JP2002193978A - 新規な環状有機ケイ素化合物 - Google Patents

新規な環状有機ケイ素化合物

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JP2002193978A
JP2002193978A JP2000400564A JP2000400564A JP2002193978A JP 2002193978 A JP2002193978 A JP 2002193978A JP 2000400564 A JP2000400564 A JP 2000400564A JP 2000400564 A JP2000400564 A JP 2000400564A JP 2002193978 A JP2002193978 A JP 2002193978A
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JP
Japan
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organosilicon compound
present
carboxylic acid
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Hiroshi Suzuki
浩 鈴木
Katsuhiko Komuro
勝彦 小室
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Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】カルボン酸性水酸基の水素原子が同一分子内の
アルコキシシリル基で置換されている環状エステルアル
コキシシラン化合物を提供する。 【解決手段】下記一般式で表される環状有機ケイ素化合
物。 【化1】 (式中、R1は炭素数1から3のアルキレン基であり、
2およびR3は炭素数1から4のアルキル基またはアル
コキシ基であり、R2またはR3の少なくとも一方はアル
コキシ基である)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な環状有機ケ
イ素化合物に関し、詳しくは、カルボン酸性水酸基が分
子内でシリル化保護された、環状エステルアルコキシシ
ランに関する。本発明の化合物は、アルカリ可溶性ケイ
素系樹脂組成物等に利用されるケイ素系モノマーの主剤
として有用である。
【0002】
【従来の技術】カルボン酸性水酸基が分子内でシリル化
保護された、下記の化合物は公知である(Khim.Geterot
sikl.Soedin.(1967),(1),p179-182、Khim.Geterotsikl.
Soedin.(1974),(3),p345-347)。
【0003】
【化2】
【0004】(A)は加水分解により、Si-O結合が切断
され、一方はカルボキシル基に、一方はSi-OH基とな
る。Si-OH基はシロキサン結合を生成するが、(A)の場合
ではSi-OH基が一つしかないので、それ自身を重合させ
て樹脂を製造することができず、樹脂末端のエンドキャ
ップ剤としての機能しか発揮しない。
【0005】(B)および(C)では、Si-OH基が二つ以
上存在するので、例えば、(B)を加水分解・縮合させる
と、側鎖にカルボン酸を有するポリシロキサンが、(C)
を加水分解・縮合させると、側鎖にカルボン酸を有する
ポリシルセスキオキサンが製造できる。しかしながら、
同時にSi-Clの加水分解による塩酸ガス発生の問題があ
る。プラントのメンテナンスや腐食性ガスの除去工程の
煩雑さ、反応制御の困難さ等の問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、カル
ボン酸性水酸基の水素原子が同一分子内のアルコキシシ
リル基で置換されている環状エステルアルコキシシラン
化合物を提供し、そのことによって、塩酸ガス等の腐食
性ガスの発生を伴わずに、有機合成その他の分野で新規
な合成方法や、新規樹脂の製造、材料表面処理方法およ
び樹脂改質等を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、腐食性ガス
の発生を伴わずに、側鎖にカルボン酸を有するポリシロ
キサン、およびポリシルセスキオキサンを、効率よく安
全に製造できるようなケイ素系モノマーに関して鋭意検
討した結果、請求項記載のカルボン酸性水酸基が分子内
でシリル化保護された、環状エステルアルコキシシラン
化合物を見い出した。このようなカルボン酸性水酸基の
水素原子が同一分子内のアルコキシシリル基で置換され
ている環状エステルアルコキシシラン化合物はこれまで
知られていない。このような有機ケイ素化合物は、ケイ
素官能基とシリル基で保護された炭素官能基を同じに有
するという特徴があり、有機合成などの中間原料や各種
材料カップリング剤として有用であることも見出し、本
発明を完成するに至った。即ち、本発明は、下記一般式
で表される環状有機ケイ素化合物、すなわち、カルボン
酸性水酸基の水素原子が同一分子内のアルコキシシリル
基で置換されている環状エステルアルコキシシラン化合
物(以下、本発明ケイ素系化合物)である。
【0008】
【化3】
【0009】(式中、R1は炭素数1から3のアルキレ
ン基であり、R2およびR3は炭素数1から4のアルキル
基またはアルコキシ基であり、R2またはR3の少なくと
も一方はアルコキシ基である。)
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳述する。
本発明において、R1は炭素数1から3のアルキレン基
で、具体例としては、メチレン基、ジメチレン基、トリ
メチレン基、などが例示されるが、合成の容易なことお
よび原料の入手のしやすさから、メチレン基が最も好ま
しい。
【0011】R2およびR3は炭素数1から4のアルキル
基またはアルコキシ基であり、R2またはR3の少なくと
も一方がアルコキシ基である。R2およびR3の具体例と
して、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、メ
トキシ基、エトキシ基、プロピル基、ブチル基等が挙げ
られ、直鎖状でも分岐状でも差し支えない。その中で
