JP4591684B2 - フェライト磁性材料及びその製造方法 - Google Patents
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Description
近年、電子部品の小型化、高性能化への要求が高まっており、それに伴ってフェライト焼結磁石への小型化、高性能化が強く要求されている。例えば、特開平11−154604号公報(特許文献1)、特開平11−195516号公報(特許文献2)、特開2000−195715号公報(特許文献3)には、従来のM型フェライト焼結磁石では達成不可能であった高い残留磁束密度と高い保持力とを有する、フェライト焼結磁石が提案されている。このフェライト焼結磁石は、少なくともSr、La及びCoを含有するためLa−Coフェライトと称される。
本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、La−Coフェライトの残留磁束密度(Br)を向上することを目的とする。
<x>
好ましい範囲:0.7≦x≦0.84、より好ましい範囲:0.75≦x≦0.82
<y>
好ましい範囲:0.3≦y≦0.55、より好ましい範囲:0.35≦y≦0.52
<z>
好ましい範囲:0.82≦z≦1.08、より好ましい範囲:0.84≦z≦1.06
仮焼工程の温度を1370〜1430℃、焼成工程の温度を1280〜1320℃とすることが本発明にとって好ましい。
特許文献1は、上記組成式(1)のx及びyについて、0.04≦x≦0.9、0.04≦y≦0.5であることを開示している。特許文献1は、好ましいx及びyを以下のように示している。
<x>
好ましい範囲:0.04≦x≦0.6
より好ましい範囲:0.04≦x≦0.5
さらに好ましい範囲:0.1≦x≦0.4
<y>
好ましい範囲:0.1≦y≦0.4
つまり、本発明のフェライト磁性材料は、元素R及び元素Meの量が多くM相単相が得られにくい組成において、M相の比率を向上しようとしたものである。この点については、本発明の製造方法の説明、実施例の記載から明らかになる。
A:
Aは、Sr、Ba、Ca及びPbから選択される少なくとも1種の元素である。Aの中ではSrを用いるのが保磁力(HcJ)向上の観点から最も好ましい。
上記組成式(1)においてxが0.6未満になると小さすぎると、すなわちRの量が少なすぎると、残留磁束密度(Br)が4.6kGを超えるM相を得ることができない。しかし、xが0.84を超えると、M相比率の低下により残留磁束密度(Br)が低下する。そこで本発明は0.6≦x≦0.84とする。好ましいxの値は0.7≦x≦0.84、さらに好ましいxの値は0.75≦x≦0.82である。
Rは、希土類元素(Yを含む)及びBiから選択される少なくとも1種の元素であるが、Rの中ではLaを用いるのが残留磁束密度(Br)向上の観点から好ましい。そのため、本発明ではLaを必須とする。
Co又はCo+Zn量を示すyもxと同様、本発明においては高い残留磁束密度(Br)を得るために高めに設定する。つまり、yが0.3未満では95モル%以上のM相の存在比率を得ることが困難である。一方、yが0.6を超えると六方晶M型フェライト中に置換固溶できない過剰な元素Meが存在することになる。そこで本発明は0.3≦y≦0.6とする。好ましいyの値は0.3≦y≦0.55、さらに好ましいyの値は0.35≦y≦0.52である。
zが小さすぎると、A及びRを含む非磁性相が増えるため、飽和磁化が低くなってくる。一方、zが大きすぎると、α−Fe2O3相又は、Meを含む非磁性スピネルフェライト相が増えるため、飽和磁化が低くなってくる。そこで本発明は0.8≦z≦1.1とする。好ましいzの値は0.82≦z≦1.08、さらに好ましいzの値は0.84≦z≦1.06である。
また、本発明のフェライト磁性材料におけるM相の存在は、以下の条件によるX線回折や電子線回折などにより確認することができる。また本発明におけるM相の組織中に占めるモル比は、M型フェライト、W型フェライト、ヘマタイト、スピネルそれぞれの粉末試料を所定比率で混合し、その混合物について得られたX線回折強度と、実際に製造されたフェライト磁性材料について得られたX線回折強度とを比較算定することにより算出した。
