JP2004067802A - オルガノキシ基又はヒドロキシル基を有するシロキサンの製造方法 - Google Patents

オルガノキシ基又はヒドロキシル基を有するシロキサンの製造方法 Download PDF

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Ayumi Kiyomori
清森 歩
Toru Kubota
久保田 透
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Abstract

【解決手段】ケイ素−水素結合を有するシロキサンと、下記一般式(1)で表されるヒドロキシル基を有する化合物とを、ルテニウムカルボニル錯体及びリン配位子の存在下に反応させることを特徴とするオルガノキシ基又はヒドロキシル基を有するシロキサンの製造方法。
【化1】
Figure 2004067802

(式中、Rは炭素数1〜20の脂肪族不飽和結合を含まない炭化水素基又は水素原子を表す。)
【効果】本発明によれば、加水分解性基を持つ反応性有機ケイ素化合物として、或いは変性シリコーンポリマー等として工業的に有用な、ケイ素上にオルガノキシ基やヒドロキシル基を有するシロキサン類を不均化や平衡化、再分配等の副反応を抑制しつつ、高収率で簡便かつ安全に製造できる。
【選択図】 な し

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、反応性有機ケイ素化合物として、変性シリコーンとして、或いはその原料として用いることができ、工業的に有用な化合物であるオルガノキシ基又はヒドロキシル基を有するシロキサンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
ケイ素原子に結合したオルガノキシ基やヒドロキシル基を有するシロキサン類は、その反応性を利用して、室温硬化型(RTV)シリコーンゴムや剥離紙用シリコーンをはじめ、シリコーンレジンやシリコーンワニスの中間体としても幅広く用いられている有用な材料である。
【0003】
オルガノキシ基をケイ素原子上に導入する方法としては、ケイ素−ハロゲン結合を有する有機ケイ素化合物を前駆体として、これにアルコール等のヒドロキシル基を有する化合物を反応させるのが最も一般的である。ここで、多くの場合シロキサン類は、ジクロロジメチルシラン等のクロロシラン類を加水分解させた後、脱水縮合させて製造されるものである。従って、ケイ素−ハロゲン結合を分子内の特定の位置に有するシロキサン類を、クロロシランの部分加水分解によって高収率で高選択的に得ることは本質的に困難な場合が多く、ゆえにそれを原料としたオルガノキシシロキサンの製造は現実的ではない。
【0004】
クロロシランの代わりに、ジメトキシジメチルシラン等のアルコキシシラン類を原料として、酸性又はアルカリ性条件で加水分解及び縮合を行わせる方法によって、アルコキシ基やヒドロキシル基を含有するシロキサンを製造することは可能であるが、生成物は種々のシロキサンの混合物であり、シロキサンの分子量やアルコキシ基、ヒドロキシル基の位置等を精密に制御することは不可能であった。更に、加水分解性や原料調達の容易さから、得られるシロキサン中のアルコキシ基の種類はメトキシ基やエトキシ基に限られていた。
【0005】
ケイ素上にアルコキシ基を導入する別法として、ケイ素−水素結合を持つケイ素化合物とアルコールを用い、触媒を用いて反応させる方法がある。この反応(脱水素シリル化反応)の触媒として、(1)アルカリ金属アルコキシドやアルカリ金属水酸化物にクラウンエーテルを添加したもの(特開2001−39990号公報及びChem.Commun.2001年1408〜1409ページ参照)、(2)トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン等のルイス酸(J.Org.Chem.1999年64巻4887〜4892ページ参照)、(3)フッ化テトラブチルアンモニウム(Tetrahedron Letters 1994年35巻8413〜8414ページ及び特開平7−82276号公報参照)、(4)遷移金属錯体及び担体担持遷移金属等が報告されている。これらのうち(1)〜(3)の触媒では、いずれもヒドロシランを基質としており、ヒドロシロキサンを基質とするとシロキサンの不均化反応や平衡化・再分配反応が進行するため、目的のアルコキシシロキサンを収率よく得ることはできなかった。
【0006】
(4)の遷移金属錯体触媒を用いる反応としては、ロジウム錯体(RhCl(PPh)を触媒とする、ポリメチルヒドロシロキサンとアルコール或いは置換フェノール類との反応例が報告されており(Tetrahedron Letters 1999年40巻4123〜4126ページ及びOrganometallics 2001年20巻2725〜2729ページ)、不均化や再分配等の副反応がないとされている。しかし、この方法では触媒コストが高く、また、反応基質及び触媒を一括混合してから加熱する方法であるため反応の制御が難しく、工業的に実施するには問題があった。
【0007】
また、トリアルキルシランのアルコキシ化触媒として、活性炭担持パラジウムを用いる方法が報告されている(Bull.Chem.Soc.Jpn.,1989年62巻2111〜2113ページ)。この方法では多量の触媒が必要である上に、反応終了後、ろ過した触媒は発火する危険性があり、工業的なプロセスには不向きであった。
【0008】