も、原料が得易く、合成が容易なことから、メトキシ
基、エトキシ基などが好ましいが、原料の毒性が低いこ
とから、エトキシ基が最も好ましい。このような本発明
ケイ素系化合物の具体例はいくつか例示されるが、上記
のことを考慮すると、もっとも好ましい構造は、以下の
構造式で示される化合物[1]である。
【0012】
【化4】
【0013】本発明のケイ素系化合物は、例えば次のよ
うにして製造することができる。すなわち、もっとも好
ましい構造を有する上記式の化合物[1]を例にとる
と、触媒の存在下ビニル酢酸にトリエトキシシランを反
応させると、下式に示したように、カルボン酸性水酸基
の水素原子が同一分子内のジエトキシシリル基で置換さ
れた環状エステルジエトキシシラン化合物[1]を選択
的に得ることができる。
【0014】
【化5】
【0015】本反応を詳しく説明すると、二つの要素反
応からなる。
【0016】
【化6】
【0017】すなわち、反応の第一段階では、ビニル酢
酸とトリエトキシシランとのエステル化反応によって、
[2]が生成し、引き続き、
【0018】
【化7】
【0019】Si-Hと末端オレフィンによる分子内ハイド
ロシリレーションによる、[1]が生成する。触媒の存
在下では、これら二つの反応がほぼ同時に起きている。
触媒が存在しない系では、ハイドロシリレーションは進
行しないため、選択的に[2]が生成するから、あらか
じめ[2]を単離して、新たに分子内ハイドロシリレー
ションを行って、目的物[1]を得ることもできる。
【0020】ハイドロシリレーションの触媒としては、
コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウ
ム、イリジウム、白金等の第8属から第10属金属の単
体、有機金属錯体、金属塩、金属酸化物等が用いられる
が、通常、白金系の触媒が使用される。白金系触媒とし
ては、白金-ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体、
塩化白金酸六水和物(H2PtCl6・6H2O)、cis-PtCl2(Ph
CN)2、白金カーボン等が例示される。なお、Phはフェニ
ル基を表わす。触媒の使用量は、化合物[1]の量に対
して、0.1ppmから1,000ppmであることが好ましい。
【0021】また、ケイ素系化合物[1]の製造は加熱
下で行われる。反応温度の制御操作は、外部からの加熱
およびトリエトキシシランの供給速度に依存するため、
一概に決められないが、通常、反応温度を60℃〜11
0℃の範囲に保持することで、ヒドロシリレーション反
応を円滑に継続させることができる。この温度が60℃
未満ではヒドロシリレーション反応が円滑に継続され
ず、110℃を超えると、暴走反応が引き起こされる恐
れがある。また、ケイ素系化合物[1]の単離は通常、
減圧蒸留によって行われる。
【0022】
【発明の効果】本発明によって、新規な有機ケイ素化合
物である、カルボン酸性水酸基の水素原子が同一分子内
のアルコキシシリル基で置換されている環状エステルア
ルコキシシランが提供される。本発明の新規な有機ケイ
素化合物は、ケイ素原子に結合した加水分解性のアルコ
キシ基が存在するため、他の有機ケイ素化合物(ポリマ
ーを含む)との反応によりシロキサン結合を形成した
り、それ自身でポリシロキサンやポリシルセスキオキサ
ン化合物となる他、無機化合物中のシラノール基とカッ
プリング反応させることができる。一方、カルボキシル
基の水素原子と置換しているシリル基は、酸性ないしア
ルカリ性の条件下で加水分解により容易に脱離してフリ
ーのカルボン酸となり、炭素官能性基またはアルカリ水
溶性基として機能する。すなわち、ケイ素官能性および
保護された炭素官能性をもつ複反応性ケイ素化合物とし
て機能する。本発明のケイ素系化合物は、そのため、有
機合成の中間原料、ポリマー樹脂の合成原料、ポリマー
の改質剤、無機化合物の表面処理剤として有用である。
【0023】
【実施例】以下、本発明を参考例および実施例によって
具体的に説明する。 実施例1 攪拌機、温度計及び冷却管を備えた反応器を乾燥窒素雰
囲気下にして、ビニル酢酸21.5g(250mmol)を仕込み、
系内を攪拌させながらオイルバスで加熱した。内温度が
70℃に達したところで、白金-ジビニルテトラメチルジ
シロキサン錯体(2%キシレン溶液)0.1mL加えた。その
後、系内の温度が80℃前後になるように、トリエトキシ
シラン49.3g(300mmol )を徐々に滴下した。滴下終了
後、3時間、80℃で攪拌放置した。その後、減圧精留に
よって、沸点90〜95℃/10Paで無色透明の液体35.8gを得
た。この液体について、1H-NMRおよび13C-NMRの
測定を行ったところδ値とその帰属は第1表および第
2表(第1図)のとおりであった。また、マススペクト
ル(CI)によれば、205(M+1)の親ピークが観測され
た。これらの分析結果により、得られた液体は、カルボ
ン酸性水酸基の水素原子が同一分子内のシリル基で置換
されている環状エステルアルコキシシランである化合物
[1]であることが確認できた。収率は理論量に対して
70.2%であった。
【0024】
【化8】
【0025】
【表1】
【0026】
【化9】
【0027】
【表2】
【0028】
【化10】
【図面の簡単な説明】
【図1】第1図は、実施例1で得られた生成物の13C-NM
Rスペクトルを示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式で表される環状有機ケイ素化合
    物。 【化1】 (式中、R1は炭素数1から3のアルキレン基であり、
    2およびR3は炭素数1から4のアルキル基またはアル
    コキシ基であり、R2またはR3の少なくとも一方はアル
    コキシ基である)
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10889682B2 (en) 2017-07-21 2021-01-12 Henkel Ag & Co. Kgaa Silylated polyurethanes and methods for preparing thereof

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