JP5652829B2 - 無水条件におけるシラノールの製造方法 - Google Patents

無水条件におけるシラノールの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、自動車材料や建築材料、エレクトロニクス材料、医薬品など幅広い分野で重要な役割を担っているシロキサン化合物の中間体であるシラノールの製造方法に関する。より詳細には、不安定なシラノール類を、無水条件かつ極めて穏和な条件下において、脱水縮合させることなく、効率よく、かつ有害な物質を用いずに製造する方法に関する。
シロキサン化合物(シリコーン)は、その特異な性質から自動車材料や建築材料、エレクトロニクス材料、医薬品などの幅広い分野で重要な役割を担っている。近年ではLEDの封止材やエコタイヤ用シランカップリング剤など、環境・エネルギー分野においても不可欠であり、シロキサン化合物を使用していない分野は無いといっても過言ではない。(2009年市場規模:115億ドル、生産量:年間123万トン)。
シロキサン化合物の大部分は、クロロシランやアルコキシシランを原料とするゾル−ゲル法などの加水分解により、シラノールを経由して合成されるのが一般的である。このシラノールは、水が存在すると加水分解と同時に縮合して単離することが困難であることから、そのまま反応に使用されている。そのため、1)反応副生成物が多い、2)生成物の構造制御が難しい、3)水に弱い基質との反応に適応できない、など未だ多くの問題・限界が存在する。
そこで、無水条件シラノール合成法またはシラノールを経由しないシロキサンの合成が求められている。
無水条件でシラノールを合成可能な方法としては、ピロリジンのシリルエーテルにn−BuLiを作用させて、シラノール化合物を得る方法が知られている(非特許文献1)。しかし、この方法は、そもそもシロキサンを合成することを目的とした反応ではなく、仮にシロキサンを合成したとしても、シロキサン結合がn−BuLiによって、求核的に切断されてしまうためシロキサン化合物を合成することは難しい。
一方、シラノールを経由しないシロキサンの合成としては、触媒を用いたクロスカップリングによるシロキサンの合成が数例報告されている。
その一つとして、Gevorgyanと山本らは、B(C65)3触媒の存在下、アルコキシシランとヒドロシラン(HSiEt3)を反応させることで、メタンの脱離を伴いながらシロキサン結合を形成できることを報告している(非特許文献2)。しかし、この反応では、ルイス酸触媒であるB(C)により、原料の基質同士で不均化が進行し反応を制御できないなどの問題があるため、工業化に適した方法とは言い難い。
また、最近、Baeらは、Ba(OH)2触媒存在下、下記のシラノールとメトキシシランを反応させることでメタノールの脱離を伴いながらシロキサン結合を形成できることを報告している(非特許文献3)。しかし、この反応では、安定なごく一部のシラノールのみしか適応できず、工業化に適した方法とは言い難い。
Figure 0005652829
また、黒田らは塩化ビスマス触媒存在下、下記のアルコキシシランとクロロシランを反応させることで、アルキルクロライドの脱離を伴いながらシロキサン結合を形成できることを報告している(非特許文献4)。しかし、この反応では、基質がごく一部のものに限定されるため、工業化に適した方法とは言い難い。
Figure 0005652829
さらに、非特許文献2〜4に記載の方法では、いずれも均一系触媒を用いるものであるため、反応後に反応系から取り除くことが容易でなく、得られた生成物中に残存するという問題がある。
J.Am.Chem.Soc.2000,122,408-409 J.Org.Chem.2000,65,6179-6186 Synthetic Metals 2009,159,1288-1290 Angew.Chem.Int.Ed.2010,49,5273-5277
前述のとおり、現在のところ、シロキサン結合形成において、様々な置換基を有する基質に適応でき、高い構造制御性を有しながら自在に合成でき、且つ、触媒除去操作の容易な方法は見出されておらず、その方法の開発が強く要望されている。
本発明は、このような従来技術の問題点を克服して、無水条件かつ温和な条件でシラノールを合成できるとともに、様々な置換基を有する基質に適応でき、高い構造制御性を有しながらシロキサン類を収率良く自在に製造する方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究した結果、無水条件でシラノールを合成するには用いる前駆体及び触媒の開発が必要であると考え、それらの開発を続けたところ、ベンジルオキシ置換シラン類をシラノール前駆体とし、触媒として周期律表9族又は10族の金属或いは該金属の化合物を用いた水素添加反応により、対応するシラノール類が、無水条件かつ温和な反応条件下で、高収率で安全かつ簡便に製造でき、しかも目的物であるシラノール類も容易に分離できることを見いだした。また、特に、炭素担持触媒を用いることにより、反応終了後は触媒除去操作が極めて容易であり、かつ触媒は再利用可能であるという知見も得た。さらに、クロロシラン等のハロゲン化ケイ素を共存させることにより、目的とするクロスカップリング型のシロキサン化合物が得られることも判明した。
本発明はこれらの知見に基づいて完成するに至ったものであり、本発明によれば、以下の発明が提供される。
[1]下記の式(1)で示されるベンジルオキシ置換シランをシラノール前駆体とし、触媒として周期律表9族又は10族の金属或いは該金属の化合物を用い、無水条件下で、水
素添加反応を行うことを特徴とするシラノールの製造方法。

