JPH11209384A - 特定のγ−アミノプロピルシリル基を有する有機ケイ素化合物の製造方法 - Google Patents

特定のγ−アミノプロピルシリル基を有する有機ケイ素化合物の製造方法

Info

Publication number
JPH11209384A
JPH11209384A JP10006809A JP680998A JPH11209384A JP H11209384 A JPH11209384 A JP H11209384A JP 10006809 A JP10006809 A JP 10006809A JP 680998 A JP680998 A JP 680998A JP H11209384 A JPH11209384 A JP H11209384A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
compound
organosilicon compound
represented
silane
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10006809A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4144926B2 (ja
Inventor
Mamoru Tachikawa
守 立川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DuPont Toray Specialty Materials KK
Original Assignee
Dow Corning Asia Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dow Corning Asia Ltd filed Critical Dow Corning Asia Ltd
Priority to JP00680998A priority Critical patent/JP4144926B2/ja
Publication of JPH11209384A publication Critical patent/JPH11209384A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4144926B2 publication Critical patent/JP4144926B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Abstract

(57)【要約】 【課題】 シランカップリング剤として、あるいはアミ
ノ変性シリコーンの原料として重要なγ−アミノプロピ
ルシラン化合物又はγ−アミノプロピルシロキサン化合
物を高収率、高選択性で容易に製造できる方法を提供す
る。 【解決手段】 SiH官能基を有するアルキルシラン、
アルキルアルコキシシラン、アリールアルコキシシラン
又はシロキサンを、トリアルコキシシラン化合物との共
存下に、触媒量のロジウム化合物によりアリルアミン類
とのヒドロシリル化反応を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はシランカップリング
剤として、またアミノ変性シリコーンの原料として工業
的に重要な特定のγ−アミノプロピルシリル基を有する
有機ケイ素化合物、即ちγ−アミノプロピルアルキルシ
リル基またはγ−アミノプロピルアリールシリル基を有
する有機ケイ素化合物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】γ−アミノプロピル基を有するシラン及
びγ−アミノプロピル基を有するシロキサンは、反応性
のシランカップリング剤として、またシリコーンの側鎖
あるいは末端にアミノ基を導入しアミノ変性シリコーン
を製造する際の原料として工業的に重要なケイ素化合物
である。
【0003】γ−アミノプロピル官能性シランを工業的
に製造する方法としては一般に次の方法がある。すなわ
ち、第1の方法は、アクリロニトリルとヒドロクロロシ
ランのヒドロシリル化反応により、2−シアノエチルシ
ラン化合物を合成し、Si−Cl結合をケイ素−アルコ
キシ結合に変換後、シアノ基の水添によりγ−アミノプ
ロピルアルコキシシランとする方法である。この方法は
ヒドロクロロシランがトリクロロシランの場合は優れて
いるが、メチルジクロロシランの場合にはヒドロシリル
化反応の収率は大幅に低下し、ジアルキルクロロシラン
やトリアルキルシランの場合、反応は進まない。ゆえ
に、γ−アミノプロピルメチルジアルコキシシランの製
法としては効率上問題があり、γ−アミノプロピルジメ
チルアルコキシシラン、あるいはγ−アミノプロピルト
リアルキルシランの製法としては全く適さない。
【0004】第2の方法はクロロプロピルアルコキシシ
ランとアンモニアの反応によるもので、通常γ−クロロ
プロピルアルコキシシランを加圧条件下アンモニアとと
もに加熱し、クロロ基をアミノ基へ置換し、塩化アンモ
ニウムを副生する。この方法の問題点としては次の3点
がある。まず、原料であるγ−クロロプロピルアルコキ
シシランの製造は一般に塩化アリルのヒドロシリル化反
応を用いるが、この反応の収率は低いので、γ−クロロ
アルキルシランは高価である。第2に、アンモニアとの
反応には特殊な反応装置が必要である。第3に、この反
応では固体の塩化アンモニウムが副生するため、この分
離、回収及び処理プロセスが必要とされる。
【0005】第3の方法はアリルアミンのヒドロシリル
化反応を用いるものであり、シランとしてはアルコキシ
シラン、アルキルシラン等、Si−Cl結合を有さない
シランを用いる。この方法では、原理的には所望するγ
−アミノプロピルアルコキシシランがヒドロシリル化反
応のみで製造できるため、合成および精製工程が単純な
優れたプロセスとなりうる。しかし、アリルアミンのヒ
ドロシリル化反応においては、触媒としての白金化合物
の活性は極端に低く、これを用いることは経済的に不利
である。また、白金化合物触媒を用いる場合、このヒド
ロシリル化反応は付加の位置選択性が低く、所望のγ−
アミノプロピルアルコキシシランのほか、多量のβ−ア
ミノ(α−メチル)エチルアルコキシシランを副生す
る。この第3の方法で、触媒として白金化合物の代わり
に、ロジウムの化合物を用いる方法が最近報告された。
それらは、特定の3官能性のリン化合物をロジウムの助
触媒として用いるもの(米国特許No. 4,556,72
2)、特定のリン化合物をポリマーに固定したものをロ
ジウムの担体として用いるもの(DE4435390A
1)及び特定のロジウム化合物と特定の塩基性化合物を
