JP5664191B2 - 有機ケイ素化合物の製造方法 - Google Patents
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Description
〈第1の方法〉
ハイドロジェンクロロシラン化合物を用いて脂肪族不飽和有機化合物にヒドロシリル化反応を生じさせた後、アルコールを用いてクロロシリル基をアルコキシシリル基へと変換する方法。
〈第2の方法〉
ハイドロジェンアルコキシシラン化合物を用いて脂肪族不飽和有機化合物にヒドロシリル化反応を生じさせる方法。
請求項1:
アセトニトリル、アクリロニトリル、プロパンニトリル、ブタンニトリル及びベンゾニトリルから選ばれるニトリル化合物及びフェノール、ヒドロキノン、クレゾール及びビスフェノールAから選ばれる芳香族ヒドロキシ化合物の存在下、白金及び/又はその錯体化合物の触媒作用により、
(i)アリルイソシアネート、トリアリルイソシアヌレート、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、1,7−オクタジエン、1,8−ノナジエン、1,9−デカジエン、ジビニルシクロヘキサン、トリビニルシクロヘキサン、ジアリルシクロヘキサン、トリアリルシクロヘキサン、スチレン、アリルベンゼン及びアリルフェノールから選ばれるオレフィン化合物と、
(ii)下記一般式(1)
H−SiR 1 n X 3-n (1)
(式中、R 1 は炭素数1〜10のアルキル基又はアリール基、Xはメトキシ基、エトキシ基又は2−プロペノキシ基、nは0〜2の整数である。)
で表されるハイドロジェンオルガノオキシシラン又は該ハイドロジェンオルガノオキシシランを構成成分の少なくとも1種として得られる加水分解縮合物と
をヒドロシリル化反応させることを特徴とする、上記オレフィン化合物の炭素−炭素不飽和結合に上記(ii)成分のSiH基を付加させた有機ケイ素化合物の製造方法。
請求項2:
上記(ii)成分が、ハイドロジェントリメトキシシラン、ハイドロジェンメチルジメトキシシラン、ハイドロジェンジメチルメトキシシラン、ハイドロジェントリエトキシシラン、ハイドロジェンメチルジエトキシシラン、ハイドロジェンジメチルエトキシシラン、ハイドロジェントリ(2−プロペノキシ)シラン、ハイドロジェンメチルジ(2−プロペノキシ)シラン、ハイドロジェンジメチル(2−プロペノキシ)シラン、これらシランモノマーを加水分解縮合して得られるヒドロシリル基を有するオルガノポリシロキサン及びオルガノシルセスキオキサン、1,3,5,7−テトラメチルテトラシロキサン、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、ペンタメチルジシロキサン、並びに側鎖又は末端にヒドロシリル基を有するケイ素原子数3〜100個のジメチルシリコーンポリマーから選ばれるものである請求項1記載の有機ケイ素化合物の製造方法。
まず、本発明の製造方法における原料について説明する。
(i)炭素−炭素不飽和結合を有するオレフィン化合物
本発明におけるオレフィン化合物としては、ビニル基に代表される炭素−炭素二重結合を有する化合物であれば特に限定されないが、その中でも3級アミン原子を有するオレフィン化合物、下記一般式(2)
CH2=C(R2)−(CH2)m−C(R2)=CH2 (2)
(式中、R2はそれぞれ独立に水素原子又は1価炭化水素基、mは0〜20の整数である。)
で表されるジエン化合物、ビニル基又はアリル基を有する脂肪族環構造及び/又は芳香族環構造を有する化合物等を基質としたヒドロシリル化反応において顕著な有効性が確認される。
本発明におけるハイドロジェンシリル基を有する化合物としては、下記一般式(1)
H−SiR1 nX3-n (1)
(式中、R1は1価炭化水素基、Xはオルガノオキシ基、nは0〜2の整数である。)
で表されるハイドロジェンオルガノオキシシラン、又はこのハイドロジェンオルガノオキシシランを構成成分の少なくとも1種として得られる加水分解縮合物であることが好ましい。R1は炭素数1〜10、特に1〜6の1価炭化水素基であれば特に限定されないが、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、フェニル基等のアリール基などが挙げられ、それらの中でもメチル基が特に好ましい。Xはオルガノオキシ基であれば特に限定されないが、材料入手の容易さからメトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、2−プロペノキシ基等のアルケノキシ基であることが好ましい。このハイドロジェンオルガノオキシシランを構成成分の少なくとも1種として得られる加水分解縮合物は、他の構成成分としてアルコキシシリル基(アルコキシ基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられる。)を有する有機ケイ素化合物を含んでもよく、得られた縮合物は鎖状、分岐状、環状等のポリマー構造も特に限定されない。
