JP5149154B2 - チオカルボン酸シランの調製のための、水溶液中触媒工程 - Google Patents

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Description

本発明は、チオカルボン酸シランの調製のための、新規な水溶液中触媒工程に関する。
チオカルボン酸シランは、ゴム用途、特にタイヤの用途に広範囲に使用される。特許文献1は、チオカルボン酸シランをトリアルキルアミンを使用して対応する塩化アルカノイル及びクロロアルキルトリアルコキシシランから調製し、塩酸副産物を廃棄物中から取り出す方法を記載する。当該方法はアミンの化学量論量の使用を必要とし、それは対応する塩酸塩への腐食剤処理の後、再利用される。当該方法は比較的複雑であり、かつ不経済である。
特許文献2は、相転移触媒(例えば第4級アンモニウム塩又はホスホニウム塩)の存在下で、水溶性中においてチオカルボン酸シランを調製するための方法を記載する。この工程の反応速度は低く、必要となる触媒量が多くなり、その結果精製が困難となる。
ハロゲン化アシルからの被保護メルカプトシランの製造は、特許文献3にて公知であるが、低純度の生成物及び低い収率という結果となる。
国際公開第2005/007660号 国際公開第2005/007661号 米国特許第6777569号
本発明は、チオカルボン酸シランの調製方法の提供に関する。
当該方法は、アルキルグアニジウム塩相転移触媒の触媒的に有効量の存在下で、チオカルボン酸塩の水溶液をハロアルキルシランと反応させ、チオカルボン酸シランを得ることを含んでなる。
上記のチオカルボン酸シランを調製する公知の方法における欠点は、本願明細書に記載されている方法によって克服され、解決される。触媒としてのアルキルグアニジウム塩は非常に高い熱安定性を有するため、このタイプの化合物の使用により、高い反応温度の使用が可能となる。高い反応温度を用いることで、反応全体の動力学が劇的に改善される。また触媒使用量及び時間サイクルが大幅(50%以上)に節約でき、生成物の収率及び品質が大幅に向上する。高水準触媒の使用を伴う従来のシステムで使用されていた水溶性及び有機相との間のラグ層は、廃水の簡単な精製及び処理に係る本発明では全く不要である。
チオカルボン酸シラン(例えばNXT(商標)シラン(例えば3−オクタノイルチオ−1−プロピルトリエトキシシラン))の調製のための前述の方法は、チオカルボン酸塩水溶液を反応物質として使用し、特に酸塩化物として直ちに利用できるカルボン酸誘導体から調製できる。
シランの構造
以下に詳細に記載し、特許請求しようとする本発明は、チオカルボン酸シランの調製方法の提供に関し、当該方法は、チオカルボン酸性塩の水溶液を、触媒的に有効量のアルキルグアニジウム塩の有無にて、ハロアルキルシランと反応させ、チオカルボン酸シランを得ることを含んでなる。
本発明は、チオカルボン酸シランの製造の簡便かつ効率的な方法を提供する。当該方法は、水以外の溶媒を必要とせず、硫黄供給源として既存の水溶性硫化物原料を使用して、貯蔵上危険なアルカリ金属又は硫化水素を必要としないことを特徴とする。
チオカルボン酸シラン(本願明細書に記載の水溶液ルートにより調製される)は、式1、2及び3によって表すことができる。
(R−Y−S−)(−SiX (1)
[−Y−S−G(−SiX (2)
[G(−Y−S−)[G(−SiX (3)
式中、Yはカルボニル(C(=O))基であり、Rは各々独立に水素、アルキル基(不飽和、アルケニル基、アルキニル基、アリール基及びアラルキル基を含んでも含まなくてもよい)からなる群から選択され、各Rは0〜30個の炭素原子を含み、G及びGは各々独立にR又はアルキル、アルケニル、アリール又はアラルキル基の置換によって得られる多価の基であり、式中、G及びGは1〜40個の炭素原子を含んでもよく、G及びGは水素でなく、Gは各々独立にR又はアルキル、アルケニル、アリール又はアラルキル基の置換によって得られる多価の基であり、式中、Gは1〜40個の炭素原子を含んでもよく、Gは各々独立にアルキル、アルケニル、アリール又はアラルキル基の置換によって得られる多価(二価若しくはそれ以上の価数)の基であり、式中、G及びGは1〜40個の炭素原子を含んでもよく、Xは各々独立にRO−、RC=NO−、RNO−又はRN−、−R及び−(OSiR(OSiR)からなる群から選択される部分であり、各Rは上記の定義どおりであり、少なくとも1つのXが−Rではなく、添え字aは各々独立に1〜6の整数であり、添え字bは各々独立に1〜100の整数であり、添え字cは各々独立に1〜6の整数であり、添え字dは各々独立に1〜100の整数である。
本発明では、アルキル基には直鎖、分岐及び環状のアルキル基が包含され、アルケニル基には1つ以上の炭素−炭素二重結合を有するいかなる直鎖、分岐若しくは環状のアルケニル基が包含され、置換の位置は炭素−炭素二重結合の部位又は基中の他の部位に存在してもよく、アルキニル基には1つ以上の炭素−炭素三重結合、並びに任意に1つ以上の炭素−炭素二重結合を同様に有するいかなる直鎖、分岐若しくは環状のアルキニル基が包含され、置換の位置は炭素−炭素三重結合の部位又は基中の他の部位に存在してもよい。アルキル基の具体的な例としては、メチル、エチル、プロピル及びイソブチル基が挙げられる。アルケニル基の具体的な例としては、ビニル、プロペニル基、アリル、メタリル、エチリデニルノルボルナン、エチリデンノルボニル、エチリデニルノルボルネン及びエチリデンノルボネニル基が挙げられる。アルキニル基の具体的な例としては、アセチルニル、プロパルギル及びメチルアセチルニル基が挙げられる。本発明では、アリール基には、1つの水素原子が除去されたいかなる芳香族炭化水素も包含され、アラルキル基には、上述したアルキル基のいずれも包含され、1つ以上の水素原子が同じ数の同じ及び/又は異なるアリール置換基(本明細書で定義)で置換され、アレニル基には上述したアリール基のいずれも包含され、1つ以上水素原子が同じ数の同じ及び/又は異なるアルキル置換基(本明細書で定義)で置換される。アリール基の具体的な例としては、フェニル及びナフタレニル基が挙げられる。アラルキル基の具体的な例としては、ベンジル及びフェネチル基が挙げられる。アレニル基の具体的例としては、トリル及びキシリル基が挙げられる。