管電圧:45kV
管電流:40mA
サンプリング幅:0.02deg
走査速度:4.00deg/min
発散スリット:1.00deg
散乱スリット:1.00deg
受光スリット:0.30mm
Si成分としてはSiO2を、Ca成分としてはCaCO3を、それぞれを使用するのが好ましいが、この例に限定されるものではなく、他の化合物を適宜使用することができる。添加量は、Si成分について好ましくは、SiO2換算で0.15〜1.35wt%で、かつCa成分のモル量とSi成分のモル量の比Ca/Siが0.35〜2.10、より好ましくはSiO2換算で0.30〜0.90wt%で、Ca/Siが0.70〜1.75、さらに好ましくはSiO2換算で0.45〜0.90wt%で、Ca/Siが1.05〜1.75である。
本発明によるフェライト焼結磁石、及びボンディッド磁石は所定の形状に加工され、以下に示すような幅広い用途に使用される。例えば、フューエルポンプ用、パワーウィンド用、ABS(アンチロック・ブレーキ・システム)用、ファン用、ワイパ用、パワーステアリング用、アクティブサスペンション用、スタータ用、ドアロック用、電動ミラー用等の自動車用モータとして使用することができる。また、FDDスピンドル用、VTRキャプスタン用、VTR回転ヘッド用、VTRリール用、VTRローディング用、VTRカメラキャプスタン用、VTRカメラ回転ヘッド用、VTRカメラズーム用、VTRカメラフォーカス用、ラジカセ等キャプスタン用、CD/LD/MDスピンドル用、CD/LD/MDローディング用、CD/LD光ピックアップ用等のOA/AV機器用モータとして使用することができる。さらに、エアコンコンプレッサー用、冷凍庫コンプレッサー用、電動工具駆動用、ドライヤーファン用、シェーバー駆動用、電動歯ブラシ用等の家電機器用モータとしても使用することができる。さらにまた、ロボット軸、関節駆動用、ロボット主駆動用、工作機器テーブル駆動用、工作機器ベルト駆動用等のFA機器用モータとしても使用することが可能である。その他の用途としては、オートバイ用発電器、スピーカ・ヘッドホン用マグネット、マグネトロン管、MRI用磁場発生装置、CD−ROM用クランパ、ディストリビュータ用センサ、ABS用センサ、燃料・オイルレベルセンサ、マグネトラッチ、アイソレータ等に、好適に使用される。
本発明のフェライト焼結磁石の製造方法は、配合工程、仮焼工程、粗粉砕工程、微粉砕工程、磁場中成形工程及び焼成工程を含む。
配合工程は、原料粉末を所定の割合となるように秤量後、湿式アトライタ、ボールミル等で1〜20時間程度混合、粉砕処理する。出発原料としては、フェライト構成元素(Fe、元素A、元素R、元素M等)の1種を含有する化合物、またはこれらの2種以上を含有する化合物を用いればよい。化合物としては酸化物、または焼成により酸化物となる化合物、例えば炭酸塩、水酸化物、硝酸塩等を用いる。出発原料の平均粒径は特に限定されないが、通常、0.1〜2.0μm程度とすることが好ましい。出発原料は、仮焼前の本工程ですべてを混合する必要はなく、各化合物の一部または全部を仮焼の後に添加する構成にしても良い。例えば、Co等の元素Meは、一部または全部を後添加とする方が好ましい。なお、本願明細書において、仮焼工程の前に添加する行為を前添加といい、仮焼工程の後に添加する行為を後添加ということにする。
この他、配合工程において、Ca成分を添加(前添加)してもよい。Ca成分はSi成分と同様、六方晶M型フェライトの焼結性の改善、磁気特性の制御、及び焼結体の結晶粒径の調整等を目的として添加される。Ca成分としては、例えばCaCO3、CaO等を使用することができる。Ca成分の添加量は、本工程ですべてを混合する必要はなく、一部、好ましくは全部を後述する後添加としてもよい。
