JP3181559B2 - 酸化物磁性材料、フェライト粒子、ボンディット磁石、焼結磁石、これらの製造方法および磁気記録媒体 - Google Patents

酸化物磁性材料、フェライト粒子、ボンディット磁石、焼結磁石、これらの製造方法および磁気記録媒体

Info

Publication number
JP3181559B2
JP3181559B2 JP28601298A JP28601298A JP3181559B2 JP 3181559 B2 JP3181559 B2 JP 3181559B2 JP 28601298 A JP28601298 A JP 28601298A JP 28601298 A JP28601298 A JP 28601298A JP 3181559 B2 JP3181559 B2 JP 3181559B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ferrite
hcj
ferrite particles
oxide
magnetic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP28601298A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000223307A (ja
Inventor
仁 田口
和昌 飯田
清幸 増澤
良彦 皆地
みゆき 川上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP28601298A priority Critical patent/JP3181559B2/ja
Publication of JP2000223307A publication Critical patent/JP2000223307A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3181559B2 publication Critical patent/JP3181559B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、それぞれ六方晶フ
ェライトを有する磁石粉末および焼結磁石と、前記磁石
粉末をそれぞれ含むボンディッド磁石および磁気記録媒
体と、六方晶フェライト相を含む薄膜磁性層を有する磁
気記録媒体とに関する。
【0002】
【従来の技術】酸化物永久磁石材料には、マグネトプラ
ンバイト型(M型)の六方晶系のSrフェライト、また
はBaフェライトが主に用いられてきた。BaやSrと
同じアルカリ土類元素であるCaは、BaやSrよりも
安価であるが、六方晶フェライトを形成しないため磁石
材料として用いられていなかった。
【0003】通常、Caフェライトは、CaO−Fe2
3 またはCaO−2Fe23 という構造が安定であ
り、六方晶フェライト(CaO−6Fe23 )にはな
らないが、Laを添加することによって六方晶フェライ
トを形成することが知られている。この場合、LaとS
rの価数の違い(La3+とSr2+)を補償するために、
Feイオンは一部価数が変わるものと考えられる(Fe
3+→Fe2+)。しかし、この場合得られる磁気特性は、
せいぜい従来のBaフェライト程度であり、高いもので
はなかった。さらに、Caフェライトに対して、二価の
イオンとなる元素と、Laを複合的に添加した例はなか
った。
【0004】磁石特性のうち特に重要なものは、残留磁
束密度(Br)および固有保磁力(HcJ)である。
【0005】Brは、磁石の密度およびその配向度と、
その結晶構造で決まる飽和磁化(4πIs)とで決定さ
れ、 Br=4πIs×配向度×密度 で表わされる。M型のSrフェライトやBaフェライト
の4πIsは約4.65kGである。密度と配向度とは、
最も高い値が得られる焼結磁石の場合でもそれぞれ98
%程度が限界である。したがって、これらの磁石のBr
は4.46kG程度が限界であり、4.5kG以上の高いB
rを得ることは、従来、実質的に不可能であった。
【0006】本発明者らは、特開平9−115715号
公報(米国出願第08/672,848号)において、
M型フェライトに例えばLaとZnとを適量含有させる
ことにより、4πIsを最高約200G 高めることが可
能であり、これによって4.4kG以上のBrが得られる
ことを見出した。しかしこの場合、後述する異方性磁場
(HA)が低下するため、4.4kG以上のBrと3.5k
Oe以上のHcJとを同時に得ることは困難であった。
【0007】HcJは、異方性磁場{HA(=2K1/I
s)}と単磁区粒子比率(fc)との積(HA×fc)
に比例する。ここで、K1は結晶磁気異方性定数であ
り、Isと同様に結晶構造で決まる定数である。M型B
aフェライトの場合、K1=3.3×106erg/cm3であ
り、M型Srフェライトの場合、K1=3.5×106er
g/cm3である。このように、M型Srフェライトは最大
のK1をもつことが知られているが、K1をこれ以上向上
させることは困難であった。
【0008】一方、フェライト粒子が単磁区状態となれ
ば、磁化を反転させるためには異方性磁場に逆らって磁
化を回転させる必要があるから、最大のHcJが期待され
る。フェライト粒子を単磁区粒子化するためには、フェ
ライト粒子の大きさを下記の臨界径(dc)以下にする
ことが必要である。
【0009】 dc=2(k・Tc・K1/a)1/2/Is2
【0010】ここで、kはボルツマン定数、Tcはキュ
リー温度、aは鉄イオン間距離である。M型Srフェラ
イトの場合、dcは約1μmであるから、例えば焼結磁
石を作製する場合は、焼結体の結晶粒径を1μm以下に
制御することが必要になる。高いBrを得るための高密
度化かつ高配向度と同時に、このように微細な結晶粒を
実現することは従来困難であったが、本発明者らは特開
平6−53064号(米国特許第5648039号)に
おいて、新しい製造方法を提案し、従来にない高特性が
得られることを示した。しかし、この方法においても、
Brが4.4kGのときにはHcJが4.0kOe程度とな
り、4.4kG以上の高いBrを維持してかつ4.5kOe
以上の高いHcJを同時に得ることは困難であった。
【0011】また、焼結体の結晶粒径を1μm以下に制
御するためには、焼結段階での粒成長を考慮すると、成
形段階での粒子サイズを好ましくは0.5μm以下にす
る必要がある。このような微細な粒子を用いると、成形
時間の増加や成形時のクラックの増加などにより、一般
的に生産性が低下するという問題がある。このため、高
特性化と高生産性とを両立させることは非常に困難であ
った。
【0012】一方、高いHcJを得るためには、Al23
やCr23の添加が有効であることが従来から知られて
いた。この場合、Al3+やCr3+はM型構造中の「上向
き」スピンをもつFe3+を置換してHAを増加させると
共に、粒成長を抑制する効果があるため、4.5kOe 以
上の高いHcJが得られる。しかし、Isが低下すると共
に焼結密度も低下しやすくなるため、Brは著しく低下
する。このため、HcJが4.5kOeとなる組成では最高
でも4.2kG程度のBrしか得られなかった。
【0013】ところで、従来のM型フェライト焼結磁石
のHcJの温度依存性は+13Oe/℃程度で、温度係数は
+0.3〜+0.5%/℃程度の比較的大きな値であっ
た。このため、低温側でHcJが大きく減少し、減磁する
場合があった。この減磁を防ぐためには、室温における
HcJを例えば5kOe 程度の大きな値にする必要があるの
で、同時に高いBrを得ることは実質的に不可能であっ
た。M型フェライト粉末のHcJの温度依存性は焼結磁石
に比べると優れているが、それでも少なくとも+8Oe/
℃程度で、温度係数は+0.15%/℃以上であり、温
度特性をこれ以上改善することは困難であった。
【0014】本発明者らは、特開平6−53064号公
報(米国特許第5648039号)において、粉砕によ
って結晶歪みをフェライト粒子に導入することにより、
HcJの温度変化率を低減できることを提案した。しか
し、この場合、室温におけるHcJも同時に低下するた
め、高いHcJ(室温)とその温度特性の改善を両立する
ことは困難であった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、飽和
磁化と磁気異方性が共に高い六方晶フェライトを実現す
ることにより、従来の六方晶フェライト磁石では達成不
可能であった高い残留磁束密度と高い保磁力とを有する
フェライト磁石を提供することである。また、本発明の
他の目的は、高い残留磁束密度と高い保磁力とを有する
と共に、保磁力の温度特性が極めて優れ、特に低温域に
おいても保磁力の低下が少ないフェライト磁石を提供す
ることである。また、本発明の他の目的は、粒径1μm
を超える比較的粗いフェライト粒子を用いて高残留磁束
密度と高保磁力とを有するフェライト磁石を実現するこ
とである。また、本発明の他の目的は、高い残留磁束密
度を有し、熱的にも安定な磁気記録媒体を提供すること
である。
【0016】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(12)のいずれかの構成により達成される。 (1) 六方晶構造を有するフェライトを主相とし、C
oおよびNiから選択される1種または2種をMとし、
希土類元素(Yを含む)およびBiから選択される少な
くとも1種の元素であってLaを必ず含むものをRとし
たとき、Ca,R,FeおよびMを含有し、前記Ca,
R,FeおよびMそれぞれの金属元素の総計の構成比率
が、全金属元素量に対し、 Ca: 1〜13原子%、 R:0.05〜10原子%、 Fe: 80〜95原子%、 M: 1〜7 原子% である酸化物磁性材料。 (2) 前記Ca,R,FeおよびMそれぞれの金属元
素の組成比を 式I Ca1-xx(Fe12-yyz19 と表したとき、 0.2≦x≦0.8、 0.2≦y≦1.0、 0.5≦z≦1.2 である上記(1)の酸化物磁性材料。 (3) 前記M中のCoの比率が10原子%以上である
上記(1)または(2)の酸化物磁性材料。 (4) 上記(1)〜(3)のいずれかの酸化物磁性材
料を含有するフェライト粒子。 (5) −50〜50℃における保磁力の温度変化△H
cJ/△Tが−5〜5Oe/℃である上記(4)のフェライ
ト粒子。 (6) 上記(4)または(5)のフェライト粒子を含
有するボンディット磁石。 (7) 上記(4)または(5)のフェライト粒子を含