用いるもの(特公平7−96555号公報)がある。こ
れらの触媒はいずれも、高収率、高選択性でγ−アミノ
プロピルアルコキシシランを与えるが触媒活性は必ずし
も高いとはいえないものであり、多量の触媒を必要とす
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】即ち、従来使用されて
いるロジウム触媒等を、アリルアミン化合物とアルキル
ヒドロキシル基またはアリールヒドロキシル基を有する
有機ケイ素化合物(例えば、アルキルジアルコキシシラ
ン、ジアルキルアルコキシシラン、トリアルキルシラ
ン、アリールジアルコキシシラン、アルキルアリールア
ルコキシシラン、アリールジアルキルシラン、1,1,
3,3−テトラメチルジシロキサン及び1,3−ジメチ
ル−1,3−ジフェニルジシロキサンに代表される1個
以上の炭素原子がケイ素に結合した末端SiH官能性ヒ
ドロシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロ
テトラシロキサンに代表される1個以上の炭素原子がケ
イ素に結合した環状のSiH官能性ヒドロシロキサンと
のヒドロシリル化反応に用いた場合、触媒の活性は極め
て低く、かつ容易に失活する。従って、単位触媒量あた
りのγ−アミノプロピルアルキルシリル基またはγ−ア
ミノプロピルアリールシリル基を有する有機ケイ素化合
物の生産性は低く、経済的に見合うに充分な活性を得る
ことができない。
【0007】従って、γ−アミノプロピルアルキルシリ
ル基を有する有機ケイ素化合物(通常はシランまたはポ
リシロキサンである。)の工業上の重要性に鑑み、アリ
ルアミン化合物とアルキルヒドロシリル基を有する有機
ケイ素化合物から高い触媒効率で、γ−アミノプロピル
アルキルシリル基を有する有機ケイ素化合物を高収率、
高選択性で製造する方法の開発が望まれていた。また、
γ−アミノプロピルアリールシリル基を有する有機ケイ
素化合物の場合も同様であった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、ロジウム触
媒及び塩基性化合物存在下での、アルキルヒドロシリル
基またはアリールヒドロシリル基を有する有機ケイ素化
合物(アルキルヒドロシリル基含有シラン、アルキルヒ
ドロシリル基含有ポリシロキサン、アリールヒドロシリ
ル基含有シランまたはアリールヒドロシリル基含有ポリ
シロキサン)とアリルアミンとのヒドロシリル化反応の
反応活性を大幅に向上させる方法として、該ヒドロシリ
ル化反応に供する各成分の他に、特定の有機ケイ素化合
物(ケイ素原子に3個の酸素原子と1個の水素原子が結
合した構造を有するもの)を加えることにより、触媒活
性を大幅に改善し、前記アルキルヒドロシリル基または
アリールヒドロシリル基を有する有機ケイ素化合物をア
リルアミンに高収率で付加できることを見出し、本発明
に到達した。
【0009】即ち、本発明は、(a)ロジウム触媒、
(b)塩基性化合物及び(c)下記一般式(1)で表さ
れる有機ケイ素化合物の存在下、 HSi(OR1)3 (1) (式中、R1 は独立にアルキル基、アリール基又はシリ
ル基から選ばれる有機置換基である。)(d)アルキル
ヒドロシリル基又はアリールヒドロシリル基を有する有
機ケイ素化合物と(e)アリルアミン化合物とを反応さ
せてなるγ−アミノプロピルアルキルシリル基又はγ−
アミノプロピルアリールシリル基を有する有機ケイ素化
合物の製造方法である。
【0010】ここで、(d)アルキルヒドロシリル基ま
たはアリールヒドロシリル基を有する有機ケイ素化合物
とは〔以下、「(d)に規定する有機ケイ素化合物」と
称する。〕とは、−HSiR−(Rはアルキル基または
アリール基である)構造を有するシラン又はシロキサン
のことを指す。具体的には、次のI〜IVにあげるもので
ある。 I.−HSiR−(Rはアルキル基)構造を有するシラ
ン、 II.−HSiR−(Rはアリール基)構造を有するシラ
ン、 III.−HSiR−(Rはアルキル基)構造を有するポ
リシロキサン、又は IV.−HSiR−(Rはアリール基)構造を有するポリ
シロキサン
【0011】前記(d)に規定する有機ケイ素化合物
は、SiH結合を有するケイ素上に置換基として少なく
とも1個のアルキル基、又はアリール基をもつ。アルキ
ル基の例としてはメチル基、エチル基、n−プロピル
基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、ネ
オペンチル基、n−ヘキシル基に代表される炭素数1〜
6の1級炭化水素基;イソプロピル基、sec−ブチル
基に代表される炭素数3〜6の2級炭化水素基;t−ブ
チル基、t−アミル基に代表される炭素数4〜6の3級
の飽和炭化水素基があり、アリール基の例としては、フ
ェニル基、トリル基、キシリル基がある。
【0012】ケイ素上に存在してもよいこれら以外の置
換基としてはメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ
基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ
基に代表されるアルコキシ基;フェノキシ基、トリロキ
シ基、キシロキシ基に代表されるアリロキシ基;および
トリメチルシロキシ基、トリエチルシロキシ基、ジメチ
ルフェニルシロキシ基に代表されるシラン由来のシロキ
シ基;及びペンタメチルジシロキサノキシ基に代表され
るシロキサン由来のシロキシ基を挙げることができる。
【0013】前記(d)に規定する有機ケイ素化合物と
しては、アルコキシ基、アリーロキシ基及びシロキシ基
のいずれも含まないアルキルシランまたはアリールシラ
ン、モノアルコキシシラン、モノアリーロキシシラン、
モノシロキシシラン、ジアルコキシシラン、ジアリーロ
キシシラン、アルコキシアリーロキシシラン、ジシロキ
サン(環状シロキサンを含む)等がある。
【0014】前記アルコキシ基、アリーロキシ基および
シロキシ基のいずれも持たないアルキルシランまたはア
リールシランの具体例を挙げると、トリメチルシラン、
トリエチルシラン、トリ(n−プロピル)シラン、トリ
(i−プロピル)シラン、ジメチルエチルシラン、ジメ
チル(n−ブチル)シラン、ジメチル(i−プロピル)
シラン、メチルジエチルシラン、メチルジ(n−プロピ
ル)シランに代表されるトリアルキルシラン、ジメチル
フェニルシラン、メチルジフェニルシランに代表される
アルキルアリールシラン、およびトリフェニルシランに
代表されるトリアリールシランがある。
【0015】前記モノアルコキシシランとして例示でき
るものには、ジメチルメトキシシラン、ジメチルエトキ
シシラン、ジメチル(n−プロポキシ)シラン、ジメチ