配合工程で得られた原料組成物を仮焼する。仮焼は、通常、空気中等の酸化性雰囲気中で行われる。本発明では、仮焼温度を1350〜1450℃の温度範囲とすることが推奨される。特許文献1は、仮焼を1000〜1350℃の温度範囲で行うべきであることを述べている。つまり、本発明は仮焼の温度が高い。このように高い仮焼温度を採用するのは、高い値に設定したx、yに対応するもので、多量に添加されたLaを十分に元素Aのサイトに置換させ、またCoを十分にFeのサイトに置換させるためである。ここで、十分に置換するとは、置換しきれずに余剰となるLa、Coを十分に少なくすることを意図している。仮焼温度は1370〜1430℃、さらには1390〜1410℃が好ましく、安定時間は1秒間〜10時間、さらには1秒間〜3時間が好ましい。仮焼後の物質は、実質的にマグネトプランバイト(M)型のフェライト構造を有し、その一次粒子径は、好ましくは10μm以下、より好ましくは2μm以下である。
仮焼体は、一般に顆粒状、塊状等になっており、そのままでは所望の形状に成形ができないため、粉砕する。また、所望の最終組成に調整するための原料粉末、及び添加物等を混合するために、粉砕工程が必要である。本工程で主成分、副成分の原料の一部を添加することができ、それが後添加である。粉砕工程は、粗粉砕工程と微粉砕工程に分かれる。なお、仮焼体を所定の粒度に粉砕することにより、ボンディッド磁石用のフェライト磁石粉末とすることもできる。粉砕工程でCoを添加することが磁気特性向上にとって好ましい。
前述のように、仮焼体は一般に顆粒状、塊状等であるので、これを粗粉砕することが好ましい。粗粉砕工程では、振動ミル等を使用し、平均粒径が0.5〜5μmになるまで処理される。なお、ここで得られた粉末を粗粉砕粉と呼ぶことにする。
粗粉砕粉を湿式アトライタ、ボールミル、あるいはジェットミル等によって粉砕し、平均粒径0.08〜2.0μm、好ましくは0.1〜1.0μm、より好ましくは0.2〜0.8μm程度に粉砕する。得られた微粉砕粉の比表面積(BET法により求められる)としては、7〜12m2/g程度とすることが好ましい。粉砕時間は、粉砕方法にもよるが、例えば湿式アトライタでは30分間〜10時間、ボールミルによる湿式粉砕では10〜40時間程度、処理すればよい。
<第1の微粉砕工程>
第1の微粉砕工程では粗粉をアトライタやボールミル、或いはジェットミルなどによって、湿式或いは乾式粉砕して平均粒径で0.08〜0.8μm、好ましくは0.1〜0.4μm、より好ましくは0.1〜0.2μmに粉砕する。この第1の微粉砕工程は、粗粉をなくすこと、さらには磁気特性向上のために焼結後の組織を微細にすることを目的として行うものであり、比表面積(BET法による)としては20〜25m2/gの範囲とするのが好ましい。
粉砕方法にもよるが、粗粉砕粉末をボールミルで湿式粉砕する場合には、粗粉砕粉末200gあたり60〜100時間処理すればよい。
なお、保磁力の向上や結晶粒径の調整のために、第1の微粉砕工程に先立ってCaCO3とSiO2、或いはさらにSrCO3やBaCO3等の粉末を添加してもよい。
粉末熱処理工程では、第1の微粉砕で得られた微粉を600〜1200℃、より好ましくは700〜1000℃で、1秒〜100時間保持する熱処理を行う。
第1の微粉砕を経ることにより0.1μm未満の粉末である超微粉が不可避的に生じてしまう。超微粉が存在すると後続の磁場中成形工程で不具合が生じることがある。例えば、湿式成形時に超微粉が多いと水抜けが悪く成形できない等の不具合が生じる。そこで、本実施の形態では磁場中成形工程に先立ち熱処理を行う。つまり、この熱処理は、第1の微粉砕で生じた0.1μm未満の超微粉をそれ以上の粒径の微粉(例えば0.1〜0.2μmの微粉)と反応させることにより、超微粉の量を減少させることを目的として行うものである。この熱処理により超微粉が減少し、成形性を向上させることができる。このときの熱処理雰囲気は、大気中とすればよい。
続く第2の微粉砕工程では熱処理された微粉砕粉末をアトライタやボールミル、或いはジェットミルなどによって、湿式或いは乾式粉砕して0.8μm以下、好ましくは0.1〜0.4μm、より好ましくは0.1〜0.2μmに粉砕する。この第2の微粉砕工程は、粒度調整やネッキングの除去、添加物の分散性向上を目的として行うものであり、比表面積(BET法による)としては10〜20m2/g、さらには10〜15m2/gの範囲とするのが好ましい。この範囲に比表面積が調整されると、超微粒子が存在していたとしてもその量は少なく、成形性に悪影響を与えない。つまり、第1の微粉砕工程、粉末熱処理工程及び第2の微粉砕工程を経ることにより、成形性に悪影響を与えることなく、かつ焼結後の組織を微細化するという要求を満足することができる。