本発明におけるヒドロシリル化反応触媒は、公知の技術として知られている白金(Pt)及び/又は白金(Pt)を中心金属とする錯体化合物である。具体的には、塩化白金酸のアルコール溶液、塩化白金酸の1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体並びに該錯体を中和処理した化合物や、中心金属の酸化数がPt(II)やPt(0)の1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体が挙げられる。好ましくは中心金属の酸化数がPt(IV)以外の錯体であることが付加位置選択性の点から望ましく、特にPt(0)、Pt(II)であることが好ましい。
本発明におけるヒドロシリル化反応助剤であるニトリル化合物の例としては、アセトニトリル、アクリロニトリル、プロパンニトリル、ブタンニトリル、ベンゾニトリル等が挙げられ、これらは試薬として市販されており、入手の容易さと助剤効果の点からアセトニトリルが好ましい。
本発明におけるヒドロシリル化反応助剤である芳香族ヒドロキシ化合物は、上記ニトリル化合物と共に用いられるものであり、その例としては、フェノール、ヒドロキノン、クレゾール、ビスフェノールA等が挙げられ、これらは試薬として市販されており、入手の容易さと助剤効果の点からフェノールが好ましい。
なお、下記例中、反応生成物の組成分析は熱伝導率型検出器を備えたガスクロマトグラフィーを使用し、NMR分析により同定された標準化合物との比較で行った。
ヒドロシリル化の反応率はハイドロジェンシリル基を含有する化合物の仕込み量に対する反応に消費された量の割合をガスクロマトグラフィーにより計算した値である。
また、使用した白金錯体はジビニルシロキサンの0価白金錯体のトルエン溶液である。 例中の付加異性体とはオレフィンの末端炭素以外の炭素がシリル付加された化合物を指す。
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた500mlセパラブルフラスコに、トリアリルイソシアヌレート24.9部(0.1モル)、アセトニトリル2.95部(0.072モル)、フェノール0.19部(0.002モル)、白金錯体のトルエン溶液を、滴下するトリメトキシシラン1モルに対して白金錯体が0.00005モルに相当する量を納め、撹拌混合した。その後、加熱して内温60℃となったところでトリメトキシシラン36.7部(0.3モル)を1時間かけて滴下した。滴下と同時に反応が起こり、発熱が生じ、反応液温度が60℃から徐々に上昇したため、加熱を停止し、反応液温度が80℃を超えないように調整しながら滴下を継続した。滴下終了後、内温70℃となるように加熱をしながら反応液を1時間熟成した後に、内容物をガスクロマトグラフィーにより分析した。反応率及び付加異性体の生成率を表1に示した。
実施例1における使用原料のトリメトキシシランをトリエトキシシランに変更した以外は同様にして反応を行った。反応率及び付加異性体の生成率を表1に示した。
実施例1における使用原料のトリメトキシシランをペンタメチルジシロキサンに変更した以外は同様にして反応を行った。反応率及び付加異性体の生成率を表1に示した。
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた500mlセパラブルフラスコに、1,5−ヘキサジエン82.0部(1モル)、アセトニトリル19.7部(0.48モル)、フェノール1.22部(0.013モル)、白金錯体のトルエン溶液を、滴下するトリメトキシシラン1モルに対して白金錯体が0.00005モルに相当する量を納め、撹拌混合した。その後、加熱して内温60℃となったところでトリメトキシシラン244.4部(2モル)を1時間かけて滴下した。滴下と同時に反応が起こり、発熱が生じ、反応液温度が60℃から徐々に上昇したため、加熱を停止し、反応液温度が70℃を超えないように調整しながら滴下を継続した。滴下終了後、内温70℃となるように加熱をしながら反応液を1時間熟成した後に、内容物をガスクロマトグラフィーにより分析した。反応率及び付加異性体の生成率を表2に示した。
実施例4における使用原料のトリメトキシシランをトリエトキシシランに変更した以外は同様にして反応を行った。反応率及び付加異性体の生成率を表2に示した。
実施例4における使用原料のトリメトキシシランをペンタメチルジシロキサンに変更した以外は同様にして反応を行った。反応率及び付加異性体の生成率を表2に示した。