本発明では、環状アルキル、環状アルケニル及び環状アルキニル基には、二環式、三環及びそれ以上の環状構造も包含され、上述した環状構造も同様にアルキル、アルケニル及び/又はアルキニル基によって更に置換されてもよい。代表例としては、ノルボニル、ノルボネニル、エチルノルボニル、エチルノルボネニル、エチルシクロヘキシル、エチルシクロヘキセニル、シクロヘキシルシクロヘキシル及びシクロドデカトリエニル基が挙げられる。
本発明のシランに存在するキーとなる官能基(−YS−)は、チオカルボン酸エステル基−C(=O)S−(この官能基を有するあらゆるシランを「チオカルボン酸エステルシラン」と称する)である。本発明のシランには、式中、YがRC(=O)を意味し、式1から2に示す構造中の簡単なサブセット構造を表すものが包含される。
セット内の構造の例としては、YがRC(=O)であるかそれを含み、Rがカルボニルに結合する第1級炭素を有して、好適にはC−C20の直鎖又は分岐鎖アルキル基(特にC−C18直鎖アルキル基)であるものが挙げられる。特に本願明細書に有利であるのはC−C14直鎖アルキルである。
Gの代表例は上記のような一価の炭化水素基であって、R、フェニレン基、−(CH)n−(式中nは1〜20であり、他端で更に末端置換される末端直鎖アルキルを意味し、例えば−CH−、−CHCH−、−CHCHCH−及び−CHCHCHCHCHCHCHCH−、並びにそれらのβ置換類似体(例えば−CH(CH)mCH(CH)であり、mが0〜17である)、−CHCHC(CHCH−、塩化メタリルから誘導される構造−CHCH(CH)CH−、ジビニルベンゼンから誘導されるあらゆる構造(例えば−CHCH(C)CHCH−及び−CHCH(C)CH(CH)−(表記Cは二置換ベンゼン環を意味する))、ジプロペニルベンゼンから誘導されるあらゆる構造(例えば−CHCH(CH)(C)CH(CH)CH−)(表記Cは二置換ベンゼン環を意味する))、ブタジエンから誘導されるあらゆる構造(例えば−CHCHCHCH−、−CHCHCH(CH)−及び−CHCH(CHCH)−)、ピペリレンから誘導されるあらゆる構造(例えば−CHCHCHCH(CH)−、−CHCHCH(CHCH)−、及び−CHCH(CHCHCH)−)、イソプレンから誘導されるあらゆる構造(例えば−CHCH(CH)CHCH−、−CHCH(CH)CH(CH)−−CHC(CH)(CHCH)−、CHCHCH(CH)CH−、−CHCHC(CH−及び−CHCH[CH(CH]−)、−CHCH−ノルボニル−、−CHCH−シクロヘキシル−のあらゆる異性体、ノルボルナン、シクロヘキサン、シクロペンタン、テトラヒドロジシクロペンタジエン又はシクロドデセンから2つの水素原子の損失による調製できるあらゆるジラジカル、リモネンから誘導される構造−CHCH(4−メチル−1−C−)CH(表記Cが2位の置換が欠如している三箇所で置換されたシクロヘキサン環の異性体を表し))、トリビニルシクロヘキサンから誘導されるあらゆるモノビニル含有構造(例えば−CHCH(ビニルC)CHCH−及び−CHCH(ビニルC)CH(CH)−(表記Cが三箇所置換されたあらゆるシクロヘキサン環の異性体を表す))、三箇所置換されたC=Cを含む、ミルセンから誘導されるあらゆる単不飽和構造(例えば−CHCH[CHCHCH=C(CHS)]CHCH−、CHCH[CHCHCH=C(CH]CH(CH)−、−CHC[CHCHCH=C(CH](CHCH)−、−CHCHCH[CHCHCH=C(CH]CH−、−CHCH(C−)(CH)[CHCHCH=C(CH]及び−CHCH[CH(CH)[CHCHCH=C(CH]]−)、並びに、三箇所置換されたC=Cを欠くミルセンから誘導されるあらゆる単不飽和構造(例えば−CHCH(CH=CH)CHCHCHC(CH−、−CHCH(CH=CH)CHCHCH[CH(CH]−、−CHC(=CH−CH)CHCHCHC(CH−、−CHC(=CH−CH)CHCHCH[CH(CH]−、−CHCHC(=CH)CHCHCHC(CH−、−CHCHC(=CH)CHCHCH[CH(CH]−、−CHCH=C(CHCHCHCHC(CH−及び−CHCH=C(CHS)CHCHCH[CH(CHS)])が挙げられる。G、G及びGの幾つかの具体的な構造としては、−CH−、−CHCH−、−CHCHCH−、−CHCH(CH)CH−及び上記のノルボルナン由来の構造の2,4又は2,5二置換によって得られるジラジカルのいずれかが挙げられる。構造−CHCHCH−が特に有利である。
R基の代表例は、1〜30又はそれ以上の炭素原子を有する分岐及び直鎖アルキル基(例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル及びブチル基)、フェニル、ベンジル、トリル並びにアリル基である。具体的なR基はC−Cアルキル基及び水素である。
Xの代表例は、メトキシ、エトキシ、イソブトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ及びオキシマト基である。特にメトキシ及びエトキシ基が好適である。
本発明の他の実施態様では、pは0〜2であり、XはRO−であり、Rは水素、メチル、エチル、プロピル、ブチル又はイソプロピル基であり、Gは置換されたフェニル基又は置換されたC−C20直鎖アルキル基である。他の具体的な実施態様は、XSiGSC(=O)GC(=O)SGSiXの構造であり、式中、Gは二価の炭化水素である。
具体的な実施態様としては、pはゼロであり、Xはエトキシ基であり、GがC−C14直鎖鎖アルキル基であるそれらが挙げられる。
