n−ヘキサン1
00g及びメチルトリクロルシラン58.3g(0.3
9mol)を仕込み、このグリニャール試薬を40〜5
0℃に保つように3時間かけて滴下した。滴下終了後、
50〜55℃で3時間攪拌した。反応終了後、n−ヘキ
サン300gを加えて、20〜40℃で30分間攪拌後
静置すると二層に分離した。上層(n−ヘキサン層)を
分取し、下層(ジエチレングリコ−ルジエチルエ−テル
層)に再度n−ヘキサン200gを加えて、攪拌後静置
して上層を分取した。さらに、n−ヘキサンによる同様
の抽出操作を二度繰り返した。こうして得られたn−ヘ
キサン抽出液(4回分)を濃縮した後、蒸留して沸点7
9〜83℃/5mmHgのメチルフェニルジクロルシラ
ン58.1g(収率78%)を得た。
ルジクロルシラン、メチルジクロルシラン、ビニルトリ
クロルシランを用いる以外は、実施例6と同様の操作を
してハロゲン原子の結合したケイ素化合物を得た。これ
らの結果を第2表に示す。
000mlのフラスコに、マグネシウム12.2g
(0.5mol)及びジプロピレングリコ−ルジエチル
エ−テル100gを仕込み、窒素雰囲気下で80℃に昇
温し、シクロヘキシルクロライド59.3g(0.5m
ol)を80〜90℃に保ちながら3時間かけて滴下し
た。滴下終了後、80〜90℃で3時間攪拌してシクロ
ヘキシルマグネシウムクロライドのジプロピレングリコ
−ルジエチルエ−テル溶液(グリニャ−ル試薬)を得
た。このグリニャ−ル試薬に銅アセチルアセトネ−ト
0.5gを加えて攪拌しながら、ジメチルジクロルシラ
ン50.3g(0.39mol)を50〜60℃に保つ
ように2時間かけて滴下した。滴下終了後、60℃で3
時間攪拌した。つぎに、n−ヘプタン300gを加え
て、20〜40℃で30分間攪拌後静置すると二層に分
離した。上層(n−ヘプタン層)を分取し、下層(ジプ
ロピレングリコ−ルジエチルエ−テル層)に再度n−ヘ
プタン200gを加えて、攪拌後静置して上層を分取し
た。さらに、n−ヘプタンによる同様の抽出操作を二度
繰り返した。こうして得られたn−ヘプタン抽出液(4
回分)を濃縮した後、蒸留して沸点88〜92℃/17
mmHgのジメチルシクロヘキシルクロルシラン60.
0g(収率87%)を得た。
−オクチルクロライド74.3g(0.5mol)を使
用し、触媒(銅アセチルアセトネ−ト)を用いないこと
以外は実施例10と同様の操作をして沸点84〜87℃
/8mmHgのジメチルn−オクチルクロルシラン7
2.6g(収率90%)を得た。
込み装置を備えた500mlのフラスコに、マグネシウ
ム12.2g(0.5mol)、ジエチレングリコ−ル
ジブチルエ−テル120g及びトルエン50gを仕込
み、窒素雰囲気下で50℃に昇温し、メチルブロマイド
47.5g(0.5mol)を50〜60℃に保ちなが
ら3時間かけて吹き込んだ。吹き込み終了後、50〜6
0℃で3時間攪拌してメチルマグネシウムブロマイド
(グリニャ−ル試薬)を得た。つぎに、温度計、還流冷
却器、攪拌機及び滴下ロ−トを備えた1000mlのフ
ラスコに、n−ヘキサン100g及びジフェニルジクロ
ルシラン98.8g(0.39mol)を仕込み、この
グリニャール試薬を40〜50℃に保つように3時間か
けて滴下した。滴下終了後、40〜50℃で3時間攪拌
した。反応終了後、n−ヘキサン300gを加えて、2
0〜40℃で30分間攪拌後静置すると二層に分離し
た。上層(n−ヘキサン層)を分取し、下層(ジエチレ
ングリコ−ルジブチルエ−テル層)に再度n−ヘキサン
200gを加えて、攪拌後静置して上層を分取した。さ
らに、n−ヘキサンによる同様の抽出操作を二度繰り返
した。こうして得られたn−ヘキサン抽出液(4回分)
を濃縮した後、蒸留して沸点140〜145℃/5mm
Hgのメチルジフェニルクロルシラン68.0g(収率
75%)を得た。
に、特定のポリアルキレングリコ−ルジアルキルエ−テ
ルを溶媒とするグリニャール試薬とケイ素化合物をカッ
プリング反応した反応混合液は均一な溶液となるので、
塩化マグネシウム錯体等の副生物を除去する操作段階を
経る必要がなく、生成物が高沸点の場合でも反応混合液
について炭化水素系溶媒を用いて抽出・精製すれば簡易
に、かつ、安全に高収率でハロゲン原子の結合したケイ
素化合物を工業的に生産することができる。
Claims (2)
- 【請求項1】一般式〔1〕 【化1】 (式中R1 、R2 は炭素数1〜8のアルキル基で同一で
あっても異なっていてもよく、R3 は水素原子又はメチ
ル基を、lは1〜6の整数をそれぞれ示す)で表される
ポリアルキレングリコ−ルジアルキルエ−テルを溶媒と
する一般式〔2〕 【化2】 (式中R4 は炭化水素基を、Xはハロゲン原子をそれぞ
れ示す)で表されるグリニャール試薬と一般式〔3〕 【化3】 (式中R5 は炭化水素基及び水素原子を、Xはハロゲン
原子を、mは0〜2の整数をそれぞれ示す)で表される
ケイ素化合物をカップリング反応した後、反応混合液か
ら一般式〔4〕 【化4】 (式中R4 、R5 は炭化水素基又は水素原子を、Xはハ
ロゲン原子を、m+nは1〜3の整数をそれぞれ示す)
で表されるケイ素化合物を炭化水素系の溶媒を用いて抽
出・精製することを特徴とするハロゲン原子の結合した
ケイ素化合物の製造方法。 - 【請求項2】請求項1記載の製造方法であって、炭化水
素系の溶媒がn−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプ
タン、n−オクタン、n−デカン、n−ウンデカン、n
−ドデカンであるハロゲン原子の結合したケイ素化合物
の製造方法。
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JP17035295A JP3656168B2 (ja) | 1995-06-12 | 1995-06-12 | ハロゲン原子の結合したケイ素化合物の製造方法 |
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- 1995-06-12 JP JP17035295A patent/JP3656168B2/ja not_active Expired - Fee Related
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