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート及び温度計を備えた500mlセパラブルフラスコに、スチレン104.0部(1モル)、アセトニトリル19.7部(0.48モル)、フェノール1.22部(0.013モル)、白金錯体のトルエン溶液を、滴下するトリメトキシシラン1モルに対して白金錯体が0.00005モルに相当する量を納め、撹拌混合した。その後、加熱して内温60℃となったところでトリメトキシシラン122.2部(1モル)を1時間かけて滴下した。滴下と同時に反応が起こり、発熱が生じ、反応液温度が60℃から徐々に上昇したため、加熱を停止し、反応液温度が70℃を超えないように調整しながら滴下を継続した。滴下終了後、内温70℃となるように加熱をしながら反応液を1時間熟成した後に、内容物をガスクロマトグラフィーにより分析した。反応率及び付加異性体の生成率を表3に示した。
実施例7における使用原料のトリメトキシシランをトリエトキシシランに変更した以外は同様にして反応を行った。反応率及び付加異性体の生成率を表3に示した。
実施例7における使用原料のトリメトキシシランをペンタメチルジシロキサンに変更した以外は同様にして反応を行った。反応率及び付加異性体の生成率を表3に示した。
実施例1におけるアセトニトリル及びフェノールを使用しなかったこと以外は同様にして反応を行った。反応率及び付加異性体の生成率を表1に示した。
実施例1におけるアセトニトリル及びフェノールの代わりに酢酸を使用したこと以外は同様にして反応を行った。反応率及び付加異性体の生成率を表1に示した。
実施例4におけるアセトニトリル及びフェノールを使用しなかったこと以外は同様にして反応を行った。反応率及び付加異性体の生成率を表2に示した。
実施例4におけるアセトニトリル及びフェノールの代わりに酢酸を使用したこと以外は同様にして反応を行った。反応率及び付加異性体の生成率を表2に示した。
実施例7におけるアセトニトリル及びフェノールを使用しなかったこと以外は同様にして反応を行った。反応率及び付加異性体の生成率を表3に示した。
実施例7におけるアセトニトリル及びフェノールの代わりに酢酸を使用したこと以外は同様にして反応を行った。反応率及び付加異性体の生成率を表3に示した。
Claims (2)
- アセトニトリル、アクリロニトリル、プロパンニトリル、ブタンニトリル及びベンゾニトリルから選ばれるニトリル化合物及びフェノール、ヒドロキノン、クレゾール及びビスフェノールAから選ばれる芳香族ヒドロキシ化合物の存在下、白金及び/又はその錯体化合物の触媒作用により、
(i)アリルイソシアネート、トリアリルイソシアヌレート、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、1,7−オクタジエン、1,8−ノナジエン、1,9−デカジエン、ジビニルシクロヘキサン、トリビニルシクロヘキサン、ジアリルシクロヘキサン、トリアリルシクロヘキサン、スチレン、アリルベンゼン及びアリルフェノールから選ばれるオレフィン化合物と、
(ii)下記一般式(1)
H−SiR 1 n X 3-n (1)
(式中、R 1 は炭素数1〜10のアルキル基又はアリール基、Xはメトキシ基、エトキシ基又は2−プロペノキシ基、nは0〜2の整数である。)
で表されるハイドロジェンオルガノオキシシラン又は該ハイドロジェンオルガノオキシシランを構成成分の少なくとも1種として得られる加水分解縮合物と
をヒドロシリル化反応させることを特徴とする、上記オレフィン化合物の炭素−炭素不飽和結合に上記(ii)成分のSiH基を付加させた有機ケイ素化合物の製造方法。 - 上記(ii)成分が、ハイドロジェントリメトキシシラン、ハイドロジェンメチルジメトキシシラン、ハイドロジェンジメチルメトキシシラン、ハイドロジェントリエトキシシラン、ハイドロジェンメチルジエトキシシラン、ハイドロジェンジメチルエトキシシラン、ハイドロジェントリ(2−プロペノキシ)シラン、ハイドロジェンメチルジ(2−プロペノキシ)シラン、ハイドロジェンジメチル(2−プロペノキシ)シラン、これらシランモノマーを加水分解縮合して得られるヒドロシリル基を有するオルガノポリシロキサン及びオルガノシルセスキオキサン、1,3,5,7−テトラメチルテトラシロキサン、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、ペンタメチルジシロキサン、並びに側鎖又は末端にヒドロシリル基を有するケイ素原子数3〜100個のジメチルシリコーンポリマーから選ばれるものである請求項1記載の有機ケイ素化合物の製造方法。
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