調製法が本発明に記載されているシランの代表例としては、2−トリエトキシシリル−1−エチルチオ酢酸、2−トリメトキシシリル−1−エチルチオ酢酸、2−(メチルジメトキシシリル)−1−エチルチオ酢酸、3−トリメトキシシリル−1−プロピルチオ酢酸、トリエトキシシリルメチルチオ酢酸、トリメトキシシリルメチルチオ酢酸、トリイソプロポキシシリルメチルチオ酢酸、メチルジエトキシシリルメチルチオ酢酸、メチルジメトキシシリルメチルチオ酢酸、メチルジイソプロポキシシリルメチルチオ酢酸、ジメチルエトキシシリルメチルチオ酢酸、ジメチルメトキシシリルメチルチオ酢酸、ジメチルイソプロポキシシリルメチルチオ酢酸、2−トリイソプロポキシシリル−1−エチルチオ酢酸、2−(メチルジエトキシシリル)−1−エチルチオ酢酸、2−(メチルジイソプロポキシシリル)−1−エチルチオ酢酸、2−(ジメチルエトキシシリル)−1−エチルチオ酢酸、2−(ジメチルメトキシシリル)−1−エチルチオ酢酸、2−(ジメチルイソプロポキシシリル)−1−エチルチオ酢酸、3−トリエトキシシリル−1−プロピルチオ酢酸、3−トリイソプロポキシシリル−1−プロピルチオ酢酸、3−メチルジエトキシシリル−1−プロピルチオ酢酸、3−メチルジメトキシシリル−1−プロピルチオ酢酸、3−メチルジイソプロポキシシリル−1−プロピルチオ酢酸、1−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−4−チオアセチルシクロヘキサン、1−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−3−チオアセチルシクロヘキサン、2−トリエトキシシリル−5−チオアセチルノルボネン、2−トリエトキシシリル−4−チオアセチルノルボネン、2−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−5−チオアセチルノルボネン、2−(2−トリエトキシシリル−1−エチル)−4−チオアセチルノルボネン、1−(1−オキソ−2−チア−5−トリエトキシシリルフェニル)安息香酸、6−トリエトキシシリル−1−ヘキシルチオ酢酸、1−トリエトキシシリル−5−ヘキシルチオ酢酸、8−トリエトキシシリル−1−オクチルチオ酢酸、1−トリエトキシシリル−7オクチルチオ酢酸、6−トリエトキシシリル−1ヘキシルチオ酢酸、1−トリエトキシシリル−5オクチルチオ酢酸、8−トリメトキシシリル−1−オクチルチオ酢酸、1−トリメトキシシリル−7オクチルチオ酢酸、10−トリエトキシシリル−1−デシルチオ酢酸、1−トリエトキシシリル−9−デシルチオ酢酸、1−トリエトキシシリル−2−ブチルチオ酢酸、1−トリエトキシシリル−3−ブチルチオ酢酸、1−トリエトキシシリル−3−メチル−2−ブチルチオ酢酸、1−トリエトキシシリル−3−メチル−3−ブチルチオ酢酸、3−トリメトキシシリル−1−プロピルチオオクタノン酸(別名3−トリメトキシシリル−1−プロピルチオールオクタン酸及び3−トリメトキシシリル−1−プロピルチオカプリル酸)、3−トリエトキシシリル−1−プロピルチオパルミチン酸塩、3−トリエトキシシリル−1−プロピルチオオクタノン酸(別名3−トリエトキシシリル−1−プロピルチオールオクタン酸及び3−トリエトキシシリル−1−プロピルチオカプリル酸)、3−トリエトキシシリル−1−プロピルチオデカノン酸、3−トリエトキシシリル−1−プロピルチオドデカノン酸(別名3−トリエトキシシリル−1−プロピルチオラウリン酸)、3−トリエトキシシリル−1−プロピルチオテトラデカノン酸(別名3−トリエトキシシリル−1−プロピルチオミリスチン酸)、3−トリエトキシシリル−1−プロピルチオベンゾアート、3−トリエトキシシリル−1−プロピルチオ−2−エチルヘキサノン酸、3−トリエトキシシリル−1−プロピルチオ−2−メチルヘプタノン酸、ビス−(3−トリエトキシシリル−1−プロピル)ジチオフタル酸、ビス−(3−トリエトキシシリル−1−プロピル)ジチオテレフタル酸、ビス−(3−トリエトキシシリル−1−プロピル)ジチオテレフタル酸、ビス−(3−トリエトキシシリル−1−プロピル)ジチオコハク酸、ビス−(3−トリエトキシシリル−1−プロピル)ジチオシュウ酸エステル、ビス−(3−トリエトキシシリル−1−プロピル)ジチオセバシン酸、及びビス−(3−トリエトキシシリル−1−プロピル)ジチオアジピン酸。
本願明細書に含まれるチオカルボン酸シラン組成物は、個々のチオカルボン酸シラン成分の様々な混合物として調製されてもよく、同様に任意に他の種を含んでもよく、合成方法によって様々なシランが得られてもよく、また開始材料の混合物を、チオカルボン酸シラン生成物の混合物を調製するために使用してもよい。更に、これらのチオカルボン酸シラン(すなわちチオカルボン酸シロキサン及び/又はシラノール)の部分的な水解物及び/又は縮合物が本願明細書のチオカルボン酸シランに包含されるものと理解される。なぜなら、これらの部分的な水解物及び/又は縮合物がチオカルボン酸シランの大部分の製造方法における副産物であるという点、又は、それらのチオカルボン酸シランの貯蔵、特に湿潤条件下における貯蔵により生じるか、又はそれらの調製における残存水がそれらの調製後に完全に除去されなかった条件下で生じるという点が理由として挙げられるからである。
チオカルボン酸シランの調製
本願明細書のチオカルボン酸官能性シランの調製方法は、触媒的に有効量のアルキルグアニジウム塩の存在下で、ハロアルキルシランとチオカルボン酸塩水溶液(すなわちチオカルボン酸の陰イオンを含んでいる水溶液)との間で反応させることを含む。任意に、チオカルボン酸塩水溶液及び/又はハロアルキルシランの混合物を用いてもよく、その場合にはチオカルボン酸シランの混合物が得られる。