4-nSi(OCH2Ph)n・・・・・・・・・式(1)

(式中、Phはフェニル基を示し、nは1〜4の整数であり、Rはそれぞれ独立して同一又は相異なり、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数3〜7のシクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アシル基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、カルボキシル基又はアシロキシ基を示す。)
[2]前記触媒が、不均一系触媒であることを特徴とする[1]に記載のシラノールの製造方法。
[3]前記触媒が、炭素に担持された触媒であることを特徴とする[2]に記載のシラノールの製造方法。
[4][1]〜[3]に記載のシラノールの製造方法において、反応系にハロゲン化ケイ素又は遷移金属アルコキシドを共存させて、クロスカップリング型シロキサンを製造することを特徴とするシロキサンの製造方法。
本発明により提供されるシラノール類は、自動車材料や建築材料、エレクトロニクス材料、医薬品などの幅広い分野で重要な役割を担っているシロキサン化合物の重要な中間体である。対応するベンジルオキシ置換シラン類を原料とし、触媒として反応後の除去が容易なパラジウム炭素等の不均一系触媒を用いて、それらシラノール類を安定にかつ効率的に製造することができる。したがって、本発明方法によりシロキサンの構造を高度に制御することが可能になり、高機能性物質群の創出が期待でき、工業的に多大な効果をもたらす発明ということができる。また、無水条件でシラノールを合成できることから、反応系中にハロゲン化ケイ素のような水に不安定な化合物を共存させて、発生したシラノールと逐次的に反応させることも可能になる。また、従来の加水分解法では合成が困難であったアルコキシ置換シラノールの合成も可能になる。
本発明のクロスカップリング反応の機構を模式的に示す図
本発明方法の無水条件におけるシラノール類の製造方法は、ベンジルオキシ置換シラン類をシラノール前駆体とし、触媒として周期律表9族又は10族の金属或いは該金属の化合物からなる不均一系触媒を用いて、水素添加反応を行うことを特徴とする。
本発明の製造法において用いられるベンジルオキシ置換シラン類は一般式(1)で示される。

4-nSi(OCH2Ph)n・・・・・・・・・式(1)