ル(i−プロポキシ)シラン、ジメチル(n−ブトキ
シ)シラン、ジメチル(i−ブトキシ)シラン、ジメチ
ル(sec−ブトキシ)シラン、ジメチル(t−ブトキ
シ)シラン、ジメチル(n−ヘキシロキシ)シラン、エ
チルメチルメトキシシラン、エチルメチルエトキシシラ
ン、エチルメチル(n−プロポキシ)シランに代表され
るジアルキルアルコキシシラン;フェニルメチルメトキ
シシラン、フェニルメチルエトキシシラン、フェニルメ
チル(n−プロポキシ)シランに代表されるアルキルア
リールアルコキシシランがある。
【0016】前記モノアリーロキシシランとしてはジメ
チルフェノキシシラン、ジメチルトリロキシシラン、メ
チルフェニルフェノキシシランを例示できる。
【0017】前記モノシロキシシランとしてはペンタメ
チルジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチルフェ
ニルシロキサン、1,1,3,3−テトラメチルジシロ
キサンに代表されるジシロキサン、1,1,1,3,
3,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン、1,1,
3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサンに代表さ
れるトリシロキサンの他、1,1,1,3,3,5,
5,7,7−ノナメチルテトラシロキサンをはじめとす
る片末端ジメチルシリル基停止直鎖シロキサン;1,
1,3,3,5,5,7,7−オクタメチルテトラシロ
キサンをはじめとする両末端ジメチルシリル基停止直鎖
シロキサン;及びトリス(ジメチルシロキシ)メチルシ
ラン、テトラキス(ジメチルシロキシ)シランに代表さ
れる末端ジメチルシリル基停止分岐シロキサンがある。
【0018】前記ジアルコキシシランとしてはメチルジ
メトキシシラン、メチルジエトキシシラン、メチルジ
(n−プロポキシ)シラン、メチルジ(i−プロポキ
シ)シラン、メチルジ(n−ブトキシ)シラン、メチル
ジ(i−ブトキシ)シラン、メチルジ(sec−ブトキ
シ)シラン、メチルジ(n−ヘキシロキシ)シラン、エ
チルジメトキシシラン、エチルジエトキシシラン、エチ
ルジ(n−プロポキシ)シラン、フェニルジメトキシシ
ラン、フェニルジエトキシシランがある。
【0019】ジアリーロキシシランとしてはメチルジフ
ェノキシシラン、エチルジフェノキシシラン、フェニル
ジフェノキシシランを例示できる。
【0020】前記アルコキシアリーロキシシランとして
はメチル(メトキシ)フェノキシシラン、エチル(エト
キシ)フェノキシシラン、フェニル(メトキシ)フェノ
キシシランを例示できる。
【0021】前記ジシロキシシランとしては1,1,
1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサンに代
表されるトリシロキサン;1,1,1,3,3,5,
7,7,7−ノナメチルテトラシロキサンをはじめとす
る両末端トリメチルシリル基停止直鎖シロキサン;およ
び1,1,3,3,5,5,7−ヘプタメチルシクロテ
トラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロ
テトラシロキサンに代表される環状シロキサンを例示す
ることが出来る。
【0022】これら以外に、前記(d)に規定する有機
ケイ素化合物として、1,1,3,5,5−ペンタメチ
ルトリシロキサン、1,1,3,5,5,7,7−ヘプ
タメチルテトラシロキサンに代表されるモノシロキシシ
ラン構造とジシロキシシラン構造の共存するシロキサン
を例示できる。
【0023】前記(c)に規定する有機ケイ素化合物
は、ケイ素原子に3個の酸素原子と1個の水素原子が結
合した構造を有するものであり、具体的には次の一般式
(1)で表されるものである。 HSi(OR1)3 (1) (式中、R1 は独立にアルキル基、アリール基又はシリ
ル基から選ばれる置換基である)この−OR1 は具体的
には、アルコキシ基、アリーロキシ基又はシロキシ基と
なる。これらの代表的な例としては、トリアルコキシシ
ラン、トリアリーロキシシラン、トリシロキシシラン等
があげられる。尚、−OR1 がシロキシ基である場合、
本発明の効果を損なわない限り該シロキシ基は−OSi
(CH3) 2 O−構造を有するものであっても構わない。
【0024】前記トリアルコキシシランとしてはトリメ
トキシシラン、トリエトキシシラン、トリ(n−プロポ
キシ)シラン、トリ(イソプロポキシ)シラン、トリ
(n−ブトキシ)シラン等を挙げることが出来る。
【0025】前記トリアリーロキシシランとしてはトリ
フェノキシシラン、トリトリロキシシラン等を挙げるこ
とが出来る。
【0026】前記トリシロキシシランとしてはトリス
(トリメチルシロキシ)シラン、トリス(トリエチルシ
ロキシ)シラン、トリス(シロキサノキシ)シラン類等
を挙げることが出来る。
【0027】本発明に使用される前記(e)アリルアミ
ン化合物は下記式(6)で表わされるものであり、その
例としては、アリルアミン、N,N−ジメチルアリルア
ミン、N,N−ジエチルアリルアミン、N−メチルアリ
ルアミンなどが挙げられるが、これらに限定されるもの
ではない。好適には、アリルアミンが用いられる。
【0028】
【化1】
【0029】(ここに、R1 及びR2 は、それぞれ独立
に、水素原子、−CH2 CH2 NH 2 ,−CH2 CH2
NHCH2 CH2 NH2 、炭素数1〜6のアルキル基、
炭素数2〜6のアルケニル基、フェニル基又は置換フェ
ニル基であり、R3 は、水素原子または炭素数1〜6の
アルキル基である。)
【0030】本発明製造方法により得られるγ−アミノ
プロピルアルキルシリル基を有する有機ケイ素化合物と
は−GSiR′−(R′はアルキル基、Gはγ−アミノ
プロピル基である)構造を有するシラン又はシロキサン
のことを指す。具体例としては、γ−アミノプロピルア
ルキルシランまたはγ−アミノプロピルアルキルシリル
基を有するポリシロキサンを挙げることができる。ま
た、同じくγ−アミノプロピルアリールシリル基を有す
る有機ケイ素化合物とは−GSiR″−(R″はアリー
ル基、Gはγ−アミノプロピル基である)構造を有する
シラン又はシロキサンのことを指す。具体例としては、
γ−アミノプロピルアリールシランまたはγ−アミノプ
ロピルアリールシリル基を有するポリシロキサンを挙げ
ることができる。
【0031】前記(d)に規定する有機ケイ素化合物の
好ましいものの1つは、次式(3) HSiR2 3 4 (3) (式中、R2 はメチル基、エチル基、或いはフェニル基
を表し、R3 及びR4はメチル基、エチル基、フェニル