本発明の「ハロアルキルシラン」という用語は、式3によって表すことができるあらゆる構造のシランを指す。すなわち、「ハロアルキルシラン」には、それらの炭化水素基上の1つ以上の水素がハロゲン置換されたシラン、並びに、他の置換シランであって、後述するように、求核置換反応によって離脱しうる基を有する置換シランが包含される。反応体としてのチオカルボン酸塩の一般の構造は、以下の式4で表される。
(−Y−SM) (4)
反応体としてのハロアルキルシランの一般の構造は、以下の式5で表される。
(−SiX (5)
式4及び5において、G及びGは各々独立にR又はアルキル、アルケニル、アリール又はアラルキル基の置換によって得られる多価の基であり、G及びGは1〜40個の炭素原子を有してもよく、G及びGは水素ではなく、G及び/又はGがRであるとき、Rは各々独立に水素、不飽和を有しても又は有さなくてもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基及びアラルキル基からなる群から選択され、各Rは0〜30個の炭素原子を有し、Yはカルボニル(C(=O))基であり、Mは各々独立にアルカリ金属、アンモニウム、又はモノ−、ジ−又はトリ−置換アンモニウムであり、Lは各々独立にハロゲン原子(すなわち、F、Cl、Br又はI)、スルホネート基、スルフィン酸基又はカルボン酸基であり、Xは各々独立にRO−、RC=NO−、RNO−又はRN−、−R、及び−(OSiR)t(OSiR)からなる群から選択される部分であり、各Rは上記で定義済みのとおりであり、少なくとも1つのXは−Rでなく、添え字aは各々独立に1〜6の整数であり、添え字bは各々独立に1〜100の整数であり、添え字cは各々独立に1〜6の整数であり、添え字dは各々独立に1〜100の整数であり、添え字fは各々独立に1〜6の整数であり、ab=dfである。
Mは各々独立にアルカリ金属、アンモニウム、又はモノ−、ジ−又はトリ−置換アンモニウムである。このように、Mは通常モノ陽イオンであり、陽イオンとして存在し、通常は一価の正電荷を有する。チオカルボン酸塩が利用でき、水にも十分に可溶性であるケースにおいては、ジ陽イオンを用いてもよい。すなわち、Mは陰イオンチオカルボン酸([(ROC(=O))(G)]−Y−S−)に対する反イオンである。Mの代表例としては、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、メチルアンモニウム及びトリエチルアンモニウムが挙げられる。ナトリウム、カリウム及びアンモニウムが特に好適である。
Lはハロゲン原子(すなわち、F、Cl、Br又はI)、スルホネート基、スルフィン酸基又はカルボン酸基である。合成化学物質の観点から、Lは、求核置換反応の間、離脱基として機能しうるあらゆる基であってもよい。Lの代表例は塩化物、臭化物、スルホン酸である。Lは二価の基(例えば硫酸塩又はリン酸塩)であってもよい。Lの実施態様としては、クロロ(Cl)又はブローモ(Br)が挙げられる。クロロ(Cl)が特に好適である。
本発明にて使用されるハロアルキルシラン反応体としては、3−クロロメチル−1−トリエトキシシラン、3−クロロエチル−1−トリエトキシシラン、3−クロロプロピル−1−トリエトキシシラン及び3−クロロブチル−1−トリエトキシシランが挙げられる。これらのうちで3−クロロプロピル−1−トリエトキシシランが特に好適である。チオカルボン酸塩水溶液とハロアルキルシランを反応させてチオカルボン酸シランを産生するための化学反応式を、以下の方程式A、B及びCによって表す。
dfR−Y−SM+dL(−SiX→d(R−Y−S−)(−SiX+abML (A)
bG(−Y−SM)+dL(−SiX→bG[−Y−S−G(−SiX)c]+abML (B)
bG(−Y−SM)+dL(−SiX→[G(−Y−S−)[G(−SiXds+abML (C)
本発明に従うチオカルボン酸シランの調製はアルキルグアニジウム塩触媒の存在下で、チオカルボン酸塩の水溶液及びハロアルキルシランを混合し、反応を起こさせることによって実施され、通常、反応が完全になされるまで混合(例えば撹拌)する。任意に1つ以上の塩をチオカルボン酸塩水溶液に存在させてもよく、あるいは添加して、水溶液中のイオン強度を増加させ、1つ以上の生成物シランを更に加水分解に対して安定化させてもよい。かかる添加される塩の例としては、ナトリウム及びカリウムのハロゲン化物及び対応する炭酸塩及び硝酸塩のようなアルカリ金属塩が挙げられる。これら及び類似の塩は、反応溶媒に存在しうるチオカルボン酸塩反応体の量に対して、最高約50重量%のレベル、好適には最高約20重量%のレベルで存在する。
反応の完全性のレベルは、反応体と生成物を区別するいかなる手段によってもモニターでき、例えばガスクロマトグラフィ(GC)、液体クロマトグラフィ(LC又はHPLC)、有機相の核磁気共鳴分光学(NMR)若しくは赤外線分光(IR)、又は水溶性相の湿式化学分析を使用できる。
適切な反応条件としては、約−30℃〜約300℃の温度、常圧〜約100気圧、又は常圧〜約0.01トルの真空が挙げられる。具体的な実施態様では、常圧で、約−10℃〜約100℃である。更なる実施態様では、約25℃〜100℃、好適には約40℃〜約95℃の反応温度である。上述した範囲内の可変的な温度を使用でき、例えば、反応の経過中に温度を段階的上昇又は下降させてもよい。
通常、チオカルボン酸シラン形成反応の間に形成されうる1つ以上のシロキサンタイプの副産物の量を減らすために、例えば、連続的に撹拌しながらこの反応を実施するのが有利であり、例えば従来の回転撹拌器によって実施してもよい。撹拌は、チオカルボン酸シラン形成反応の間に生じる1つ以上のシロキサンタイプの副産物の量が一般的に合理的な範囲内、例えば反応生成物の総量に対して約20重量%未満、通常約12重量%未満、更には約5〜約10重量%未満に抑えられる態様で行うのが好ましい。このために必要となる撹拌の程度は、ルーチン試験によって具体的なケースごとに決定できる。
