JP3315367B2 - 表面を生物および血液適合性にするために有用なポリマー - Google Patents

表面を生物および血液適合性にするために有用なポリマー

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なポリマー、
それらを製造する方法および表面をそれらでコーティン
グする方法に関する。本発明は、また、ある種のモノマ
ーを製造する改良された方法およびこのようなポリマー
を得るために使用する新規なモノマーに関する。これら
のポリマーは、タンパク質含有溶液および生物学的流体
と接触するようになる装置および物質の表面をコーティ
ングし、そして表面を生物および血液適合性にするため
に有用である。こうして、表面は生きている組織および
体液およびタンパク質含有溶液との延長した接触に適当
とされる。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】分離の支持体および装
置、血液接触装置、コンタクトレンズおよび眼内のレン
ズ、およびタンパク質含有流体または生物学的流体との
接触において使用する他の装置の製作において使用する
材料は、許容される物理的および機械的性質およびタン
パク質含有流体または生物学的流体との適合性に基づい
て選択しなくてはならない。これらの材料の任意の所定
の応用のために、これらの考慮のすべてを最適化するこ
とは通常困難であり、そして妥協に到達しなくてはなら
ならず、しばしば最適ではない性能を生ずる。例えば、
そうでなければ最適な機械的および物理的性質を有する
材料を使用して主要な生物学的問題に直面する。これら
の問題は、生物学的成分、とくにタンパク質物質の望ま
しくない沈積としてそれ自体現れる。このタンパク質の
吸着は、血液接触物質中の血液凝固物の形成、沈積物の
形成を生ずるコンタクトレンズ上の涙成分の吸着、眼内
のレンズ上の沈積物の形成を生じ、そして分離媒質中に
おいて分離装置の詰まりおよび故障を生ずる。このよう
な作用は作動的性能の有意な損失およびしばしば装置の
完全な拒絶および故障に導く。
【0003】医学的装置、例えば、プロテーゼおよび血
液透析装置の構成成分の場合において、生物適合性ポリ
マーを使用して、装置の少なくとも表面を形成してタン
パク質の吸着を減少することは普通に実施されている。
しかしながら、これらの材料は完全ではなく、そして生
きている組織との反応が問題として残る;例えば、表面
誘発血栓は、とくに大量の血液を異質表面、例えば、人
工の肺および腎臓と接触する場合において、なお主要な
困難な問題である。人工器官の中の凝固物の形成は、あ
る数の悪い作用あるいはなお悲劇的な作用、例えば、体
外システムにおける血液の通路の閉塞、凝固物が人工の
表面を破壊しそして宿主血管の中に止まる場合の塞栓を
有する。透析膜、心臓弁、循環補助装置、血液代替物お
よび人工的肺のすべてはこの問題を共有する。
【0004】生物適合性コーティングとして使用する材
料は、理想的には、(a)純粋な材料として再現性をも
って製作することができること、(b)劣化または悪く
変化しないで表面上にコーティングすることができるこ
と、(c)意図する装置の特別の機能に要求される必要
な機械的または透過性の性質を有すること、(d)、例
えば、透過性および機械的または表面の性質を悪く変化
しないで、滅菌することができること、(e)生物学的
環境により損傷または劣化しないこと、(f)発癌性で
ないこと、が要求されることは知られている。
【0005】血液と直接接触することを含む応用におい
て、それ以上の制限が存在する。材料は、(g)有意な
血小板の接着を誘発しないこと、(h)正常の凝固メカ
ニズムを妨害しないこと、または(i)細胞の要素また
は血液の可溶性成分への有意な損傷を引き起こさないこ
と、が要求される。
【0006】血液の凝固プロセスを活性化せずかつ血栓
の形成を促進しない、生物適合性の、詳しくは血液に適
合性の(すなわち、血液適合性の)表面を製造する多数
の試みがなされてきている。このような試みは、負に帯
電した表面の製造、例えば、アニオン性ポリマーまたは
適当な配向したエレクレットポリマーの使用による、天
然の抗凝固剤のヘパリンまたは合成ヘパリン類似体をコ
ーティングした表面の製造、固有に低い表面自由エネル
ギーをもつ表面の製造、例えば、シリコーンゴムの使用
による、アルブミンをコーティングした表面の製造、お
よび化合物、例えば、血液からアルブミンを優先的に吸
着すると考えられているあるポリメタン類でコーティン
グした表面の製造を包含する。しかしながら、これらの
すべては制限を有した。
【0007】
【課題を解決するための手段】今回、われわれは表面を
コーティングするために使用できる新規なフィルム形成
性ポリマーを案出した。これらのポリマーを使用して、
広範な種類の表面、例えば、ポリエチレン、PVC、鋼
およびポリ(イミド)の上に安定なコーティングを形成
できることが発見された。本発明は、また、表面のコー
ティングに使用するとき、水性の環境において、有意な
程度に膨潤しない、物理吸着性ポリマーを提供する;あ
る場合において、水性環境における膨潤は表面上の物理
吸着性ポリマーのコーティングの安定性を減少すること
がある。
【0008】両性イオンの基を含有しポリマーは、すべ
ての生きている細胞の外膜の主要な成分であるリン脂
質、例えば、ホスファチジルコリンおよびスピノゴミエ
リンの両性イオンの構造をまねる。このようにして、本
発明は、コーティングされた表面がタンパク質含有溶液
または生物学的流体と接触するようになるとき、支持体
におけるタンパク質および細胞の沈積が最小になる、生
物適合性表面をコーティングされた支持体上に提供する
ことを探求する。
【0009】さらに、支持体上にコーティングすると
き、種々のリガンドを本発明のポリマーに結合すること
ができる。あるいは、支持体上へのコーティング前に、
例えば、ポリマーが溶液中にあるとき、リガンドをポリ
マーに結合することができる。したがって、本発明のポ
リマーはこのようなリガンドの結合の手段を提供するこ
とができる。用語リガンドは、次のものを包含するが、
これらに限定されない:特異的結合性因子、例えば、免
疫グロブリンおよびそれらの関連する断片、例えば、親
和分離および親和診断の応用に有用なもの、感光性およ
び化学感受性の部分、例えば、臨床的応用に有用な検出
器およびセンサーの応用および治療剤。他のリガンド
は、本発明のポリマーに化学的に結合することができる
ペプチド断片、例えば、細胞の結合を誘発し、したがっ
て細胞の接種に本発明のポリマーの使用を可能とする断
片を包含する。
【0010】本発明は、永久的正電荷の中心をもつペン
ダント基およびポリマーをある表面に安定に結合するこ
とができる他のペンダント基を有する、1種または2種
以上のラジカル重合可能なモノマー、好ましいエチレン
系不飽和のモノマーのポリマーを提供する。このような
コーティングはすぐれた接着性で表面に結合し、そして
コーティングされた表面を使用する、例えば、血液接触
表面上のコーティングとして使用する環境において除去
不可能である。
【0011】永久的正電荷の中心をもつ基はカチオン性
であるが、最も好ましくは両性イオン性である。このよ
うな両性イオンの基は、細胞の中のリン脂質のヘッド基
の構造をまねる。この理論により限定されたくないが、
このような基の存在は表面を生物適合性とすると考えら
れる。
【0012】ポリマーが表面を生物適合性とする程度
は、因子、例えば、表面が血小板の活性化、タンパク質
の吸着を引き起こす程度(例えば、ヒト血漿からのフィ
ブリノゲンの吸収により判定する)と隔離された両性イ
オン、例えば、ホスフェートアンモニウムエステル基の
表面上の存在により引き起こされるC反応性タンパク質
との反応との組み合わせとして評価することができる。
好ましくは、本発明のポリマーは、支持体上にコーティ
ングしたとき、未処理支持体と比較して後述するアッセ
イにより評価して、少なくとも70%、より好ましくは
少なくとも90%の血小板の活性化の減少を提供する。
また、本発明のポリマーは、支持体上にコーティングし
たとき、未処理支持体と比較して後述するアッセイによ
り評価して少なくとも60%のフィブリノゲン吸収の減
少および1.5×10-3より小さいタンパク質指数を提
供することが好ましい。タンパク質指数は、後述するア
ッセイにおいて測定してC反応性タンパク質のための吸
収/フィブリノゲン吸収の比として定義される。
【0013】ポリマーをある表面に結合させることがで
きる基の性質は、ポリマーでコーティングしようとする
表面の性質に依存して選択されるであろう。表面が疎水
性であるとき、表面において物理収着されることができ
る基を使用してポリマーを表面に結合することができ
る。表面が親水性であるとき、表面の官能基と反応して
共有結合を形成できる基を使用してポリマーを表面に結
合することができる。表面が帯電しているとき、イオン
電荷をもつ基を使用してイオンの相互作用によりポリマ
ーを表面に結合することができる。
【0014】したがって、本発明のポリマーは表面の正
確な性質に依存して物理収着、共有結合またはイオン結
合により表面に結合することができる。ある場合におい
て、この2つの結合のメカニズムを組み合わせて使用す
ることができる。
【0015】ポリマーにポリマーを安定に結合すること
ができる基は、永久的正電荷の中心をもつ基と同一の方
法で存在することができるか、あるいは本発明のポリマ
ーを得るために共重合させる別のモノマー種の中に存在
することができる。
【0016】全体を通じて、ある基がポリマーをある表
面に結合することができるという場合、これは安定な結
合を意味することを意図することが理解されるであろ
う。以下本発明を関連する事項も含めて詳細に説明す
る。
【0017】疎水性表面をコーティングする場合、6ま
たはそれ以上の炭素原子のアルキル基、または必要に応
じて炭素鎖を中断する1または2以上のエーテル酸素原
子を有しかつ必要に応じて1または2以上の炭素−炭素
の二重結合または三重結合を含有するフルオロアルキ
ル、または好ましくは1〜50、より好ましくは5〜3
0のケイ素原子を含有するシロキサン基をポリマーをあ
る表面に結合することができるペンダント基として使用
することができる。このような基は表面と強い二次的原
子価相互作用を形成し、そして疎水性表面において物理
収着される、すなわち、共有結合の相互作用を形成しな
いで吸着されることができる。
【0018】したがって、本発明の1つの態様におい
て、(i)永久的正電荷の中心をもつ基、好ましくは両
性イオンの基を含有するラジカル重合可能な、好ましい
エチレン系不飽和の、コモノマーと、ラジカル重合可能
な部分および6またはそれ以上の炭素原子のアルキル基
(前記アルキル基は必要に応じて1または2以上のエー
テル酸素原子および必要に応じて1または2以上の炭素
−炭素の二重結合または三重結合を含有する)またはフ
ルオロアルキル基(前記フルオロアルキル基は必要に応
じて1または2以上のエーテル酸素原子および必要に応
じて1または2以上の炭素−炭素の二重結合または三重
結合を含有する)またはシロキサン基を含有するラジカ
ル重合可能な、好ましくはエチレン系不飽和の、コモノ
マーとを共重合させるか、あるいは(ii)永久的正電
荷の中心をもつ基、好ましくは両性イオンの基および6
またはそれ以上の炭素原子のアルキル基(前記アルキル
基は必要に応じて1または2以上のエーテル酸素原子を
含有する)またはフルオロアルキル基(前記フルオロア
ルキル基は必要に応じて1または2以上のエーテル酸素
原子を含有する)またはシロキサン基を含有するラジカ
ル重合可能な、好ましくはエチレン系不飽和の、モノマ
ーを重合させる、ことによって得ることができるポリマ
ーを提供する。
【0019】このようなポリマーは、永久的正電荷の中
心をもつ基を含有するラジカル重合可能な、好ましくは
エチレン系不飽和の、コモノマーの残基、およびラジカ
ル重合可能な部分に加えて、6またはそれ以上の炭素原
子のアルキル基(前記アルキル基は必要に応じて1また
は2以上のエーテル酸素原子を含有する)またはフルオ
ロアルキル基(前記フルオロアルキル基は必要に応じて
1または2以上のエーテル酸素原子を含有する)または
シロキサン基を含有するラジカル重合可能な、好ましく
はエチレン系不飽和の、コモノマーの残基からなること
ができる。
【0020】あるいは、このようなポリマーは、永久的
正電荷の中心をもつ基および6またはそれ以上の炭素原
子のアルキル基(前記アルキル基は必要に応じて1また
は2以上のエーテル酸素原子を含有する)またはフルオ
ロアルキル基(前記フルオロアルキル基は必要に応じて
1または2以上のエーテル酸素原子を含有する)または
シロキサン基を含有するラジカル重合可能な、好ましく
はエチレン系不飽和の、モノマーの残基からなるか、あ
るいは成ることができる。
【0021】この態様において、好ましくはポリマーは
物理収着性基を含有するコモノマーおよび永久的正電荷
の中心をもつ基を含有するコモノマーの残基からなるコ
ポリマーである。
【0022】また、物理収着性基は必要に応じて1また
は2以上の炭素−炭素の二重結合または三重結合を含有
するアルキルまたはフルオロアルキル基であることが好
ましい。このような基は1または2以上のエーテル酸素
原子を含有することができるが、ことに好ましい態様に
おいてエーテル酸素原子を含有しない。
【0023】1つの態様において、物理収着性基が必要
に応じて1または2以上の炭素−炭素の二重結合または
三重結合を含有するアルキルまたはフルオロアルキル基
である場合、この基は炭素−炭素の二重結合または三重
結合を含有しない。
【0024】官能基を有する親水性表面をコーティング
すべきとき、ポリマーを表面に結合することができる基
はポリマーの中にペンダント基として組み込むすること
ができる。
【0025】こうして、別の態様に従い、本発明は、
(i)永久的正電荷の中心をもつ基、好ましくは両性イ
オンの基を含有するラジカル重合可能な、好ましくはエ
チレン系不飽和の、コモノマーと、ある表面にポリマー
を共有結合させることができる反応性基をもつラジカル
重合可能な、好ましくはエチレン系不飽和の、コモノマ
ーとを共重合させるか、あるいは(ii)永久的正電荷
の中心をもつ基、好ましくは両性イオンの基およびポリ
マーをある表面に共有結合させることができる反応性基
を含有するラジカル重合可能な、好ましくはエチレン系
不飽和の、モノマーを重合させる、ことにより得ること
ができるポリマーを提供する。
【0026】このようなポリマーは、永久的正電荷の中
心をもつ基、好ましくは両性イオンの基を含有するラジ
カル重合可能な、好ましくはエチレン系不飽和の、コモ
ノマーおよび、ある表面にポリマーを共有結合させるこ
とができる反応性基をもつラジカル重合可能な、好まし
くはエチレン系不飽和の、コモノマーの残基からなるコ
ポリマーであることができる。
【0027】あるいは、このようなポリマーは、永久的
正電荷の中心をもつ基、好ましくは両性イオンの基およ
びポリマーをある表面に共有結合させることができる反
応性基を含有するラジカル重合可能な、好ましくはエチ
レン系不飽和の、モノマーの残基からなるか、あるいは
成ることができる。
【0028】この態様において、好ましくはポリマーは
永久的正電荷の中心をもつ基を含有するコモノマーおよ
びポリマーを表面に共有結合することができる反応性基
を含有するコモノマーの残基からなるコポリマーであ
る。
【0029】イオン電荷をもつ表面をコーティングすべ
き場合、イオンの相互作用によりポリマーを表面に結合
することができるイオン基(アニオンまたはカチオンを
有する荷電基)をペンダント基として本発明のポリマー
の中に組み込むことができる。
【0030】第3の態様に従い、したがって、本発明
は、(i)永久的正電荷の中心をもつ基、好ましくは両
性イオンの基を含有するラジカル重合可能な、好ましく
はエチレン系不飽和の、コモノマーと、ある表面にイオ
ンの相互作用により結合することができるイオンの基を
もつラジカル重合可能な、好ましくはエチレン系不飽和
の、コモノマーとを共重合させるか、あるいは(ii)
永久的正電荷の中心をもつ基、好ましくは両性イオンの
基およびある表面にイオンの相互作用により結合するこ
とができるイオンの基を含有するラジカル重合可能な、
好ましくはエチレン系不飽和の、モノマーを重合させ
る。
【0031】このようなポリマーは、永久的正電荷の中
心をもつ基、好ましくは両性イオンの基を含有するラジ
カル重合可能な、好ましくはエチレン系不飽和の、コモ
ノマー、およびある表面にイオンの相互作用により結合
することができるイオンの基をもつラジカル重合可能
な、好ましくはエチレン系不飽和の、コモノマーの残基
からなるコポリマーであることができる。
【0032】あるいは、このようなポリマーは、永久的
正電荷の中心をもつ基、好ましくは両性イオンの基およ
びある表面にイオンの相互作用により結合することがで
きるイオンの基を含有するラジカル重合可能な、好まし
くはエチレン系不飽和の、モノマーの残基からなるか、
あるいは成ることができる。
【0033】この態様において、好ましくはポリマーは
永久的正電荷の中心をもつ基を含有するコモノマーの残
基およびイオンの相互作用によりポリマーを表面に結合
させることができるイオンの基を含有するコモノマーの
残基からなるコポリマーである。
【0034】必要に応じて、上の態様の任意のものにお
いて、ポリマーはまた1種または2種以上の希釈剤のモ
ノマーおよび/または架橋可能なモノマーの残基を含
む。
【0035】本発明は、また、このようなモノマーから
なるこのようなポリマーを製造する方法およびこのよう
なポリマーで、ある表面をコーティングする方法、例え
ば、(a)このようなモノマーを重合させてポリマーを
形成し、そして(b)そのように形成したポリマーで表
面をコーティングする工程からなる方法を提供する。必
要に応じて、この方法はさらにリガンドをポリマーに、
表面のコーティング前に溶液の中で、あるいは、より好
ましくは表面にコーティングしたとき、結合することを
含む。
【0036】特定の本発明の態様において、本発明は、
さらに、表面上にコーティングするときまたは表面上に
コーティングしないとき、架橋していない架橋可能なモ
ノマーの残基を含有するこのようなポリマー、および表
面上にコーティングするとき架橋しているこのようなポ
リマーを提供する。 なおそれ以上の特徴として、本発
明は本発明のポリマーの製造において有用なある種の新
規なモノマーを提供する。
【0037】本発明のポリマーにおいて使用することが
できるモノマーおよびコモノマーを、ここで、詳細に説
明する。
【0038】この明細書を通じて、(アルク)アクリレ
ート、(アルク)アクリル酸および(アルク)アルキル
アミドは、それぞれ、アクリレートまたはアルクアクリ
レート、アクリル酸またはアルクアクリル酸およびアク
リルアミドおよびアルクアクリルアミドを意味すること
を理解すべきである。好ましくは特記しない限り、アル
クアクリレート、アルクアクリル酸およびアルクアクリ
ルアミド基はそのアルキル基の中に1〜4の炭素原子を
含有し、そして最も好ましくはメタクリレート、メタク
リル酸またはメタクリルアミド基である。同様に、(メ
ト)アクリレート、(メト)アクリル酸および(メト)
アルキルアミドは、それぞれ、アクリレートまたはメタ
クリレート、アクリル酸またはメタクリル酸およびアク
リルアミドおよびメタクリルアミドを意味することを理
解すべきである。
【0039】永久的正電荷の中心をもつモノマー 永久的正電荷の中心をもつモノマー(またはコモノマ
ー)はカチオン性であるか、あるいはより好ましくは両
性イオン性である。後者の場合において、モノマーはそ
の構造内に永久的正電荷の中心をもつ基ばかりでなく、
かつまた負電荷の中心を含む。典型的には、永久的正電
荷の中心をもつ基は第4窒素原子により提供される。
【0040】永久的正電荷の中心をもつ基をもつ好まし
いコモノマーは、一般式Iの化合物を有する: Y−B−X (I) 式中、Bは必要に応じて過フッ化鎖までかつそれを含む
1または2以上のフッ素原子を含有する直鎖状もしくは
分枝鎖状のアルキレン、オキサアルキレンまたはオリゴ
−オキサアルキレン鎖であるか、あるいはXがBと永久
的正電荷の中心の間に炭素−炭素鎖を含有するか、ある
いはYがBに結合した末端炭素原子を含有する場合、原
子価結合であり、Xは永久的正電荷の中心をもつ基、好
ましい両性イオンの基であり、そしてYは
【0041】
【化10】
【0042】から選択されるエチレン系不飽和の重合可
能な基であり、式中、Rは水素またはC−Cアルキ
ル基であり、Aは−O−または−NR1−であり、ここ
でR1は水素またはC1−C4アルキルであるか、あるい
はR1は−B−X−であり、ここでBおよびXは上に定
義した通りであり、そしてKは基−(CH2pOC
(O)−、−(CH2pC(O)O−、−(CH2p
C(O)O−、−(CH2pNR2−、−(CH2p
2C(O)−、−(CH2pC(O)NR2−、−(C
2pNR2C(O)O−、−(CH2pOC(O)N
2−、−(CH2pNR2C(O)NR2−(ここで基
2は同一であるか、あるいは異なる)、−(CH2p
O−、−(CH2pSO−、または、必要に応じてB
と組み合わせて、原子価結合であり、そしてpは1〜1
2であり、そしてR2は水素またはC−Cアルキル
基である。
【0043】Bが原子価結合であることができるかどう
かは、Xの中の永久的正電荷の中心がYの中の異種原
子、例えば、酸素または窒素原子に直接結合しないこと
を保証する。
【0044】したがって、永久的正電荷の中心をもつ基
を含有する好ましいモノマーは、一般式(II)または
(III)を有する:
【0045】
【化11】
【0046】式中R、A、B、KおよびXは式(I)に
関して定義した通りである。 好ましくは式(II)の
化合物において、(II)がアクリル酸、メタクリル酸
またはエタクリル酸の誘導体であるように、Rは水素、
メチルまたはエチル、より好ましくはメチルである。
【0047】式(III)の化合物において、Kは原子
価結合でありかつBは基であることができ、Kは基であ
りかつBは原子価結合であることができ、KおよびBの
両者は基であることができるか、あるいはKおよびBは
一緒になって原子価結合であることができる。
【0048】Kが基である場合、好ましくはpは1〜6
であり、より好ましくは1、2または3であり、そして
最も好ましくはpは1である。Kが−(CH2pNR2
−、−(CH2pNR2C(O)−、−(CH2p
(O)NR2−、−(CH2pNR2C(O)O−、−
(CH2pOC(O)NR2−または−(CH2pNR2
C(O)NR2−であるとき、R2は好ましくは水素、メ
チルまたはエチル、より好ましくは水素である。
【0049】式(III)の化合物において、好ましく
はビニル基は基−K−B−Xに対してパラ位置に存在す
る。
【0050】好ましくはBは、次の通りである:式−
(CR3 2a−のアルキレン基、式中基−(CR3 2)−
は同一であるか、あるいは異なり、そして各基−(CR
3 2)−において、基R3は同一であるか、あるいは異な
り、そして各基R3は水素、フッ素またはC1−C4アル
キルまたはフルオロアルキル、好ましくは水素であり、
そしてaは1〜12、好ましくは1〜6である;オキサ
アルキレン基、例えば、各アルキル部分の中に1〜6個
の炭素原子を有するアルコキシアルキル、より好ましく
は−CH2O(CH2)4−;または式[(CR4 2bO]c
(CR4 2b−のオリゴ−オキサアルキレン基、式中基
−(CR4 2b−同一であるか、あるいは異なり、そし
て各基−(CR4 2b−において、R4は同一であるか、
あるいは異なり、そして各基R4は水素、フッ素または
−Cアルキルまたはフルオロアルキル、好ましく
は水素であり、そしてbは1〜6、好ましくは2または