粉砕方法にもよるが、ボールミルで湿式粉砕する場合には、微粉砕粉末200gあたり10〜40時間処理すればよい。第2の微粉砕工程を第1の微粉砕工程と同程度の条件で行うと超微粉が再度生成されることになることと、第1の微粉砕工程ですでに所望する粒径がほとんど得られていることから、第2の微粉砕工程は、通常、第1の微粉砕工程よりも粉砕条件が軽減されたものとする。ここで、粉砕条件が軽減されているか否かは、粉砕時間に限らず、粉砕時に投入される機械的なエネルギを基準にして判断すればよい。
なお、保磁力の向上や結晶粒径の調整のために、第2の微粉砕工程に先立ってCaCO3とSiO2、或いはさらにSrCO3やBaCO3等の粉末を添加してもよい。
磁場中成形工程は、乾式成形、もしくは湿式成形のいずれの方法でも行うことができるが、磁気的配向度を高くするためには、湿式成形で行うことが好ましい。よって、以下では、湿式成形用スラリーの調製について説明した上で、磁場中成形工程の説明を行う。
湿式成形を行う場合、微粉砕工程を湿式で行い、得られたスラリーを所定の濃度に濃縮し、湿式成形用スラリーとする。濃縮は、遠心分離やフィルタープレス等によって行えば良い。この場合、微粉砕粉が、湿式成形用スラリー中の30〜80wt%程度を占めることが好ましい。また、分散媒としては水が好ましく、さらに、グルコン酸及び/又はグルコン酸塩、ソルビトール等の界面活性剤が添加されていることが好ましい。次いで、湿式成形用スラリーを用いて磁場中成形を行う。成形圧力は0.1〜0.5ton/cm2程度、印加磁場は5〜15kOe程度とすれば良い。なお、分散媒は水に限らず、非水系溶媒を使用しても良い。非水系の分散媒を使用する場合には、トルエンやキシレン等の有機溶媒を使用することができる。この場合には、オレイン酸等の界面活性剤を添加することが好ましい。
得られた成形体を焼成し、焼結体とする。焼成は、通常、空気中等の酸化性雰囲気中で行われる。本発明は、焼成を1250〜1360℃の温度範囲で行うことを推奨する。特許文献1は、焼成温度を1150〜1270℃、好ましくは1160〜1240℃の温度範囲で行うべきであることを述べている。つまり、本発明は焼成温度が高い。このように高い焼成温度を採用するのは、仮焼温度を高く設定することと同様に、高い値に設定したx、yに対応するものである。つまり、多量に添加されたLaが十分に元素Aのサイトを置換させ、またCoが十分にFeのサイトを置換させるためである。ただし、1360℃を超える温度とになると結晶粒が成長しすぎて保磁力(HcJ)の低下が顕著となる。好ましくは1280〜1320℃に保持する時間は0.5〜3時間程度とすれば良い。
組成式(a):Sr1-xLax(Fe12-yCoy)zO19
x=0.65,0.75,0.80,0.83,0.85
y=0.41
z=0.86,0.98
次の微粉砕はボールミルにより2段階で行った。
第1の微粉砕は、得られた粗粉砕粉210gに対して、水400ml及びソルビトールを1.2wt%添加し、湿式ボールミルにて88時間処理した。
第1の微粉砕後に、微粉砕粉末を大気雰囲気中、800℃で10分、1時間保持する条件で熱処理を行った。なお、加熱保持温度までの昇温及び加熱保持温度からの降温の速度は5℃/分とした。
続いて、ボールミルを用いて湿式粉砕する第2の微粉砕を行った。第2の微粉砕は、第1の微粉砕で得られた微粉末に、焼成後の主成分になるように酸化コバルト(Co3O4)を秤量して加えた(後添加)。さらに、焼成後の主成分に対して1.4wt%の炭酸カルシウム(CaCO3)を加えた(後添加)。以上で構成される粉末200gに対して、水400ml及びソルビトールを1.2wt%添加し、湿式ボールミルにて20時間処理した。
(1)同一の組成であっても焼成温度が高くなるにつれてM相の比率が高くなる。
(2)組成式(a)において、x=0.65,0.75,0.83の場合に、M相が95%以上で、かつ4.6kG以上の残留磁束密度(Br)を得ることができる。
