JPH11322857A - 静電結合型高分子複合体および製造方法 - Google Patents

静電結合型高分子複合体および製造方法

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JPH11322857A
JPH11322857A JP10126081A JP12608198A JPH11322857A JP H11322857 A JPH11322857 A JP H11322857A JP 10126081 A JP10126081 A JP 10126081A JP 12608198 A JP12608198 A JP 12608198A JP H11322857 A JPH11322857 A JP H11322857A
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JP10126081A
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Hidejiro Sakaki
秀次郎 榊
Kenshiro Shudo
健志郎 首藤
Hiroki Fukui
洋樹 福井
Mamoru Tsuchida
衛 土田
Norio Nakabayashi
宣男 中林
Kazuhiko Ishihara
一彦 石原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】毒性のない静電結合型高分子と荷電性化合物と
の複合体の提供およびその製造方法の提供。 【解決手段】下記の一般式[I] 【化1】 (式中R1、R2およびR3は、水素原子または炭素数1
〜4のアルキル基を示し、同一または異なる基であって
もよく、nは2〜4の整数である。)で表される基を側
鎖に有する親水性単量体と荷電性単量体との共重合体と
前記の荷電性単量体と反対の荷電を有する荷電性化合物
からなる静電結合型高分子複合体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定の親水性単量
体と荷電性単量体とを含む単量体組成物を重合してなる
静電結合型高分子重合体と、荷電性単量体と反対の電荷
を有する荷電性化合物とからなる静電結合型高分子複合
体およびその製造方法に関する。さらに詳しくは、本発
明は、化粧品、医薬品、細胞工学、微生物などの分野に
利用することが可能であり、各種化合物の作用効果を安
定して発現させるための化合物運搬システムあるいは、
薬物運搬システム(DDS)などの分野において、有用
なタンパク質、DNA、薬物などの荷電性化合物との静
電結合型高分子複合体、および該静電結合型高分子複合
体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】各種界面活性剤あるいは、高分子担体
が、化合物運搬体として様々な分野で幅広く利用されて
いる。特に、医薬品の分野では、生体に取り込み難い薬
物を可溶剤によって溶解した薬物を生体内に投与できる
形態にさせる技術が知られている。これらの可溶化剤は
薬物運搬体と呼ばれ、瀬崎仁編集「医薬品の開発、第1
3巻薬物伝達法」(虎川書店(1995年)216頁〜
331頁)に詳細に開示されている。更に、生体内で異
物として認識されるペプチドあるいは酵素などに高分子
を化学修飾した化学修飾酵素などが知られている。これ
らはハイブリッド型医薬品と呼ばれ、稲田祐二・前田浩
編集「続タンパク質ハイブリッド」(共立出版(198
8年)92頁〜103頁)に詳細に開示されている。
【0003】高分子担体としては、具体的には、アルブ
ミン、デキストラン、ポリアスパラギン酸、ポリリジ
ン、ポリヒドロキシプロピルメタクリレート、スチレン
−無水マレイン酸共重合体、ジビニルエーテル−無水マ
レイン酸共重合体、ポリビニルアルコールなどの高分子
物質が知られているが、いずれも化合物と共有結合を介
して結合することが特徴である。しかしながら、上記の
高分子担体は、担体と化合物が共有結合を介して結合し
ているため、修飾される薬物に共有結合可能な官能基が
必要であり、また、共有結合による薬物の活性低下など
が問題となっている。
【0004】前記のような問題を解決すべく共有結合を
介さずに物理的な相互作用で化合物を担持する高分子物
質として、ポリ(L−リジン)あるいはポリ(L−アル
ギニン)とDNAの複合体が研究されている{Jour
nal of Molecular Biology,
24(2),157−176,(1967)、Bioc
hemistry,7(7),2480−2488(1
968)}。 しかしながら、前記重合体は、静電的な
相互作用で荷電性化合物と複合化すると、担持化合物が
各種緩衝溶液、各種生理食塩水、あるいは各種培養液な
どの水溶性溶媒中で不溶化して、化合物を運搬できなく
なるなどの問題があった。
【0005】更にこのような問題を解決すべく共有結合
を介さず物理的な相互作用で薬物とを複合化する高分子
薬物運搬体として、ポリエチレングリコール−疎水性ポ
リアミノ酸ブロック共重合体が知られている(特開平6
−107565号公報)。更に、同様に共有結合を会さ
ず静電的な相互作用で薬物を担持する高分子運搬体とし
て、ポリエチレングリコール−荷電性ポリアミノ酸ブロ
ック共重合体が知られている(特開平8−188541
号公報)。しかしながら、前記両共重合体は製造工程が
煩雑であり工業的な製造に適さない。また、前記ポリエ
チレングリコール−荷電性ポリアミノ酸ブロック共重合
体は、結合させる荷電物質量に依存して、静電結合型高
分子複合体の電荷が変化するため、容器への静電的な非
特異的な吸着あるいは、生体あるいは細胞に対しての毒
性などの安全性に関する問題があった。
【0006】また、ホスホリルコリン基を有する、2−
メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン共重合体
を医用材料として用いることは知られているが(特開平
3−39309号公報)、2−メタクリロイルオキシエ
チルホスホリルコリン共重合体の静電結合型高分子複合
体は知られていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的の第1
は、容器への静電的な非特異的な吸着あるいは、生体あ
るいは細胞に対して毒性などのない安全な静電結合型高
分子と電荷を有する荷電性化合物が複合体を形成してい
ることを特徴とする、静電結合型高分子複合体を提供す
ることにある。本発明の目的の第2は、前記の静電結合
型高分子複合体の製造方法を提供することにある。
【0008】
【発明を解決するための手段】本発明者らは、前記の問
題点に鑑み鋭意検討した結果、特定の基を有する親水性
単量体と、荷電性単量体を含む単量体組成物を重合して
なる静電結合型高分子重合体が、水性溶媒の存在下で安
定な静電結合型高分子重合体と荷電性化合物の複合体を
形成することの知見を得て、本発明を完成した。すなわ
ち、本発明は、以下の(1)〜(7)である。 (1)A成分として、次の一般式[I]
【0009】
【化3】
【0010】(ただし、式中のR1、R2およびR3は、
水素原子または炭素原子1〜4のアルキル基を示し、同
一または異なる基であってもよい。nは2〜4の整数で
ある。)で示される基を有する親水性単量体(a1)
と、荷電性単量体(a2)を含む単量体組成物を重合し
てなる静電結合型高分子と、B成分として荷電性単量体
と反対の電荷を有する荷電性化合物とからなる静電結合
型高分子複合体。 (2)親水性単量体(a1)が、下記一般式[II]
【0011】
【化4】
【0012】で示される親水性単量体あり、荷電性単量
体(a2)が、静電性官能基として、カルボキシル基、
アミノ基、ピロリドン基のいずれかの基を有する荷電性
単量体である前記の静電結合型高分子複合体担。
【0013】(3)B成分の荷電性化合物が、(i)核
酸関連物質、(ii)薬剤、(iii)ペプチドおよび(i
v)タンパク質の群より選択されるひとつ以上である前
記の静電結合型高分子複合体。 (4)荷電性単量体(a2)が、静電性官能基としてア
ミノ基を有する荷電性単量体であり、B成分の荷電性化
合物が核酸関連物質である前記の静電結合型高分子複合
体。
【0014】(5)荷電性単量体(a2)が、静電性官
能基としてアミノ基を有する荷電性単量体であり、B成
分の荷電性化合物がDNAまたはインスリンである前記
の静電結合型高分子複合体。 (6)荷電性単量体(a2)が、静電性官能基としてカ
ルボキシル基を有する荷電性単量体であり、B成分の荷
電性化合物が卵白リゾチームおよびドキソルビシンから
なる群より選択されるひとつ以上である前記の静電結合
型高分子複合体。 (7)前記の静電結合型高分子複合体の製造方法であっ
て、A成分として、親水性単量体と、荷電性単量体とを
含む単量体組成物を重合してなる静電結合型高分子重合
体を得た後、前記の静電結合型高分子重合体と、B成分
として荷電性単量体と反対の電荷を有する荷電性化合物
を水性溶媒の存在下に混合することを特徴とする静電結
合型高分子複合体の製造方法。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明で用いるA成分の重合体の
原料としての親水性単量体(a1)は、分子中に重合性
の二重結合を有し、側鎖が式(I)で示される基を有す
る単量体である。このような化合物としては、例えば、
2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−(トリメ
チルアンモニオ)エチルホスフェート、3−(メタ)ア
クリロイルオキシプロピル−2−(トリエチルアンモニ
オ)エチルホスフェート、4−(メタ)アクリロイルオ
キシブチル−2−(トリエチルアンモニオ)エチルホス
フェート、5−(メタ)アクリロイルオキシペンチル−
2−(トリエチルアンモニオ)エチルホスフェート、6
−(メタ)アクリロイルオキシヘキシル−2−(トリエ
チルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(メタ)ア
クリロイルオキシエチル−2−(トリエチルアンモニ
オ)エチルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオ
キシエチル−2−(トリプロピルアンモニオ)エチルホ
スフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−
2−(トリブチルアンモニオ)エチルホスフェート、2
−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−2−(トリメ
チルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(メタ)ア
クリロイルオキシブチル−2−(トリメチルアンモニ
オ)エチルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオ
キシペンチル−2−(トリメチルアンモニオ)エチルホ
スフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシヘキシル
−2−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、
2−(ビニルオキシ)エチル−2−(トリメチルアンモ
ニオ)エチルホスフェート、2−(アリルオイルオキ
シ)エチル−2−(トリメチルアンモニオ)エチルホス
フェート、2−(p−ビニルベンジルオキシ)エチル−
2−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2
−(スチリルオキシ)エチル−2−(トリメチルアンモ
ニオ)エチルホスフェート、2−(ビニルオキシカルボ
ニル)エチル−2−(トリメチルアンモニオ)エチルホ
スフェート、2−(アリルオキシカルボニル)エチル−
2−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2
−(アクリロイルアミノ)エチル−2−(トリメチルア
ンモニオ)エチルホスフェート、2−(ビニルカルボニ
ルアミノ)エチル−2−(トリメチルアンモニオ)エチ
ルホスフェート、2−(アリルオキシカルボニルアミ
ノ)エチル−2−(トリメチルアンモニオ)エチルホス
フェート、2−(ブテロイルオキシ)エチル−2−(ト
リメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(クロ
トノイルオキシ)エチル−2−(トリメチルアンモニ
オ)エチルホスフェート、エチル−(2−トリメチルア
ンモニオエチルホスホリルエチル)フマレート、ブチル
−(2−トリメチルアンモニオエチルホスホリルエチ
ル)フマレート、ヒドロキシエチル−(2−トリメチル
アンモニオエチルホスホリルエチル)フマレート等が好
ましく挙げられる。より好ましくは、入手性などから、
前記式[II]で示される、2−(メタクリロイルオキ
シ)エチル−2−トリメチルアンモニオ)エチルホスフ
ェート{=2−メタクリロイルオキシエチルホスホリル
コリンともいう(以下MPCと略記する)}が挙げられ
る。
【0016】本発明で用いるA成分の重合体の原料であ
る荷電性単量体(a2)は、分子中に重合性の二重結合
を有し、側鎖に荷電性の基を有する単量体である。側鎖
に荷電性の基を有する単量体としては、例えば、スチレ
ンカルボン酸、(メタ)アクリル酸、3−ペンテン酸、
4−ペンテン酸、3−アリロキシプロピオン酸、2−
(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メ
タ)アクリロイルオキシエチルフタル酸等のカルボキシ
ル基に由来する負荷電性の基を有する荷電性単量体、ビ
ニルピロリドン等にピロリドン基に由来する正荷電性の
基を有する荷電性単量体、あるいは、アリルアミン(塩
酸塩)、アミノエチル(メタ)アクリレート(塩酸
塩)、アリルウレア、1−アリル−2−チオウレア、2
−メチルアリルアミン、4−アミノスチレン、アクリル
アミドなどのアミノ基に由来する正荷電性の基を有する
荷電性単量体が挙げられる。なかでも、親水性単量体
(a1)との組み合わせとしては、(メタ)アクリル酸
または、2−アミノエチルメタクリレートと前記MPC
との組み合わせが好ましく挙げられる。
【0017】前記親水性単量体(a1)の単量体組成物
中の含有割合は、単量体組成物中の全単量体中に5〜9
5重量%、特に10〜90重量%の範囲が好ましい。親
水性単量体(a1)の単量体組成物中の含有割合が5重
量%未満では得られた静電結合型高分子複合体の各種緩
衝溶液、各種生理食塩水、あるいは各種培養液などの水
溶性溶媒中での溶解性が低くなり好ましくない。一方、
荷電性単量体(a2)の単量体組成物中の含有割合は、
全単量体中、5〜95重量%、特に10〜90重量%の
範囲が好ましい。荷電性単量体(a2)の単量体組成物
中の含有割合が、5重量%未満では、担持された荷電性
化合物の結合量が少なくなり、好ましくない。
【0018】本発明に用いる静電結合型高分子重合体
は、前記単量体組成物を重合してなる高分子重合体であ
る。高分子重合体の重量平均分子量は、特に限定されな
いが、好ましくは、1000〜5,000,000、よ
り好ましくは10,000〜500,000である。高
分子重合体の重量平均分子量が1000より少ないと、
荷電性化合物の結合量が少なくなり好ましくなく、5,
000,000より多いと荷電性化合物が結合した静電
結合型高分子複合体の分子量が大きくなり、溶解性が低
下することがあり好ましくない。
【0019】前記静電結合型高分子重合体は、前記単量
体組成物を、公知の溶液重合、塊状重合、乳化重合、懸
濁重合等の方法を用いて、必要に応じて重合系を、例え
ば、窒素、二酸化炭素、ヘリウム等の不活性ガスで置換
して、あるいは前記の不活性ガスの雰囲気下、重合温度
0〜100℃、重合時間10分〜48時間の重合条件で
ラジカル重合させる方法等により調製する事ができる。
重合に際しては、通常のラジカル重合開始剤を用いるこ
とができる。ラジカル重合開始剤としては、例えば、
2,2−アゾビス(2−アミジノプロピル)二塩酸塩、
4,4−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2−アゾ
ビス(2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イ
ル)プロパン)二塩酸塩、2,2−アゾビスイソブチル
アミド二水和物、2,2−アゾビスイソブチロニトリ
ル、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過酸化ベン
ゾイル、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、t
−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−
ブチルペルオキシピバレート(日本油脂(株)製、商品
名「パーロイル−SA」、以下PR−SAと略記す
る)、t−ブチルペルオキシジイソブチレート、過酸化
ラウロイル、アゾビスイソブチロニトリル、2,2 −
アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、t−ブ
チルペルオキシネオデカノエート等が挙げられる。これ
らのラジカル重合開始剤は単独で用いても混合物で用い
てもよい。また、前記重合開始剤には各種レドックス系
の促進剤を用いても良い。重合開始剤の使用量は、単量
体組成物100重量部に対して0.01〜5.0重量部
が好ましい。
【0020】重合体の精製は、再沈殿法、透析法、限外
濾過法など一般的な精製方法により行うことができる。
【0021】本発明の重合体と複合体を構成するB成分
の荷電性化合物としては、正または負の荷電性を有する
化合物であれば特にその種類に限定はないが、例えば、
(i)DNA、RNA、オリゴヌクレオチド等の核酸関
連物質、(ii)ドキソルビシン、ダラマイシン等の分子
内に荷電性官能基を有する低分子化合物の薬物、(ii
i)インスリン、バソプレッシン、カルシトニン、ブラ
ジキン等のペプチド、ペプチドホルモン、(iv)卵白リ
ゾチーム等のタンパク質等が挙げられる。また、前記の
核酸関連物質としては、プラスミドDNA、リポザイ
ム、アンチセンスDNA、5−フルオロウラシル等も含
まれる。なかでも、各種緩衝溶液、各種生理食塩水、あ
るいは各種培養液などの水溶性溶媒中での溶解性およ
び、安定性に乏しい核酸関連物質に適する。
【0022】本発明の静電結合型高分子複合体は、前記
静電結合型高分子重合体と、荷電性化合物とを、重量比
で1:0.0001〜500、好ましくは1:0.01
〜100、より好ましくは、1:0.1〜50の割合で
含む複合体である。荷電性化合物の重量比が0.000
1未満では静電結合型高分子重合体が過剰になり、荷電
性化合物が少なくて効率的ではなく、荷電性化合物の重
量比が500を越える場合では、静電結合型高分子重合
体と複合化されない未結合の荷電性化合物が過剰になり
好ましくない。
【0023】本発明の静電結合型高分子複合体の製造方
法は、次の3つの方法が挙げれる。 〔1〕前記静電結合型高分子溶液に、前記荷電性化合物
を溶解させる。 〔2〕前記静電結合型高分子溶液と、前記荷電性化合物
溶液を混合させる。 〔3〕前記静電結合型高分子を、荷電性化合物溶液に溶
解させる。 具体的には、例えば〔1〕は、ポリマーの水溶液と核酸
関連物質、薬剤、ペプチドあるいはタンパク質の水溶液
を混合することにより静電的な結合が容易に形成され
る。〔2〕は、ポリマーの水溶液に前記の荷電性化合物
を直接添加して溶解させながら、静電的結合を形成させ
てもよい。さらに〔3〕は前記荷電化合物の水溶液にポ
リマーを直接添加して静電的な結合を形成させてもよ
い。その際は、かき混ぜ、加熱、超音波処理等により溶
解を容易にすることが望ましい。また、透析、希釈、P
H制御、有機溶剤の添加、乾燥、凍結乾燥等の操作を適
宜に付加することができる。
【0024】前記静電結合型高分子溶液と、前記荷電性
化合物溶液を混合させる際の、前記静電結合型高分子重
合体および、前記荷電性化合物の水性溶媒としては、同
一または異なっていてもよい。水、各種緩衝溶液、各種
生理食塩水、各種培養液、メタノール、エタノール、イ
ソプロパノール、ニトロメタンなどが挙げられる。混合
溶媒としては、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルオ
キシド、アセトニトリル、ジオキサン、アセトン、塩化
メチレン、クロロホルム、メチルエチルケトン、酢酸エ
チル、テトラヒドロフラン、トルエン、シクロヘキサ
ン、ジエチルエーテル、n−ヘキサン、イソプロピルエ
ーテル、四塩化炭素、ジメチルアセトアミド、N−メチ
ル−2−ピロリドン等の有機溶剤と水との混合物等が挙
げられる。好ましくは、投薬、細胞培養等にそのまま使
用可能である各種緩衝溶液、各種生理食塩水、各種培養
液が挙げられる。
【0025】
【発明の効果】本発明の静電結合型高分子複合体は、A
成分の双性イオンを有する親水性の高分子重合体を用い
るのでB成分の荷電性化合物と容易に安定な複合体を形
成するものであり、前記の親水性の高分子重合体を構成
する原料の荷電性単量体の溶解性、安全性および、安定
性の向上、あるいは、毒性の低減から適宜選択すること
ができるものである。従って、本発明の静電結合型高分
子複合体は化粧品、医薬品、細胞工学、微生物工業など
の広範な分野において利用することができる。本発明の
静電結合型高分子複合体の製造方法は、A成分の親水性
の高分子重合体と、B成分の荷電性化合物とを水性溶媒
存在可に混合するだけで容易に安定な静電結合型高分子
複合体を製造することができる。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいてより詳細に
説明する。尚、測定方法は以下に示した。 A−1;分子量測定−1 得られた共重合体水溶液を0.5重量%になるよう蒸留
水で希釈し、この溶液を0.45μmのメンブランフィ
ルターで濾過し、試験溶液とした。なお、GPC分析の
測定条件はつぎのとおりである。 <測定条件> カラム;G3000PW×l×2本(東ソー社製)、 溶出溶媒;蒸留水、 標準物質;ポリエチレングリコール(ポリマー・ラボラ
トリー社製)、 検出;示差屈折計、 重量平均分子量(Mw)、数平均分子量測定(Mn)、
分子量分布(Mw/Mn)の計算;東ソー社製インテグ
レーター内蔵分子量計算プログラム(SC−8020用
GPCプログラム)、 流速;1.0mL/分、 試料溶液使用量;100μL、 カラム温度;40℃。
【0027】A−2;分子量測定−2 <前処理>プロピオン酸 0.369gに、ジメチルホ
ルムアミド(以下DMFと略記する)に溶解した0.2
g/mLのプロピオン酸コハク酸イミドエステルをN,
N−カルボニルジイミダゾール溶液4845μLを加
え、室温で1時間インキュベートした。インキュベート
終了後、DMFに溶解した0.2g/mLのN−ヒドロ
キシコハク酸イミド溶液34405μLを加え室温で3
時間インキュベートすることにより、プロピオン酸コハ
ク酸イミド溶液を調製した。1重量%の各重合体水溶液
1.0mLに、先に調製したプロピオン酸コハク酸イミ
ド溶液1200μLを加え、4℃で一晩インキュベート
した。インキュベート終了後、この溶液を透析膜(商品
名「Spectrum/por.membrans M
w CO,6000〜8000」スペクトラム・メディ
カル・インダストリーズ社製)に挿入し、溶液の10倍
の体積の蒸留水を用いて透析操作を行い、1日1回の蒸
留水交換を3日間続けることによって精製を行い、精製
終了後、各溶液を凍結乾燥した。このプロピル化した各
重合体粉末を0.5重量%の塩化リチウムを含むクロロ
ホルム:メタノール=6:4(V/V)に溶解させて、
0.5重量%の重量体溶液を調製した。更に、この溶液
を0.45μmのメンブランフィルターで濾過し、試験
溶液とした。
【0028】GPC分析の測定条件は、次のとおりであ
る。 <測定条件> カラム;MIXED−C(2本)(ポリマーラボラトリ
ーズ社製)、 溶出溶媒;0.5重量%の塩化リチウムを含むクロロホ
ルム:メタノール=6:4(V/V)、 標準物質;ポリメチルメタクリレート(ポリマー・ラボ
ラトリー社製)、 検出;示差屈折計、 重量平均分子量(Mw)、数平均分子量測定(Mn)、
分子量分布(Mw/Mn)の計算;東ソー社製インテグ
レーター内蔵分子量計算プログラム(SC−8020用
GPCプログラム)、 流速;1.0mL/分、 試料溶液使用量;100μL、 カラム温度;40℃。
【0029】B;共重合体組成比の測定 得られた重合体溶液を凍結乾燥し重合体粉末を得た。得
られた粉末20mgを重水(D2O)1.5mLに溶解
させた。得られた重水溶液を日本電子(株)製,JNM
−EX270を用いて1H−NMR分析を行い、親水性
単量体と荷電性単量体のモル比を求めた。(MPCのモ
ル比はトリメチルアミノ基の9H、AEMAはアミノ基
のとなりの2Hのピーク比の比較から算出した。)
【0030】C;静電結合型高分子複合体の溶解性およ
び粒径測定 室温にて30分間放置後、目視にて沈殿の有無を確認し
た後、動的光散乱測定装置(Pacific Scie
ntific社製、NICOMP Model−37
0)で測定を行い、粒径を測定した。
【0031】D;静電結合型高分子複合体の溶解性、吸
光度および粒径測定 室温にて3時間放置後、目視にて沈殿の有無を確認した
後、260nmの吸光度測定を行い、更に、動的光散乱
測定装置(Pacific Scientific社
製,NICOMP Model−370)を用いて、粒
径を測定した。
【0032】合成例1;MPC/メタクリル酸共重合体
(poly(MPC−co−MA)−1)の合成 モノマーとして、MPC 16.2gおよび、メタクリ
ル酸(以下MAと略記する)0.53gを、開始剤とし
て、PR−SA 0.351gを、重合溶媒として蒸留
水 42.919gを重合管にとり、均一に溶解させ
た。この溶液にアルゴンを10分間吹き込み、封管し
た。封管終了後70℃で、6時間重合反応を行った。重
合反応終了後、室温に冷却し、重合管を開封した後に、
この溶液を透析膜(商品名「Spectrum/po
r.membrans Mw CO,6000〜800
0」スペクトラム・メディカル・インダストリーズ社
製)に挿入し、重合溶液の10倍の体積の蒸留水を用い
て透析操作を行い、1日1回の蒸留水交換を7日間続け
ることによって透析を行って、未反応のモノマーおよび
開始剤を除去することにより、共重合体を精製した。こ
の共重合体をpoly(MPC−co−MA)−1と略
す。得られた共重合体の分子量測定は前記の分子量測定
−1を用いた。分子量測定および、共重合体組成比の結
果は表1に示した。
【0033】
【表1】
【0034】合成例2〜5; poly(MPC−co
−MA)−2〜−5の合成 モノマー組成を表1に示したように変えた以外は合成例
1と同様にして、重合し、精製して各共重合体を得た。
結果を表1に示した。
【0035】合成例6;MPC/2−アミノエチルメタ
クリレート共重合体(poly(MPC−co−AEM
A)−1の合成 モノマーとして、MPC 1.98gおよび、2−アミ
ノエチルメタクリレート・塩酸塩(以下AEMAと略記
する) 0.12gを、開始剤として、2,2−アゾビ
スイソブチロニトリル(以下V−50と略記する)
0.407gを、重合溶媒として蒸留水 12.493
gを重合管にとり、均一に溶解させた。この溶液にアル
ゴンを10分間吹き込み、封管した。封管終了後60℃
で、8時間重合反応を行った。重合反応終了後、室温に
冷却し、重合管を開封した後に、この溶液を透析膜(ス
ペクトラム・メディカル・インダストリーズ社製,商品
名「Spectrum/por.membrans M
w CO,6000〜8000」)に挿入し、重合溶液
の10倍の体積の蒸留水を用いて透析操作を行い、1日
1回の蒸留水交換を7日間続けることによって透析を行
って、未反応のモノマーおよび開始剤を除去することに
より、共重合体を精製した。得られた共重合体の分子量
測定は前記の分子量測定−2を用いた。分子量測定およ
び、共重合体組成比の結果は表2に示した。
【0036】合成例7〜10;poly(MPC−co
−AEMA)−2〜−5の合成 モノマー組成を表2に示したように変えた以外は合成例
6と同様にして、重合し、精製して共重合体を得た。結
果を表2に示した。
【0037】
【表2】
【0038】実施例1〜5;poly(MPC−co−
MA)と卵白リゾチームのコンプレックス 蒸留水に溶解させた1mg/mLの卵白リゾチーム溶液
1mLに、合成例1〜5で合成したpoly(MPC−
co−MA)−1〜poly(MPC−co−MA)−
5の1mg/mLの各水溶液1mLを加えた。前記の測
定方法Cに従い溶解性および、粒径を測定した。測定結
果は表3に示した。
【0039】
【表3】
【0040】比較例1;ポリ−L−アスパラギン酸と卵
白リゾチームのコンプレックス 実施例1のpoly(MPC−co−MA)−1の1m
g/mLの水溶液の代わりに、1mg/mLのポリ−L
−アスパラギン酸(重量平均分子量=11100)(p
oly−L−Aspと略記する)溶液を加えた以外は、
実施例1と同様に行った。測定結果を表3に示した。以
上の結果から、比較例1のpoly−L−Aspの場合
は、卵白リゾチームと一定の粒径の複合体を形成するこ
とができなかったのに対して、実施例1〜5のpoly
(MPC/MA)−1〜5の場合は、一定の粒子を形成
し、かつ水溶液で安定な複合体であることがわかる。
【0041】実施例6〜10;poly(MPC−co
−AEMA)とウシインスリンのコンプレックス 0.001N 塩酸に溶解させた1mg/mLのウシイ
ンスリン溶液1mLに、合成例6〜10で合成したpo
ly(MPC−co−AEMA)−1〜poly(MP
C−co− AEMA)−5の0.5mg/mLの各水
溶1mLを加えた。前記の測定方法Cに従い溶解性およ
び、粒径を測定した。測定結果は表4に示した。
【0042】
【表4】
【0043】比較例2;ポリ−L−リジンとウシインス
リンのコンプレックス 実施例2のpoly(MPC−co−AEMA)−1の
1mg/mLの水溶液の代わりに、1mg/mLのポリ
−L−リジン・臭酸塩(重量平均分子量=19200)
(poly−L−Lysと略記する)溶液を加えた以外
は、実施例6と同様に行った。測定結果を表4に示し
た。以上の結果から、比較例2のpoly−L−Lys
の場合は、ウシインスリンと一定の粒径の複合体を形成
することができなかったのに対して、実施例6〜10の
poly(MPC/AEMA)−1〜5の場合は、一定
の粒子を形成し、かつ水溶液で安定な複合体であること
がわかる。
【0044】実施例11〜15;poly(MPC−c
o−AEMA)とサケDNAのコンプレックス 生理食塩水に溶解させた0.1mg/mLのサケ精巣D
NA溶液1mLに、合成例6〜10で合成したpoly
(MPC−co−AEMA)−1〜poly(MPC−
co−AEMA)−5の0.2mg/mLの各生理食塩
溶液1mLを加えた。前記の測定方法Dに従い溶解性、
260nmの吸光度および、粒径を測定した。測定結果
は表5に示した。
【0045】
【表5】
【0046】比較例3;ポリ−L−リジンとサケDNA
のコンプレックス−1 実施例11のpoly(MPC−co− AEMA)−
1の0.1mg/mLの生理食塩水溶液の代わりに、
0.1mg/mLのpoly−L−Lys生理食塩水溶
液を加えた以外は、実施例11と同様に行った。測定結
果を表5に示した。
【0047】実施例16〜20; poly(MPC−co−AEMA)とサケDNAのコ
ンプレックスの安定性試験 実施例11〜15の測定終了後、各サンプル100μL
にDNA分解酵素溶液(DNaseI、宝酒造(株)製
造)を10μL添加して37℃、4時間インキュベート
した。インキュベート終了後、0.5Mエチレンジアミ
ン−N,N,N’,N’−四酢酸溶液(以下EDTAと
略記する)(pH8.0)溶液を10μL添加して、D
NA分解酵素の反応を停止した後、生理食塩水に溶解し
た10mg/mLのpoly−L−Asp溶液100μ
Lを添加し、室温で1時間インキュベートすることによ
り、DNAを遊離させた。この各溶液10μLを0.6
%アガロースゲル電気泳動に供し、DNA由来のバンド
の有無を目視にて確認した。尚、電気泳動の条件は、泳
動溶液;0.001M EDTAを添加した0.04M
トリス酢酸緩衝液(pH8.0)、電流;100V(定
電圧)で20分間、染色;エチジウムブロマイド)で行
った。測定結果を表6に示した。
【0048】
【表6】
【0049】比較例4;サケDNAの安定性試験 実施例16の、各サンプルの代わりに、生理食塩水に溶
解させた0.05mg/mLのサケ精巣DNA溶液を用
いた以外は実施例16と同様に行った。測定結果を表6
に示した。
【0050】実施例21〜25;poly(MPC−c
o−AEMA)へのDNA結合量の測定 生理食塩水に溶解させた0.1mg/mLのサケ精巣D
NAに合成例6〜10で合成したpoly(MPC−c
o−AEMA)−1〜poly(MPC−co−AEM
A)−5の0.02mg/mL〜0.2mg/ml
(0.02mg/mlきざみ)の各生理食塩溶液をそれ
ぞれ、10μLずつ加え4時間インキュベートした。イ
ンキュベート終了後、この各溶液10μLを実施例16
と同様に電気泳動に供し、サケ精巣DNA由来のバンド
の有無を目視で確認し、バンドが消失した時のpoly
(MPC−co−AEMA)の添加量より、poly
(MPC−co−AEMA) 1μgに結合したサケ精
巣DNA量を求めた。測定結果を表7に示した。
【0051】
【表7】
【0052】以上の表5、6および7の結果から、実施
例のサケ精巣DNAはpoly(MPC/AEMA)の
重合体と安定な複合体を形成することがわかる。比較例
3では、サケ精巣DNAはpoly−L−Lysとは複
合体を形成しても沈澱してしまい水溶液で安定な状態で
存在しないことがわかる。また比較例4においては、サ
ケ精巣DNA単独では、DNA分解酵素によって分解さ
れて低分子になってしまい、ゲル電気泳動でDNAに由
来するバンドが認められないのに対して、実施例16〜
20では、poly((MPC−co−AEMA)と複
合体を形成して、DNA分解酵素から共重合体が保護し
て、ゲル電気泳動でDNAに由来するバンドが認められ
て水溶液で安定に存在することがわかる。
【0053】実施例26〜30;poly(MPC−c
o−MA)とドキソルビシンのコンプレックス 1%エタノールを含む蒸留水に溶解させた1mg/mL
のドキソルビシン溶液1mLに、合成例1〜5で合成し
たpoly(MPC−co−MA)−1〜poly(M
PC−co−MA)−5の1mg/mLの各水溶液1m
Lを加えた。室温にて30分間放置後、目視にて沈殿の
有無を確認した。測定結果を表8に示した。
【0054】比較例5;ポリ−L−アスパラギン酸とド
キソルビシンのコンプレックス 実施例26のpoly(MPC−co−MA)−1の1
mg/mLの水溶液代わりに、1mg/mLのポリ−L
−アスパラギン酸(重量平均分子量=11100)(p
oly−L−Aspと略記する)溶液を加えた以外は、
実施例26と同様に行った。測定結果を表8に示した。
【0055】
【表8】
【0056】以上の表8の結果から、比較例5の従来使
用されるpoly−L−Aspでは、ドキソルビシンと
複合体を形成しても沈澱してしまうのに対して、実施例
26〜30のpoly(MPC/MA)の共重合体の場
合は一定の粒径を示し、水溶液で安定な状態で存在する
ことがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は実施例11〜15の(MPC−co−
AEMA)−1〜−5とサケ精巣DNAとの水溶液、比
較例3で用いたpoly−L−Lysとサケ精巣DNA
との水溶液およびサケ精巣DNA単独の水溶液の円偏光
二色性(CD)スペクトルの測定結果の図を示した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 89/00 C08L 89/00 // C12N 15/09 C12N 15/00 A (C08F 230/02 220:34) (C08F 230/02 220:06) (72)発明者 福井 洋樹 茨城県つくば市梅園2−24−5 (72)発明者 土田 衛 千葉県野田市鶴豊34−15 (72)発明者 中林 宣男 千葉県松戸市小金原5−6−20 (72)発明者 石原 一彦 東京都小平市上水本町3−16−37

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】A成分として、次の一般式[I] 【化1】 (ただし、式中のR1、R2およびR3は、水素原子また
    は炭素数1〜4のアルキル基を示し、同一または異なる
    基であってもよい。nは2〜4の整数である。)で示さ
    れる基を有する親水性単量体(a1)と、荷電性単量体
    (a2)を含む単量体組成物とを重合してなる静電結合
    型高分子重合体と、B成分として荷電性単量体と反対の
    電荷を有する荷電性化合物とからなる静電結合型高分子
    複合体。
  2. 【請求項2】親水性単量体(a1)が、下記式[II] 【化2】 で示される親水性単量体であり、荷電性単量体(a2)
    が、静電性官能基として、カルボキシル基、アミノ基ま
    たはピロリドン基のいずれかの基を有する荷電性単量体
    である請求項1記載の静電結合型高分子複合体。
  3. 【請求項3】B成分の荷電性化合物が、(i)核酸関連
    物質、(ii)薬剤、(iii)ペプチドおよび(iv)タン
    パク質の群より選択されるひとつ以上である請求項2記
    載の静電結合型高分子複合体。
  4. 【請求項4】荷電性単量体(a2)が、静電性官能基と
    してアミノ基を有する荷電性単量体であり、B成分の荷
    電性化合物が核酸関連物質である請求項3記載の静電結
    合型高分子複合体。
  5. 【請求項5】荷電性単量体(a2)が、静電性官能基と
    してアミノ基を有する荷電性単量体であり、B成分の荷
    電性化合物がDNAまたはインスリンのひとつである請
    求項3記載の静電結合型高分子複合体。
  6. 【請求項6】荷電性単量体(a2)が、静電性官能基と
    してカルボキシル基を有する荷電性単量体であり、B成
    分の荷電性化合物が卵白リゾチームおよびドキソルビシ
    ンからなる群より選択されるひとつ以上であること請求
    項3記載の静電結合型高分子複合体。
  7. 【請求項7】請求項1〜請求項6記載の静電結合型高分
    子複合体の製造方法であって、A成分として、親水性単
    量体(a1)と、荷電性単量体(a2)とを含む単量体組
    成物を重合してなる静電結合型高分子重合体を得た後、
    前記の静電結合型高分子重合体と、B成分として荷電性
    単量体と反対の電荷を有する荷電性化合物を水性溶媒の
    存在下に混合することを特徴とする静電結合型高分子複
    合体の製造方法。
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