有する磁気記録媒体。 (8) 上記(1)〜(3)のいずれかの酸化物磁性材
料を含有する焼結磁石。 (9) −50〜50℃における保磁力の温度変化△H
cJ/△Tが−5〜10Oe/℃である上記(8)の焼結磁
石。 (10) 25℃での固有保磁力HcJ(単位kOe)と残
留磁束密度Br(単位kG)とが、HcJ≧4のとき 式IV Br+1/3HcJ≧5.75 を満足し、HcJ<4のとき 式V Br+1/10HcJ≧4.82 を満足する上記(8)または(9)の焼結磁石。 (11) 酸素分圧が0.05atm 超の雰囲気中で仮焼
または焼成して上記(4)または(5)のフェライト粒
子を得るフェライト粒子の製造方法。 (12) 酸素分圧が0.2atm 超の雰囲気中で仮焼ま
たは焼成して上記(8)〜(10)の焼結磁石を得る焼
結磁石の製造方法。
【0017】
【作用および効果】本発明では、上記各式に示されるよ
うに、六方晶Ca系フェライトにおいて、少なくとも、
RとMを最適量含有させるような組成とする。これによ
って、優れた磁気特性と共に、HcJの温度特性を著しく
改善することができる。さらに、MをCoとした場合
に、Isを低下させず、むしろIsを高めると同時にK
1を高めることによりHAを増加させることができ、これ
により高Brかつ高HcJを実現した。具体的には、Mを
Coとした場合の本発明の焼結磁石では、25℃程度の
常温において、上記式IVまたは上記式Vを満足する特性
が容易に得られる。従来のSrフェライト焼結磁石で
は、4.4kGのBrと4.0kOeのHcJとが得られたこ
とは報告されているが、HcJが4kOe以上であって、か
つ上記式IVを満足する特性のものは得られていない。す
なわち、HcJを高くした場合にはBrが低くなってしま
う。従来、HcJが4kOe未満のSrフェライト焼結磁石
において、上記式Vを満足するものは得られていない。
また、本発明においては、Niを含有させた場合に、H
cJの温度特性が著しく改善される。
【0018】本発明のMをCoとした組成におけるM型
フェライトは、飽和磁化(4πIs)が約2%増加すると
ともに、結晶磁気異方性定数(K1)または異方性磁場
(HA)が最高10〜20%増加する。結晶磁気異方性
定数(K1)または異方性磁場(HA)を精度よく測定す
ることは簡単ではなく、確立した方法はないが、例えば
トルクメータにより異方性試料のトルク曲線を測定、解
析して、結晶磁気異方性定数(K1、K2等)を算出する
方法や、異方性試料の初磁化曲線を磁化容易軸方向(c
軸)と磁化困難軸方向(a軸)で各々測定して、その交
点から異方性磁場(HA)を求める方法、あるいは 磁化
困難軸方向(a軸)の初磁化曲線の二階微分から求める
方法などがある。
【0019】異方性試料の初磁化曲線を磁化容易軸方向
(c軸)と磁化困難軸方向(a軸)で各々測定して、そ
の交点から異方性磁場(HA)を求める方法によって、
本発明のHA を求めると、少なくとも19kOe以上、さ
らに最高20kOe以上の高い値が得られる。これは、従
来の組成のSrフェライトに比べて、最高10%以上の
改善になる。
【0020】本発明は、特に焼結磁石に適用した場合に
HcJ向上効果が大きいが、本発明にしたがって製造され
たフェライト粒子をプラスチックやゴムなどのバインダ
と混合したボンディッド磁石としてもよい。
【0021】本発明のフェライト粒子および焼結磁石
は、HcJの温度依存性が小さく、特に本発明のフェライ
ト粒子ではHcJの温度依存性が著しく小さい。具体的に
は、本発明の焼結磁石の−50〜50℃におけるHcJの
温度変化は−5〜11Oe/℃程度(25℃におけるHcJ
を3kOeとすると、0.23%/℃以下)であり、−5
〜5Oe/℃程度(25℃におけるHcJを3kOeとする
と、0.17%/℃以下)とすることも容易にできる。
また、本発明のフェライト粒子の−50〜50℃におけ
るHcJの温度変化(絶対値)は5Oe/℃以下(25℃に
おけるHcJを3kOeとすると、0.17%/℃以下)で
あり、1Oe/℃以下(25℃におけるHcJを3kOeとす
ると、0.04%/℃以下)とすることも容易にでき、
温度係数をゼロとすることも可能である。低温環境下に
おけるこのような高磁気特性は、従来のSrフェライト
磁石では達成できなかったものである。
【0022】本発明は、上記フェライト粒子がバインダ
中に分散された磁性層を有する塗布型磁気記録媒体も包
含する。また、本発明は、上記磁石と同様な六方晶マグ
ネトプランバイト型フェライト相を有する薄膜磁性層を
もつ磁気記録媒体も包含する。これらいずれの場合で
も、高残留磁束密度を活かして高出力および高 S/N の
磁気記録媒体が実現する。また、本発明の磁気記録媒体
は、垂直磁気記録媒体として利用できるので、記録密度
を高くすることができる。また、HcJの温度係数(絶対
値)を小さくできるので、熱的にも安定な磁気記録媒体
を実現することができる。
【0023】ところで、Bull.Acad.Sci.USSR,phys.Ser.
(English Transl.)vol.25,(1961)pp1405-1408(以下、
文献1)には、 Ba1-x3+ xFe12-x2+ x19 で表されるBaフェライトが記載されている。このBa
フェライトにおいて、M3+はLa3+、Pr3+またはBi
3+であり、M2+はCo2+またはNi2+である。文献1の
Baフェライトは、粉体か焼結体か不明確であるが、L
aおよびCoを含有する点では本発明のCaフェライト
と類似している。文献1のFig.1には、LaおよびCo
を含有するBaフェライトについてxの変化に伴う飽和
磁化の変化が記載されているが、このFig.1ではxの増
大にともなって飽和磁化が減少している。また、文献1
には保磁力が数倍になったとの記載があるが、具体的数
値の記載はない。
【0024】これに対し本発明では、Caフェライト焼
結磁石にLaとCoおよびNiから選択される1種また
は2種とをそれぞれ最適量含有させた組成を用いること
により、HcJの著しい向上、あるいはBrの増加を実現
し、および/またはHcJの温度依存性の著しい改善をも
成し遂げたものである。また、本発明は、Caフェライ
ト粒子にLaとCo、およびNiとをそれぞれ最適量含
有させることにより、HcJを増大させ、あるいはその温
度依存性を著しく減少させたものである。LaとCo、
およびNiの複合添加をCaフェライトに適用したとき
にこのような効果が得られることは、本発明において初
めて見出されたものである。
【0025】Indian Journal of Pure & Applied Physi
cs Vol.8,July 1970,pp.412-415 (以下、文献2)に
は、 式 La3+Me2+Fe3+ 1119(Me2+=Cu2+、Cd
2+、Zn2+、Ni2+、Co2+またはMg2+) で表わされるフェライトが記載されている。このフェラ
イトは、LaおよびCoを同時に含有する点では本発明
のフェライト粒子および焼結磁石と類似するが、Caを
含有していない。また、文献2においてMe2+=Co2+
の場合の飽和磁化σsは、室温で42cgs unit、0Kで
50cgs unitという低い値である。また、具体的な値は
示されていないが、文献2には、保磁力は低く磁石材料
にはならない、という記述がある。これは、文献2記載
のフェライトの組成が本発明範囲を外れている(Laお
よびCoの量が多すぎる)ためと考えられる。
【0026】特開昭62−100417号公報(以下、
文献3)には、 式 Mx(I)My(II)Mz(III)Fe12-(y+z)19 で表される組成の等軸ヘキサフェライト顔料類が記載さ
れている。上記式において、M(I)は、Sr、Ba、
希土類金属等と、一価の陽イオンとの組み合わせであ
り、M(II)は、Fe(II)、Mn、Co、Ni、C
u、Zn、CdまたはMgであり、M(III)はTi等
である。文献3に記載されたヘキサフェライト顔料類
は、希土類金属とCoとを同時に含みうる点では本発明
のフェライト粒子および焼結磁石と同じである。しか
し、文献3には、LaとCoとCaとを同時に添加した
実施例は記載されておらず、これらの同時添加により飽
和磁化および保磁力が共に向上したり、優れたHcJの温
度特性が得られる点の記載もない。しかも、文献3の実
施例のうちCoを添加したものでは、同時に元素M(II
I)としてTiが添加されている。元素M(III)、特に
Tiは、飽和磁化および保磁力を共に低下させる元素な
ので、文献3において本発明の構成および効果が示唆さ
れていないのは明らかである。
【0027】特開昭62−119760号公報(以下、
文献4)には、マグネトプランバイト型のバリウムフェ
ライトのBaの一部をLaで置換するとともに、Feの
一部をCoで置換したことを特徴とする光磁気記録材料
が記載されている。このBaフェライトにおいて、La
およびCoを含有する点では本発明のCaフェライトと
類似しているようにも見える。しかし、文献4のフェラ
イトは光の熱効果を利用して磁性薄膜に磁区を書き込ん
で情報を記録し、磁気光学効果を利用して情報を読み出
すようにした「光磁気記録」用の材料であり、本発明の
磁石および「磁気記録」材料とは技術分野が異なる。ま
た、文献4は(I)の組成式でBa,La,Coを必須
とし、式(II)および(III)では、これに4価以上の
金属イオン(特定されていない)が添加された場合が示
されているのみである。これに対し、本発明のフェライ
トは、Caを必須とするCaフェライトであり、これに
La,Coが適量添加される点で文献4の組成とは異な
る。すなわち、本発明のCaフェライトは、上記文献1
で説明したように、CaフェライトにLaとCoとをそ
れぞれ最適量含有させた組成を用いることにより、HcJ
の著しい向上や、Brの微増を実現し、かつ、HcJの温
度依存性の著しい改善等を可能としたものである。これ
は、文献4とは異なる本発明の組成において初めて実現
されたものである。
【0028】特開平10−149910号公報には、 (Sr1-xx )O・n〔(Fe1-yy23 〕 (R=La,Nd,Pr、M=Mn,Co,Ni,Z
n) の基本組成を有するフェライト磁石に関する記載があ
る。ここには、CaCO3等を添加することが記載され
ているが、これは、SiO2 との複合添加方法として、
従来から知られている方法であり、上記公報中に記載さ
れているように、「焼結現象の制御(粒成長の抑制と促
進)」が目的である。これに対して、本発明は、Caを
フェライトの基本組成とするものであり、明らかに異な
ったものである。
【0029】特開昭52−79295号公報には、C