3であり、そしてcは2〜11、好ましくは2〜5であ
る;あるいはXがBと永久的正電荷の中心との間に炭素
−炭素鎖を含有するか、あるいはYが末端炭素原子を含
有する場合、原子価結合。
【0051】好ましい基Bは、12までの炭素原子を有
し、必要に応じて1または2以上フッ素原子を含有する
アルキレン、オキサアルキレンおよびオリゴ−オキサア
ルキレンを包含する。ポリマーを疎水性表面のコーティ
ングに意図しない場合、したがって物理収着による表面
への結合に意図しない場合、好ましくはBはフッ素原子
を含有しないアルキレン、オキサアルキレンおよびオリ
ゴ−オキサアルキレンである。
【0052】式(III)の化合物において、Kおよび
Bは合計12までの炭素原子を有することが好ましい。
【0053】永久的正電荷の中心を含有する好ましいX
は、後述する式(IVA)、(IVB)、(IVC)、
(IVD)、(IVE)および(IVF)の基である:
このような基を含有するモノマーは、表面に結合するこ
とができる基を含有するそれ以上のモノマーと組み合わ
せて使用して、本発明のコポリマーを製造することがで
きる。式(IVB)〜(IVF)の基のうちで、ことに
(IVC)はとくに好ましい。
【0054】さらに、式(VA)、(VB)および(V
C)の基は、永久的正電荷の中心および物理収着により
表面に結合することができるアルキル、フルオロアルキ
ルまたはシロキサン基の両者を含有するモノマーとして
好ましい。
【0055】式(IVA)の基は、次の通りである: −N+(R53- (IVA) 式中基R5は同一であるか、あるいは異なり、そして各
々は水素またはC1−C4アルキルであり、そしてZ-
対イオンである。
【0056】好ましくは、基R5はすべて同一である。
また、基R5の少なくとも1つはメチルであり、そして
より好ましくはすべての基R5はメチルであることが好
ましい。
【0057】式(IVA)の基を含有する式(II)ま
たは(III)の化合物の中に存在する対イオンZ
-は、化合物が中性塩であるようなものである。対イオ
ンは生理学的流体の中のイオンと交換することができ、
こうして対イオンの特定の性質は本発明において重要で
はない。しかしながら、薬理学的に許容される対イオン
は好ましい。適当な薬理学的に許容される対イオンは、
ハロゲンのアニオン、例えば、塩素または臭素のイオ
ン、他の無機イオン、例えば、硫酸イオン、リン酸イオ
ンおよび亜リン酸のイオンおよび有機アニオン、例え
ば、2〜25の炭素原子を含有しそして必要に応じて1
または2以上のヒドロキシル基を含有する脂肪族モノ
−、ジ−またはトリ−カルボン酸アニオン、例えば、酢
酸、クエン酸および乳酸のイオンを包含する。
【0058】Xが式(IVA)の基であるとき、好まし
くはBは式−(R3 2)−または−(R3 22−、例え
ば、−(CH2)−または−(CH2CH2)−である。
【0059】式(IVB)の基は、次の通りである:
【0060】
【化12】
【0061】式中基R6は同一であるか、あるいは異な
り、そして各々は水素またはC1−C4アルキルであり、
そしてdは2〜4である。
【0062】好ましくは、基R6は同一である。また、
基R6の少なくとも1つはメチルであり、より好ましく
は基R6の両者はメチルであることが好ましい。
【0063】好ましくはdは2または3であり、より好
ましくは3である。
【0064】Xが式(IVB)の基であるとき、好まし
くはBは式−(CR3 2)−または−(CR3 22−、例
えば、−(CH2)−または−(CH2CH2)−であ
る。
【0065】式(IVC)の基は、次の通りである:
【0066】
【化13】
【0067】式中基R7は同一であるか、あるいは異な
り、そして各々は水素またはC1−C4アルキルであり、
そしてeは1〜4である。
【0068】好ましくは、基R7は同一である。また、
基R7の少なくとも1つはメチルであり、より好ましく
は基R7のすべてはメチルであることが好ましい。
【0069】好ましくはeは2または3であり、より好
ましくは2である。
【0070】Xが式(IVC)の基であるとき、好まし
くはBは式−(CR3 2)−または−(CR3 22−、例
えば、−(CH2)−または−(CH2CH2)−であ
る。
【0071】式(IVD)は、次の通りである:
【0072】
【化14】
【0073】式中基R8は同一であるか、あるいは異な
り、そして各々は水素またはC1−C4アルキルであり、
8aは水素または、より好ましくは基−C(O)B1
8bであり、ここでR8bは水素またはメチル、好ましくは
メチルであり、B1は原子価結合または直鎖状もしくは
分枝鎖状のアルキレン、オキサアルキレンまたはオリゴ
−オキサアルキレンであり、そしてfは1〜4であり、
そしてBが原子価結合以外である場合、zは1でありそ
してBが原子価結合である場合、zは0であり、Xが酸
素または窒素原子に直接結合している場合かつそれ以外
はzは1である。
【0074】好ましくは基R8は同一である。また、基
8の少なくとも1つはメチルであり、より好ましくは
基R8のすべてはメチルであることが好ましい。
【0075】好ましくはfは1または2であり、より好
ましくは2である。
【0076】好ましくはB1は、次の通りである: 原子価結合;式−(CR3a 2aa−のアルキレン基、式
中基−(CR3a 2)−は同一であるか、あるいは異な
り、そして各基−(CR3a 2)−において、基R3aは同
一であるか、あるいは異なり、そして各基R3aは水素ま
たはC1−C4アルキル、好ましくは水素であり、そして
aaは1〜12、好ましくは1〜6である。
【0077】オキサアルキレン基、例えば、各アルキル
部分の中に1〜6の炭素原子を有するアルコキシアルキ
ル、より好ましくは−CH2O(CH24−;または式
−[(CR4a 2baO]ca−のオリゴ−オキサアルキレ
ン基、式中−(CR4a 2)−基は同一であるか、あるい
は異なり、そして各基−(CR4a 2)−において、R4a
は同一であるか、あるいは異なり、そして各基R4aは水
素またはC−Cアルキル、好ましくは水素であり、
そしてbaは1〜6、好ましくは2または3であり、そ
してcaは1〜12、好ましくは1〜6である。
【0078】好ましい基B1は原子価結合および12ま
での炭素原子を有するアルキレン、オキサアルキレンお
よびオリゴ−オキサアルキレン基を包含する。
【0079】好ましくはBおよびB1は同一である。
【0080】Xが式(IVD)の基であるとき、好まし
くはBは式−[(CR4 2CR4 2bO]cCR4 2CR4 2
の基、例えば、−(CH2CH2O)c(CH2CH2)−
である。
【0081】式(IVE)の基は、次の通りである:
【0082】
【化15】
【0083】式中基R9は同一であるか、あるいは異な
り、そして各々は水素またはC1−C4アルキルであり、
9aは水素または、より好ましくは基−C(O)B1
9bであり、ここでR9bは水素またはメチル、好ましくは
メチルであり、B2は原子価結合または直鎖状もしくは
分枝鎖状のアルキレン、オキサアルキレンまたはオリゴ
−オキサアルキレン基であり、そしてgは1〜4であ
り、そしてBが原子価結合以外である場合、zは1であ
りそしてBが原子価結合である場合、zは0であり、X
が酸素または窒素原子に直接結合している場合かつそれ
以外はzは1である。
【0084】好ましくはR9は同一である。また、基R9
の少なくとも1つはメチルであり、より好ましくは基R
9のすべてはメチルであることが好ましい。 好ましく
はgは1または2であり、より好ましくは2である。
【0085】好ましくはB2は、次の通りである: 原子価結合;式−(CR3b 2ab−のアルキレン基、式
中基−(CR3b 2)−は同一であるか、あるいは異な
り、そして各基−(CR3b 2)−において、基R3bは同
一であるか、あるいは異なり、そして各基R3bは水素ま
たはC1−C4アルキル、好ましくは水素であり、そして
abは1〜12、好ましくは1〜6である。
【0086】オキサアルキレン基、例えば、各アルキル
部分の中に1〜6の炭素原子を有するアルコキシアルキ
ル、より好ましくは−CH2O(CH24−;または式
−[(CR4b 2bbO]cb−のオリゴ−オキサアルキレ
ン基、式中−(CR4b 2)−基は同一であるか、あるい
は異なり、そして各基−(CR4b 2)−において、R4b
は同一であるか、あるいは異なり、そして各基R4bは水
素またはC−Cアルキル、好ましくは水素であり、
そしてbbは1〜6、好ましくは2または3であり、そ
してcbは1〜12、好ましくは1〜6である。
【0087】好ましい基B2は原子価結合および12ま
での炭素原子を有するアルキレン、オキサアルキレンお
よびオリゴ−オキサアルキレン基を包含する。
【0088】好ましくはBおよびB2は同一である。
【0089】Xが式(IVE)の基であるとき、好まし
くはBは式−[(CR4 2CR4 2bO]cCR4 2CR4 2
の基、例えば、−(CH2CH2O)c(CH2CH2)−
である。
【0090】式(IVF)の基は、次の通りである:
【0091】
【化16】
【0092】式中基R10は同一であるか、あるいは異な
り、そして各々は水素またはC1−C4アルキルであり、
10aは水素または、より好ましくは基−C(O)B3
10bであり、ここでR10bは水素またはメチル、好ましく
はメチルであり、B3は原子価結合または直鎖状もしく
は分枝鎖状のアルキレン、オキサアルキレンまたはオリ
ゴ−オキサアルキレン基であり、そしてhは1〜4であ
り、そしてBが原子価結合以外である場合、zは1であ
りそしてBが原子価結合である場合、zは0であり、X
が酸素または窒素原子に直接結合している場合かつそれ
以外はzは1である。
【0093】好ましくはR10は同一である。また、基R
10の少なくとも1つはメチルであり、より好ましくは基
10のすべてはメチルであることが好ましい。
【0094】好ましくはhは1または2であり、より好
ましくは2である。
【0095】好ましくはB3は、次の通りである: 原子価結合;式−(CR3c 2ac−のアルキレン基、式
中基−(CR3c 2)−は同一であるか、あるいは異な
り、そして各基−(CR3c 2)−において、基R3cは同
一であるか、あるいは異なり、そして各基R3cは水素ま
たはC1−C4アルキル、好ましくは水素であり、そして
acは1〜12、好ましくは1〜6である。
【0096】オキサアルキレン基、例えば、各アルキル
部分の中に1〜6の炭素原子を有するアルコキシアルキ
ル、より好ましくは−CH2O(CH24−;または式
−[(CR4c 2bcO]cc−のオリゴ−オキサアルキレ
ン基、式中−(CR4c 2)−基は同一であるか、あるい
は異なり、そして各基−(CR4c 2)−において、R4c
は同一であるか、あるいは異なり、そして各基R4cは水
素またはC−Cアルキル、好ましくは水素であり、
そしてbcは1〜6、好ましくは2または3であり、そ
してccは1〜12、好ましくは1〜6である。
【0097】好ましい基B3は原子価結合および12ま
での炭素原子を有するアルキレン、オキサアルキレンお
よびオリゴ−オキサアルキレン基を包含する。
【0098】好ましくはBおよびB3は同一である。
【0099】Xが式(IVF)の基であるとき、好まし
くはBは式−[(CR4 2CR4 2bO]cCR4 2CR4 2
の基、例えば、−(CH2CH2O)c(CH2CH2)−
である。
【0100】永久的正電荷の中心を有する他の基は、式
(VA)、(VB)および(VC)を有する。これらの
基は、また、物理収着により表面に結合することができ
るアルキルまたはフルオロアルキルを含有する。したが
って、このような基を含有するモノマーは、物理収着に
より疎水性表面に結合できる基を含有するコモノマーを
必要に応じて使用しないで、本発明のポリマーにおける
使用にとくに適する。
【0101】式(VA)の基は、次の通りである:
【0102】
【化17】
【0103】式中基R11は同一であるか、あるいは異な
り、そして各々は水素またはC1−C4アルキルであり、
11aは次の通りである: (a)基−[C(O)]vw(CR11b 2ww(Si
11c 2)(OSiR11cvv11c、式中各基R11bは同
一であるか、あるいは異なり、そして水素または1〜4
の炭素原子のアルキルであり、各基R11cは同一である
か、あるいは異なり、そして1〜4の炭素原子のアルキ
ルまたはアラルキル、例えば、ベンジルまたはフェネチ
ルであり、vwは0または1であり、wwは0〜6であ
り、ただしvwおよびwwの両者は0でなく、そしてv
vは0〜49である;または(b)式−C(O)B4
11dの基、式中R11dは水素またはメチルであり、B4
は原子価結合または必要に応じて1または2以上のフッ
素原子を含有し、そして6〜24、好ましくは6〜18
の炭素原子を含有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキ
レン、オキサアルキレンまたはオリゴ−オキサアルキレ
ン基であり、iは1〜4である;そしてBが原子価結合
以外である場合、zは1であり、そしてBが原子価結合
である場合、zは0であり、Xが酸素または窒素原子以
外である場合、それ以外はzは1である。
【0104】好ましくはR11は同一である。また、基R
11の少なくとも1つはメチルであることが好ましく、そ
して基R11のすべてはメチルであることがより好まし
い。好ましくはiは1または2であり、より好ましくは
2である。
【0105】R11aは上の(a)において定義するシロ
キサン基である場合、各基(CR11b 2)は同一である
か、あるいは異なることができ、好ましくは同一であ
り、そして好ましくは各基R11bは水素である。好まし
くはwwは2〜4であり、そして最も好ましくはvwが
0であるとき3であるか、あるいはvwが1であるとき
2である。各基(SiR11c 2)は同一であるか、あるい
は異なることができ、好ましくは同一であり、そして好
ましくは各基R11cはメチルである。好ましくはvvは
4〜29である。
【0106】好ましくは基R11aは上に定義した基−C
(O)B411dである。このような場合において、好ま
しくはB4は、次の通りである: 原子価結合;式−(CR3d 2ad−のアルキレン基、式
中基−(CR3d 2)−は同一であるか、あるいは異な
り、そして各基−(CR3d 2)−において、基R3dは同
一であるか、あるいは異なり、そして各基R3dは水素、
フッ素またはC−Cアルキルまたはフルオロアルキ
ル、好ましくは水素またはフッ素であり、そしてadは
1〜24、好ましくは6〜18である。
【0107】オキサアルキレン基、例えば、各アルキル
部分の中に1〜6の炭素原子および必要に応じて1また
は2以上のフッ素原子を有するアルコキシアルキル;ま
たは式−[(CR4d 2bdO]cd−のオリゴ−オキサア
ルキレン基、式中−(CR4d 2)−基は同一であるか、
あるいは異なり、そして各基−(CR4d 2)−におい
て、R4dは同一であるか、あるいは異なり、そして各基
4dは水素、フッ素またはC−Cアルキルまたはフ
ルオロアルキル、好ましくは水素またはフッ素であり、
そしてbdは2〜6、好ましくは3または4であり、そ
してcdは1〜12、好ましくは1〜6である。
【0108】B4が基−[(CR4d 2bdO]cd−であ
り、ここですべての基R4dは水素でありそしてすべての
基−[(CR4d 2bdO]−においてbdは2であると
き、式(VA)のモノマーの残基は疎水性表面と強い二
次的原子価相互作用を形成することができない。このよ
うなモノマーの残基を本発明のポリマーの中に含めるこ
とができるが、また、このような相互作用がポリマーを
表面に結合する場合、このような強い二次的原子価相互
作用を形成できるモノマーの残基を含むことが通常必要
である。
【0109】オリゴ(高級アルキレン)オキシド部分を
含有する基を有するモノマーを使用して必要な強い二次
的原子価相互作用を与えることができるので、個々のア
ルキレンオキシド単位の少なくとも50モル%、好まし
くは70モル%、より好ましくは90モル%が3または
それ以上の炭素原子を含有するオリゴアルキレンオキシ
ド部分を含有するモノマーを使用することができる。こ
うして、例えば、エチレンオキシド単位より多いプロピ
レンオキシド単位が存在するかぎり、混合オリゴ(アル
キレンオキシド/プロピレンオキシド)側鎖を使用する
ことができる。
【0110】B4が基−[(CR4d 2bdO]cd−である
とき、残基−[(CR4d 2)bdO]−のわずかに50、好ま
しくは70、より好ましくは90モル%またはそれより
小において好ましくはbdは2である。
【0111】基−B4−R11aが表面と強い二次的原子価
相互作用を形成できる基であるとき、基(VA)を含有
するモノマーは永久的正電荷の中心をもつ基および必要
に応じて1または2以上のエーテル酸素原子を含有する
アルキルまたはフルオロアルキル基を含有するモノマー
として使用するためにとくに適当であることができる。
好ましくは、このような場合において−B4−R11aは必
要に応じて1または2以上のエーテル酸素原子および好
ましくは6またはそれ以上の炭素原子を含有するアルキ
ル基または必要に応じて1または2以上のエーテル酸素
原子および好ましくは6またはそれ以上の炭素原子を含
有するフルオロアルキル基である。1つの態様におい
て、BおよびB4は同一である。
【0112】式(VB)の基は、次の通りである:
【0113】
【化18】
【0114】式中基R12は同一であるか、あるいは異な
り、そして各々は水素またはC1−C4アルキルであり、
12aは次の通りである: (a)基−[C(O)]tu(CR12b 2uu(Si
12c 2)(OSiR12ctt12c、式中各基R12bは同
一であるか、あるいは異なり、そして水素または1〜4
の炭素原子のアルキルであり、各基R12cは同一である
か、あるいは異なり、そして1〜4の炭素原子のアルキ
ルまたはアラルキル、例えば、ベンジルまたはフェネチ
ルであり、tuは0または1であり、uuは0〜6であ
り、ただしtuおよびuuの両者は0でなく、そしてt
tは0〜49である;または(b)式−C(O)B5
12dの基、式中R12dは水素またはメチルであり、B5
は原子価結合または必要に応じて1または2以上のフッ
素原子を含有し、そして6〜24、好ましくは6〜18
の炭素原子を含有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキ
レン、オキサアルキレンまたはオリゴ−オキサアルキレ
ン基である、jは1〜4である;そしてBが原子価結合
以外である場合、zは1であり、そしてBが原子価結合
である場合、zは0であり、Xが酸素または窒素原子以
外である場合、それ以外はzは1である。
【0115】好ましくはR12は同一である。また、基R
12の少なくとも1つはメチルであることが好ましく、そ
して基R12のすべてはメチルであることがより好まし
い。
【0116】R12aは上の(a)において定義するシロ
キサン基である場合、各基(CR12b 2)は同一である
か、あるいは異なることができ、好ましくは同一であ
り、そして好ましくは各基R12bは水素である。好まし
くはuuは2〜4であり、そして最も好ましくはtuが
0であるとき3であるか、あるいはtuが1であるとき
2である。各基(SiR12c 2)は同一であるか、あるい
は異なることができ、好ましくは同一であり、そして好
ましくは各基R12cはメチルである。好ましくはttは
4〜29である。
【0117】好ましくは基R12aは上に定義した基−C
(O)B512dである。このような場合において、好ま
しくはB5は、次の通りである: 原子価結合;式−(CR3e 2ae−のアルキレン基、式
中基−(CR3e 2)−は同一であるか、あるいは異な
り、そして各基−(CR3e 2)−において、基R3eは同
一であるか、あるいは異なり、そして各基R3eは水素、
フッ素またはC1−C4アルキルまたはフルオロアルキ
ル、好ましくは水素またはフッ素であり、そしてaeは
1〜24、好ましくは6〜18である。
【0118】オキサアルキレン基、例えば、各アルキル
部分の中に1〜6の炭素原子および必要に応じて1また
は2以上のフッ素原子を有するアルコキシアルキル;ま
たは式−[(CR4e 2beO]ce−のオリゴ−オキサア
ルキレン基、式中−(CR4e 2)−基は同一であるか、
あるいは異なり、そして各基−(CR4e 2)−におい
て、R4eは同一であるか、あるいは異なり、そして各基
4eは水素、フッ素またはC−Cアルキルまたはフ
ルオロアルキル、好ましくは水素またはフッ素であり、
そしてbeは2〜6、好ましくは3または4であり、そ
してceは1〜12、好ましくは1〜6である。
【0119】B5が基−[(CR4e 2beO]ce−であ
り、ここですべての基R4eは水素でありそしてすべての
基−[(CR4e 2beO]−においてbeが2であると
き、式(VB)のモノマーの残基は疎水性表面と強い二
次的原子価相互作用を形成することができない。このよ
うなモノマーの残基を本発明のポリマーの中に含めるこ
とができるが、また、このような相互作用がポリマーを
表面に結合する場合、強い二次的原子価相互作用を形成
できるモノマーの残基を含むことが通常必要である。オ
リゴ(高級アルキレン)オキシド部分を含有する基を有
するモノマーを使用して強い二次的原子価相互作用を与
えることができるので、個々のアルキレンオキシド単位
の少なくとも50モル%、好ましくは70モル%、より
好ましくは90モル%が3またはそれ以上の炭素原子を
含有するオリゴアルキレンオキシド部分を含有するモノ
マーを使用することができる。こうして、例えば、エチ
レンオキシド単位より多いプロピレンオキシド単位が存
在するかぎり、混合オリゴ(アルキレンオキシド/プロ
ピレンオキシド)側鎖を使用することができる。
【0120】B5が基−[(CR4e 2beO]ce−である
とき、残基−[(CR4e 2)beO]−のわずかに50、好ま
しくは70、より好ましくは90モル%またはそれより
小において好ましくはbeは2である。
【0121】基−B5−R12aが表面と強い二次的原子価
相互作用を形成できる基であるとき、基(VB)を含有
するモノマーは永久的正電荷の中心をもつ基および必要
に応じて1または2以上のエーテル酸素原子を含有する
アルキルまたはフルオロアルキル基を含有するモノマー
として使用するためにとくに適当であることができる。
好ましくは、このような場合において−B5−R12aは必
要に応じて1または2以上のエーテル酸素原子および好
ましくは6またはそれ以上の炭素原子を含有するアルキ
ル基または必要に応じて1または2以上のエーテル酸素
原子および好ましくは6またはそれ以上の炭素原子を含
有するフルオロアルキル基である。 1つの態様におい
て、BおよびB5は同一である。
【0122】式(VC)の基は、次の通りである:
【0123】
【化19】
【0124】式中基R13は同一であるか、あるいは異な
り、そして各々は水素またはC1−C4アルキルであり、
13aは次の通りである: (a)基−[C(O)]rs(CR13b 2ss(Si
13c 2)(OSiR13crr13c、式中各基R13bは同
一であるか、あるいは異なり、そして水素または1〜4
の炭素原子のアルキルであり、各基R13cは同一である
か、あるいは異なり、そして1〜4の炭素原子のアルキ
ルまたはアラルキル、例えば、ベンジルまたはフェネチ
ルであり、rsは0または1であり、ssは0〜6であ
り、ただしrsおよびssの両者は0でなく、そしてr
rは0〜49である;または(b)式−C(O)B6
13dの基、式中R13dは水素またはメチルであり、B6
は原子価結合または必要に応じて1または2以上のフッ
素原子を含有し、そして6〜24、好ましくは6〜18
の炭素原子を含有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキ
レン、オキサアルキレンまたはオリゴ−オキサアルキレ
ン基である、kは1〜4である;そしてBが原子価結合
以外である場合、zは1であり、そしてBが原子価結合
である場合、zは0であり、Xが酸素または窒素原子以
外である場合、それ以外はzは1である。
【0125】好ましくはR13は同一である。また、基R
13の少なくとも1つはメチルであることが好ましく、そ
して基R13のすべてはメチルであることがより好まし
い。
【0126】好ましくはkは1または2、より好ましく
は2である。
【0127】R13aは上の(a)において定義するシロ
キサン基である場合、各基(CR13b 2)は同一である
か、あるいは異なることができ、好ましくは同一であ
り、そして好ましくは各基R13bは水素である。好まし
くはssは2〜4であり、そして最も好ましくはrsが
0であるとき3であるか、あるいはrsが1であるとき
2である。各基(SiR13c 2)は同一であるか、あるい
は異なることができ、好ましくは同一であり、そして好
ましくは各基R13cはメチルである。好ましくはrrは
4〜29である。
【0128】好ましくは基R13aは上に定義した基−C
(O)B613dである。このような場合において、好ま
しくはB6は、次の通りである: 原子価結合;式−(CR3f 2af−のアルキレン基、式
中基−(CR3f 2)−は同一であるか、あるいは異な
り、そして各基−(CR3f 2)−において、基R3fは同
一であるか、あるいは異なり、そして各基R3fは水素、
フッ素またはC1−C4アルキルまたはフルオロアルキ
ル、好ましくは水素またはフッ素であり、そしてafは
1〜24、好ましくは6〜18である。
【0129】オキサアルキレン基、例えば、各アルキル
部分の中に1〜6の炭素原子および必要に応じて1また
は2以上のフッ素原子を有するアルコキシアルキル;ま
たは式−[(CR4f 2bfO ]cf−のオリゴ−オキサア
ルキレン基、式中−(CR4f 2)−基は同一であるか、
あるいは異なり、そして各基−(CR4f 2)−におい
て、R4fは同一であるか、あるいは異なり、そして各基
4fは水素、フッ素またはC−Cアルキルまたはフ
ルオロアルキル、好ましくは水素またはフッ素であり、
そしてbfは2〜6、好ましくは3または4であり、そ
してcfは1〜12、好ましくは1〜6である。
【0130】B6が基−[(CR4f 2bfO]cf−であ
り、ここですべての基R4fは水素でありそしてすべての
基−[(CR4f 2bfO]−においてbfが2であると
き、式(VC)のモノマーの残基は疎水性表面と強い二
次的原子価相互作用を形成することができない。このよ
うなモノマーの残基を本発明のポリマーの中に含めるこ
とができるが、また、このような相互作用がポリマーを
表面に結合する場合、強い二次的原子価相互作用を形成
できるモノマーの残基を含むことが通常必要である。オ
リゴ(高級アルキレン)オキシド部分を含有する基を有
するモノマーを使用して強い二次的原子価相互作用を与
えることができるので、個々のアルキレンオキシド単位
の少なくとも50モル%、好ましくは70モル%、より
好ましくは90モル%が3またはそれ以上の炭素原子を
含有するオリゴアルキレンオキシド部分を含有するモノ
マーを使用することができる。こうして、例えば、エチ
レンオキシド単位より多いプロピレンオキシド単位が存
在するかぎり、混合オリゴ(アルキレンオキシド/プロ
ピレンオキシド)側鎖を使用することができる。
【0131】B6が基−[(CR4f 2bfO]cf−である
とき、残基−[(CR4f 2)bfO]−のわずかに50、好ま
しくは70、より好ましくは90モル%またはそれより
小において好ましくはbfは2である。
【0132】基−B6−R13aが表面と強い二次的原子価
相互作用を形成できる基であるとき、基(VC)を含有
するモノマーは永久的正電荷の中心をもつ基および必要
に応じて1または2以上のエーテル酸素原子を含有する
アルキルまたはフルオロアルキル基を含有するモノマー
として使用するためにとくに適当であることができる。
好ましくは、このような場合において−B6−R13aは必
要に応じて1または2以上のエーテル酸素原子および好
ましくは6またはそれ以上の炭素原子を含有するアルキ
ル基または必要に応じて1または2以上のエーテル酸素
原子および好ましくは6またはそれ以上の炭素原子を含
有するフルオロアルキル基である。
【0133】1つの態様において、BおよびB6は同一
である。
【0134】永久的正電荷の中心をもつ基を含有する好
ましいモノマーの特定の例は、2−(メチルアクロイル
オキシオキシ)エチル−2’−(トリメチルアンモニウ
ム)エチルホスヘート内部塩および1−[4−(4’−
ビニルベンジルオキシ)ブタン]−2”−(トリメチル
アンモニウム)エチルホスヘート内部塩である。
【0135】永久的正電荷の中心を含有する基をもつモ
ノマー、例えば、式(II)および(III)のモノマ
ーは、既知の反応を使用する普通の技術により、例え
ば、適当に置換したアルキル(アルク)アクリレートま
たは適当な置換スチレンを前駆体として使用して製造す
ることができる。適当な置換アルキル(アルク)アクリ
レートは、ジメチルアミノエチル(メト)アクリレート
および2−ヒドロキシエチル(メト)アクリレートを包
含する。
【0136】式(IVA)の基を含有する式(II)ま
たは(III)のモノマーは既知の方法により製造する
ことができる。式(VB)または(IVC)の基を含有
するモノマーは、参考例17〜19に記載されているよ
うに、あるいは類似の既知の方法により製造することが
できる。
【0137】R8aが−C(O)B18bである式(IV
D)の基を含有する式(II)または(III)のモノ
マーは、グリセロホスホリルコリンまたはその類似体を
第1ヒドロキシル基において活性化酸誘導体、例えば、
酸無水物O(C(O)B18b2または酸ハライドR8b
1COHal(ここでB1およびR8bは上に定義した通
りでありそしてHalはハロゲンである)で選択的にア
シル化し、次いで第2ヒドロキシル基を適当なアシル化
剤、例えば、塩化メタクロイルでアシル化することによ
って製造することができる。各アシル化後または第2ア
シル化後に、精製、例えば、適当な支持体を使用するク
ロマトグラフィーによる精製を実施することができる。
適当な活性化酸誘導体は、酸無水物、酸ハライド反応器
エステルおよびイミダゾリドを包含する。アシル化は適
当な無水、非プロトン性溶媒、例えば、N,N−ジメチ
ルホルムアミド中で、必要に応じて適当な非親核性塩
基、例えば、トリエチルアミンの存在下に実施すること
ができる。
【0138】あるいは、グリセロホスホリルコリンまた
はその類似体の中の第1アルコール基を適当な保護基試
薬、例えば、塩化t−ブチルジメチルシリルとの反応に
より標準条件下にブロックし、次いで第2ヒドロキシル
基をアシル化剤、例えば、塩化メタクロイルで処理する
ことができる。t−ブチルジメチルシリル保護基は、希
有機酸または鉱酸、例えば、p−トルエンスルホン酸、
塩酸またはフッ化テトラブチルアンモニウムで処理する
ことによって除去することができる。次いで、脱ブロッ
クしたヒドロキシルを活性化酸誘導体、例えば、酸無水
物O(C(O)B18b)2または酸ハライドR8b1COH
al(ここでB1およびR8bは上に定義した通りであり
そしてHalはハロゲンである)で処理することができ
る。
【0139】グリセロホスホリルコリンの類似体(R8a
が水素である基(IVD)を含有する式(II)または
(III)の化合物)は、オキシ塩化リンをブロモアル
コールと不活性非プロトン性溶媒、例えば、ジクロロメ
タン中で反応させてブロモアルキルホスホロジクロラリ
デートを生成することによって製造することができる。
次いで、こうして製造したジクロロ誘導体を、適当に保
護されたグリセロール誘導体、例えば、2,2−ジメチ
ル−1,3−ジオキソラン−4−メタノールで、塩基、
例えば、トリエチルアミンの存在下に処理し、次いで酸
加水分解によりブロモアルキルホスホログリセロール誘
導体を生成することができる。次いでこれをアミンNR
8 3(ここでR8は上に定義した通りである)、例えば、
トリメチルアミンで処理してグリセロホスホリルコリン
類似体を発生させることができる。この製造は次の反応
の概要に描写される。
【0140】
【化20】
【0141】ここでR8およびfは式(IVD)の基に
関して定義したとおりである。
【0142】R9aが−C(O)B29bである式(IV
E)の基を含有する式(II)または(III)のモノマ
ーは、グリセロホスホリルコリンまたはその類似体を第
1ヒドロキシル基において、例えば、塩化メタクロイル
で選択的にアシル化し、次いで第2ヒドロキシル基にお
いて活性化酸誘導体、例えば、酸無水物O(C(O)B
29b2または酸ハライドR9b2COHal(ここで
1およびR9bは上に定義した通りでありそしてHal
はハロゲンである)を使用して反応させることによって
製造することができる。必要に応じて、式(IVD)の
基を含有するモノマーの製造に関して上に概説したもの
に類似する保護基の方法を使用することができる。
【0143】式(IVF)の基を含有する式(II)ま
たは(III)のモノマーは、式(IVD)または(I
VE)の基を含有するモノマーに類似する方法で製造す
ることができる。
【0144】式(VA)、(VB)または(VC)の基
を含有する式(II)または(III)のモノマーは、
それぞれ、式(IVD)、(IVE)または(IVF)
の基を含有するモノマーについて記載した方法と直接類
似する方法により製造することができる。
【0145】ポリマーをある表面に安定に結合すること
ができるコモノマー 本発明のポリマーにおいて、永久的正電荷の中心をもつ
基およびポリマーをある表面に安定に結合することがで
きる基が同一モノマーの残基の中に存在しない場合、ポ
リマーはポリマーをある表面に安定に結合することがで
きる基を含有するコモノマーの残基ならびに永久的正電
荷の中心をもつ基を含有するコモノマーの残基からな
る。必要に応じて、永久的正電荷の中心をもつ基を含有
するモノマーが、また、ポリマーをある表面に安定に結
合することができる基を含有する場合、ある表面に安定
に結合することができるそれ以上の基は、ポリマーをあ
る表面に結合することができる基を含有する追加のコモ
ノマーの残基により提供することができる。
【0146】既に述べたように、ある表面に結合するこ
とができる基の性質、したがってこのような基を含有す
るコモノマーの性質は、ポリマーでコーティングすべき
表面の性質に依存するであろう。このようなコモノマー
の種々のタイプをここで説明する。
【0147】理解されるように、ある場合において、あ
る表面に結合することができる基を含有する異なるコモ
ノマーの組み合わせを使用することが望ましいことがあ
る。好ましくは、後述するタイプa)、b)および/ま
たはc)のコモノマーまたはこのようなコモノマーの組
み合わせを使用し、より好ましくはタイプa)、b)お
よびc)のコモノマーの1つのみを使用する。
【0148】a)アルキル、フルオロアルキルまたはシ
ロキサン基を含有するコモノマー アルキル、フルオロアルキルまたはシロキサン基を含有
するコモノマーは、疎水性表面への結合の形成に適当で
あり、6またはそれ以上の炭素原子のアルキル基(必要
に応じて1または2以上のエーテル酸素原子を含有しか
つ必要に応じて1または2以上の炭素−炭素の二重結合
または三重結合を含有する)またはフルオロアルキル
(好ましくは6またはそれ以上の炭素原子を含有し、必
要に応じて1または2以上のエーテル酸素原子を含有し
かつ必要に応じて1または2以上の炭素−炭素の二重結
合または三重結合を含有する)またはシロキサン基(5
0までのケイ素原子を含有し、好ましくは線状である)
を含有するコモノマーである。
【0149】好ましくはアルキルまたはフルオロアルキ
ル基は24まで、例えば、18までの炭素原子を含有
し、あるいはシロキサン基は50までのケイ素原子を含
有し、好ましくは線状である。アルキル、フルオロアル
キルまたはシロキサン基を含有するコモノマーは、一般
式(VI)のコモノマーである: Y1−Q (VI) 式中、Y1
【0150】
【化21】
【0151】から選択されるエチレン系不飽和の重合可
能な基であり、ここでR14は水素またはC−Cアル
キル基であり、A’は−O−または−NR15−であり、
ここでR15は水素またはC1−C4アルキルであるか、あ
るいはR15は基Qであり、K1は基−(CH2lOC
(O)−、−(CH2lC(O)O−、−(CH2l
C(O)O−、−(CH2lNR16−、−(CH2l
16C(O)−、−(CH2lC(O)NR16−、−
(CH2lNR16C(O)O−、−(CH2lOC
(O)NR16−、−(CH2lNR16C(O)NR16
(ここで基R16は同一であるか、あるいは異なる)、−
(CH2lO−、−(CH2lSO3−、または原子価
結合であり、そしてlは1〜12であり、そしてR16
水素またはC1−C4アルキル基であり、そしてQは
(a)6またはそれ以上、好ましくは6〜24の炭素原
子を含有し、置換されていないか、あるいは1または2
以上のフッ素原子により置換されておりそして必要に応
じて1または2以上の炭素−炭素の二重結合または三重
結合を含有する直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル、ア
ルコキシアルキルまたは(オリゴ−アルコキシ)アルキ
ル鎖、または(b)シロキサン基−(CR16a 2)qq(S
iR16b 2)(OSiR16b 2)pp16b、ここで各基R16a
同一であるか、あるいは異なり、そして水素または1〜
4個の炭素原子を有するアルキルであり、各基R16b
1〜4個の炭素原子を有するアルキルであり、qqは1
〜6であり、そしてppは0〜49である、である。
【0152】基Qをもつ式(VI)の好ましいコモノマ
ーは、式(VII)または(VIII)のものを包含す
る:
【0153】
【化22】
【0154】式中、R14、A’、K1およびQは式(V
I)に関して定義した通りである。
【0155】式(VII)の化合物において好ましく
は、R14は水素、メチルまたはエチルであり、より好ま
しくはメチルであり、こうして式(VII)の化合物は
好ましくはアクリル酸、メタクリル酸またはエタクリル
酸の誘導体である。
【0156】式(VIII)の化合物において、K
1は、例えば、原子価結合である。K1が基であるとき、
好ましくはlは1〜6、より好ましくは1、2または3
であり、最も好ましくはlは1である。K1が−(C
2lNR16−、−(CH2lNR16C(O)−、−
(CH2lC(O)NR16−、−(CH2lNR16
(O)O−、−(CH2lOC(O)NR16−または−
(CH2lNR16C(O)NR16−であるとき、R16
好ましくは水素、メチルまたはエチル、より好ましくは
水素である。
【0157】式(VIII)の化合物において、好まし
くはビニル基は基−K1−Qに対してパラ位置に存在す
る。
【0158】好ましくはQは必要に応じて1または2以
上のエーテル酸素原子を含有しかつ必要に応じて1また
は2以上の炭素−炭素の二重結合または三重結合を含有
するアルキルまたはフルオロアルキル基である。より好
ましくは、Qは次の通りである:式−(CR17 2mCR
17 3のアルキル基、式中基−(CR17 2)−は同一である
か、あるいは異なり、そして各基−(CR17 2)−にお
いて基R17は同一であるか、あるいは異なり、そして各
基R17は水素、フッ素またはC1−C4アルキルまたはフ
ルオロアルキルであり、そしてmはQがフッ素原子を含
有しない場合5〜23であるか、あるいはQが1または
2以上のフッ素原子を含有する場合、1〜23、好まし
くは5〜23である;各アルキル部分の中に1〜12の
炭素原子を有するアルコキシアルキル;置換されていな
いか、あるいは1または2以上のフッ素原子で置換され
ている;または式−[(CR18 2nO]o(CR18 2n
18の(オリゴ−アルコキシル)アルキル基、式中基−
(CR18 2)−は同一であるか、あるいは異なり、そし
て各基−(CR18 2)−において各基R18は同一である
か、あるいは異なり、そして各基R18は水素、フッ素ま
たはC1−C4アルキルまたはフルオロアルキルであり、
そしてnは2〜6、好ましくは3〜4でありそしてoは
1〜12である。
【0159】Qが基−[(CR18 2nO]o(CR18 2
n18(式中すべての基R18が水素でありそしてすべて
の基−[(CR18 2nO]−においてnが2である)で
あるとき、式Qの基は疎水性表面と強い二次的原子価相
互作用を形成することができない。このような残基を含
有するモノマーの残基を本発明のポリマーの中に含める
ことができるが、また、このような相互作用がポリマー
を表面に結合する場合、強い二次的原子価相互作用を形
成できるモノマーの残基を含むことが必要である。オリ
ゴ(高級アルキレン)オキシド部分を含有する基を有す
るモノマーを使用して、個々のアルキレンオキシド単位
の少なくとも50モル%が3またはそれ以上の炭素原子
を含有するオリゴアルキレンオキシド部分を含有するモ
ノマーを提供するすることができる。こうして、例え
ば、エチレンオキシド単位より多いプロピレンオキシド
単位が存在するかぎり、混合オリゴ(アルキレンオキシ
ド/プロピレンオキシド)側鎖を使用することができる
であろう。
【0160】Qが残基−[(CR18 2nO]−(nは2
である)を含有する(オリゴ−アルコキシ)アルキル基
である場合、好ましくは残基−[(CR18 2)nO]−の5
0モル%以下においてnは2である。
【0161】あるいは、Qはこのようなアルキル、アル
コキシアルキルまたは(オリゴアルコキシ)アルキル基
の中の1または2以上のアルキルまたはアルキレン部分
が対応するアルケニル、アルキニル、アルケニレンまた
はアルキニレン部分により置換されている基であること
ができる。
【0162】好ましい基Qは、必要に応じて1または2
以上の炭素−炭素の二重結合または三重結合を含有し、
8またはそれ以上、より好ましくは14またはそれ以
上、例えば、16またはそれ以上の炭素原子を有するア
ルキル、アルコキシアルキルおよび(オリゴ−アルコキ
シ)アルキル基を包含する。このような基は1または2
以上のフッ素原子を含有し、したがってフルオロアルキ
ル誘導体であることができる。しかしながら、好ましく
はこのような基はフッ素原子を含有しない。
【0163】とくに好ましい基は、必要に応じて1また
は2以上の炭素−炭素の二重結合または三重結合を含有
する直鎖状のアルキルまたはフルオロアルキル基であ
る。
【0164】Qがシロキサン基である場合、各基−(C
16a 2)−は同一であるか、あるいは異なり、好ましく
は同一であり、そして好ましくは各基R16aは水素であ
る。好ましくはqqは2〜4であり、最も好ましくは3
である。各基−(CR16a 2)−は同一であるか、あるい
は異なり、好ましくは同一であり、そして好ましくは各
基R16aはメチルである。好ましくはppは4〜29で
ある。Qがシロキサン基である好ましいコモノマーは、
式(VII)のものである。
【0165】1つの特定の態様において、基Qはエチレ
ン系不飽和、すなわち、炭素−炭素の二重結合または三
重結合を含有しない。
【0166】アルキル、フルオロアルキルまたはシロキ
サン基を含有する特定の例は、次のものを包含する:n
−ドデシルメタクリレート、オクタデシルメタクリレー
ト、ヘキサデシルメタクリレート、1H,1H,2H,
2H−ヘプタデカフルオロデシルメタクリレート、p−
オクチルスチレン、p−ドデシルスチレンおよびモノメ
タクリルオキシプロピル末端シロキサンを包含する。n
−ドデシルメタクリレートはとくに好ましい。
【0167】物理収着性アルキルまたはフルオロアルキ
ル(炭素−炭素の二重結合または三重結合を含有しな
い)またはシロキサン基を含有するコモノマー、例え
ば、式(VII)または(VIII)のものは商業的に
入手可能であるか、あるいは普通の技術により既知の反
応を使用して製造することができる。
【0168】このようなコモノマーの第2の特定の態様
において、基Qはエチレンの不飽和、すなわち、1また
は2以上の炭素−炭素の二重結合または三重結合を含有
する。このようなコモノマーは、例えば、ビニル、ジビ
ニル、アセチレンまたはジアセチレン部分を含有するこ
とができる。ビニルの不飽和よりむしろアセチレンの不
飽和を含有するコモノマーは一般に好ましく、ことに単
一のアセチレン基を含有するコモノマーは好ましい。
【0169】このような不飽和基を含有するコモノマー
は、いったんポリマーを支持体上にコーティングしたと
き、線状ポリマー鎖の間の架橋を形成することができ、
ならびに物理収着により支持体に結合することができ
る。このような架橋はコーティングの安定性を改良し、
そして典型的には照射、例えば、紫外線またはガンマ線
により形成される。このような基の架橋は単独で使用す
ることができるか、あるいは後述するように架橋可能な
コモノマーとして反応性基を含有するコモノマーの使用
に加えて使用することができる。
【0170】物理収着により支持体に結合することがで
きるとくに好ましい架橋可能なコモノマーは、式(VI
IA)および(VIIIA)のコモノマーである。
【0171】
【化23】
【0172】式中R14、A’およびK1は上に定義した
通りであり、そしてQQは6または2以上の炭素原子お
よび1または2つ、好ましくは1つの炭素−炭素の三重
結合を含有するアルキニル基であり、ただしアセチレン
部分はA’またはK1に直接結合していない。
【0173】本発明は、それ以上の特徴として、式(V
IIA)および(VIIIA)のコモノマーを提供す
る。
【0174】このようなコモノマーの間で、QQは6〜
24の炭素原子、好ましくは8またはそれ以上、より好
ましくは10またはそれ以上、なおより好ましくは12
またはそれ以上、例えば、14またはそれ以上、例え
ば、16またはそれ以上の炭素原子を含有する基である
ことが好ましい。
【0175】また、基QQは末端のアセチレン部分、す
なわち、基−C≡CHを含有しないことが好ましい。と
くに好まし基QQは7−ドデセニルであり、そしてこの
ような基を含有する式(VIIA)の化合物の特定の例
はドデク−7−イン−1−オールメタクリレートであ
る。
【0176】式(VIIA)および(VIIIA)の化
合物およびエチレン系不飽和の物理収着性基Qを含有す
る式(VII)および(VIII)の他のコモノマー
は、既知の方法と類似の方法により製造することができ
る。それらの製造は参考例5に例示されている。
【0177】b)反応性基を有するコモノマー 好ましいコモノマーは、官能基を有する親水性表面への
結合を形成するために適当であり、ある表面に共有結合
することができる反応性基を含有し、そして一般式(I
X)を有する: Y2−Q1 (IX) 式中、Y2
【0178】
【化24】
【0179】から選択されるエチレン系不飽和の重合可
能な基であり、ここでR19は水素またはC−Cアル
キル基であり、K2は基−(CH2qOC(O)−、−
(CH2qC(O)O−、−(CH2qOC(O)O
−、−(CH2qNR20−、−(CH2qNR20
(O)−、−(CH2qC(O)NR20−、−(C
2qNR20C(O)O−、−(CH2qOC(O)N
20−、−(CH2qNR20C(O)NR20−(ここで
基R20は同一であるか、あるいは異なる)、−(C
2qO−、−(CH2qSO−、または原子価結合
であり、そしてqは1〜12であり、そしてR20は水素
またはC1−C4アルキル基であり、そしてQ1は反応し
てある表面への共有結合を提供することができる反応性
基である。
【0180】反応性基Q1を有する式(IX)の好まし
いコモノマーは、下に定義する式(X)および(XI)
のコモノマーを包含する。