基、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基から選ばれ
る1価の置換基を表す。)で示される化合物である。
【0032】本発明の好ましい1つの態様は、前記
(c)に規定する有機ケイ素化合物が次の一般式(2)
で表されるものであり、 HSi(OR5)3 (2) (式中R5 はそれぞれ独立に次の中から選ばれる有機置
換基を表す:メチル基、エチル基、n−プロピル基、イ
ソプロピル基、フェニル基及びトリメチルシリル基。) 前記(d)に規定する有機ケイ素化合物が上記一般式
(3)で表されるものである場合である。
【0033】前記(d)に規定する有機ケイ素化合物の
好ましいものの他の例は、次式(4) R6 SiMe2(OSiMeR6)n OSiMe2 6 (4) (式中、R6 は少なくともその内の1個が水素原子であ
り、それぞれ独立に水素原子又はメチル基であって、M
eはメチル基を表し、nは0〜100の範囲の数を表
す。)で示されるシロキサンである。
【0034】本発明の好ましい他の態様は、前記(c)
に規定する有機ケイ素化合物が前記一般式(2)で表さ
れるものであり、前記(d)に規定される有機ケイ素化
合物が前記一般式(4)で表される直鎖状ポリシロキサ
ンである場合である。
【0035】前記(d)に規定する有機ケイ素化合物の
好ましいものの他の例は、次式(5) (OSiMeR6)n (5) (式中、R6 は少なくともその内1個が水素原子であ
り、それぞれ独立に水素原子又はメチル基であって、M
eはメチル基を表し、nは3〜10の範囲の正の数を表
す。)で示されるシロキサンである。
【0036】本発明の好ましい他の態様は前記(c)に
規定する有機ケイ素化合物が前記一般式(2)で表され
るものであり、前記(d)に規定する有機ケイ素化合物
が前記一般式(5)で表される環状ポリシロキサンであ
る場合である。
【0037】本態様に用いる(d)および(c)に規定
する有機ケイ素化合物の使用比率は特に限定されるもの
でないが、(c)に規定する有機ケイ素化合物のSi−
Hの量が(d)に規定する有機ケイ素化合物のSi−H
の量に比べ極端に少ない場合、本発明の効果は限定され
る。ゆえに、(c)に規定する有機ケイ素化合物は
(d)に規定する有機ケイ素化合物に対して、10モル
%以上あることが望ましい。特に本発明の効果を十分に
利用するためには、20モル%以上あることが望まし
い。上限も特に限定されるものではないが、(d)に規
定する有機ケイ素化合物が(c)に規定する有機ケイ素
化合物に対して、10モル%以下になると、(d)に規
定する有機ケイ素化合物からのγ−アミノプロピルシラ
ン化合物の製造という本発明の本来の目的が効率的に行
なわれず、好ましくない。
【0038】(d)および(c)に規定する有機ケイ素
化合物の添加方法は特に限定されないが、工程上望まし
い方法としては両者の混合物をあらかじめ反応容器中に
入れておくことも、これを反応容器に反応の進行ととも
に添加することもできるし、(d)に規定する有機ケイ
素化合物とアリルアミンの混合物の入った反応容器に反
応の進行と共に(c)に規定する有機ケイ素化合物を添
加することもできる。
【0039】反応に用いるアリルアミンとヒドロシラン
(d)及び(c)に規定する有機ケイ素化合物のSi−
H官能基の和)の比率は特に限定されるものではない
が、モル比が10:1以上あるいは1:10以下では製
造効率が低く、原料回収が必須になり、故に、より反応
の化学量論に近い値、具体的にはモル比で1:2から
2:1の間が好ましい。
【0040】本発明に用いるロジウム触媒は1価、2価
あるいは3価のロジウム化合物で有機あるいは無機の配
位子を有するものを好適に用いることができる。1価の
ロジウム化合物の例としてはL2 RhXで表わされる錯
化合物があり、ここにLはエチレン、プロピレン、スチ
レン、シクロオクテン、ノルボルネンに代表されるモノ
オレフィンであることができ、L2 は2つのLがつなが
ったもので、1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエ
ン、イソプレン、1,3−シクロヘキサジエン、2,3
−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,5−シクロオク
タジエン、ノルボルナジエン、ジシクロペンタジエンに
代表されるジエン類であることができる。Xはアセチル
アセトナートアニオン、シクロペンタジエニルアニオ
ン、π−アリルアニオンに代表されるキレート性の一価
のアニオン配位子であり得る。即ち、前記ロジウム触媒
は、具体的にはビス(エチレン)ロジウム(I)アセチ
ルアセトナート、(1,5−シクロオクタジエン)ロジ
ウム(I)アセチルアセトナート、ビス(スチレン)ロ
ジウム(I)シクロペンタジエニル、(1,3−ブタジ
エン)ロジウム(I)シクロペンタジエニル、ビス(シ
クロオクテン)ロジウム(I)π−アリル、(ノルボル
ナジエン)ロジウム(I)π−アリル、を例示すること
ができる。また他の1価のロジウム化合物の例としては
(L2 RhY) 2 で表わされる二核錯化合物があり、こ
こに、Lはエチレン、プロピレン、スチレン、シクロオ
クテン、ノルボルネンに代表されるモノオレフィンであ
ることができ、L2 は1,3−ブタジエン、1,3−ペ
ンタジエン、イソプレン、1,3−シクロヘキサジエ
ン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,5−
シクロオクタジエン、ノルボルナジエン、ジシクロペン
タジエンに代表されるジエン類であることができ、Yは
クロライドアニオン、ブロマイドアニオン、アセトキシ
アニオン、ヒドロキシアニオン、メトキシドアニオン、
ヒドリドアニオン、メチルアニオン、に代表される架橋
性の一価のアニオン配位子であり得る。即ち、この種の
ロジウム化合物の具体例としては、ジ−μ−クロロビス
(1,5−シクロオクタジエン)ジロジウム(I)、ジ
−μ−クロロビス(ノルボルナジエン)ジロジウム
(I)、ジ−μ−メトキシビス(1,3−ブタジエン)
ジロジウム(I)、ジ−μ−メチルビス(1,5−シク
ロオクタジエン)ジロジウム(I)、ジ−μ−ヒドリド
ビス(1,5−シクロオクタジエン)ジロジウム
(I)、ジ−μ−クロロテトラキス(シクロオクテエ
ン)ジロジウム(I)等の錯化合物を例示することがで
きる。
【0041】2価のロジウム化合物としてはテトラキス
(アセテート)ジロジウムを例示でき、3価のロジウム
化合物としては塩化ロジウム(III )、臭化ロジウム
(III)、ヘキサクロロロジウム(III )、トリス(n
−ブチルスルフィド)塩化ロジウム(III )、ジ−μ−
クロロテトラ−π−アリルロジウム(III )を例示でき