チオカルボン酸塩水溶液の反応前の適切な濃度は、約1重量%から飽和濃度まで(約50重量%以上と同じ程度)であってもよい。具体的な濃度としては、約20〜約45重量%、又は約30〜約40重量%が挙げられる。任意に、反応化学量論によって要求される量以上での過剰なチオカルボン酸塩を用いて、進行中の反応の完了を促進させ、ハロアルキルシラン出発原料の残留が最小である生成物を得てもよく、最小の反応時間及び/又は温度で生成物を得てもよく、及び/又はシラン加水分解/凝結生成物の生成による損失又は混入が最小となるように生成物を得てもよい。あるいは、反応化学量論によって要求される量と比較して過剰なハロアルキルシランを用いて、反応終了時点における残余のチオカルボン酸塩水溶液含量を最低限に減らしてもよい。
反応は無水条件下(すなわち溶媒なし)で行ってもよく、又は不溶性若しくは限られた可溶性を有する溶媒の存在下で行ってもよい。適当な溶媒の例は、エーテル(例えばジエチルエーテル)、炭化水素(例えばヘキサン、石油エーテル、トルエン及びキシレン)並びにケトン類(例えばメチルエチルケトン)である。トルエン又はキシレンが特に好適である。無水条件化で反応を行うことがしばしば好適である。反応が完成したときに撹拌を終了させ、その後反応混合物が2つの液相に分離する。有機相(通常は上相)にはチオカルボン酸シラン生成物が含まれ、一方水性相には同時に産生された塩に加え、最初から存在する塩又は反応溶媒のイオン強度を増加させるために後に添加されたあらゆる塩が含まれる。充分な開始濃度の水溶液を用いる場合、沈殿若しくは結晶化した塩を含む固相を分離できる。これらの塩を、水を添加して任意に溶解してもよく、それによりおおまかに又は排他的に2つの液相として調製された混合物を得てもよい。これらの相を更にデカントにより分離できる。工程中で使用するいかなる溶媒も、後の段階で蒸留又は蒸発によって除去してもよい。残存水を、真空及び/又は加熱によって除去してもよい。残留する微粒子を、後の工程で又は並行して濾過によって除去してもよい。残余のハロアルキルシランを、高温度及び真空下で除去してもよい。
チオカルボン酸塩水溶液を含む反応体の調製
チオカルボン酸シラン組成物の調製において必要なチオカルボン酸塩の水溶液が利用できない場合、チオカルボン酸シラン組成物の調製におけるその使用の前に別個に調製してもよい。あるいは、チオカルボン酸塩水溶液をin situで調製させてもよく、その後で直接用いて、上記の通りチオカルボン酸シラン組成物を調製してもよい。
チオカルボン酸塩を用いる場合、その水溶液は単に適当な水量に塩の適当な量を溶解することによって所望の濃度の溶液を調製されることができ、又は、どんな溶液を用いる場合でも希釈又は蒸発濃縮によって調製できる。あるいは、所望のチオカルボン酸塩又はその水溶液を、他の適切なチオカルボン酸塩から調製してもよい。チオカルボン酸を用いる場合、チオカルボン酸塩又はその水溶液は、適切な塩基で酸を中和することにより簡単に調製できる。しかしながら所望のチオカルボン酸若しくはその塩の1つも利用できない場合、それはチオカルボニル基の合成によって調製されることができ、その方法は、適当な酸ハロゲン化物及び/又は酸無水物(例えば酸塩化物)と硫化物、水硫化物若しくはその混合物(例えば水溶性ナトリウム水硫化物、NaSH)の水溶液とを反応させてチオカルボン酸塩の水溶液を得るという方法である。チオカルボン酸塩の混合物の水溶液を使用する場合にはそのチオカルボン酸塩成分を混合することができ、又は酸ハロゲン化物及び/又は酸無水物の適当な混合物を用いてチオカルボン酸塩を調製することができる。1つ以上の酸ハロゲン化物及び酸無水物の混合物を任意に使用してもよく、同様にチオカルボン酸塩水溶液の1つの成分若しくはその混合物を調製するときに異なる硫化物及び/又は水硫化物の混合物を使用してもよい。
硫化物、水硫化物、及び酸ハロゲン化物及び酸無水物の構造を、それぞれの式6、7及び8で表す。
S (6)
MSH (7)
(−Y−L) (8)
Mは各々独立にアルカリ金属、アンモニウム、又は1、2若しくは3置換アンモニウムであり、Lは各々独立にハロゲン原子(すなわちF、Cl、Br又はI)、スルホネート基、スルフィン酸基又はカルボン酸基であり、Yはカルボニル(C(=O))基であり、Rは各々独立に水素、不飽和を含むか若しくは含まないアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基及びアラルキル基からなる郡から選択され、各Rは0〜30個の炭素原子を含み、G及びGは各々独立にR又はアルキル、アルケニル、アリール又はアラルキル基の置換によって得られる多価の基であり、式中、G及びGは1〜40個の炭素原子を含んでもよく、G及びGは水素でなく、Xは各々独立にRO−、RC=NO−、RNO−又はRN−、−R及び−(OSiR(OSiR)からなる群から選択される部分であり、各Rは上記の定義どおりであり、少なくとも1つのXが−Rではなく、添え字aは各々独立に1〜6の整数であり、添え字bは各々独立に1〜100の整数であり、添え字cは各々独立に1〜6の整数であり、添え字dは各々独立に1〜100の整数である。添え字fは各々独立に1〜6の整数であり、ab=dfである。
Mは各々独立にアルカリ金属、アンモニウム、又はモノ−、ジ−又はトリ−置換アンモニウムである。このように、Mは通常モノ陽イオンであり、陽イオンとして存在し、通常は一価の正電荷を有する。チオカルボン酸塩(好適には安定な)が利用でき、水にも十分に可溶性であるケースにおいては、ジ陽イオンを用いてもよい。すなわち、Mは陰イオン性スルフィド若しくは陰イオン性水硫化に対する反イオンである。Mの代表例としては、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、メチルアンモニウム及びトリエチルアンモニウムが挙げられる。ナトリウム、カリウム及びアンモニウムが特に好適である。
