JP2010024257A - 生体適合性重合性化合物、生体適合性ポリマー、及び、ポリマー粒子 - Google Patents

生体適合性重合性化合物、生体適合性ポリマー、及び、ポリマー粒子 Download PDF

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Abstract

【課題】親水性及び生体適合性の高い高分子材料の製造に有用な新規重合性化合物、及び該重合性化合物を重合して製造されるポリマーの提供。
【解決手段】下記一般式(I)で示される化合物:
Figure 2010024257

(式中、R10は水素原子又はメチル基を表し;Xは、−O(C=O)−等を表し;Rは水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、又は置換もしくは無置換のアリール基等を表す)及び該化合物を含む重合性化合物を重合して得られるポリマー。
【選択図】なし

Description

本発明は、重合性化合物に関する。より詳しくは、本発明は、親水基と疎水基を併せ持って界面活性を有する新規な重合性化合物であって、親水性及び生体適合性の高い高分子材料の製造に有用な新規重合性化合物に関する。本発明はさらに、前記化合物を重合して得られるポリマー及び、該ポリマーを含む微小粒径を有する粒子に関する。
近年、親水性高分子を主成分とする材料は、人工臓器や人工筋肉、薬物キャリアや細胞足場材料、又は農業用材料(保水剤など)などへの利用が盛んである。
天然の親水性高分子としては、アルギネイト、コラーゲン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、フィブリン、キトサン、又は絹などが挙げられる。これらの高分子は、生体適合性が高いが、生分解性が高く機械強度が弱いという問題がある。また、病原体の混入も懸念される。
一方、人工的な合成の親水性高分子としては、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリルアミド、ポリ乳酸、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、ポリアクリルアミドメチルプロパン硫酸などが挙げられる。これらの高分子は、機械的強度が強く、病原体の混入の懸念も小さいが、生体適合性が低いという問題がある。また、毒性が高い高分子が存在するという問題があった。
近年、2−メタクロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)を用いて親水性や生体適合性の高い高分子材料が提供されている(非特許文献1、特許文献1)。MPCを用いて製造されたポリマーは、生体内化合物であるリン脂質に類似している構造であるホスファチジルコリン部位が電荷的に中性であり、高い親水性を有していることが生体親和性を高める要因となっている。
しかし、2−メタクロイルオキシエチルホスホリルコリンの水溶性が高いために、合成が煩雑であり、また、2−メタクロイルオキシエチルホスホリルコリンの比率が高いポリマーは親水性が高すぎて水中では粒子を形成せず、また、機械的強度が低いという問題があった。
最近、ドラックデリバリー技術を用いて患部選択的に造影剤を集中させ、患部領域の画像のコントラストを高めることや、造影剤の投与量を減らす試みがなされている。
例えば、リポソームやミセルのような粒子の中に造影剤の薬剤等を内包させ、その粒子の表面をリガンド分子等で修飾することや、ポリマーで薬剤を覆うことが報告されている(特許文献2〜7、非特許文献2〜4)。しかしながら、このような造影剤は安定性が低いこと、安全性が低いこと、粒子の粒径が大きく細網内皮系に捕捉されやすいことなどが造影性能の悪化につながっている。
造影剤として、例えば、X線造影剤としてヨウ素含有化合物が知られている。例えば、トリヨードベンゼン類が血管造影や尿路撮影に使用されている。しかしながら、X線造影剤のほとんどが水溶性の低分子化合物であり、投与後の血中滞留時間が短い。そのため、造影剤投与後すぐに撮像する必要性があり、造影剤を多量に使用した場合の毒性も、しばしば報告されている(非特許文献5)。
特許第2870727号 米国特許第5686061号明細書 米国特許第5019370号明細書 国際公開公報第06106513号 米国出願公開第 2007098640号 米国出願公開第2007098641号 米国出願公開第2007098642号 高分子論文集 1978 vol. 35, No. 7, P.423-427 J. Am. Chem. Soc. 2000, 122, 8940-8945 J. Control. Release 2007, 122, 269-277 Nature medicine 2007, 13, 636-641 Toxicology 2005, 209, 185-187
