JP4296416B2 - シリルケテンアセタール及びジシリルケテンアセタールの製造方法 - Google Patents

シリルケテンアセタール及びジシリルケテンアセタールの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、グループ移動重合の開始剤として、また医薬及び農薬等多様な有機化合物の合成中間体として有用な、シリルケテンアセタール及びジシリルケテンアセタールの製造方法に関する。
シリルケテンアセタールはPetrovらによって初めて合成が報告された化合物である(非特許文献1:J.Gen.Chem.(USSR)1959年29巻2896〜2899ページ参照)。その用途の一例として、Websterらによって開発された「グループ移動重合」として知られるアクリル酸エステル類の重合において、重合開始剤として利用されることが知られている(特許文献1:米国特許第4417034号明細書、特許文献2:米国特許第4508880号明細書参照)。更に、求核性試薬としてカルボン酸誘導体の合成に利用される等(例えば、特許文献3:特開2001−247514号公報参照)、工業的にきわめて有用な化合物である。
ジシリルケテンアセタールは、化学構造の見地からはシリルケテンアセタールの一種と見なすことができる。故に、その製造方法の多くはシリルケテンアセタールの製造方法に順ずる。
シリルケテンアセタールの製造方法として、これまで主に4つの方法が知られている。即ち、(1)α位に水素原子を有するカルボン酸エステルと、塩基及びシリル化剤を反応させる方法、(2)α位がハロゲン原子で置換されたカルボン酸エステルにナトリウムや亜鉛等の金属を作用させた後、クロロトリメチルシラン等のシリル化剤を反応させる方法、(3)マロン酸エステルとクロロトリメチルシラン等のシリル化剤を金属ナトリウム存在下に反応させる方法、(4)α,β−不飽和カルボン酸エステルに遷移金属触媒存在下でヒドロシラン類やヒドロシロキサン類を反応させる方法である。
(1)の方法においては、塩基/シリル化剤の組み合わせとして、リチウムジイソプロピルアミド/クロロトリメチルシラン(例えば、特許文献4:特開平9−221444号公報参照)、トリエチルアミン/トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(例えば、特許文献5:米国特許第4482729号明細書参照)等が代表的である。いずれも室温以下の低温で反応が進行するが、1当量以上の塩基を用いる必要があるため多量の塩が生成する。このことは特に大スケールの反応を行う際に障害となりうる。また、後者の組み合わせでは、目的のシリルケテンアセタールの他にα位の炭素がシリル化された副生成物が生成するため、基質によって収率が低い場合がある。
(2)の方法(例えば、特許文献6:特開平2−111780号公報参照)及び(3)の方法(例えば、特許文献7:特開昭64−85982号公報参照)では、少なくとも1当量以上のナトリウム等の金属を用いるため多量の金属塩が生成し、シリルケテンアセタールを単離するためにはこれを除去する必要がある。また、通常これらの金属は過剰量用いられるため、生成した金属塩には活性化された状態の金属が混在しており、取り扱いに特別の注意を払わねばならない。そのためこれらの方法の大スケールでの実施は容易ではない。
(4)のヒドロシリル化による方法は、(1)〜(3)の方法と異なり、付加反応を利用する。そのため、上述の塩のような廃棄物が生成しないという利点があり好ましい。この方法には、遷移金属化合物が触媒として用いられることが知られている。例えば、上述のPetrovらの文献では白金化合物を触媒として使用している。なかでもロジウム触媒が効果的であり、例えばChem.Pharm.Bull.1974年22巻2767〜2769ページ(非特許文献2)や特開昭63−290887号公報(特許文献8)においてはクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウムが、特開昭62−87594号公報(特許文献9)では三塩化ロジウム三水和物が用いられている。また、米国特許第5208358号明細書(特許文献10)では、クロロビス(ジ−tert−ブチルスルフィド)ロジウムを用いて、より少ない触媒量でシリルケテンアセタールを得ることに成功している。しかし、特開昭62−87594号公報(特許文献9)に記載されているように、遷移金属触媒でヒドロシリル化反応を行う場合には、目的のシリルケテンアセタール以外に、目的物と沸点が近く、蒸留による分離が難しいカルボニル付加物やβ付加物が生成し、高純度のシリルケテンアセタールを得ることは困難であった。特開昭62−87594号公報(特許文献9)では、三塩化ロジウム三水和物を触媒とし、ヒドロシランを過剰量用いてカルボニル付加物を高沸点化合物に変換することによって高純度(95%以上)のシリルケテンアセタールを得ている。しかし、この方法では、ヒドロシランを基準とした収率が低下し、また目的物を蒸留単離する場合に釜残が増加して蒸留収率が低下するため、高収率でシリルケテンアセタールを得ることは難しかった。
このように、α,β−不飽和カルボン酸エステルのヒドロシリル化によるシリルケテンアセタールの製造方法は、本質的に塩等の副生成物がなく優れているものの、従来の遷移金属触媒では、種々のヒドロシリル化様式によって複数の化合物が生成し、選択性が低い。そのため、より選択性よく、高収率で高純度のシリルケテンアセタールを製造する方法が望まれていた。
ジシリルケテンアセタールの製造には、原則として上記のいずれの方法を適用することも可能であるが、ジシリルケテンアセタール製造の場合に原料となるカルボン酸シリルエステルは一般的に市販されていない場合が多い。従って、まずカルボン酸のシリル化等によってカルボン酸シリルエステルを得る工程が必要になるため、製造コストが高くなることがさらなる問題である。
上記以外のジシリルケテンアセタールの製造法として、α,β−不飽和カルボン酸アリルエステルとヒドロシランの反応をロジウム触媒存在下に行う方法が提案されている(特許文献11:特開昭64−71886号公報)。この方法によれば、工業的に入手可能なメタクリル酸アリル等のα,β−不飽和カルボン酸アリルエステルを原料として一段階でジシリルケテンアセタールを得ることができる。ところが、この方法で得られた反応混合物中には典型的な副生成物であるカルボニル付加物が存在しないと記載されているものの、その他の副生成物が多量生成するために目的物の収率や純度は満足できるものではなかった。
このように、既存のジシリルケテンアセタールの製造方法は、副生成物が多いことや目的物の高純度化が困難であるなどの問題点があった。そのため、より高収率で高純度のジシリルケテンアセタールを副生成物なく製造する方法が望まれていた。
米国特許第4417034号明細書 米国特許第4508880号明細書 特開2001−247514号公報 特開平9−221444号公報 米国特許第4482729号明細書 特開平2−111780号公報 特開昭64−85982号公報 特開昭63−290887号公報 特開昭62−87594号公報 米国特許第5208358号明細書 特開昭64−71886号公報 J.Gen.Chem.(USSR)1959年29巻2896〜2899ページ Chem.Pharm.Bull.1974年22巻2767〜2769ページ
本発明は、上記要望に応えるためになされたもので、塩等の副生成物がなく、しかも高収率で高純度のシリルケテンアセタール及びジシリルケテンアセタールを製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、α,β−不飽和カルボン酸エステルを、触媒量のトリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン存在下でヒドロシランやヒドロシロキサンと反応させることにより、α,β−不飽和カルボン酸エステルとヒドロシラン又はヒドロシロキサンとの使用割合に応じて高純度かつ高収率でシリルケテンアセタール又はジシリルケテンアセタールを製造する方法を見い出した。
即ち、本発明は下記シリルケテンアセタール及びジシリルケテンアセタールの製造方法を提供する。
請求項1:
下記一般式(1)で表されるα,β−不飽和カルボン酸エステルと、下記一般式(2)で表されるヒドロシラン又はヒドロシロキサンとを触媒量のトリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン存在下に反応させることを特徴とする、下記一般式(3)で表されるシリルケテンアセタールの製造方法。
Figure 0004296416
(式中、R1、R2、R3はそれぞれ独立に水素原子又は置換もしくは非置換の炭素数1〜60の一価炭化水素基を表す。あるいは、R1とR2又はR1とR3は互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に炭素数3〜20の環を形成してもよい。R4は置換もしくは非置換の炭素数1〜40の一価炭化水素基、又は置換もしくは非置換の炭素数60以下のSi−H結合を含まないシリル基を表す。)
Figure 0004296416
(式中、Ra、Rb、Rcはそれぞれ独立に置換もしくは非置換の炭素数1〜20の一価炭化水素基、炭素数1〜20のオルガノキシ基、ケイ素数1〜1,000のオルガノ(ポリ)シロキシ基、及びハロゲン原子から選ばれる基を表す。あるいは、RaとRb、RaとRc又はRbとRcは互いに結合してこれらが結合するケイ素原子と共に、ケイ素数3〜50のシロキサン環を形成するか又は炭素数1〜20のケイ素含有環を形成してもよい。また、Ra、Rb、Rcは互いに結合してこれらが結合するケイ素原子と共にケイ素数6〜50のかご状シロキサンを形成してもよい。)