る。
【0042】本発明においては、ロジウム触媒とともに
塩基性化合物を使用する。この塩基性化合物は本発明製
造方法の収率に悪影響を与えないものであれば格別限定
されるものではない。好適な塩基性化合物の例として
は、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウムに代表
されるアルカリ金属の化合物がある。このような化合物
の例としては、前記金属の水素化物、アルキル化合物、
アリール化合物、水酸化物、酸化物、アルコキシド、ア
リーロキシド、シラノレートおよびシロキサノレート等
がある。また、この他に前記塩基性化合物の例として、
四級アンモニウム塩もあり、このような塩としてはテト
ラメチルアンモニウム水酸化物、テトラエチルアンモニ
ウム水酸化物、テトラ(n−ブチル)アンモニウム水酸
化物、トリメチルオクチルアンモニウム水酸化物を挙げ
ることができる。
【0043】高い触媒効率を得るためには前記のロジウ
ム触媒と前記の塩基性化合物を特定の混合比率で用いる
ことは非常に重要である。好ましい混合比は原料のロジ
ウム化合物によって異なり、具体的には、1価のロジウ
ム化合物でアニオンがアルコキシ基、ヒドロキシル基、
シロキシ基、フェノキシ基の場合は、ロジウム1グラム
原子に対して、塩基性化合物を0.5モルから1.0モ
ル、1価のロジウム化合物でアニオンが塩化物イオン、
臭化物イオン、ヨウ化物イオンの場合は、ロジウム1グ
ラム原子に対して、塩基性化合物を1.5モルから2.
0モル、3価のロジウム化合物でアニオンが塩化物イオ
ン、臭化物イオン、ヨウ化物イオンの場合は、ロジウム
1グラム原子に対して塩基性化合物を3.5モルから
4.0モル添加する必要がある。ただし溶媒及びフィー
ド中に含まれる酸性不純物の量に応じて、これを中和す
るのに要する塩基性化合物をさらに添加する必要があ
る。
【0044】本発明で触媒として用いるロジウムは非常
に高価な金属であり、ゆえに、本発明の合成反応を経済
的に行なうにあっては、高い触媒効率が要求される。具
体的には、触媒金属1モルで、少なくとも104 モルの
アリルアミン化合物並びに(d)および(c)に規定す
る有機ケイ素化合物を用いる条件で反応を行なう。より
好ましくは、触媒金属1モルに対して105 モルから1
6 モルのアリルアミン化合物を用いる条件で反応を行
なう。
【0045】反応温度は80℃以上が好ましく、100
℃から200℃が最適である。
【0046】本発明では本質的には溶媒を用いる必要は
ないが、混合溶媒の沸点の制御ならびに触媒成分の添加
を容易にするため炭化水素化合物を反応溶媒あるいは触
媒成分の溶媒として用いることができる。
【0047】本発明の好ましい態様として次のものが挙
げられる。 1.前記(a)ロジウム触媒の添加量がロジウム金属換
算で前記(d)に規定する有機ケイ素化合物に対して
0.0001mol %以上0.05mol %以下の範囲にあ
る本発明製造方法。 2.前記(a)ロジウム触媒の添加量がロジウム金属換
算で前記(d)に規定する有機ケイ素化合物に対して
0.001mol %以上0.01mol %以下の範囲にある
本発明製造方法。
【0048】本発明製造方法の実施にあたって、反応生
成混合物中に存在するγ−アミノプロピルアルキルヒド
ロシリル基またはγ−アミノプロピルアリールシリル基
を有する有機ケイ素化合物は、通常公知の方法により副
生物を分離して各種用途に使用される。副生物を分離す
る工業的方法としては、蒸留法が適している。例えば、
本発明製造方法によりγ−アミノプロピルアルキルシラ
ンを製造する場合、生成するγ−アミノプロピルアルキ
ルシランと副生する有機ケイ素化合物とでは、必然的に
ケイ素原子に結合するアルキル置換基の個数が異なるの
で、それぞれのケイ素原子の極性およびルイス酸性が大
きく異なってくる。この場合、通常の分留による分離も
可能であるが、共沸蒸留あるいは抽出蒸留を用いれば、
より効率的に分離を行なうことができる。副生物は原料
に対応するものであるが、その例としてはγ−アミノプ
ロピルトリアルコキシシラン、γ−アミノプロピルトリ
アリーロキシシラン等が挙げられる。
【0049】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。な
お、以下に示す例中の生成物の同定はガスクロマトグラ
フ/質量分析器およびガスクロマトグラフ(GC)によ
る標準サンプルとの比較で行ない、生成物の定量はガス
クロマトグラフを用いて行なった。以下の例で用いたア
ルコキシシラン化合物、アルキルシラン化合物及びシロ
キサンは市販のものあるいは公知の方法によって合成し
たものである。アリルアミン(H2 NCH2 CH=CH
2 )は市販のものを蒸留後、モレキュラーシーブ4Aを
加え保存した。塩基は市販のものをそのまま用いた。次
に実施例及び比較例に用いた反応基質及び触媒原料につ
いて説明する。
【0050】(参考例 1) (n−ブチルスルフィド−塩化ロジウム錯体のトルエン
溶液の調製)三塩化ロジウム水和物(0.45g)とn
−ブチルスルフィド(0.75g)を2gのメタノール
に溶解し約3時間加熱した。揮発成分を50℃で真空溜
去し、残渣をトルエンに溶解し25mlとした。
【0051】(実施例 1) (混合物シランフィード法によるγ−アミノプロピル
(メチル)ジエトキシシランの製造)テフロンマグネチ
ック攪拌子の入ったストップコック付きのガラス製反応
管にカリウムトリメチルシラノレート(0.453μmo
l )のエタノール溶液(9μl)を加えた。減圧下でエ
タノールを除去し、反応管を窒素で満たした。これにア
リルアミン(225mg)、メチルジエトキシシラン(2
60mg)、トリエトキシシラン(319mg)およびキシ
レン(52.6mg)の混合物1ミリリットルを注射器を
用いて添加した。次にジクロロビス(1,5−シクロオ
クタジエン)ジロジウム(ロジウムとして0.025μ
mol )のトルエン溶液をマイクロシリンジを用いて加え
た。ストップコックを閉じ、反応管を108℃のオイル
バスにいれ1時間加熱した。冷却後、内容物をガスクロ
マトグラフを用いて分析するとアリルアミンおよびメチ
ルジエトキシシランの転化率はそれぞれ85%および8
0.8%であり、仕込み量のメチルジエトキシシランに
対するγ−アミノプロピル(メチル)ジエトキシシラン
収率は78%であった。β−アミノイソプロピルシラン
の生成量はγ−アミノプロピルシランの0.5%以下で
あった。
【0052】(実施例 2) (混合物シランフィード法によるγ−アミノプロピル
(ジメチル)エトキシシランの製造)テフロンマグネチ
ック攪拌子の入ったストップコック付きのガラス製反応
管にナトリウムトリメチルシラノレート(0.406μ