本発明は、親水性及び生体適合性の高い高分子材料の製造に有用な新規重合性化合物を提供することを課題とする。本発明はさらにこのような重合性化合物を重合して製造されるポリマーを提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題の解決のため、鋭意研究を行い、生体親和性の高いリン脂質類似ポリマーの製造に適した新規重合性化合物を見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は以下 [1]〜[12]を提供するものである。
[1] 下記一般式(I)で示される化合物:
Figure 2010024257
式中、R10は水素原子又はメチル基を表し;Xは、−O−、−S−、−NR2−、又は−O(C=O)−を表し(R2は水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、又は置換もしくは無置換の又はアリール基を表す);Rは水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、置換もしくは無置換のヘテロ環基、又は置換もしくは無置換のアリール基を表す。
[2]Xが−O(C=O)−である[1]に記載の化合物。
[3]Rが置換又は無置換のアルキル基である[1]又は[2]に記載の化合物。
[4]RがC1−C20の無置換のアルキル基である[3]に記載の化合物。
[5]Rが、置換又は無置換のアリール基である[1]又は[2]に記載の化合物。
[6]Rが、二つ以上のヨウ素原子を少なくとも含む[5]に記載の化合物。
[7]Rが、二つ以上のヨウ素原子を少なくとも含むヨウ素置換フェニル基であり、該ヨウ素置換フェニル基は、アミノ基、カルボキシル基、ハロゲン原子、-NR3(C=O)R4、-(C=O)OR5、-(C=O)NR6R7(R3〜R7は水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基置換もしくは無置換の又はアリール基を表す)、置換もしくは無置換のアルキル基、及び置換もしくは無置換のアリール基からなる群から選択される置換基で置換されていてもよい[5]に記載の化合物。
[8]Rが、3つのヨウ素原子で置換されたヨウ素置換フェニル基である[7]に記載の化合物。
[9][1]〜[8]のいずれか一項に記載の化合物を含む重合性化合物の重合反応により得られるポリマー。
[10] 下記一般式(11)で示される構造単位を含むポリマー。
Figure 2010024257
式中、R11は水素原子又はメチル基を表し;R1は水素原子又は置換もしくは無置換のアルキル基を表す。
[11]下記一般式(12)で示される構造単位を含むポリマー。
Figure 2010024257
式中、R12は水素原子又はメチル基を表し;Pheは二つ以上のヨウ素原子を少なくとも含むヨウ素置換フェニル基を表し、該ヨウ素置換フェニル基は、アミノ基、カルボキシル基、ハロゲン原子、-NR3(C=O)R4、-(C=O)OR5、-(C=O)NR6R7(R3〜R7は水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基置換もしくは無置換の又はアリール基を表す)、置換もしくは無置換のアルキル基、及び置換もしくは無置換のアリール基からなる群から選択される置換基で置換されていてもよい。
[12] 下記一般式(11)で示される構造単位及び下記一般式(12)で示される構造単位を含むポリマー。
Figure 2010024257
式中、R11及びR12はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し;R1は水素原子又は置換もしくは無置換のアルキル基を表し; Pheは二つ以上のヨウ素原子を少なくとも含むヨウ素置換フェニル基を表し、該ヨウ素置換フェニル基は、アミノ基、カルボキシル基、ハロゲン原子、-NR3(C=O)R4、-(C=O)OR5、-(C=O)NR6R7(R3〜R7は水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基置換もしくは無置換の又はアリール基を表す)、置換もしくは無置換のアルキル基、及び置換もしくは無置換のアリール基からなる群から選択される置換基で置換されていてもよい。
本発明により、親水性及び生体適合性の高い高分子材料の製造に有用な新規重合性化合物が提供される。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