a,La,Srを含有するフェライト磁石の記載があ
る。これは、Laと共にCaを基本組成の一つとして含
有する六方晶M型フェライトであるが、Co,Ni等
(元素M)は含まないため本発明とは明らかに異なって
いる。
【0030】以上のような従来のフェライト材料に対し
て、本発明のフェライト材料は以下のような特徴を有す
る。
【0031】(1)常温で高特性が得られると同時に、
HcJの温度特性が略ゼロになるという点で、Sr−R−
M系(R=La,Nd,Pr、M=Mn,Co,Ni,
Zn:特願平10−60682号)より優れた特性を有
する。 (2)上記温度特性は、x=y=0.5、z=0.85
という特性で達成されている。Sr−R−M系やBa−
R−M系の場合、x=y=0.1〜0.4でBrとHcJ
との極大値が得られるが、Ca−R−M系の場合は、x
=y=0.4〜0.6でBrとHcJが極大となる。 (3)仮焼後のフェライト粒子は、扁平になりやすい。
このため、例えば、ゴム磁石のような機械配向ボンド磁
石用の磁性粉等に適している。この場合、従来は扁平形
状とするために、塩化バリウム等のフラックス成分を添
加していたが、このような添加を省略でき、製造コスト
を低く抑えることができる。 (4)Ca−R−M系では、HcJの本焼成雰囲気依存性
が大きい。すなわち、後述の実施例に記載されているよ
うに、大気中焼成ではx=y=0.4のとき3.1kOe
であるのに対し、酸素中では4.2kOeと大幅に増大す
る。
【0032】
【発明の実施の形態】本発明の酸化物磁性材料は、六方
晶フェライト、好ましくは六方晶マグネトプランバイト
型(M型)フェライトを主相とし、CoおよびNiから
選択される1種または2種をMとし、希土類元素(Yを
含む)およびBiから選択される少なくとも1種の元素
であってLaを必ず含むものをRとしたとき、Ca,L
a,FeおよびMを含有する。
【0033】また、好ましくは、Ca,R,Feおよび
Mそれぞれの金属元素の総計の構成比率が、全金属元素
量に対し、 Ca: 1〜13原子%、 R:0.05〜10原子%、 Fe: 80〜95原子%、 M: 1〜7原子%,特に3〜7原子% である組成を有する。
【0034】また、好ましくは、 Ca: 3〜11原子%、 R: 0.2〜6原子%、 Fe: 83〜94原子%、 M: 3〜5原子%である。
【0035】上記各構成元素において、Caが少なすぎ
ると、M型フェライトが生成しないか、α−Fe23
等の非磁性相が多くなる。Caが多すぎるとM型フェラ
イトが生成しないか、CaFeO3-x 等の非磁性相が多
くなる。
【0036】Rが少なすぎると、Mの固溶量が少なくな
り、本発明の効果が得られない。Rが多すぎると、オル
ソフェライト等の非磁性の異相が多くなる。なお、Rは
希土類元素(Yを含む)およびBiから選択される少な
くとも1種の元素であってLaを必ず含むものである
が、La単独が最も好ましい。
【0037】元素Mは、CoおよびNiから選択される
1種または2種である。Mが小さすぎると、本発明の効
果が得られず、Mが大きすぎると、BrやHcJが逆に低
下し本発明の効果が得られない。M中のCoの比率は、
好ましくは10原子%以上、より好ましくは20原子%
以上である。Coの比率が低すぎると、保磁力向上が不
十分となる。
【0038】また、好ましくは本発明の酸化物磁性材料
は、 式I Ca1-xLax(Fe12-yyz19 (x,y,zはモル数を表す) と表したとき、 0.2≦x≦0.8、 0.2≦y≦1.0、 0.5≦z≦1.2 である。
【0039】また、より好ましくは 0.4≦x≦0.6、 0.4≦y≦0.8、 0.5≦z≦1.0 である。
【0040】上記式Iにおいて、xが小さすぎると、す
なわちLaの量が少なすぎると、六方晶フェライトに対
する元素Mの固溶量を多くできなくなり、飽和磁化向上
効果および/または異方性磁場向上効果が不十分とな
る。xが大きすぎると六方晶フェライト中に元素Rが置
換固溶できなくなり、例えばLaを含むオルソフェライ
トが生成して飽和磁化が低くなってしまう。yが小さす
ぎると飽和磁化向上効果および/または異方性磁場向上
効果が不十分となる。yが大きすぎると六方晶フェライ
ト中に元素Mが置換固溶できなくなる。また、元素Mが
置換固溶できる範囲であっても、異方性定数(K1)や
異方性磁場(HA)の劣化が大きくなってしまう。zが
小さすぎるとCaおよび元素Rを含む非磁性相が増える
ため、飽和磁化が低くなってしまう。zが大きすぎると
α−Fe23相または元素Mを含む非磁性スピネルフェ
ライト相が増えるため、飽和磁化が低くなってしまう。
なお、上記式Iは不純物が含まれていないものとして規
定されている。
【0041】組成を表わす上記式Iにおいて、酸素
(O)のモル数は19となっているが、これは、Rがす
べて3価であって、かつx=y、z=1のときの化学量
論組成比を示したものである。Rの種類やx、y、zの
値によって、酸素のモル数は異なってくる。また、例え
ば焼成雰囲気が還元性雰囲気の場合は、酸素の欠損(ベ
イカンシー)ができる可能性がある。さらに、FeはM
型フェライト中においては通常3価で存在するが、これ
が2価などに変化する可能性もある。また、Co等のM
で示される元素も価数が変化する可能性があり、これら
により金属元素に対する酸素の比率は変化する。本明細
書では、x、y、zの値によらず酸素のモル数を19と
表示してあるが、実際の酸素のモル数は化学量論組成比
から多少偏倚していてもよい。例えば、Caフェライト
中に二価のFeが生成すると、フェライトの比抵抗は低
下すると考えられる(Fe2+→Fe3++e- )。多結晶
体の場合は、通常、粒界抵抗の方が粒内抵抗よりも大き
いが、この原因により実際の焼結磁石の比抵抗は変化す
る場合がある。
【0042】酸化物磁性材料の組成は、蛍光X線定量分
析などにより測定することができる。また、上記の主相
の存在はX線回折から確認される。
【0043】上記酸化物磁性材料には通常Srが含有さ
れないが、SrとCaの統計に対して、好ましくは49
原子%未満、より好ましくは、30原子%未満が含まれ
ていてもよい。
【0044】酸化物磁性材料には、B23が含まれてい
てもよい。B23を含むことにより仮焼温度および焼結
温度を低くすることができるので、生産上有利である。
23の含有量は、酸化物磁性材料に対しての0.5重
量%以下であることが好ましい。B23含有量が多すぎ
ると、飽和磁化が低くなってしまう。
【0045】酸化物磁性材料中には、Na、KおよびR
bの少なくとも1種が含まれていてもよい。これらをそ
れぞれNa2O、K2OおよびRb2Oに換算したとき、
これらの含有量の合計は、酸化物磁性材料全体の3重量
%以下であることが好ましい。これらの含有量が多すぎ
ると、飽和磁化が低くなってしまう。これらの元素をM
Iで表わしたとき、酸化物磁性材料中においてMIは例え
ば Ca1.3-2aLaaI a-0.3Fe11.70.319 の形で含有される。なお、この場合、0.3<a≦0.
5であることが好ましい。aが大きすぎると、飽和磁化
が低くなってしまう他、焼成時に元素MIが多量に蒸発
してしまうという問題が生じる。
【0046】また、これらの不純物の他、例えばSi,
Al,Ga,In,Li,Mg,Mn,Ni,Cr,C
u,Ti,Zr,Ge,Sn,V,Nb,Ta,Sb,
As,W,Mo等を酸化物の形で、それぞれ酸化シリコ
ン1重量%以下、酸化アルミニウム5重量%以下、酸化
ガリウム5重量%以下、酸化インジウム3重量%以下、
酸化リチウム1重量%以下、酸化マグネシウム3重量%
以下、酸化マンガン3重量%以下、酸化ニッケル3重量
%以下、酸化クロム5重量%以下、酸化銅3重量%以
下、酸化チタン3重量%以下、酸化ジルコニウム3重量
%以下、酸化ゲルマニウム3重量%以下、酸化スズ3重
量%以下、酸化バナジウム3重量%以下、酸化ニオブ3
重量%以下、酸化タンタル3重量%以下、酸化アンチモ
ン3重量%以下、酸化砒素3重量%以下、酸化タングス
テン3重量%以下、酸化モリブデン3重量%以下程度含
有されていてもよい。
【0047】本発明におけるフェライト粒子は、上記酸
化物磁性材料を含有するが、その1次粒子の平均粒径が
1μmを超えていても、比較的高い保磁力を得ることが
できる。1次粒子の平均粒径は、好ましくは2μm以
下、より好ましくは1μm以下であり、さらに好ましく
は0.1〜1μmである。平均粒径が大きすぎると、磁
石粉末中の多磁区粒子の比率が高くなってHcJが低くな
り、平均粒径が小さすぎると、熱擾乱によって磁性が低
下したり、磁場中成形時の配向性や成形性が悪くなる。
【0048】また、本発明のフェライト粒子は、−50
℃〜50℃における固有保磁力(HcJ)の温度依存性
(Oe /℃)の絶対値を|ΔHcJ/ΔT|と表し、HcJ
の単位をKOe としたとき、 式III |ΔHcJ/ΔT|≦5/3×HcJ−7/3 を満足する固有保磁力(HcJ)および温度依存性(Oe
/℃)を有するものが好ましい。
【0049】フェライト粒子は、通常、これをバインダ
で結合したボンディッド磁石に用いられる。バインダと
しては、通常NBRゴム、塩素化ポリエチレン、ナイロ
ン12(ポリアミド樹脂)、ナイロン6(ポリアミド樹
脂)等が用いられる。
【0050】上記組成の酸化物磁性材料のキュリー温度
は、通常、400〜480℃、特に425〜460℃で
ある。
【0051】フェライト粒子の製造方法としては、固相
反応法、共沈法や水熱合成法等の液相法、ガラス析出化
法、噴霧熱分解法および、気相法等の各種の方法があ
る。このうち、ボンド磁石用のフェライト粒子の製造方
法として、現在工業的に最も広く行われているのは、固
相反応法である。塗布型磁気記録媒体に用いられるフェ
ライト粒子は、液相法またはガラス析出化法によって主
に製造されている。
【0052】固相反応法では、原料として、酸化鉄粉
末、カルシウムを含有する粉末、ランタンを含有する粉
末、および元素Mを含む粉末を用い、これらの粉末の混
合物を焼成(仮焼)することにより製造される。この仮
焼体においては、フェライトの一次粒子は凝集してお
り、所謂「顆粒」状態となっている。このため、その後
粉砕を行う場合が多い。粉砕は、乾式または湿式にて行
われるが、その場合にフェライト粒子に歪みが導入され
て磁気特性(主にHcJ)が劣化するため、粉砕後にアニ
ール処理が行われる場合が多い。
【0053】さらに、シート状のゴム磁石を製造する場
合等には、機械的な応力によってフェライト粒子を配向
させる必要がある。この場合、高い配向度を得るために