【0181】式(X)の化合物は、次の通りである:
【0182】
【化25】
【0183】式中、R19は式(X)に関して定義したと
おりであり、そしてQ2は反応性基である。
【0184】式(X)の化合物において、好ましくはR
19は水素、メチルまたはエチル、より好ましくはメチル
であり、こうして式(X)の化合物は好ましくはアクリ
ル酸、メタクリル酸またはエタクリル酸の誘導体であ
る。
【0185】好ましくはQ2は水素であるか、あるいは
より好ましくは−OHまたは式: −T−B7−Q3 の基であり、ここでTは−O−または−NR21−であ
り、ここでR21は水素、C−Cアルキルまたは基−
7−Q3である;B7は原子価結合または、より好まし
くは直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキレン、オキサアル
キレンまたはオリゴ−オキサアルキレン鎖である;そし
てQ3はある表面への共有結合を形成することができる
基、例えば、アルデヒド基または1または2以上の反応
性置換基、例えば、ハロゲン、例えば、塩素を含有する
シランまたはシロキサン基、か、あるいは一般に1〜4
の炭素原子を含有するアルコキシ、例えば、メトキシま
たはエトキシであるか、あるいはより好ましくはQ3
aヒドロキシル、アミノ、シクロヘキサノール、エポキ
シ、−CHOHCH2Hal(ここでHalはハロゲン
原子、例えば、塩素、臭素またはヨウ素)、スクシンイ
ミド、トシレート、例えば、2−(N−メチルピリジニ
ウム)トシレート、トリフレート、イミダゾールカルボ
ニル−アミノ、または置換されていてもよいトリアジン
基である。
【0186】好ましくはB7は、次の通りである:式−
(CR22 2)r−のアルキレン基、式中基−(CR22 2)−
は同一であるか、あるいは異なり、そして各基−(CR
22 2)−において基R22は水素またはC−Cアルキ
ル、好ましくは水素であり、そしてrは1〜12、好ま
しくは1〜6である。
【0187】オキサアルキレン基、例えば、各アルキル
部分の中に1〜6の炭素原子を有するアルコキシアルキ
ル;または式−[(CR23 2sO]t(CR23 2s−の
オリゴ−オキサアルキレン基、ここで基−(CR23 2
−は同一であるか、あるいは異なり、そして各基−(C
23 2)−において基R23は同一であるか、あるいは異
なり、そして各R23は水素またはC1−C4アルキル、好
ましくは水素であり、そしてsは1〜6、好ましくは2
または3であり、そしてtは1〜11、好ましくは1〜
5である。
【0188】好ましい基B7は12までの炭素原子のア
ルキレン、オキサアルキレンおよびオリゴ−オキサアル
キレン基を包含する。
【0189】Q3はシランまたはシロキシ基である場
合、好ましくはB7は1〜6、好ましくは2〜4、より
好ましくは3の炭素原子のアルキレン基である。
【0190】基B7の特定の例は−CH2−、−CH2
2−および−(CH26−である。
【0191】式(XI)の化合物は、次の通りである:
【0192】
【化26】
【0193】式中K2は式(IX)に関して定義したと
おりであり、そしてB8は直鎖状もしくは分枝鎖状のア
ルキレン、オキサアルキレンまたはオリゴ−オキサアル
キレン鎖であり、そしてQ4はある表面への共有結合を
形成することができる基、例えば、アルデヒド基または
1または2以上の反応性置換基、例えば、ハロゲン、例
えば、塩素を含有するシランまたはシロキサン基、か、
あるいは一般に1〜4の炭素原子を含有するアルコキ
シ、例えば、メトキシまたはエトキシであるか、あるい
はより好ましくはQ3haヒドロキシル、アミノ、シク
ロヘキサノール、エポキシ、−CHOHCH2Hal
(ここでHalはハロゲン原子、例えば、塩素、臭素ま
たはヨウ素)、スクシンイミド、トシレート、例えば、
2−(N−メチルピリジニウム)トシレート、トリフレ
ート、イミダゾールカルボニル−アミノ、または置換さ
れていてもよいトリアジン基である。
【0194】式(XI)の化合物において、好ましくは
ビニル基は基−K2−B8−Q4に対してパラの位置に存
在する。
【0195】K2は、例えば、原子価結合である。K2
基である場合、好ましくはqは1〜6、より好ましくは
1、2または3であり、そして最も好ましくはqは1で
ある。K2が基−(CH2qNR20−、−(CH2q
20C(O)−、−(CH2qC(O)NR20−、−
(CH2qNR20C(O)O−、−(CH2qOC
(O)NR20−または−(CH2qNR20C(O)NR
20−であるとき、R20は好ましくは水素、メチルまたは
エチル、より好ましくは水素である。
【0196】好ましくはB8は、次の通りである:式−
(CR24 2u−のアルキレン基、式中基−(CR24 2
−は同一であるか、あるいは異なり、そして各基−(C
24 2)−において基R24は水素またはC1−C4アルキ
ル、好ましくは水素であり、そしてuは1〜12、好ま
しくは1〜6である。
【0197】オキサアルキレン基、例えば、各アルキル
部分の中に1〜6の炭素原子を有するアルコキシアルキ
ル;または式−[(CR25 2vO]w(CR25 2v−の
オリゴ−オキサアルキレン基、ここで基−(CR25 2
−は同一であるか、あるいは異なり、そして各基−(C
25 2)−において基R25は同一であるか、あるいは異
なり、そして各R25は水素またはC1−C4アルキル、好
ましくは水素であり、そしてvは1〜6、好ましくは2
または3であり、そしてwは1〜12、好ましくは1〜
6である。
【0198】好ましい基B8は、12までの炭素原子の
アルキレン、オキサアルキレンおよびオリゴ−オキサア
ルキレン基である。1つの態様において、B8およびK2
は一緒に12までの炭素原子を含有する。
【0199】反応性基を有するコモノマーの特定の例
は、次のものを包含する:クロロメチルスチレン、メタ
クリル酸、2−アミノエチルメタクリレート、2,3−
エポキシプロピルメタクリレート、3−クロロ−2−ヒ
ドロキシプロピルメタクリレート、2−メタクリルオキ
シエチルジクロロトリアジン、3−クロロ−2−ヒドロ
キシプロピルメタクリルアミドおよびグリシジルメタク
リレートおよび基HetC(O)O−(式中Hetは複
素環式環、例えば、ベンゾトリアゾールまたはイミダゾ
ールである)を含有する反応性メタクリレートエステル
および基R16OC(O)−(式中R16はスクシンイミド
またはペンタフルオロフェニル基である)の反応性メタ
クリレートエステル。
【0200】反応性基を有するとくに好ましいコモノマ
ーは、2−アミノエチルメタクリレートおよび3−クロ
ロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレートである。
【0201】ある表面に共有結合することができる反応
性基を有するコモノマー、例えば、式(X)または(X
I)のコモノマーは商業的に入手可能であるか、あるい
は普通の技術により既知の反応を使用して製造すること
ができる。
【0202】ジクロロトリアジンモノマーである式
(X)のコモノマーは、既知の方法において、例えば、
置換ヒドロキシ−(アルク)アクリレートまたはアミノ
アルキル(アルク)アクリレートをトリクロロトリアジ
ンと適当な溶媒中で塩基の存在下に反応させることによ
って製造することができる。
【0203】エステル基がイミダゾール基を含有する反
応性メタクリレートエステルである式(XI)のコモノ
マーは、既知の方法において、置換ヒドロキシ(アル
ク)アクリレート(例えば、2−ヒドロキシエチル(メ
ト)アクリレート)、ポリエチレンオキシド(メト)ア
クリレートまたはポリプロピレンオキシド(メト)アク
リレートを1,1−カルボニル−ジイミダゾールと乾燥
溶媒中で反応させることによって製造することができ
る。類似の既知の方法を使用して、反応性エステル、酸
ハライドまたは酸無水物との反応により、式(X)のス
クシンイミドおよびペンタフルオロフェニルメタクリレ
ートエステルを製造することができる。
【0204】反応性基を含有するコモノマーを使用して
コポリマーをある表面に共有結合により結合する場合、
理解されるように、反応性基のすべてが表面の反応性基
に必ずしも結合ことは必要ではなく、そしてそのように
結合していない基は他の化学に参加することができる。
このような基は、支持体上にコーティングしたとき、部
分、例えば、リガンドをポリマーに結合するための点を
とくに提供するすることができる。
【0205】反応性基を含有するコモノマー、例えば、
式(X)または(XI)の化合物は、ある表面に共有結
合するモノマーよりむしろ、他の架橋可能な基と反応す
る架橋可能な基を含有するコモノマーとして使用するこ
とができる。
【0206】反応性基を含有するコモノマーを使用して
このような架橋可能な基を提供する場合、架橋可能な基
および/または共重合条件は、コモノマーを共重合する
とき、それらが架橋しないように選択されるであろう;
こうして重合生成物は未架橋の線状コポリマーであり、
このコポリマーは引き続いて、コポリマーを表面にコー
ティングした後、架橋してコーティングの安定性を改良
することができる。このような線状ポリマー鎖の間の架
橋を使用するとき、架橋は2つのこのような架橋可能な
基の間で形成するか、あるいは架橋可能な基と希釈剤の
コモノマーの残基(後に定義する)の中の非不活性基と
の間で形成することができる。このような架橋は架橋を
形成する基の直接的反応によるか、あるいはこれらの基
と反応性架橋分子、例えば、反応性ガス、例えば、アン
モニアとの反応により形成することができる。
【0207】したがって、このようなコモノマーの残基
は、疎水性表面をコーティングするようにデザインしそ
して式(VA)、(VB)または(VC)の永久的正電
荷の中心をもつ基を含有するモノマーまたは式(VI
I)または(VIII)のアルキル、フルオロアルキル
またはシロキサン基を含有するコモノマーの残基を含有
するポリマーの中に存在することができる。同様に、こ
のようなコモノマーの残基は、また、イオンの相互作用
により表面に結合するようにデザインされそして式(X
III)または(XIV)の化合物の残基を含有するポ
リマーの中に存在することができる。
【0208】表面への共有結合を提供するよりむしろ、
コモノマーを架橋するために使用する好ましい反応性コ
モノマーは、式(X)または(XI)のコモノマーであ
り、式中Q2またはQ4は架橋可能なシンナミル、エポキ
シ、−CHOHCH2Hal(式中Halはハロゲン原
子である)、メチロール、エチレン系不飽和の架橋可能
な基、例えば、アセチレン、ジアセチレン、ビニルまた
はジビニル基、あるいはアセトアセトキシまたはクロロ
アルキルスルホン、好ましくはクロロエチルスルホン基
を含有する。 架橋可能な基を有するコモノマーの特定
の例は、次のものを包含する:メタクロレイン、シンナ
ミルメタクリレート、2,3−エポキシプロピルメタク
リレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタク
リレート、ヒドロキシメチルメタクリルアミド、3−
(トリメチルオキシシリル)プロピルメタクリレート、
2−アセトアセトキシメタクリレート、3−(ビニルベ
ンジル)−2−クロロエチルスルホン。
【0209】架橋可能な基を含有する本発明のポリマー
をある表面上にコーティングするとき、ポリマーは実質
的に未架橋の形態である。コーティング後、架橋可能な
基の架橋を実施して、ポリマーのコーティングの強さお
よび安定性を増加することができる。
【0210】c)イオンの基を有するコモノマー イオンの相互作用によりある表面に結合することができ
るイオン基(アニオンまたはカチオンを有する荷電基)
を有する好ましいコモノマーは、一般式(XII)を有
する: Y2−B9−Q5 (XII) 式中、Y2
【0211】
【化27】
【0212】から選択されるエチレン系不飽和の重合可
能な基であり、ここでR26は水素またはC1−C4アルキ
ル基であり、A”は−O−または−NR27−であり、こ
こでR27は水素またはC1−C4アルキルであるか、ある
いはR27は−B9−Q5であり、B9は原子価結合または
直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキレン、オキサアルキレ
ンまたはオリゴ−オキサアルキレン基であり、K3は基
−(CH2)xOC(O)−、−(CH2)xC(O)O−、
−(CH2xOC(O)O−、−(CH2xNR28−、
−(CH2xNR28C(O)−、−(CH2xC(O)
NR28−、−(CH2)xNR28C(O)O−、−(C
2)xOC(O)NR28−、−(CH2)xNR28C(O)
NR28−(ここで基R28は同一であるか、あるいは異な
る)、−(CH2)xO−、−(CH2xSO3−、または
原子価結合であり、そしてxは1〜12であり、そして
28は水素またはC1−C4アルキル基であり、そしてQ
5はイオンの相互作用によりある表面に結合することが
できるアニオンまたはカチオンを有する荷電基である。
【0213】したがって、式(XII)の好ましいコモ
ノマーは式(XIII)および(XIV)である:
【0214】
【化28】
【0215】式中、R26、A”、B9、K3およびQ5
式(XII)に関して定義したとおりである。
【0216】好ましくは、式(XIII)の化合物にお
いて、R26は水素、メチルまたはエチル、より好ましく
はメチルであり、こうして式(XIII)の化合物は好
ましくはアクリル酸、メタクリル酸またはエタクリル酸
の誘導体である。
【0217】式(XIV)の化合物において、K3は、
例えば、原子価結合であることができる。K3が基であ
る場合、好ましくはxは1〜6、より好ましくは1、2
または3であり、そして最も好ましくはxは1である。
【0218】K3が基−(CH2xNR28−、−(C
2xNR28C(O)−、−(CH2)xC(O)NR
28−、−(CH2)xNR28C(O)O−、−(CH2)x
C(O)NR28−、または−(CH2xNR28C(O)
NR28−−(CH2xNR20−、であるとき、R26は好
ましくは水素、メチルまたはエチル、より好ましくは水
素である。
【0219】式(XIV)の化合物において、好ましく
はビニル基は−K3−B9−Q5に対してパラ位置に存在
する。
【0220】好ましくはB9は、次の通りである:式−
(CR29 2y−のアルキレン基、式中基−(CR29 2
−は同一であるか、あるいは異なり、そして各基−(C
29 2)−において基R29は水素またはC−Cアル
キル、好ましくは水素であり、そしてyは1〜12、好
ましくは1〜6である。
【0221】オキサアルキレン基、例えば、各アルキル
部分の中に1〜6の炭素原子を有するアルコキシアルキ
ル;または式−[(CR30 2yyO]xx(CR30 2yy
のオリゴ−オキサアルキレン基、ここで基−(C
30 2)−は同一であるか、あるいは異なり、そして各
基−(CR30 2)−において基R30は同一であるか、あ
るいは異なり、そして各R30は水素またはC−C
ルキル、好ましくは水素であり、そしてyyは1〜6、
好ましくは2または3であり、そしてxxは1〜12、
好ましくは1〜6である。
【0222】好ましい基B9は、12までの炭素原子の
アルキレン、オキサアルキレンおよびオリゴ−オキサア
ルキレン基である。
【0223】基B9の特定の例は−CH2−、−CH2
2−または−(CH26−である。
【0224】基Q5はコーティングすべき表面に依存し
てアニオンまたはカチオンであることができる。表面が
カチオンの表面電荷を有する場合、基Q5はアニオン
有する荷電基でありそして、例えば、カルボキシレート
イオン、スルホネートイオン(またはスルホナトを意味
する。)、水素ホスヘートイオンまたはホスヘートイオ
ンを有する基であることができる。表面がアニオンの表
面電荷を有する場合、基Q5は、例えば、基−NR31 3 +
(式中各基R31は同一であるか、あるいは異なり、そし
て水素または1〜6炭素原子のアルキルであり、基R31
のうちの2つは一緒になって5〜7原子を含有する複素
環式環を形成することができ、好ましくは水素またはメ
チルである)、基N+Het(式中Hetは不飽和複素
環式基、例えば、ピリジル、置換されていないか、ある
いは1または2以上の1〜4炭素原子のアルキル基によ
って置換されているものである)、または基−PR32 3 +
(式中R32は同一であるか、あるいは異なり、そして水
素または1〜6炭素原子のアルキルであり、基R31のう
ちの2つは一緒になって5〜7原子を含有する複素環式
環を形成することができ、好ましくはメチルである)で
あることができる。
【0225】イオンの基を有する特定の例は、次のもの
を包含する:アクリル酸、メタクリル酸、2−スルホエ
チルメタクリレート、2−メタクリルオキシエチルホス
ヘート、p−スチレンスルホン酸、2−(メタクロイル
オキシエチル)トリメチルアンモニウムクロライド、3
−アミノプロピルメタクリルアミド、ビニルベンジルト
リメチルアンモニウムクロライド。 イオンの相互作用
によりポリマーをある表面に結合することができる基を
有するコモノマー、例えば、式(XIII)または(X
IV)のコモノマーは商業的に入手可能であるか、ある
いは普通の技術により既知の反応を使用して製造するこ
とができる。
【0226】希釈剤のコモノマー a)永久的正電荷の中心をもつ基を含有するモノマーの
残基またはb)永久的正電荷の中心をもつ基を含有する
コモノマーおよびある表面に結合することができるコモ
ノマーの残基に加えて、本発明のポリマーは希釈剤のコ
モノマーの残基を含むことができる。
【0227】このような希釈剤のコモノマーを使用して
ポリマーに所望の物理的および機械的性質を与えること
ができる。それらは任意の既知の普通のラジカル重合可
能な、好ましくはエチレン系不飽和の、他の1または2
以上のコモノマーと適合性のタイプであることができ
る。
【0228】希釈剤のコモノマーの特定の例は、次のも
のを包含する:アルキル(アルク)アクリレート、好ま
しくはエステル部分のアルキルの中に1〜4炭素原子を
含有する、例えば、メチル(アルク)アクリレート;ジ
アルキルアミノアルキル(アルク)アクリレート、好ま
しくはアミンの各アルキル部分の中に1〜4炭素原子お
よびアルキレン鎖の中に1〜4炭素原子を含有する、例
えば、2−(ジメチルアミノ)エチル(アルク)アクリ
レート;アルキル(アルク)アクリルアミド、好ましく
はアミド部分のアルキル基の中に1〜4炭素原子を含有
する;ヒドロキシアルキル(アルク)アクリレート、好
ましくはヒドロキシアルキル部分の中に1〜4炭素原子
を含有する、例えば、2−ヒドロキシエチル(メト)ア
クリレート;またはビニルモノマー、例えば、N−ビニ
ルラクタム、好ましくはラクタム環の中に5〜7炭素原
子を含有する、例えば、ビニルピロリドン;スチレンま
たはスチレン誘導体、例えば、フェニル環上で1または
2以上の1〜6、好ましくは1〜4炭素原子を含有する
アルキル基によりおよび/または1または2以上のハロ
ゲン、例えば、フッ素原子により置換されている、例え
ば、(ペンタフルオロフェニル)スチレン。
【0229】他の適当な希釈剤のコモノマーは、次のも
のを包含する:ポリヒドロキシル、例えば、糖、(アル
ク)アクリレートおよび(アルク)アクリルアミド、こ
こでアルキル基は1〜4炭素原子を含有する、例えば、
糖アクリレート、メタクリレート、エタクリレート、ア
クリルアミド、メタクリルアミドおよびエタクリルアミ
ド。適当な糖類はグルコースおよびソルビトールを包含
する。とくに適当な希釈剤のコモノマーは、メタクロイ
ルグルコースまたはソルビトールメタクリレートを包含
する。
【0230】述べることのできる他の希釈剤は、重合可
能なアルケン、好ましくは2〜4炭素原子を含有するも
の、例えば、エチレン、ジエン、例えば、ブタジエン、
アルキレン無水物、例えば、無水マレイン酸およびシア
ノ置換アルキレン、例えば、アセトニトリルを包含す
る。
【0231】希釈剤のコモノマーは普通の既知の方法に
より得ることができる。
【0232】上の希釈剤のコモノマーのうちで、いくつ
かは不活性でありそしてそれらを含有するコポリマーの
物理的および機械的性質を単に変更する作用をする。他
のものおよびとくにヒドロキシアルキル(アルク)アク
リレートおよびポリヒドロキシル(アルク)アクリレー
トは、物理的および機械的性質を単に変更することに加
えて、反応の役割を有する。このようなコモノマーは架
橋する基と反応するか、あるいは他の分子の中の反応性
基と反応してそれらをポリマーに結合できる官能基、例
えば、ヒドロキシル基を含有する。
【0233】また、アルキル基の中に6またはそれ以上
の炭素原子を含有するアルキル(アルク)アクリレート
は、希釈剤のコモノマーまたは物理収着によりある表面
にポリマーを結合であることができるコモノマーと見な
すことができることが理解されるであろう。とくに、こ
のような希釈剤のコモノマーおよびある表面において反
応してある表面に共有結合することができる反応性コモ
ノマーを含有するコモノマーを使用して、親水性表面を
コーティングできることに注意すべきであり、反応性コ
モノマーは表面への結合を提供しそして希釈剤は物理的
および機械的性質を変更する。しかしながら、このよう
なポリマーはまた疎水性表面をコーティングすることが
でき、ここで「希釈剤の」モノマーは物理収着により表
面に結合することができるコモノマーとして作用し、そ
して共有結合することができるコモノマーは架橋可能な
コモノマーとして作用するであろう。
【0234】1つの特徴に従い、本発明のポリマーは、
(a)永久的正電荷の中心をもつ基、好ましくは両性イ
オンの基を含有するコモノマー、ポリマーをある表面に
安定に結合することができる基を含有するコモノマーお
よび必要に応じて希釈剤コモノマーおよび/または架橋
可能なコモノマーを共重合させるか、あるいは(b)永
久的正電荷の中心をもつ基、好ましくは両性イオンの基
およびポリマーをある表面に安定に結合することができ
る基を含有するモノマーおよび必要に応じてさらにポリ
マーをある表面に安定に結合することができる基を含有
するコモノマーおよび希釈剤のコモノマーおよび/また
は架橋可能なコモノマーを重合させる、により製造する
ことができる。
【0235】任意の普通の技術を重合、典型的には熱的
または光化学的重合に使用することができる。コーティ
ングされたポリマーのフィルムの中で架橋を生成するこ
とができるコモノマーが存在する場合、重合条件は架橋
が重合の間に起こらないように設定する。こうして、例
えば、活性線への露出により架橋を形成できるコモノマ
ーを含有するポリマーを製造するために活性線は使用さ
れないであろう。
【0236】熱的重合のために、40〜100℃典型的
には50〜80℃の温度を使用する。光化学的重合につ
いて、活性線、例えば、ガンマ線、紫外線、可視光線ま
たはマイクロ波を使用することができる。典型的には、
波長200〜400nmの紫外線を使用する。
【0237】重合は一般に反応媒質中で実施し、反応媒
質は溶媒、例えば、アセトニトリル、ジメチルホルムア
ミド、クロロホルム、ジクロロメタン、酢酸エチル、ジ
メチルスルホキシド、ジオキサン、ベンゼン、トルエ
ン、テトラヒドロフラン、あるいはポリマーがプロトン
性溶媒と反応する基を含有しない場合、水または1〜4
炭素原子を含有するアルカノールを使用する溶液または
分散液である。あるいは、上の任意の溶媒の混合物を使
用することができる。
【0238】重合は1種または2種以上の重合開始剤、
例えば、ベンゾイルパーオキシド、2,2’−アゾ−ビ
ス(2−メチルプロピオニトリル)またはベンゾインメ
チルエーテルの存在下に実施することができる。使用す
ることができる他の重合開始剤は、「ポリマー・ハンド
ブック(Polymer Handbook)」、第3
版、J.BrandrupおよびE.H.Immerg
