JP2718601B2 - 鎖状ポリオルガノシランの製造方法 - Google Patents

鎖状ポリオルガノシランの製造方法

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JP2718601B2
JP2718601B2 JP21393092A JP21393092A JP2718601B2 JP 2718601 B2 JP2718601 B2 JP 2718601B2 JP 21393092 A JP21393092 A JP 21393092A JP 21393092 A JP21393092 A JP 21393092A JP 2718601 B2 JP2718601 B2 JP 2718601B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鎖状ポリオルガノシラ
ンの新規な製造方法に関する。さらに詳細には、ポリオ
ルガノシランを、簡便に、しかも比較的良好な収率で安
全に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリオルガノシランは、有機導電材料、
非線形光学材料、光分解型反応開始剤、炭化ケイ素前駆
体、フォトレジスト材料などとして有用なことが知られ
ている(たとえば Miller, R. D.; Michil, J., Chem.
Rev., 89, 1359(1989))。
【0003】ポリオルガノシランの製造方法としては、
オルガノハロシランまたはオルガノハロジシランを出発
原料とするウルツ法が広く利用されている。しかしなが
ら、ウルツ法は空気中で自己発火性のある金属ナトリウ
ムや金属カリウムを使用するために危険性を伴ううえ
に、反応条件が厳しくて、アルキル基やアリール基以外
の置換基の導入が困難であるという欠点がある。
【0004】このような欠点を解決するための検討がい
くつか試みられている。たとえば永井らは、金属ナトリ
ウムや金属カリウムを使用しないで、ナトリウムアルコ
キシドの存在下に、1,2−ジアルコキシテトラメチル
ジシラン類の不均化反応により、ドデカメチルシクロヘ
キサシランおよびα,ω−ジアルコキシオリゴシランを
得ている(特開昭54−24874号公報、特開昭57
−146790号公報参照)。
【0005】さらに、特開昭62−62821号公報に
は、トリメチルトリメトキシジシラン、または該ジシラ
ンとジメチルテトラメトキシジシランとの混合物を、ア
ルカリ金属アルコラートの存在下で不均化反応させるポ
リオルガノシランの製造法を開示している。
【0006】しかし、これらの不均化反応では、環状オ
リゴシランまたはアルコキシ基含有鎖状オリゴシランし
か得られない。前述のポリオルガノシランの用途を考え
た場合、加水分解性の高いアルコキシ基を含有しない安
定な鎖状ポリシランが広く求められており、この場合、
ドデカメチルシクロヘキサシランのような単一の化合物
である必要は、必ずしもない。
【0007】しかし、これらのいずれの場合も、ケイ素
原子に結合した加水分解性基を含有しない鎖状ポリオル
ガノシランを、比較的良好な収率で安全に合成する方法
は開示されていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、前述
のような各種の材料や中間体として利用できるよう、任
意の置換または非置換の炭化水素基を有し、加水分解に
対して不安定な置換基を含有しない鎖状ポリオルガノシ
ランを、簡便な一工程で、しかも比較的良好な収率で安
全に製造する方法を提供することである。なお、ここで
鎖状ポリシランとは、化合物のSi−Si骨格が分岐や
環状構造を実質的に有さず、直鎖状構造をとるポリシラ
ンをいう。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題について鋭意検討を重ねた結果、モノヒドロカルビル
オキシジシラン化合物の不均化反応を行わせることで課
題を解決できることを見出して、本発明を完成するに至
った。
【0010】すなわち、本発明は、一般式:R12
3 SiSiR45(OR6) 〔式中、R1 〜R5 はそれぞれ置換または非置換の一価
の炭化水素基を表し、R6 は一価の炭化水素基を表す〕
で示されるモノヒドロカルビルオキシジシラン化合物
を、一般式:MOR7 〔式中、Mはアルカリ金属を表し、R7 は一価の炭化水