は、フェライト粒子の形状が板状となっていることが好
ましい。
【0054】固相反応法によってフェライト粒子を製造
する場合、以下の点が重要である。 フェライト粒子の凝集を防ぐ。 フェライト粒子の歪みを除去する。 フェライト粒子を機械的に配向させる場合は、フェ
ライト粒子を板状にする。 フェライト粒子の大きさを適度な範囲に揃える。
【0055】なお、上記の原料粉末の他、必要に応じて
23等や、他の化合物、例えばSi,Al,Ga,I
n,Li,Mg,Mn,Ni,Cr,Cu,Ti,Z
r,Ge,Sn,V,Nb,Ta,Sb,As,W,M
o等を含む化合物を添加物あるいは不可避成分等の不純
物として含有していてもよい。
【0056】仮焼は、空気中、好ましくは酸素分圧0.
05atm 超、特に0.1〜1.0atm の雰囲気において
例えば1000〜1350℃で1秒間〜10時間、特に
1秒間〜3時間程度行えばよい。
【0057】このようにして得られた仮焼体は、実質的
にマグネトプランバイト型のフェライト構造をもち、そ
の一次粒子の平均粒径は、好ましくは2μm以下、より
好ましくは1μm以下、さらに好ましくは0.1〜1μ
m、最も好ましくは0.1〜0.5μmである。平均粒径
は走査型電子顕微鏡により測定すればよい。
【0058】次いで、通常、仮焼体を粉砕ないし解砕し
てフェライト粒子の粉末とする。そして、このフェライ
ト粒子を樹脂、金属、ゴム等の各種バインダと混練し、
磁場中または無磁場中で成形する。その後、必要に応じ
て硬化を行なってボンディッド磁石とする。
【0059】また、フェライト粒子をバインダと混練し
て塗料化し、これを樹脂等からなる基体に塗布し、必要
に応じて硬化することにより磁性層を形成すれば、塗布
型の磁気記録媒体とすることができる。
【0060】本発明の焼結磁石は、六方晶フェライトを
主相とし、上記の酸化物磁性材料の組成比率を有するも
のである。
【0061】焼結磁石は、上記フェライト粒子の製造法
で述べた各種の方法で製造したフェライト粒子を、成形
し、焼結することにより製造する。この場合、焼結磁石
用としては、現在工業的に最も広く行われているのは、
固相反応法によって作製したフェライト粒子を用いる方
法であるが、他の方法によって作製したフェライト粒子
を用いてもよく、特に制限されるものではない。
【0062】仮焼体は一般に顆粒状なので、これを粉砕
ないし解砕するために、まず、乾式粗粉砕を行うことが
好ましい。乾式粗粉砕には、フェライト粒子に結晶歪を
導入して保磁力HcBを小さくする効果もある。保磁力の
低下により粒子の凝集が抑制され、分散性が向上する。
また、粒子の凝集を抑制することにより、配向度が向上
する。粒子に導入された結晶歪は、後の焼結工程におい
て解放され、保磁力が回復することによって永久磁石と
することができる。なお、乾式粗粉砕の際には、通常、
SiO2 と、焼成によりCaOとなるCaCO3 とが添
加される。SiO2 は、一部を仮焼前に添加してもよ
い。不純物および添加されたSiは、大部分粒界や三重
点部分に偏析するが、一部は粒内のフェライト部分(主
相)にも取り込まれる。
【0063】乾式粗粉砕の後、フェライト粒子と水とを
含む粉砕用スラリーを調製し、これを用いて湿式粉砕を
行うことが好ましい。
【0064】湿式粉砕後、粉砕用スラリーを濃縮して成
形用スラリーを調製する。濃縮は、遠心分離やフィルタ
ープレス等によって行えばよい。
【0065】成形は、乾式で行っても湿式で行ってもよ
いが、配向度を高くするためには、湿式成形を行うこと
が好ましい。
【0066】湿式成形工程では、成形用スラリーを用い
て磁場中成形を行う。成形圧力は0.1〜0.5ton/cm
2 程度、印加磁場は5〜15kOe 程度とすればよい。
【0067】湿式成形では、非水系の分散媒を用いても
よく、水系の分散媒を用いてもよい。非水系の分散媒を
用いる場合には、例えば特開平6−53064号公報に
記載されているように、トルエンやキシレンのような有
機溶媒に、例えばオレイン酸のような界面活性剤を添加
して、分散媒とする。このような分散媒を用いることに
より、分散しにくいサブミクロンサイズのフェライト粒
子を用いた場合でも最高で98%程度の高い磁気的配向
度を得ることが可能である。一方、水系の分散媒として
は、水に各種界面活性剤を添加したものを用いればよ
い。
【0068】成形工程後、成形体を大気中、または窒素
中の雰囲気において100〜500℃の温度で熱処理し
て、添加した分散剤を十分に分解除去する。次いで焼結
工程において、成形体を例えば大気中、好ましくは酸素
分圧0.2atm 超、特に0.4〜1.0atm の雰囲気で
好ましくは1150〜1270℃、より好ましくは11
60〜1240℃の温度で0.5〜3時間程度焼結し
て、異方性フェライト焼結磁石を得る。
【0069】本発明の焼結磁石の平均結晶粒径は、好ま
しくは2μm以下、より好ましくは1μm以下、さらに好
ましくは0.5〜1.0μmであるが、本発明では平均
結晶粒径が1μmを超えていても、比較的高い保磁力が
得られる。結晶粒径は走査型電子顕微鏡によって測定す
ることができる。なお、比抵抗は10-1Ωm 以上程度の
値である。
【0070】なお、前記成形体をクラッシャー等を用い
て解砕し、ふるい等により平均粒径が100〜700μ
m程度となるように分級して磁場配向顆粒を得、これを
乾式磁場成形した後、焼結することにより焼結磁石を得
てもよい。
【0071】本発明には、薄膜磁性層を有する磁気記録
媒体も包含される。この薄膜磁性層は、上記した本発明
のフェライト粒子と同様に、上記式Iで表わされる六方
晶フェライト相を有する酸化物磁性材料を含有する。ま
た、不純物等の含有量は上記酸化物磁性材料と同等であ
る。
【0072】薄膜磁性層の形成には、通常、スパッタリ
ング法によることが好ましい。スパッタリング法による
場合、上記焼結磁石をターゲットとして用いてもよく、
少なくとも2種の酸化物ターゲットを用いる多元スパッ
タリング法によってもよい。スパッタリング膜形成後、
六方晶マグネトプランバイト構造を形成するために、熱
処理を施す場合もある。
【0073】本発明の酸化物磁性材料を応用することに
より、一般に次に述べるような効果が得られ、優れた応
用製品を得ることができる。すなわち、従来のフェライ
ト製品と同一形状であれば、磁石から発生する磁束密度
を増やすことができるため、モータであれば高トルク化
等を実現でき、スピーカーやヘッドホーンであれば磁気
回路の強化により、リニアリティーのよい音質が得られ
るなど応用製品の高性能化に寄与できる。また、従来と
同じ機能でよいとすれば、磁石の大きさ(厚み)を小さ
く(薄く)でき、小型軽量化(薄型化)に寄与できる。
また、従来は界磁用の磁石を巻線式の電磁石としていた
ようなモータにおいても、これをフェライト磁石で置き
換えることが可能となり、軽量化、生産工程の短縮、低
価格化に寄与できる。さらに、保磁力(HcJ)の温度特
性に優れているため、従来はフェライト磁石の低温減磁
(永久減磁)の危険のあった低温環境でも使用可能とな
り、特に寒冷地、上空域などで使用される製品の信頼性
を著しく高めることができる。
【0074】本発明の酸化物磁性材料を用いたボンディ
ッド磁石、焼結磁石は所定の形状に加工され、下記に示
すような幅広い用途に使用される。
【0075】例えば、フュエールポンプ用、パワーウイ
ンド用、ABS用、ファン用、ワイパ用、パワーステア
リング用、アクティブサスペンション用、スタータ用、
ドアロック用、電動ミラー用等の自動車用モータ;FD
Dスピンドル用、VTRキャプスタン用、VTR回転ヘ
ッド用、VTRリール用、VTRローディング用、VT
Rカメラキャプスタン用、VTRカメラ回転ヘッド用、
VTRカメラズーム用、VTRカメラフォーカス用、ラ
ジカセ等キャプスタン用、CD,LD,MDスピンドル
用、CD,LD,MDローディング用、CD,LD光ピ
ックアップ用等のOA、AV機器用モータ;エアコンコ
ンプレッサー用、冷蔵庫コンプレッサー用、電動工具駆
動用、扇風機用、電子レンジファン用、電子レンジプレ
ート回転用、ミキサ駆動用、ドライヤーファン用、シェ
ーバー駆動用、電動歯ブラシ用等の家電機器用モータ;
ロボット軸、関節駆動用、ロボット主駆動用、工作機器
テーブル駆動用、工作機器ベルト駆動用等のFA機器用
モータ;その他、オートバイ用発電器、スピーカ・ヘッ
ドホン用マグネット、マグネトロン管、MRI用磁場発
生装置、CD−ROM用クランパ、ディストリビュータ
用センサ、ABS用センサ、燃料・オイルレベルセン
サ、マグネットラッチ等に好適に使用される。
【0076】
【実施例】実施例1〔z=1,CaLaCoフェライト
の大気中および酸素中焼成〕 Ca1-x1Lax1Fe12-x1Cox1 で、x=y=0〜1、
Z=1とし、Ca:La:Co:Feが上式の比になる
よう、原料を秤量混合した。使用した原料は、α−Fe
23(工業用)、La23(99.9%)、CaC
3、酸化コバルト(試薬、Co34、:85%、Co
O:15%の混合物)である。この際、SiO2(0.
4wt%)を同時に添加した。秤量した原料は、湿式アト
ライターにて混合後、乾燥した。得られた混合粉末をバ
ッチ炉にて、1200℃で3時間大気中で仮焼を行っ
た。
【0077】その後、仮焼粉末にSiO2(0.4wt
%)、CaCO3(1.25wt%)およびエタノールを
1ml添加し、乾式振動型ロッドミルで20分間粉砕し
た。粉砕された粉体にオレイン酸を1.3wt%添加し
て、キシレン中でボールミル粉砕を40時間行った。得
られたスラリーは遠心分離機により、スラリー濃度が約
85%になるように調整した。次に約10kOeの磁界中
にて湿式プレス(プレス圧力0.4ton/cm2)を行い、
30φ×15mmの円柱試料を作製した。得られた成形体
は、それぞれ焼結温度T2=1220℃で、大気中と、
酸素中とで各々1時間焼成を行い、各サンプルを作製し
た。得られた各サンプルの組成対磁気特性(HcJ、B
r)を測定した。結果を図1に示す。
【0078】<結果>図1から明らかなように、Ca系
の場合、x=y=0.4〜0.6の範囲で、Brおよび
HcJが共に増加し、大気中で焼成したサンプルと、酸素
中で焼成したサンプルとでは特性に大きな違いが生じ、
大気中焼成ではx=y=0.4のとき3.1kOeである
のに対し、酸素中では4.2kOeと大幅に増大してい
た。
【0079】実施例2〔zをずらした組成(z=0.8
5,0.95)のCaLaCoフェライト〕 仮焼温度を1200℃とし、表1に示す組成および添加
条件とした以外は実施例1と同様の方法で焼結体サンプ