(3)No.18〜20は、xの値が高く、かつyも本発明の範囲内にあるが、仮焼温度、焼成温度が低いため、M相比率が低く、残留磁束密度(Br)も低い。
組成式(b):Sr1-xLax(Fe12-yCoy)zO19
x=0.80
y=0.25,0.46,0.51
z=0.98
(1)組成式(b)において、yが0.25の場合にはM相の比率が85モル%に達することができず、残留磁束密度(Br)も4.0kGに達しない。
(2)組成式(b)において、yが0.46、0.51の場合には、1260℃の焼成温度で95%以上のM相の比率、4.6kG以上の残留磁束密度(Br)を得ることができる。
組成式(c):Sr1-xLax(Fe12-yCoy)zO19
x=0.79,0.81,0.82,0.83
y=0.41
z=0.86,0.89,0.94,1.04
組成式(d):Sr1-xLax(Fe12-yCoy)zO19
x=0.80
y=0.41
z=0.98
組成式(e):Ba1-xLax(Fe12-yCoy)zO19
x=0.80
y=0.41
z=0.98
(1)元素AとしてSrの替わりにBaを用いても95モル%以上のM相の比率で4.6kG以上の残留磁束密度(Br)を得ることができる。ただし、Srの方が高い磁気特性を得ることができる。
(2)酸化ケイ素(SiO2)を後添加しても、95モル%以上のM相の比率で4.6kG以上の残留磁束密度(Br)を得ることができる。ただし、酸化ケイ素(SiO2)は前添加した方が高い磁気特性を得ることができる。
組成式(f):Sr1-xLax(Fe12-yCoy)zO19
x=0.80
y=0.41
z=0.98
Claims (6)
- AをSr、Ba、Ca及びPbから選択される少なくとも1種の元素、
Rを希土類元素(Yを含む)及びBiから選択される少なくとも1種の元素であってLaを必ず含むものとし、
MeをCoであるかCo及びZnとし、
A、R、Fe及びMeそれぞれの金属元素の総計の構成比率を
A1-xRx(Fe12-yMey)z の式(1)で表したとき、
0.6≦x≦0.84、
0.3≦y≦0.6、
0.8≦z≦1.1である組成を有する酸化物焼結体からなり、
組織中に占めるM相の比率が95モル%以上であることを特徴とするフェライト磁性材料。 - 残留磁束密度(Br)が4.6kG以上であることを特徴とする請求項1に記載のフェライト磁性材料。
- 前記式(1)において、0.7≦x≦0.84であることを特徴とする請求項1又は2に記載のフェライト磁性材料。
- Fe、元素A(A:Sr、Ba、Ca及びPbから選択される少なくとも1種の元素)、元素R(R:希土類元素(Yを含む)及びBiから選択される少なくとも1種の元素であってLaを必ず含む)、元素Me(Me:CoであるかCo及びZn)を主成分とする六方晶M型フェライトを含むフェライト磁性材料の製造方法であって、
所定の原料粉末を1350〜1450℃の温度範囲で所定時間保持する仮焼工程と、
前記仮焼工程で得られた仮焼体を粉砕する工程と、
前記粉砕により得られた粉砕粉末を磁場中成形する工程と、
前記磁場中成形により得られた成形体を1250〜1360℃の温度範囲で所定時間保持する焼成工程と、
を備えることを特徴とするフェライト磁性材料の製造方法。 - 前記仮焼工程の温度を1370〜1430℃、前記焼成工程の温度を1280〜1320℃とすることを特徴とする請求項4に記載のフェライト磁性材料の製造方法。
- 前記フェライト磁性材料が、
AをSr、Ba、Ca及びPbから選択される少なくとも1種の元素、
Rを希土類元素(Yを含む)及びBiから選択される少なくとも1種の元素であってLaを必ず含むものとし、
MeをCoであるかCo及びZnとし、
A、R、Fe及びMeそれぞれの金属元素の総計の構成比率を
A1-xRx(Fe12-yMey)z の式(1)で表したとき、
0.6≦x≦0.84、
0.3≦y≦0.6、
0.8≦z≦1.1である組成を有する酸化物焼結体からなることを特徴とする請求項4又は5に記載のフェライト磁性材料の製造方法。
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