Lは、ハロゲン原子(すなわち、F、Cl、Br又はI)スルホネート基、スルフィン酸基又はカルボン酸基である。Lの代表例は、塩化物、臭化物及びいかなるカルボン酸塩(例えば酢酸塩、オクタノン酸、デカノン酸及びドデカノン酸)である。Lは二価の基(例えば硫酸塩又はリン酸塩)であってもよい。具体的な実施態様では、Lが塩化物(Cl)又は塩素(Cl)を有するカルボン酸塩である場合が特に好適である。Lが塩化物である場合には、試薬は酸塩化物である。Lがカルボン酸塩である場合には、試薬は酸無水物である。以下のチオカルボン酸塩水溶液の調製方法に係る説明の中で理解されるべきことは、1)酸ハロゲン化物という用語は、酸フッ化物、酸塩化物、酸臭化物、酸ヨウ化物、酸無水物又は他のカルボン酸、他の有機酸若しくは無機酸と酸無水物との混合物、又はそれらのあらゆる混合物を指し、2)硫化物という用語は、アルカリ金属、アンモニウム又は置換アンモニウムの硫化物塩、又はそれらのあらゆる混合物を指し、3)チオカルボン酸塩という用語は、単一成分若しくは1つ以上の混合物としてのチオカルボン酸塩、及び/又は反イオン(陽イオン)の混合物を指す。水溶性硫化物及び/又は水硫化物と、酸ハロゲン化物及び/又は酸無水物との反応によりチオカルボン酸塩水溶液が産生される化学反応式を、反応式D、E、F及びGで例示する。
S+R−Y−L→ML+R−Y−SM (D)
aMS+G(−Y−L)→aML+G(−Y−SM) (E)
2MSH+R−Y−L→ML+R−Y−SM+HS (F)
2aMSH+G(−Y−L)→aML+G(−Y−SM)+aHS (G)
チオカルボン酸塩水溶液の調製は、硫化物及び/又は水硫化物の水溶液に酸ハロゲン化物及び/又は酸無水物を添加し、混合物を撹拌することにより実施される。ハロゲン化酸及び/又は酸無水物の腐食性の特性のため、実際的にはこの反応はガラス又はガラス管を有する反応器において実施されるべきことが示唆される。
アルキルグアニジウム塩相転移触媒を、1回又は複数回にわたる投与及び/又は連続投与において、硫化物/水硫化物水溶液、酸ハロゲン化物/酸無水物及び/又はその反応混合物に対して、硫化物/水硫化物水溶液への酸ハロゲン化物/酸無水物の添加の前、途中及び/又は後に添加して反応を促進してもよい。
チオカルボン酸塩形成反応のための好適な反応条件は、温度に関しては、約10℃〜約40℃、好適には約20℃〜25℃(バッチ操作の場合)、約20℃〜約50℃、好適には約25℃〜約40℃(連続動作の場合、副産物形成を最小化又は抑制する目的による)。
チオカルボン酸塩形成反応は急速で発熱的であるため、上述した反応温度条件を維持するためには、温度調節能力を有する反応器(例えばジャケット又はコイル中を冷却水又はブラインなどの冷却剤が適切な速度で循環)を使用するのが好適である。かかる温度調節能力がない場合、水溶性硫化物/水硫化物及び相転移触媒の混合物に酸塩化物反応体の添加速度を制御することによって所望の反応温度を維持することができる。
チオカルボン酸塩の調製方法の更なる条件は、圧力に関しては、約0.01トル〜約100気圧、好適には約100トル〜約2気圧であり、硫化物/水硫化物の酸性塩化物/酸無水物に対するモル比に関しては、2:1〜約3:1、好適には2:1〜約2.2:1である。当該工程は、好適には反応溶媒を撹拌(例えば回転撹拌器を使用)しながら実施し、望ましくない副産物の形成を最小化する。一般的に、及び回転撹拌器を使用して撹拌する場合、撹拌器のチップ速度は少なくとも約25インチ/秒、好適には少なくとも約30インチ/秒、特に好適な結果を得るためには少なくとも約35インチ/秒であるべきである。
水溶性硫化物/水硫化物の開始濃度は、約1重量%〜飽和濃度(約60重量%以上と同程度でありえる)で変化させることができる。具体的な実施態様では、濃度は約10〜約40重量%まで、又は約15〜約25重量%であってもよい。酸ハロゲン化物/酸無水物を水溶性相に溶解させると反応が通常完了し、発熱はこの反応からもはや見られなくなり、いかなる硫化水素の発生も鎮静する。上記したように、1つ以上の追加の塩をチオカルボン酸塩水溶液の生成物に任意に存在させ又は添加し、次のチオカルボン酸シラン形成反応において使用する際に、そのイオン強度を増加させてもよい。チオカルボン酸塩形成反応の終了後、溶液を任意に濾過していかなる微粒子の不純物及び/又は同時に生じた結晶化塩を除去してもよい。
アルキルグアニジウム相転移触媒
本願明細書に発明の方法で使用される相転移触媒は、アルキルグアニジウム塩である。有用なアルキルグアニジウム塩、それらの調製方法及び他の化学合成のための触媒としてのそれらの使用が、米国特許第5081298号、第5116975号、第5132423号、第5229482号、第5830974号、第5905150号、第5907025号、第5908915号、第6028203号、第6235934号、第6570038号並びに第6706897号に記載され、それらの全開示内容を本願明細書に援用する。相転移アルキルグアニジウム塩は、以下の式9によって表すことができる。
Figure 0005149154
式中、R1−5の各々は第1級アルキル基であり、Rは第1級アルキル基又はビス(第1級アルキレン)基であるか、又は、少なくともR−R、R−R及びR−Rの組合せのうちの1つが窒素原子と結合して複素環式基を形成し、Xは陰イオンであり、nは1又は2である。
1−5として適切なアルキル基としては第1級アルキル基が挙げられ、通常約1から12個、特に1から6個の炭素原子を含む。Rは通常、アルキル基又は同一構造のC2−12アルキレン基であって、末端の炭素が第1級であり、特にRはC2−6アルキル基又はC4−8直鎖アルキレン基である。あるいは、R1−6と対応する1つ以上の窒素原子の任意の組合せにより複素環式基(例えばピペリジノ、ピロロ又はモルホリノ基)が形成されてもよい。
Xはいかなる陰イオン、強酸であってもよく、例えばフッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸、重硫酸及びメタンスルホン酸、炭酸、重炭酸、リン酸、カルボン酸、チオカルボン酸などが挙げられる。塩化物及び臭化物イオンが通常好適である。