ルを作製した。図2に、焼成温度を1220℃とし、焼
成雰囲気を変化させた場合の焼結体磁気特性を示す。ま
た、表1のサンプルNo. 2について焼成雰囲気を酸素1
00%とし、焼成温度を1200℃〜1240℃に変化
させたときの磁気特性を表2に示す。
【0080】
【表1】
【0081】
【表2】
【0082】図2から明らかなように、サンプル2(z
=0.85でかつCaCO3 =1wt%後添加の条件)
で、酸素中焼成した場合にSrLaCo系と同等の高い
特性(4.5 kG×4.5 kOe)が得られた。また、表
2から明らかなように、焼成雰囲気を酸素100%とし
たときは、1220℃の焼成温度のときに最も高い特性
が得られた。
【0083】実施例3〔仮焼材および粉砕材のSEM観
察〕 x=y=0.5、z=0.85の組成の1250℃仮焼
材およびボールミル粉砕粉のSEM(透過型電子顕微
鏡)写真を図3〜図5にそれぞれ示す。ここで、図3は
仮焼体粒子の表面写真、図4はその拡大写真、図5はボ
ールミル40時間粉砕粉の写真である。図3、4から明
らかなように、仮焼材の一次粒子は、厚さ1μm で粒径
3〜10μm という、アスペクト比が非常に大きい板状
結晶となっていた。しかも、幅が10〜20μm の範囲
で粒子が配向しているという、極めて特異的な状態が観
察された。図5から明らかなように、ボールミル粉砕後
の粒子は、ほぼ1μm 以下の大きさであった。
【0084】実施例4〔x=y=0.5,z=0.8
5、酸素中1220℃焼結体のσ−T測定〕 x=y=0.5,z=0.85とし、酸素中1220℃
で焼結したサンプルのσ−T特性を測定した。結果を図
6に示す。
【0085】図6から明らかなように、ほぼTc=42
0℃であるが、最終的には433℃で磁化が消失した。
また、室温(25℃)から+125℃までのσの温度係
数は、−0.194%/℃であり、従来の組成のM型S
rフェライトと同じであった。
【0086】実施例5〔x=y=0.5,z=0.8
5、酸素中1200℃および1220℃の焼結体の組
織〕 x=y=0.5,z=0.85の組成で、酸素中120
0℃および1220℃で焼結したサンプルの、c面と、
a面を観察した。その写真を図7〜10に示す。ここ
で、図7は酸素中1200℃のc面、図8は酸素中12
20℃のc面、図9は酸素中1200℃のa面、図10
は酸素中1220℃のa面写真である。
【0087】図7〜10から明らかなように、2〜3μ
m の比較的大きなグレインが多数存在し、アスペクト比
も2以上の大きな値となっていることがわかる。しかし
ながら、このように大きなグレインを多数有しているに
もかかわらず、4.2 kOe以上のHcJが得られているこ
とから、本発明のフェライトは、その結晶磁気異方性が
かなり大きいことが予想される。
【0088】実施例6〔x=y=0.5,z=0.8
5、酸素中1240℃焼結体の異方性磁場(HA )の測
定〕 x=y=0.5,z=0.85の組成で、酸素中124
0℃で焼成し、焼結体を約12mm角の立方体に加工した
後、空気中1000℃でアニールしたサンプルのa軸方
向と、c軸方向の磁化曲線をそれぞれ測定した。これら
から異方性磁場HA の値を求めたところ、HA =20.
6 kOeであった。これは、従来のSrMの値である18
〜19 kOeよりも10%程度高い値である。
【0089】実施例7〔x=y=0.5,z=0.8
5、酸素中1220℃焼結体の焼結体のHcJの温度特
性〕 x=y=0.5,z=0.85の組成で、酸素中122
0℃で焼成した焼結体サンプルをVSM(振動式磁力
計)により、−196℃〜+143℃でのI−Hヒステ
リシスを測定した。その結果、この温度範囲ではたかだ
か0.3kOeしか変化せず、HcJの温度特性が非常に優
れていることがわかった。このとき、25℃におけるH
cJは、4.5kOeであった。
【0090】実施例8〔CaRCo系組成(R=La,
Ce,Pr,Nd,Sm,Gd,Tb,Y)の検討/仮
焼粉〕 組成を、 Ca0.50.5Fe10Co0.5 (R=La,Ce,P
r,Nd,Sm,Gd,Tb,Y ただし、 R=Ce
の場合は、Ca0.750.25Fe10Co0.5 ) とした以外は、実施例1と同様の方法で原料の配合混合
を行い、空気中1000〜1300℃で1時間仮焼を行
い、VSMにより磁気特性を評価した。表3に、仮焼後
の粉体のσs(emu/g)を示す。
【0091】
【表3】
【0092】表3から明らかなように、R=Laのみが
1150℃以上の仮焼温度で高いσsを示した。これ
は、La以外では、α−Fe23 やオルソフェライト
が生成しやすく、M相の成長率が低いためである。
【0093】実施例9〔CaLaM系組成(M=Co,
Ni)の検討/仮焼粉と焼結体〕 組成を、 Ca0.5La0.5Fe100.5 (M=Co,Ni) とした以外は、実施例1と同様にして仮焼体および焼結
体を作成し、磁気特性を評価した。図11に仮焼後の粉
体のσsを示す。
【0094】図11から、1200℃以上の仮焼温度で
60emu/g 以上のσsが得られていることがわかる。
【0095】また、乾式ロッドミルで粉砕を行った粉砕
粉を、空気中で900〜1100℃でアニール処理を行
い、VSMにより磁気特性を評価した。結果を表4に示
す。また、焼結体の磁気特性を表5に示す。
【0096】
【表4】
【0097】
【表5】
【0098】表4,5から明らかなように、本発明のフ
ェライト磁石は、特にHcJの温度特性に優れていること
がわかる。
【0099】実施例10 Ca1-x1Lax1Fe12-x1Cox1でx1=0,0.1,
0.2,0.3,0.4,0.6,0.8,1.0組成
を上式とした以外は、実施例1と同様の方法で焼結体を
作製し評価した。ただし、焼成温度は1200℃であ
る。
【0100】<結果>HcJの温度依存性を図12に示
す。特に、x1=0.6でHcJの温度に対する変化は無
くなった。
【0101】保磁力(HcJ)、Brの組成依存性を図1
3に示し、磁気的配向度(Ir/Is)、角形比(Hk/H
cJ)の組成依存性を図14に示す。x=0.6でBrは
約4kG、HcJは3kOe以上の値となった。
【0102】実施例11 Sr0.4-x2Cax2La0.6Co0.6Fe11.4でx2=0,
0.2,0.4の組成を上記とした以外は実施例10と
同様にして焼結体を作製して評価した。
【0103】<結果>HcJの温度に対する変化率はほぼ
ゼロであった。1200℃で焼成した焼結体の磁気特性
を図15、図16に示す。x2=0.2の時、Brは
4.4kG以上で、HcJは2.5kOe以上の値であっ
た。XRDから各組成における相状態を表6に示す。H
cJの温度特性はほぼ0であった。また仮焼体のHcJの温
度特性もほぼ0であった。
【0104】以上の実施例から、本発明の効果が明らか
である。
【0105】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、飽和磁化
と磁気異方性が共に高い六方晶フェライトを実現するこ
とにより、従来の六方晶フェライト磁石では達成不可能
であった高い残留磁束密度と高い保磁力とを有するフェ
ライト磁石を提供できる。また、高い残留磁束密度と高
い保磁力とを有すると共に、保磁力の温度特性が極めて
優れ、特に低温域においても保磁力の低下が少ないフェ
ライト磁石を提供することができる。また、粒径1μm
を超える比較的粗いフェライト粒子を用いて高残留磁束
密度と高保磁力とを有するフェライト磁石を実現するこ
とができる。また、高い残留磁束密度を有し、熱的にも
安定な磁気記録媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】Ca1-x1Lax1Fe12-x1Cox1 (A=Ca)
で、x=y=0〜1、Z=1としたときの磁気特性(B
r、HcJ)を示すグラフである。
【図2】焼成温度を1220℃とし、焼成雰囲気を変化
させた場合の焼結体磁気特性を示すグラフである。
【図3】x=y=0.5、z=0.85の組成の125
0℃仮焼材の仮焼体粒子の表面を写した図面代用SEM
写真である。
【図4】図3の拡大写真である。
【図5】x=y=0.5、z=0.85の組成の125
0℃ボールミル粉砕粉を写した図面代用SEM写真であ
る。
【図6】x=y=0.5,z=0.85とし、酸素中1
220℃で焼結したサンプルのσ−T特性を示すグラフ
である。
【図7】x=y=0.5,z=0.85の組成で、酸素
中1200℃で焼結したサンプルの、c面を観察した図
面代用写真である。
【図8】x=y=0.5,z=0.85の組成で、酸素
中1220℃で焼結したサンプルの、c面を観察した図
面代用写真である。
【図9】x=y=0.5,z=0.85の組成で、酸素
中1200℃で焼結したサンプルの、a面を観察した図
面代用写真である。
【図10】x=y=0.5,z=0.85の組成で、酸
素中1220℃で焼結したサンプルの、a面を観察した
図面代用写真である。
【図11】Ca0.5La0.5Fe100.5 (M=Co,
Ni)での仮焼体のσsを示したグラフである。
【図12】Caフェライト焼結体についてLaおよびC
oの置換率(x1)と保磁力の温度依存性との関係を示
すグラフである。
【図13】Caフェライト焼結体についてLaおよびC
oの置換率(x1)と磁気特性との関係を示すグラフで
ある。
【図14】Caフェライト焼結体についてLaおよびC
oの置換率(x1)と磁気特性との関係を示すグラフで
ある。
【図15】SrCaフェライトについて、Ca置換率
(x2)と磁気特性との関係を示したグラフである。
【図16】SrCaフェライトについて、Ca置換率
(x2)と磁気特性との関係を示したグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01F 41/02 C04B 35/64 N (72)発明者 皆地 良彦 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 テ ィーディーケイ株式会社内 (72)発明者 川上 みゆき 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 テ ィーディーケイ株式会社内 (56)参考文献 特開 平9−115715(JP,A) 特開 昭60−63715(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01F 1/11 C04B 35/645 G11B 5/66 G11B 5/706 H01F 1/113 H01F 41/02