ut編、Pub.Wiley−Interscienc
e、ニューヨーク、1989に開示されている。
【0239】一般に、共重合は1〜72時間、好ましく
は8〜48時間、例えば、16〜24時間の間、不活性
雰囲気、例えば、窒素およびアルゴン下に実施する。ポ
リマーは一般に透析、非溶媒(例えば、ジエチルエーテ
ルまたはアセトン)または限外ろ過により精製する。一
般に、生ずるポリマーを真空下に、例えば、5〜72時
間乾燥し、そしてポリマーは10,000〜107、好
ましくは20,000〜106の分子量を有する。
【0240】永久的正電荷の中心をもつ基を含有するコ
モノマーおよびポリマーをある表面に安定に結合させる
ことができる基を含有するコモノマーの残基からなる本
発明によるポリマーの製造に使用する種々のコモノマー
の正確な比率および性質を調節して、特定の表面のコー
ティングにとくに適当なコポリマーを製造することがで
きる。こうして、ポリマーをある表面に安定に結合させ
ることができる基を含有するコモノマーの比率を適合さ
せて、特定の疎水性表面に効率よい物理収着を提供し、
特定の表面における官能基の数に対応させるか、あるい
は特定の表面とのイオンの相互作用による効率よい結合
を提供することができる。同様に、永久的正電荷の中心
をもつ基を含有するコモノマーおよび希釈剤のコモノマ
ーおよび/または架橋可能なコモノマーの比率を適合さ
せて、所望の生物適合性および物理的および機械的性質
を提供することができる。理解されるように、性質の所
望の組み合わせを得るために、1より多いタイプの永久
的正電荷の中心をもつ基を含有するコモノマー、ポリマ
ーをある表面に安定に結合させることができる基を含有
するコモノマーまたは架橋可能なコモノマーおよび/ま
たは希釈剤のコモノマーを使用することができる。
【0241】同様に、永久的正電荷の中心をもつ基およ
びポリマーをある表面に安定に結合させることができる
基を含有するモノマーの残基からなるポリマーにおい
て、これらの基の性質を調節して、所望の生物適合性お
よび特定の表面における効率よい結合、ならびに所望の
物理的および機械的性質を提供することができる。さら
に、希釈剤のコモノマーおよび/または架橋可能なコモ
ノマーを使用する場合、希釈剤のコモノマーおよび/ま
たは架橋可能なコモノマーの性質およびコモノマーの比
率を同様に調節することができる。再び理解されるよう
に、性質の所望の組み合わせを得るために、1より多い
タイプの永久的正電荷の中心をもつ基およびポリマーを
ある表面に安定に結合させることができる基を含有する
モノマーおよび/または1より多いタイプの架橋可能な
コモノマーおよび/または希釈剤のコモノマーを使用す
ることができる。
【0242】本発明によるポリマーの製造に使用するモ
ノマー組成物は、最小0.01重量%、好ましくは1重
量%、より好ましくは5重量%の永久的正電荷の中心を
もつ基を含有する1種または2種以上のモノマーおよび
最大99.9重量%、好ましくは99重量%、より好ま
しくは95重量%の他の1種または2種以上のモノマー
からなる。このような他の1種または2種以上のモノマ
ーは、ポリマーをある表面に安定に結合させることがで
きる基を含有する1種または2種以上のモノマー、希釈
剤の1種または2種以上のモノマーおよび/または架橋
可能な1種または2種以上のモノマーであることができ
る。
【0243】さらにモノマー組成物は、最小0.01重
量%、好ましくは1重量%、より好ましくは5重量%の
ポリマーをある表面に安定に結合させることができる基
を含有する1種または2種以上のモノマーおよび最大9
9.9重量%、好ましくは99重量%、より好ましくは
95重量%の他の1種または2種以上のモノマーからな
る。このような他の1種または2種以上のモノマーは、
永久的正電荷の中心をもつ基を含有する1種または2種
以上のモノマー、希釈剤の1種または2種以上のモノマ
ーおよび/または架橋可能な1種または2種以上のモノ
マーであることができる。
【0244】理解されるように、永久的正電荷の中心を
もつ基を有する1種または2種以上のモノマーの少なく
ともいくつかが、また、ポリマーをある表面に安定に結
合させることができる基を含有する場合、これらの基の
含量の少なくとも一部分は同一モノマーにより提供され
る。
【0245】ポリマーをある表面に物理収着により結合
させる場合、好ましくはモノマー組成物は95重量%以
下、より好ましくは90重量%以下、なおより好ましく
は80重量%以下の1種または2種以上のモノマー(前
記モノマーは物理収着によりポリマーをある表面に安定
に結合させることができるアルキル、フルオロアルキル
またはシロキサン基を含有しそして永久的正電荷の中心
をもつ基を含有しない)からなり、この組成物の残部は
永久的正電荷の中心をもつ基を含有する1種または2種
以上のモノマー、希釈剤の1種または2種以上のモノマ
ーおよび/または架橋可能な1種または2種以上のモノ
マーである。このような組成物は、典型的には、50重
量%までの希釈剤の1種または2種以上のモノマーから
なる。希釈剤のコモノマーが存在する場合、それは好ま
しくは合計のコモノマー組成物の少なくとも1重量%、
より好ましくは5重量%を構成する。架橋可能な1種ま
たは2種以上のコモノマーは、存在する場合、合計のコ
モノマー組成物の一般に0.1〜20重量%を構成す
る。
【0246】異なるコモノマーを使用して永久的正電荷
の中心および物理収着を提供する場合、好ましくは永久
的正電荷の中心を有するコモノマー残基/物理収着によ
りポリマーをある表面に安定に結合させることができる
アルキル、フルオロアルキルまたはシロキサン基を含有
するコモノマーの残基のコポリマー中のモル比は5:9
5〜80:20、より好ましくは10:90〜50:5
0である。さらに、コポリマーは好ましくは5〜50モ
ル%、より好ましくは10〜25モル%の希釈剤のモノ
マーの残基および/または0.1〜20モル%、より好
ましくは1〜10モル%の架橋可能なコモノマーの残基
からなり、ただし希釈剤のコモノマーおよび架橋可能な
コモノマーの両者が存在する場合、それらは組み合わせ
で50モル%、好ましくは35モル%を越えない。
【0247】ポリマーがある表面に共有結合する場合、
好ましくはモノマー組成物は25重量%以下、より好ま
しくは20以下、なおより好ましくは15重量%以下の
1種または2種以上のモノマー(前記モノマーは共有結
合によりポリマーをある表面に結合させることができる
基を含有しそして永久的正電荷の中心をもつ基を含有し
ない)からなる;この組成物の残部は永久的正電荷の中
心をもつ基を含有する1種または2種以上のモノマー、
および必要に応じて希釈剤の1種または2種以上のモノ
マーである。このような組成物は、典型的には、95重
量%まで、好ましくは90重量%までの希釈剤の1種ま
たは2種以上のコモノマーからなる。希釈剤のコモノマ
ーが存在する場合、それは好ましくは合計のコモノマー
組成物の少なくとも5重量%、より好ましくは10重量
%を構成する。
【0248】好ましくは永久的正電荷の中心を有するコ
モノマーの残基/ある表面にポリマーを共有結合により
結合することができる反応性基を含有するコモノマーの
残基のコポリマーの中のモル比は5:95〜95:5、
より好ましくは50:50〜90:10である。さら
に、コポリマーは好ましくは5〜50モル%、より好ま
しくは10〜25モル%の希釈剤のモノマーおよび/ま
たは0.1〜20モル%、より好ましくは1〜10モル
%の架橋可能なコモノマーからなり、ただし希釈剤のコ
モノマーおよび架橋可能なコモノマーの両者の残基が存
在する場合、それらは組み合わせて50モル%、好まし
くは35モル%を越えない。
【0249】ポリマーがイオンの相互作用によりある表
面に結合する場合、好ましくは永久的正電荷の中心を有
するコモノマーの残基/イオンの相互作用によりある表
面にポリマーを結合させることができるイオンの基を含
有するコモノマーの残基のコポリマーの中のモル比は
5:95〜95:5、より好ましくは50:50〜9
0:10である。さらに、コポリマーは好ましくは5〜
50モル%、より好ましくは10〜25モル%の希釈剤
のモノマーの残基および/または0.1〜20モル%、
より好ましくは1〜10モル%の架橋可能なコモノマー
の残基からなり、ただし希釈剤のコモノマーおよび/ま
たは架橋可能なコモノマーの両者の残基が存在する場
合、それらは組み合わせて50%モル%、好ましくは3
5モル%を越えない。
【0250】さらに、モノマーまたはコポリマーの組成
物は、他の成分、例えば、各々普通のタイプの重合開始
剤、連鎖移動剤、酸、塩基、界面活性剤、乳化剤または
触媒を各々モノマーの合計の重量に関して0.1〜5重
量%、典型的には0.2〜3重量%、好ましくは約0.
5重量%の量で含むことができる。
【0251】他の特徴として、本発明は、ある表面を本
発明によるポリマーでコーティングすることからなる、
表面を生物適合性とする方法を提供する。その表面にポ
リマーを結合させることができるポリマーの中の基の性
質に依存して、種々のタイプの表面をコーティングする
ことができる。
【0252】物理収着によりポリマーをある表面に結合
することができる基、アルキル、フルオロアルキルまた
はシロキサン基を含有するモノマーの残基を含有するポ
リマーは、疎水性表面、例えば、ポリエチレン、ポリプ
ロピレンおよびポリテトラフルオロエチレン(PTF
E)の表面のコーティングにとくに適当である;本発明
のフッ素を含有するポリマーはPTFE表面のコーティ
ングにとくに適する。
【0253】親水性表面は既知の方法により疎水性と
し、かつこのようなポリマーによるコーティングに適す
るようにすることができる(例えば、「ポリマーの化学
的反応(Chemical Reactions of
Polymers)」、E.M.Fettes編、1
964、Interscience、ロンドンを参照の
こと)。
【0254】このようなポリマーを使用する処理は、一
般に、アルコール性、水性、有機またはハロゲン化溶媒
またはそれらの混合物、例えば、メタノール、エタノー
ル、ジクロロメタンまたはフレオン中のポリマーの溶
液、分散液(微小分散液)で表面コーティングすること
によって、一般に、実施する。この処理は、一般に、周
囲温度または高温、例えば、5〜60℃の温度において
実施する。
【0255】本発明の1つの特定の態様において、コポ
リマーを支持体上に微小分散液、例えば、微小乳濁液の
形態でコーティングする。
【0256】コーティング後、ポリマーが架橋可能なコ
モノマーの残基を含有する場合、存在する特定の架橋可
能な基の架橋の既知の方法によりそれを架橋することが
できる。架橋は、例えば、熱的に、活性線を使用して、
反応性ガス、例えば、アンモニアを使用して、pHを変
化させることによって、2官能性添加剤を使用するか、
あるいは活性化化学、例えば、「メソッズ・イン・エン
ジモロジー(Methods in Enzymolo
gy)」、Vol.135、固定化された酵素および細
胞(Immobilised Enzymes and
Cells)、部B、K.Mosbach編、Aca
demic Press Inc.、ニューヨーク、1
987に記載されている既知の方法により導入すること
ができる。この活性化は、熱的輻射またはガス処理の場
合において、乾燥コーティング上で実施することができ
る。あるいは、pHを変化するか、あるいは添加剤を含
める必要がある場合について、活性化はコーティングを
除去しない溶液の中でコーティングされた材料上で実施
することができる。
【0257】官能基、例えば、ヒドロキシル、カルボキ
シルまたはアミノ基を有する表面は、ポリマーをある表
面に共有結合することができる基を含有するモノマーの
残基を含む本発明によるポリマーによる処理にとくに適
する。
【0258】必要に応じて、支持体の表面を処理前に官
能化することができる。官能基をもたない表面につい
て、ポリマーによる処理前に、これらの基を表面に導入
することが必要である。これは適当な表面の官能性を導
入する既知のエッチングまたは誘導化技術、例えば、プ
ラズマ放電により実施することができる(例えば、「ポ
リマーの化学的反応(Chemical Reacti
ons of Polymers)」、E.M.Fet
tes編、1964、Interscience、ロン
ドンを参照のこと)。
【0259】ある場合において、また、支持体の表面に
おける官能基および/または本発明のポリマーの反応性
基を活性化することが必要である。これは既知の手段に
より既知の活性化剤、例えば、カーボジイミド、例え
ば、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)
カーボジイミドで達成することができる。他の適当な活
性化剤は、「メソッズ・イン・エンジモロジー(Met
hods in Enzymology)」、前掲、に
開示されている。理解されるように、ポリマー上の基の
活性化の対応する方法をまた使用して、支持体上にコー
ティングしたとき、ポリマーに部分、例えば、リガンド
を結合することができる。
【0260】このようなポリマーによる処理は、一般
に、ポリマーの溶液、一般にアルコール性、水性アルコ
ール性または水性の溶液で表面を処理することによって
実施する。この処理は、一般に、−5〜20℃の温度に
おいて、0.1〜24時間の間、pH2〜13において
実施する。
【0261】イオンの基、例えば、カルボキシル、スル
ホネート、ホスヘート、アンモニウムまたはホスホニウ
ム基を有する表面は、イオンの相互作用によりポリマー
を結合することができる基を含有するモノマーの残基か
らなる本発明によるポリマーを使用する処理にとくに適
する。
【0262】必要に応じて、支持体の表面を処理前に官
能化することができる。イオンの基をもたない表面につ
いて、ポリマーによる処理前に表面にこれらの基を導入
することが必要である。これは適当な表面の官能性を導
入する既知のエッチングまたは誘導化技術、例えば、プ
ラズマ放電により実施することができる(例えば、「ポ
リマーの化学的反応(Chemical Reacti
ons of Polymers)」、E.M.Fet
tes編、1964、Interscience、ロン
ドンを参照のこと)。
【0263】このようなポリマーを使用する処理は、一
般に、ポリマーの溶液、一般にアルコール性、水性アル
コール性または水性の溶液で表面を処理することによっ
て実施する。この処理は、一般に、−5〜20℃の温度
において、0.1〜24時間の間、pH2〜13におい
て実施する。
【0264】材料は本発明のポリマーで既知の技術、例
えば、浸漬コーティング、噴霧コーティング、ウェブコ
ーティングまたは回転コーティングによりコーティング
することができる。
【0265】本発明によりコーティングされた表面を有
する材料は、ヒトまたは動物の体のための移植片または
プロテーゼのための構成材料として、とくにこれらの移
植片またはプロテーゼが血液と直接物理的に接触するよ
うになる場合および生物適合性およびとくに血液適合性
が要求される場合、例えば、心臓弁において使用するこ
とができる。また、それらは体外の基準で血液または他
の体液と接触させる膜および他の装置の構成において、
例えば、心肺装置または人工腎臓において使用すること
ができる。 さらに、本発明のポリマーは、下流の処理
の応用、例えば、分離膜および処理の装置および管にお
いて使用される材料をコーティングするために使用でき
る。とくに、本発明の材料は、膜が複雑な生物学的溶
液、例えば、タンパク質、多糖類、脂肪およびさらに全
細胞を含有する溶液と直接接触するようになる、バイオ
リアクターおよび発酵系における生物濾過膜の表面性質
を変更するために使用できる。本発明のポリマーは、処
理溶液の成分による膜への付着を減少するときとくに有
用である。
【0266】本発明のポリマーを使用して材料の表面を
コーティングし、次いでこの材料を仕上げられた装置の
構成コーティングにおいて使用するとき、コーティング
された表面が損傷されずかつ仕上げられた装置の製造前
に処理の有効性が減少しないことを保証するために、予
防的段階を取ることが必要であることがある。
【0267】さらに、本発明のポリマーは、仕上げられ
た移植片、プロテーゼ、膜、カテーテル、コンタクトレ
ンズ、眼内レンズ、および生物適合性を物品に付与する
ために本発明によるポリマーでコーティングする他の装
置をコーティングするために使用できる。
【0268】こうして、また、本発明は、本発明のポリ
マーのコーティングをその上に有する表面からなる仕上
げられた装置を提供する。
【0269】図1は、本発明のコポリマーで処理した後
および未処理のポリイミドのシートを血液と接触させた
後の前記シートの走査型電子顕微鏡写真を比較する。図
1(a)は、下塗りしない、未処理のポリ(イミド)シ
ートの走査型電子顕微鏡写真(1200×)を示す。図
1(b)は、参考例8に従い、ポリ(2(メタクリロイ
ルオキシエチル)−2(トリメチルアンモニウム)エチ
ルホスフェート−コ−2−アミノメタクリレート)
(9:1)で処理したポリ(アクリル酸)下塗りポリ
(イミド)シートの走査型電子顕微鏡写真(900×)
を示す。
【0270】
【発明の実施の形態】ここで次の実施例によって、本発
明をさらに説明する。
【0271】
【実施例】次のアッセイ(assay)を使用して、本
発明によるポリマーのコーティングを評価した。
【0272】酵素イムノアッセイを使用するタンパク質
の吸着 このアッセイは、表面におけるヒトフィブリノゲンの吸
着を決定する。このタンパク質は、典型的には表面に吸
着されるタンパク質の代表例である。このアッセイは他
のタンパク質の吸着を決定するように容易に変更するこ
とができる。
【0273】後述するように未処理の材料(対照とし
て)およびポリマーで処理した材料のディスク(直径7
mm)を調製し、そしてマイクロタイタープレートのウ
ェルの中でリン酸塩緩衝液(PBS)で少なくとも10
分間洗浄した。試料をヒト血漿(300μl)で10分
間洗浄し、次いでPBSで3回洗浄した。被験試料の各
々および対照試料の各々をヒトフィブリノゲン特異的抗
体(300μl)を30分間処理し、そして再びPBS
で3回洗浄した。試料への抗体の非特異的結合について
の対照として、各試料をまた非特異的抗体(300μ
l)と30分間インキュベーションした。セイヨウワサ
ビペルオキシダーゼと第1抗体に対して特異的な第2抗
体(300μl)との接合体を被験試料および対照の両
者に添加し、そして洗浄前に30分間インキュベーショ
ンした。被験試料および対照の各々を新しいマイクロタ
イタープレートに移し、そしてリン酸塩クエン酸塩緩衝
液(300μl、0.6mg/ml)中の2,2’−ア
ジノ−ビス(3−エチルベンズチアゾリン−6−スルホ
ン酸)(ABTS)の溶液を添加し、この反応を10分
間進行させた。この時、この混合物のアリコート(20
0μl)を取り出し、そして蒸留水中のクエン酸および
アジ化ナトリウムの溶液(20μl、それぞれ、0.2
1g/mlおよび2mg/ml)に添加した。これらの
溶液の光学密度を、テキゲン(Techgen)自動化
プレートリーダーを使用して650nmにおいてブラン
クとしてABTS溶液を使用して測定した。
【0274】別の手順において、ABTSを使用する代
わりに、試料の各々を新しいマイクロタイタープレート
のウェルに移し、そしてリン酸塩クエン酸塩緩衝液中の
o−フェニレンジアミン(OPD)の溶液(300μ
l、0.4mg/ml)を添加し、そしてこの反応を1
0分間進行させた。この時、この混合物のアリコート
(200μl)を各ウェルから取り出し、そしてこれら
の溶液の光学密度をテキゲン(Techgen)自動化
プレートリーダーを使用して450nmにおいてブラン
クとしてOPD溶液を使用して測定した。
【0275】活性化血小板の研究 血液を健康な大人のボランティアから二重注射器法を使
用して集め、ここで血液の最初の5mlを廃棄した。血
液をプラスチック管の中のクエン酸三ナトリウム(32
g/l)の中に9体積/1体積のクエン酸塩の比率で集
めた。試料を室温においてらせんミキサー上に使用する
まで保持した。
【0276】後述するように対照として未処理の材料お
よびポリマーで処理した材料のディスク(直径7mm)
を調製し、そしてマイクロタイタープレートのウェルの
中に入れた。試料を全クエン酸処理血液(200μl)
と回転ミキサー上で30分間インキュベーションした
後、PBS中で4回洗浄した。血小板の活性化を登録ア
ッセイにより測定した[リンドン(Lindon)、
J.N.ら、ブラッド(Blood)68、355
(1986)]および英国特許出願第91−2572
1.2号]。
【0277】別の手順において、試験の反復実験物の半
分をクエン酸処理の血液(200μl)とインキュベー
ションし、そして残部をEDTA処理した血液と相震盪
器上で30分間インキュベーションした後、PBS中で
4回洗浄した。血小板の活性化を酵素イムノアッセイに
よるタンパク質の検出について前述した方法に類似する
方法でGMP140に対する抗体を使用して測定して、
生物材料の表面上のこの血小板活性化マーカーの存在を
検出した。血小板の内部からカルシウムを抽出するED
TAの存在下に、活性化は阻止されるので、EDTA処
理した血液とのインキュベーションは活性化のための非
特異的対照として作用し、非特異的抗体とのインキュベ
ーションの必要性を排除する。
【0278】C反応性タンパク質(CRP)の結合アッ
セイ C反応性タンパク質は、ある表面に結合された分離され
たリン酸アンモニウムエステルモルモット、例えば、ホ
スホリルコリンモルモットに特異的に結合するタンパク
質である。
【0279】後述するように未処理の材料(対照とし
て)およびポリマーで処理した材料のディスク(直径7
mm)を調製し、そしてマイクロタイタープレートのウ
ェルの中でHEPES緩衝化生理食塩水(HBS)で少
なくとも10分間洗浄した。試料をHBS中のウシ血清
アルブミン(BSA)(40mg/ml)およびCRP
(0.12mg/ml)から成りかつ塩化カルシウム
(1mM)を含有するタンパク質溶液中で四つの組で4
5分間インキュベーションした。平行に、同一試料(コ
ーティングしたおよびコーティングしない両者)をBS
A/Ca2+溶液中でCRPの不存在下に、BSA/CR
P/Ca2+溶液中でホスホリルコリンの存在下に、ある
いは塩化カルシウムの代わりにEDTA(20mM)を
含有するBSA/CRP溶液中でインキュベーションし
た。
【0280】インキュベーション後、すべての試料をリ
ン酸塩緩衝液(PBS)中で3回洗浄し、次いでセイヨ
ウワサビペルオキシダーゼと接合した商業的に入手可能
な抗CRP抗体の1:100希釈物の300μl中で1
時間インキュベーションした。試料を前のようにPBS
中で3回洗浄し、そして新しいマイクロプレートに移し
た。リン酸塩クエン酸塩緩衝液中のo−フェニレンジア
ミン(OPD、0.4mg/ml)の溶液を添加し、そ
してこの反応を10分間進行させた。この時、ウェルの
各々の中の混合物のアリコート(200μl)を新しい
ウェルに移し、そして溶液の光学密度をテキゲン(Te
chgen)自動化プレートリーダーを使用して450
nmにおいてブランクとしてOPD溶液を使用して測定
した。
【0281】p−アミノフェニルホスホリルコリンで固
定化されたアガロースのビーズを使用して、分離された
ホスホリルコリンモルモットを含有する陽性の対照を製
造することができる。CRP結合の特異性は、ホスホリ
ルコリンによる抑制およびカルシウムの存在の依存性に
より証明することができる。
【0282】参考例1 ポリ(2(メタクリロイルオキシエチル)−2’(トリ
メチルアンモニウム)エチルホスヘート内部塩−コ−n
−ドデシルメタクリレート(1:2) 2(メタクロイルオキシエチル)−2’(トリメチルア
ンモニウム)エチルホスヘート内部塩(5.0g、0.