nの値は、Rがアルキルであるか又はアルキレンであるか否かにより、1又は2である。
式中の点線による結合によって示されるように、グアニジウム塩の正電荷は1つの炭素及び3つの窒素原子を通じて非局在化される。これは、本発明によって得られる比較的高い温度条件下での塩の安定性に貢献すると考えられている。その結果、グアニジウム塩の分解は本発明の条件の下で発生しないか又はごく軽微な程度でしか発生しない。その結果、副産物形成の抑制及びリサイクルによる継続使用の可能性につながる。
アルキルグアニジウム相転移触媒は、塩として反応溶媒に添加してもよく、水及び/若しくは他の適切な溶媒(例えばアルコール類)中の濃縮又は希釈溶液として添加してもよい。使用する触媒の量は、他の要因と比較しとりわけ、所望の反応速度及び許容できる副産物のレベルに依存する。好適な濃度としては、約1ppm(重量百万分率)〜約3重量%までの濃度が挙げられる。具体的な実施態様では、濃度は約10ppm〜約1重量%、好適には約50ppm〜約0.5重量%である。1ppm未満の相転移触媒の量では、相転移触媒を用いずに得られた結果とほぼ同じと考えられる。
本発明で使用する適切なアルキルグアニジウム相転移触媒の具体的な例として、下記の構造式及び化合物名が挙げられる。
Figure 0005149154
ヘキサエチルグアニジウム(HEGBr)
Figure 0005149154
テトラエチルジブチル−グアニジウム臭化物(Et4Bu2GBr)
Figure 0005149154
ヘキサブチルグアニジウム塩化物(HBGCl)
Figure 0005149154
テトラエチルピペリジニル−グアニジウム塩化物(Et4pipGCl)
Figure 0005149154
トリスピペリジニルグアニジウム塩化物(トリスpipGCl)
Figure 0005149154
トリスピロリジニル臭化物(トリスpyrGBr)
<実施例1>
A.チオオクタノン酸ナトリウム水溶液の調製
市販のナトリウム硫化水素(NaSH)の45重量%水溶液337gを、take−off型の底及び3首を有する2Lの丸底フラスコに添加した。フラスコには、撹拌機、温度調節機、滴下漏斗及び還流及びtake−off型コンデンサーを装備した。材料に295gの水を添加し、24%にまで希釈した。この撹拌溶液に、1.7gの34.5重量% HEGCl水溶液を室温で添加した。200gの塩化オクタノイルを滴下漏斗に充填し、徐々に40分にわたり反応混合物に添加し、同時にフラスコを水浴で冷却して温度を30〜35℃に維持した。非常に有毒な硫化水素を、添加の間放出させた。その際、曝露を最小にするために特別な安全予防措置が必要であった。生成物は、チオオクタノン酸ナトリウムの澄んだ水溶液であった。転換効率を測定した結果、チオオクタノン酸ナトリウム副産物に対して、最低97重量%のチオオクタノン酸ナトリウムの純度であった。
B.3−オクタノイルチオ−1−プロピルトリエトキシシランの調製チオオクタノン酸ナトリウムの水溶液を40℃まで加熱し、11gの34.5% HEGCl溶液を添加した。また、約296gの3−クロロ−1−プロピルトリエトキシシランをバッチ式で反応混合物に添加した。生成物を更に90℃まで加熱し、5時間撹拌させた。この時点で撹拌を終了させ、二相に分離させた。底の水性相を取り除き、上部の粗生成物を回収した。粗製の層を、135〜145℃及び5〜10mmHgで材料を除去して精製した。当該工程により、92〜94%の典型的GC純度を有する約251gの淡黄色及び透明な生成物を得た。
<実施例2−6>
実質的に実施例1と同じ方法で実施例2−6を実施し、具体的な処理条件及び結果を以下の表に示す。
Figure 0005149154
本発明を具体的な実施態様に関して記載したが、当業者であれば、本発明の範囲内で様々に変化させることができ、その部材に関して均等物に代替することができることを理解するであろう。更に、本発明の基本的範囲から逸脱することなく、多くの修飾を行い、具体的な状況又は材料を本発明の教示に適応させることが可能である。すなわち、本発明は本発明の最良の実施形態として開示される具体例に限定することを意図するものではなく、むしろ本発明は添付の特許請求の範囲に属する全ての実施態様を包含する。

Claims (15)

  1. 式(2):
    [−Y−S−G (−SiX (2)
    (G はRであり、Rは水素、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基及びアラルキル基からなる群から選択され、Rは0〜30個の炭素原子を含み;
    は−CH −、−CH CH −、−CH CH CH −、及び−CH CH(CH )CH −からなる群より選択され;
    Yはカルボニル(C(=O))基であり;
    Xは各々独立にRO−及び−Rからなる群より選択される部分であり、少なくとも1つのXは−Rでなく;
    aは1であり;
    cは1である。)
    で表されるチオカルボン酸シランの調製方法であって、
    式(9):
    Figure 0005149154
    (R 、R 、R 、R 、及びR は1〜6個の炭素原子を含む第1級アルキル基であり;
    Xは塩素及びハロゲンからなる群より選択され;
    nは1である。)
    で表されるアルキルグアニジウム塩相転移触媒の、反応溶媒中の1ppm〜3重量%である触媒的に有効量の存在下で、
    式(4):
    (−Y−SM) (4)
    (G はRであり、Rは水素、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基及びアラルキル基からなる群から選択され、Rは0〜30個の炭素原子を含み;
    Yはカルボニル(C(=O))基であり;
    Mはアルカリ金属であり;
    aは1である。)