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 六方晶構造を有するフェライトを主相と
    し、 CoおよびNiから選択される1種または2種をMと
    し、 希土類元素(Yを含む)およびBiから選択される少な
    くとも1種の元素であってLaを必ず含むものをRとし
    たとき、 Ca,R,FeおよびMを含有し、 前記Ca,R,FeおよびMそれぞれの金属元素の総計
    の構成比率が、全金属元素量に対し、 Ca: 1〜13原子%、 R:0.05〜10原子%、 Fe: 80〜95原子%、 M: 1〜7 原子% である酸化物磁性材料。
  2. 【請求項2】 前記Ca,R,FeおよびMそれぞれの
    金属元素の組成比を式I Ca1-xx(Fe12-yyz
    19 と表したとき、 0.2≦x≦0.8、 0.2≦y≦1.0、 0.5≦z≦1.2 である請求項1の酸化物磁性材料。
  3. 【請求項3】 前記M中のCoの比率が10原子%以上
    である請求項1または2の酸化物磁性材料。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかの酸化物磁性材
    料を含有するフェライト粒子。
  5. 【請求項5】 −50〜50℃における保磁力の温度変
    化△HcJ/△Tが−5〜5Oe/℃である請求項4のフェ
    ライト粒子。
  6. 【請求項6】 請求項4または5のフェライト粒子を含
    有するボンディット磁石。
  7. 【請求項7】 請求項4または5のフェライト粒子を含
    有する磁気記録媒体。
  8. 【請求項8】 請求項1〜3のいずれかの酸化物磁性材
    料を含有する焼結磁石。
  9. 【請求項9】 −50〜50℃における保磁力の温度変
    化△HcJ/△Tが−5〜10Oe/℃である請求項8の焼
    結磁石。
  10. 【請求項10】 25℃での固有保磁力HcJ(単位kO
    e)と残留磁束密度Br(単位kG)とが、HcJ≧4のと
    き 式IV Br+1/3HcJ≧5.75 を満足し、HcJ<4のとき 式V Br+1/10HcJ≧4.82 を満足する請求項8または9の焼結磁石。
  11. 【請求項11】 酸素分圧が0.05atm 超の雰囲気中
    で仮焼または焼成して請求項4または5のフェライト粒
    子を得るフェライト粒子の製造方法。
  12. 【請求項12】 酸素分圧が0.2atm 超の雰囲気中で
    仮焼または焼成して請求項8〜10の焼結磁石を得る焼
    結磁石の製造方法。
JP28601298A 1997-09-19 1998-09-21 酸化物磁性材料、フェライト粒子、ボンディット磁石、焼結磁石、これらの製造方法および磁気記録媒体 Expired - Lifetime JP3181559B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28601298A JP3181559B2 (ja) 1997-09-19 1998-09-21 酸化物磁性材料、フェライト粒子、ボンディット磁石、焼結磁石、これらの製造方法および磁気記録媒体