Figure 0004296416
(式中、R1、R2、R3、R4、Ra、Rb、Rcはそれぞれ式(1)及び(2)で定義された基を表す。)
請求項2:
式(2)で表されるヒドロシラン又はヒドロシロキサンと触媒量のトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランの混合物を含む反応器に、式(1)で表されるα,β−不飽和カルボン酸エステルを添加することを特徴とする、請求項1に記載のシリルケテンアセタールの製造方法。
請求項3:
触媒量のトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランを含む反応器に、式(1)で表されるα,β−不飽和カルボン酸エステルと、式(2)で表されるヒドロシラン又はヒドロシロキサンを、式(1)の化合物1モルに対して式(2)の化合物のSi−H結合のモル比を0.9〜1.1に調節しながら添加することを特徴とする、請求項1に記載のシリルケテンアセタールの製造方法。
請求項4:
下記一般式(4)で表されるα,β−不飽和カルボン酸エステルと、下記一般式(2)で表されるヒドロシラン又はヒドロシロキサンとを触媒量のトリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン存在下に反応させることを特徴とする、下記一般式(5)で表されるジシリルケテンアセタールの製造方法。
Figure 0004296416
(式中、R5、R6、R7はそれぞれ独立に水素原子又は置換もしくは非置換の炭素数1〜60の一価炭化水素基を表す。あるいは、R5とR6又はR5とR7は互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に炭素数3〜20の環を形成してもよい。R8は置換もしくは非置換の炭素数1〜40の一価炭化水素基を表す。)
Figure 0004296416
(式中、Ra、Rb、Rcはそれぞれ独立に置換もしくは非置換の炭素数1〜20の一価炭化水素基、炭素数1〜20のオルガノキシ基、ケイ素数1〜1,000のオルガノ(ポリ)シロキシ基、及びハロゲン原子から選ばれる基を表す。あるいは、RaとRb、RaとRc又はRbとRcは互いに結合してこれらが結合するケイ素原子と共に、ケイ素数3〜50のシロキサン環を形成するか又は炭素数1〜20のケイ素含有環を形成してもよい。また、Ra、Rb、Rcは互いに結合してこれらが結合するケイ素原子と共にケイ素数6〜50のかご状シロキサンを形成してもよい。)
Figure 0004296416
(式中、R5、R6、R7、Ra、Rb、Rcはそれぞれ式(4)及び(2)で定義された基を表す。)
請求項5:
式(2)で表されるヒドロシラン又はヒドロシロキサンと触媒量のトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランの混合物を含む反応器に、式(2)の化合物のSi−H結合1モルに対して0.5モル以下の式(4)で表されるα,β−不飽和カルボン酸エステルを添加することを特徴とする、請求項4に記載のジシリルケテンアセタールの製造方法。
請求項6:
下記一般式(6)で表されるシリルケテンアセタールと下記一般式(2)で表されるヒドロシラン又はヒドロシロキサンとを触媒量のトリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン存在下に反応させることを特徴とする、下記一般式(7)で表されるジシリルケテンアセタールの製造方法。
Figure 0004296416
(式中、R9、R10はそれぞれ独立に水素原子又は置換もしくは非置換の炭素数1〜60の一価炭化水素基を表す。あるいは、R9とR10は互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に炭素数3〜20の環を形成してもよい。R11は置換もしくは非置換の炭素数1〜40の一価炭化水素基を表す。Rd、Re、Rfはそれぞれ独立に置換もしくは非置換の炭素数1〜20の一価炭化水素基、炭素数1〜20のオルガノキシ基、ケイ素数1〜1,000のオルガノ(ポリ)シロキシ基、及びハロゲン原子から選ばれる基を表す。あるいは、RdとRe、RdとRf又はReとRfは互いに結合してこれらが結合するケイ素原子と共に、ケイ素数3〜50のシロキサン環を形成するか又は炭素数1〜20のケイ素含有環を形成してもよい。また、Rd、Re、Rfは互いに結合してこれらが結合するケイ素原子と共にケイ素数6〜50のかご状シロキサンを形成してもよい。)
Figure 0004296416
(式中、Ra、Rb、Rcはそれぞれ独立に置換もしくは非置換の炭素数1〜20の一価炭化水素基、炭素数1〜20のオルガノキシ基、ケイ素数1〜1,000のオルガノ(ポリ)シロキシ基、及びハロゲン原子から選ばれる基を表す。あるいは、RaとRb、RaとRc又はRbとRcは互いに結合してこれらが結合するケイ素原子と共に、ケイ素数3〜50のシロキサン環を形成するか又は炭素数1〜20のケイ素含有環を形成してもよい。また、Ra、Rb、Rcは互いに結合してこれらが結合するケイ素原子と共にケイ素数6〜50のかご状シロキサンを形成してもよい。)
Figure 0004296416
(式中、R9、R10、Ra、Rb、Rc、Rd、Re、Rfはそれぞれ式(2)及び(6)で定義された基を表す。)
本発明により、塩等の副生成物がなく、高純度のシリルケテンアセタール及びジシリルケテンアセタールを高収率で製造する方法を提供することができる。得られるシリルケテンアセタールは、高分子合成や有機合成のために極めて有用な化合物である。また、本発明の方法では工業的スケールで入手できる原料を用いて、高分子合成や有機合成の分野で工業的に有用なジシリルケテンアセタールを一段階で得ることができる。
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明のシリルケテンアセタールの製造方法において、出発原料として用いるα,β−不飽和カルボン酸エステルは下記一般式(1)で表される。
Figure 0004296416
上記一般式(1)において、R1、R2、R3はそれぞれ独立に水素原子又は置換もしくは非置換の炭素数1〜60、好ましくは1〜20の一価炭化水素基を示す。この場合、非置換の一価炭化水素基としては炭素数1〜20のものが好ましく、また、非置換一価炭化水素基の炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部を置換する置換一価炭化水素基の置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1〜20、好ましくは1〜10のアルコキシ基、アルケニロキシ基、アリーロキシ基等のオルガノキシ基、炭素数60以下のSi−H結合を含まないシリル基、ケイ素数1〜1,000、好ましくは1〜50、特に1〜10のオルガノ(ポリ)シロキシ基等が好適である。
1、R2、R3で表される基として具体的には、メチル基、クロロメチル基、ブロモブチル基、ヨードメチル基、トリフルオロメチル基、トリメチルシリルメチル基、トリス(トリメチルシロキシ)シリルメチル基、トリス(トリメチルシロキシ)シロキシメチル基、エチル基、2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基、2−トリメチルシロキシエチル基、2−トリエチルシロキシエチル基、n−プロピル基、3−(トリメトキシシリル)プロピル基、3−(トリエトキシシシル)プロピル基、3−トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル基、3−(3,5,7,9,11,13,15−ヘプタシクロペンチルシクロ[9.5.1.13,9.15,15.17,13]オクタシロキサン−1−イル)プロピル基、(3,5,7,9,11,13,15−ヘプタシクロペンチルペンタシクロ[9.5.1.13,9.15,15.17,13]オクタシロキサン−1−イルオキシジメチルシリル)メチル基、3−(3,5,7,9,11,13,15−ヘプタイソブチルペンタシクロ[9.5.1.13,9.15,15.17,13]オクタシロキサン−1−イル)プロピル基、3−(ペンタメチルジシロキサニルオキシ)プロピル基、3−(ω−ブチルポリジメチルシロキサン−1−イルオキシ)プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ステアリル基等の直鎖状、分岐鎖状、環状の置換もしくは非置換のアルキル基、ビニル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基、デセニル基、ウンデセニル基等の直鎖状、分岐鎖状、環状の置換もしくは非置換のアルケニル基、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基等の直鎖状、分岐鎖状、環状の置換もしくは非置換のアルキニル基、フェニル基、4−フルオロフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、2−トリル基、3−トリル基、4−トリル基、2,6−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基等の置換もしくは非置換のアリール基、ベンジル基、2−クロロベンジル基、4−ブロモベンジル基、4−メトキシベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等の置換もしくは非置換のアラルキル基等が挙げられる。
