JP4605018B2 - 有機ケイ素化合物の製造方法並びにジオールを有する有機ケイ素樹脂及びその製造方法 - Google Patents

有機ケイ素化合物の製造方法並びにジオールを有する有機ケイ素樹脂及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、有機ケイ素化合物の製造方法並びにこれを原料とする新規な有機ケイ素樹脂及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、有機置換基により保護されたジオールを有するアルコキシシランの製造方法並びにジオールを有する有機ケイ素樹脂及びその製造法に関する。
ジオールを有するポリメチルシルセスキオキサン系微粒子を製造する原料化合物のひとつとして、3−グリシドキシプロピルトリアルコキシシランが知られている(特許文献1)。
特許文献1:特開平11−116681号報
また、脂環式エポキシドを有するアルコキシシランを合成後加水分解し、エポキシドの酸化反応を行い、ジオールを有する有機ケイ素樹脂を合成する方法も知られている。
特許文献2:特開平10−87834号報
ジオールに代表されるアルカリ可溶性基を有するハロゲノシラン、アルコキシシランは、リソグラフィー用材料、有機―無機ハイブリッド材料等の原料として有用である。
ジオールを有する有機ケイ素樹脂は各種のものが知られている。予め有機ケイ素樹脂を合成しておき、高分子反応を用いてジオールを樹脂に導入する方法が知られている。以下に報告例を示す。
ジオールを有するポリメチルシルセスキオキサン系微粒子は報告されている(特許文献1)。
特許文献3:特開平11−116681号報
また、脂環式エポキシドを有するアルコキシシランを合成後加水分解し、エポキシドの酸化反応を行い、ジオールを有する有機ケイ素樹脂を合成する方法も知られている。
特許文献4:特開平10−87834号報
これらの方法では、高分子反応を利用するため、ジオールの導入量を精密にコントロールすることが難しく、また高分子反応終了後、原料が残存した場合、これらを除去し、有機ケイ素樹脂を精製することが困難である。ジオールを有する有機ケイ素樹脂は、モノアルコールを有する有機ケイ素樹脂に比べ、優れたアルカリ可溶性を発現するため、リソグラフィー用材料、有機―無機ハイブリッド材料等の原料として有用である。また、これらの樹脂は、シリル化剤と容易に反応するため、各種の機能性材料の原料となりえる。
これまでの既報では、高分子反応を利用して有機ケイ素樹脂へのジオールの導入を行っていた。高分子反応では樹脂組成の精密な制御ができないため、精密な樹脂組成の制御法が望まれていた。精密に樹脂組成を制御するためには、保護されたジオールを有するアルコキシシランを高純度で合成し、更に加水分解を行うことにより、有機ケイ素樹脂を合成しなければならない。有機置換基により保護されたジオールを有するアルコキシシランについて、これまで合成例がない。
本発明の目的は、有機置換基により保護されたジオールを含有するアルコキシシランを提供し、そのことによって、有機合成その他の分野で新規な合成方法や、新規樹脂の製造、材料表面処理方法および樹脂改質等を提供することにある。
上記に記述したように、有機ケイ素樹脂にジオールを導入する場合、高分子反応を利用した報告があるだけであり、精密な樹脂組成の制御は非常に困難なものであった。加えて、ジオールは樹脂中に残存するシラノールと反応し易く、ジオールを有する有機ケイ素樹脂は容易にゲル化し易い。
本発明者らは、組成の制御が容易であり、かつ経時変化の無い安定な、下記一般式(11)で表される基(ジオールを有する有機ケイ素樹脂及びその製造法を提供することを他の目的とした。
Figure 0004605018
本発明は、下記一般式(1)で表される有機置換基により保護されたジオールを有する有機ケイ素化合物の製造法に関する。
Figure 0004605018
(式中、R、RおよびRは炭素数1から6のアルコキシ基である。Rは炭素数2から6のアルキレン基であり、Zは、炭素数1から3のアルキレン基を示す。Meはメチル基を表す。)
本発明は、以下の反応工程A(1)及びA(2)を順次行うことを特徴とする。
工程A(1):下記一般式(3)で表される化合物とハロゲン化アルケン(但し、請求項におけるRにおいて、Oと結合する側の分子末端にハロゲンを有し、Siと結合する側の分子末端に炭素−炭素二重結合を有する以外は、請求項におけるRと同じ炭素骨格を有する。)とを反応させて下記一般式(4)で表される化合物を得る。

Figure 0004605018
Figure 0004605018
(式中、Zは炭素数1から3のアルキレン基であり、Rはハロゲン化アルケンにおけるハロゲンを除いた残基であり、末端に炭素−炭素二重結合を有する。)