mol )のエタノール溶液(7μl)を加えた。減圧下で
エタノールを除去し、反応管を窒素で満たした。これに
アリルアミン(240mg)、ジメチルエトキシシラン
(215mg)、トリエトキシシラン(344mg)および
キシレン(35.8mg)の混合物1ミリリットルを注射
器を用いて添加した。次にジクロロテトラキス(シクロ
オクテン)ジロジウム(ロジウムとして0.028μmo
l )のトルエン溶液をマイクロシリンジを用いて加え
た。ストップコックを閉じ、反応管を108℃のオイル
バスにいれ1時間加熱した。冷却後、内容物をガスクロ
マトグラフを用いて分析するとアリルアミンおよびジメ
チルエトキシシランの転化率はそれぞれ76%および6
5.7%、であり、仕込み量のジメチルエトキシシラン
に対するγ−アミノプロピル(ジメチル)エトキシシラ
ンの収率は62.0%であった。β−アミノイソプロピ
ルシランの生成量はγ−アミノプロピルシランの0.3
%以下であった。
【0053】(実施例 3) (混合物シランフィード法によるγ−アミノプロピルト
リエチルシランの製造)テフロンマグネチック攪拌子の
入ったストップコック付きのガラス製反応管にカリウム
t−ブトキシド(0.51μmol )のエタノール溶液
(11μl)を加えた。減圧下でエタノールを除去し、
反応管を窒素で満たした。これにアリルアミン(216
mg)、トリエチルシラン(229mg)、トリエトキシシ
ラン(269mg)およびキシレン(100.8mg)の混
合物1ミリリットルを注射器を用いて添加した。次に参
考例1で調製したロジウムトリクロライド−n−ブチル
スルフィド錯体(ロジウムとして0.035μmol )の
トルエン溶液をマイクロシリンジを用いて加えた。スト
ップコックを閉じ、反応管を110℃のオイルバスにい
れ30分間加熱した。冷却後、内容物をガスクロマトグ
ラフを用いて分析するとアリルアミンおよびトリエチル
シラン転化率はそれぞれ60%および33%、であり、
仕込み量のトリエチルシランに対するγ−アミノプロピ
ルトリエチルシランの収率は29%であった。β−アミ
ノイソプロピルシランの生成量はγ−アミノプロピルシ
ランの0.5%以下であった。
【0054】(実施例 4) (混合物シランフィード法による1,3−ジ(γ−アミ
ノプロピル)テトラメチルジシロキサンの製造)テフロ
ンマグネチック攪拌子の入ったストップコック付きのガ
ラス製反応管にカリウムトリメチルシラノレート(0.
402μmol )のエタノール溶液(8μl)を加えた。
減圧下でエタノールを除去し、反応管を窒素で満たし
た。これにアリルアミン(222mg)、テトラメチルジ
シロキサン(134mg)、トリエトキシシラン(310
mg)た。次にジクロロビス(1,5−シクロオクタジエ
ン)ジロジウム(ロジウムとして0.025μmol )の
トルエン溶液をマイクロシリンジを用いて加えた。スト
ップコックを閉じ、反応管を108℃のオイルバスにい
れ3.5時間加熱した。冷却後、内容物をガスクロマト
グラフを用いて分析するとアリルアミン、テトラメチル
ジシロキサンの転化率はそれぞれ85%、86.6%、
であり、仕込量の1,1,3,3−テトラメチルジシロ
キサンに対するγ−アミノプロピルジメチルシロキシ基
の収率は69.2%であった。β−アミノイソプロピル
シリル基の生成量はγ−アミノプロピルシランの0.5
%以下であった。
【0055】(比較例 1) (γ−アミノプロピル(メチル)ジエトキシシランの製
造)テフロンマグネチック攪拌子の入ったストップコッ
ク付きのガラス製反応管にカリウムトリメチルシラノレ
ートのエタノール溶液(0.05μmol /μl)をそれ
ぞれ7μl,8μl,9μl,10μl,12μl加え
た。減圧下でエタノールを除去し、反応管を窒素で満た
した。アリルアミン(238mg)、メチルジエトキシシ
ラン(556mg)およびキシレン(42.4mg)の混合
物1ミリリットルずつを注射器を用いて各反応管に添加
した。次にそれぞれの反応管にジクロロビス(1,5−
シクロオクタジエン)ジロジウム(ロジウムとして0.
0253μmol )のトルエン溶液をマイクロシリンジを
用いて加えた。ストップコックを閉じ、反応管を108
℃のオイルバスにいれ1時間加熱した後、内容物をガス
クロマトグラフを用いて分析すると各反応管のアリルア
ミンおよびメチルジエトキシシランの転化率および、仕
込み量に対するγ−アミノプロピル(メチル)ジエトキ
シシランの収率は表1の様であった。β−アミノイソプ
ロピルシランの生成量はγ−アミノプロピルシランの
0.1%以下であった。これからほぼ最良の条件での仕
込み量に対するγ−アミノプロピル(メチル)ジエトキ
シシランの収率は、せいぜい約22%であることがわか
った。
【0056】 〔表1〕 KOSiMe3 添加量 アリルアミン シラン添加率 アミノプロピル化合物(マイクロモル) 添加率(%) (%) の収率(モル%) 0.35 5.36 7.6 0.1 0.40 11.7 15.1 9.16 0.45 18.8 19.5 13.2 0.50 29.6 29.1 21.70.60 9.9 24.6 0.07
【0057】(比較例 2) (アリルアミンとジメチルエトキシシランの反応)テフ
ロンマグネチック攪拌子の入ったストップコック付きの
ガラス製反応管にカリウムトリメチルシラノレートのエ
タノール溶液(0.05μmol /μl)をそれぞれ8μ
l,9μl,10μl,12μl,14μl,16μl
加えた。減圧下でエタノールを除去し、反応管を窒素で
満たした。アリルアミン(270mg)、メチルジエトキ
シシラン(495mg)およびキシレン(61mg)の混合
物1ミリリットルずつを注射器を用いて各反応管に添加
した。次にそれぞれの反応管にジクロロビス(1,5−
シクロオクタジエン)ジロジウム(ロジウムとして0.
051μmol )のトルエン溶液をマイクロシリンジを用
いて加えた。ストップコックを閉じ、反応管を108℃
のオイルバスにいれ4時間加熱した後、内容物をガスク
ロマトグラフを用いて分析するといずれの反応管中の反
応物にも目的のγ−アミノプロピルジメチルエトキシシ
ランは見出されなかった。すなわち、ロジウム化合物−
塩基性化合物の比に拘わらず、この反応は目的とする化
合物を与えなかった。
【0058】(比較例 3) (アリルアミンとトリエチルシランの反応)テフロンマ
グネチック攪拌子の入ったストップコック付きのガラス
製反応管にカリウムトリメチルシラノレート(0.55
μmol )のエタノール溶液(11μl)を加えた。減圧
下でエタノールを除去し、反応管を窒素で満たした。こ
れにアリルアミン(243mg)、トリエチルシラン(4
56mg)およびキシレン(48mg)の混合物1ミリリッ