上記式(1)において、R1とR2又はR1とR3は互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に炭素数3〜20、特に5〜12の環を形成してもよい。このような環としては、シクロペンテン環、シクロヘキセン環、シクロヘプテン環、シクロオクテン環、シクロオクタジエン環、ノルボルネン環、インデン環等が挙げられる。
また、上記式(1)において、R4は置換もしくは非置換の炭素数1〜40、好ましくは1〜20の一価炭化水素基、又は、置換もしくは非置換の炭素数60以下のSi−H結合を含まないシリル基を示す。この場合、非置換の一価炭化水素基としては炭素数1〜20のものが好ましく、非置換のSi−H結合を含まないシリル基としては特に炭素数40以下のものが好ましい。また、非置換一価炭化水素基、非置換オルガノシリル基の炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部を置換する置換一価炭化水素基や置換オルガノシリル基の置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1〜20、好ましくは1〜10のアルコキシ基、アルケニロキシ基、アリーロキシ基等のオルガノキシ基、炭素数60以下のSi−H結合を含まないシリル基、ケイ素数1〜1,000、好ましくは1〜200のオルガノ(ポリ)シロキシ基等が好適である。R4の例としては上記のR1、R2、R3と同様の基に加えて、トリメチルシリル基、クロロメチルジメチルシリル基、(トリメチルシリルメチル)ジメチルシリル基、エチルジメチルシリル基、3−クロロプロピルジメチルシリル基、3,3,3−トリフルオロプロピルジメチルシリル基、ジエチルメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリプロピルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリブチルシリル基、トリイソブチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、シクロペンチルジメチルシリル基、ヘキシルジメチルシリル基、シクロヘキシルジメチルシリル基、テキシルジメチルシリル基、テキシルジイソプロピルシリル基、デシルジメチルシリル基、オクタデシルジメチルシリル基、ベンジルジメチルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、メチルジフェニルシリル基、トリフェニルシリル基、トリ−p−トリルシリル基、トリ−o−トリルシリル基、メトキシジメチルシリル基、ジメトキシメチルシリル基、トリメトキシシリル基、エチルジメトキシシリル基、プロピルジメトキシシリル基、エトキシジメチルシリル基、ジエトキシメチルシリル基、トリエトキシシリル基、イソプロポキシジメチルシリル基、sec−ブトキシジメチルシリル基、tert−ブトキシジメチルシリル基、ジメチルフェノキシシリル基、ベンジルオキシジメチルシリル基、クロロジメチルシリル基、ジクロロメチルシリル基、トリクロロシリル基、クロロジエチルシリル基、ジクロロエチルシリル基、クロロジフェニルシリル基、ジクロロフェニルシリル基、ペンタメチルジシロキサニル基、3−クロロプロピル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサニル基、1,1,3,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサニル基、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサニル基、1,3,3,5,5,7,7−ヘプタメチルシクロテトラシロキサン−1−イル基、トリス(トリメチルシロキシ)シリル基、3,5,7,9,11,13,15−ヘプタシクロペンチルペンタシクロ[9.5.1.13,9.15,15.17,13]オクタシロキサン−1−イル基、3,5,7,9,11,13,15−ヘプタシクロペンチルペンタシクロ[9.5.1.13,9.15,15.17,13]オクタシロキサン−1−イルオキシジメチルシリル基、ω−ブチルポリジメチルシロキサン−1−イル基等のオルガノシリル基が挙げられる。
上記式(1)で表されるα,β−不飽和カルボン酸エステルとして具体的には、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸2−メトキシエチル、アクリル酸2−エトキシエチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸1,1,2−トリメチルプロピル、アクリル酸ビニル、アクリル酸アリル、アクリル酸イソプロペニル、アクリル酸1−シクロヘキセニル、アクリル酸10−ウンデセニル、アクリル酸エチニル、アクリル酸トリメチルシリル、アクリル酸トリエチルシリル、アクリル酸トリイソプロピルシリル、アクリル酸tert−ブチルジメチルシリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸2−メトキシエチル、メタクリル酸2−エトキシエチル、メタクリル酸2−トリメチルシロキシエチル、メタクリル酸2−クロロプロピル、メタクリル酸3−トリエチルシリルプロピル、メタクリル酸3−(トリメトキシシリル)プロピル、メタクリル酸3−(トリエトキシシリル)プロピル、メタクリル酸3−トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル、メタクリル酸3−(3,5,7,9,11,13,15−ヘプタシクロペンチルペンタシクロ[9.5.1.13,9.15,15.17,13]オクタシロキサン−1−イル)プロピル、メタクリル酸3−(3,5,7,9,11,13,15−ヘプタイソブチルペンタシクロ[9.5.1.13,9.15,15.17,13]オクタシロキサン−1−イル)プロピル、メタクリル酸3−(3,5,7,9,11,13,15−ヘプタシクロペンチルペンタシクロ[9.5.1.13,9.15,15.17,13]オクタシロキサン−1−イルオキシジメチルシリル)メチル、メタクリル酸3−(3,5,7,9,11,13,15−ヘプタシクロペンチルペンタシクロ[9.5.1.13,9.15,15.17,13]オクタシロキサン−1−イルオキシジメチルシリル)プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸1,1,2−トリメチルプロピル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸オクタデシル、メタクリル酸ビニル、メタクリル酸アリル、メタクリル酸イソプロペニル、メタクリル酸1−シクロヘキセニル、メタクリル酸10−ウンデセニル、メタクリル酸エチニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸トリメチルシリル、メタクリル酸(3−クロロプロピルジメチルシリル)、メタクリル酸(ジメチル−3,3,3−トリフルオロプロピルシリル)、メタクリル酸トリエチルシリル、メタクリル酸トリイソプロピルシリル、メタクリル酸tert−ブチルジメチルシリル、メタクリル酸(1,1,3,3,3−ペンタメチルジシロキサン−1−イル)、メタクリル酸(1,3,3,5,5,7,7−ヘプタメチルシクロテトラシロキサン−1−イル)、メタクリル酸(3,5,7,9,11,13,15−ヘプタシクロペンチルペンタシクロ[9.5.1.13,9.15,15.17,13]オクタシロキサン−1−イル)、メタクリル酸(3,5,7,9,11,13,15−ヘプタイソブチルペンタシクロ[9.5.1.13,9.15,15.17,13]オクタシロキサン−1−イル)、メタクリル酸(3,5,7,9,11,13,15−ヘプタシクロペンチルペンタシクロ[9.5.1.13,9.15,15.17,13]オクタシロキサン−1−イルオキシジメチルシリル)、クロトン酸メチル、桂皮酸メチル、4−クロロ桂皮酸エチル、4−メトキシ桂皮酸メチル、1−シクロヘキセンカルボン酸メチル、シクロヘキシリデン酢酸メチル、1,1,3,3,3−ペンタメチル−1−[3−メタクリロイロキシ]プロピル]ジシロキサン、α−[3−(メタクリロイロキシ)プロピル]−ω−ブチル−ポリジメチルシロキサン等が挙げられる。
本発明のシリルケテンアセタールの製造方法では、上記式(1)のα,β−不飽和カルボン酸エステルと下記一般式(2)で表されるヒドロシランやヒドロシロキサンを反応させる。
Figure 0004296416
上記一般式(2)において、Ra、Rb、Rcはそれぞれ独立に置換もしくは非置換の炭素数1〜20、好ましくは1〜10の一価炭化水素基、炭素数1〜20、好ましくは1〜10のオルガノキシ基、ケイ素数1〜1,000のオルガノ(ポリ)シロキシ基及びハロゲン原子から選ばれる基を表す。