工程A(2):工程A(の一般式(4)で表される化合物とシラン化合物RSiH(但し、R、RおよびRは一般式における意味と同義である。)とをハイドロシリレーション反応させる。
本発明は、下記一般式(1)で表される有機ケイ素化合物の加水分解を行うことにより、組成の制御が容易で、経時変化の無い安定な、下記一般式(11)で表される基を有する有機ケイ素樹脂を提供する。
Figure 0004605018
Figure 0004605018
(式中、R、RおよびRは炭素数1から6のアルコキシ基である。Rは炭素数2から6のアルキレン基であり、Zは、炭素数1から3のアルキレン基を示す。Meはメチル基を表す。)
原料の得易さ、原料コストを考えると、望ましくは下記一般式(2)(以下、TESDDM)で表される有機ケイ素化合物の加水分解を行うことにより、組成の制御が容易で、経時変化の無い安定な、下記一般式(12)で表される基を有する有機ケイ素樹脂を提供する。
Figure 0004605018
Figure 0004605018
本発明における有機ケイ素樹脂の製造方法は、以下の4段階の工程からなる。
工程B(1):有機溶媒中、一般式(1)で表される有機ケイ素化合物および分子量調整剤を含んだアルコキシシラン組成物を加水分解・縮合し、更に有機溶媒を加えた後、乾燥剤を用いて脱水する。
工程B(2):乾燥剤をろ過後、シリル化剤を用いて樹脂末端シラノールを封止する。
工程B(3):溶媒を留去後、有機溶媒および水を加え、ジオールを有する有機ケイ素樹脂を水洗する。
工程B(4):乾燥剤を用いて、樹脂を乾燥後、溶媒を留去し、ジオールを有する有機ケイ素樹脂を得る。
本発明の有機ケイ素化合物の製造方法によって、有機置換基により保護されたジオールを含有するアルコキシシランが提供される。
本発明の製造方法により得られた有機ケイ素化合物は、ケイ素原子に結合した加水分解性のアルコキシ基が存在するため、他の有機ケイ素化合物(ポリマーを含む)との反応によりシロキサン結合を形成したり、無機化合物中のシラノール基とカップリング反応させることができる。また、3官能性アルコキシシランであるため、架橋反応を利用することにより、シリコーンレジン、シルセスキオキサンを構築することができる。一方、ジオールの水酸基に置換している有機基は、酸性条件下で加水分解により容易に脱離してフリーのジオールとなり、炭素官能性基またはアルカリ水溶性基として機能する。また、フリーのジオールは極性官能基と強い水素結合を形成する。水素結合を利用した有機−無機ハイブリッド材料へも利用できる。すなわち、ケイ素官能性および保護された炭素官能性をもつ複反応性ケイ素化合物として機能する。
本発明の製造方法により得られたケイ素系化合物は、そのため、有機合成の中間原料、ポリマー樹脂の合成原料、ポリマーの改質剤、無機化合物の表面処理剤として有用である。
また、本発明によって、組成の制御が容易であり、かつ経時変化の無い安定な、上記一般式(11)で表される基を有する有機ケイ素樹脂が得られる。本発明の製造法では、上記一般式(1)で表される有機ケイ素化合物を含んだアルコキシシラン組成物の加水分解により、上記一般式(11)で表される基を有する有機ケイ素樹脂前駆体が得られる。更に、加水分解直後の有機ケイ素樹脂前駆体には末端シラノールが存在し、脱溶や加熱工程により、容易にカップリングし、分子量変化を引き起こす。よって、加水分解後脱水し、シリル化剤を用いて、有機ケイ素樹脂中に存在するシラノールを封止する。続いて、水洗、脱溶することにより、分子量変化が無く安定な有機ケイ素樹脂を構築できる。
先ず、上記一般式(1)で表される有機ケイ素化合物の製造方法、すなわち、有機置換基により保護されたジオールを含有するアルコキシシラン(以下、本発明ケイ素系化合物)の製造方法について、以下詳述する。
本発明において、R、RおよびRは炭素数1から6のアルコキシ基である。R、RおよびRの具体例として、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基が挙げられ、直鎖状でも分岐状でも差し支えない。その中でも、原料が得易く、合成が容易なことから、一般にR、RおよびRについてはエトキシ基が好ましい。
は炭素数2から6のアルキレン基で、直鎖状、分岐状のいずれでもよく、具体例としては、ジメチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、2−メチルトリメチレン基、3−メチルトリメチレン基等が例示されるが、合成の容易なことおよび原料の入手のしやすさから、該炭素数が3の直鎖状炭化水素が最も好ましい。
このようなケイ素系化合物の具体例はいくつか例示されるが、上記のことを考慮すると、もっとも好ましい構造としては、下記一般式(2)で表される化合物(以下、TESDDM)である。
Figure 0004605018