0170mol)およびn−ドデシルメタクリレート
(8.55g、0.0340mol)を、メタノール/
THF(140ml、5:1)中に溶解した。この溶液
を23℃において窒素の流れ(50ml/分)下に30
分間撹拌(250rpm)した。2,2’−アゾ−ビス
(2−メチルプロピオニトリル)(0.17g、1.0
2mmol)を添加し、そして窒素の流れを10ml/
分に減少し、温度を60℃に上げた。この温度および窒
素の流速を16時間の間維持した。
【0283】この混合物を放冷し、そして真空濾過し
た。濾液を集め、そしてアセトン(1.2リットル)の
滴々添加によりポリマーを沈澱させた。
【0284】ポリマーを窒素雰囲気下に真空濾過して単
離し、最後に減圧下に室温において一夜乾燥した。生ず
るポリマー(9.5g、70%)は微細な白色粉末であ
った。
【0285】別の手順において、2−(メチルアクロイ
ルオキシオキシ)−2’(トリメチルアンモニウム)エ
チルホスヘート内部塩(12.06g、0.0409m
ol)およびn−ドデシルメタクリレート(20.52
g、0.0808mol)を、プロパン−2−オール
(215ml)および酢酸エチル(85ml)中に溶解
した。この溶液を23℃において窒素の流れ(50ml
/分)下に30分間撹拌(250rpm)し、2,2’
−アゾ−ビス(2−メチルプロピオニトリル)(0.0
645g、0.39mmol)を添加し、そして窒素の
流れを10ml/分に減少し、反応温度を60℃に上げ
た。この温度および窒素の流速を40時間の間維持し
た。
【0286】この混合物を放冷し、そして真空濾過し
た。濾液を回転蒸発器で蒸発乾固し、そしてジクロロメ
タン(120ml)およびメタノール(10ml)中に
溶解した。ポリマーをアセトン(2500ml)中の沈
澱、真空濾過および乾燥によりこの混合物から単離し
た。ポリマーをジクロロメタン(100ml)およびメ
タノール(30ml)中に再溶解し、そして前述したよ
うに単離した。
【0287】生ずるポリマーは、70〜80%の収率で
得られ、白色粉末であった。NMR(200MHz,
d,ppm,CD3OD/CDCl3)4.2−4.4
(b)、3.8−4.2(b)、3.6−3.8(b)、
3.3(s)、1.8−2.2(b)、1.5−1.8
(b)、1.2−1.5(s)、0.8−1.0(s) IR(cm-1,KBrディスク)3430、2929、
2854、1732、1469、1246、1156、
1089、968、788。
【0288】元素分析 計算値 C64.5 H9.9 N1.8 P3.9 実測値 C59.0 H10.0 N1.8 P3.9 このポリマーはエタノール:クロロホルム(50:5
0)中で25℃において1.13±0.02(溶媒とし
てメタノール:THFを使用して調製したとき)および
1.26±0.02(溶媒としてプロパン−2−オー
ル:エタクリル酸を使用したとき)の相対粘度を有し
た。
【0289】参考例2 ポリ(2(メタクリロイルオキシエチル)−2’(トリ
メチルアンモニウム)エチルホスヘート内部塩−コ−n
−ドデシルメタクリレート(1:2)を使用するポリ
(エチレン)のリボンのコーティング ポリ(エチレン)のリボンをエタノールで洗浄し、そし
て空気の中で乾燥した。ポリ(2(メタクリロイルオキ
シエチル)2’(トリメチルアンモニウム)エチルホス
ヘート内部塩−コ−n−ドデシルメタクリレート(1:
2)(50mg)をエタノール/クロロホルム(5m
l、40:1)中に溶解し、そして前記リボンを溶液の
中にゆっくり通して引く1段階の機械的浸漬コーティン
グ手順によりポリ(エチレン)をコーティングした。コ
ーティングしたリボンを室温においてほこりを含まない
雰囲気の中で乾燥させた。
【0290】処理したポリ(エチレン)は、未処理材料
に比較してタンパク質吸着の65%の減少および未処理
材料に比較して血小板の活性化(リンドン(Lindo
n)らのアッセイを使用して決定して)の83%の減少
を示した。
【0291】C反応性タンパク質の結合アッセイにおい
て、処理したポリ(エチレン)に対するCRPの結合は
観察されなかった。対照的に、CRPの結合は陽性の対
照について観察された。このCRPの結合の特異性は、
それがホスホリルコリンにより阻止されるという事実お
よびカルシウムの存在の依存性により証明された。
【0292】別の手順に従い、ポリエチレンのリボンを
プロパン−2−オールの中で洗浄し、そしてプロパン−
2−オール中に溶解したコポリマー(100ml中の1
g)で40℃においてそれ以外は類似の方法でコーティ
ングした。
【0293】参考例3 参考例2に記載する方法に類似する方法で、鋼およびP
VCの支持体をポリ(2(メタクリロイルオキシエチ
ル)−2’(トリメチルアンモニウム)エチルホスヘー
ト内部塩−コ−n−ドデシルメタクリレート(1:2)
でコーティングした。
【0294】前述の酵素イムノアッセイにより測定し
て、処理した鋼の試料は未処理試料と比較して80%を
越えたタンパク質吸着の減少を示し、そして処理したP
VCの試料は未処理試料と比較して70%を越えたタン
パク質吸着の減少を示した。それ以上の決定において、
ポリマーでコーティングしたステンレス鋼の試料は、未
処理試料と比較して、酵素イムノアッセイ技術により決
定して84%のタンパク質吸着の減少を示し、そして前
述の血小板の活性化アッセイにより抗GMP140を使
用して決定して95%の血小板の活性化の減少を示し
た。ポリマーでコーティングしたPVCのそれ以上の試
料は、未処理試料と比較して、同一のアッセイ技術を使
用して、87%のタンパク質吸着の減少および100%
の血小板の活性化の減少を示した。
【0295】参考例4 ポリ(2(メタクリロイルオキシエチル)−2’(トリ
メチルアンモニウム)エチルホスヘート内部塩−コ−n
−ドデシルメタクリレート(1:4)の製造 2(メタクロイルオキシエチル)−2’(トリメチルア
ンモニウム)エチルホスヘート内部塩(10.00g、
0.0339mol)およびn−ドデシルメタクリレー
ト(35.56g、0.1400mol)を、プロパン
−2−オール(200ml)およびエタクリル酸(20
0ml)中に溶解した。この溶液を23℃において窒素
の流れ(50ml/分)下に30分間撹拌(250rp
m)した。2,2’−アゾ−ビス−(2−メチルプロピ
オニトリル)(0.0886g、0.54mmol)を
添加し、そして窒素の流れを10ml/分に減少し、反
応温度を60℃に上げた。この温度および窒素の流速を
40時間の間維持した。
【0296】この混合物を放冷し、そして真空濾過し
た。濾液を集め、そして回転蒸発器を使用して濾液を蒸
発乾固し、そしてジクロロメタン(130ml)中に溶
解した。ポリマーをアセトン(2500ml)、真空濾
過および乾燥によりこの混合物から単離した。ポリマー
をジクロロメタン(120ml)およびメタノール(1
0ml)の中に再溶解し、そして前のように単離した。
【0297】生ずるポリマーは、70〜80%の収率で
得られ、白色粉末であった。NMR(200MHz,
d,ppm,CD3OD/CDCl3) 4.2−4.4
(b)、3.8−4.2(b)、3.6−3.8(b)、
3.3(s)、1.8−2.2(b)、1.5−1.8
(b)、1.2−1.5(s)、0.8−1.0(s) IR(cm-1,KBrディスク)3430、2929、
2854、1732、1469、1246、1156、
1089、968、788。
【0298】 元素分析 計算値 C:68.9、 H10.5、 N1.1、 P2.4 実測値 C:65.5、 H10.8、 N1.1、 P2.4 このポリマーはエタノール:クロロホルム(50:5
0)中で25℃において1.26±0.02の相対粘度
を有した。
【0299】ポリエチレン、鋼およびPVCの試料を参
考例2および3に記載する方法によりコーティングし
た。タンパク質吸着についての酵素イムノアッセイを使
用して、鋼上で80%のタンパク質吸着の減少およびP
VC上で70%のタンパク質吸着の減少が得られた。
【0300】それ以上の決定において、ポリマーでコー
ティングしたステンレス鋼の試料は、未処理試料と比較
して、80%のタンパク質吸着の減少(前述の酵素イム
ノアッセイにより決定した)および95%の血小板の活
性化の減少(抗GMP140を使用して前述のの血小板
の活性化アッセイにより決定した)を示した。ポリマー
でコーティングしたPVCの試料は、未処理試料と比較
して、同一のアッセイ技術を使用して100%の血小板
の活性化の減少を示した。
【0301】参考例5 ポリ(2(メタクリロイルオキシエチル)−2’(トリ
メチルアンモニウム)エチルホスヘート内部塩−コ−1
H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシルメタ
クリレート(2:1)の製造 2(メタクリロイルオキシエチル)−−2’(トリメチ
ルアンモニウム)エチルホスヘート内部塩(1.0g、
0.0034mol)および1H,1H,2H,2H−
ヘプタデカフルオロデシルメタクリレート(0.90
g、0.0017mol)を、メタノール(10ml)
およびテトラヒドロフラン(10ml)中に溶解した。
この溶液を23℃において窒素の流れ(50ml/分)
下に30分間撹拌(250rpm)した。2,2’−ア
ゾ−ビス(2−メチルプロピオニトリル)(0.016
7g、0.10mmol)を添加し、そしてそして窒素
の流れを10ml/分に減少し、反応温度を60℃に上
げた。この温度および窒素の流速を16時間の間維持し
た。
【0302】この混合物を放冷し、そして真空濾過し
た。濾液を集め、そして回転蒸発器を使用して濾液を蒸
発乾固し、そしてジクロロメタン(10ml)およびメ
タノール(10ml)中に溶解した。ポリマーをアセト
ン(500ml)、真空濾過および乾燥によりこの混合
物から単離した。ポリマーをジクロロメタン(10m
l)およびメタノール(10ml)の中に再溶解し、そ
して前のように単離した。生ずるポリマーは、70〜8
0%の収率で得られ、白色粉末であった。
【0303】NMR(200MHz,d,ppm,CD
3OD/CDCl3) 4.2−4.4(b)、3.8−4.
2(b)、3.6−3.8(b)、3.3(s)、2.4−
2.7(b)、2.2−1.7(b)、1.2−2.0
(b)、0.8−1.0(b) このポリマーを使用してポリフッ化ビニリデンの精密濾
過膜をコーティングした。生ずるコーティングされた膜
は、ウシ血清アルブミン(BSA)で処理する間、非常
にわずかのタンパク質の付着を示す非常にわずかの流速
の傾斜を示した。処理した膜についての流速の変化は、
未処理膜についての5000から500l/m2/時の
流速の変化と比較して、6000から5000l/m2
/時であった。両者の測定は2時間の期間であった。
【0304】参考例6 ポリ(2(メタクリロイルオキシエチル)−2’(トリ
メチルアンモニウム)エチルホスヘート内部塩−コ−ヘ
キサデシルメタクリレート(1:2)の製造 2(メタクリロイルオキシエチル)−2’(トリメチル
アンモニウム)エチルホスヘート内部塩(2.00g、
6.78mmol)およびn−ヘキサジクロロメタクリ
レート(4.21g、0.0136mol)を、プロパ
ン−2−オール(35.5ml)および酢酸エチル(1
4.5ml)中に溶解した。この溶液を23℃において
窒素の流れ(50ml/分)下に30分間撹拌(250
rpm)した。2,2’−アゾ−ビス(2−メチルプロ
ピオニトリル)(0.0168g、0.10mmol)
を添加し、そしてそして窒素の流れを10ml/分に減
少し、反応温度を60℃に上げた。この温度および窒素
の流速を40時間の間維持した。
【0305】この混合物を放冷し、そして真空濾過し
た。濾液を集め、そして回転蒸発器を使用して濾液を蒸
発乾固し、そしてジクロロメタン(10ml)およびメ
タノール(10ml)中に溶解した。ポリマーをアセト
ン(700ml)、真空濾過および乾燥によりこの混合
物から単離した。ポリマーをジクロロメタン(10m
l)およびメタノール(10ml)の中に再溶解し、そ
して前のように単離した。生ずるポリマーは、40〜6
0%の収率で得られ、白色固体であった。
【0306】NMR(200MHz,d,ppm,CD
3OD/CDCl3) 4.2−4.4(b)、3.8−4.
2(b)、3.6−3.8(b)、3.3(s)、1.8−
2.2(b)、1.5−1.8(b)、1.2−1.5
(s)、0.8−1.0(s) IR(cm-1,KBrディスク)3430、2929、
2854、1732、1469、1246、1156、
1089、968、788。
【0307】参考例7 ポリ(2(メタクリロイルオキシエチル)−2(トリメ
チルアンモニウム)エチルホスヘート内部塩−コ−2−
アミノエチルメタクリレート(9:1)の製造 2(メタクリロイルオキシエチル)−2(トリメチルア
ンモニウム)エチルホスヘート内部塩(9.96g、
0.0335mmol)をメタノール(115ml)中
に溶解した。水(10ml)を添加し、次いで2−アミ
ノエチルメタクリレート(0.5571g、0.003
4mol)を添加した。この溶液を22℃において窒素
の流れ(70ml/分)下に30分間撹拌(250rp
m)した。2,2’−アゾ−ビス(2−メチルプロピオ
ニトリル)(0.12g、0.73mmol)を添加
し、そしてそして窒素の流れを9ml/分に減少し、温
度を60℃に上げた。この温度および窒素の流速を16
時間の間維持した。
【0308】この混合物を放冷し、そして遠心管に移し
た。試料を4000rpmで30分間遠心した。試料を
一緒にし、そしてポリマーをアセトン(800ml)へ
の滴々添加により沈澱させた。アセトンをポリマーから
デカンテーションし、そしてポリマーをアセトン(20
0ml)で洗浄した。ポリマーを窒素雰囲気下に真空濾
過により、そして最後に室温において一夜真空乾燥し
た。
【0309】IR(cm-1,KBrディスク)343
5、2929、2096、1732、1628、124
5、1166、1089、970。
【0310】参考例8 ポリ(2(メタクリロイルオキシエチル)−2(トリメ
チルアンモニウム)エチルホスヘート内部塩−コ−2−
アミノエチルメタクリレート(9:1)を使用するポリ
(アクリル酸)下塗りポリ(イミド)シートの処理 ポリ(イミド)の試料をプラズマバレルエッチャー(p
lasma barrel etcher)のプラズマ
チャンバーの中に入れ、そして0.001mbarの圧
力にポンプで排気した。次いで酸素を反応器の中に流入
させた。プラズマを90Wの前進電力で始動させ、そし
てほぼ0Wで逆進させた。圧力はほぼ0.7mbarで
あった。プラズマを5分間オンにし、次いで酸素の流れ
の停止と同時に無線周波発生器(13.56MHz)の
スイッチを切った。圧力を低下させ、そしてアクリル酸
のフラスコの弁を開いて、モノマーをチャンバーの中に
流入させた(100%のアクリル酸)。次いで高い周波
数の発生器を30Wの前進の電力および0Wの逆進の電
力で始動させ、そして重合を20分間実施した。高い周
波数の発生器のスイッチを切りそしてアクリル酸への弁
を閉じた後、チャンバーをさらに5分間排気して過剰の
モノマーを除去した。
【0311】ポリ(アクリル酸)を下塗りしたポリ(イ
ミド)を4×1.5cm2の片に切断し、そして蒸留水
で洗浄した。次いで、これらの正方形の片をポリ(2
(メタクリロイルオキシエチル)−2(トリメチルアン
モニウム)エチルホスヘート内部塩−コ−2−アミノエ
チルメタクリレート(9:1)の1.25%の溶液
(6.3ml)に添加した。次いで、1−エチル−3−
(3−ジメチルアミノプロピル)カーボジイミド(20
g)をこの溶液中に溶解し、次いでpHを塩酸(0.5
M)で5.0に調節した。1時間後、試料を取り出し、
蒸留水で洗浄し、そして乾燥させた。
【0312】表面上の血小板の活性化の可視化 血液を健康な大人のボランティアから二重注射器を使用
して集め、ここで血液の最初の5mlを廃棄した。血液
をプラスチック管の中のクエン酸三ナトリウム(32g
/l)の中に9体積の血液/1体積のクエン酸塩の比率
で集めた。試料を使用するまでらせんミキサー上に室温
において保持した。
【0313】上で調製したポリ(2(メタクリロイルオ
キシエチル)−2(トリメチルアンモニウム)エチルホ
スヘート内部塩−コ−2−アミノエチルメタクリレート
(9:1)でコーティングしたポリ(イミド)および比
較としてコーティングしないポリ(イミド)の1cm2
の試料を1mlの新鮮なクエン酸塩加血液の中に入れ、
そして室温においてらせんミキサー上で30分間インキ
ュベーションした。次いで試料をリン酸塩緩衝液(PB
S、pH7.4)の中で洗浄した後、次の溶液のアリコ
ートの中で30分間固定した。
【0314】2mlの25%w/vのグルタルアルデヒ
ド 83mlの0.1MのPBS(pH7.4) 15mlの飽和ピクリン酸。
【0315】ピクリン酸は液体会合タンパク質の保存を
増加する。試料を再びPBSの中で洗浄し、次いで70
%および100%のメタノールで、次いで100%のア
セトンで脱水した後、空気の中で乾燥した。最後に試料
を白金ターゲットでスパッターコーティングし(20m
A、6×30秒間)そして適当な倍率で走査型電子顕微
鏡により観察した。
【0316】血小板の活性化はコーティングしたポリ
(イミド)の試料について見られなかったが、全体的な
接着の活性化および凝集がコーティングしなかった試料
上に見られた(第1図参照)。表面上のポリマーの存在
はX線光電子分光分析(XPS)の使用により確証され
た。こうして理解することができるように、ポリアミド
をまずアクリル酸の下塗り層でコーティングして表面を
反応性と、次いで本発明によるポリマーでコーティング
するポリアミドの処理は、ポリアミドに対する止血反応
(hemostatic reaction)を実質的
に除去した。
【0317】参考例9 ポリ(2(メタクリロイルオキシエチル)−2’(トリ
メチルアンモニウム)エチルホスヘート内部塩−コ−3
−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート
(1:1)の製造 2(メタクリロイルオキシエチル)−2’(トリメチル
アンモニウム)エチルホスヘート内部塩(7.46g、
25.3mmol)、3−クロロ−2−ヒドロキシプロ
ピルメタクリレート(4.51g、25.3mmol)
およびp−トルエンスルホン酸1水和物(0.1048
g、0.55mmol)をメタノール(101ml)中
に溶解した。この溶液を23℃において窒素の流れ(5
0ml/分)下に30分間撹拌(250rpm)した。
2,2’−アゾ−ビス(2−メチルプロピオニトリル)
(0.0843g、0.51mmol)を添加し、そし
てそして窒素の流れを10ml/分に減少し、反応温度
を60℃に上げた。この温度および窒素の流速を16時
間の間維持した。
【0318】この混合物をアセトン(1500ml)、
真空濾過および乾燥によりこの混合物をから単離した。
ポリマーをジクロロメタン(40ml)の中に再溶解
し、そして前のようにアセトン(1000ml)を使用
して単離した。
【0319】生ずるポリマーは、62%の収率で得ら
れ、白色固体であった。
【0320】NMR(200MHz,d,ppm,CD
3OD/CDCl3) 4.2−4.4(b)、4.3−4.
0(b)、3.6−3.8(b)、3.3(s)、1.6−
2.4(b)、1.0−1.5(b)、0.7−1.0
(b) IR(cm-1,KBrディスク)3416、2959、
1727、1655、1490、1247、1165、
1088、968、792、748。
【0321】参考例10 ポリ(2(メタクリロイルオキシエチル)−2’(トリ
メチルアンモニウム)エチルホスヘート内部塩−コ−7
−ドデシルメタクリレート(1:2)の製造 このポリマーは、参考例4および5に記載する方法に類
似する方法により、プロパン−2−オール(160m
l)および酢酸エチル(60ml)中に溶解した2(メ
タクリロイルオキシエチル)−2’(トリメチルアンモ
ニウム)エチルホスヘート内部塩(8.41g、0.0
285mol)およびn−ドデシルメタクリレート(1
4.31g、0.0572mol)を使用して製造し
た。
【0322】生ずるポリマーは、35%の収率で得ら
れ、白色粉末であった。
【0323】NMR(100MHz,d,ppm,CD
3OD/CDCl3) 4.2−4.4(b)、3.8−4.