a、Rb、Rcで表される基の具体例として、例えばメチル基、クロロメチル基、トリフルオロメチル基、エチル基、プロピル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ステアリル基等の直鎖状、分岐鎖状、環状の置換もしくは非置換のアルキル基、フェニル基、4−フルオロフェニル基、4−クロロフェニル基、4−ブロモフェニル基、4−ヨードフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ビフェニリル基等の置換もしくは非置換のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等の置換もしくは非置換のアラルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、イソブトキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ノルボルニルオキシ基等の置換もしくは非置換のアルコキシ基、フェノキシ基、3−クロロフェノキシ基、ナフチルオキシ基等の置換もしくは非置換のアリールオキシ基、ベンジルオキシ基、2−クロロベンジルオキシ基、3−クロロベンジルオキシ基、4−クロロベンジルオキシ基、ナフチルエチルオキシ基等の置換もしくは非置換のアラルキルオキシ基、ジメチルシロキシ基、ジエチルシロキシ基、ジフェニルシロキシ基、トリメチルシロキシ基、クロロメチルジメチルシロキシ基、トリエチルシロキシ基、フェニルジメチルシロキシ基、ジフェニルメチルシロキシ基、1,1,3,3,3−ペンタメチルジシロキサニロキシ基、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサニロキシ基、ビス(トリメチルシロキシ)シロキシ基、メチルビス(トリメチルシロキシ)シロキシ基、トリス(トリメチルシロキシ)シロキシ基、1,3,3,5,5−ペンタメチルシクロトリシロキサン−1−イルオキシ基、1,3,5−トリメチル−3,5−ビス(3,3,3−トリフルオロプロピル)シクロトリシロキサン−1−イルオキシ基、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン−1−イルオキシ基、ω−メチルポリジメチルシロキサニロキシ基、ω−ヒドロポリジメチルシロキサニロキシ基、ポリヒドロメチルシロキサニロキシ基等の直鎖状、分岐鎖状、環状の置換もしくは非置換のオルガノ(ポリ)シロキシ基等が挙げられる。
aとRb、RaとRc又はRbとRcは互いに結合してこれらが結合するケイ素原子と共に、ケイ素数3〜50、特に3〜20のシロキサン環又は炭素数1〜20のケイ素含有環を形成してもよい。また、Ra、Rb、Rcは互いに結合してこれらが結合するケイ素原子と共にケイ素数6〜50、特に6〜20のかご状シロキサンを形成してもよい。かご状シロキサン環の具体例としては、下記のものを挙げることができるが、これに制限されるものではない。
Figure 0004296416
上記式(2)で表される化合物の例として、例えばトリメチルシラン、クロロメチルジメチルシラン、(トリメチルシリルメチル)ジメチルシラン、エチルジメチルシラン、3−クロロプロピルジメチルシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルジメチルシラン、ジエチルメチルシラン、トリエチルシラン、トリプロピルシラン、トリイソプロピルシラン、トリブチルシラン、トリイソブチルシラン、tert−ブチルジメチルシラン、シクロペンチルジメチルシラン、ヘキシルジメチルシラン、シクロヘキシルジメチルシラン、テキシルジメチルシラン、テキシルジイソプロピルシラン、デシルジメチルシラン、オクタデシルジメチルシラン、ベンジルジメチルシラン、ジメチルフェニルシラン、メチルジフェニルシラン、トリフェニルシラン、トリ−p−トリルシラン、トリ−o−トリルシラン、1,4−ビス(ジメチルシリル)ベンゼン、メトキシジメチルシラン、ジメトキシメチルシラン、トリメトキシシラン、エチルジメトキシシラン、プロピルジメトキシシラン、エトキシジメチルシラン、ジエトキシメチルシラン、トリエトキシシラン、イソプロポキシジメチルシラン、sec−ブトキシジメチルシラン、tert−ブトキシジメチルシラン、ジメチルフェノキシシラン、ベンジルオキシジメチルシラン、クロロジメチルシラン、ジクロロメチルシラン、トリクロロシラン、クロロジエチルシラン、ジクロロエチルシラン、クロロジフェニルシラン、ジクロロフェニルシラン等のオルガノヒドロシラン類、ペンタメチルジシロキサン、3−クロロプロピル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,1,3,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサン、1,3−ジメチル−1,3−ジフェニルジシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン、1,1,1,3,5,7,7,7−オクタメチルテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、トリス(トリメチルシロキシ)シラン、1−ヒドリド−3,5,7,9,11,13,15−ヘプタシクロペンチルペンタシクロ[9.5.1.13,9.15,15.17,13]オクタシロキサン、1−(ヒドリドジメチルシロキシ)−3,5,7,9,11,13,15−ヘプタシクロペンチルペンタシクロ[9.5.1.13,9.15,15.17,13]オクタシロキサン、1,3,5,7,9,11,13,15−オクタキス(ジメチルシロキシ)ペンタシクロ[9.5.1.13,9.15,15.17,13]オクタシロキサン、α−ヒドロ−ω−メチルポリジメチルシロキサン、α,ω−ジヒドロポリジメチルシロキサン、ポリメチルヒドロシロキサン等の直鎖状、分岐状、環状、かご状のオルガノヒドロシロキサン類等が挙げられる。
上記式(2)の化合物の使用量は、上記式(1)の化合物1モルに対し、上記式(2)の化合物に含有されるSi−H結合のモル数が0.9〜1.1モルとなるような比率で反応させるのが好ましい。どちらかの化合物を大過剰使用すると、その化合物に対する収率が低下する上、副反応の割合が増加し、更に収率が低下することがある。
本発明のシリルケテンアセタールの製造方法においては、上記式(1)の化合物と上記式(2)の化合物とを、触媒量のトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランの存在下で反応させる。トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランの使用量は反応基質によって異なるが、上記式(1)の化合物に対して通常0.00001〜10モル%であり、好ましくは0.0001〜1モル%である。
反応は常圧下、窒素等の不活性ガス雰囲気下で行うのが一般的であるが、必ずしもこれに限定されない。反応温度は通常−100〜100℃、好ましくは−20〜60℃であるが、シリルケテンアセタールの製造において、上記式(1)の化合物においてR4が1級又は2級のsp3炭素を介して酸素原子に結合している場合、上記式(2)で表されるヒドロシラン又はヒドロシロキサンと触媒量のトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランの混合物を含む反応器に、上記式(1)で表されるα,β−不飽和カルボン酸エステルを添加する方法では、反応温度を−100〜−20℃の範囲で行うことが好ましい。一方、触媒量のトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランを含む反応器に、上記式(1)で表されるα,β−不飽和カルボン酸エステルと、上記式(2)で表されるヒドロシラン又はヒドロシロキサンを、上記式(1)の化合物に対して上記式(2)の化合物のSi−H結合のモル比を0.9〜1.1に調節しながら添加する方法では、反応温度を−50〜30℃の範囲で行うことが好ましい。
基質と触媒の混合方式は任意であるが、注意すべきことは、上記式(1)のα,β−不飽和カルボン酸エステルが一般に重合性を有することである。反応条件をコントロールし、重合の可能性を低減するためには、触媒と上記式(2)の化合物を含む反応器に上記式(1)の化合物をフィードするか、又は触媒を含む反応器に上記式(1)と上記式(2)の化合物両方をフィードしながら反応を進行させる方法が好ましい。後者の場合には、上記式(1)の化合物に対して上記式(2)の化合物のSi−H結合のモル比を0.9〜1.1に調節しながらフィードすることが好ましい。
反応溶媒は必ずしも必要でなく、特に反応基質(1)と(2)が両方液体であれば無溶媒で反応を行うことができるが、溶媒を使用して反応を行ってもよい。この場合、ヘキサン、イソオクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒や、ジクロロメタン、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒を用いることができる。
反応の際に重合禁止剤を添加することは任意である。重合禁止剤を用いる場合には、例えば2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼンのようなヒンダードフェノール系が好ましい。
以上に述べた本発明の方法により、下記一般式(3)で表されるシリルケテンアセタールが得られる。
Figure 0004296416
上記一般式(3)中のR1、R2、R3、R4及びRa、Rb、Rcは上記した定義通りである。
本発明のジシリルケテンアセタールの製造方法において、出発原料として用いるα,β−不飽和カルボン酸エステルは下記一般式(4)で表される。