本明細書において、ある基について「置換又は無置換」又は「置換基を有していてもよい」という場合には、その基が1又は2以上の置換基を有する場合があることを示しているが、特に言及しない場合には、結合する置換基の個数、置換位置、及び種類は特に限定されない。ある基が2個以上の置換基を有する場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。本明細書において、ある基が置換基を有する場合、置換基の例としては、ハロゲン原子(本明細書において「ハロゲン原子」という場合にはフッ素、塩素、臭素、又はヨウ素のいずれでもよい)、アルキル基(本明細書において「アルキル基」という場合には、直鎖状、分岐鎖状、又はそれらの組み合わせのいずれでもよい。)、シクロアルキル基、アルケニル基(本明細書において「アルケニル基」という場合には、直鎖状、分岐鎖状、又はそれらの組み合わせのいずれでもよい。)、シクロアルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、カルボニルオキシ基、アミノ基(アニリノ基を含む)、カルボニルアミノ基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール及びヘテロ環アゾ基、及びイミド基、並びに上記いずれかの置換基が1又は2以上の上記いずれかの置換基に置換された置換基、及び上記いずれかの置換基が、上記いずれかの置換基が1又は2以上の上記いずれかの置換基に置換された置換基に置換された置換基が挙げられる。
一般式(I)においてR10は水素原子又はメチル基を表す。特に限定されないが、R10はメチル基であることがより好ましい。一般式(11)におけるR11、及び一般式(12)におけるR12もそれぞれ同様である。
一般式(I)においてXは、−O−、−S−、−NR2−、又は−O(C=O)−を表す(R2は水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、又は置換もしくは無置換の又はアリール基を表す)。Xは、−O−、−NH−、又は−O(C=O)−であることが好ましく、−O(C=O)−であることがより好ましい。
R又はR1で表される無置換のアルキル基の総炭素数は、1〜30が好ましく、1〜20がより好ましい。R又はR1で表されるアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、i-プロピル基、ブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、ウンデシル基、ト゛デシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、及びヘプタデシル基が挙げられる。
R又はR1は上記無置換のアルキル基が置換基を有する置換アルキル基であってもよい。置換アルキル基の例としては、クロロブチル基、ベンジル基、2−エチニルプロピル基、フェニルエチル基、シアノプロピル基、メトキシエチル基、ヒドロキシメチル基、アミノメチル基、クロロデシル基、エチニルヘキサデシル基、フェニルウンデシル基、シアノオクチル基、メトキシペンタデシル基、ヒドロキシテトラデシル基、アミノトリデシル基、1−メトキシカルバモイルエチル基、1−{N−(2−フェニル−1−カルボキシ−)エチルカルバモイル}−エチル基、2−エトキシカルボニルブチル基等が挙げられる。上記の置換アルキル基の例において、フェニル基を含む化合物については、該フェニル基にヨウ素が2個以上、好ましくは3個以上置換している化合物も同様にも好ましい例として挙げられる。置換アルキル基の総炭素数は、2〜40が好ましく、2〜25がより好ましい。
Rで表される無置換アルケニル基における二重結合の位置、及び個数は特に限定されない。二重結合はE又はZ配置のいずれであってもよく、また、二重結合が複数ある場合はE及びZ配置の混合物であってもよい。Rで表されるアルケニル基の総炭素数は、2〜30が好ましく、5〜20がより好ましい。無置換アルケニル基の例としては、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、3−ブテニル基、ペンテニル基、2−ヘキセニル基、ヘキサジエニル基、5−ドデセニル基、10−ペンタデセニル基、14−ヘキサデセニル基、9−ヘプタデセニル基等があげられる。Rは上記無置換アルケニル基が置換基を有する置換アルケニル基であってもよい。
Rで表される無置換のシクロアルキル基の総炭素数は、3〜20が好ましく、5〜10がより好ましい。無置換シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、及びシクロヘプチル基等が挙げられる。Rは上記無置換シクロアルキル基が置換基を有する置換シクロアルキル基であってもよい。
Rで表されるシクロアルケニル基の総炭素数は、4〜20が好ましく、5〜10がより好ましい。無置換シクロアルケニル基の例としては、シクロヘキセニル基等が挙げられる。Rは上記無置換シクロアルケニル基が置換基を有する置換シクロアルケニル基であってもよい。