2(b)、3.6−3.8(b)、3.3(s)、2.25
(s)、1.8−2.2(b)、1.5−1.8(b)、
1.2−1.5(s)、0.8−1.0(s) IR(cm-1,KBrディスク)3430、2929、
2854、1732、1469、1246、1156、
1089、968、788。
【0324】元素分析 計算値 C65.1 H9.0 N1.8 P3.9 実測値 C54.9 H8.5 N1.9 P4.4 相対粘度(クロロホルム/エタノール50:50、30
℃)1.18。 このポリマーをガンマ照射または紫外
線への露出(これはポリマーをジクロロメタン/メタノ
ールの中に不溶性とする)により架橋することができ
る。
【0325】このポリマーで処理したステンレス鋼の試
料は、未処理材料と比較して、68%のタンパク質吸着
の減少(前述の酵素イムノアッセイにより決定した)お
よび100%の血小板の活性化の減少(抗GMP140
を使用して前述のの血小板の活性化アッセイにより決定
した)を示した。このポリマーでコーティングしたPV
Cの試料は、同一アッセイ技術により決定して、未処理
材料と比較して、60%のタンパク質吸着の減少を示し
た。
【0326】参考例11 ポリ(2(アクリロイルオキシエチル)−2’(トリメ
チルアンモニウム)エチルホスヘート内部塩−コ−n−
ドデシルメタクリレート(1:1)の製造 このポリマーは、参考例4および5に記載する方法に類
似する方法により、プロパン−2−オール(53ml)
および酢酸エチル(22ml)中に溶解した2(アクリ
ロイルオキシエチル)−2’(トリメチルアンモニウ
ム)エチルホスヘート内部塩(3.0g、0.0107
mol)およびn−ドデシルメタクリレート(5.42
g、0.0214mol)を使用して製造した。
【0327】生ずるポリマーは、35%の収率で得ら
れ、白色粉末であった。
【0328】NMR(100MHz,d,ppm,CD
3OD/CDCl3) 4.2−4.4(b)、3.8−4.
2(b)、3.6−3.8(b)、3.3(s)、1.8−
2.2(b)、1.5−1.8(b)、1.2−1.5
(s)、0.8−1.0(s) IR(cm-1,KBrディスク)3430、2929、
2854、1732、1469、1246、1156、
1089、968、788。
【0329】元素分析 計算値 C:64.9 H8.7 N1.8 P4.0 実測値 C:57.8 H9.8 N2.1 P4.9 このポリマーで処理したステンレス鋼の試料は、未処理
材料と比較して、53%のタンパク質吸着の減少(前述
の酵素イムノアッセイにより決定した)および100%
の血小板の活性化の減少(抗GMP140を使用して前
述のの血小板の活性化アッセイにより決定した)を示し
た。このポリマーでコーティングしたPVCの試料は、
同一アッセイ技術により決定して、未処理材料と比較し
て、68%のタンパク質吸着の減少および100%の血
小板の活性化の減少を示した。
【0330】参考例12 ポリ(2(メタクリロイルオキシエチル)−2’(トリ
メチルアンモニウム)エチルホスヘート内部塩−コ−n
−ヒドロキシルメタクリレート(1:2)の製造 このポリマーは、参考例4および5に記載する方法に類
似する方法により、プロパン−2−オール(35.5m
l)および酢酸エチル(14.5ml)中に溶解した2
(メタクリロイルオキシエチル)−2’(トリメチルア
ンモニウム)エチルホスヘート内部塩(2.0g、0.
0068mol)およびn−ヘキシルメタクリレート
(2.31g、0.0136mol)を使用して製造し
た。
【0331】生ずるポリマーは、34%の収率で得ら
れ、白色固体であった。
【0332】NMR(100MHz,d,ppm,CD
3OD/CDCl3) 4.2−4.4(b)、3.8−4.
2(b)、3.6−3.8(b)、3.3(s)、1.8−
2.2(b)、1.5−1.8(b)、1.2−1.5
(s)、0.8−1.0(s) IR(cm-1,KBrディスク)3430、2929、
2854、1732、1469、1246、1156、
1089、968、788。
【0333】元素分析 計算値 C:58.8 H8.8 N2.2 P4.9 実測値 C:47.3 H7.9 N2.6 P5.8参考例13 ポリ(2(メタクリロイルオキシエチル)−2’(トリ
メチルアンモニウム)エチルホスヘート内部塩−コ−オ
クタデシルメタクリレート(1:2)の製造 このポリマーは、参考例5に記載する方法に類似する方
法により、メタノール(30ml)およびTHF(70
ml)中に溶解した2(メタクリロイルオキシエチル)
−2’(トリメチルアンモニウム)エチルホスヘート内
部塩(3.0g、0.0102mol)およびn−オク
タデシルメタクリレート(6.90g、0.0204m
ol)を使用して製造した。反応混合物を60℃に40
時間維持した。ポリマーをこの混合物からアセトン(1
200ml)中の沈澱、真空濾過および乾燥により単離
した。生ずるポリマーは、55%の収率で得られ、白色
固体であった。
【0334】NMR(100MHz,d,ppm,CD
3OD/CDCl3) 4.2−4.4(b)、3.8−4.
2(b)、3.6−3.8(b)、3.3(s)、1.8−
2.2(b)、1.5−1.8(b)、1.2−1.5
(s)、0.8−1.0(s) IR(cm-1,KBrディスク)3430、2929、
2854、1732、1469、1246、1156、
1089、968、788。
【0335】参考例14 ポリ(2(メタクリロイルオキシエチル)−2’(トリ
メチルアンモニウム)エチルホスヘート内部塩−コ−n
−ドデシルメタクリレート−コ−2−ヒドロキシエチル
メタクリレート(17:75:8)の製造 このポリマーは、参考例4および5に記載する方法に類
似する方法により、プロパン−2−オール(70ml)
および酢酸エチル(30ml)中に溶解した2(メタク
リロイルオキシエチル)−2’(トリメチルアンモニウ
ム)エチルホスヘート内部塩(2.0g、0.0068
mol)、n−オクタデシルメタクリレート(7.65
g、0.0301mol)および2−ヒドロキシエチル
メタクリレートを使用して製造した。
【0336】生ずるポリマーは、53%の収率で得ら
れ、白色固体であった。
【0337】NMR(100MHz,d,ppm,CD
3OD/CDCl3) 4.2−4.4(b)、3.8−4.
2(b)、3.6−3.8(b)、3.3(s)、1.8−
2.2(b)、1.5−1.8(b)、1.2−1.5
(s)、0.8−1.0(s) IR(cm-1,KBrディスク)3435、2925、
2860、1729、1468、1243、1152、
1089、969、791。
【0338】プロパン−2−オール(50ml)中のポ
リ(2(メタクリロイルオキシエチル)−2’(トリメ
チルアンモニウム)エチルホスヘート内部塩−コ−n−
ドデシルメタクリレート−コ−2−ヒドロキシエチルメ
タクリレート(0.5097g)のコーティング溶液を
調製した。アルミニウムのシートをプロパン−2−オー
ル、ヘキサンおよび水で洗浄し、乾燥し、このコーティ
ング溶液(0.5ml)をアルミニウムシートの片
(7.5cm2)に回転コーティング技術により120
0rpmの回転速度で適用した。
【0339】実施例1 ポリ(2(メタクリロイルオキシエチル)−2’(トリ
メチルアンモニウム)エチルホスヘート内部塩−コ−メ
タクリル酸(7:3)の製造 このポリマーは、参考例4および5に記載する方法に類
似する方法により、プロパン−2−オール(25ml)
および水(25ml)中に溶解した2(メタクリロイル
オキシエチル)−2’(トリメチルアンモニウム)エチ
ルホスヘート内部塩(4.54g、0.0063mo
l)およびメタクリル酸(0.54g、0.0063m
ol)を使用して製造した。ポリマーをこの混合物から
アセトン(500ml)中の沈澱により単離し、メタノ
ール(50ml)中に再溶解し、そしてジエチルエーテ
ル(500ml)中の沈澱により単離した。
【0340】生ずるポリマーは、30%の収率で得ら
れ、白色固体であった。
【0341】NMR(100MHz,d,ppm,CD
3OD/CDCl3) 4.2−4.4(b)、3.8−4.
2(b)、3.6−3.8(b)、3.3(s)、1.8−
2.2(b)、1.5−1.8(b)、1.2−1.5
(s)、0.8−1.0(s) IR(cm-1,KBrディスク)3430、2929、
2854、1732、1469、1246、1156、
1089、968、788。
【0342】このポリマーを使用して、次のようにして
2−アミノエチルメタクリレートで処理したセルロース
フィルムを処理した:セルロースの透析膜の切片(4×
6cm)を取り、そして蒸留水(20ml)中の2−ア
ミノプロピルメタクリレート(3.34g)および硝酸
セリンアンモニウム(0.05g)の溶液の中に入れ
た。この溶液をN2で10分間脱酸素し、次いで容器を
密閉し、そして室温において2時間放置した。次いでセ
ルロースの試料をこの溶液から取り出し、次いで蒸留水
で24時間よく洗浄した。
【0343】このグラフトした試料上のアミン塩酸塩部
分の存在は、アニオン染料およびカチオン染料(それぞ
れ、トリプトンブルーおよびメチレンブルー)の異なる
吸収)により証明された。
【0344】官能化されたセルロースのストリップ
(0.5cm×2cm)を水中のポリマーの10%w/
w溶液中に入れた。試料を室温において1時間放置し、
次いで蒸留水(200ml)中で2時間洗浄した。
【0345】水洗後、処理したセルロースをモリブデン
酸塩噴霧試薬の溶液中に入れ、そして1時間放置し、次
いで取り出し、そして蒸留水で洗浄した。試料上のホス
ヘート基の存在は、青色の発生により証明された。
【0346】実施例2 ポリ(2(メタクリロイルオキシエチル)−2’(トリ
メチルアンモニウム)エチルホスヘート内部塩−コ−
(2−メタクリロイルオキシエチル)トリメチルアンモ
ニウムクロライド(7:3)の製造 2(メタクリロイルオキシエチル)−2’(トリメチル
アンモニウム)エチルホスヘート内部塩(4.45g、
0.0151mol)、2−メタクリロイルオキシエチ
ルトリメチルアンモニウムクロライド(1.96gの7
5%の水溶液、0.0071mol)をエタノール(5
0ml)中に溶解した。この溶液を23℃において窒素
の流れ(50ml/分)下に30分間撹拌(250rp
m)した。2,2’−アゾ−ビス(2−メチルプロピオ
ニトリル)(0.02g、0.122mmol)を添加
し、そしてそして窒素の流れを10ml/分に減少し、
反応温度を60℃に上げた。この温度および窒素の流速
を40時間の間維持した。
【0347】この混合物を放冷し、そして真空濾過し
た。ポリマーをこの混合物からジエチルエーテル(50
0ml)中の沈澱、真空濾過および乾燥により単離し
た。
【0348】生ずるポリマーは、68%の収率で得ら
れ、白色固体であった。
【0349】NMR(100MHz,d,ppm,CD
3OD/CDCl3) 4.2−4.4(b)、3.8−4.
2(b)、3.6−3.8(b)、3.3(s)、1.8−
2.2(b)、1.5−1.8(b)、1.2−1.5
(s)、0.8−1.0(s) IR(cm-1,KBrディスク)3430、2929、
2854、1732、1469、1246、1156、
1089、968、788。
【0350】このポリマーを使用して、3−スルホプロ
ピルメタクリレートカリウム塩で処理したセルロースフ
ィルムを、実施例1に記載する方法を使用するが、2−
アミノプロピルメタクリレートの代わりに3−スルホプ
ロピルメタクリレートカリウム塩(4.92g)を使用
して処理した。
【0351】グラフトした試料上のサルフェート部分の
存在は、アニオン染料およびカチオン染料(それぞれ、
トリプトンブルーおよびメチレンブルー)の異なる吸
収)により証明された。
【0352】官能化されたセルロースのストリップ
(0.5cm×2cm)を、実施例1に記載する方法に
類似する方法で水中のポリマーの10%w/w溶液で処
理し、そしてホスフェート基の存在は同一の方法で証明
された。
【0353】参考例15 ポリ(2(メタクリロイルオキシエチル)−2’(トリ
メチルアンモニウム)エチルホスヘート内部塩−コ−n
−ドデシルメタクリレート(14:86)の製造 このポリマーは、参考例1に記載する方法に類似する方
法で、プロパン−2−オール/酢酸エチル溶媒中で1
4:86のモル比で2(メタクリロイルオキシエチル)
−2’(トリメチルアンモニウム)エチルホスヘート内
部塩およびn−ドデシルメタクリレートを使用して製造
した。 PVC支持体をこのポリマーで参考例3に記載
する方法に類似する方法によりコーティングした。
【0354】参考比較例 参考例3および15に従い本発明のポリマーでコーティ
ングしたPVC支持体へのフィブリノゲンの吸着および
C反応性タンパク質の結合を、モル比1:2(比較A)
および14:86(比較B)の2(メタクリロイルオキ
シエチル)−2’(トリメチルアンモニウム)エチルホ
スヘート、内部塩およびブチルメタクリレートのコポリ
マーについてのそれと比較した。比較コポリマーは参考
例1に記載する方法に類似する方法により製造し、そし
て実施例3に記載する方法に類似する方法によりPVC
支持体上にコーティングした。すべてのコポリマーは、
参考例1に記載する手順によりプロパン−2−オール/
酢酸エチル溶媒を使用して製造した。結果を次の表に示
す: 参考例 参考比較例 3 15 A B フィブリノゲンの吸着 87 60 82 72 C反応性タンパク質 0.094 0.043 0.101 0.139 タンパク質指数(x103) 1.1 0.7 1.9 1.9 結果は、PBS中で24時間インキュベーションした
後、前述のアッセイ技術を使用して得られた。フィブリ
ノゲンの吸着の結果は、未処理ポリ塩化ビニリデンに関
する光学密度の減少%として表す。C反応性タンパク質
の結果はC反応性タンパク質による吸収として表す;陽
性の対照はCRPの結合を示した。タンパク質指数はC
反応性タンパク質の結合/フィブリノゲンの吸着の比で
ある。
【0355】これらの結果が示すように、ブチルメタク
リレートを含有するコポリマーを使用するタンパク質の
適合のすぐれた減少を得るためには、高いC反応性タン
パク質の結合を受け入れなくてはならない。対照的に、
より長い鎖のアルキルモノマーを使用すると、タンパク
質吸着のすぐれた減少および低いC反応性タンパク質の
結合、ならびに支持体へのすぐれた付着および水性環境
中の低い膨潤が得られる。
【0356】潜在的な物理収着基として4までの炭素原
子の短い鎖のアルキル基からなるコモノマーを含有する
コポリマー、例えば、ブチルメタクリレートは、より小
さいモル比率で、疎水性支持体への劣った付着を示し、
そして水性環境中で高い膨潤を示し、これによりコポリ
マーは表面のコーティングにおける使用に不適当とな
る。
【0357】参考例16 参考例1および4からのポリマーをPVC管上にコーテ
ィングし、そして仔ウシのモデルにおける左心臓のバイ
パスの手順を使用して体外システムにおけるそれらの性
能を評価した。血液をこのシステムに連続的に生理的温
度において抗凝固剤の不存在下3.5リットル/分の速
度でポンピングした。循環する血液の状態に関連するパ
ラメーターを実験を通じて測定した。
【0358】事実上すべての試験したパラメーターは、
コーティングした回路の存在が血液および動物の生理的
機能にほとんどあるいはまったく影響を与えないことを
示す結果を与えた(典型的には3回の同一実験を連続す
る日に実施し、そして動物毎に非常に再現性があっ
た)。
【0359】上との比較において、コーティングしなか
った回路は抗凝固剤を使用しないで連続6時間の期間の
間有効に働くことができなかった。また、血液のパラメ
ーターは短い期間において非常に悪影響を及ぼした。
【0360】タンパク質吸着の試験および回路の成分の
顕微鏡観察の結果が示すように、両者のコーティングは
ヘパリン化した管と少なくとも同様によく機能を果た
し、そして血液の流れの中に高い乱流が起こる回路の区
域において、凝固物の数は少なかった。
【0361】参考例17 2(メタクリロイルオキシエチル)−2’(トリメチル
アンモニウム)エチルホスヘート内部塩の製造 この製造は下の反応の概要Aにより例示される: a)2−クロロ−1,3−ジオキサホスホラン(1) 圧力均等化滴下漏斗、還流冷却器(CaCl2ガード管
を装備する)および磁気撹拌機を装備したフラスコの中
に、ジクロロメタン(500ml)中の三塩化リンの溶
液(220ml;346.3g;2.52mol)を入
れた。次いで、エチレングリコール(139ml;15
4.2g、2.49mol)を、滴下漏斗を介して、H
Clの発生が過度にならないような速度で滴々添加し
た。エチレングリコールを添加すると、凝縮器を蒸留の
ために配置し、そしてジクロロメタンを大気圧において
除去した。蒸留温度が60℃に到達したとき、フラスコ
を真空蒸留のために水流ポンプを使用して配置し、次い
で蒸留すると、2−クロロ−1,3−ジオキサホスホラ
ン(158ml;224.5g;71.3%)が無色の
移動性液体として得られた(湿気のある空気で発煙す
る)、沸点36〜40℃/21mmHg[参照、45.
5〜47℃/20mmHg、ルーカス(Lucas
ら)、ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサ
イアティー(J.Am.Chem.Soc.)、72
5491(1950)]。
【0362】IR(cm-1,薄いフィルム)2980、
2905、1470、1210、1005、930、8
13、770。
【0363】b)2−クロロ−2−オキソ−1,3,2
−ジオキサホスホラン(2) 磁気撹拌機、還流冷却器
(CaCl2ガード管を装備する)および焼結ガラスの
入口管を装備したフラスコの中に、乾燥ベンゼン(20
0ml)中の2−クロロ−1,3−ジオキサホスホラン
(100.8g;0.797mol)の溶液を入れた。
この溶液を撹拌し、そして酸素の一定した流れをこの溶
液の中に泡立てて通入した。この反応は温和に発熱性で
ある、そして温度のコントロールを溶媒を還流させるこ
とによって達成した。酸素を反応混合物の中に6時間通
過させた。溶媒を回転蒸発器により除去し、そして無色
の移動性残留物を蒸留すると、2−クロロ−2−オキソ
−1,3,2−ジオキサホスホラン(2)(87.41
g;77%)が無色の移動性液体として得られた、沸点
95〜97℃/0.2mbar[参照、102.5〜1
05℃/1mbar(エドムンドソン(Edmunds
on)、Chem.Ind.(ロンドン))、1828
(1962);79℃/0.4mbar(ウメダ(Um
eda)ら、Makromol.Chem.Rapid
Commun.、、457(1982)]。
【0364】IR(cm-1,薄いフィルム)2990、
2910、1475、1370、1310、1220、
1030、930、965、830。
【0365】c)2(2−オキソ−1,3,2−ジオキ
サホスホラン−2−イルオキシ)エチルメタクリレート
(3) 磁気撹拌機、低温温度計および圧力均等化滴下漏斗(シ
リカゲルのガード管を装備する)を装備したフラスコの
中に、乾燥ジエチルエーテル(300ml)中の2−ヒ
ドロキシエチルメタクリレート(20.00g、0.1
54mol)およびトリエチルアミン(15.60g;
0.154mol)の溶液を入れた。この溶液を撹拌
し、そして−20℃〜−30℃に冷却した。次いで、乾
燥ジエチルエーテル:20ml)中の新しく蒸留した2
−クロロ−2−オキソ−1,3,2−ジオキサホスホラ
ン(2)(21.9g;0.154mol)の溶液を3
0分かけて滴々添加し、添加の間に温度を−20℃に保
持した。この温度においてさらに1時間撹拌し、次いで
反応混合物を室温に放温するときさらに1時間撹拌し
た。沈澱したトリエチルアミン塩酸塩を濾過により除去
し、そして乾燥エーテルでよく洗浄した。エーテルを一
緒にした濾液および洗液から回転蒸発器により除去し
た。次いで、曇った油状残留物を乾燥ジエチルエーテル
(50ml)とともに5分間震盪して、それ以上のトリ
エチルアミン塩酸塩を沈澱させ、これを濾過により除去
した。回転蒸発器でエーテルを除去すると、(3)(3
4.18g;94.3%)が無色の粘性油として得られ
た。
【0366】IR(cm-1,薄いフィルム)1720、
1640、1450、1360、1310、1290、
1170、1030、930、850。
【0367】NMR(CDCl3;60MHz,δ p
pm) 1.95(s,3H)、4.25−4.70
(m,8H)、5.70(m,1H)、6.25(m,1
H)。
【0368】Rf(SiO2、10%メタノール:90
%ジクロロメタンで溶離した;モリブデンブルー噴霧試
薬およびヨウ素蒸気で可視化した)。
【0369】d)2(メタクリロイルオキシエチル)−
2’(トリメチルアンモニウム)エチルホスヘート内部
塩(4) ホスホラン(3)(67.20g;0.285mol)
を100mlの乾燥アセトニトリル中に溶解し、そして
厚い壁の組織培養びん中に入れた。次いでこのホスホラ
ン溶液を、乾燥アセトニトリル(100ml)中の無水
トリメチルアミン(25.74g;0.436mol)
の溶液で処理した。次いで容器を密閉し、そして50℃
に保持した水浴の中に30時間入れた。容器を開き、そ
して溶液を沸騰させた。この溶液を熱い間に濾過し、次
いで放置して結晶化させた。
【0370】生成物を濾過により集め、そして溶媒の大
部分を吸引により除去した。次いで湿った生成物を無水
エーテルでよく洗浄し、次いで減圧下に乾燥すると、
(4)が白色非晶質の吸湿性固体(51.16g;61
%)として得られた。母液を蒸発させると、非常に粘性
の油(20.00g;23%)が得られ、これからさら
に生成物(4)が−20℃において放置すると結晶化し
た。TLC(シリカゲルのプレート、メタノール/ジク
ロロメタン(1:1v/v)で溶離する)は、1つのス
ポットを示し、これはドラジェンドルフ(Dragen
dorff)試薬、モリブデンブルーの噴霧試薬および
ヨウ素蒸気で明らかされた。
【0371】IR(cm-1 1720、1640、13
20、1300、1230、1170、970、75
0。
【0372】NMR(D2O;60MHz;δ pp
m)2.0(s,3H)、3.27(s,9H)、3.6
0−4.50(m,8H)、5.80(m,1H)および
6.25(m,1H)。
【0373】 CHN 実測値:C42.98% H7.88% N4.42% P10.51% CHN 理論値;C44.75% H7.46% N4.75% P10.51%参考例18 ジメチル(2−メタクリロイルオキシエチル)−(1
(2−スルホプロピル))アンモニウムベタイン内部塩
の合成 2(ジメチルアミノ)エチルメタクリレートを真空蒸留
し、次いで0.1Mのジクロロメタン中に溶解した。こ
の溶液に、等モル量のプロパンスルトンを添加した。ベ
タインは溶液からゆっくり沈澱し、そして濾過により回
収し、そして冷ジクロロメタンで洗浄した。この反応は
反応の概要Bに示されている。
【0374】参考例19 1[4(4’ビニルベンジルオキシ)ブタン]−2”−
(トリメチルアンモニウム)エチルホスヘート内部塩の
製造 この合成は反応の概要Cに描写されている。
【0375】4−ヒドロキシ−1(4’−ビニルベンジ
ルオキシ)ブタン(5) ブタンジオール(40ml;40.68g;0.452
mol)を100ml丸底フラスコの中で撹拌し、そし
てカリウムブトキシド(17.60g;0.144mo
l)で少しずつ処理した。初期反応は発熱性であった。
反応混合物を室温において1.5時間撹拌した。次い
で、生ずる曇った溶液をクロロメチルスチレン(20.