Figure 0004296416
上記一般式(4)において、R5、R6、R7はそれぞれ独立に水素原子又は置換もしくは非置換の炭素数1〜60、好ましくは1〜20の一価炭化水素基を示す。この場合、非置換の一価炭化水素基としては炭素数1〜20のものが好ましく、また、非置換一価炭化水素基の炭素原子に結合する水素原子の一部又は全部を置換する置換一価炭化水素基の置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1〜20、好ましくは1〜10のアルコキシ基、アルケニロキシ基、アリーロキシ基等のオルガノキシ基、炭素数60以下のSi−H結合を含まないシリル基、ケイ素数1〜1,000、好ましくは1〜50、特に1〜10のオルガノ(ポリ)シロキシ基等が好適である。
5、R6、R7で表される基の具体例としては、一般式(1)におけるR1、R2、R3と同様の基が挙げられる。
上記一般式(4)において、R5とR6又はR5とR7は互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に炭素数3〜20、特に5〜12の環を形成してもよい。このような環としては、シクロペンテン環、シクロヘキセン環、シクロヘプテン環、シクロオクテン環、シクロオクタジエン環、ノルボルネン環、インデン環等が挙げられる。
上記一般式(4)において、R8は置換もしくは非置換の炭素数1〜40の一価炭化水素基を表す。R8の置換基の例、具体例としては、一般式(1)におけるR1、R2、R3の例として挙げた基などがある。
上記一般式(4)で表されるα,β−不飽和カルボン酸エステルとして具体的には、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸2−メトキシエチル、アクリル酸2−エトキシエチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸1,1,2−トリメチルプロピル、アクリル酸ビニル、アクリル酸アリル、アクリル酸イソプロペニル、アクリル酸1−シクロヘキセニル、アクリル酸10−ウンデセニル、アクリル酸エチニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸2−メトキシエチル、メタクリル酸2−エトキシエチル、メタクリル酸2−トリメチルシロキシエチル、メタクリル酸2−クロロプロピル、メタクリル酸3−トリエチルシリルプロピル、メタクリル酸3−(トリメトキシシリル)プロピル、メタクリル酸3−(トリエトキシシリル)プロピル、メタクリル酸3−トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル、メタクリル酸3−(3,5,7,9,11,13,15−ヘプタシクロペンチルペンタシクロ[9.5.1.13,9.15,15.17,13]オクタシロキサン−1−イル)プロピル、メタクリル酸3−(3,5,7,9,11,13,15−ヘプタイソブチルペンタシクロ[9.5.1.13,9.15,15.17,13]オクタシロキサン−1−イル)プロピル、メタクリル酸3−(3,5,7,9,11,13,15−ヘプタシクロペンチルペンタシクロ[9.5.1.13,9.15,15.17,13]オクタシロキサン−1−イルオキシジメチルシリル)メチル、メタクリル酸3−(3,5,7,9,11,13,15−ヘプタシクロペンチルペンタシクロ[9.5.1.13,9.15,15.17,13]オクタシロキサン−1−イルオキシジメチルシリル)プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸1,1,2−トリメチルプロピル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸オクタデシル、メタクリル酸ビニル、メタクリル酸アリル、メタクリル酸イソプロペニル、メタクリル酸1−シクロヘキセニル、メタクリル酸10−ウンデセニル、メタクリル酸エチニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸フェニル、クロトン酸メチル、桂皮酸メチル、4−クロロ桂皮酸エチル、4−メトキシ桂皮酸メチル、1−シクロヘキセンカルボン酸メチル、シクロヘキシリデン酢酸メチル、1,1,3,3,3−ペンタメチル−1−[3−メタクリロイロキシ]プロピル]ジシロキサン、α−[3−(メタクリロイロキシ)プロピル]−ω−ブチル−ポリジメチルシロキサン等が挙げられる。
本発明のジシリルケテンアセタールの製造方法では、上記式(4)のα,β−不飽和カルボン酸エステルと下記一般式(2)で表されるヒドロシランやヒドロシロキサンを反応させる。
Figure 0004296416
上記一般式(2)中のRa、Rb、Rcは上記した定義通りである。
上記式(4)の化合物と上記式(2)の化合物のモル比は、上記式(2)の化合物に含有されるSi−H結合1モルに対して上記式(4)の化合物が0.5モル以下であることが好ましい。反応の効率を考慮すると、上記式(4)の化合物の使用量を0.45〜0.5モルとするのがより好ましい。
本発明のジシリルケテンアセタールの製造方法においては、上記式(4)の化合物と上記式(2)の化合物とを、触媒量のトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランの存在下で反応させる。トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランの使用量は反応基質によって異なるが、上記式(4)の化合物に対して通常0.00001〜10モル%であり、好ましくは0.001〜1モル%である。
反応は常圧下、窒素等の不活性ガス雰囲気下で行うのが一般的であるが、必ずしもこれに限定されない。反応温度は通常−100〜100℃、好ましくは0〜60℃である。
基質と触媒の混合方式は任意であるが、上記式(1)の化合物の場合と同様に、上記式(4)のα,β−不飽和カルボン酸エステルが一般に重合性を有する。そこで反応条件をコントロールし、重合の可能性を低減するためには、触媒と上記式(2)の化合物を含む反応器に上記式(4)の化合物をフィードする方法が最も好ましい。
反応溶媒は必ずしも必要でなく、特に反応基質(4)と(2)が両方液体であれば無溶媒で反応を行うことができるが、溶媒を使用して反応を行ってもよい。使用可能な溶媒の例として、ヘキサン、イソオクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒や、ジクロロメタン、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒等が挙げられる。
反応の際に重合禁止剤を添加することは任意である。重合禁止剤を用いる場合には、例えば2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)のようなヒンダードフェノール系が好ましい。また、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼンも、後述する実施例6にあるように用いることができる。
以上述べた本発明の方法により、下記一般式(5)で表されるジシリルケテンアセタールが得られる。
Figure 0004296416
上記一般式(5)中のR5、R6、R7及びRa、Rb、Rcは上記した定義通りである。
本発明ではまた、下記一般式(6)で表されるシリルケテンアセタールを出発原料とするジシリルケテンアセタールの製造方法が提供される。
Figure 0004296416
上記一般式(6)において、R9、R10はそれぞれ独立に水素原子又は置換もしくは非置換の炭素数1〜60、好ましくは1〜20の一価炭化水素基を示す。この場合、非置換の一価炭化水素基としては炭素数1〜20のものが好ましく、また、非置換一価炭化水素基の炭素原子に結合する水素原子の一部又は全部を置換する置換一価炭化水素基の置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1〜20、好ましくは1〜10のアルコキシ基、アルケニロキシ基、アリーロキシ基等のオルガノキシ基、炭素数60以下のSi−H結合を含まないシリル基、ケイ素数1〜1,000、好ましくは1〜50、特に1〜10のオルガノ(ポリ)シロキシ基等が好適である。R9、R10で表される基の具体例としては、一般式(1)におけるR1、R2、R3と同様の基が挙げられる。
上記一般式(6)において、R9とR10は互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に炭素数3〜20、特に5〜12の環を形成してもよい。このような環としては、シクロペンテン環、シクロヘキセン環、シクロヘプテン環、シクロオクテン環、シクロオクタジエン環、ノルボルネン環、インデン環等が挙げられる。
上記一般式(6)において、R11は置換もしくは非置換の炭素数1〜40の一価炭化水素基を表す。R11の置換基の例、具体例としては、一般式(1)におけるR1、R2、R3の例として挙げた基などがある。