素基を表す〕で示されるアルカリ金属ヒドロカルビノラ
ートの存在下で反応させることを特徴とする鎖状ポリオ
ルガノシランの製造方法に関する。
【0011】本発明で出発原料として用いられるモノヒ
ドロカルビルオキシジシラン化合物において、R1 〜R
5 で表される置換または非置換の一価の炭化水素基とし
ては、たとえばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペ
ンチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、オク
タデシルなどの直鎖状または分岐状のアルキル基;シク
ロヘキシルなどのシクロアルキル基;ベンジル、2−フ
ェニルエチル、2−フェニルプロピル、3−フェニルプ
ロピルなどのアラルキル基;フェニル、トリル、メシチ
ルなどのアリール基;ビニル、アリルなどのアルケニル
基;p−ビニルフェニルなどのアルケニルアリール基;
ならびにクロロプロピル、クロロフェニル、3,3,3
−トリフルオロプロピルなどのハロゲン化炭化水素基や
p−メトキシフェニル基など、各種の置換炭化水素基な
どが例示される。これらはたがいに同一であっても、相
異なっていてもよい。鎖状ポリオルガノシランの用途に
よっても異なるが、好ましい置換または非置換の一価の
炭化水素基として、メチル、エチル、tert−ブチル、n
−ヘキシル、シクロヘキシル、フェニル、p−トリル、
ビニルおよび3,3,3−トリフルオロプロピルが挙げ
られる。
【0012】R6 はケイ素官能性基であるヒドロカルビ
ルオキシ基を構成する一価の炭化水素基であり、メチ
ル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチ
ル、tert−ブチルなどのアルキル基;シクロヘキシルな
どのシクロアルキル基;フェニル、トリルなどのアリー
ル基;およびアリルなどのアルケニル基が例示され、取
扱や副生するヒドロカルビルオキシシラン類の除去が容
易なことから、アルキル基が好ましく、その中では反応
性からメチルおよびエチルがとくに好ましい。
【0013】本発明に使用されるモノヒドロカルビルオ
キシジシラン化合物の具体例としては、ペンタメチル
(メトキシ)ジシラン、ペンタメチル(エトキシ)ジシ
ラン、ペンタメチル(n−プロポキシ)ジシラン、ペン
タメチル(フェノキシ)ジシラン、ペンタメチル(p−
トリルオキシ)ジシラン、ペンタエチル(メトキシ)ジ
シラン、ペンタエチル(エトキシ)ジシラン、1,1,
1,2−テトラメチル−2−n−ヘキシル−2−メトキ
シジシラン、1,1,1,2−テトラメチル−2−n−
ヘキシル−2−エトキシジシラン、1,1,1,2−テ
トラメチル−2−フェニル−2−メトキシジシラン、
1,1,1,2−テトラメチル−2−フェニル−2−エ
トキシジシラン、1,1,1,2−テトラメチル−2−
(p−トリル)−2−メトキシジシラン、1,1,1,
2−テトラメチル−2−(p−トリル)−2−エトキシ
ジシラン、1,1,1,2−テトラメチル−2−ビニル
−2−メトキシジシラン、1,1,1,2−テトラメチ
ル−2−(p−ビニル)フェニル−2−メトキシシラ
ン、1,1,1,2−テトラメチル−2−(p−イソプ
ロペニル)フェニル−2−メトキシシラン、1,1,
1,2−テトラメチル−2−ビニル−2−エトキシジシ
ラン、1,1,1,2−テトラメチル−2−(3,3,
3−トリフルオロプロピル)−2−メトキシジシラン、
1,1,1,2−テトラメチル−2−(3,3,3−ト
リフルオロプロピル)−2−エトキシジシラン、1,
1,1,2−テトラメチル−2−シクロヘキシル−2−
メトキシジシラン、1,1,1,2−テトラメチル−2
−シクロヘキシル−2−エトキシジシラン、1,1,
1,2−テトラメチル−2−tert−ブチル−2−メトキ
シジシラン、1,1,1,2−テトラメチル−2−シク
ロヘキシル−2−tert−ブチルオキシジシラン、1,
1,1−トリメチル−2,2−ジフェニル−2−メトキ
シジシラン、1,1,1−トリメチル−2,2−ジフェ
ニル−2−エトキシジシラン、1,1,1−トリメチル
−2,2−ジ−n−ヘキシル−2−メトキシジシラン、
1,1,1−トリメチル−2,2−ジ−n−ヘキシル−
2−エトキシジシラン、1,1,2,2−テトラメチル
−1−フェニル−2−メトキシジシラン、1,1,2,
2−テトラメチル−1−フェニル−2−エトキシジシラ