00g;0.131mol)で処理した。スチレンは上
の薄い緑色の層(着色は開始剤の存在のためである)を
形成し、その色は18−クラウン−6(0.49g;
1.86×10-3mol)を添加すると暗くなった。フ
ラスコに栓をし、光から保護し、そして室温において2
8時間撹拌した。次いでこの混合物を水(120ml)
中に入れ、そしてジクロロメタンで抽出した。一緒にし
た有機抽出液を乾燥し(MgSO)そして蒸発させる
と、粘性黄色油(932.7g)が得られた。この油を
少量のCuClから蒸留すると、TLC上に多少の不純
物を示す生成物が得られた。次いでこの油をシリカゲル
のフラッシュクロマトグラフィーにかけ、最初にジクロ
ロメタン/ペトロール(1:1)で溶離して不純物を除
去した。次いで、生成物をこのカラムから酢酸エチル/
ペトロール(1:1)で溶出した。溶媒を蒸発させる
と、無色の油が得られ、これを蒸留すると、所望のスチ
リルブチルアルコールが無色の油として得られた、沸点
150〜152℃/0.4mbar。収量18.70
g;69.2%。
【0376】NMR(60MHz,CDCl3) 1.5
5(m4H C−CH2−C);3.50(m,5H,1
H exch.;O−CH2−、O−H)、4.45(s,2
H;Ar−CH2−)、5.50(dd,2H,vinyli
c)、6.75(dd,vinylic)、7.40(m,4H,
Ar−H−)。
【0377】IR 3402、2938、2888、1
631、1602、1582、1511、1480、1
445、1382、1320、1116、1063、9
20、907、827、801、716および667c
-1
【0378】4(2−オキソ−1,3,2−ジオキサホ
スホラン−2−イルオキシル−1(4’−ビニルベンジ
ルオキシ)ブタン(6) 4−ヒドロキシ−1(4’−ビニルベンジルオキシ)ブ
タン(5)(10.03g;48.69mmol)およ
び乾燥したトリエチルアミン(4.92g、48.69
mmol)を乾燥ジエチルエーテル(150ml)中に
溶解し、そして生ずる溶液を強く乾燥したフラスコの中
に入れた。この溶液を−30℃に冷却し、そして2−ク
ロロ−2−オキソ−1,3,2−ジオキサホスホラン
(6.94g;48.69mmol)を30分かけて滴
々添加し、温度を−30℃に保持した。次いで反応混合
物をさらに2時間撹拌し、その間温度を10℃に上昇さ
せた。この混合物を濾過し、そして沈澱を乾燥エーテル
で洗浄した。濾液を蒸発させる(20℃/21mm)と
曇った油が得られた。残留物を50mlの乾燥エーテル
とともに震盪させ、そして再濾過した。濾液を蒸発させ
ると、生成物が粘性黄色油として得られた(13.73
g;90.4%)。
【0379】TLC(10%メタノール90%ジクロロ
メタンで溶離する)は1つの主要なスポットを示し、こ
れは酸性モリブデート試薬で染色された (Rf 0.61)、IR(薄いフィルム)3458、2
945、2917、2860、1630、1602、1
581、1475、1419、1363、1283、1
103、1032、820、842、807、800、
715、610および421cm-1
【0380】1[4(4’−ビニルベンジルオキシ)ブ
タン]−2”−(トリメチルアンモニウム)エチルホス
ヘート内部塩(7) トリメチルアミン(2.00g;33.9mmol)を
蒸留して反応器の中に入れ、そして液体窒素で凍結させ
た。次いで無水アセトニトリル(40ml)中の4(2
−オキソ−1,3,2−ジオキサホスホラン−2−イル
オキシル−1(4’−ビニルベンジルオキシ)ブタン
(6)の溶液を反応器に添加し、次いでこれを密閉し、
そしてサーモスッタット制御の水浴の中に入れた(50
℃、50時間)。次いで反応器を室温に冷却し、開き、
そして反応混合物をそのもとの体積の約半分に蒸発させ
た(21mmの圧力)。次いで濃縮した冷却を室温にお
いて撹拌し、その間無水エーテル(200ml)を滴々
添加して生成物を粘性油として沈澱させた。次いでこの
混合物を−10℃において数時間放置した。上澄みの固
体をデカンテーションすることによって、生成物を集め
た。TLC(メタノール/ジクロロメタン1:1で溶離
する)はRf0.0〜0.1に主要なスポットを示し、
これはドラジェンドッフ試薬および酸性モリブデートの
両者で染色された。
【0381】参考例20 2(アルリロイルオキシエチル)−2’−(トリメチル
アンモニウム)エチルホスヘート内部塩の製造 この合成は参考例17に記載する合成に本質的に類似
し、そして反応の概要Aに示す方法に類似する方法を使
用する。
【0382】(a)2−(2−オキソ−1,3,2−ジ
オキサホスホラン−2−イルオキシ)エチルアクリレー
乾燥ジエチルエーテル(250ml)中の2−ヒドロキ
シエチルアクリレート(11.5ml、0.1M)およ
びトリエチルアミン(14.6ml)を窒素雰囲気下に
−25℃に冷却し、この時乾燥ジエチルエーテル中の2
−クロロ−2−オキソ−1,3,2−ジオキサホスホラ
ン(14.3g)の溶液を添加した。この混合物を−2
0℃においてさらに1時間撹拌し、次いで10℃にさら
に1時間かけて放温した。沈澱を濾過し、酢酸エチル
(100ml)で洗浄し、そして一緒にした濾液および
洗液を減圧下に蒸発させて、淡黄色油(21g)が得ら
れた。
【0383】1H NMR(200MHz)d(CD3
N) 6.4(1H,dd)、6.2(1H,dd)、
5.9(1H,dd)、4.0−3.6(8H,コンプレ
ックス)ppm。
【0384】(b)2−(アルリロイルオキシエチル)
−2’−(トリメチルアンモニウム)エチルホスヘート
内部塩 アセトニトリル(50ml)中の2−(2−オキソ−
1,3,2−ジオキサホスホラン−2−イルオキシ)エ
チルアクリレート(21g、0.095M)を、圧力反
応器中でアセトニトリル(150ml)中のトリエチル
アミン(12.1g)の溶液で50℃において14時間
処理した。この混合物を冷却し、そして過剰のトリエチ
ルアミンの多少を減圧下の蒸発により除去した。
【0385】この固体の物質を窒素雰囲気下に濾過し、
アセトニトリル(20ml)およびジエチルエーテル
(50ml)で洗浄し、次いで減圧下に乾燥すると、無
色の油(12.1g、45%)が得られた。
【0386】1H NMR(200MHz)d(D2O)
6.45(1H,dd,J1.2および17.1H
z)、6.25(1H,dd,J1.2および10.25
Hz)、6.02(1H,dd,J1.23および10.
25Hz)、4.4(2H,m)、4.3(2H,m)、
4.2(2H,m)、3.6(2H,m)および3.2
(9H,s)ppm。
【0387】参考例21 ドデク−7−イン−1−オールメタクリレート ジクロロメタン(60ml)の中でドデク−7−イン−
1−オール(25g)に、蒸留したトリエチルアミン
(14.1g)を添加した。この混合物を氷浴(0.5
℃)の中で冷却しかつ撹拌すると同時に、ジクロロメタ
ン(50ml)中で蒸留した塩化メタクロイル(16.
2g)を10分かけて添加した。反応温度を周囲温度に
し、そしてこの混合物を2時間撹拌した。水(150m
l)を添加し、そして有機層を除去し、連続的に水(2
×150ml)および飽和重炭酸ナトリウム溶液(2×
150ml)で抽出し、ブライン(150ml)で洗浄
し、そして無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧
下に除去すると、淡黄色油液体が得られ、これを塩化銅
(I)の存在下に減圧(0.18mBar、106〜1
10℃)蒸留すると、ドデク−7−イン−1−オールメ
タクリレートが得られた、17g、50%の収率。
【0388】1H NMR(200MHz,d,pp
m,CDCl3):0.90(t,3H)、1.45
(m,10H)、1.70(m,2H)、1.95(s,
3H)、2.15(m,6H)、4.15(t,2H)、
5.55(s,1H)、6.10(s,1H)。
【0389】
【化29】
【0390】工程(a)〜(d)は参考例17の工程に
相当する。
【0391】
【化30】
【0392】
【化31】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はコポリマーで処理したポリイミドシート
および未処理のポリイミドシートを血液と接触させた後
の前記シートの走査型電子顕微鏡写真であり、(a)は
未処理のポリイミドシートであり、(b)は参考例8の
コポリマーで処理したポリイミドシートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C09D 201/00 C09D 201/00 (72)発明者 スチーブン・アリスター・ジヨーンズ イギリス国ミドルセツクス ユービー8 3ピーキユー・アクスブリツジ・キン グストンレイン・ブルネルサイエンスパ ーク・バイオコンパテイブルズリミテツ ド内 (72)発明者 ピーター・ウイリアム・ストラツトフオ ード イギリス国ミドルセツクス ユービー8 3ピーキユー・アクスブリツジ・キン グストンレイン・ブルネルサイエンスパ ーク・バイオコンパテイブルズリミテツ ド内 (56)参考文献 特表 平7−502053(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 246/00 C08F 12/14 C08F 20/10 C08F 30/02 C08L 101/00 - 101/16 C09D 201/00 - 201/02

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式: Y−B−X (I) 式中、 Bは1または2以上のフッ素原子を必要に応じて含有す
    る直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキレン、オキサアルキ
    レンまたはオリゴ−オキサアルキレン鎖であるか、ある
    いはXがBと永久的正電荷の中心の間に炭素−炭素鎖を
    含有するか、あるいはYがBに結合した末端炭素原子を
    含有する場合、原子価結合であり、Xは両性イオンの基
    であり、そして Yは 【化1】 式中、 Rは水素またはC1−C4アルキル基であり、 Aは−O−または−NR1−であり、式中、R1は水素ま
    たはC1−C4アルキル基であるか、あるいはR1は−B
    −Xであり、ここでBおよびXは上に定義した通りであ
    り、そして Kは−(CH2)pOC(O)−、−(CH2)pC(O)O
    −、−(CH2pOC(O)O−、−(CH2)pNR
    2−、−(CH2pNR2C(O)−、−(CH2)p
    (O)NR2−、−(CH2pNR2C(O)O−、−
    (CH2pOC(O)NR2−、−(CH2pNR2
    (O)NR2−、(式中、基R2は同一であるか、あるい
    は異なる)−(CH2pO−、−(CH2pSO3−、
    そして必要に応じてBと組み合わせて、原子価結合であ
    り、そしてpは1〜12であり、そして R2は水素またはC1−C4アルキル基である、 から選択されるエチレン系不飽和の重合可能な基であ
    る、 を有するラジカル重合可能な両性イオンのモノマー、な
    らびに 一般式(XII): Y2−B9−Q5 (XII) 式中、Y2は、 【化2】 式中、 R26は、水素またはC1−C4アルキルであり、 A”は、−O−または−NR27−であり、式中、R27
    水素またはC1−C4アルキル基であるか、あるいはR27
    は基−B95であり、 B9は原子価結合 直鎖状または分枝鎖状アルキレン、
    オキサアルキレンまたはオリゴ−オキサアルキレン基で
    あり、 K3は基−(CH2)xOC(O)−、−(CH2)x
    (O)O−、−(CH2)xOC(O)−、−(CH2x
    NR28−、−(CH2xNR28C(O)−、−(CH2)x
    C(O)NR28−、−(CH2xNR28C(O)O−、
    −(CH2xOC(O)NR28−、−(CH2xNR28
    C(O)NR28−(式中、基R28は同一であるか、ある
    いは異なる)、−(CH2xO−、−(CH2xSO3
    −、原子価結合(必要に応じてB9と組み合わせて)で
    あり、xは1〜12であり、そしてR28は水素またはC
    1−C4アルキル基である、 から選択されるエチレン系不飽和の重合可能な基であ
    り、そして Q5はアニオンまたはカチオンを有する荷電基(但しカ
    ルボキシル基を除く)である、 を有するラジカル重合可能なイオン性のコモノマー、 から形成されたポリマー。
  2. 【請求項2】 Q5 がスルホネートイオン(またはスル
    ホナト)、リン酸水素イオン、ホスフェートイオン、基
    −NR31 3 +(式中、各基R31は同一か、あるいは異な
    り、そして水素または1−6の炭素原子のアルキルであ
    り、その基R31の2つは一緒に5−7原子を含有する複
    素環式環、基N+Hetを形成することができ、ここで
    Hetは1−4の炭素原子の1または2以上のアルキル
    基により置換された、もしくは置換されていない不飽和
    複素環式基である);ならびに基−PR32+ 3(式中、各
    基R32は、同じか、あるいは異なり、そして水素または
    1−6の炭素原子のアルキルであり、その基R32の2つ
    は一緒に5−7原子を含有する複素環式環を形成するこ
    とができる)から選択される荷電基である、請求項1に
    記載のポリマー。
  3. 【請求項3】 Q5 がスルホナト、ホスフェートイオン
    および基−NR31+ 3(式中、各基R31は同一か、あるい
    は異なり、そして水素またはメチルである)から選択さ
    れる荷電基である、請求項2に記載のポリマー。
  4. 【請求項4】 Xが基IVB、IVC,IVD,IVE
    およびIVFから選択される基であって、かつ、ここ
    で、 基IVBは式 【化3】 (式中、基R6は同一であるか、あるいは異なり、そし
    て各々は水素またはC1-4アルキルであり、そしてdは
    2〜4である)、 で表され、 基IVCは式 【化4】 (式中、基R7は同一であるか、あるいは異なり、そし
    て各々は水素またはC1-4アルキルであり、そしてeは
    1〜4である)、 で表され、 基IVDは式 【化5】 (式中、基R8は同一であるか、あるいは異なり、そし
    て各々は水素またはC1-4アルキルであり、R8aは水素
    または基−C(O)B18bであり、式中、R8bは水素
    またはメチルであり、B1は原子価結合または直鎖状も
    しくは分枝鎖状のアルキレン、オキサアルキレンまたは
    オリゴ−オキサアルキレン基であり、そしてfは1〜4
    であり、そしてBが原子価結合以外である場合、zは1
    でありそしてBが原子価結合である場合、zは0であ
    り、Xが酸素または窒素原子に直接結合している場合か
    つそれ以外はzは1である)、 で表され、 基IVEは式 【化6】 (式中、基R9は同一であるか、あるいは異なり、そし
    て各々は水素またはC1-4アルキルであり、R9aは水素
    または基−C(O)B29bであり、式中、R9bは水素
    またはメチルであり、B2は原子価結合または直鎖状も
    しくは分枝鎖状のアルキレン、オキサアルキレンまたは
    オリゴ−オキサアルキレン基であり、そしてgは1〜4
    であり、そしてBが原子価結合以外である場合、zは1
    でありそしてBが原子価結合である場合、zは0であ
    り、Xが酸素または窒素原子に直接結合している場合か
    つそれ以外はzは1である)、 で表され、そして 基IVFは式 【化7】 (式中、基R10は同一であるか、あるいは異なり、そし
    て各々は水素またはC1-4アルキルであり、R10aは水素
    または基−C(O)B310bであり、式中、R10bは水
    素またはメチルであり、B3は原子価結合または直鎖状
    もしくは分枝鎖状のアルキレン、オキサアルキレンまた
    はオリゴ−オキサアルキレン基であり、そしてhは1〜
    4であり、そして Bが原子価結合以外である場合、zは1でありそしてB
    が原子価結合である場合、zは0であり、Xが酸素また
    は窒素原子に直接結合している場合かつそれ以外はzは
    1である)、 で表される、請求項1〜3のいずれかに記載のポリマ
    ー。
  5. 【請求項5】 両性イオンのモノマー対イオン性コモノ
    マーのモル比が、5:95−95:5の範囲である、請
    求項1ないし4のいずれかに記載のポリマー。
  6. 【請求項6】 両性イオンのモノマーおよびイオン性の
    モノマーと共重合可能な5−50モル%の希釈剤モノマ
    ーを含むモノマーから形成された、請求項1ないし5の
    いずれかに記載のポリマー。
  7. 【請求項7】 溶媒に溶解または分散している、請求項
    1ないし6のいずれかに記載のポリマーを含む液体組成
    物。
  8. 【請求項8】 コーティングが請求項1ないし6のいず
    れかに記載のポリマーを含んで成る、表面がコーティン
    グを持つ表面を有する支持体を含んで成るコート生成
    物。
  9. 【請求項9】 ペンダントのイオン性基を持つ表面を有
    する支持体を、一般式: Y−B−X (I) 式中、 Bは1または2以上のフッ素原子を必要に応じて含有す
    る直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキレン、オキサアルキ
    レンまたはオリゴ−オキサアルキレン鎖であるか、ある
    いはXがBと永久的正電荷の中心の間に炭素−炭素鎖を
    含有するか、あるいはYがBに結合した末端炭素原子を
    含有する場合、原子価結合であり、Xは両性イオンの基
    であり、そして Yは 【化1】 式中、 Rは水素またはC 1 −C 4 アルキル基であり、 Aは−O−または−NR 1 −であり、式中、R 1 は水素ま
    たはC 1 −C 4 アルキル基であるか、あるいはR 1 は−B
    −Xであり、ここでBおよびXは上に定義した通りであ
    り、そして Kは−(CH 2 ) p OC(O)−、−(CH 2 ) p C(O)O
    −、−(CH 2 p OC(O)O−、−(CH 2 ) p NR
    2 −、−(CH 2 p NR 2 C(O)−、−(CH 2 ) p
    (O)NR 2 −、−(CH 2 p NR 2 C(O)O−、−
    (CH 2 p OC(O)NR 2 −、−(CH 2 p NR 2
    (O)NR 2 −、(式中、基R 2 は同一であるか、あるい
    は異なる)−(CH 2 p O−、−(CH 2 p SO 3 −、
    そして必要に応じてBと組み合わせて、原子価結合であ
    り、そしてpは1〜12であり、そして 2 は水素またはC 1 −C 4 アルキル基である、 から選択されるエチレン系不飽和の重合可能な基であ
    る、 を有するラジカル重合可能な両性イオンのモノマー、な
    らびに 一般式(XII): 2 −B 9 −Q 5 (XII) 式中、Y 2 は、 【化2】 式中、 26 は、水素またはC 1 −C 4 アルキルであり、 A”は、−O−または−NR 27 −であり、式中、R 27
    水素またはC 1 −C 4 アルキル基であるか、あるいはR 27
    は基−B 9 5 であり、 9 は原子価結合 直鎖状または分枝鎖状アルキレン、
    オキサアルキレンまたはオリゴ−オキサアルキレン基で
    あり、 3 は基−(CH 2 ) x OC(O)−、−(CH 2 ) x
    (O)O−、−(CH 2 ) x OC(O)−、−(CH 2 x
    NR 28 −、−(CH 2 x NR 28 C(O)−、−(CH 2 ) x
    C(O)NR 28 −、−(CH 2 x NR 28 C(O)O−、
    −(CH 2 x OC(O)NR 28 −、−(CH 2 x NR 28
    C(O)NR 28 −(式中、基R 28 は同一であるか、ある
    いは異なる)、−(CH 2 x O−、−(CH 2 x SO 3
    −、原子価結合(必要に応じてB 9 と組み合わせて)で
    あり、xは1〜12であり、そしてR 28 は水素またはC
    1 −C 4 アルキル基である、 から選択されるエチレン系不飽和の重合可能な基であ
    り、そして 5 は該表面の基と反対の電荷を持つアニオンまたはカ
    チオンを有する荷電基である、 を有するラジカル重合可能なイオン性のコモノマー、 から形成されたポリマーを含む 液体組成物と接触させ、
    これによりポリマーのイオン基と該表面のイオン基との
    間の静電親和力によってポリマーが表面に結合するよう
    になる方法。
  10. 【請求項10】 表面が、陽イオンに荷電した基を持
    ち、そしてコポリマーが陰イオンに荷電した基を含む、
    請求項9に記載の方法。
  11. 【請求項11】 上記表面が、陰イオンに荷電した基を
    持ち、そしてコポリマーが陽イオンに荷電した基を含
    む、請求項9に記載の方法。
  12. 【請求項12】 一般式: Y−B−X (I) 式中、 Bは1または2以上のフッ素原子を必要に応じて含有す
    る直鎖状もしくは分枝鎖状のアルキレン、オキサアルキ
    レンまたはオリゴ−オキサアルキレン鎖であるか、ある
    いはXがBと永久的正電荷の中心の間に炭素−炭素鎖を
    含有するか、あるいはYがBに結合した末端炭素原子を
    含有する場合、原子価結合であり、Xは両性イオンの基
    であり、そして Yは 【化8】 式中、 Rは、水素またはC1−C4アルキル基であり、 Aは、−O−または−NR1−であり、式中、R1は水素
    またはC1−C4アルキル基であるか、あるいはR1は−
    B−Xであり、ここでBおよびXは上に定義した通りで
    あり、そして Kは−(CH2)p OC(O)−、(CH2)pC(O)O
    −、−(CH2pOC(O)O−、−(CH2)pNR
    2−、−(CH2pNR2C(O)−、−(CH2)p
    (O)NR2−、−(CH2pNR2C(O)O−、−
    (CH2pOC(O)NR2−、−(CH2pNR2
    (O)NR2−、(式中、基R2は同一であるか、あるい
    は異なる)−(CH2pO−、−(CH2pSO3−、
    そして必要に応じてBと組み合わせて原子価結合であ
    り、そしてpは1〜12であり、そしてR2は水素また
    はC1−C4アルキル基である、 から選択されるエチレン系不飽和の重合可能な基であ
    る、 を有する両性イオンのモノマー、ならびに 一般式(XII): Y2−B9−Q5 (XII) 式中、Y2は、 【化9】 式中、 R26は、水素またはC1−C4アルキルであり、 A”は、−O−または−NR27−であり、ここでR27
    水素またはC1−C4アルキル基であるか、あるいはR27
    は基−B95であり、 B9は原子価結合 直鎖状または分枝鎖状アルキレン
    オキサアルキレンまたはオリゴ−オキサアルキレン基で
    あり、 K3は基−(CH2)xOC(O)−、−(CH2)x
    (O)O−、−(CH2)xOC(O)O−、−(CH2
    xNR28−、−(CH2xR28C(O)−、−(C
    2xC(O)NR28−、−(CH2xNR28C(O)
    O−、−(CH2xOC(O)NR28−、−(CH2x
    NR28C(O)NR28−(式中、基R28は同一である
    か、あるいは異なる)、−(CH2xO−、−(C
    2xSO3−、原子価結合(必要に応じてB9と組み合
    わせて)であり、xは1〜12であり、そしてR28は水
    素またはC1−C4アルキル基である、 から選択されるエチレン系不飽和の重合可能な基であ
    り、そして Q5はアニオンまたはカチオンを有する荷電基(但しカ
    ルボキシル基を除く)である、 を有するイオン性のコモノマーを、ラジカル重合により
    ポリマーを形成する工程を含んで成るポリマーの形成
    法。
  13. 【請求項13】 請求項2ないし6のいずれかに定義さ
    れた特徴を含んで成る、請求項12に記載の方法。
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