Rで表される無置換のヘテロ環基は、飽和又は不飽和の脂肪族ヘテロ環基でも、芳香族へテロ環基でもよい。ヘテロ環基におけるヘテロ原子は特に限定されないが、酸素原子、硫黄原子、及び窒素原子から選択される1又は2以上の原子であればよい。ヘテロ環基の例としては、フラン、ジヒドロフラン、テトラヒドロフラン、ピラン、ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、ベンゾフラン、ジヒドロベンゾフラン、イソベンゾフラン、クロメン、クロマン、イソクロマン、チオフェン、ベンゾチオフェン、ピロール、ピロリン、ピロリジン、イミダゾール、イミダゾリン、イミダゾリジン、ピラゾール、ピラゾリン、ピラゾリジン、トリアゾール、テトラゾール、ピリジン、ピリジンオキシド、ピペリジン、ピラジン、ピペラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドール、インドリン、イソインドール、イソインドリン、インダゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾトリアゾール、テトラヒドロイソキノリン、ベンゾチアゾリノン、ベンゾキサゾリノン、プリン、キノリジン、キノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、オキサゾール、オキサゾリジン、イソキサゾール、イソキサゾリジン、オキサジアゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、チアジリジン、イソチアゾール、イソチアゾリジン、ベンゾジオキソール、ジオキサン、ベンゾジオキサン、ジチアン、モルホリン、チオモルホリン、フタルイミド、ホモピペリジニル、又はホモピペラジニルなどから誘導される環状の基を意味する。環上の結合位置は制限されない。Rは上記無置換ヘテロ環基が置換基を有する置換ヘテロ環基であってもよい。
R又はR1〜R7で表される無置換アリール基の総炭素数は6〜30が好ましく、6〜20がより好ましい。このようなアリール基の例としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、などが挙げられる。R又はR1〜R7は上記無置換アリール基が置換基を有する置換アリール基であってもよい。置換アリール基での例としては、メトキシフェニル基、クロロフェニル基、ヒドロキシフェニル基、アミノフェニル基、エチルフェニル基、ビフェニル基、ノニルフェニル基、オクチルフェニル基、フルオロフェニル基、ヨードフェニル基、などが挙げられる。
特にRで表される置換アリール基は二つ以上のヨウ素原子を少なくとも含むヨウ素置換フェニル基であることが好ましい。該ヨウ素置換フェニル基におけるヨウ素の数は3個であることがより好ましい。このようはヨウ素置換フェニル基は、ヨウ素以外の置換基を有していなくてもよいが、さらに、アミノ基、カルボキシル基、ハロゲン原子、-NR3(C=O)R4、-(C=O)OR5、-(C=O)NR6R7(R3〜R7は水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基置換もしくは無置換の又はアリール基を表す)、置換もしくは無置換のアルキル基、及び、置換もしくは無置換のアリール基から選択される置換基を有していてもよい。
R2〜R7で表される無置換のアルキル基又はRで表される置換アリール基における置換基としての無置換のアルキル基の総炭素数は、それぞれ独立に1〜20が好ましく、1〜6がより好ましい。Rで表される置換アリール基における置換基、又はR3〜R7は置換アルキル基であってもよい。
一般式(I)で表される化合物がアリール基、好ましくはフェニル基を含む場合は、該アリール基がヨウ素を置換基として有していることが好ましい。ヨウ素は好ましくは2個以上より好ましくは3個置換していればよい。このような一般式(I)で表される化合物又はこの化合物の重合により得られるポリマーを生体内に投与してX線造影剤としての使用が可能である。
一般式(I)で表される化合物の具体的な例としては以下の化合物が挙げられる。
Figure 2010024257
Figure 2010024257
一般式(I)で表される化合物は、一般的には下記のように製造することができる。
反応溶媒(アルコール系、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、N-メチルピロリドンなど)にグリシジル(メタ)アクリレートとカルボン酸を加え、さらに必要に応じて触媒(テトラブチルアンモニウムブロミドなどアンモニウム塩)を加えて、50度以上120度以下で加熱反応させて中間体を作製する。
反応後の処理は実施例の方法など当業者に公知の方法で適宜行えばよい。
さらに、中間体と2-クロロ−2−オキソ−1,3,2−ジオキサホスホランを反応させて、一般式(I)で表される化合物を得ることができる。この反応は実施例の方法などで適宜行うことができる。反応の際の温度は0度以下、−70度以上であればよい。反応溶媒としては、塩化メチレン、クロロホルム、アセトン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼンなどを適宜選択して用いればよい。
一般式(I)で表される化合物の化合物を重合する方法としては、溶媒と一般式(I)で表される化合物の化合物を入れ、重合開始剤の存在中に適宜加熱する方法が挙げられる。共重合する場合は、共重合させるモノマーである化合物モノマー化合物を上記の溶液に共存させればよい。
重合に使用する溶媒としては、一般式(I)で表される化合物、及び必要に応じて、共重合させるモノマー、又は重合開始剤が溶解する溶媒であればよく、例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、アセトン、ベンゼン、トルエン、ジメチルホルムアミド、及びこれらの混合物等の溶媒が挙げられる。
重合に使用する重合開始剤としては、特に限定されないが、ラジカル重合開始剤が好ましい。ラジカル重合開始剤としては、例えば、2'−アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスマレノニトリルなどの脂肪族アゾ化合物や、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウムなどの有機化酸化物が挙げられる。
重合は、二種以上の一般式(I)で表される化合物の共重合、又は一般式(I)で表される化合物と一般式(I)で表される化合物以外のる化合物との共重合であってもよい。一般式(I)で表される化合物と共重合させることができる化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリルアミド類、ビニルエーテル類、スチレン類(例えば、スチレン、スチレン誘導体等)などが挙げられる。
前記(メタ)アクリル酸エステル類としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、t−オクチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、アセトキシエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、β−フェノキシエトキシエチルアクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリフロロエチル(メタ)アクリレート、オクタフロロペンチル(メタ)アクリレート、パーフロロオクチルエチル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニルオキシエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
前記(メタ)アクリルアミド類としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチルアクリル(メタ)アミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−(2−メトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−ベンジル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、ジアセトンアクリルアミドなどが挙げられる。
前記スチレン類としては、例えば、前記スチレン、前記スチレン誘導体(例えば、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、メトキシスチレン、ブトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、酸性物質により脱保護可能な基(例えば、t-Boc等)で保護されたヒドロキシスチレン、ビニル安息香酸メチル、α−メチルスチレン等)、などが挙げられる。
前記ビニルエーテル類としては、例えば、メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテルなどが挙げられる。
一般式(I)で表される化合物と一般式(I)で表される化合物以外の化合物とを共重合させる場合の両者のモル比率としては100:0〜20:80が好ましく、100:0〜30:70がより好ましく、100:0〜50:50がさらに好ましい。
一般式(I)で表される化合物の化合物を重合させて得られるポリマーの分子量としては、特に限定されないが1,000〜100,000が好ましい。
一般式(I)で表される化合物の化合物を重合して得られるポリマーの一例としては 下記一般式(11)で示される構造単位を含むポリマー:
Figure 2010024257
(式中、R11は水素原子又はメチル基を表し;R1は水素原子又は置換もしくは無置換のアルキル基を表す);及び
下記一般式(12)で示される構造単位を含むポリマー:
Figure 2010024257
(式中、R12は水素原子又はメチル基を表し;Pheは二つ以上のヨウ素原子で置換されたヨウ素置換フェニル基を表し、該ヨウ素置換フェニル基は、アミノ基、カルボキシル基、ハロゲン原子、-NR3(C=O)R4-、-(C=O)OR5-、-(C=O)NR6-(R3〜R6はアルキル基又はアリール基を示す)、アルキル基、及びアリール基からなる群から選択される置換基で置換されていてもよい。)が、挙げられる。
上記一般式(11)で示される構造単位及び上記一般式(12)で示される構造単位の双方を含むポリマーも好ましい。これらの構造単位のモル比(一般式(11):一般式(12))は、0:100〜50:50が好ましく、0:100〜40:60がより好ましく、0:100〜30:70がさらに好ましい。
上記のように作成された一般式(I)で表される化合物を重合させて得られるポリマーは、水溶液中で粒子を形成することができる。当該粒子の粒径は4〜400nmであることが好ましく、4〜200nmであることが好ましい。
このようなポリマー粒子は、例えば、造影剤に使用することができる。
例えば、ヨウ素を含む一般式(I)で表される化合物を用いて作製されたポリマー粒子を用いてX線造影剤を作成することが可能である。
また、例えば造影効果を有する成分とともにポリマー粒子を形成することによって生体適合性の高い造影剤を作製することができる。造影効果を有する成分としては、例えば常磁性金属化合物が挙げられる。上記粒子においては、上記ポリマーが造影効果を有する成分を内包していてもよく、上記ポリマーが造影効果を有する成分とともに粒子の膜を形成していてもよい。
上記ポリマー粒子の表面に腫瘍部位に過剰発現しているタンパク質の抗体など連結させれば、腫瘍選択的な造影剤を提供できる。また、本発明のポリマー粒子は粒径が小さく、細網内皮系に捕捉されにくい造影剤を作製することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
反応容器にグリシジルメタクリレート(東京化成社製)(3質量部)、ドデカン酸(東京化成社製)(4.3質量部)、テトラブチルアンモニウムブロミド(和光純薬社製)(0.7質量部)、及びジメチルアセトアミド(和光純薬社製)(50質量部)を入れた。得られた混合物を、オイルバスで90度に加熱して2時間撹拌した。その後、水300質量部と酢酸エチル(和光純薬社製)80質量部を加えて分液操作を行った。有機溶媒層を飽和食塩水200質量部で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾過により除去し、有機溶媒を真空留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、オイル状中間体1Aを5.4質量部(収率75%)得た。
次に、窒素雰囲気下、−20度に冷却した別の反応容器に、オイル状中間体1A(4質量部)、トリエチルアミン(和光純薬社製)(1.5質量部)、及び塩化メチレン(和光純薬社製)(30質量部)を加えた。得られた混合物に、滴下漏斗から2-クロロ−2−オキソ−1,3,2−ジオキサホスホラン(CAS 6609-64-9)(和光純薬社製)2.1質量部を加えた。2時間撹拌後、濾過により生じた白色結晶を除去し、溶媒を真空留去した。残渣を反応容器に入れ、アセトニトリル(和光純薬社製)(30質量部)、トリメチルアミン(アルドリッチ社製)(3質量部)を加えて60度で24時間撹拌した。反応終了後、反応溶液を濾過して、固形物を除去し溶媒を真空留去した。得られた粗生成物を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、具体的化合物例2を1.8質量部(収率30%)得た。
1H−NMR(300 MHz)CDCl3
6.11 (s, 1H), 5.58 (s, 1H), 4.65-4.50 (m, 1H), 4.40-4.24 (m, 6H), 3.75 (s, 2H), 3.35 (s, 9H), 2.30 (t, 2H), 1.91 (s, 3H), 1.60 (t, 2H), 1.35-1.20 (m, 16H), 0.89 (t, 3H)
(実施例2)
反応容器にグリシジルメタクリレート(東京化成社製)(3質量部)、パルチミン酸(東京化成社製)(5.4質量部)、テトラブチルアンモニウムブロミド(和光純薬社製)(0.7質量部)、及びジメチルアセトアミド(和光純薬社製)(50質量部)を入れた。得られた混合物を、オイルバスで90度に加熱して2時間撹拌した。その後、水(300質量部)及び酢酸エチル(和光純薬社製)(80質量部)を加えて分液操作を行った。有機溶媒層を飽和食塩水(200質量部)で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾過により除去し、有機溶媒を真空留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、オイル状中間体2Aを4.6質量部(収率55%)得た。
次に、窒素雰囲気下、−20度に冷却した別の反応容器に、オイル状中間体2A(4質量部)、トリエチルアミン(和光純薬社製)(1.1質量部)、及び塩化メチレン(和光純薬社製)(15質量部)を加えた。得られた混合物に、滴下漏斗から2-クロロ−2−オキソ−1,3,2−ジオキサホスホラン(CAS 6609-64-9)(和光純薬社製)(1.5質量部)を入れた。2時間撹拌後、濾過により白色結晶を除去し、溶媒を真空留去した。残渣を反応容器に入れ、アセトニトリル(和光純薬社製)(30質量部)及びトリメチルアミン(アルドリッチ社製)(3質量部)を加えて60度で24時間撹拌した。反応終了後、反応溶液を濾過して、固形物を除去し溶媒を真空留去した。得られた粗生成物を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、具体的化合物例3を3.8質量部(収率67%)得た。
1H−NMR(300 MHz)CDCl3
6.11 (s, 1H), 5.58 (s, 1H), 4.65-4.50 (m, 1H), 4.40-4.24 (m, 6H), 3.75 (s, 2H), 3.35 (s, 9H), 2.30 (t, 2H), 1.91 (s, 3H), 1.60 (t, 2H), 1.35-1.20 (m, 24H), 0.89 (t, 3H)
(実施例3)
反応容器に、グリシジルメタクリレート(東京化成社製)(3質量部)、2,3,5−トリヨード安息香酸(東京化成社製)(10.6質量部)、テトラブチルアンモニウムブロミド(和光純薬社製)(0.7質量部)、及びジメチルアセトアミド(和光純薬社製)(50質量部)を入れた。得られた混合物を、オイルバスで90度に加熱して2時間撹拌した。その後、水(300質量部)及び酢酸エチル(和光純薬社製)(80質量部)を加えて分液操作を行った。有機溶媒層を飽和食塩水(200質量部)で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾過により除去し、有機溶媒を真空留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、オイル状中間体3Aを10.9質量部(収率80%)得た。
次に、窒素雰囲気下、−20度に冷却した別の反応容器に、オイル状中間体3A(8質量部)、トリエチルアミン(和光純薬社製)(1.3質量部)、及び塩化メチレン(和光純薬社製)(30質量部)を加えた。得られた混合物に、滴下漏斗から2-クロロ−2−オキソ−1,3,2−ジオキサホスホラン(CAS 6609-64-9)(和光純薬社製)(1.8質量部)を入れた。2時間撹拌後、濾過により白色結晶を除去し、溶媒を真空留去した。残渣を反応容器に入れ、アセトニトリル(和光純薬社製)(30質量部)及びトリメチルアミン(アルドリッチ社製)(3質量部)を加えて60度で24時間撹拌した。反応終了後、反応溶液を濾過して固形物を除去し溶媒を真空留去した。得られた粗生成物を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、具体的化合物例28を6.5質量部(収率65%)得た。
1H−NMR(300 MHz)CDCl3
8.25 (s, 1H), 7.76 (s, 1H), 6.11 (s, 1H), 5.58 (s, 1H), 4.75-4.28 (m, 7H), 3.75 (s, 2H), 3.30 (s, 9H), 1.91 (s, 3H)
(実施例4)
反応容器にグリシジルメタクリレート(東京化成社製)(3質量部)、アセトリゾン酸
(CAS 85-36-9)(東京化成社製)(11.8質量部)、テトラブチルアンモニウムブロミド(和光純薬社製)(0.7質量部)、及びジメチルアセトアミド(和光純薬社製)(50質量部)を入れた。オイルバスで90度に加熱して2時間撹拌した。その後、水(300質量部)及び酢酸エチル(和光純薬社製)(80質量部)を加えて分液操作を行った。有機溶媒層を飽和食塩水(200質量部)で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムを濾過により除去し、有機溶媒を真空留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、オイル状中間体4Aを9.4質量部(収率64%)得た。
次に、窒素雰囲気下、−20度に冷却した別の反応容器に、オイル状中間体4A(6質量部)、トリエチルアミン(和光純薬社製)(0.9質量部)、及び塩化メチレン(和光純薬社製)(30質量部)を加えた。得られた混合物に、滴下漏斗から2-クロロ−2−オキソ−1,3,2−ジオキサホスホラン(CAS 6609-64-9)(和光純薬社製)(1.4質量部)を入れた。2時間撹拌後、濾過により白色結晶を除去し、溶媒を真空留去した。得られた生成物を反応容器に入れ、アセトニトリル(和光純薬社製)(30質量部)及びトリメチルアミン(アルドリッチ社製)(3質量部)を加えて60度で24時間撹拌した。反応終了後、反応溶液を濾過により固形物を除去し溶媒を真空留去した。粗生成物を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、具体的化合物例32を3.8質量部(収率50%)得た。
1H−NMR(300 MHz)CDCl3
8.25 (s, 1H), 7.90 (br, 1H), 6.11 (s, 1H), 5.58 (s, 1H), 4.75-4.28 (m, 7H), 3.75 (s, 2H), 2.17 (s, 3H), 1.91 (s, 3H)
(実施例5)
反応容器に、具体的化合物例3(3質量部)、ステアリルメタクリレート(東京化成社製)(1.8質量部)、n−プロパノール(和光純薬社製)2質量部、及びV−601(和光純薬社製)0.002質量部を入れた。窒素雰囲気下にし、内温を80度で8時間撹拌した。反応終了後、反応溶液をアセトン(100質量部)にゆっくりと入れ、白色固体2.6質量部を得た。