ン、1,1,2,2−テトラメチル−1−フェニル−2
−n−プロポキシジシラン、1,1,2,2−テトラエ
チル−1−フェニル−2−メトキシジシラン、1,1,
2,2−テトラエチル−1−フェニル−2−エトキシジ
シラン、1,1,2−トリメチル−1−フェニル−2−
n−ヘキシル−2−メトキシジシラン、1,1,2−ト
リメチル−1−フェニル−2−n−ヘキシル−2−エト
キシジシラン、1,1,2−トリメチル−1,2−ジフ
ェニル−2−メトキシジシラン、1,1,2−トリメチ
ル−1,2−ジフェニル−2−エトキシジシラン、1,
1,2−トリメチル−1−フェニル−2−ビニル−2−
メトキシジシラン、1,1,2−トリメチル−1−フェ
ニル−2−ビニル−2−エトキシジシラン、1,1,2
−トリメチル−1−フェニル−2−(3,3,3)−ト
リフルオロプロピル)−2−メトキシジシラン、1,
1,2−トリメチル−1−フェニル−2−(3,3,3
−トリフルオロプロピル)−2−エトキシジシラン、
1,1,2−トリメチル−1−フェニル−2−シクロヘ
キシル−2−メトキシジシラン、1,1,2−トリメチ
ル−1−フェニル−2−シクロヘキシル−2−エトキシ
ジシラン、1,1,2−トリメチル−1−フェニル−2
−tert−ブチル−2−メトキシジシラン、1,1,2−
トリメチル−1−フェニル−2−tert−ブチル−2−エ
トキシジシラン、1,1−ジメチル−1,2,2−トリ
フェニル−2−メトキシジシラン、1,1−ジメチル−
1,2,2−トリフェニル−2−エトキシジシラン、
1,1−ジメチル−1−フェニル−2,2−ジ−n−ヘ
キシル−2−メトキシジシラン、1,1−ジメチル−1
−フェニル−2,2−ジ−n−ヘキシル−2−エトキシ
ジシラン、1,2,2−トリメチル−1,1−ジフェニ
ル−2−メトキシジシラン、1,2,2−トリメチル−
1,1−ジフェニル−2−エトキシジシラン、1,2,
2−トリメチル−1,1−ジフェニル−2−n−プロポ
キシジシラン、1,2,2−トリエチル−1,1−ジフ
ェニル−2−メトキシジシラン、1,2,2−トリエチ
ル−1,1−ジフェニル−2−エトキシジシラン、1,
2−ジメチル−1,1−ジフェニル−2−n−ヘキシル
−2−メトキシジシラン、1,2−ジメチル−1,1−
ジフェニル−2−n−ヘキシル−2−エトキシジシラ
ン、1,2−ジメチル−1,1,2−トリフェニル−2
−メトキシジシラン、1,2−ジメチル−1,1,2−
トリフェニル−2−エトキシジシラン、1,2−ジメチ
ル−1,1−ジフェニル−2−ビニル−2−メトキシジ
シラン、1,2−ジメチル−1,1−ジフェニル−2−
ビニル−2−エトキシジシラン、1,2−ジメチル−
1,1−ジフェニル−2−(3,3,3−トリフルオロ
プロピル)−2−メトキシジシラン、1,2−ジメチル
−1,1−ジフェニル−2−(3,3,3−トリフルオ
ロプロピル)−2−エトキシジシラン、1,2−ジメチ
ル−1,1−ジフェニル−2−シクロヘキシル−2−メ
トキシジシラン、1,2−ジメチル−1,1−ジフェニ
ル−2−シクロヘキシル−2−エトキシジシラン、1,
2−ジメチル−1,1−ジフェニル−2−tert−ブチル
−2−メトキシジシラン、1,2−ジメチル−1,1−
ジフェニル−2−tert−ブチル−2−エトキシジシラ
ン、1−メチル−1,1,2,2−テトラフェニル−2
−メトキシジシラン、1−メチル−1,1,2,2−テ
トラフェニル−2−エトキシジシラン、1−メチル−
1,1−ジフェニル−2,2−ジ−n−ヘキシル−2−
メトキシジシラン、1−メチル−1,1−ジフェニル−
2,2−ジ−n−ヘキシル−2−エトキシジシラン、
1,1,2,2−テトラメチル−1−ビニル−2−メト
キシジシラン、1,1,2,2−テトラメチル−1−ビ
ニル−2−エトキシジシラン、1,1,2,2−テトラ
メチル−1−ビニル−2−n−プロポキシジシラン、
1,1,2,2−テトラエチル−1−ビニル−2−メト
キシジシラン、1,1,2,2−テトラエチル−1−ビ
ニル−2−エトキシジシラン、1,1,2,2−テトラ
メチル−1−n−ヘキシル−2−メトキシジシラン、
1,1,2,2−テトラメチル−1−n−ヘキシル−2
−エトキシジシラン、1,1,2,2−テトラメチル−
1−n−ヘキシル−2−n−プロポキシジシラン、1,
1,2,2−テトラエチル−1−n−ヘキシル−2−メ
トキシジシラン、1,1,2,2−テトラエチル−1−