本発明のケイ素系化合物の製造方法は、次のようである。下記一般式(5)に表される化合物(以下、DDM)を塩基存在下、ハロゲン化アリルと反応させることにより、有機置換基により保護されたジオールを含有する下記一般式(6)の化合物(以下、DDMAL)を得る。
Figure 0004605018
Figure 0004605018
反応は、DDMに溶媒、塩基を加え、加熱還流下、ハロゲン化アリルを滴下する。溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールのようなアルコール類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフランのようなエーテル類、水、アセトン、ジメチルホルムアミドのような極性溶媒が例示される。塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等が例示される。ハロゲン化アリルとしては、塩化アリル、臭化アリル、ヨウ化アリルなどが例示される。反応終了後、溶媒および揮発成分を減圧下留去し、減圧蒸留によってDDMALを単離する。
このようにして得られたDDMALを、トリエトキシシランと反応させ、TESDDMを得る。この反応は触媒の存在下で行われ、触媒としては、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、イリジウム、白金等の第8属から第10属金属の単体、有機金属錯体、金属塩、金属酸化物等が用いられるが、通常、白金系の触媒が使用される。白金系触媒としては、塩化白金酸六水和物(HPtCl・6HO)、cis−PtCl(PhCN)、白金カーボン、ジビニルテトラメチルジシロキサンが配位した白金錯体(Pt−dvds)等が例示される。なお、Phはフェニル基を表わす。触媒の使用量は、DDMALに表される化合物の量に対して、0.1ppmから1,000ppmであることが好ましい。
また、反応温度の制御操作は、外部からの加熱およびトリエトキシシランの供給速度に依存するため、一概に決められないが、通常、反応温度を室温〜110℃の範囲に保持することで、ヒドロシリレーション反応を円滑に継続させることができる。反応終了後、溶媒および揮発成分を減圧下留去することにより本発明ケイ素系化合物を得る。
次に、組成の制御が容易であり、かつ経時変化の無い安定な、上記一般式(11)で表される基を有する有機ケイ素樹脂及びその製造法に関して以下詳述する。
上記一般式(1)で表される有機ケイ素化合物は、酸または塩基性条件下で加水分解・縮合し、有機ケイ素樹脂の骨格を形成する。また、酸性条件下加水分解することにより、保護基が脱保護し、フリーなジオールに変換させることができる。酸としては、塩酸、硝酸、硫酸、酢酸、ギ酸等が例示される。塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドキシド、トリエチルアミン、ピリジン等が例示される。水の量としては、理論量以上の水が必要であり、望ましくは理論量の1.5〜2倍の水を用いることが好ましい。加水分解時に用いる有機溶媒としては、アセトン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トルエン、ヘキサン等が例示され単独でも、2種以上混合して用いてもよい。分子量調整剤としては、ヘキサメチルジシロキサン、テトラメチルジシロキサン、ヘキサフェニルジシロキサン、ヘキサビニルジシロキサン、テトラフェニルジメチルジシロキサン、テトライソプロピルジシロキサン等が例示される。また、多官能アルコキシシランである3〜4官能のアルコキシシラン、具体的には、トリエトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシランと共縮合を行ってもよい。
加水分解後の脱水剤としては、無水硫酸ナトリウム、無水硫酸マグネシウム等が例示され、脱水効果があり、樹脂を汚染しないものであれば種類にこだわることはない。
シリル化剤により、樹脂末端シラノールを封止する。樹脂末端シラノールが封止されることにより、ジオールを有する有機ケイ素樹脂が合成される。
シリル化剤としては、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン、1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、ヘプタメチルジシラザン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルシクロトリシラザン、トリス(トリメチルシリル)アミン、ビス(ジエチルアミノ)ジメチルシラン、ビス(ジメチルアミノ)ジメチルシラン、ビス(ジメチルアミノ)ジフェニルシラン、ビス(ジメチルアミノ)メチルフェニルシラン、トリメチルシラノール及びt−ブチルアミノトリメチルシラン等のアミノシラン類並びにシラノール類、トリメチルクロロシラン、ジメチルクロロシラン、フェニルメチルクロロシラン等のクロロシラン類が例示される。また、トリエチルアミン、ピリジン等の塩基と併用してもよい。