トルを注射器を用いて添加した。次に参考例1で調製し
たロジウムトリクロライド−n−ブチルスルフィド錯体
(ロジウムとして0.051μmol )のトルエン溶液を
マイクロシリンジを用いて加えた。ストップコックを閉
じ、反応管を108℃のオイルバスにいれ2時間加熱し
た。冷却後、内容物をガスクロマトグラフを用いて分析
するとγ−アミノプロピルトリエチルシランの生成はま
ったく認められなかった。塩基の添加量を4μlから1
6μlの範囲で変えた反応の結果も同様であった。
【0059】(比較例 4)(アリルアミンと1,1,
3,3−テトラメチルジシロキサンの反応)テフロンマ
グネチック攪拌子の入ったストップコック付きのガラス
製反応管(9本)にカリウムトリメチルシラノレート
(0.010μmol から0.10μmol の9点)のエタ
ノール溶液(2μlから20μl)を加えた。減圧下で
エタノールを除去し、反応管を窒素で満たした。それぞ
れのガラス管にアリルアミン(245mg)、1,1,
3,3−テトラメチルジシロキサン(289mg)および
キシレン(211mg)の混合物1ミリリットルを注射器
を用いて添加した。次にジクロロビス(1,5−シクロ
オクタジエン)ジロジウム(ロジウムとして0.025
3μmol )のトルエン溶液をマイクロシリンジを用いて
加えた。ストップコックを閉じ、反応管を108℃のオ
イルバスにいれ3時間加熱した。冷却後、内容物をガス
クロマトグラフを用いて分析するといずれの反応物にも
γ−アミノプロピルテトラメチルジシロキサンおよび
1,3−ジ(γ−アミノプロピル)テトラメチルジシロ
キサンは検出されなかった。
【0060】
【発明の効果】本発明によりシランカップリング剤また
はアミノ変性シリコーンオイルの原料として重要なγ−
アミノプロピルアルキルシリル基またはγ−アミノプロ
ピルアリールシリル基を有する有機ケイ素化合物をアル
キルヒドロシリル基またはアリールヒドロシリル基を有
する有機ケイ素化合物(例えば、SiH官能基を有する
アルキルシラン、SiH官能基を有するアルキルアルコ
キシシラン又はSiH官能基を有するアルキルシロキサ
ン等)とアリルアミン化合物のヒドロシリル化反応によ
り高収率、高選択性で容易に製造することが可能になっ
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)ロジウム触媒、(b)塩基性化合
    物及び(c)下記一般式(1)で表される有機ケイ素化
    合物の存在下、 HSi(OR1)3 (1) (式中、R1 は独立にアルキル基、アリール基又はシリ
    ル基から選ばれる有機置換基である。)(d)アルキル
    ヒドロシリル基又はアリールヒドロシリル基を有する有
    機ケイ素化合物と(e)アリルアミン化合物とを反応さ
    せてなるγ−アミノプロピルアルキルシリル基又はγ−
    アミノプロピルアリールシリル基を有する有機ケイ素化
    合物の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記(c)に規定する有機ケイ素化合物
    が次の一般式(2)で表されるものであり、 HSi(OR5)3 (2) (式中R5 はそれぞれ独立に次の中から選ばれる有機置
    換基を表す:メチル基、エチル基、n−プロピル基、イ
    ソプロピル基、フェニル基及びトリメチルシリル基。) 前記(d)アルキルヒドロシリル基またはアリールヒド
    ロシリル基を有する有機ケイ素化合物が次の一般式
    (3)、 HSiR2 3 4 (3) (式中、R2 はメチル基、エチル基又はフェニル基を表
    し、R3 及びR4 はそれぞれ独立に次の中から選ばれる
    置換基を表す:メチル基、エチル基、フェニル基、メト
    キシ基、エトキシ基及びフェノキシ基。)で表されるも
    のである請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記(c)に規定する有機ケイ素化合物
    が請求項2に記載の一般式(2)で表されるものであ
    り、前記(d)アルキルヒドロシリル基またはアリール
    ヒドロシリル基を有する有機ケイ素化合物が次の一般式
    (4) R6 Me2 Si(OSiMeR6)n OSiMe2 6 (4) (式中、R6 はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基で
    ある。但し、この有機ケイ素化合物1分子が有するR6
    のうち少なくとも1個は水素原子である。Meはメチル
    基を表す。nは0以上100以下の数である。)で表さ
    れる直鎖状ポリシロキサンである請求項1記載の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記(c)に規定する有機ケイ素化合物
    が請求項2に記載の一般式(2)で表されるものであ
    り、前記(d)アルキルヒドロシリル基またはアリール
    ヒドロシリル基を有する有機ケイ素化合物が次の一般式
    (5)で表される環状ポリシロキサンである請求項1記
    載の製造方法。 (OSiMeR6)n (5) (式中、R6 はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基で
    ある。但し、この有機ケイ素化合物1分子が有するR6
    のうち少なくとも1個は水素原子である。Meはメチル
    基を表す。nは3以上10以下の数である。)
JP00680998A 1998-01-16 1998-01-16 特定のγ−アミノプロピルシリル基を有する有機ケイ素化合物の製造方法 Expired - Fee Related JP4144926B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP00680998A JP4144926B2 (ja) 1998-01-16 1998-01-16 特定のγ−アミノプロピルシリル基を有する有機ケイ素化合物の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP00680998A JP4144926B2 (ja) 1998-01-16 1998-01-16 特定のγ−アミノプロピルシリル基を有する有機ケイ素化合物の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11209384A true JPH11209384A (ja) 1999-08-03
JP4144926B2 JP4144926B2 (ja) 2008-09-03