n−ヘキシル−2−エトキシジシランなどが挙げられ
る。
【0014】この種のモノヒドロカルビルオキシジシラ
ン化合物は、ハロゲン化ジシラン化合物のアルコキシ化
もしくはアリールオキシ化、有機金属試薬によるハロゲ
ン化ジシラン化合物、アルコキシ化ジシラン化合物もし
くはアリールオキシ化ジシラン化合物へのアルキル基そ
の他の有機基の導入、アルキルもしくはアリールジシラ
ン化合物の塩素化およびそれに引続くアルコキシ化もし
くはアリールオキシ化などの公知の方法によって合成す
ることができる。たとえば、実験化学講座第12巻、有
機金属化合物(丸善)、第3版、第16章、331〜3
77ページに詳しく述べられている反応を利用すればよ
い。これらの原料ジシラン化合物のうち、塩素化ジシラ
ン類は、たとえばオルガノクロロシラン類の直接合成法
の副生物、または該副生物の不均化反応生成物として得
ることができる。
【0015】本発明で触媒として用いられるアルカリ金
属ヒドロカルビノラートにおいて、Mで表されるアルカ
リ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ル
ビジウムおよびセシウムが例示され、入手の容易さから
リチウム、ナトリウムおよびカリウムが好ましい。R7
で表される一価の炭化水素基としては、メチル、エチ
ル、プロピル、ブチル、ペンチルなどの直鎖状または分
岐状のアルキル基;シクロヘキシルなどのシクロアルキ
ル基;フェニル、トリルなどのアリール基;およびアリ
ルなどのアルケニル基が例示される。これらのうち、反
応性からメチル、エチルのような低級アルキル基が好ま
しい。
【0016】本発明において使用される一般式:MOR
7 で表される化合物の具体例としては、ナトリウムメチ
ラート、ナトリウムエチラート、カリウムtert−ブチラ
ート、ナトリウムフェノラートなどが挙げられる。また
n−ブチルリチウムとアルコールから反応系内で合成し
たリチウムアルコラートをそのまま利用することもでき
る。
【0017】該金属ヒドロカルビノラートの量は、とく
に限定されるものではなく、使用されるジシラン化合物
に対して0.01〜30モル%用いることができる。触
媒量が少なすぎると反応が非常に遅くなり、また多すぎ
ると反応後の触媒の除去が困難になるばかりでなく、経
済的に不利になる。触媒量はジシラン化合物に対して
0.1〜10モル%であることが好ましい。
【0018】反応は、たとえば次式のように、1官能性
および2官能性のアルコキシシランのようなヒドロカル
ビルオキシシランの副生を伴って進行する。
【0019】
【化1】
【0020】式中、nは数を表し、好ましくは平均2以
上である。Meはメチル基、Etはエチル基を表す。
【0021】反応に当たり、原料のモノヒドロカルビル
オキシジシラン化合物を溶解させ、触媒を有効に分散さ
せて反応を円滑に進め、反応温度を制御するなどのため
に、あるいは触媒活性の向上のために、必要に応じて反
応溶媒を用いることもできる。このような溶媒として
は、トルエン、キシレン、n−ヘキサン、n−ヘプタ
ン、シクロヘキサンのような炭化水素系溶媒;ジエチル
エーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、
エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコ
ールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチル
エーテルのようなエーテル系溶媒;ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホリック
トリアミドのような非プロトン極性活媒などが例示され
る。
【0022】本発明の製造方法は、原料のモノヒドロカ
ルビルオキシジシラン化合物、副生するアルコキシシラ
ン類ないしアリールオキシシラン類ならびに触媒が、い
ずれも水との反応により分解しやすいため、実質的に無
水の状態で行われる。すなわち、乾燥した不活性気体中
モノヒドロカルビルオキシジシラン化合物および触
媒、ならびに必要に応じて、あらかじめ常法により乾燥
した溶媒を混合して行われる。
【0023】反応は、およそ温度0〜200℃の範囲で
行われるが、原料のモノヒドロカルビルオキシジシラン
化合物、使用溶媒および反応によって副生するモノヒド
ロカルビルオキシシラン類ビスヒドロカルビルオキシ