上記一般式(6)の化合物として具体的には、1−メトキシ−1−トリメチルシロキシエテン、1−エトキシ−1−トリメチルシロキシエテン、1−ブトキシ−1−トリメチルシロキシエテン、1−メトキシ−1−トリエチルシロキシエテン、1−メトキシ−1−トリメチルシロキシプロペン、1−エトキシ−1−トリメチルシロキシプロペン、1−ブトキシ−1−トリメチルシロキシプロペン、1−(2−エチルヘキシロキシ)−1−トリメチルシロキシプロペン、1−メトキシ−1−トリエチルシロキシプロペン、1−メトキシ−1−トリイソブチルシロキシプロペン、1−メトキシ−1−(tert−ブチルジメチルシロキシ)プロペン、1−メトキシ−1−トリイソプロピルシロキシプロペン、1−メトキシ−2−メチル−1−トリメチルシロキシプロペン、1−メトキシ−2−メチル−1−トリエチルシロキシプロペン、1−メトキシ−2−メチル−1−トリイソブチルシロキシプロペン、1−(tert−ブチルジメチルシロキシ)−1−メトキシ−2−メチルプロペン、1−メトキシ−2−メチル−1−トリイソプロピルシロキシプロペン、1−(クロロジメチルシロキシ)−1−メトキシ−2−メチルプロペン、1−(3−クロロプロピルジメチルシロキシ)−1−メトキシ−2−メチルプロペン、1−(エトキシジメチルシロキシ)−1−メトキシ−2−メチルプロペン、1−メトキシ−2−メチル−1−フェニルジメチルシロキシプロペン、1−メトキシ−2−メチル−1−トリフェニルシロキシプロペン、1−メトキシ−2−メチル−1−(tert−ブチルジフェニル)シロキシプロペン、1−メトキシ−2−メチル−1−(ペンタメチルジシロキサニルオキシ)プロペン、1−エトキシ−2−メチル−1−トリエチルシロキシプロペン、1−イソプロポキシ−2−メチル−1−トリエチルシロキシプロペン、1−ブトキシ−2−メチル−1−トリエチルシロキシプロペン、1−tert−ブトキシ−2−メチル−1−トリエチルシロキシプロペン、2−メチル−1−トリエチルシロキシ−1−ビニロキシプロペン、1−ベンジルオキシ−2−メチル−1−トリエチルシロキシプロペン、1−シクロヘキシロキシ−2−メチル−1−トリエチルシロキシプロペン、1−(2−エチルヘキシロキシ)−2−メチル−1−トリエチルシロキシプロペン、1−(2−トリメチルシロキシエトキシ)−2−メチル−1−トリメチルシロキシプロペン、1−(2−トリエチルシロキシエトキシ)−2−メチル−1−トリエチルシロキシプロペン、1−メトキシ−1−トリエチルシロキシブテン、1−メトキシ−3−フェニル−1−トリエチルシロキシプロペン等が挙げられる。
本発明のジシリルケテンアセタールの製造方法では、下記一般式(2)で表されるヒドロシラン又はヒドロシロキサンを上記式(6)のシリルケテンアセタールと反応させる。
Figure 0004296416
上記一般式(2)中のRa、Rb、Rcはそれぞれ上記の定義通りである。
上記式(6)の化合物と上記式(2)の化合物のモル比は任意であるが、反応の効率を考慮すると、上記式(6)の化合物1モルに対して上記式(2)の化合物に含有されるSi−H結合のモル数を1.0〜1.5モルとするのが好ましい。
本発明のジシリルケテンアセタールの製造方法においては、上記式(6)の化合物と上記式(2)の化合物とを、触媒量のトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランの存在下で反応させる。トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランの使用量は反応基質によって異なるが、上記式(6)の化合物に対して通常0.00001〜10モル%であり、好ましくは0.001〜1モル%である。
反応は常圧下、窒素等の不活性ガス雰囲気下で行うのが一般的であるが、必ずしもこれに限定されない。反応温度は通常−100〜100℃、好ましくは0〜60℃である。
基質と触媒の混合方式は任意であり、両方の基質を反応器内で混合しておき触媒を添加する方法、一方の基質と触媒を反応器内で混合しておき他方の基質をフィードする方法などいずれも可能である。
反応溶媒は必ずしも必要でないが、溶媒を使用して反応を行ってもよい。使用可能な溶媒として、ヘキサン、イソオクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒や、ジクロロメタン、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒等が挙げられる。
以上に述べた本発明の方法により、下記一般式(7)で表されるジシリルケテンアセタールが得られる。
Figure 0004296416
上記一般式(7)中のR9、R10、及びRa、Rb、Rc、Rd、Re、Rfは上記した定義通りである。
本発明の製造方法によって得られた上記一般式(3)のシリルケテンアセタール又は上記一般式(5)及び(7)で表されるジシリルケテンアセタールは、反応混合物から蒸留等の方法で単離することができる。カルボニル付加物等の副生成物が少ないため、蒸留によって高純度のシリルケテンアセタールを得ることが容易である。なお、単離操作の前に反応混合物に例えばトリエチルアミン、トリブチルアミン等のルイス塩基性化合物を加えて、触媒を失活させることも可能である。
以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において、反応はすべて窒素雰囲気下で行った。
[実施例1] メタクリル酸メチルとトリエチルシランの反応による1−メトキシ−2−メチル−1−トリエチルシロキシプロペンの合成
ジムロート式還流冷却器、撹拌機、温度計、滴下ロートを備えた100mLの四つ口フラスコを窒素置換した。トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン(Acros製、ロットNo.A015140801、以下同様)5.1mg(0.01mmol)、BHT(住友化学(株)製)220mg及びトリエチルシラン11.6g(0.10mol)を仕込み、室温で0.5時間撹拌した。ドライアイス−メタノールバスを用いてフラスコを冷却し、内温を−40〜−35℃に調整した。メタクリル酸メチル10.0g(0.10mol)を滴下ロートから2時間かけて滴下した。滴下中、内温が−30〜−40℃に保たれるように調整した。滴下終了から5分後、ガスクロマトグラフィー(GC)によりメタクリル酸メチルが消失していることが確認された。下記に示されるカルボニル付加物やβ付加物は検出されなかった(Meはメチル基、Etはエチル基を表す)。
Figure 0004296416
滴下終了から1時間後、ドライアイス−メタノールバスを取り除いて室温にもどした。内径10mm、長さ10cmのVigreux管付きクライゼンヘッドを用いて微黄色透明の反応液を減圧蒸留し、沸点が77〜78℃/0.8kPaの無色透明液体17.4gを得た。NMRスペクトル及びGC/MSスペクトルの測定結果から、この液体は目的の1−メトキシ−2−メチル−1−トリエチルシロキシプロペンと同定された。収率は80.4%であった。得られた1−メトキシ−2−メチル−1−トリエチルシロキシプロペンの純度は98.8%であった。
1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ(ppm)3.51(3H,s),1.56(3H,d,J=0.4Hz),1.53(3H,d,J=0.4Hz),0.99(9H,dt,J=0.7Hz,8.0Hz),0.69(6H,dq,J=1.1Hz,7.9Hz)
13C−NMR(CDCl3,75.6MHz):δ(ppm)149.8,91.0,57.1,16.8,16.1,6.6,4.9
29Si−NMR(CDCl3,59.7MHz):δ(ppm)20.1
MS(EI):m/z 216(M+),173,117,115,89,87,86,70,59
[比較例1] 三塩化ロジウム三水和物を触媒としたメタクリル酸メチルとトリエチルシランの反応による、1−メトキシ−2−メチル−1−トリエチルシロキシプロペンの合成
ジムロート式還流冷却器、撹拌機、温度計、滴下ロートを備えた100mLの四つ口フラスコを窒素置換した。三塩化ロジウム三水和物2.6mg(0.01mmol)、BHT22mg、メタクリル酸メチル10.0g(0.10mol)をフラスコ内に仕込み、内容物を撹拌しながらフラスコをオイルバスで加温し、内温を51℃に調節した。滴下ロートよりトリエチルシラン11.6g(0.10mol)を3時間かけて滴下した。滴下に伴って発熱が見られ、内温が54〜60℃に保たれるように加熱を調節した。滴下終了後、1時間56〜59℃で撹拌し、更に1時間65℃で撹拌を続けたところ、メタクリル酸メチルは消失した。反応混合物のGC及びGC/MS分析によれば、主生成物としてシリルケテンアセタールが得られたが、他にカルボニル付加物とβ付加物が生成していた。生成物のGC面積%(TCD)の比はシリルケテンアセタール:カルボニル付加物:β付加物=1:0.081:0.002であった。実施例1と同様の装置を用いて反応混合物を減圧蒸留したところ、沸点が79〜79.5℃/0.85kPaの無色透明留分18.1gが得られた。この留分をGC(TCD)分析したところ、組成は以下のようであった。
シリルケテンアセタール:94.5%
カルボニル付加物:4.1%
β付加物:0%
その他:1.4%
この結果は、蒸留による目的物の高純度化が困難であることを示している。
[実施例2] メタクリル酸メチルと1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンの反応による1,3−ビス(1−メトキシ−2−メチル−1−プロペニルオキシ)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンの合成
ジムロート式還流冷却器、撹拌機、温度計、滴下ロートを備えた100mLの四つ口フラスコを窒素置換した。フラスコ内に1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン(以下I−1330、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製)258mg、トルエン5mL及びトリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン0.5mg(0.001mmol)を仕込み、内容物を撹拌しながら氷水浴で2℃に冷却した。滴下ロートからメタクリル酸メチル20.0g(0.20mol)と1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン13.4g(0.10mol)の混合液を4時間かけて滴下した。内温は最高7.5℃まで上昇した。滴下終了後、2〜4℃で1.5時間撹拌を続けたところ、メタクリル酸メチルは消失していた。反応混合物を減圧蒸留すると沸点96〜97.5℃/0.2kPaの無色透明留分26.5gが得られ、NMR及びGC/MSの結果より、この液体は目的の1,3−ビス(1−メトキシ−2−メチル−1−プロペニルオキシ)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンであると同定された。収率は79.1%であった。
1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ(ppm)3.51(6H,s),1.56(6H,d,J=0.4Hz),1.52(6H,d,J=0.4Hz),0.20(12H,s)
13C−NMR(CDCl3,75.6MHz):δ(ppm)148.7,91.0,56.6,16.8,16.1,−0.7
29Si−NMR(CDCl3,59.7MHz):δ(ppm)−12.2
MS(EI):m/z 334(M+),233,217,179,163,133
[実施例3] メタクリル酸ビニルとトリエチルシランの反応による2−メチル−1−トリエチルシロキシ−1−ビニロキシプロペンの合成
ジムロート式還流冷却器、撹拌機、温度計、滴下ロートを備えた100mLの四つ口フラスコを窒素置換した。フラスコ内にI−1330を258mg、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン7.7mg(0.015mmol)、及びトリエチルシラン11.6g(0.10mol)を仕込み、内容物を室温で0.5時間撹拌した。フラスコを氷水浴で冷却し、内温を1.5℃に調節した。メタクリル酸ビニル11.2g(0.10mol)を滴下ロートから2.5時間かけて滴下した。内温は最高6.5℃まで上昇した。滴下終了後、2℃で2時間撹拌を続け、氷水浴をはずして更に5時間15〜20℃で撹拌した。得られた反応混合物を減圧蒸留した。沸点79.5〜80℃/0.8kPaの無色透明留分19.3gが得られ、NMR及びGC/MSの結果より、この液体は目的の2−メチル−1−トリエチルシロキシ−1−ビニロキシプロペンであると同定された。収率は84.5%であった。
1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ(ppm)6.34(1H,dd,J=6.3Hz,14.0Hz),4.49(1H,dd,J=1.8Hz,14.0Hz),4.15(1H,dd,J=1.8Hz,6.3Hz),1.58(3H,d,J=0.4Hz),1.53(3H,d,J=0.4Hz),0.98(9H,dt,J=0.7Hz,7.9Hz),0.68(6H,dq,J=1.2Hz,7.9Hz)
13C−NMR(CDCl3,75.6MHz):δ(ppm)149.2,146.3,93.0,90.7,16.7,16.1,6.5,5.0
29Si−NMR(CDCl3,59.7MHz):δ(ppm)21.9
MS(EI):m/z 228(M+),213,115,87,70,59
[実施例4] メタクリル酸tert−ブチルとトリエチルシランの反応による1−tert−ブトキシ−2−メチル−1−トリエチルシロキシプロペンの合成
ジムロート式還流冷却器、撹拌機、温度計、滴下ロートを備えた100mLの四つ口フラスコを窒素置換した。フラスコ内にI−1330を258mg、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン7.7mg(0.015mmol)及びトリエチルシラン11.6g(0.10mol)を仕込み、内容物を室温で0.5時間撹拌した。フラスコを氷水浴で冷却して内温を3.5℃に調節し、メタクリル酸tert−ブチル13.5g(0.095mol)を滴下ロートより2.5時間で加えた。この間最高6℃まで内温上昇が見られた。滴下終了後3〜3.5℃で3時間撹拌を続けるとトリエチルシランが消失したことがGC分析によりわかった。少量の白色固体を含む反応混合物が得られ、これを減圧蒸留した。沸点73〜75℃/0.3kPaの無色透明留分24.8gが得られ、NMR及びMSの結果より、この液体は目的の1−tert−ブトキシ−2−メチル−1−トリエチルシロキシプロペンであると同定された。収率は81.5%(対トリエチルシラン)であった。
1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ(ppm)1.55(3H,d,J=0.4Hz),1.54(3H,d,J=0.4Hz),1.27(9H,s),0.98(9H,dt,J=0.6Hz,7.8Hz),0.69(6H,dq,J=1.1Hz,7.9Hz)
13C−NMR(CDCl3,75.6MHz):δ(ppm)146.7,95.6,78.9,29.1,18.2,17.5,6.7,5.2
29Si−NMR(CDCl3,59.7MHz):δ(ppm)20.1
MS(EI):m/z 258(M+),229,202,173,157,133,115,103,87,75,70,57,41
[実施例5] メタクリル酸トリメチルシリルとトリエチルシランの反応による2−メチル−1−トリエチルシロキシ−1−トリメチルシロキシプロペンの合成
ジムロート式還流冷却器、撹拌機、温度計、滴下ロートを備えた200mLの四つ口フラスコを窒素置換した。フラスコ内にI−1330を258mg、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン5.1mg(0.01mmol)及びトリエチルシラン11.6g(0.10mol)を仕込み、内容物を室温で15分間撹拌した。フラスコを氷水浴で冷却して内温を4.5℃に調節し、メタクリル酸トリメチルシリル11.1g(0.07mol)を滴下ロートより4時間で加えた。この間最高8℃まで内温上昇が見られた。トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン3mg(0.006mmol)をトルエン溶液として添加した後、メタクリル酸トリメチルシリル4.7g(0.03mol)を滴下ロートより1時間で加えた。滴下終了後5℃で更に9時間撹拌を続け、GC分析すると、トリエチルシランが消失していた。反応混合物にトリエチルアミン22μL(0.16mmol)を添加して0.5時間撹拌し、冷却をやめて室温に戻した。少量の白色固体を含む反応混合物を減圧蒸留した。沸点69〜71℃/0.4kPaの無色透明留分13.5gが得られ、NMR及びMSの結果より、この液体は目的の2−メチル−1−トリエチルシロキシ−1−トリメチルシロキシプロペンであると同定された。収率は49.2%であった。
1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ(ppm)1.53(3H,s),1.49(3H,s),0.98(9H,t,J=7.9Hz),0.68(6H,q,J=7.9Hz),0.18(9H,s)
13C−NMR(CDCl3,75.6MHz):δ(ppm)145.0,87.7,17.4,17.2,6.7,5.1,0.4
29Si−NMR(CDCl3,59.7MHz):δ(ppm)20.6,19.6
MS(EI):m/z 274(M+),259,231,175,147,119,115,87,86,73,59
[実施例6] メタクリル酸メチルとトリエチルシランの反応による1,1−ビス(トリエチルシロキシ)−2−メチルプロペンの合成
ジムロート式還流冷却器、撹拌機、温度計、滴下ロートを備えた200mLの四つ口フラスコを窒素置換した。トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン1.9mg(0.00375mmol)、トリエチルシラン17.4g(0.15mol)及び1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン581mgをフラスコ内に仕込み、室温で15分間撹拌した。アイスバスを用いてフラスコを冷却し、内温を1.5℃に調整した。メタクリル酸メチル7.5g(0.075mol)を滴下ロートから2.5時間かけて滴下した。滴下に伴って発熱が見られ、内温は最高7℃まで上昇した。滴下終了から5分後、ガスクロマトグラフィー(GC)によりメタクリル酸メチルが消失していることが確認された。2時間後アイスバスを除き、室温で反応混合物を18時間撹拌した後、トリエチルアミン10.5μL(0.075mmol)を添加した。反応混合物のGC/MS分析によって主生成物は目的物であり、下記に示されるカルボニル付加物やβ付加物、及びこれらに由来する副生成物は生成していないことがわかった(Meはメチル基、Etはエチル基を表す)。
Figure 0004296416