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27392897 1997-09-19
JP9-273928 1998-07-03
JP10-204433 1998-07-03
JP20443398 1998-07-03
JP28601298A JP3181559B2 (ja) 1997-09-19 1998-09-21 酸化物磁性材料、フェライト粒子、ボンディット磁石、焼結磁石、これらの製造方法および磁気記録媒体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000223307A JP2000223307A (ja) 2000-08-11
JP3181559B2 true JP3181559B2 (ja) 2001-07-03

Family

ID=27328360

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28601298A Expired - Lifetime JP3181559B2 (ja) 1997-09-19 1998-09-21 酸化物磁性材料、フェライト粒子、ボンディット磁石、焼結磁石、これらの製造方法および磁気記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3181559B2 (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007060757A1 (ja) 2005-11-25 2007-05-31 Hitachi Metals, Ltd. 酸化物磁性材料及びその製造方法、並びにフェライト焼結磁石及びその製造方法
WO2007105398A1 (ja) 2006-03-10 2007-09-20 Hitachi Metals, Ltd. 回転機、ボンド磁石、マグネットロール、及びフェライト焼結磁石の製造方法
WO2011001831A1 (ja) 2009-06-30 2011-01-06 日立金属株式会社 フェライト焼結磁石の製造方法及びフェライト焼結磁石
WO2011111756A1 (ja) 2010-03-10 2011-09-15 日立金属株式会社 フェライト焼結磁石及びその製造方法
EP2378519A1 (en) 2005-12-28 2011-10-19 Hitachi Metals, Ltd. Oxide magnetic material
WO2012090935A1 (ja) 2010-12-28 2012-07-05 日立金属株式会社 フェライト焼結磁石及びその製造方法
WO2014021149A1 (ja) 2012-07-31 2014-02-06 日立金属株式会社 フェライト焼結磁石の製造方法及びフェライト焼結磁石
WO2014034401A1 (ja) 2012-08-31 2014-03-06 日立金属株式会社 フェライト仮焼体、フェライト焼結磁石の製造方法及びフェライト焼結磁石
WO2014050433A1 (ja) 2012-09-28 2014-04-03 日立金属株式会社 フェライト焼結磁石及びその製造方法