シラン類の沸点の関係により、反応温度を決めることが
できる。また、用いるモノアルコキシジシラン化合物の
種類に応じて、反応により、たとえばトリメチルメトキ
シシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジメト
キシシラン、ジメチルジエトキシシランのような比較的
沸点の低いモノアルコキシシラン類やジアルコキシシラ
ン類が副生することがある。この場合、反応温度を高め
に保持するために、副生するこれらの低沸点アルコキシ
シラン類を留去しながら反応を行ってもよい。
【0024】反応は、好ましくは環境大気の圧力下で実
施される。しかし、所望の場合には、より高いか、もし
くはより低い圧力を適用することもできる。
【0025】反応によって得られる鎖状ポリオルガノシ
ランは、生成するビスヒドロカルビルオキシシラン類
触媒のアルカリ金属ヒドロカルビノラートを除去するこ
とによって単離される。必要に応じて再沈殿や蒸留、カ
ラムクロマトグラフィーなどにより、精製することが可
能である。
【0026】本発明の方法により、原料として用いられ
モノヒドロカルビルオキシジシラン化合物の、ケイ素
原子に直接結合している置換または非置換の一価の炭化
水素基R1 〜R5 を適宜選択することにより、中央ケイ
素原子および末端ケイ素原子にそれぞれ任意の置換また
は非置換の一価の炭化水素基が結合した鎖状ポリオルガ
ノシランを合成することができる。
【0027】
【発明の効果】本発明の方法により、メチル基、フェニ
ル基、ビニル基、トリフルオロプロピル基など、ケイ素
原子に結合した任意の置換または非置換の一価の炭化水
素基を有し、加水分解に対して不安定な基を含有しない
鎖状ポリオルガノシランを、比較的良好な収率で、安全
に製造することが可能である。本発明の方法で得られる
鎖状ポリオルガノシランは、有機導電材料、非線形光学
材料、光分解型反応開始剤、炭化ケイ素系セラミックス
の前駆体、フォトレジスト材料などとして有用である。
【0028】
【実施例】以下の実施例によって、本発明をさらに詳細
に説明する。これらの実施例は、本発明の範囲を限定す
るものではない。なお、以下の実施例において、部は重
量部を表し、下記の略称を用いる。 Me:メチル基 ; Ph:フェニル基
【0029】実施例1 乾燥アルゴンガス気流下で、冷却管、ゴム栓のついた2
つ口フラスコに、ペンタメチル(エトキシ)ジシラン1
17部、ナトリウムエチラート1.0部およびヘキサメ
チルホスホリックトリアミド10部を仕込み、75℃で
6時間反応させた。反応後、混合物のガスクロマトグラ
フ(充填剤SE30)を測定すると、原料ジシランのピ
ークが消失し、トリメチルエトキシシランおよびジメチ
ルジエトキシシランのピーク、ならびにそれら以外に一
連のピーク群が観測された。一連のピーク群は、GC−
MSの測定からMe3 Si(Me2 Si)n SiMe3
(n=1〜8)であることが判明した。ガスクロマトグ
ラムの面積比は表1のとおりであった。
【0030】
【表1】
【0031】得られた混合物から、50℃/50Torrの
条件で低沸点分を留去した後、ジエチルエーテル100
部を加え、水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、つい
でジエチルエーテルを留去したところ、淡黄色液状の鎖
状ポリシラン31部が得られた。得られたポリシランの
1H NMR(CDCl3, δ)を測定すると、0.1ppm にシグナ
ルが観測された。
【0032】実施例2 実施例1と同じ装置に同じ量の試薬を仕込み、さらに乾
燥テトラヒドロフラン88.8部を加えて、67℃で2
5時間反応させた。反応終了後、混合物のガスクロマト
グラフを測定したところ、実施例1と同じ生成物が得ら
れていることが見出され、ほとんど同じガスクロマトグ
ラム面積比を示した。
【0033】実施例3 実施例1と同じ装置を用いて、1,1,2,2−テトラ
メチル−1−ビニル−2−エトキシジシラン95部、ナ
トリウムエチラート1.0部およびヘキサメチルホスホ
リックトリアミド10部を仕込み、75℃で6時間反応
させた。反応後、混合物のガスクロマトグラフ(充填剤
SE30)を測定すると、原料ジシランのピークが消失
し、ビニルジメチルエトキシシランおよびジメチルジエ
トキシシランのピーク、ならびにそれら以外に一連のピ