(式中、Phはフェニル基を示し、nは1〜4の整数であり、Rはそれぞれ独立して同一又は相異なり、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数3〜7のシクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アシル基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、カルボキシル基又はアシロキシ基を示す。)
前記ベンジルオキシ置換シラン類の具体例としては、テトラベンジルオキシシラン、トリベンジルオキシシラン、メチルトリベンジルオキシシラン、フェニルトリベンジルオキシシラン、エチルトリベンジルオキシシラン、シクロヘキシルトリベンジルオキシシラン、メトキシトリベンジルオキシシラン、エトキシトリベンジルオキシシラン、フェノキシトリベンジルオキシシラン、t−ブトキシトリベンジルオキシシラン、シクロヘキシルオキシトリベンジルオキシシラン、ジベンジルオキシシラン、メチルジベンジルオキシシラン、フェニルジベンジルオキシシラン、エチルジベンジルオキシシラン、メトキシジベンジルオキシシラン、エトキシジベンジルオキシシラン、フェノキシジベンジルオキシシラン、t−ブトキシジベンジルオキシシラン、シクロヘキシルオキシジベンジルオキシシラン、ジメチルジベンジルオキシシラン、ジフェニルジベンジルオキシシラン、ジエチルジベンジルオキシシラン、ジメトキシジベンジルオキシシラン、ジエトキシジベンジルオキシシラン、ジフェノキシジベンジルオキシシラン、ジt−ブトキシジベンジルオキシシラン、ジシクロヘキシルオキシジベンジルオキシシラン、メチルフェニルジベンジルオキシシラン、メチルエチルジベンジルオキシシラン、フェニルジベンジルオキシシラン、エチルジベンジルオキシシラン、メトキシジベンジルオキシシラン、エトキシジベンジルオキシシラン、フェノキシジベンジルオキシシラン、t−ブトキシジベンジルオキシシラン、シクロヘキシルオキシジベンジルオキシシラン、ジメチルジベンジルオキシシラン、ジフェニルジベンジルオキシシラン、ジエチルジベンジルオキシシラン、ジシクロヘキシルジベンジルオキシシラン、ジメトキシジベンジルオキシシラン、ジエトキシジベンジルオキシシラン、ジフェノキシジベンジルオキシシラン、ジt−ブトキシジベンジルオキシシラン、ジシクロヘキシルオキシジベンジルオキシシラン、メチルベンジルオキシシラン、フェニルベンジルオキシシラン、エチルベンジルオキシシラン、メトキシベンジルオキシシラン、エトキシベンジルオキシシラン、フェノキシベンジルオキシシラン、t−ブトキシベンジルオキシシラン、シクロヘキシルオキシベンジルオキシシラン、ジメチルベンジルオキシシラン、ジフェニルベンジルオキシシラン、ジエチルベンジルオキシシラン、ジメトキシベンジルオキシシラン、ジエトキシベンジルオキシシラン、ジフェノキシベンジルオキシシラン、ジt−ブトキシベンジルオキシシラン、ジシクロヘキシルオキシベンジルオキシシラン、メチルフェニルベンジルオキシシラン、メチルエチルベンジルオキシシラン、トリメチルベンジルオキシシラン、トリフェニルベンジルオキシシラン、トリエチルベンジルオキシシラン、トリメトキシベンジルオキシシラン、トリエトキシベンジルオキシシラン、トリフェノキシベンジルオキシシラン、トリt−ブトキシベンジルオキシシラン、トリシクロヘキシルオキシベンジルオキシシラン、t−ブチルジメチルシリルベンジルオキシシラン等が挙げられる。
前記一般式(1)で表される前駆体を用い、触媒存在下、水素添加反応により、下記の式(2)で示されるシラノールが生成される。
Figure 0005652829
(式中のPh、n、Rは、前記式(1)と同じ)
反応条件は、特に制限されないが、好ましくは0〜80℃の温度で行う。
水素圧は特に制限されないが、好ましくは1〜10気圧で行う。
反応時間は、通常1〜24時間である。
本発明において用いられる金属触媒としては、例えば、ラネーニッケル、ラネーコバルト、酸化白金、白金、パラジウム、塩化パラジウム、水酸化パラジウム及びロジウム等の周期律表9族又は10族の金属或いは該金属の化合物を水素添加反応の活性成分とする触媒を挙げることができる。
これらの活性成分は、種々の担体、例えばアルミナ、ケイソウ土、活性炭、無機物或いは有機物からなる繊維、炭酸カルシウム、シリカ、シリカ−アルミナ、硫酸バリウム、酸化チタン等の金属酸化物或いは金属の塩或いは有機高分子状樹脂に担持して使用してもよいし、或いは活性成分だけを単独使用することもできるが、本発明において用いられる金属触媒は、容易に取り除けるという点から不均一系触媒であることが好ましく、これらの触媒の中では、Pd−CやPt−C等が好ましく、殊にPd−Cが特に好ましい。
金属触媒の使用量は、活性成分換算で、原料に対して、通常0.1〜15.0mol%である。
本発明において用いられる反応溶媒としては、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、テトラクロロエタン、ヘキサクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、ジメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジフェニルエーテル、メチルエチルエーテル等のエーテル類、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール等のアルコール類、酢酸エチル、酢酸n−アミル、乳酸エチル等のエステル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン等の脂肪族炭化水素類及びシクロヘキサン、デカリン等の脂環式炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン、フェニルメチルケトン等のケトン類、N,N−ジメチルホルムアミド、酢酸などのような反応に不活性な有機溶媒が挙げられる。これらの反応溶媒は2種以上の混合物であってもよい。特に好ましい反応溶媒は、酢酸エチルである。
本発明においては、必要に応じ、ハロゲン化ケイ素のような水に不安定な化合物を共存させてもよく、その場合、対応するクロスカップリング型シロキサン類を合成することができる。
下記の式(3)は、ハロゲン化ケイ素の一例としてトリメチルクロロシランを共存させた場合を示すものである。
Figure 0005652829
(式中のPh、n、Rは、前記式(1)と同じ)
また、下記の式(4)は、ハロゲン化ケイ素の他の一例として、ジメチルジクロロシランを共存させた場合を示すものである。
Figure 0005652829
(式中のPh、Rは、前記式(1)と同じ)
図1は、本発明のクロスカップリング反応の機構を模式的に示す図である。
図中、(I)のシラノールが生成される反応は比較的遅い反応である。これに対して、(II)のシラノールとハロゲン化ケイ素化合物とのクロスカップリング反応は、速い反応である。したがって、無水条件下でシラノールが生成される本発明の方法においては、反応の系に水に不安定なハロゲン化ケイ素を共存させることにより、シラノールの発生と共に逐次的に反応し、目的とするクロスカップリング型のシロキサン類が合成される。
本発明方法で共存させるハロゲン化ケイ素類は、例えば、テトラフルオロシラン、トリメチルフルオロシラン、トリエチルフルオロシラン、トリフェニルフルオロシラン、t−ブチルジメチルフルオロシラン、ジフェニルジフルオロシラン、ジメチルジフルオロシラン、ジーt−ブチルジフルオロシラン、フェニルメチルジフルオロシラン、ジシクロヘキシルジフルオロシラン、メチルトリフルオロシラン、エチルトリフルオロシラン、フェニルトリフルオロシラン、t−ブチルトリフルオロシラン、シクロヘキシルトリフルオロシラン、1,2-ビス(フルオロジメチルシリル)エタン、ジクロロシラン、トリクロロシラン、テトラクロロシラン、トリメチルクロロシラン、トリエチルクロロシラン、トリフェニルクロロシラン、t−ブチルジメチルクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、ジーt−ブチルジクロロシラン、フェニルメチルジクロロシラン、ジシクロヘキシルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、エチルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、t−ブチルトリクロロシラン、シクロヘキシルトリクロロシラン、1,2-ビス(クロロジメチルシリル)エタン、ジブロモシラン、トリブロモシラン、テトラブロモシラン、トリメチルブロモシラン、トリエチルブロモシラン、トリフェニルブロモシラン、t−ブチルジメチルブロモシラン、ジフェニルジブロモシラン、ジメチルジブロモシラン、ジーt−ブチルジブロモシラン、フェニルメチルジブロモシラン、ジシクロヘキシルジブロモシラン、メチルトリブロモシラン、エチルトリブロモシラン、フェニルトリブロモシラン、t−ブチルトリブロモシラン、シクロヘキシルトリブロモシラン、1,2-ビス(ブロモジメチルシリル)エタン、ジヨードシラン、トリヨードシラン、テトラヨードシラン、トリメチルヨードシラン、トリエチルヨードシラン、トリフェニルヨードシラン、t−ブチルジメチルヨードシラン、ジフェニルジヨードシラン、ジメチルジヨードシラン、ジーt−ブチルジヨードシラン、フェニルメチルジヨードシラン、ジシクロヘキシルジヨードシラン、メチルトリヨードシラン、エチルトリヨードシラン、フェニルトリヨードシラン、t−ブチルトリヨードシラン、シクロヘキシルトリヨードシラン、1,2-ビス(ヨードジメチルシリル)エタンなどが例示される。
本発明の一般的な実施態様は、反応器にパラジウム炭素、ベンジルオキシ置換シラン類を入れて混合し、さらに水素置換して反応を行うものである。
反応終了後、パラジウム炭素を遠心分離またはフィルターで分離し、シラノール類を取り出すことができる。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
〈合成例1:前駆体の合成)
磁気攪拌子を備えた二口フラスコにベンジルアルコール(1.33g、12.4mmol)、トリエチルアミン(1.26g、12.4mmol)、ジメチルアミノピリジン(57.9mg、0.474mmol)を入れジクロロメタン7mlで希釈した。これを0℃まで冷却し、ジクロロジフェニルシラン(1.51g、5.92mmol)をジクロロメタン7mlで希釈した溶液を10分かけて滴下した。滴下後室温で4時間撹拌し、ジクロロメタンを留去し、ヘキサン溶液として分液することで、前駆体であるジフェニルジベンジルオキシシランを収率82.1%(1.93g)で得た。
〈合成例2;前駆体の合成〉
実施例1の条件と同じく、磁気攪拌子を備えた二口フラスコにベンジルアルコール(3.14g、29.3mmol)、トリエチルアミン(2.97g、29.3mmol)、ジメチルアミノピリジン(139mg、1.13mmol)を入れジクロロメタン10mlで希釈した。これを0℃まで冷却し、クロロトリフェニルシラン(2.00g、9.44mmol)をジクロロメタン10mlで希釈した溶液を10分かけて滴下した。滴下後室温で4時間撹拌し、ジクロロメタンを留去し、ヘキサン溶液として分液する事でフェニルトリベンジルオキシシランを収率73.1%(2.94g)で得た。
〈実施例1;シラノールの合成〉
磁気攪拌子を備えた二口フラスコに、ベンジルオキシ換算で10mol%のパラジウム炭素(107mg)および合成例1で得られたジフェニルジベンジルオキシシラン(100mg、0.25mmol)を入れ、酢酸エチルを6ml加えた。水素ガスで置換し、室温で12時間反応させた。その後パラジウム炭素を遠心分離し、反応溶媒を留去した。
析出した白色固体を1H,13C,29Si NMRで分析すると、ジフェニルシランジオールであることが確認され、質量からその収率は98%であった。
〈実施例2;シラノールの合成〉
磁気攪拌子を備えた二口フラスコにベンジルオキシ換算で10mol%のパラジウム炭素(107mg)および、合成例2で得られたフェニルトリベンジルオキシシラン(100mg、0.235mmol)を入れ酢酸エチル6mlを加えた。水素ガスで置換し、室温で12時間反応させた。その後パラジウム炭素を遠心分離し、反応溶媒を留去した。
析出した無色微結晶を1H,13C,29Si NMRで分析すると、フェニルシラントリオールであることが確認され、質量からその収率は99%であった。
〈実施例3:シロキサンの合成〉
本実施例では、トリメチルクロロシランを共存させ、実施例1と同様にして反応させた。
磁気攪拌子を備えた二口フラスコにベンジルオキシ換算で10mol%のパラジウム炭素(229mg)および、ジフェニルジベンジルオキシシラン(200mg、0.50mmol)を入れ酢酸エチルを6ml加えた。水素ガスで置換し、さらにトリメチルクロロシラン(2.18g、20.2mmol)を加え、室温で12時間反応させた。その後溶媒を留去し、少量の酢酸エチルで2回共沸させた。再び酢酸エチル溶液とし、パラジウム炭素を遠心分離し、反応溶媒を留去した。
得られた無色液体を分取GPCにより分取し1H,13C,29Si NMRで分析すると、
Ph2Si(OSiMe3)2であることが確認され、質量からその収率は99%であった。
〈実施例4:シロキサンの合成〉
本実施例では、トリメチルクロロシランを共存させ、実施例2と同様にして反応させた。
磁気攪拌子を備えた二口フラスコにベンジルオキシ換算で5mol%のパラジウム炭素(160mg)および、フェニルトリベンジルオキシシラン(200mg、0.47mmol)を入れ酢酸エチルを6ml加えた。水素ガスで置換し、さらにトリメチルクロロシラン(3.04g、28.2mmol)を加え、室温で12時間反応させた。その後溶媒を留去し、少量の酢酸エチルで2回共沸させた。再び酢酸エチル溶液とし、パラジウム炭素を遠心分離し、反応溶媒を留去した。得られた無色液体を分取GPCにより分取し1H,13C,29Si NMRで分析すると、PhSi(OSiMe3)3であることが確認され、質量からその収率は94%であった。
〈実施例5:シロキサンの合成〉
本実施例では、原料にテトラベンジルオキシシランを用い、トリメチルクロロシランを共存させて反応させた。
磁気攪拌子を備えた二口フラスコにベンジルオキシ換算で5mol%のパラジウム炭素(199mg)および、テトラベンジルオキシシラン(200mg、0.44mmol)を入れ酢酸エチルを6ml加えた。水素ガスで置換し、さらにトリメチルクロロシラン(5.68g、52.6mmol)を加え、室温で12時間反応させた。その後溶媒を留去し、少量の酢酸エチルで2回共沸させた。再び酢酸エチル溶液とし、パラジウム炭素を遠心分離し、反応溶媒を留去した。得られた無色液体を分取GPCにより分取し1H,13C,29Si で分析すると、Si(OSiMe3)4であることが確認され、質量からその収率は71%であった。

Claims (4)

  1. 下記の式(1)で示されるベンジルオキシ置換シランをシラノール前駆体とし、触媒として周期律表9族又は10族の金属或いは該金属の化合物を用い、無水条件下で、水素添加反応を行うことを特徴とするシラノールの製造方法。

    4-nSi(OCH2Ph)n・・・・・・・・・式(1)

    (式中、Phはフェニル基を示し、nは1〜4の整数であり、Rはそれぞれ独立して同一又は相異なり、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数3〜7のシクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アシル基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、カルボキシル基又はアシロキシ基を示す。)
  2. 前記触媒が、不均一系触媒であることを特徴とする請求項1に記載のシラノールの製造方法。
  3. 前記触媒が、炭素に担持された触媒であることを特徴とする請求項2に記載のシラノールの製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のシラノールの製造方法において、反応系にハロゲン化ケイ素を共存させて、クロスカップリング型シロキサンを製造することを特徴とするシロキサンの製造方法。
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