Families Citing this family (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4285797B2 (ja) * 1998-02-10 2009-06-24 Tdk株式会社 磁石粉末、焼結磁石、ボンディッド磁石及びモータ
US7758767B2 (en) * 2004-09-10 2010-07-20 Neomax Co., Ltd. Oxide magnetic material and sintered magnet
JP4720994B2 (ja) * 2004-09-21 2011-07-13 Tdk株式会社 フェライト磁性材料の製造方法
JP4591684B2 (ja) * 2005-01-27 2010-12-01 Tdk株式会社 フェライト磁性材料及びその製造方法
US7919007B2 (en) * 2005-12-19 2011-04-05 Tdk Corporation Ferrite magnetic material
CN101542646B (zh) 2007-03-01 2012-07-11 Tdk株式会社 铁氧体烧结磁铁
JP5521287B2 (ja) * 2008-06-18 2014-06-11 日立金属株式会社 磁気記録媒体用フェライト粒子
KR20140114057A (ko) 2009-07-08 2014-09-25 티디케이가부시기가이샤 페라이트 자성 재료
KR102231072B1 (ko) * 2013-04-03 2021-03-22 도다 고교 가부시끼가이샤 본드 자석용 페라이트 입자 분말, 본드 자석용 수지 조성물 및 그것들을 사용한 성형체
WO2015050119A1 (ja) 2013-10-02 2015-04-09 戸田工業株式会社 ボンド磁石用フェライト粒子粉末、ボンド磁石用樹脂組成物ならびにそれらを用いた成型体
WO2016052483A1 (ja) * 2014-10-01 2016-04-07 戸田工業株式会社 ボンド磁石用フェライト粒子粉末、ボンド磁石用樹脂組成物ならびにそれらを用いた成型体
JP7247467B2 (ja) * 2017-03-23 2023-03-29 株式会社プロテリアル フェライト焼結磁石の製造方法及びフェライト焼結磁石
JP7135490B2 (ja) * 2018-06-21 2022-09-13 Tdk株式会社 フェライト焼結磁石、モータ、及び発電機
JP6988563B2 (ja) * 2018-02-26 2022-01-05 Tdk株式会社 フェライト焼結磁石、及び回転機
DE102019104583A1 (de) 2018-02-26 2019-08-29 Tdk Corporation Ferrit-sintermagnet, motor und generator
JP7056404B2 (ja) * 2018-02-26 2022-04-19 Tdk株式会社 フェライト焼結磁石、モータ、及び発電機
WO2020162295A1 (ja) * 2019-02-08 2020-08-13 株式会社村田製作所 軟磁性組成物、焼結体、複合体、ペースト、コイル部品、及び、アンテナ
WO2022030601A1 (ja) * 2020-08-06 2022-02-10 株式会社村田製作所 軟磁性組成物、焼結体、複合体、ペースト、コイル部品およびアンテナ
CN112159219A (zh) * 2020-09-29 2021-01-01 成都信息工程大学 掺杂钇的镍锌钴铁氧体及其制备方法
CN115594498B (zh) * 2021-06-28 2023-08-22 浙江工业大学 一种低温粘结z型铁氧体材料及其制备方法与应用
CN116120049B (zh) * 2023-02-17 2024-01-19 矿冶科技集团有限公司 钙镧钴铁氧体磁体的制备方法、钙镧钴铁氧体磁体和应用

Cited By (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007060757A1 (ja) 2005-11-25 2007-05-31 Hitachi Metals, Ltd. 酸化物磁性材料及びその製造方法、並びにフェライト焼結磁石及びその製造方法
EP2378519A1 (en) 2005-12-28 2011-10-19 Hitachi Metals, Ltd. Oxide magnetic material
EP3467828A1 (en) 2005-12-28 2019-04-10 Hitachi Metals, Ltd. Method of preparing a sintered magnet
WO2007105398A1 (ja) 2006-03-10 2007-09-20 Hitachi Metals, Ltd. 回転機、ボンド磁石、マグネットロール、及びフェライト焼結磁石の製造方法
EP2244269A1 (en) 2006-03-10 2010-10-27 Hitachi Metals, Ltd. Method for producing sintered ferrite magnet
KR101375431B1 (ko) * 2006-03-10 2014-03-17 히타치 긴조쿠 가부시키가이샤 회전기, 본드 자석, 마그넷 롤 및 페라이트 소결 자석의 제조 방법
US9162928B2 (en) 2009-06-30 2015-10-20 Hitachi Metals, Ltd. Method for producing sintered ferrite magnet, and sintered ferrite magnet
WO2011001831A1 (ja) 2009-06-30 2011-01-06 日立金属株式会社 フェライト焼結磁石の製造方法及びフェライト焼結磁石
US9773593B2 (en) 2009-06-30 2017-09-26 Hitachi Metals, Ltd. Method for producing sintered ferrite magnet, and sintered ferrite magnet
WO2011111756A1 (ja) 2010-03-10 2011-09-15 日立金属株式会社 フェライト焼結磁石及びその製造方法
US9401235B2 (en) 2010-12-28 2016-07-26 Hitachi Metals, Ltd. Sintered ferrite magnet and its production method
WO2012090935A1 (ja) 2010-12-28 2012-07-05 日立金属株式会社 フェライト焼結磁石及びその製造方法
US9601247B2 (en) 2012-07-31 2017-03-21 Hitachi Metals, Ltd. Sintered ferrite magnet and its production method
WO2014021149A1 (ja) 2012-07-31 2014-02-06 日立金属株式会社 フェライト焼結磁石の製造方法及びフェライト焼結磁石
WO2014034401A1 (ja) 2012-08-31 2014-03-06 日立金属株式会社 フェライト仮焼体、フェライト焼結磁石の製造方法及びフェライト焼結磁石
JPWO2014034401A1 (ja) * 2012-08-31 2016-08-08 日立金属株式会社 フェライト仮焼体、フェライト焼結磁石の製造方法及びフェライト焼結磁石
US9601248B2 (en) 2012-08-31 2017-03-21 Hitachi Metals, Ltd. Calcined ferrite, sintered ferrite magnet and its production method
WO2014050433A1 (ja) 2012-09-28 2014-04-03 日立金属株式会社 フェライト焼結磁石及びその製造方法
US9536646B2 (en) 2012-09-28 2017-01-03 Hitachi Metals, Ltd. Sintered ferrite magnet and its production method

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000223307A (ja) 2000-08-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3181559B2 (ja) 酸化物磁性材料、フェライト粒子、ボンディット磁石、焼結磁石、これらの製造方法および磁気記録媒体
US6139766A (en) Oxide magnetic material, ferrite particle, sintered magnet, bonded magnet, magnetic recording medium and motor
US6402980B1 (en) Oxide magnetic material, ferrite particles, bonded magnet, sintered magnet, process for producing the same, and magnetic recording medium
JP3163279B2 (ja) 焼結磁石およびモータ
US6258290B1 (en) Magnet powder, sintered magnet, process for producing them, bonded magnet, motor and magnetic recording medium
JP2897871B2 (ja) 磁石粉末、焼結磁石、ボンディッド磁石および磁気記録媒体
US6248253B1 (en) Hexagonal ferrite magnets
JP3157142B2 (ja) 焼結磁石およびモータ
JP4647731B2 (ja) 磁石粉末、焼結磁石、それらの製造方法、ボンディッド磁石および磁気記録媒体
JP3262321B2 (ja) 六方晶フェライト焼結磁石の製造方法
JP4709338B2 (ja) 六方晶フェライト磁石粉末と六方晶フェライト焼結磁石の製造方法
JP3337990B2 (ja) 酸化物磁性材料、フェライト粒子、焼結磁石、ボンディッド磁石、磁気記録媒体およびモータ
JP3263694B2 (ja) 六方晶フェライト焼結磁石
JP3935325B2 (ja) フェライト磁石の製造方法
JP4285797B2 (ja) 磁石粉末、焼結磁石、ボンディッド磁石及びモータ
JP4301539B2 (ja) 乾式成形焼結磁石の製造方法
JPH1197226A (ja) 磁石粉末、焼結磁石、ボンディッド磁石、磁気記録媒体およびモータ
JP2001068321A (ja) 酸化物磁性材料、フェライト粒子、焼結磁石、ボンディッド磁石、磁気記録媒体およびモータ
JP2001223104A (ja) 焼結磁石の製造方法
JPH1197225A (ja) 異方性焼結磁石、ボンディッド磁石および磁気記録媒体
JP3183869B2 (ja) 六方晶フェライト磁石
JP3297023B2 (ja) 磁石粉末、焼結磁石、これらの製造方法、ボンディッド磁石、モータおよび磁気記録媒体
JP2000277312A (ja) 焼結磁石およびその製造方法
JP2000138116A (ja) 六方晶フェライト磁石

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20010403

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080420

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090420

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090420

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100420

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110420

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110420

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120420

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130420

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140420

Year of fee payment: 13

EXPY Cancellation because of completion of term