ーク群が観測された。反応混合物から50℃/50Torr
の条件で低沸点分を留去した後、ジエチルエーテル10
0部を加え、水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、つ
いでジエチルエーテルを留去したところ、淡黄色液状の
鎖状ポリシラン30部が得られた。得られたポリシラン
1H NMR(CDCl3, δ)を測定すると、0.3ppm 付近
(10H)と6.1ppm 付近(3H)にシグナルが観測
されたことから、CH2 =CHMeSi(SiMe2)
2.3 SiMeCH=CH2 が得られたことが判明した。
【0034】実施例4 実施例1と同じ装置を用いて、1,2−ジメチル−1,
1,2−トリフェニル−2−メトキシジシラン104
部、ナトリウムメチラート1.0部および1,4−ジオ
キサン103部を仕込み、75℃で6時間反応させた。
反応後、混合物のガスクロマトグラフ(充填剤SE3
0)を測定すると、原料ジシランのピークが消失し、ジ
フェニルメチルメトキシシランおよびメチルフェニルジ
メトキシシランのピークが観測された。反応混合物から
触媒のナトリウムメチラートをろ別し、120℃/1To
rrの条件で低沸点分を留去したところ、26部の鎖状ポ
リシランが得られた。得られたポリシランの1H NMR(CDC
l3, δ)を測定すると、0.1〜0.5ppm (5H)と
7.1〜7.6ppm (12H)にシグナルが観測された
ことから、Ph2 MeSi(SiPhMe)2.5SiMe
Ph2 が得られたことが判明した。
【0035】実施例5 実施例1と同じ装置を用いて、1,2−ジメチル−1,
1−ジフェニル−2−シクロヘキシル−2−メトキシジ
シラン110部、カリウムtert−ブチラート2.0部お
よび1,4−ジオキサン103部を仕込み、75℃で6
時間反応させた。反応後、混合物のガスクロマトグラフ
(充填剤SE30)を測定すると、原料ジシランのピー
クが消失し、ジフェニルメチルメトキシシランおよびメ
チルシクロヘキシルジメトキシシランのピークが観測さ
れた。反応混合物から触媒のカリウムtert−ブチラート
をろ別し、150℃/1Torrの条件で低沸点分を留去し
たところ、28部の鎖状ポリシランが得られた。得られ
たポリシランの1H NMR(CDCl3, δ)を測定すると、0.
1〜0.5ppm (3H)、0.7〜2.6ppm (6.8
H)および7.1〜7.6ppm (4H)にシグナルが観
測されたことから、Ph2 MeSi(SiC611
e)3.1SiMePh2 が得られたことが判明した。
【0036】実施例6 実施例1と同じ装置を用いて1,2−ジメチル−1,1
−ジフェニル−2−(3,3,3−トリフルオロプロピ
ル)−2−メトキシジシラン107部、ナトリウムメチ
ラート1.0部および1,4−ジオキサン103部を仕
込み、75℃で6時間反応させた。反応後、混合物のガ
スクロマトグラフ(充填剤SE30)を測定すると、原
料ジシランのピークが消失し、ジフェニルメチルメトキ
シシランおよびメチル(3,3,3−トリフルオロプロ
ピル)シクロヘキシルジメトキシシランのピークが観測
された。反応混合物から触媒のナトリウムメチラートを
ろ別し、150℃/1Torrの条件で低沸点分を留去した
ところ、25部の鎖状ポリシランが得られた。得られた
ポリシランの1H NMR(CDCl3, δ)を測定すると、0.1
〜0.5ppm (3H)、1.0〜2.3ppm (2.4
H)および7.0〜7.7ppm (4H)にシグナルが観
測されたことから、Ph2 MeSi(SiCH2 CH2
CF3 Me)3SiMePh2 が得られたことが判明し
た。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式:R123 SiSiR4
    5(OR6) 〔式中、R1 〜R5 はそれぞれ置換または非置換の一価
    の炭化水素基を表し、R6 は一価の炭化水素基を表す]
    で示されるモノヒドロカルビルオキシジシラン化合物
    を、一般式:MOR7 〔式中Mはアルカリ金属を表し、R7 は一価の炭化水
    素基を表す〕で示されるアルカリ金属ヒドロカルビノラ
    ートの存在下で反応させることを特徴とする鎖状ポリオ
    ルガノシランの製造方法。
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