Family

ID=11648533

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP00680998A Expired - Fee Related JP4144926B2 (ja) 1998-01-16 1998-01-16 特定のγ−アミノプロピルシリル基を有する有機ケイ素化合物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4144926B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6339137B1 (en) 2000-03-22 2002-01-15 Archimica (Florida) Inc. Poly (aminoorganofunctionalsiloxanes)
US6353073B1 (en) 2000-03-22 2002-03-05 Archimica (Florida), Inc. Poly (aminoorganofunctionaldisiloxanes)
JP2008184511A (ja) * 2007-01-29 2008-08-14 Sunstar Engineering Inc 洗浄剤組成物
JP2014105163A (ja) * 2012-11-26 2014-06-09 Shin Etsu Chem Co Ltd アルコキシシリル基含有ノルボルニル化合物の製造方法
CN106496261A (zh) * 2016-08-31 2017-03-15 成都正威新材料研发有限公司 一种含硅氧烷二胺的制备方法
WO2021108068A1 (en) 2019-11-26 2021-06-03 Dow Silicones Corporation Processes for making polysiloxazanes and using same for producing amino-functional polyorganosiloxanes
WO2022246363A1 (en) 2021-05-18 2022-11-24 Dow Silicones Corporation Processes for making polysiloxazanes and using same for producing amino-functional polyorganosiloxanes

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6339137B1 (en) 2000-03-22 2002-01-15 Archimica (Florida) Inc. Poly (aminoorganofunctionalsiloxanes)
US6353073B1 (en) 2000-03-22 2002-03-05 Archimica (Florida), Inc. Poly (aminoorganofunctionaldisiloxanes)
JP2008184511A (ja) * 2007-01-29 2008-08-14 Sunstar Engineering Inc 洗浄剤組成物
JP2014105163A (ja) * 2012-11-26 2014-06-09 Shin Etsu Chem Co Ltd アルコキシシリル基含有ノルボルニル化合物の製造方法
CN106496261A (zh) * 2016-08-31 2017-03-15 成都正威新材料研发有限公司 一种含硅氧烷二胺的制备方法
CN106496261B (zh) * 2016-08-31 2019-04-05 成都正威新材料研发有限公司 一种含硅氧烷二胺的制备方法
WO2021108068A1 (en) 2019-11-26 2021-06-03 Dow Silicones Corporation Processes for making polysiloxazanes and using same for producing amino-functional polyorganosiloxanes
US11760839B2 (en) 2019-11-26 2023-09-19 Dow Silicones Corporation Processes for making polysiloxazanes and using same for producing amino-functional polyorganosiloxanes
WO2022246363A1 (en) 2021-05-18 2022-11-24 Dow Silicones Corporation Processes for making polysiloxazanes and using same for producing amino-functional polyorganosiloxanes

Also Published As

Publication number Publication date
JP4144926B2 (ja) 2008-09-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11052383B2 (en) Non-precious metal-based hyrdosilylation catalysts exhibiting improved selectivity
JP2606924B2 (ja) アミノプロピルシラン化合物の製造方法
US4736049A (en) Addition reaction method
EP0228095B1 (en) Process for the preparation of olefinic silanes and siloxanes
EP0405560B2 (en) Preparation of tertiary-hydrocarbylsilyl compounds
JP3556642B2 (ja) 第二級アミノイソブチルアルコキシシラン類の調製
JP4144926B2 (ja) 特定のγ−アミノプロピルシリル基を有する有機ケイ素化合物の製造方法
US20200165274A1 (en) Novel isocyanide compound and hydrosilylation reaction catalyst
CN111108110A (zh) 有机氢氯硅烷生产工艺
JPS61205287A (ja) アミノ基含有有機ケイ素化合物の製造法
JPH0559072A (ja) オレフイン系及びアセチレン系アザシラシクロペンタン並びにその調製方法
JP6044361B2 (ja) ジクロロモノヒドロシラン化合物の製造方法
US5440063A (en) Concurrent preparation of dimethylchlorosilane and triorganochlorosilane
JP4748865B2 (ja) ヒドロシリル化方法
JP4296416B2 (ja) シリルケテンアセタール及びジシリルケテンアセタールの製造方法
JP3915875B2 (ja) N−置換−3−シリルプロピルアミン類及びその誘導体の製造方法
JP2003327659A (ja) エポキシ基含有有機ケイ素化合物の製造方法
JPH06157554A (ja) トリオルガノクロロシランの製造方法
Luderer et al. Preparation and Synthetic Utility of 1‐Trimethylsiloxyalkyl‐bis (trimethylsilyl) silanes,(Me3Si) 2SiH–C (OSiMe3) R1R2
EP0195997B1 (en) Chlorosilane compounds
JP3856088B2 (ja) ビスシリルノルボルナン化合物の製造方法
JP3856087B2 (ja) 3―アミノプロピルモノオルガノジオルガノオキシシランの製造方法
US20230192731A1 (en) Process for the stepwise synthesis of silahydrocarbons
EP1797103B1 (en) Preparation of an aminoaryl-containing organosilicon compound and intermediate used in its preparation
US20200247957A1 (en) Cobalt complex, production method therefor, and catalyst for hydrosilylation reaction

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041222

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20050331

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080424

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080520

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080617

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110627

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110627

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120627

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120627

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130627

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees