JP3223905B2 - プロジェクタ - Google Patents

プロジェクタ

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JP3223905B2
JP3223905B2 JP04058699A JP4058699A JP3223905B2 JP 3223905 B2 JP3223905 B2 JP 3223905B2 JP 04058699 A JP04058699 A JP 04058699A JP 4058699 A JP4058699 A JP 4058699A JP 3223905 B2 JP3223905 B2 JP 3223905B2
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爪 俊 明 橋
口 健 二 井
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村 毅 一 奥
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  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)
  • Transforming Electric Information Into Light Information (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばビデオテー
プを用い、白色光を3原色に分解して液晶パネル(液晶
ライトバルブ)により画像を形成し、この画像を合成し
て投射レンズにより拡大投映する投射型液晶プロジェク
タに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から用いられている上記の投射型液
晶プロジェクタは、特開昭63−247720号公報に
みられるように白色光をダイクロイックミラーにより3
原色に分解し、液晶ライトバルブにより色ごとの画像を
形成し、ついで画像合成用ミラーにより画像を合成して
投射レンズにより拡大投影するようになされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の投射型液晶プロ
ジェクタは、青、緑、赤色光の画像を形成する液晶ライ
トバルブの相互間の相対する画素位置の位置合わせがで
きず、また投射レンズに至る光路内に配置された反射ミ
ラーの取付角度のバラツキによる光軸の振れ、さらに光
軸に対する液晶ライトバルブの取付角度のバラツキによ
る3原色光を合成したときの画像のずれが生じる。そし
て投射レンズに対する青、緑、赤色光用の各々の液晶ラ
イドバルブの位置ずれはピントのずれを生じ、投影され
る画像品質の低下を招くという問題点があった。
【0004】これらの問題点を改善するには、各色光用
の液晶ライトバルブの取付位置や取付角度を調整しなけ
ればならないが、従来では偏心ピンや調整ネジを用いて
移動させる手段を付設するものであった。しかし偏心ピ
ンで液晶ライトバルブの位置を変えるものでは、偏心ピ
ンの回転方向と液晶ライトバルブの移動方向とが一義的
に決らず、目的とする方向への移動調整が極めて難かし
いうえ、偏心ピンの加工が容易でなく、また偏心ピンを
固定するためにEリングやナット等が必要となり、部品
点数が増え、組立にも時間を要し、コストアップとなっ
ている。
【0005】一方、従来の各色光用液晶ライトバルブ
は、各色光用として別々に設計製作されており、特に比
視感度の高い緑の画像を形成する液晶ライトバルブの仕
様が厳しく、比視感度の低い青の画像を形成する液晶ラ
イトバルブの仕様は比較的緩い。そのため青色用として
は十分に使用に耐え得る品物であっても緑色用としては
使用し得ず、不良品として取扱わなければならないこと
になり、液晶ライトバルブの製造上の歩留まりが悪く、
コストアップを招いていた。
【0006】また従来の投射型液晶プロジェクタでは、
その冷却手段として1個の吸気ファンと1個の排気ファ
ンとの計2個のファンを備え、これらファンにより内部
の冷却が図られているが、効率的な流路解析がなされて
いないなどにより光源(メタルハライドランプ)の球面
部、UV・IRフィルタ、偏光板、液晶パネル、排気口
電気部品、電気素子等の十分な冷却が行なわれず、これ
らの構成部品の温度が限界値に近い状態におかれてい
た。一方、市場においては一層明るいプロジェクタの要
求や低騒音のプロジェクタの要求が多いが、従来の冷却
手段ではこれら要求を満すことができなかった。前記各
構成部品の冷却が十分に行なわれないと、画質の低下、
寿命の短縮等をきたす。さりとてプロジェクタ自体が大
型化したり重量の増大があってはならないが、従来の技
術ではこれらを満足させてはいない。特に光源の冷却が
不十分であった。
【0007】本発明は、投射型液晶プロジェクタの鮮明
な画像表示を可能とし、より小型で調整が容易な信頼性
の高い投射型液晶プロジェクタを提供することを目的と
するものである。また本発明は関連する構成部材の配置
を工夫し、冷却効率を高め、それでいて小型でかつ薄型
に構成することができ、操作性、耐久性、メンテナンス
性に優れた投射型液晶プロジェクタを提供することにあ
る。さらに投射用光源により投射される投影画像に照度
むら、色むらや画素ずれ等の画質低下をきたすことがな
く、併せて光源の長寿命化を図ることができる照明装置
を有する投射型液晶プロジェクタを提供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本願発明は、光源と、前記光源から発せられた光を
三つの色光に分解し、前記各々の色光の画像を複数のラ
イトバルブによって形成し、前記複数のライトバルブに
よって形成された画像を合成する光学手段と、 前記光学
手段によって合成された画像を投射する投射レンズと、
前記光源と前記光学手段と前記投射レンズを収納する
ケースと、を有するプロジェクタにおいて、前記ケース
には、1箇所の主要な吸気口と2箇所の排気口が設けら
れ、 前記2箇所の排気口のうち、一方は前記ケースに設
けられた投射レンズ窓であり、他方は前記光源の側方に
設けられており、前記1箇所の主要な吸気口と前記光学
手段との間には吸気ファンが設けられ、前記他方の排気
口と前記光源との間には排気ファンが設けられ、前記吸
気ファンによって形成された風のうち、一部は前記ライ
トバルブへ向けて吐出され、他の一部は前記投射レンズ
窓の方向へ向けられ、前記投射レンズの側方の、前記光
学手段及び吸気ファンと前記投射レンズ窓との間には、
前記投射レンズ窓の方向に向けられた風が前記排気ファ
ンの吸引力の影響を受けないように分岐板が設けられて
いることを特徴とする。上述の本願の発明によれば、投
射レンズの前面の窓からゴミ、チリ等を吸引するのを防
ぐことができる。
【0009】こうしたことにより液晶ライトバルブの位
置や角度の調整が容易確実にでき、各色光の画像のずれ
やピントのずれをなくし、投影画像の品質を向上させる
ことができる。
【0010】また調整機構の一部において、相互に摺動
する2つ以上の部材の相対向する位置にそれぞれ切欠を
設け、この切欠から工具(ドライバ)を挿入可能として
調整作業ができる調整機構を含む。
【0011】前記液晶ライトバルブ、ミラー等が固定さ
れるシャーシが板金により構成され、周辺を曲げ加工、
または絞り加工で形成される構造を含む。
【0012】さらに少なくとも白色ランプ、ダイクロイ
ックミラー、液晶ライトバルブから構成される液晶プロ
ジェクタにおいて、前記ダイクロイックミラーによっ
て、赤、緑、青の3色に分解された前記白色ランプの光
を透過し、映像を構成する前記液晶ライトバルブのう
ち、緑の映像を構成する前記液晶ライトバルブ(以下青
用液晶ライトバルブ)と、緑の映像を構成する前記ライ
トバルブ(以下緑用液晶ライトバルブ)が同じ形式とさ
れ、相互に交換することを可能としたことを特徴とする
液晶プロジェクタ、および概略直方体のケース内にベー
スプレートを設け、前記ベースプレート上に、投写光源
を持つランプハウジングユニットと、画像形成用の液晶
ライトバルブ、光合成分離用のミラーおよびダイクロイ
ックミラー、プリポラライザおよび投映レンズを組合せ
た光学ユニットとを、主光路と外形形状が平面L形とな
るように配置して前記投射レンズをケース正面の窓に、
前記ランプハウジングユニットをケース側面のランプハ
ウスカバーの窓とケース背面の排気口に臨ませ、前記平
面L形部分と、ケース前面およびケース側面とによって
囲まれる空所に電源ユニットとランプ安定器を配置し、
前記液晶ライトバルブの下方に吸気整流板を、この吸気
整流板の下に吸気ファンを、またケース側面と前記ライ
トガイドユニットの間のビデオボードを、ケース上面と
前記ライトガイドユニットの上面との間に液晶ドライブ
ボードを設置し、ケース背面の前記排気口と前記ランプ
ハウスユニットの間に排気ファンを、前記ランプハウジ
ングユニットの光出射面の前方にランプファンを設けた
ことを特徴とする液晶プロジェクタを提供するにある。
さらに光源の冷却手段として、ランプハウスに近接する
前記排気ファンと前記ランプリフレクタのリフレクタ開
口部に近接して小型吹きつけ型のランプファンを使用し
たことにある。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明をより詳細に説明するた
め、添付図面を参照して説明する。
【0014】第1図は本発明の実施例における光学系の
概略平面図であり、1は光源、2は青色光を反射し、他
の光を透過させるブルーダイクロイックミラー(以下B
・D・Mという)、3a、3bは赤色光を反射し、他の
光を透過させるレッドダイクロイックミラー(以下R・
D・Mという)、4a、4bは反射ミラー、5は緑色光
を透過し、他の光を反射し、かつ、赤・緑・青色光を合
成するダイクロイックミラー(以下合成ミラーとい
う)、6a、6b、6cは集光レンズ、7aは青色光の
画像を形成するための液晶ライトバルブ、同様に7bは
赤色光、7cは緑色光の画像形成用の液晶ライトバル
ブ、8は上記部材等を保持固定する筐体、9は投射レン
ズである。前記2、3a、3b、4a、4b、5、6
a、6b、6c、7a、7b、7c等は筐体8に固定保
持されて光学手段を構成している。
【0015】前記光学手段の光の進行について説明する
と、前記光源1から白色光1wを発し、該光1wは前記
B・D・M2によって青色の波長区間の光1bのみを反
射し、他の波長光(黄色光)1Yを透過させる。該光1
Yは前記R・D・M3aによって赤色の波長区間の光1
Rのみを反射し、残りの緑色光1Gを透過させる。該光
1Gは前記集光レンズ6cによって集光され、前記液晶
ライトバルブ7cに画像形成された光1gは前記反射ミ
ラー4bに反射されて、前記合成ミラー5を透過して前
記レンズ9によりスクリーンに投射される。また、前記
青色光1Bは前記反射ミラー4aに反射され、前記集光
レンズ6aを経て前記液晶ライトバルブ7aによって画
像形成された光1bになり、前記R・D・M3bを透過
して前記合成ミラー5に至る。同様に、前記赤色光1R
は集光レンズ6bを経て前記液晶ライトバルブ7bによ
って画像形成された光1rになり、前記R・D・M3b
によって反射されて前記合成ミラー5に至る。前記合成
ミラー5は前記光1bおよび1rを反射すると共に、前
記1g・1b・1rの三色光を合成して画像表示可能な
光として前記投影レンズ9によってスクリーンに投射さ
れる。
【0016】なお、前記光学手段の中央部分に位置する
液晶ライトバルブ7bを赤色光とし、また、前記7aを
緑色光、前記7cを青色光用の液晶ライトバルブとする
方法もある。これは光路中に介在するダイクロイックミ
ラーが光軸に対して傾きを有するため、光路長が異なり
非点収差を起こすことによるボケを比視感度の高い緑色
光は避けるのに有効である。
【0017】さて、ここで鮮明な画像表示を行うために
は、前記光1g・1b・1r間の相互の位置がずれない
ように合成される必要がある。したがって、前記液晶ラ
イトバルブ7a・7b・7c相互の画素位置を正確に合
わせる必要がある。さらに、前記投射レンズ9のバック
フォーカス位置に各々を合わせ込む必要がある。そこ
で、液晶ライトバルブ7aの固定および調整機構の一例
を第4図に斜視図で示している。まず第4図に示すよう
に、前記液晶ライトバルブ7aは回路基板10に実装さ
れ、この基板10は固定板11に設けられたZ曲げ部1
1a(4箇所)にネジ13によってネジ止めされる。前
記固定板11は長穴11bと固定板12に設けられたダ
ボ12aによって一方の位置決めが行なわれ、他方は前
記固定板12に設けられた折り曲げ部12bに軸受され
たネジ14が前記固定板11の折り曲げ部11cにネジ
係合して横方向に摺動可能なように支持される。前記固
定板11と固定板12との固定はネジ15(2本)によ
りバネ座金16を介して固定される。前記固定板12は
中央に開孔部12cを有し、この開孔部12cの中心に
対して同心円上に円形部分を有する穴12d(3箇所)
を設け、該穴12dに固定板19を設けられたダボ19
a(3箇所)に位置決め案内される。さらに、前記固定
板12に設けられた長穴12eに係合して座金18によ
って回転可能なようにかしめて取付けられた偏心ピン1
7は前記固定板19に設けられた穴19bに軸受され、
前記偏心ピン17を回転した偏心量によって前記固定板
12を回転調整可能としている。また、前記固定板19
に設けられたダボ19c(裏面)に係合する座金20は
バネ座金21を介して前記固定板19に設けられた変形
穴19dを貫通するネジ22により前記固定板12に設
けられたネジ穴12fにネジ止めすることによって前記
固定板12と固定板19との固定を可能としている。次
に、前記固定板19の中央に設けられた開孔部19eの
下辺部のノッチ19fは固定板23に設けられたダボ2
3aに係合して一方向の位置決め案内をし、他方は前記
固定板19の折り曲げ部19gに軸受されたネジ24が
前記固定板23の上側の折り曲げ部23bに設けたネジ
穴23cにネジ係合することによって位置決め案内さ
れ、縦方向の位置調整を可能としている。前記固定板1
9の固定は前記固定板23に設けられた長穴23d(2
箇所)を貫通するネジ25がバネ座金26を介して前記
固定板19のネジ穴19iにネジ止めすることによって
可能としている。
【0018】以上の構造によって前記液晶ライトバルブ
7aの画素を水平・垂直・回転方向に移動して、前記液
晶ライトバルブ7bの画素に合わせる調整を可能として
いる。そして、全体の固定をより確実とするために、前
記固定板11に設けられた長穴11d(2箇所)、前記
固定板12に設けられた長穴12g(2箇所)、前記固
定板19に設けられた長穴19h(2箇所)等を貫通す
るネジ27(2本)がバネ座金28(2箇所)を介して
前記固定板23に設けられたネジ穴23e(2箇所)に
ネジ止めしている。前記ネジ27の締め付けはトルク管
理を行なうことにより、前記バネ座金28の弾性力を利
用して前記固定板11、固定板12、固定板19を前記
固定板23に挿圧固定している。これによって、前記各
固定板11、12、19、23それぞれを摩擦力によっ
て仮固定させることができるので、調整作業時の相互の
位置ずれの防止を可能としている。そして、前記ネジ2
7は調整機構を組み込んだ後締め付け難い場所に位置す
るため(図2を参照)、本締めを省ける効果も有してい
る。また、前記バネ座金16、21、26も同様に前述
の位置調整を行なうために、ネジ類を締めた際、バネ圧
で機構のずれの防止を図っている。
【0019】上記の調整機構は、前記固定板11・固定
板12・固定板19・固定板23の外形形状(左右方
向)を中心寸法で同じに設定してあるため、組立時にそ
れぞれの外形を目安にしてほぼ一致するように組立を行
なうことによって、狙い中心に対して大幅なずれの無い
位置精度の保証を可能としている。また、前記固定板1
1、12、19および23の各接合面間には多少の隙間
があくように構成する手段を講じることによって部品自
体の反り・歪み等を吸収して液晶ライトバルブへの悪影
響を防いでいる。
【0020】次に、筐体8との固定および位置調整機構
について詳述する。上述したように構成された調整機構
を組立てた概略の部分組立断面を第2図に示し、この第
2図部分の概略の部分組立平面図を第3図に示してい
る。まず第1図、第2図および第4図に示すように、前
記固定板23の上側の折り曲げ部23bに上固定補助板
29をこの折り曲げ部23bに設けられたダボ23fを
回転可能なように軸受案内とし、さらに、前記折り曲げ
部23bに回転可能なトルクを有するようにかしめて固
定された偏心ピン30に係合するように組込み、ネジ3
1(2本)で仮固定する。前記上固定補助板29はこれ
に設けられたネジ穴29a(2箇所)にネジ32によっ
て上筐体8aに仮固定される。前記上固定補助板29に
設けたダボ29cは前記上筐体板8aに設けられた長穴
(図中省略)に係合し、かつ、前記上筐体板8aに設け
られた折り曲げ部8cに軸受されるネジ33が上記上固
定補助板29に設けられた折り曲げ部にネジ係合するこ
とによって、フォーカス方向の調整を可能としている。
なお、前記偏心ピン30は前記上筐体板8aに設けられ
た開孔部(図中省略)から操作可能としてあり、前記液
晶ライトバルブ7aの光軸に対する直角方向の角度ずれ
量を調整可能としている。上記二つの調整が完了した段
階で、前記ネジ31および32を本締めして調整機構の
上方向を固定する。
【0021】次に前記調整機構の下方向の調整および固
定について第2図、第4図および第5図(第4図矢印方
向から見た斜視図)によって説明すると、下筐体板8b
には、ダボ8d(2本)と、偏心ピン35が回転可能な
トルクを有するようにかしめにより固定されている。前
記ダボ8dおよび偏心ピン35により下固定補助板34
が位置決めされる。この補助板34に設けられたダボ3
4aに案内されて前記固定板23に設けられた折り曲げ
部分23gが載置され、ネジ36(2本)によって前記
下固定補助板34と折り曲げ部分23gが仮固定され、
さらにネジ37(2本)によって前記下固定補助板34
が前記下筐体板8bに仮固定される。前記偏心ピン35
の偏心量によって下方向のフォーカス調整を行なって、
前記ネジ37(2本)を本締めする。なお、前記ネジ3
6は上方向の光軸に対する平面方向の角度調整作業が終
了した時点で、前記ネジ31と同時点で本締めする。前
記ダボ23fと34aは平面位置は基準寸法上は勿論一
致させてある。この際、前記ネジ36および37を締め
付け、また、前記偏心ピン35を回転できるようなドラ
イバー逃げ穴が前記固定板23の折り曲げ部23bおよ
び上固定補助板29に設けている(後述)。
【0022】次に、水平方向の画素調整は、第3図に示
すように前記筐体8の側面に設けられた開孔部分に前記
ネジ14を配置することで前記筐体の側面方向からのド
ライバー調整作業を可能としている。以上詳述した通
り、上下左右および回転方向の画素ずれに対する調整は
調整機構内部で行ない、フォーカス方向(上下方向含
む)と光軸に対する平面角度のずれは調整機構と筐体と
の固定部分で行なっている。
【0023】液晶ライトバルブ7c側は上記した液晶ラ
イトバルブ7aと対象形状に配置すればよい。
【0024】次に前記筐体8の中央部分に位置する前記
液晶ライトバルブ7bの支持固定構造について説明す
る。前記投射レンズ9のバックフォーカスの焦点深度内
に、前記液晶ライトバルブ7bが配置できればスクリー
ンに写し出される画素のボケは人間の視覚上問題はな
い。しかし、前記液晶ライトバルブ7bのマウント構造
と本実施例のように筐体8を板金材等で構成する場合、
構造要素の有する公差と加工公差を総合すると前記許容
焦点深度の域を逸脱してしまう場合が考えられる。した
がって、フォーカス方向の調整構造を必要とする。その
構成例を第6図によって詳述する。上方向の調整構造は
第6図に示すように、前記液晶ライトバルブ7bは回路
基板41に実装され、この基板41は固定板42に設け
られた凸部(4ケ所)42aにネジ40(4本)によっ
て固定される。前記下筐体板8bに設けられたダボ8e
(2本)と回転可能なトルクを有するようにかしめられ
た偏心ピン43によって下固定補助板44が位置決め案
内され、ネジ49(2本)によって仮固定される。前記
下固定補助板44に設けられたダボ44aに、前記固定
板42に設けられた折り曲げ部42bの中央に明けられ
た穴42cを回転可能なように係合させ、ネジ45(2
本)によって前記固定板42と下固定補助板44を仮固
定する。前記固定板42の上方向設けられた折り曲げ部
42dの中央部分のダボ42eを軸受とし、かつ、穴4
2fに回転トルクを有し、回転可能にかしめられた偏心
ピン46に位置決め案内された上固定補助板47をネジ
50によって仮固定する。前記上固定補助板47に設け
られたダボ47a(2本)と、回転可能にかしめられた
偏心ピン48は前記上筐体板8aに設けられた長穴8f
(2本)と8gに位置決め案内され、ネジ51(3本)
によって前記上筐体板8aに前記上固定補助板47が仮
固定される。勿論、前記上筐体板8aには、その下方に
取り付くネジ類の着脱が可能なように、ドライバー逃げ
穴(第7図)を設けてある。フォーカス調整作業におい
て、上方向の調整は、前記偏心ピン48の偏心量によっ
て行ない、また、下方向の調整は前記偏心ピン43によ
って同様に行なう。さらに光軸に対する平面方向の角度
ずれ調整は前記偏心ピン46によって同様に行なう。上
記調整が終了した後、ネジ49、45、50,51をそ
れぞれ本締めして調整構造を確実に固定させることによ
ってすべての調整を可能としている。なお、前記液晶ラ
イトバルブ7bのマウント構造を簡略化し、また、加工
精度を高めることによって投射レンズ9のバックフォー
カスの許容焦点深度の範囲にばらつき量を抑えることが
可能となれば、勿論調整構造は省ける。
【0025】以上述べたように光軸に対する平面方向の
角度ずれの調整は、前記筐体板8a方向に統一すること
によって調整作業を容易にするとともに簡略構造として
いる。また、前記固定板23および前記固定板42の左
右方向の端面部分に90度の曲げ部分(図中省略)を設
けることにより、固定板自体の補強と平面精度の向上以
外に、迷光の遮断にも有効となっている。さらに、前記
筐体板8aと8bの間に固定される前記固定板23およ
び固定板42は、それぞれに設けた折り曲げ部分23b
・23g・42b、42dをネジ固定する際に、曲げ角
度の誤差分は曲げモーメントが発生して各々の本体側に
掛る。これにより液晶ライトバルブ7aおよび7bに掛
る悪影響と、調整機構の位置ずれへの悪影響を抑えるた
めに、それぞれの折り曲げの根元部分に開孔部を設け
て、曲げ幅量を少なくしている。
【0026】なかんずく、前記筐体板8a・8bおよび
固定板11、12、19、23、42、さらに、上固定
補助板29、47、下固定補助板34、44等を、例え
ば鉄素材等の同一材質とすることによって線膨張係数を
一定とすることにより温度差による伸縮を一様とさせた
調整機構としている。
【0027】なお、前記筐体8のミラー類および液晶ラ
イトバルブ固定機構等の位置決め穴やダボの位置精度を
約10ミクロン以下とし、液晶ライトバルブ類を直接固
定板23に固定するような簡略化構造とし、さらに、投
射レンズ9のバックフォーカスの許容焦点深度量を約2
00ミクロン以下に抑えることが可能となり、しかも液
晶ライトバルブサイズが約3インチで画素数が約10万
前後の画素程度のものならフォーカス方向の無調整化は
十分実現可能となり、しかも水平・垂直方向の画素ずれ
量も約1/2〜2/3以下とすれば画素合わせの無調整
化も可能となる。
【0028】以上詳述したように上記構成によれば、筐
体中央部の液晶ライトバルブの画素を基準とし、点対象
位置に配置した他の液晶ライトバルブの画素を調整する
機構配置にすることにより筐体中央部の液晶ライトバル
ブ固定構造をより小型で簡素にすることが可能となり、
光路長の短い光学系が設計可能となる。これにより、光
学系の小型化、延いては製品の小型化に寄与することが
できる。
【0029】また、筐体中央部の液晶ライトバルブの位
置調整は上面方向のみの作業とし、構造的に側面方向か
らのドライバー等による調整が不可能な点をカバーで
き、そして、点対象位置に配置した液晶ライトバルブを
上面および側面方向からの調整作業とすることによって
作業工数の低減を可能とする。さらに、上記側面方向か
らの調整作業を簡易調整治具を利用することによって、
光学装置を実機上に組み込んだ最終品質状態で行なえる
ため、調整品質を高めている。
【0030】前記点対象位置に配置する液晶ライトバル
ブの固定・調整機構の部品形状は対象形状とすることが
でき、設計工数・加工工数の低減を可能とする。
【0031】また、上記の調整構造の組立は、構成部品
各々の外形を目安として組立ることにより、ほぼ設計値
近傍の精度に組み込むことができ、調整作業の目安がで
き、かつ作業量を軽減することができ、そして小型化の
達成により、コストパーフォマンスの高い投射レンズ・
ミラー類はもとより、製品本体の小型化による関係部品
の小型化に加え、コスト低減を可能とする。
【0032】前述の液晶ライトバルブおよび偏光板(図
中省略)は強い光が当るため高温となる。これ等の性能
を維持させるためには強制的なクーリングを必要とす
る。そこで、前記筐体8bの下方(第1図参照)に外気
を吸入するファン60を配置し、前記液晶ライトバルブ
および偏光板をほぼ均一に冷却させるためには、前記フ
ァン60の中心部は前記筐体中央部の液晶ライトバルブ
7b付近に配置せざるを得ないが、ファンの中心部はモ
ータがあるために送風能力が低い。そのために、整流板
等を用いて送風量を調整している。ところが、本発明の
ように、前記筐体中央部の液晶ライトバルブ7bの固定
構造を簡素化することによって流体抵抗を減少させ、際
立った整流手段を講じなくても冷却効率を高めることに
寄与している。
【0033】光学系装置を構成する部材を同一材質とす
ることにより、温度差による伸縮を一様とすることによ
って、調整機構に位置ずれを発生することを抑えること
ができる。すなわち液晶ライトバルブ間の画素ずれを抑
えて画質の保証を高めることができる。したがって、よ
り高精細化を可能とする。
【0034】実施例の後段で説明したように、投射レン
ズ9に入光する光で赤色光と緑色光を合成ミラーで反射
させるようにすると、前記赤色光の液晶ライトバルブ7
bと緑色光の液晶ライトバルブ7aとの画素合わせの調
整精度が比較的少ない調整工数で高められる。何故なら
ば、投射レンズ側から光路を逆に追っていくと、前記赤
色光と緑色光は合成ミラー5の同一面に反射されるた
め、前記合成ミラー5の位置ずれによる光軸のずれ量は
同じとなる。したがって前記赤色光と緑色光のずれは前
記R・D・M3bの位置ずれにより発生するずれ量と、
前記液晶ライトバルブ7a、7b間の相互位置のずれ量
分となり、ばらつき量が少なく、しかも安定しやすいた
めわずかな調整で済む。一方、青色光については、前記
合成ミラー5の位置ずれによる光軸のずれ量に加えて、
前記反射ミラー4bの位置ずれによる光軸のずれが加算
され、さらに、前記液晶ライトバルブ7bと7c間の相
互位置のずれ量も加えられたずれ量が生じる。したがっ
て、ずれ量の大きな分だけ調整量が増える。たゞし、青
色光の比視感度が低いため、若干の調整誤差が残っても
画質品質に影響を与えない利点も活用できる。
【0035】液晶ライトバルブサイズと画素数、ならび
に投射レンズの許容焦点深度の適切な設定に加えて、部
品加工の精度アップと、液晶ライトバルブの固定機構の
簡素化等を組み合わせることによって、筐体中央部の液
晶ライトバルブ位置のフォーカス方向の無調整化、もし
くは、光軸に対して直角となる調整のみを行なうことが
可能となり、機構の簡素化が更に一段と改良される。さ
らに、画素合わせ調整についても無調整化が可能とな
る。したがって無調整化による工数低減および部品数削
減等を含めたコスト低減が可能となり、高価格商品をよ
り安く提供することに寄与する。
【0036】第7図乃至第9図はドライバーによる調整
操作機構の具体例を示すもので、前記の液晶ライトバル
ブが実装されるライトバルブの取付面とライトバルブと
の間での調整に関する場合を示している。
【0037】第7図にその一実施例を示すように、液晶
ライトバルブはライトバルブ基板50に実装されてお
り、ライトバルブ基板50はライトバルブ固定板51に
ネジ止めされている。ライトバルブ固定板51はダボ5
1aが下調整板52に、ダボ51bが上調整板53にそ
れぞれ回転自在に案内されている。ライトバルブ固定板
51は下調整板52にネジ固定されている。下調整板5
2は長穴52aと下ライトガイド54のダボ54aによ
り摺動自在になっている。下調整板52は下ライトガイ
ド54にネジ固定されている。上調整板53は長穴53
aと上ライトガイド55のダボ55aにより摺動自在に
なっている。上調整板53は上ライトガイド55にネジ
固定されている。下ライトガイド54と上ライトガイド
55は支柱56をはさんで一定の間隔を保ってネジ固定
されている。
【0038】上調整板53には切欠き53bが設けられ
ており、この切欠き53bに対向する上ライトカイド5
5にも同様の形状を有する穴55bがある。この切欠き
53bと穴55bとが形成する空間は上調整板53が摺
動可能な範囲ではどの位置にあってもマイナスドライバ
ーDの先端が差し入れられる形状を保つことになる。第
8図に切欠きと穴の形状の詳細を示している。上調整板
53と上ライトガイド55を固定しているネジをゆる
め、切欠き53bと穴55bとの間にドライバーの先端
を差し入れ回転すると、上調整板53は長穴53aとダ
ボ55aに案内され摺動する。したがって上調整板53
に回転自在に案内されているライトバルブ固定板51の
上部は投射レンズ57に対して近づいたり遠のいたりす
ることになる。この時のライトバルブ固定板51の移動
する方向とドライバーDの回転方向は一儀的に決まる。
【0039】同様に、下ライトガイド54と下調整板5
2を固定しているネジをゆるめ、切欠き52bと穴54
bとの間にドライバーの先端を差し入れ回転すると下調
整板52は長穴52aとダボ54aに案内され摺動す
る。したがって下調整板52に回転自在に案内されてい
るライトバルブ固定板51の下部は投射レンズ57に対
して近づいたり遠のいたりすることになる。
【0040】ライトバルブ固定板51には切欠き51c
が設けられており、この切欠き51cに対向する下調整
板52にも同様の形状を有する穴52cがある。ライト
バルブ固定板51と下調整板52を固定しているネジを
ゆるめ、切欠き51cと穴52cとの間にドライバの先
端を差し入れ回転すると、ライトバルブ固定板51はダ
ボ51aとダボ51bを通る線を中心に回転する。この
時もドライバーの回転方向とライトバルブ固定板51の
回転方向は一儀的に決まる。
【0041】上記の構造では、上調整板53を固定して
いるネジと、ライトバルブ固定板51を固定しているネ
ジをはずすだけで調整機構がライトガイドから取りはず
せるようになっており、組立工程やアフターサービスに
おける作業性が非常に良い。
【0042】上記の切欠きと穴との組合せを3板式の投
射型液晶プロジェクタのアライメント調整機構に応用し
た例を第9図に示す。3板式液晶投射装置においてはR
・G・B3枚の液晶パネルの見切位置を一致させるため
に、最低でも2枚の液晶パネルの見切位置を水平・回
転、垂直のそれぞれの方向について調整する必要があ
る。第9図の例では水平調整板58に切欠きを複数設け
ることにより調整範囲を大きくとれるようにしてある。
回転調整板59には切欠きと同様な形状を含む穴形状を
設けることで必ずしも部品の周囲に切欠きを設けずとも
部品のどこにでも調整部分を設けることができ、設計の
自由度を高めている。第9図において60は垂直調整板
である。
【0043】したがって上記構成を採用すれば、最少の
部品構成でライトバルブの位置を調整することができる
構造とすることができる。また切欠と穴の間にドライバ
ーの先端がはまるため作業中にドライバーが逃げること
がなく、かつドライバーの回転方向に対してライトバル
ブの移動方向が一儀的に決まるため調整が容易になる。
【0044】上記の調整操作機構を前記液晶ライトバル
ブ7a、7b、7cの相互画素合わせに応用することで
機構の簡略化を可能としている。
【0045】上述してきたように投射型液晶プロジェク
タは、白色光源の光をダイクロイックミラーによって
赤、緑、青の3色に分離し、それらの光を液晶パネルに
当て、その後、再びダイクロイックミラーによって合成
した光を投射レンズによってスクリーンに投映するとい
う仕組みになっているため、ダイクロイックミラー(B
・D・M)、反射ミラー4a、4bの位置、角度の精度
が悪いと、各色の光軸がずれて、画面内部で色づき(以
下色むらという)が発生したり、パネルの投影像がずれ
る現象(以下画素ずれという)が発生する。
【0046】本実施例では、ダイクロイックミラー、反
射ミラー等を搭載してある下筐体板8bを板金により構
成してあり、これにより製造コストが安いうえ、金型の
精度が極めて高く、部品取付穴の位置、角度の精度を高
く維持しながら量産することができる。つまり、各色の
光のずれが無くなるので、色むらや、画素ずれの無い光
学系ユニットの量産に向いている。そして、設計上の変
更や、マイナーチェンジする場合でも、金型の設計を僅
かに手直しするだけで、容易に対応することができると
いった長所もある。
【0047】また、ダイクロイックミラー、反射ミラー
等を搭載した光学系ユニットを、外装ケースやベースプ
レートなどの固定部62に固定し、液晶プロジェクタを
構成する場合、ネジで固定すると、下筐体板に無理な力
がかかり、下筐体板上に搭載されているダイクロイック
ミラー、反射ミラー等の位置、角度が変化することか
ら、光学系ユニット内の光軸が変化し、色むら、画素ず
れが発生する。しかし、本実施例では、下筐体板の周辺
を曲げ加工し、隣接部にスポット溶接8iしたり、絞り
加工等によって、箱型にすることで、下筐体板の強度が
維持され、それによって、ダイクロイックミラー、反射
ミラー等の位置、角度が変化することがなくなるので、
光学系ユニットの強度がそのまま維持され、色むらや画
素ずれをなくすことが可能となる。なお、外装や他の基
板上へ下筐体板を固定する際、光線の合成系部周辺また
は、分離部周辺の3点で固定すれば、さらに下筐体板へ
の負荷が小さくなる。なぜならば、液晶ライトバルブの
周辺では、クーリング上、下筐体板上に通気口が多く、
強度が低い。したがって、ランプから液晶ライトバル
ブ、または液晶ライトバルブから投射レンズまでの強度
の高い部分で下筐体板を固定すれば、下筐体板の平面度
が保たれるからである。なお、投射レンズ取付部は箱型
になっておらず、強度が低いが、下筐体板の上に下筐体
と同様に箱型になった上筐体板8aをかけることにより
強度を維持することができる。以上のように、本実施例
では、映像の美しい液晶ビデオプロジェクタの量産に適
している。
【0048】その実施例を第10図、第11図により説
明すると、第10図は本発明の液晶プロジェクタの光学
系ユニットの下筐体の斜視図であり、この下筐体板8b
は板金により構成されており、周辺に曲げ加工、絞り加
工などを施すことで箱型に形成されている。下筐体板8
bには部品取付穴8h、8h…があけてあり、この穴に
ダイクロイックミラー、反射ミラー等を固定する固定枠
を取り付け、固定するようになっている。ここで、下筐
体板8bが板金でできているため、製造コストが安いう
え、設計上の変更やマイナーチェンジする場合でも、金
型の形状を僅かに手直しするだけで容易に対応すること
ができる。さらに、下筐体板8bの周辺を曲げ加工、絞
り加工などを施すことによって箱型になっているため、
強度が維持されており、液晶ビデオプロジェクタとした
ときその外装ケース等ネジなどで固定することによって
無理な力がかかっても、部品取付穴の位置、角度が変化
することはない。
【0049】これらにより以前から指摘されていた、色
むらや、画素ずれの原因として考えられていた反射ミラ
ーの位置角度のずれ等が解消され、より美しい映像を映
し出すことが可能となる。
【0050】第12図に示す液晶ビデオプロジェクタ
は、白色光源の光を分離ダイクロイックミラー2、3a
によって赤、緑、青の3色に分離し、それらの光を液晶
ライトバルブ7b、7a、7cに当てて、その後、再
び、合成ダイクロイックミラー3b、5によって合成し
た光を投射レンズ9によってスクリーンに投影する構造
となっている。
【0051】この場合、液晶ライトバルブに点欠陥等が
あると、スクリーン上の一点で、赤、緑、青の3色のう
ち1色だけが、常点灯、常消灯状態となり、その部分だ
け色が異なったりする。この点欠陥は、スクリーンの周
囲付近では目立たず、中央では目立つ。比視感度の低い
青色の点欠陥が目立ちにくく、比視感度の高い緑色の点
欠陥はよく目立つという性質がある。このことより、緑
用の液晶ライトバルブは、青用の液晶ライトバルブと較
べて高水準の仕様となる。すなわち、高水準の仕様を維
持しようとすることで、緑用液晶ライトバルブは青用液
晶ライトバルブよりも歩留りが悪いことになる。
【0052】そこで、緑用液晶ライトバルブと、青用液
晶ライトバルブは同じ形式で交換可能とし、よりよい方
を緑用液晶ライトバルブとして使用することができるよ
うにし、よく目立つ緑色の点欠陥を少なくすることがで
きる。また、量産する場合、緑用液晶ライトバルブとし
ては不良であった液晶ライトバルブであっても、青用液
晶ライトバルブとしては良品となるものもあり、それを
青用液晶ライトバルブとして使用することで歩留りを向
上させることが可能となる。さらに、従来3種類の液晶
ライトバルブを設計、製造していたものが2種類になる
ことから、コスト削減につなげることができる。
【0053】第13図に示す液晶ビデオプロジェクタ
は、白色光源の光を分離ダイクロイックミラー2、3a
によって赤、緑、青の3色に分解し、それらの光を液晶
ライトバルブ7b、7a、7cに当てて、その後、再
び、合成ダイクロイックミラー3b、5によって合成し
た光を投射レンズ9によってスクリーンに投影するとい
う構成となっているが、この液晶ライトバルブは熱に弱
く、強い光を被ると、それによる温度上昇で液晶ライト
バルブが劣化する。このように温度上昇によって液晶ラ
イトバルブが劣化することを防ぐため、液晶ライトバル
ブの近傍に取り付けた冷却ファン66を回転させること
によって、風を起こし、それにより、液晶ライトバルブ
を冷却することで、液晶ライトバルブの劣化を防いでい
る。
【0054】本実施例では青用液晶ライトバルブ、緑用
と青用の液晶ライトバルブ7a、7cの間に赤用液晶ラ
イトバルブ7bが配置してあり、赤用液晶ライトバルブ
7bの下に冷却ファン66を配置し、それを回転させる
ことにより発生する風で、3つの液晶ライトバルブの冷
却を行っている。ここで、使用する冷却ファン66は、
回転させたとき充分に両外側の青用液晶ライトバルブ7
c、緑用液晶ライトバルブ7aを風を送ることができる
ものである。
【0055】本実施例の冷却ファン66は羽根式のもの
で、回転させたときの風力が、中心付近よりも外側の方
が強い。そして、液晶ライトバルブに当たる光の波長
は、各液晶ライトバルブでそれぞれ異なり、その中で
も、青用液晶ライトバルブに当たる青帯域の光は、他の
液晶ライトバルブに当たる、緑帯域、赤帯域と較べエネ
ルギーが高く、液晶ライトバルブの温度が上昇するた
め、冷却の必要性が高い。逆に、赤用液晶ライトバルブ
にあたる光は、他の液晶ライトバルブに当たる光よりエ
ネルギーが低く、液晶ライトバルブの温度があまり上昇
しないので、比較的に冷却の必要性は低い。なお、各液
晶ライトバルブに当たる光は、光源から照射された直後
に赤外線カットフィルターを通してあるため、各液晶ラ
イトバルブには赤外線は当たらない。
【0056】そこで、上記実施例のように、赤用液晶ラ
イトバルブ7bの下に冷却ファン66を、青用液晶ライ
トバルブ、緑用液晶ライトバルブに風が充分届くように
配置することで、エネルギーの高い光が当って温度上昇
が大きい青用液晶ライトバルブは、風力の強い冷却ファ
ンの外周部に配置され、エネルギーの低い光が当たる温
度上昇が小さい赤用液晶ライトバルブは、風力の弱い、
冷却ファンの中心付近に配置されていることによって、
各液晶ライトバルブの冷却に無駄がなく、効率を上げる
ことができる。また、1つのファンで複数の液晶ライト
バルブを冷却することができ、コスト削減はもとより、
製品を軽量化、小型化することができる。
【0057】また、分離ダイクロイックミラー2、3a
によって分離された赤帯域の光を液晶ライトバルブ7a
に当てることで構成した映像(以下赤映像)と、同様に
緑帯域の光を液晶ライトバルブに当てることで構成した
映像(以下緑映像)を合成するダイクロイックミラー3
bにより合成し、それによって合成された映像と、青帯
域の光を液晶ライトバルブ7cに当てることで構成した
映像(以下青映像)を合成するダイクロイックミラー5
により合成することにより、赤、緑、青の3色の合成映
像を得ている。
【0058】上記実施例では、赤合成ダイクロイックミ
ラー3bの厚さを薄くして、それを透過する緑映像の非
点収差を小さくしている。しかし、ダイクロイックミラ
ーの厚さを薄くすることで、赤合成ダイクロイックミラ
ー3bの面精度が低下し、反射の精度が低下することか
ら、反射する赤映像の解像度が落ちることが考えられる
が、赤合成ダイクロイックミラー3bと赤用液晶ライト
バルブ7bの距離が短いことから、赤合成ダイクロイッ
クミラーの面精度の低下が画質に影響することは少な
い。また、本実施例では、黄合成ダイクロイックミラー
5の厚さを厚くして面精度を維持することにより、それ
を反射する赤合成ダイクロイックミラー3bによって合
成された映像の解像度を維持するようにしている。しか
し、厚さを厚くすることで黄合成ダイクロイックミラー
5を透過する青映像の非点収差が大きくなるが、青映像
は、緑映像、赤映像よりも比視感度が低いため、あまり
目立たない。
【0059】したがって第12図による場合は、緑用液
晶ライトバルブ7aと青用液晶ライトバルブ7cを共通
にし、交換を可能にすることで、比視感度の高い緑映像
の点欠陥を少なくすることが可能となる。緑用液晶ライ
トバルブ7aとしては不良の液晶ライトバルブでも、青
用としては良品となるものもあり、歩留りを向上するこ
とができる。従来3種類の液晶ライトバルブを設計、製
造していたものが、2種類になることから、コスト削減
につながる。
【0060】また第13図による場合は、緑用液晶ライ
トバルブ7aと、青用液晶ライトバルブ7cの間に赤用
液晶ライトバルブ7bを配置し、赤用液晶ライトバルブ
7bの下に、回転させたとき緑用、青用液晶ライトバル
ブ7a、7cに充分風を送ることができる冷却ファン6
6を配置したことにより、最も熱を持ち易い青用液晶ラ
イトバルブを効率よく冷却することが可能となる。これ
により、各液晶ライトバルブの冷却に無駄がなくなり、
1つのファンで複数の液晶ライトバルブを冷却すること
ができ、コスト削減はもとより、製品の軽量化、小型化
を図ることができる。
【0061】さらに第12図による場合は、赤合成ダイ
クロイックミラー3bを薄くすることで比視感度の高
い、緑映像の非点収差を少なくすることができ、黄合成
ダイクロイックミラーを厚くすることで、面精度を維持
することが可能となり、赤合成ダイクロイックミラー5
によって合成された映像を正確に反射することができ
る。
【0062】第14図〜第56図は本発明の液晶プロジ
ェクタの冷却装置を含む全体構造の具体例を示すもの
で、第14図は上面から見た概略組立平面図である。
【0063】本発明による液晶プロジェクタは概略直方
体のケース70の中にすべての部品が機能ごとにユニッ
ト化されて収納されている。ケース70は第17図〜第
19図に示すように下ケース72と上ケース71とに分
離線73により分離可能に形成されている。
【0064】下ケース72の下面の前部に、投写方向の
上下調節を行なうためのネジ付の調整フット74、74
が左右一対設けられている。また後述の光学ユニット7
5の下方に位置する部分に吸気スリット76が開いてい
る。下ケース72の後部には固定式のフット77、77
が左右一対設けられている。
【0065】ケース70の中央よりやや左側に寄った位
置に投射レンズの窓78が開いており、その窓78は横
方向に動くスライド式のカバー板79を投写するとき横
に逃がすことで開口する。カバー板79は円形状に曲げ
られており、円弧の軌跡で摺動するケース70の後側面
の右側には各インターフェースを接続するためのインタ
ーフェースボード枠ユニット80が上方よりはめ込み式
に設けられている。ケース70の後側面の左側には排気
ファンカバー81が上方よりはめ込み式に設けられてい
る。排気ファンカバー81の中央には排気口82を有す
る。ケース70の後側面の中央下部には、第19図に示
すように電源接続用コンセント83が配置されている。
【0066】ケース70の左側後方にはインナーハウジ
ング154の出し入れ用のランプハウスカバー85が設
けられている。
【0067】上ケース71の上面の中央より左側に寄っ
た位置にスピーカの音声が出るようにスピーカ孔86が
設けられ、その上には細かい穴が明けられたパンチング
プレートよりなるスピーカカバー87が設置されてい
る。上ケース71の上面の前方には画像および音声、オ
ートフォーカス等の各種調整用の操作パネル88が配置
されている。上ケース71の上面の中央より後方にはパ
ワースイッチボタン89が設けられている。
【0068】下ケース72の上にベースプレート90が
取り外しできるようにネジ等で取り付けられている。
【0069】上記ベースプレート90の上に、ランプハ
ウジングユニット91と投射レンズユニット92がライ
トガイドユニット102に組込まれた光学ユニット98
(第28図)を主光路が平面から見てL形となるように
配置し(第14図参照)、投射レンズユニット9がケー
ス正面の窓78に、ランプハウジングユニット91のイ
ンナーハウジング154の出し入れ方向がケース左側面
のランプハウジングカバー85に臨むように構成されて
いる。
【0070】また電源ユニット95がランプハウジング
ユニット91の前方かつ空気吸入側に、ランプ安定器ユ
ニット96が投射レンズユニット9の左横側に、ビデオ
ボードユニット97が光学ユニット75の外側に配置さ
れていて、上記ランプハウジングユニット91、電源ユ
ニット95、安定器ユニット96、ビデオボードユニッ
ト97および光学ユニット98は、別々にベースプレー
ト90に対して着脱できるように構成されている。
【0071】上記電源ユニット95とランプ安定器ユニ
ット96は通気が可能な複数の孔があいたシールドケー
スの中に納められている。電源ユニット95は上部にシ
ールドケースを介してスピーカ99が固定される。
【0072】ドライブボードユニット100は液晶を駆
動する回路、マイコンを組込んだシステムコントロール
回路等を有し、光学ユニット75の上面に配置されてい
る。ドライブボードユニット100は3枚の液晶ライト
バルブの上方位置に液晶パネルケーブルの貫通用と液晶
ライトバルブ冷却用流路用のための基板孔101が設け
られている。この基板孔101により上部まで空気が流
れやすいようにしている。
【0073】そしてライドガイドユニット102の下方
でベースプレート90に軸流ファンである吸気ファン6
6が取り付けられており、ケース底面の吸気スリット7
6とケース底面に差込まれた防塵フィルター104を通
して吸込んだ外気を吸気ファン66とライトガイドユニ
ット102の間に配置した一体形成された吸気整流板1
05により各液晶ライトバルブブロック方向へ少なくと
も3箇所以上の流路分岐を、そして吐出口に対して直角
方向に複数の流路分岐を行なう。
【0074】光学ユニット98は前記光学手段を意味す
るものであり、前記上筐体板8aは以後上ライトガイド
121、下筐体板8bを下ライトガイド126と読んで
詳述する。
【0075】吸気整流板105は第22図に示すように
下ライトガイド126の案内穴107に係合させ、固定
穴108にネジを通し下ライトガイド126に固定す
る。吸気ファン103の位置が、クランク型に配置され
た3枚の液晶ライトバルブ7c(7a、7b)に直角な
方向で、かつ吸気ファン66の吐出口径とほぼ同一径投
影面積内に3枚の液晶ライトバルブ7a、7b、7cが
入る。その結果吐出口111と各液晶ライトバルブ7
a、7b、7cまでの距離が従来と比べ短かくなり、液
晶ライトバルブ7a、7b、7cと偏光板112の温度
を下げることができる。
【0076】吸気整流板105における第2の実施例は
第50図に示すように円筒形状を基本形としたものであ
る。吸気整流板における第3の実施例は第51図に示す
ように第1の実施例に外周から内側に向った曲線の分岐
壁と中央には液晶ライトバルブ面に平行な直線壁を付加
したものである。軸流ファンは吐出側からみて羽根の回
転方向と同一方向に傾きながら吐出される。軸流ファン
の風速データから等速線を求めた結果軸流ファンの吸入
側に障害物(網、フィルター等)がない場合の吐出側の
等速度線aは第56図の(a)に示すように中央部は低
いが羽根の前方に延びている。障害物がある場合は同図
(b)に示すように全体にスピードが落ちて吐出口周囲
に拡がり、風向きは外側に傾く。第2の実施例は同図
(c)であり、従来例の同図(b)に較べスピードと風
向きが改善された。第3の実施例は第56図(d)であ
り、中央部のスピードが吐出側に伸びるように改善され
た。吸気整流板105の第1の実施例は第22図に示す
ように、第3の実施例にさらに改良を加えたもので、プ
ラスチック射出成形が容易なように円筒形体66の上で
その上面66aには3箇所の液晶パネルブロック115
に向けた吐出口116、吐出口117、吐出口118を
3箇所の液晶ライトバルブブロック115の下方位置に
設け、液晶ライトバルブ7c(7a、7b)を偏光板1
12のすき間にそって上方まで均一に流れるように曲線
と直線を組合せた分岐壁119を複数個設け、ケース内
全体の流路の活性化をはかるために円筒形体側面にも複
数個の吐出口120を設けている。
【0077】第14図において、光学ユニット75は、
ランプ光源の光を分離合成するブロックである。121
は上ライトガイドであり、板金で形成された箱の形をし
ており、光路の入口である入射口122と、光路の出口
である出射口123は開口形状となっている。124は
吐出口であり、上ライトガイド121の上面125に3
箇所形成された空気流路の出口である。126は下ライ
トガイドであり、概略箱形状をなしている。上ライトガ
イド121は下ライトガイド126とを挟み込むように
光学部品が中に組込まれ、支柱部材が中に立てられ、さ
らに上下のライトガイド同士がネジ固定され、剛性の高
い光学ユニット75が形成される。127はプリポララ
イザーブロックであり、ガラス板を複数V字型に並べた
プリポラライザ128をガラス固定板129と押えゴム
130とガラス押え板131によって挟み込んで固定
し、UV・IRフィルター132はガラス押え板131
に両面テープにより貼付固定したものであり、光学ユニ
ット75の入射口122の位置に組込まれる。こうした
ブロック化により光路長の短縮化と耐衝撃性が向上し
た。
【0078】次に光学ユニットの中に入る光学部品を説
明する。プリポラライザ128、UV・IRフィルター
132、液晶ライトバルブ110が3カ所に排され、偏
光板112は液晶ライトバルブの前後に一対づつ、3箇
所に計6枚配される。4a、4bはミラー、2、3a、
3b、5はダイクロイックミラー、135は集光レンズ
である。これらの光学部品は板状の固定部材に固定さ
れ、さらに光学ユニット75の中に固定される。液晶ラ
イトバルブ7a、7b、7c、偏光光112は調整機構
を持った3つの液晶ライトバルブブロック115にまと
められる。
【0079】投射レンズユニット9は下ライトガイド1
26の出射口136に合せて固定される。
【0080】下ライトガイド126を第23図〜第26
図に示す。第23図は平面図、第24図は背面視した
図、第25図は側面視した図、第26図は正面視した図
で、137は上部吐出口で吸気整流板105の吐出口の
流路に合致させた穴であり、138は吐出口であるが下
ライトガイド126の軽量化のための孔でもある。13
9は流路案内であり、第27図にも示すように吸入口1
40を通して液晶ライトバルブ7c(7a、7b)と偏
光板112に冷却風が向うように案内するために直角に
切起した壁である。
【0081】141は排気ファン固定板であり、第28
図、第29図、第30図、第36図に示すように吸入口
側に複数の部材を対象とした、はかま状の吸気案内14
2を上面、右側面、左側面に設け、排気ファン143の
吸気口の真近の側面からの吸気を押えて、排気ファン1
43の吐出口の前には吸気口の全面の高温部材の冷却を
優先させることができる。
【0082】すき間144は第28図、第34図に示す
ようにランプの近接部に配しており、排気ファン143
の吸入口に近接配置することにより、ランプとランプ周
辺の高温部の冷却に直接的かつ有効に寄与する。
【0083】本件発明に関する部分を詳述する。従来の
液晶プロジェクタでは、投射レンズ9の前面の窓78か
らゴミ、チリ等を吸入するといった問題があった。この
問題を解決するために、吸気整流板105の側面吐出口
120(図22参照)から吐出された風は、右回りに旋
回しながら進み、図14、図15等に示す下ライトガイ
ド126の右側面の上部壁に当たって、投射レンズ窓口
78の方向に風が向けられる。投射レンズ窓78の方向
に向けられた風は、図10に示すように、投射レンズ9
の下方の位置に設けられた下ライトガイド126(下筐
体板8b)の開口部126aから吐出する。ここで、投
射レンズ窓78の方向に向けられた風が排気ファン14
3の吸引力の影響を受けないように、投射レンズ9の側
方の、光学ユニット98及び吸気ファン66と投射レン
ズ窓78との間に図14及び図16に示す分岐板145
を設けることにより、投射レンズ窓78は吐出風量の弱
い前面排気口となり、ゴミチリの吸入はなくなる。分岐
板145はプラスチックの薄板であり、概略長方形の形
状をしている。分岐板145の接着部分145a,14
5b,145cは直角に曲げて、ベースプレート90と
ランプ安定器96等の平面部(図14、図16、図2
9)に両面接着テープにより固定する。
【0084】146はランプファンブロックであり、ラ
ンプファン147の側面を囲むように板金を巻きつけ、
1つの側面にランプファン自身の吐出口より90゜回転
した吐出口148を形成したランプファン固定板149
にネジ止めし、さらにランプファン自身の吐出口の前方
の窓枠150の窓枠側面にランプファン固定板149を
ネジ止めしてランプファンブロック146を形成する。
ランプファンブロックは上ライトガイドの入射口122
の位置の側面に固定される。窓枠150は第33図に示
した正面部151の面と直角曲げ部152でランプの光
漏れを防止し、窓枠穴153からランプファン147の
空気を通している。
【0085】次にランプハウジングユニット91のイン
ナーハウジングブロック154について説明する。第3
4図〜第47図に示すように1は光源としてのランプで
あり、発光管156がリフレクタ157に固定されてい
る。ランプ1はL型のランプ固定板158にランプバネ
159によって位置決め固定する。ランプ固定板158
にランプ雄コネクタ160がL字の低面の切起し部に位
置決めされてネジ固定する。ランプ固定板158の周囲
はランプインナーハウジング体161によって囲いラン
プ固定板158にネジ固定する。インナーハウジング体
161には取手162が差込まれている。ランプ1の後
には後電極板163と横電極板を有し、両電極とランプ
雄コネクタ160とは耐熱性の高い電線164により接
続されている。ランプ雄コネクタ160の電線接続部は
電線と共に絶縁性の高い収縮チューブ165によって覆
われている。インナーハウジング体161の側面には冷
却のための通気孔166を有している。ランプ発光管1
56の前部には保温膜167が塗布されている。図にお
いて168は制流部、169は絶縁距離をとるための
孔、170はランプインナーハウジングブロックの固定
部、171は絶縁距離をとるためのしぼり部、172は
ランプ交換時にネジがインナーハウジングから取り除か
なくても脱着できるようにしたEリング、173はスラ
イド案内部、174は上下位置決め部、175は垂直位
置決め部、176は左右位置決め部、177は開口部で
ある。
【0086】通気孔166はアクターハウジング体17
8の通気孔としぼり窓180とは光が外に漏れないよう
にピッチをずらして位置設定している。
【0087】次にランプハウジングユニット91のラン
プアウターハウジングブロック181について説明す
る。
【0088】アウターハウジング体178は、インナー
ハウジングブロック154の挿入口を正面とする。正面
にはインナーハウジング固定用ネジ穴を有し、3箇所を
切起した固定台182を2箇所有している。左側面に
は、下向きの通気のための絞り窓180と通気孔179
を有し、右側面には上向きの通気のための絞り窓180
と通気孔179を有している。平面方向には絶縁距離を
長くとるための絞り部178a、ランプ固定板158の
左右位置決め孔183、加熱防止のためのセフティース
イッチ固定部ネジ穴184、サミスタ固定部ネジ穴18
5を有している。背面にはランプ発光管156のランプ
球上面と保温膜の最も温度上昇の高い部分に狙いをつけ
た上下方向制流部186、前後方向制流部187を切起
して形成し、中央部には出射口188、下方にはコネク
タ窓189を有し、背面全体は垂直度の高い精度加工を
した背面190を有し、上下位置決め部191を有して
いる。またベースプレート90への固定のための固定用
穴192、位置決め穴193を有している。
【0089】194はランプコネクタ板であり、コネク
タ固定部195にランプ雌コネクタ196をコネクタブ
ッシュ197を介して固定する。
【0090】コネクタブッシュ197とコネクタ固定穴
198には隙間があり、コネクタの中心ずれを吸収す
る。ランプコネクタ板上面199はコネクタの遮光を行
なう。全体にEMIシールドも行ない、200はアース
端子固定部である。ランプ雌コネクタ196は案内斜面
を有しており、スムーズに嵌合するようになっている。
【0091】インナーハウジングブロック154をアウ
ターハウジング181に挿入する時は、アウターハウジ
ング181の基準面である背面190にインナーハウジ
ング154の垂直位置決め部175が当接し、さらに上
下・左右の各位置決め部174、176が当接して正し
く位置決めされる。
【0092】ケース70の第2の実施例を第52図、第
53図に示す。
【0093】201は排気吸込み防止壁で、ケース背面
に接するような壁に液晶プロジェクタを設置した場合に
排気された暖かい空気がケース底面202と床との隙間
から吸気口に入ることを防止することができる。
【0094】ケース70の第3の実施例を第54図、第
55図に示す。
【0095】これは排気吸込み防止壁201をフットの
機能を有するように強度向上をはかったものである。
【0096】以上述べたように、吸気ファン105によ
って吸込んだ外気は液晶ライトバルブ7a、7b、7c
を冷却してドライブボードユニット100の孔部101
から上方に抜け、また吸気整流板105の側穴120か
ら吹き出される空気と上下方向に合流しながらランプ安
定器ユニット96を経て電源ユニット95を冷やした空
気は、ランプファン147および排気ファン143によ
ってランプ1を冷やしながら外部に出される。
【0097】上述の構成により、少なくとも3枚のカラ
ー画像形成用液晶ライトバルブを用い、混合合成した画
像を投射レンズで拡大投写して大画面の表示を行なうの
に必要なランプハウジングユニット、液晶ライトバル
ブ、ミラー、ダイクロイックミラー、投射レンズからな
る光学ユニット、および吸気ファン、ランプファン、排
気ファン等が概略直方体のケースの中にコンパクトにか
つ薄型に収まり、さらに吸気整流板、分岐板を配し、流
路分岐と流路拡大ができ、冷却効率がよくて画質を向上
させることができ、操作性、耐久性、メンテナンス性、
設置環境性が向上する。
【0098】第57図、第58図は液晶プロジェクタの
照明装置の冷却手段を示すもので、第57図はその構成
図であり、メタルハライドランプ156とランプリフレ
クタ157より構成されるランプ1はランプ固定板15
8によってランプハウス207内に収納される。メタル
ハライドランプ156の後封止部208はランプリフレ
クタ157のランプ固定部209に挿入しセメント等で
固定する。メタルハライドランプの前電極板210と後
電極板163は外部に設けたランプ安定器96と接続す
ることによりメタルハライドランプ156は点灯可能と
なる。冷却手段としてはランプリフレクタ157の開口
部径と同等もしくはそれ以上の羽根外径を有した軸流フ
ァンである排気ファン143をランプハウス207に近
接配置し、ランプハウス207内部を通して吸気する。
ランプハウス207の側面にはランプ1を冷却するため
に吸、排気孔を設け、ランプハウス207内に図面に示
した矢印の方向に空気が流れるようにする。ランプハウ
ス207に隣接させ、ランプリフレクタ開口部214に
近接した位置にランプリフレクタ開口部214の径より
小さいランプファン147を設置する。
【0099】ランプファン147に軸流ファンを用いる
とその吐出側での風向きは吐出方向に向って拡がりをも
っていると同時にファンの回転方向にねじれているため
にランプリフレクタ157に囲まれた領域内にも向う。
【0100】第58図は第57図の側面方向から見たも
ので、ランプファン147の吐出側前面に整流板216
が設けられている。整流板216は第58図の矢印のよ
うに風向きを整流板216がない場合よりも適確に向
け、冷気を直接発光管156および前封止部156aの
表面に送ることができる。
【0101】なお、ランプファン147にはシロッコフ
ァン、クロスフローファンを用いてもよいし、ランプフ
ァン147の設置角度を傾けてもよい。さらにランプフ
ァン147の吹き付け方向は従来のファンの風向きに対
して同一方向+90゜あるいは−90゜の範囲で配置し
てもよい。
【0102】また整流板216はランプハウス147の
中であっても、ランプハウス207とランプファン14
7の間に設けてもよい。
【0103】前述のような構成で、メタルハライドラン
プ156を放電点灯させ、冷却を行なうと、排気ファン
213によってランプ1を全体的に冷却し、ランプファ
ン147によって、あるいはさらに整流板216によっ
て発光管156と前封止部156aのそれぞれの表面お
よび周囲に空気の流れを作り、冷却作用を向上させる。
すなわちランプファン147がランプハウス207の外
部の空気を吸入し、ランプリフレクタ開口部214に向
けて吹きつけることによってランプリフレクタ157の
反射面によって囲まれた領域に空気の流れを積極的に作
り出すことができる。
【0104】このため発光管156を形成する石英ガラ
ス表面温度を900℃以下にすることによって、上部の
みの失透現象がなくなり、発光管156の上下において
明るさ、色温度差を少なくすることができ、さらに前封
止部156aを300℃以下にすることによって、気密
性が長時間保持することができ長寿命の照明装置とな
る。
【0105】したがって上記の冷却手段としてもう一つ
のランプファンをリフレクタ開口部に隣接配置すること
によって、ランプリフレクタの反射面によって囲まれた
領域内にある発光管表面および前封止部に空気の流れが
効果的に発生し、所定の温度以下に冷却することができ
るために、石英ガラスの部分的な失透現象がなくなり、
明るさ、色温度といった光学特性を均一にでき、さらに
前封止部の温度を所定の温度以下にすることによって、
メタルハライドランプの気密性を長時間保持することが
でき、長寿命となり、本照明装置を液晶カラープロジェ
クタに用いれば、照度むら、色むらといった画質低下の
ない投影画像が実現でき、さらに従来と比較して長寿命
なメタルハライドランプを実現することができる。
【0106】産業上の利用可能性として、小型軽量で、
色むらや画素ずれがなく、明度の高い大拡大率の投射型
液晶ビデオプロジェクタに利用するに適する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学系の光路と主要素を示す概略平面
図。
【図2】本発明の液晶ライトバルブの固定およびフォー
カス方向の調整機構の一部を示す部分組立断面図。
【図3】第2図の部分組立平面図。
【図4】液晶ライトバルブの画素合わせを行なう調整機
構示す組立分解図。
【図5】第4図の一部分を示す部分組立分解図。
【図6】画素合わせの基準となる液晶ライトバルブの固
定およびフォーカス方向の調整機構を示す部分組立分解
図。
【図7】調整操作機構部の変形実施例を示す斜視図。
【図8】調整操作機構部の変形実施例を示す詳細図。
【図9】応用例を示す平面図。
【図10】シャーシおよびカバーの分解斜視図。
【図11】シャーシの斜視図。
【図12】液晶ライトバルブの互換性を示す平面図。
【図13】液晶ライトバルブの互換性を示す平面図。
【図14】本発明の全体の概略組立平面図。
【図15】同光学ユニットを示す断面図。
【図16】同詳細組立平面図。
【図17】同ケースの平面図。
【図18】同正面図。
【図19】同背面図。
【図20】同裏面図。
【図21】部分組立平面図。
【図22】第14図における吸気整流板部品の平面図。
【図23】同下ラントガイドの部品平面図。
【図24】同背面図。
【図25】同側面図。
【図26】同正面図。
【図27】同部分断面図。
【図28】ランプハウジングユニット廻りの組立平面
図。
【図29】ケースを除いた組立左側面図。
【図30】ランプカバー周辺の組立断面図。
【図31】ランプファンブロックの組立平面図。
【図32】同組立平面図。
【図33】窓枠部品の正面図。
【図34】ランプハウジングユニット周辺の組立断面
図。
【図35】同組立背面図。
【図36】同組立側面図。
【図37】インナーハウジングの側面からみた組立断面
図。
【図38】同正面からみた組立断面図。
【図39】同組立正面図。
【図40】同組立左側面図。
【図41】同組立正面図。
【図42】アウターハウジング部品の左側面図。
【図43】同部品の組立右側面図。
【図44】同部品の平面図。
【図45】インナーハウジング部品の正面図。
【図46】ランプコネクタ板部品の側面図。
【図47】同平面図。
【図48】ランプファンのための回路図。
【図49】ランプファンのための回路図。
【図50】吸気整流板の平面図。
【図51】同平面図。
【図52】ケースの裏面図。
【図53】同背面図。
【図54】同裏面図。
【図55】同背面図。
【図56】吸気ファンの等速度分布の試験結果を示す模
式図。
【図57】ランプの冷却手段を含む照明装置の構成図。
【図58】同側面よりみた構成図。
【符号の説明】
1 光源 2 ブルーダイクロイックミラー 3a、3b レッドダイクロイックミラー 4a、4b 反射ミラー 5 合成ミラー 7a、7b、7c 液晶ライトバルブ 8 筐体 9 投射レンズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H04N 5/74 H04N 5/74 K 9/31 9/31 C (31)優先権主張番号 特願平3−156408 (32)優先日 平成3年6月27日(1991.6.27) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平3−156422 (32)優先日 平成3年6月27日(1991.6.27) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 実願平3−49295 (32)優先日 平成3年6月27日(1991.6.27) (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 坂 上 恵 介 長野県諏訪市大和三丁目3番5号 セイ コーエプソン株式会社内 (72)発明者 奥 村 毅 一 長野県諏訪市大和三丁目3番5号 セイ コーエプソン株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−302387(JP,A) 特開 平3−24532(JP,A) 特開 平2−47642(JP,A) 実開 平2−73622(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03B 21/00 G02B 27/18 G02F 1/13 505 G09F 9/00 360 H04N 5/74 H04N 9/31

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光源と、前記光源から発せられた光を三つの色光に分解し、お前
    記各々の色光の画像を複数のライトバルブによって形成
    し、前記複数のライトバルブによって形成された画像を
    合成する光学手段と、 前記光学手段によって合成された画像を投射する投射レ
    ンズと、 前記光源と前記光学手段と前記投射レンズを収納する
    ケースと、を有するプロジェクタにおいて、前記ケースには、1箇所の主要な吸気口と2箇所の排気
    口が設けられ、 前記2箇所の排気口のうち、一方は前記ケースに設けら
    れた投射レンズ窓であり、他方は前記光源の側方に設け
    られており、 前記1箇所の主要な吸気口と前記光学手段との間には吸
    気ファンが設けられ前記他方の排気口と前記光源との間には排気ファンが設
    けられ、 前記吸気ファンによって形成された風のうち、一部は前
    記ライトバルブへ向けて吐出され、他の一部は前記投射
    レンズ窓の方向へ向けられ、 前記投射レンズの側方の、前記光学手段及び吸気ファン
    と前記投射レンズ窓との間には、前記投射レンズ窓の方
    向に向けられた風が前記排気ファンの吸引力の影響を受
    けないように分岐板が設けられている ことを特徴とする
    プロジェクタ。
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