この白色固体0.1質量部をn−プロパノール(和光純薬社製)0.4質量部に溶解させ、60度に加熱した状態で純水1.6質量部を加えた。その後20分間撹拌し、ポリマー粒子分散液を得た。この分散液に存在するポリマー粒子の平均粒径は、粒径測定器(日機装社製UPA-EX150)を用いて測定したところ、153nmであった。
(実施例6)
反応容器に具体的化合物例28(0.025質量部)、n−プロパノール(和光純薬社製)(0.5質量部)、純水(9.5質量部)、及びV−601(和光純薬社製)(0.002質量部)を入れた。窒素雰囲気下にし、内温を80度で8時間撹拌した。得られた反応溶液をゲル濾過(PD-10 columns:GEヘルスケア製)し、ポリマー粒子分散液を得た。このポリマー粒子分散液におけるポリマー粒子の平均粒径は、粒径測定器(日機装社製UPA-EX150)を用いて測定したところ、101nmであった。

Claims (12)

  1. 下記一般式(I)で示される化合物:
    Figure 2010024257
    式中、R10は水素原子又はメチル基を表し;Xは、−O−、−S−、−NR2−、又は−O(C=O)−を表し(R2は水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、又は置換もしくは無置換の又はアリール基を表す);Rは水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアルケニル基、置換もしくは無置換のシクロアルキル基、置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、置換もしくは無置換のヘテロ環基、又は置換もしくは無置換のアリール基を表す。
  2. Xが−O(C=O)−である請求項1に記載の化合物。
  3. Rが置換又は無置換のアルキル基である請求項1又は2に記載の化合物。
  4. RがC1−C20の無置換のアルキル基である請求項3に記載の化合物。
  5. Rが、置換又は無置換のアリール基である請求項1又は2に記載の化合物。
  6. Rが、二つ以上のヨウ素原子を少なくとも含む請求項5に記載の化合物。
  7. Rが、二つ以上のヨウ素原子を少なくとも含むヨウ素置換フェニル基であり、該ヨウ素置換フェニル基は、アミノ基、カルボキシル基、ハロゲン原子、-NR3(C=O)R4、-(C=O)OR5、-(C=O)NR6R7(R3〜R7は水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基置換もしくは無置換の又はアリール基を表す)、置換もしくは無置換のアルキル基、及び置換もしくは無置換のアリール基からなる群から選択される置換基で置換されていてもよい請求項5に記載の化合物。
  8. Rが、3つのヨウ素原子で置換されたヨウ素置換フェニル基である請求項7に記載の化合物。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物を含む重合性化合物の重合反応により得られるポリマー。
  10. 下記一般式(11)で示される構造単位を含むポリマー。
    Figure 2010024257
    式中、R11は水素原子又はメチル基を表し;R1は水素原子又は置換もしくは無置換のアルキル基を表す。
  11. 下記一般式(12)で示される構造単位を含むポリマー。
    Figure 2010024257
    式中、R12は水素原子又はメチル基を表し;Pheは二つ以上のヨウ素原子を少なくとも含むヨウ素置換フェニル基を表し、該ヨウ素置換フェニル基は、アミノ基、カルボキシル基、ハロゲン原子、-NR3(C=O)R4、-(C=O)OR5、-(C=O)NR6R7(R3〜R7は水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基置換もしくは無置換の又はアリール基を表す)、置換もしくは無置換のアルキル基、及び置換もしくは無置換のアリール基からなる群から選択される置換基で置換されていてもよい。
  12. 下記一般式(11)で示される構造単位及び下記一般式(12)で示される構造単位を含むポリマー。
    Figure 2010024257
    式中、R11及びR12はそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し;R1は水素原子又は置換もしくは無置換のアルキル基を表し; Pheは二つ以上のヨウ素原子を少なくとも含むヨウ素置換フェニル基を表し、該ヨウ素置換フェニル基は、アミノ基、カルボキシル基、ハロゲン原子、-NR3(C=O)R4、-(C=O)OR5、-(C=O)NR6R7(R3〜R7は水素原子、置換もしくは無置換のアルキル基置換もしくは無置換の又はアリール基を表す)、置換もしくは無置換のアルキル基、及び置換もしくは無置換のアリール基からなる群から選択される置換基で置換されていてもよい。
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