一方、ヒドロキシル基を有するポリシロキサンは一般に、平衡化反応を用いて製造されている。例えば、ジクロロジメチルシランに適当な条件で水を加えると、両末端にヒドロキシル基を持つ鎖状のシロキサン混合物が得られる。しかし、より複雑な構造のヒドロキシル基含有シロキサンを単一の化合物として得ることは平衡化法では不可能である。また、対応するクロロシロキサンやアルコキシシロキサンの加水分解によってヒドロキシル基を導入する方法は、上述したように原料を調製することが難しいため、困難であった。
【0009】
アルコキシ化と同様にケイ素−水素結合を有するシロキサンを用いて、遷移金属触媒による水との反応によりヒドロキシル基を導入する方法もある。活性炭担持パラジウムを用いる方法が一般的であるが、上述したように反応後の触媒の処理に問題がある。また、亜鉛やスズ系の触媒を用いる方法も知られているが、比較的多量の触媒添加と高温での反応が必要であり、ケイ素上のヒドロキシル基の間で脱水縮合が起こる問題があった。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、オルガノキシ基やヒドロキシル基を有するシロキサンを、不均化や再分配等の副反応を抑制しつつ、高収率で簡便かつ安全に製造する方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、ケイ素−水素結合を有するシロキサンと、下記一般式(1)で表されるヒドロキシル基を有する化合物とを、ルテニウムカルボニル錯体及びリン配位子の存在下に反応させることにより、オルガノキシ基又はヒドロキシル基を有するシロキサンが、副反応が少なく高収率で、簡便かつ安全に得られることを見いだし、本発明をなすに至った。
【0012】
【化7】
Figure 2004067802
(式中、Rは炭素数1〜20の脂肪族不飽和結合を含まない炭化水素基又は水素原子を表す。)
【0013】
従って、本発明は、ケイ素−水素結合を有するシロキサンと、上記一般式(1)で表されるヒドロキシル基を有する化合物とを、ルテニウムカルボニル錯体及びリン配位子の存在下に反応させることを特徴とするオルガノキシ基又はヒドロキシル基を有するシロキサンの製造方法を提供する。
【0014】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明のオルガノキシ基又はヒドロキシル基を有するシロキサンの製造方法は、ケイ素−水素結合を有するシロキサンと、下記一般式(1)で表されるヒドロキシル基を有する化合物とを、ルテニウムカルボニル錯体及びリン配位子の存在下に反応させることにより、オルガノキシ基又はヒドロキシル基を有するシロキサンが得られるものである。
【0015】
【化8】
Figure 2004067802
【0016】
上記式(1)において、Rは炭素数1〜20の脂肪族不飽和結合を含まない炭化水素基、又は水素原子を表し、脂肪族不飽和結合を含まない炭化水素基としてはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられ、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、2−ブチル基、2−ペンチル基、2−ヘキシル基、2−ヘプチル基、2−オクチル基、2−エチルヘキシル基、2−ノニル基、2−デシル基、2−ウンデシル基、2−ドデシル基、2−テトラデシル基、2−ヘキサデシル基、イソブチル基、2−メチルブチル基、イソペンチル基、イソヘキシル基、イソプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、1,1−ジメチルプロピル基、テキシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−メチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、4−tert−ブチルシクロヘキシル基、フェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、メシチル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、ベンジル基、α−フェネチル基、β−フェネチル基等が挙げられる。
【0017】
本発明において、ケイ素−水素結合を有するシロキサンとしては、SiH基を有するものであれば、いずれのものでもよいが、下記一般式(2)で示されるケイ素−水素結合を有する鎖状シロキサン又は下記一般式(3)で示されるケイ素−水素結合を有する環状シロキサンであることが好ましい。
【0018】
【化9】
Figure 2004067802
【0019】
上記一般式(2)及び(3)において、R〜R及びR〜Rは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数1〜10のアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数7〜10のアラルキロキシ基、炭素数6〜10のアリーロキシ基、炭素数3〜10のシクロアルキロキシ基、トリメチルシロキシ基、又は水素原子より独立に選ばれる置換基を表す。
【0020】