樹脂中の末端シラノールを封止した後、溶媒を減圧下留去し、有機溶媒を加え、有機ケイ素樹脂を水洗する。水洗時に用いる有機溶媒としては、有機溶媒としては、アセトン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トルエン、ヘキサン等が例示され単独でも、2種以上混合して用いてもよい。水洗には、一般的に超純水を用いるが、塩酸水溶液等の酸性水溶液、水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ性水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液等を用いてもよい。水洗は、水層が中性になるまで行う方が好ましい。
水洗後脱水し、溶媒を減圧下留去することにより、組成の制御が容易であり、かつ経時変化の無い安定な、上記一般式(11)で表される基を有する有機ケイ素樹脂が得られる。水洗後に用いる脱水剤としては、無水硫酸ナトリウム、無水硫酸マグネシウム等が例示され、脱水効果があり、樹脂を汚染しないものであれば種類にこだわることはない。
合成例1
冷却管、滴下ロート、磁気撹拌子を備えた反応器に水素化ナトリウム(10g:(60% in Oil)、250mmol)を仕込み、乾燥ヘキサンを用いて水素化ナトリウムを洗浄した。反応系にジメチルホルムアミド(100mL)を仕込み、氷浴で0℃に冷却した。滴下ロートにDDM(30g、227mmol)を仕込み、ゆっくり滴下した。滴下終了後、室温で1時間攪拌し、アリルブロミド(30g、250mmol)をゆっくり加えた。反応完結後、水(50mL)、ジイソプロピルエーテル(50mL)を加え、有機層を水洗した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧蒸留にて無色透明の液体を得た[収量:21g、54%、沸点:98−99℃(2670Pa)]
この無色透明液体について、270MHzのH−NMRの測定を行ったところ、第1図のスペクトルを得た。
δ値とその帰属は第1表のとおりであった。これにより得られた化合物は、下記構造(DDMAL)であることが確認できた。
Figure 0004605018
Figure 0004605018
質量分析:MS(CI)=172(M+H
実施例1
冷却管、滴下ロート、磁気撹拌子を備えた反応器に合成例1で得たDDMAL(20.5g、119mmol)を仕込み、攪拌した。滴下ロートにトリエトキシシラン(21.5g、131mmol)を仕込み、3.8mLを反応系内に加えた。オイルバスを80℃に設定し、内温が70℃を超えたら、0.1M Pt−dvdsキシレン溶液(0.02mL、0.002mmol)を加え反応を開始させた。反応終了後、減圧蒸留により無色透明の液体を得た[収量:25g、63%、沸点:115−116℃(130Pa)]。
この無色透明液体について、270MHzのH−NMRの測定を行ったところ、第2図のスペクトルを得た。
δ値とその帰属は第2表のとおりであった。これにより得られた化合物は、下記構造(TESDDM)であることが確認できた。
Figure 0004605018
Figure 0004605018
質量分析:MS(EI)=336(M
実施例2(有機ケイ素樹脂の合成)
滴下ロート、磁気撹拌子を備えた反応器に実施例1で得たTESDDM(4.04g、12mmol)、メチルトリエトキシシラン(7.86g、44.1mmol)、ヘキサメチルジシロキサン(1.95g、12mmol)、イソプロピルアルコール(9.9g)を仕込み攪拌した。滴下ロートに1.5wt%塩酸水溶液(3.74g)を仕込み、ゆっくり滴下した。滴下終了後、室温で1.5時間攪拌した。続けて、ジイソプロピルエーテル(20g)を加えた後、無水硫酸マグネシウムを加え2時間脱水させた。無水硫酸マグネシウムをろ別し、攪拌させながらヘキサメチルジシラザン(3.87g、24mmol)をゆっくり加え、室温で2時間攪拌後、減圧下溶媒を留去する。メチルエチルケトン(20g)、1N−塩酸水溶液を加え洗浄後、水層が中性になるまで水洗を繰り返す。無水硫酸マグネシウムで脱水後、減圧下溶媒を留去し、有機ケイ素樹脂を得た(4.05g、57%)。
この有機ケイ素樹脂について、270MHzのH−NMRの測定を行ったところ、第3図のスペクトルを得た。
δ値とその帰属は第3表のとおりであった。これにより得られた化合物は、以下に表される化学式を有し、三種の構成単位からなることを示す下記構造であることが確認できた。
Figure 0004605018