この混合物を内径10mm、長さ10cmのVigreux管付きクライゼンヘッドを用いて減圧蒸留し、沸点が108.5〜109℃/0.2kPaの無色透明液体17.9gが得られた。NMRスペクトル及びGC/MSスペクトルの測定結果から、この液体は目的の1,1−ビス(トリエチルシロキシ)−2−メチルプロペンであると同定された。GC純度は>99.9%であり、収率は75.4%であった。
1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ(ppm)1.50(6H,s),0.98(18H,t,J=7.9Hz),0.67(12H,q,J=7.9Hz)
13C−NMR(CDCl3,75.6MHz):δ(ppm)145.2,87.1,17.4,6.7,5.1
29Si−NMR(CDCl3,59.7MHz):δ(ppm)20.6
MS(EI):m/z 316(M+),259,217,189,173,115,87,59
[実施例7] 1−メトキシ−2−メチル−1−トリエチルシロキシプロペンとトリエチルシランの反応による1,1−ビス(トリエチルシロキシ)−2−メチルプロペンの合成
ジムロート式還流冷却器、撹拌機、温度計、滴下ロートを備えた200mLの四つ口フラスコを窒素置換した。フラスコ内にI−1330を388mg、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン1.28mg(0.0025mmol)及びトリエチルシラン5.8g(0.05mol)を仕込み、内容物を室温で15分間撹拌した。フラスコを氷水浴で冷却して内温を5℃に調節し、1−メトキシ−2−メチル−1−トリエチルシロキシプロペン10.8g(0.050mol)を滴下ロートより3時間で加えた。この間最高9℃まで内温上昇が見られた。滴下終了後5℃で4時間撹拌し、更に室温で12時間反応を続けた。GC/MS分析により、目的物が生成していることが確認された。反応混合物にトリエチルアミン9.8μL(0.07mmol)を添加して0.5時間撹拌した後、減圧蒸留した。沸点91〜91.5℃/0.13kPaの無色透明留分11.0gが得られ、NMR及びMSの結果より、この液体は目的の1,1−ビス(トリエチルシロキシ)−2−メチルプロペンであると同定された。収率は69.5%であった。

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)で表されるα,β−不飽和カルボン酸エステルと、下記一般式(2)で表されるヒドロシラン又はヒドロシロキサンとを触媒量のトリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン存在下に反応させることを特徴とする、下記一般式(3)で表されるシリルケテンアセタールの製造方法。
    Figure 0004296416
    (式中、R1、R2、R3はそれぞれ独立に水素原子又は置換もしくは非置換の炭素数1〜60の一価炭化水素基を表す。あるいは、R1とR2又はR1とR3は互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に炭素数3〜20の環を形成してもよい。R4は置換もしくは非置換の炭素数1〜40の一価炭化水素基、又は置換もしくは非置換の炭素数60以下のSi−H結合を含まないシリル基を表す。)
    Figure 0004296416
    (式中、Ra、Rb、Rcはそれぞれ独立に置換もしくは非置換の炭素数1〜20の一価炭化水素基、炭素数1〜20のオルガノキシ基、ケイ素数1〜1,000のオルガノ(ポリ)シロキシ基、及びハロゲン原子から選ばれる基を表す。あるいは、RaとRb、RaとRc又はRbとRcは互いに結合してこれらが結合するケイ素原子と共に、ケイ素数3〜50のシロキサン環を形成するか又は炭素数1〜20のケイ素含有環を形成してもよい。また、Ra、Rb、Rcは互いに結合してこれらが結合するケイ素原子と共にケイ素数6〜50のかご状シロキサンを形成してもよい。)
    Figure 0004296416
    (式中、R1、R2、R3、R4、Ra、Rb、Rcはそれぞれ式(1)及び(2)で定義された基を表す。)
  2. 式(2)で表されるヒドロシラン又はヒドロシロキサンと触媒量のトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランの混合物を含む反応器に、式(1)で表されるα,β−不飽和カルボン酸エステルを添加することを特徴とする、請求項1に記載のシリルケテンアセタールの製造方法。
  3. 触媒量のトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランを含む反応器に、式(1)で表されるα,β−不飽和カルボン酸エステルと、式(2)で表されるヒドロシラン又はヒドロシロキサンを、式(1)の化合物1モルに対して式(2)の化合物のSi−H結合のモル比を0.9〜1.1に調節しながら添加することを特徴とする、請求項1に記載のシリルケテンアセタールの製造方法。
  4. 下記一般式(4)で表されるα,β−不飽和カルボン酸エステルと、下記一般式(2)で表されるヒドロシラン又はヒドロシロキサンとを触媒量のトリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン存在下に反応させることを特徴とする、下記一般式(5)で表されるジシリルケテンアセタールの製造方法。
    Figure 0004296416
    (式中、R5、R6、R7はそれぞれ独立に水素原子又は置換もしくは非置換の炭素数1〜60の一価炭化水素基を表す。あるいは、R5とR6又はR5とR7は互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に炭素数3〜20の環を形成してもよい。R8は置換もしくは非置換の炭素数1〜40の一価炭化水素基を表す。)
    Figure 0004296416
    (式中、Ra、Rb、Rcはそれぞれ独立に置換もしくは非置換の炭素数1〜20の一価炭化水素基、炭素数1〜20のオルガノキシ基、ケイ素数1〜1,000のオルガノ(ポリ)シロキシ基、及びハロゲン原子から選ばれる基を表す。あるいは、RaとRb、RaとRc又はRbとRcは互いに結合してこれらが結合するケイ素原子と共に、ケイ素数3〜50のシロキサン環を形成するか又は炭素数1〜20のケイ素含有環を形成してもよい。また、Ra、Rb、Rcは互いに結合してこれらが結合するケイ素原子と共にケイ素数6〜50のかご状シロキサンを形成してもよい。)
    Figure 0004296416
    (式中、R5、R6、R7、Ra、Rb、Rcはそれぞれ式(4)及び(2)で定義された基を表す。)
  5. 式(2)で表されるヒドロシラン又はヒドロシロキサンと触媒量のトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランの混合物を含む反応器に、式(2)の化合物のSi−H結合1モルに対して0.5モル以下の式(4)で表されるα,β−不飽和カルボン酸エステルを添加することを特徴とする、請求項4に記載のジシリルケテンアセタールの製造方法。
  6. 下記一般式(6)で表されるシリルケテンアセタールと下記一般式(2)で表されるヒドロシラン又はヒドロシロキサンとを触媒量のトリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン存在下に反応させることを特徴とする、下記一般式(7)で表されるジシリルケテンアセタールの製造方法。
    Figure 0004296416
    (式中、R9、R10はそれぞれ独立に水素原子又は置換もしくは非置換の炭素数1〜60の一価炭化水素基を表す。あるいは、R9とR10は互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に炭素数3〜20の環を形成してもよい。R11は置換もしくは非置換の炭素数1〜40の一価炭化水素基を表す。Rd、Re、Rfはそれぞれ独立に置換もしくは非置換の炭素数1〜20の一価炭化水素基、炭素数1〜20のオルガノキシ基、ケイ素数1〜1,000のオルガノ(ポリ)シロキシ基、及びハロゲン原子から選ばれる基を表す。あるいは、RdとRe、RdとRf又はReとRfは互いに結合してこれらが結合するケイ素原子と共に、ケイ素数3〜50のシロキサン環を形成するか又は炭素数1〜20のケイ素含有環を形成してもよい。また、Rd、Re、Rfは互いに結合してこれらが結合するケイ素原子と共にケイ素数6〜50のかご状シロキサンを形成してもよい。)
    Figure 0004296416
    (式中、Ra、Rb、Rcはそれぞれ独立に置換もしくは非置換の炭素数1〜20の一価炭化水素基、炭素数1〜20のオルガノキシ基、ケイ素数1〜1,000のオルガノ(ポリ)シロキシ基、及びハロゲン原子から選ばれる基を表す。あるいは、RaとRb、RaとRc又はRbとRcは互いに結合してこれらが結合するケイ素原子と共に、ケイ素数3〜50のシロキサン環を形成するか又は炭素数1〜20のケイ素含有環を形成してもよい。また、Ra、Rb、Rcは互いに結合してこれらが結合するケイ素原子と共にケイ素数6〜50のかご状シロキサンを形成してもよい。)
    Figure 0004296416
    (式中、R9、R10、Ra、Rb、Rc、Rd、Re、Rfはそれぞれ式(2)及び(6)で定義された基を表す。)
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