    で表されるチオカルボン酸塩の水溶液を
    式(5):
    (−SiX (5)
    (G は−CH −、−CH CH −、−CH CH CH −、及び−CH CH(CH )CH −からなる群より選択され;
    Xは各々独立に、RO−及び−Rからなる群より選択される部分であり、少なくとも1つのXは−Rでなく;
    Lは塩素又は臭素であり;
    cは1であり;
    fは1である。)
    で表されるハロアルキルシランと、25℃と100℃との間の温度で連続的に撹拌して反応させ、チオカルボン酸シランを得ることを含んでなる方法。
  2. Mがナトリウム、及びカリウムからなる群から選択される、請求項記載の方法。
  3. Lが塩素である、請求項記載の方法。
  4. 前記チオカルボン酸塩が水溶液中に、反応条件下におけるその最大の溶解度において含有される、請求項1記載の方法。
  5. 工程中に塩を追加して反応溶媒のイオン強度を増加させ、これによりチオカルボン酸シラン生成物の加水分解安定性を向上させる、請求項1記載の方法。
  6. 前記追加される塩が、アルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属硝酸塩からなる群より選択される、請求項記載の方法。
  7. 前記チオカルボン酸塩水溶液の濃度が2〜45重量%である、請求項記載の方法。
  8. 前記チオカルボン酸塩の化学量論的過剰、又はハロアルキルシランの化学量論的過剰を特徴とする、請求項1記載の方法。
  9. 前記反応が、反応条件下で水に不溶性であるか又は水への可溶性が制限された有機溶媒が存在しない状態で実施される、請求項1記載の方法。
  10. 前記反応が、反応条件下で水に不溶性であるか又は水への可溶性が制限された有機溶媒の存在下で実施される、請求項1記載の方法。
  11. 前記アルキルグアニジウム塩が、臭化ヘキサエチルグアニジウム、臭化テトラメチルジブチルグアニジウム、塩化ヘキサブチルグアニジウム及びその混合物からなる群から選択される少なくとも1つの材料である、請求項1記載の方法。
  12. 前記触媒が1ppm〜3重量%の濃度で反応溶媒に存在する、請求項1記載の方法。
  13. 請求項1の方法であって、前記チオカルボン酸シラン生成物が、2−トリエトキシシリル−1−エチルチオ酢酸、2−トリメトキシシリル−1−エチルチオ酢酸、2−(メチルジメトキシシリル)−1−エチルチオ酢酸、3−トリメトキシシリル−1−プロピルチオ酢酸、トリエトキシシリルメチルチオ酢酸、トリメトキシシリルメチルチオ酢酸、トリイソプロポキシシリルメチルチオ酢酸、メチルジエトキシシリルメチルチオ酢酸、メチルジメトキシシリルメチルチオ酢酸、メチルジイソプロポキシシリルメチルチオ酢酸、ジメチルエトキシシリルメチルチオ酢酸、ジメチルメトキシシリルメチルチオ酢酸、ジメチルイソプロポキシシリルメチルチオ酢酸、2−トリイソプロポキシシリル−1−エチルチオ酢酸、2−(メチルジエトキシシリル)−1−エチルチオ酢酸、2−(メチルジイソプロポキシシリル)−1−エチルチオ酢酸、2−(ジメチルエトキシシリル)−1−エチルチオ酢酸、2−(ジメチルメトキシシリル)−1−エチルチオ酢酸、2−(ジメチルイソプロポキシシリル)−1−エチルチオ酢酸、3−トリエトキシシリル−1−プロピルチオ酢酸、3−トリイソプロポキシシリル−1−プロピルチオ酢酸、3−メチルジエトキシシリル−1−プロピルチオ酢酸、3−メチルジメトキシシリル−1−プロピルチオ酢酸、3−メチルジイソプロポキシシリル−1−プロピルチオ酢酸、3−トリメトキシシリル−1−プロピルチオオクタノン酸(別名3−トリメトキシシリル−1−プロピルチオールオクタノン酸及び3−トリメトキシシリル−1−プロピルチオカプリル酸)、3−トリエトキシシリル−1−プロピルチオパルミチン酸、3−トリエトキシシリル−1−プロピルチオオクタノン酸、3−トリエトキシシリル−1−プロピルチオデカノン酸、3−トリエトキシシリル−1−プロピルチオドデカノン酸、3−トリエトキシシリル−1−プロピルチオテトラデカノン酸、3−トリエトキシシリル−1−プロピルチオベンゾアート、3−トリエトキシシリル−1−プロピルチオ−2−エチルヘキサノン酸、及び3−トリエトキシシリル−1−プロピルチオ−2−メチルヘプタノン酸からなる群から選択される方法。
  14. 前記ハロアルキルシランが、3−クロロプロピル−1−トリエトキシシラン及び3−クロロブチル−1−トリエトキシシランからなる群から選択される、請求項1記載の方法。
  15. ルキルグアニジウム塩相転移触媒の存在下で、
    硫化物及び/又は水硫化物の水溶液をハロゲン化酸及び/又は酸無水物と反応させ、チオカルボン酸性塩の水溶液を得る方法を含み、
    前記アルキルグアニジウム相転移触媒が式(9):
    Figure 0005149154
    (R 、R 、R 、R 、及びR は1〜6個の炭素原子を含む第1級アルキル基であり、Xは塩素及び臭素からなる群より選択され、nは1である。)
    で表され;
    前記硫化物が下式(6)
    S (6)
    (式(6)中、Mはアルカリ金属である。)
    で表され、
    前記水硫化物が下式(7)
    MSH (7)
    (式(7)中、Mはアルカリ金属である。)
    で表され、
    前記ハロゲン化酸が下式(8)
    (−Y−L) (8)
    (G はRであり、Rは水素、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基及びアラルキル基からなる群から選択され、Rは0〜30個の炭素原子を含み、Yはカルボニル(C(=O))基であり、Lは塩素又は臭素であり、aは1である。)
    で表される、請求項1記載の方法
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