これら置換基R〜R及びR〜Rの具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、イソブチル基、2−メチルブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、イソヘキシル基、イソプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、1,1−ジメチルプロピル基、テキシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、4−tert−ブチルシクロヘキシル基、フェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、メシチル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、ベンジル基、α−フェネチル基、β−フェネチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチロキシ基、ヘキシロキシ基、ヘプチロキシ基、オクチロキシ基、ノニロキシ基、デシロキシ基、イソブチロキシ基、2−メチルブトキシ基、イソペンチロキシ基、ネオペンチロキシ基、イソヘキシロキシ基、2−プロポキシ基、2−ブトキシ基、3−ブトキシ基、2−ペンチロキシ基、3−ペンチロキシ基、1,1−ジメチルプロポキシ基、テキシロキシ基、シクロプロピロキシ基、シクロブチロキシ基、シクロペンチロキシ基、シクロヘキシロキシ基、シクロヘプチロキシ基、4−tert−ブチルシクロヘキシロキシ基、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、3−メチルフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、2,4−ジメチルフェノキシ基、3,4−ジメチルフェノキシ基、3,5−ジメチルフェノキシ基、メシチロキシ基、1−ナフチロキシ基、2−ナフチロキシ基、ベンジロキシ基、α−フェネチロキシ基、β−フェネチロキシ基、トリメチルシロキシ基等が挙げられる。
【0021】
上記一般式(2)において、Rは炭素数1〜10のアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、又は下記一般式(4)で表される置換シリル基から選択される置換基を表す。
【0022】
【化10】
Figure 2004067802
【0023】
(但し、R〜R11は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数1〜10のアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数7〜10のアラルキロキシ基、炭素数6〜10のアリーロキシ基、炭素数3〜10のシクロアルキロキシ基、又は水素原子より独立に選ばれる置換基を表す。)
【0024】
式(2)におけるRの具体例としては、R〜R及びR〜Rの具体例として挙げたもののほか、エチルジメチルシリル基、プロピルジメチルシリル基、ブチルジメチルシリル基、sec−ブチルジメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、イソブチルジメチルシリル基、ペンチルジメチルシリル基、ヘキシルジメチルシリル基、テキシルジメチルシリル基、ヘプチルジメチルシリル基、オクチルジメチルシリル基、ノニルジメチルシリル基、デシルジメチルシリル基、ベンジルジメチルシリル基、α−フェネチルジメチルシリル基、β−フェネチルジメチルシリル基、フェニルジメチルシリル基、4−メチルフェニルジメチルシリル基、3−メチルフェニルジメチルシリル基、2−メチルフェニルジメチルシリル基、ナフチルジメチルシリル基、シクロプロピルジメチルシリル基、シクロブチルジメチルシリル基、シクロペンチルジメチルシリル基、シクロヘキシルジメチルシリル基、シクロヘプチルジメチルシリル基、4−tert−ブチルシクロヘキシルジメチルシリル基、ジエチルメチルシリル基、メチルジフェニルシリル基、ジメチルシリル基、ジエチルシリル基、ジプロピルシリル基、ジイソプロピルシリル基、ジブチルシリル基、ジ−sec−ブチルシリル基、ジ−tert−ブチルシリル基、ジイソブチルシリル基、ジフェニルシリル基、トリエチルシリル基、トリプロピルシリル基、トリイソブチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリフェニルシリル基、トリヘキシルシリル基、トリオクチルシリル基、テキシルジイソプロピルシリル基、オクチルジイソプロピルシリル基、オクチルジイソブチルシリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基、エトキシジメチルシリル基、プロポキシジメチルシリル基、2−プロポキシジメチルシリル基、ブトキシジメチルシリル基、sec−ブトキシジメチルシリル基、tert−ブトキシジメチルシリル基、イソブチロキシジメチルシリル基、ペンチロキシジメチルシリル基、ヘキシロキシジメチルシリル基、フェノキシジメチルシリル基、4−メチルフェノキシジメチルシリル基、3−メチルフェノキシジメチルシリル基、2−メチルフェノキシジメチルシリル基、ヘプチロキシジメチルシリル基、オクチロキシジメチルシリル基、ノニロキシジメチルシリル基、デシロキシジメチルシリル基、ベンジロキシジメチルシリル基、ナフチロキシジメチルシリル基、シクロプロピロキシジメチルシリル基、シクロブチロキシジメチルシリル基、シクロペンチロキシジメチルシリル基、シクロヘキシロキシジメチルシリル基、シクロヘプチロキシジメチルシリル基、4−tert−ブチルシクロヘキシロキシジメチルシリル基等が挙げられる。
【0025】
上記一般式(2)において、Rは炭素数1〜10のアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数7〜10のアラルキロキシ基、炭素数6〜10のアリーロキシ基、炭素数3〜10のシクロアルキロキシ基、水素原子、又は下記一般式(5)で表される置換シロキシ基から選択される置換基を表す。
【0026】
【化11】
Figure 2004067802
【0027】
(但し、R12〜R14は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数1〜10のアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数7〜10のアラルキロキシ基、炭素数6〜10のアリーロキシ基、炭素数3〜10のシクロアルキロキシ基、又は水素原子より独立に選ばれる置換基を表す。)
【0028】
式(2)におけるRの具体例としては、R〜R及びR〜Rの具体例として挙げたもののほか、エチルジメチルシロキシ基、プロピルジメチルシロキシ基、ブチルジメチルシロキシ基、sec−ブチルジメチルシロキシ基、tert−ブチルジメチルシロキシ基、イソブチルジメチルシロキシ基、ペンチルジメチルシロキシ基、ヘキシルジメチルシロキシ基、テキシルジメチルシロキシ基、ヘプチルジメチルシロキシ基、オクチルジメチルシロキシ基、ノニルジメチルシロキシ基、デシルジメチルシロキシ基、ベンジルジメチルシロキシ基、α−フェネチルジメチルシロキシ基、β−フェネチルジメチルシロキシ基、フェニルジメチルシロキシ基、4−メチルフェニルジメチルシロキシ基、3−メチルフェニルジメチルシロキシ基、2−メチルフェニルジメチルシロキシ基、ナフチルジメチルシロキシ基、シクロプロピルジメチルシロキシ基、シクロブチルジメチルシロキシ基、シクロペンチルジメチルシロキシ基、シクロヘキシルジメチルシロキシ基、シクロヘプチルジメチルシロキシ基、4−tert−ブチルシクロヘキシルジメチルシロキシ基、ジエチルメチルシロキシ基、メチルジフェニルシロキシ基、ジメチルシロキシ基、ジエチルシロキシ基、ジプロピルシロキシ基、ジイソプロピルシロキシ基、ジブチルシロキシ基、ジ−sec−ブチルシロキシ基、ジ−tert−ブチルシロキシ基、ジイソブチルシロキシ基、ジフェニルシロキシ基、トリエチルシロキシ基、トリプロピルシロキシ基、トリイソブチルシロキシ基、トリイソプロピルシロキシ基、トリフェニルシロキシ基、トリヘキシルシロキシ基、トリオクチルシロキシ基、テキシルジイソプロピルシロキシ基、オクチルジイソプロピルシロキシ基、オクチルジイソブチルシロキシ基、tert−ブチルジフェニルシロキシ基、エトキシジメチルシロキシ基、プロポキシジメチルシロキシ基、2−プロポキシジメチルシロキシ基、ブトキシジメチルシロキシ基、sec−ブトキシジメチルシロキシ基、tert−ブトキシジメチルシロキシ基、イソブチロキシジメチルシロキシ基、ペンチロキシジメチルシロキシ基、ヘキシロキシジメチルシロキシ基、ヘプチロキシジメチルシロキシ基、オクチロキシジメチルシロキシ基、ノニロキシジメチルシロキシ基、デシロキシジメチルシロキシ基、ベンジロキシジメチルシロキシ基、α−フェネチロキシジメチルシロキシ基、β−フェネチロキシジメチルシロキシ基、フェノキシジメチルシロキシ基、4−メチルフェノキシジメチルシロキシ基、3−メチルフェノキシジメチルシロキシ基、2−メチルフェノキシジメチルシロキシ基、ナフチロキシジメチルシロキシ基、シクロプロピロキシジメチルシロキシ基、シクロブチロキシジメチルシロキシ基、シクロペンチロキシジメチルシロキシ基、シクロヘキシロキシジメチルシロキシ基、シクロヘプチロキシジメチルシロキシ基、4−tert−ブチルシクロヘキシロキシジメチルシロキシ基等が挙げられる。
【0029】
式(2)及び(3)において、m及びxは、0又は1以上の整数、好ましくは0又は1〜50の整数であり、n及びyは1以上の整数、好ましくは1〜50の整数である。またxとyの和は3以上であり、好ましくは3〜10である。
【0030】
本発明の製造方法において、ケイ素−水素結合を有するシロキサンと、上記一般式(1)で表されるヒドロキシル基を有する化合物とを反応させる際のモル比は、特に限定されるものではなく、任意であり、オルガノキシ基やヒドロキシル基の導入量に応じて変化させることが望ましいが、反応を完結させるためには式(1)で表される化合物をケイ素−水素結合のモル数に対して1当量以上、特に1.1〜2当量と、過剰量用いることが好ましい。
【0031】
本発明の製造方法で、ケイ素−水素結合を有するシロキサンと、上記式(1)で示されるヒドロキシル基を有する化合物との反応は、ルテニウムカルボニル錯体の存在下に行う。ルテニウムカルボニル錯体としては、ルテニウムペンタカルボニル、ジルテニウムノナカルボニル、トリルテニウムドデカカルボニル等が知られているが、空気中で安定であり、取り扱い及び入手の容易なトリルテニウムドデカカルボニルの使用が好ましい。
【0032】
ルテニウム錯体の添加量は、反応基質中のケイ素−水素結合のモル数に対してルテニウム原子換算で通常1×10−4〜10モル%であることが好ましく、より好ましくは5×10−3〜1モル%である。
【0033】
また、本発明の反応は、不均化や再分配等の副反応を抑制するためにリン配位子の共存下に行うものである。リン配位子の具体例として、トリフェニルフォスフィン、トリ−o−トリルフォスフィン、トリ−m−トリルフォスフィン、トリ−p−トリルフォスフィン、トリメシチルフォスフィン、トリナフチルフォスフィン、トリ−2−フリルフォスフィン、トリス(4−フルオロフェニル)フォスフィン、トリス(4−メトキシフェニル)フォスフィン、トリス[4−(トリフルオロメチル)フェニル]フォスフィン、トリス(ペンタフルオロフェニル)フォスフィン、ビス(ペンタフルオロフェニル)フェニルフォスフィン、ペンタフルオロフェニルジフェニルフォスフィン、メチルジフェニルフォスフィン、ジメチルフェニルフォスフィン、トリベンジルフォスフィン、トリメチルフォスフィン、トリエチルフォスフィン、トリブチルフォスフィン、トリ−tert−ブチルフォスフィン、トリシクロヘキシルフォスフィン、トリオクチルフォスフィン等のフォスフィン類、亜リン酸トリメチル、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリイソプロピル、亜リン酸トリブチル、亜リン酸トリフェニル等の亜リン酸エステル類、1,2−ビス(ジフェニルフォスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジフェニルフォスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジフェニルフォスフィノ)ブタン、1,2−ビス(ジフェニルフォスフィノ)ベンゼン、2,2’−ビス(ジフェニルフォスフィノ)−1,1’−ビナフチル等のジフォスフィン類等が挙げられる。
【0034】
これらリン配位子の添加量は、ルテニウム錯体に対してモル比で0.1〜5当量であることが好ましく、より好ましくは1〜2当量である。リン配位子の添加量が少なすぎると副反応を抑制する効果が十分に発揮されない場合があり、多すぎると目的の反応の進行が妨げられる場合がある。
【0035】
また、反応を妨げない限り、リン配位子以外の添加物を共存させることもできる。例えば、トリフルオロメタンスルホン酸やメタンスルホン酸等の強酸を添加することによって、反応を促進し、反応時間を短縮することができる。
【0036】
本反応は、無溶媒で行うことが、単位容積あたりの目的物収量を最大にできるため、また基質濃度を最大にして反応速度を向上させるために好ましい方法である。
【0037】
但し、一方又は両方の反応基質が固体である場合、或いは反応基質の相溶性が低い場合には、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒や、ヘキサン、イソオクタン、トルエン等の炭化水素系溶媒等を用いて反応を行うことが好ましい。これら溶媒の使用量は任意であるが、好ましくは反応基質に対して体積比で1〜5倍量であり、基質が溶解する最小限の量を使用する。上述のごとく、式(1)で表されるヒドロキシル基含有化合物を過剰に用いて溶媒とすることもできる。
【0038】
本発明の製造方法において、基質の添加順序は任意であり、ルテニウム錯体、リン配位子と式(1)で表される化合物を反応器に仕込み、ケイ素−水素結合を有するシロキサンをフィードする方法、ケイ素−水素結合を有するシロキサンとルテニウム錯体、及びリン配位子を反応器に仕込み、式(1)で表される化合物をフィードする方法、ルテニウム錯体とリン配位子を反応器に仕込み、ケイ素−水素結合を有するシロキサンと式(1)で表される化合物を同時にフィードする方法等、様々な形態で実施が可能である。すべてを一括で仕込む方法も可能であるが、反応の制御が困難となるため、上記で例示したように反応基質のフィードを止めることによって反応の進行を止められる方法がより好ましい。
【0039】
反応温度は、通常0〜150℃の範囲で行われるが、低温では反応進行が遅くなり、副反応の割合が増加する場合があり、高温では触媒の失活が速くなる場合があるので40〜120℃がより好ましい。
【0040】
反応は、窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。また、副生成物である水素は、不活性ガスでパージしながら反応を行うのがよい。
【0041】
このようにして得られたオルガノキシ基やヒドロキシル基を有するシロキサンとしては、例えば、上記一般式(2)又は(3)で示されるケイ素−水素結合を有するシロキサンを用いた場合、下記一般式(6)及び(7)で表されるシロキサンを挙げることができる。
【0042】
【化12】
Figure 2004067802
[式中、R〜R,R〜R,R,m,n,x及びyは、上記式(1)〜(3)で定義したものと同じである。R’は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、又は下記一般式(8)で表される置換シリル基を表す。
【化13】
Figure 2004067802
(但し、R及びR10は、上記式(4)で定義したものと同じであり、Aは上記式(6)のR11と同じ置換基、又はRO−(Rは炭素数1〜20の脂肪族不飽和結合を含まない炭化水素基又は水素原子を表す)で表される基を表す。)]
【0043】
上記方法により得られたオルガノキシ基やヒドロキシル基を有するシロキサンは、反応混合物から蒸留やカラムクロマトグラフィーによって単離することができる。沸点が高く、蒸留ができない場合、もしくは生成物の安定性が低い場合には、残存する原料や溶媒を減圧留去する、或いは活性炭やシリカゲル、アルミナ、フロリジル等を用いてルテニウム化合物を吸着又はろ過除去する等の方法で精製することができる。
【0044】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例によって更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例の記載に何ら制限されるものではない。
【0045】
[実施例1]1,3−ジプロポキシ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンの合成
滴下ロート、還流冷却器(−15℃ブライン冷却)、温度計、撹拌機を備えた200mL四つ口フラスコを窒素置換した。フラスコ内に1−プロパノール18.0g(0.30mol)、トリルテニウムドデカカルボニル(Ru(CO)12、Strem Chemicals製)10.7mg(16.7μmol)、及びトリフェニルフォスフィン4.4mg(16.7μmol)を仕込み、80℃で1時間加熱撹拌した。得られた赤橙色の溶液を更に97℃まで加熱し、滴下ロートから1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン13.4g(0.10mol)を2時間かけて滴下した。滴下にともない発泡がみられ、滴下終了後の内温は104℃まで上昇した。104〜108℃で0.5時間加熱撹拌を続けたところ、反応が完結したことがガスクロマトグラフィー(GC)により確認された。ガスクロマトグラフィー−質量(GC−MS)分析により、目的の1,3−ジプロポキシ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンが主生成物であることがわかった。反応液に内部標準物質としてトルエン9.2gを加えてGC分析を行ったところ、目的物の内標収率は92.6%であった。また、全生成物中の目的物の割合は、GC分析(TCD)によると94.7%であった。この反応混合物を減圧蒸留することにより、22.7gの無色透明液体として目的の1,3−ジプロポキシ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンを得た。単離収率は90.6%であった。
【0046】
[実施例2]1,3−ジプロポキシ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンの合成
反応温度を80〜85℃とした以外は実施例1と同じように反応を行った。1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンの滴下終了後、84〜85℃で0.5時間反応を続けたところ反応は完結した。実施例1と同様にトルエンを添加し、1,3−ジプロポキシ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンのGC内標収率を求めたところ88.1%であった。また、全生成物中の目的物の割合は、GC分析(TCD)によると89.8%であった。
【0047】
[比較例1]1,3−ジプロポキシ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンの合成(リン配位子を添加しない場合)
トリフェニルフォスフィンを添加しなかった以外は実施例2と同じように反応を行った。1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンの滴下終了後、84〜85℃で0.5時間反応を続けたところ反応は完結した。GC及びGC−MS分析により、目的物である1,3−ジプロポキシ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンが主生成物であることがわかったが、ジメチルジプロポキシシランや1,5−ジプロポキシ−1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン等が副生成物として多量に検出された。実施例2と同様にトルエンを添加し、1,3−ジプロポキシ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンのGC内標収率を求めたところ65.7%であった。
【0048】
[比較例2]1,3−ジプロポキシ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンの合成(フッ化テトラブチルアンモニウム触媒)
滴下ロート、還流冷却器、温度計、撹拌機を備えた200mL四つ口フラスコを窒素置換した。フラスコ内に1−プロパノール9.0g(0.15mol)、フッ化テトラブチルアンモニウムの1.0mol/LTHF溶液1mL(1mmol)、及びN−メチルピロリドン25mLを仕込み、撹拌しながら滴下ロートから1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン6.7g(0.05mol)を室温で1時間かけて滴下した。発熱と発泡が観察され、内温が36℃に達したところで水浴で冷却した。滴下終了後、0.5時間水冷下で撹拌を続けたところ、反応は完結した。反応混合物のGC分析(TCD)によれば、全反応生成物にしめる目的物1,3−ジプロポキシ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンの割合は28.8%であった。主生成物はジメチルジプロポキシシラン(29.4%)であった。
【0049】
[比較例3]1,3−ジプロポキシ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンの合成(ナトリウムメトキシド触媒)
滴下ロート、還流冷却器、温度計、撹拌機を備えた100mL四つ口フラスコを窒素置換した。フラスコ内に1−プロパノール9.0g(0.15mol)及びナトリウムメトキシド27mg(0.5mmol)を仕込み、室温で1時間撹拌した。得られた無色透明溶液を撹拌しながら、滴下ロートから1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン6.7g(0.05mol)を室温で1時間かけて滴下した。発熱と発泡が観察され、内温が40℃に達したところで水浴で冷却した。滴下終了後、13時間水冷下で撹拌を続けたところ、反応は完結した。反応混合物のGC分析(TCD)によれば、全反応生成物にしめる目的物1,3−ジプロポキシ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンの割合は23.4%であった。主生成物はジメチルジプロポキシシラン(41.1%)であった。
【0050】
[実施例3]1,5−ジプロポキシ−1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサンの合成
滴下ロート、還流冷却器(−15℃ブライン冷却)、温度計、撹拌機を備えた200mL四つ口フラスコを窒素置換した。フラスコ内に1−プロパノール18.0g(0.30mol)、トリルテニウムドデカカルボニル(Strem Chemicals製)10.7mg(16.7μmol)及びトリフェニルフォスフィン4.4mg(16.7μmol)を仕込み、82℃で1時間加熱撹拌した。更に92℃まで加熱し、得られた柿色の溶液を撹拌しながら、滴下ロートから1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン20.9g(0.10mol)を92〜104℃で2.5時間かけて滴下した。滴下にともない発熱と発泡が観察された。滴下終了後、104〜106℃で0.5時間反応を続けると、反応が完結したことがGCにより確認された。全生成物のうち、目的物のGC面積の割合は94.7%であった。反応混合物を室温に冷却し、減圧蒸留した。沸点が91.5〜93℃/1.0kPaである無色透明の留分29.1gとして目的の1,5−ジプロポキシ−1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサンが得られ、単離収率は89.8%であった。
【0051】
[比較例4]1,5−ジプロポキシ−1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサンの合成(リン配位子を添加しない場合)
滴下ロート、還流冷却器(−15℃ブライン冷却)、温度計、撹拌機を備えた200mL四つ口フラスコを窒素置換した。フラスコ内に1−プロパノール18.0g(0.30mol)及びトリルテニウムドデカカルボニル(Strem Chemicals製)10.7mg(16.7μmol)を仕込み、81℃で1時間加熱撹拌した。得られた黄色の溶液を撹拌しながら、滴下ロートから1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン20.9g(0.10mol)を81〜84℃で1.5時間かけて滴下した。滴下にともない発熱と発泡が観察された。滴下終了後、81〜84℃で0.5時間反応を続けると、反応が完結したことがGCにより確認された。全生成物のうち、目的物のGC面積の割合は74.2%であった。目的物のほかに、ジメチルジプロポキシシラン、1,3−ジプロポキシ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,7−ジプロポキシ−1,1,3,3,5,5,7,7−ノナメチルテトラシロキサン及び更に沸点の高いシロキサン群が副生成物として生成していた。
【0052】
[実施例4]1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラプロポキシシクロテトラシロキサンの合成
滴下ロート、還流冷却器、温度計、撹拌機を備えた200mL四つ口フラスコを窒素置換した。フラスコ内に1−プロパノール15.0g(0.25mol)、トリルテニウムドデカカルボニル(Strem Chemicals製)10.7mg(16.7μmol)、トリ−2−フリルフォスフィン3.9mg(17μmol)、及びメタンスルホン酸1.1μL(17μmol)を仕込み、81℃で1時間加熱撹拌した。得られた黄色の溶液を更に96℃に加熱し撹拌しながら、滴下ロートから1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン12.0g(0.05mol)を96〜117℃で4.5時間かけて滴下した。滴下にともなって発泡が観測された。滴下終了後、105〜106℃で1.5時間加熱撹拌を続けると、反応は完結した。反応混合物のGC(TCD)及びGC−MS分析により、目的の1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラプロポキシシクロテトラシロキサン(幾何異性体混合物)が主生成物であることがわかった。全生成物にしめる目的物の割合は88.6%であった。反応混合物を室温に冷却した後減圧蒸留し、沸点102〜110℃/0.15kPaの無色透明留分18.6gとして目的物が得られた。単離収率は78.6%であった。
【0053】
[比較例5]1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラプロポキシシクロテトラシロキサンの合成(リン配位子を添加しない場合)
トリ−2−フリルフォスフィンを添加しなかった以外は実施例4と同様に反応を行った。1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンの滴下終了後、1時間で反応は完結した。反応混合物のGC(TCD)及びGC−MS分析により、目的の1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラプロポキシシクロテトラシロキサン(幾何異性体混合物)が主生成物であることがわかったが、全生成物にしめる目的物の割合は73.7%であった。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、加水分解性基を持つ反応性有機ケイ素化合物として、或いは変性シリコーンポリマー等として工業的に有用な、ケイ素上にオルガノキシ基やヒドロキシル基を有するシロキサン類を不均化や平衡化、再分配等の副反応を抑制しつつ、高収率で簡便かつ安全に製造できる。

Claims (2)

  1. ケイ素−水素結合を有するシロキサンと、下記一般式(1)で表されるヒドロキシル基を有する化合物とを、ルテニウムカルボニル錯体及びリン配位子の存在下に反応させることを特徴とするオルガノキシ基又はヒドロキシル基を有するシロキサンの製造方法。
    Figure 2004067802
    (式中、Rは炭素数1〜20の脂肪族不飽和結合を含まない炭化水素基又は水素原子を表す。)
  2. ケイ素−水素結合を有するシロキサンが、下記一般式(2)で示されるケイ素−水素結合を有する鎖状シロキサン又は下記一般式(3)で示されるケイ素−水素結合を有する環状シロキサンであることを特徴とする下記一般式(6)又は(7)で示されるオルガノキシ基又はヒドロキシル基を有する請求項1記載のシロキサンの製造方法。
    Figure 2004067802
    [式中、R,R,R,R,R及びRは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数1〜10のアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数7〜10のアラルキロキシ基、炭素数6〜10のアリーロキシ基、炭素数3〜10のシクロアルキロキシ基、トリメチルシロキシ基、又は水素原子より独立に選ばれる置換基を表す。Rは炭素数1〜10のアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、又は下記一般式(4)で表される置換シリル基から選択される置換基を表す。
    Figure 2004067802
    (但し、R〜R11は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数1〜10のアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数7〜10のアラルキロキシ基、炭素数6〜10のアリーロキシ基、炭素数3〜10のシクロアルキロキシ基、又は水素原子より独立に選ばれる置換基を表す。)
    は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数7〜10のアラルキロキシ基、炭素数6〜10のアリーロキシ基、炭素数3〜10のシクロアルキロキシ基、水素原子、又は下記一般式(5)で表される置換シリロキシ基から選択される置換基を表す。
    Figure 2004067802
    (但し、R12〜R14は、同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数1〜10のアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数7〜10のアラルキロキシ基、炭素数6〜10のアリーロキシ基、炭素数3〜10のシクロアルキロキシ基、又は水素原子より独立に選ばれる置換基を表す。)
    m,xは0又は1以上の整数、n,yは1以上の整数を表し、xとyの和は3以上である。]
    Figure 2004067802
    [式中、R〜R,R〜R,R,m,n,x及びyは、上記式(1)〜(3)で定義したものと同じである。R’は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、又は下記一般式(8)で表される置換シリル基を表す。
    Figure 2004067802
    (但し、R及びR10は、上記式(4)で定義したものと同じであり、Aは上記式(6)のR11と同じ置換基、又はRO−(Rは炭素数1〜20の脂肪族不飽和結合を含まない炭化水素基又は水素原子を表す)で表される基を表す。)]
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JP2012522738A (ja) * 2009-04-01 2012-09-27 ワッカー ケミー アクチエンゲゼルシャフト 炭化水素オキシケイ素化合物の製造方法

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