(上式においてX;Y:Z=15:55:30)
Figure 0004605018
Figure 0004605018
IRの測定を行ったところ、第4図のスペクトルを得た。
3380cm−1にO−H伸縮振動が観測され、ジオールの存在が確認された。
参考例1(安定性試験)
溶媒として、0.5wt%の水を含有したプロピレングリコールメチルエーテルアセテートを調製した。実施例2で調製した有機ケイ素樹脂を10wt%の濃度で溶媒に溶かし、サンプルとした。本サンプルを60℃3日間放置し分子量変化を追跡した。結果を表4に示す。
Figure 0004605018
実施例2で調製した有機ケイ素樹脂は、分子量変化が無く、安定な有機ケイ素樹脂であることを確認した。
リソグラフィーの分野で利用可能性がある。
第1図は合成例1で得られた化合物のH−NMRスペクトルを示す。 第2図は実施例1で得られた化合物のH−NMRスペクトルを示す。 第3図は実施例2で得られた有機ケイ素樹脂のH−NMRスペクトルを示す。 第4図は実施例2で得られた有機ケイ素樹脂のIRスペクトルを示す。

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)で表される有機ケイ素化合物、または、該有機ケイ素化合物とトリエトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン及びメチルトリエトキシシランから選ばれる多官能アルコキシシランとを加水分解・縮合してなる、下記一般式(11)で表される基を有する有機ケイ素樹脂。
    Figure 0004605018
    Figure 0004605018
    (式中、R、RおよびRは炭素数1から6のアルコキシ基である。Rは炭素数2から6のアルキレン基であり、Zは、炭素数1から3のアルキレン基を示す。Meはメチル基を表す。)
  2. 上記一般式(1)で表される有機ケイ素化合物が、R、RおよびRがエトキシ基であり、Rが炭素数3の直鎖状のアルキレン基である、下記一般式(2)で表される有機ケイ素化合物である請求項1記載の有機ケイ素樹脂。
    Figure 0004605018
  3. 以下の反応工程B(1)〜B(4)を順次行うことを特徴とする有機ケイ素樹脂の製造方法。
    工程B(1):有機溶媒中、下記一般式(1)で表される有機ケイ素化合物および分子量調整剤を含んだアルコキシシラン組成物を加水分解・縮合し、更に有機溶媒を加えた後、乾燥剤を用いて脱水する。
    Figure 0004605018
    (式中、R、RおよびRは炭素数1から6のアルコキシ基である。Rは炭素数2から6のアルキレン基であり、Zは、炭素数1から3のアルキレン基を示す。Meはメチル基を表す。)
    工程B(2):乾燥剤をろ過後、シリル化剤を用いて樹脂末端シラノールを封止する。
    工程B(3):溶媒を留去後、有機溶媒および水を加え、有機ケイ素樹脂を水洗する。
    工程B(4):乾燥剤を用いて、樹脂を乾燥後、溶媒を留去し、下記一般式(11)で表される基を有する有機ケイ素樹脂を得る。
    Figure 0004605018
  4. 上記一般式(1)で表される有機ケイ素化合物が、下記一般式(2)で表される有機ケイ素化合物である請求項3記載の有機ケイ素樹脂の製造方法。
    Figure 0004605018
  5. 下記一般式(1)で表される有機ケイ素化合物の製造方法であって、以下の反応工程A(1)及びA(2)を順次行うことを特徴とする、有機ケイ素化合物の製造方法。
    Figure 0004605018
    (式中、R、RおよびRは炭素数1から6のアルコキシ基である。Rは炭素数2から6のアルキレン基であり、Zは、炭素数1から3のアルキレン基を示す。Meはメチル基を表す。)
    工程A(1):下記一般式(3)で表される化合物とハロゲン化アルケン(但し、上記一般式(1)におけるRにおいて、Oと結合する側の分子末端にハロゲンを有し、Siと結合する側の分子末端に炭素−炭素二重結合を有する以外は、上記一般式(1)におけるRと同じ炭素骨格を有する。)とを反応させて下記一般式(4)で表される化合物を得る。
    Figure 0004605018
    Figure 0004605018
    (式中、Zは炭素数1から3のアルキレン基であり、Rはハロゲン化アルケンにおけるハロゲンを除いた残基であり、末端に炭素−炭素二重結合を有する。)
    工程A(2):上記工程A(1)の上記一般式(4)で表される化合物とシラン化合物RSiH(但し、R、RおよびRは上記一般式(1)におけるR、RおよびRと同義である。)とをハイドロシリレーション反応させる。
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